【2004年7月26日〜8月1日】


■タリバン戦士、攻撃を強化[040801 New York Times]

アフガニスタンにおける米軍やアフガン軍への攻撃はここ数ヵ月間、確実に増加しており、アフガニスタンの再建は政府の安定に大きな障害となっていると、米司令官やアフガン高官が述べる。

タリバンは南部で人員を募集し始め、新アフガン軍や警察官、援助活動家などに対して攻撃を仕掛けている。今週、国境なき医師団も、アフガニスタンから撤退を決めた。

攻撃はアフガニスタン南部や東部などの地方で頻発している。これらの地域は、以前からタリバンの根拠地である。再建活動が滞り、米軍やアフガン政府に敵意を持つ地元民たちは大勢いる。

しかし米軍司令官はこれを楽観視し、タリバンが絶望的になっているために攻撃を強化しているのだと見る。司令官たちによると、昨年暮れに開始した新たな作戦が功を奏し始め、兵士たちは対抗勢力に対す諜報情報を入手できるようになったと主張する。「まだまだやるべきことが、たくさんある。しかし大きな目で見れば、選挙に向けて、この国は成功への道を辿っている」と、アフガニスタンの米総司令官のDavid W. Barno将軍が述べる。攻撃は増加したが、イラクのようではないし、再建が中止されるほどではないという。

タリバンの攻撃は、アフガニスタンの主要都市では、何の影響もないように見える。ここは外国の再建のための資金や海外に住むアフガン人からの送金、アヘン産業で潤い、再建が波に乗っている。しかしタリバンは地方へ援助が入ることを、妨げている。しかし少しずつ、アフガニスタンの大統領選に向けて、治安を強化していくとBarno将軍は述べる。(中略)

米軍司令官によると、米軍が多いため、新たな攻撃が増えたという。最近海兵隊がウルズガン州から撤退。ウルズガンはオマール師の故郷であるが、海兵隊が駐屯していた約4ヵ月の間に、約100人の武装兵士を殺害したという。2000人の海兵隊員が撤退したあと、ルーマニアの歩兵隊と韓国のエンジニア、さらにNATOの6500人を含む1万8000人の米兵がカブール周辺で活動している。陸軍と海軍の戦闘ヘリコプターと空軍のA-10とB-1が戦力になる。(中略)パキスタンとの国境では、スパイ衛星や偵察機がビンラディンを捜索している。(中略)

ヘルマンド州知事Shir Mohammad Akhundzadaは最近の会見で、タリバンはこの4ヵ月間に15〜20人の兵士を殺害していると述べた。去年は1年間で14人にすぎなかった。そして2001年以来初めて、タリバンは北部のヘルマンドでも、人員を募集し始めたという。これまでは、タリバンの新人はパキスタンからやっていた。「最近では、地元民もタリバンに参加しはじめた」と知事は述べる。「アメリカ人や政府に不満を持つ者たちがいるのだ」。(後略)

hoonTaliban Fighters Increase Attacks
By ERIC SCHMITT and DAVID ROHDE、Washington


■北ワジリスタンの爆発で、兵士1人が死亡、6人が負傷[040801 Daily Times]

北ワジリスタンで遠隔装置付きの爆弾が爆発して軍の車列が大破し、兵士1人が死亡、6人が負傷した。軍報道官のShaukat Sultan将軍はこれを否定している。

hoon1 soldier killed, 6 injured in North Waziristan blast
By Hayatullah Khan、MIR ALI


■抵抗勢力の司令官、ワナの余波を警告[040801 News]

ワナの親タリバン派の抵抗勢力の司令官が、南ワジリスタンで作戦を行なえば、パキスタン国内が不安定になるだろうと警告した。

「パキスタン政府がアメリカの援助を受けて我々のリーダーたちを攻撃すれば、国の支配者たちは危険な目に遭うだろう。ネック・ムハンマドが、パキスタン政府の承認のもとで米軍によって殺害されたことを確信している」と、ハジ・ムハンマド・オマルが『News』に語った。

45歳のハジ・オマルは、ムジャヒディンやタリバンと戦ってきたアフガンのジハードのベテランで、ネックの死後、抵抗勢力の司令官を引き継いだ。オマルによると、パキスタン軍や国境警察に対するロケット弾攻撃や武装勢力による抵抗運動は、米軍がアルカイダやタリバンに対する作戦に関わっているために行なっているのだという。「抵抗勢力たちは、米軍やスパイがいる場所だけを狙っている。我々の目的はパキスタン兵ではない」と抗議した。

最近パキスタン人の少女が軍のキャンプを攻撃したことで死亡したことに触れると、政府がアメリカ人をキャンプ内に入れているからそのようなことが起きるのだと述べた。「我々ムジャヒディンは攻撃によって二次的な被害が起きると、心が痛む。しかしこれは時として避けられない」と説明した。

ハジ・オマルは、米軍や諜報部員数百人が南ワジリスタンに極秘に配置されているとの述べた。またパキスタン内には、1万〜2万人の米兵がいると主張する。ワナやシャカイでの攻撃には米軍も参加し、ジェット戦闘機やヘリコプターが飛びかって、無人偵察機が手配者の活動を監視しているという。「米軍は、部族地帯で2年以上活動している。ここのところ、その数が増加した」と強調した。

ハジ・オマルはネックが結んだシャカイの和平合意を再び採用することを、繰り返し申し出た。米政府が、軍司令官やアフガニスタンの米大使カリルザドを通してシャカイの合意を破棄させ、パキスタン政府が南ワジリスタンで再び作戦を行なうようにしかけたと非難した。「アメリカが我々の問題に介入さえしなければ、また米兵やスパイがパキスタンから去れば、我々だけで問題を解決することができる」と主張する。

シャカイの合意には、南ワジリスタンに隠れている外国人抵抗勢力たちの登録は含まれていないと述べ、アメリカがパキスタンに圧力をかけていると非難する。南ワジリスタンにいる部族民たちは、外国人たちの行動を保証することができると述べたが、ほとんどの者は、すでにアフガニスタン側に行ってしまったと付け加えた。

smellMilitants' commander warns of Wana fallout
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■パキスタンの次期首相暗殺未遂事件で逮捕者[040801 AP]

政府大臣によると、パキスタンの次期首相候補暗殺未遂事件に関連して、数人が逮捕されたという。

自爆テロ犯の衣類の残骸、頭部などが回収された。衣服には、アトックの仕立て人のタグがついていたという。情報相のラシッドが『AP』に語ったところによると、「いくつかの進展」があり、数人が逮捕されたと述べたが、詳細は語らなかった。

hoonSeveral Arrests Made in Pakistan Attack
By SADAQAT JAN、ISLAMABAD


■Abizaid、アフガニスタンとの国境を訪問[040801 Dawn]

米中東指令のJohn P. Abizaid将軍がアフガニスタンとの国境にあるトルハムを、土曜日に訪れた。軍兵士たちがトルハムに続く道路の全行程に配置された。

米将軍は国境警察総司令官Maj-Gen Hamid Khanなどの幹部と会ったという。「通常の訪問だった」と軍報道官は述べ、詳細は語らなかった。

smellAbizaid visits border with Afghanistan PESHAWAR


■アメリカの将軍、ワシャラフと会談[040801 AP]

米中東司令部のJohn Abizaid将軍が土曜日に、治安関係やテロとの戦争に対する協力について、ムシャラフと話し合ったという。

ムシャラフとAbizaidは、「特にアフガニスタンを取り上げて」国際状況について話し合ったとパキスタンの『AP』が述べた。会談はラワルピンディで開催された。さらにAbizaidは陸軍副長官Mohammed Yusaf将軍をはじめ、パキスタンの軍司令官たちと会談したらしい。

Abizaidのパキスタン訪問は、パキスタンの首相Chaudhry Shujaat Hussainがサウジのリーダーたちと、イラクに「ムスリム軍」を組織して派遣するかどうか話し合った2日後に実施された。今のところパキスタンは軍をイラクに派遣することを否定している。

smellTop U.S. general hold talks with Musharraf, other military commanders


■パキスタン、暗殺者の身元を捜査[040731 Reuters]

パキスタン当局は、アジーズを暗殺しようとした自爆テロ犯の身元を、残された犯人の頭部からわりだそうとしている。警察はまだ反抗グループの特定はしていないが、アルカイダと関係があると主張する今まで無名のグループが、「パキスタンにおけるアメリカ人の奴隷」に対して、メンバーを送り込んだと発表した。

犯人の遺体はばらばらになったが、警察は頭部や腕、足や胸部を発見。頑強な作りの男だったという。「彼の顔は損傷していたが、識別できる」ようだ。「犯人は若い男で、20代だ」と、警察本部長のZafar Iqbalが『ロイター』に述べた。

これに先立ち、アルカイダのイスタンブール歩兵隊と名乗る無名のグループが土曜日に、イスラームのウェブサイトに、今回の攻撃は「裏切り者」ムシャラフに対するものだという声明を発表した。(後略)

hoonPakistan seeks identity of would-be assassin
By Amir Zia、ISLAMABAD


■パキスタンの攻撃に対して犯行声明[040731 AP]

パキスタンの次期首相候補に対する暗殺未遂事件に対して、抵抗勢力が声明を発表。パキスタンが逮捕した抵抗勢力をアメリカに引き渡すことを中止しなければ、今後も攻撃をすると脅迫した。

次期首相候補アジーズ氏に対する自爆テロは、パキスタンがアルカイダ容疑者、Ahmed Khalfan Ghailaniを逮捕した数時間後に発生した。当局は、今回のテロはアルカイダの仕業である可能性が高いと発表していた。

このグループはアラビア語の声明を発表し、「我々の軍隊はパキスタンにおけるアメリカの奴隷の1人を攻撃したが、神は彼が生きることを望んだ」という。この攻撃は、ムシャラフが逮捕した抵抗勢力たちをアメリカに引き渡すことに対する報復だという。「昨日の作戦は、残虐なブッシュの命令に従うのをやめない限り、今後も攻撃が続く」と述べた。パキスタンには引き渡しを中止するために、猶予を与えるという。このメッセージは「最後の通達」であり、「数日内には我々の軍隊が、あなたたちが唯一理解できる血を用いた対話で、証明することになる」という。

hoonGroup Takes Credit for Pakistan Attack
By MUNIR AHMAD


■パキスタンでのテロの背後にアルカイダか?[040731 AP]

金曜日の自爆テロ事件の背後に、アルカイダ組織がいる可能性があるという。金曜日のアジーズを狙った自爆テロ事件の犠牲者は8人にのぼったと、情報相のラシッド・アーマッドが発表した。

パキスタンでは、自爆テロ犯がアジーズが乗った車に近づき、手をあげてから自爆する様子が崩壊された。犯人は20代前半のパキスタン人のように見えるという。しかし政府は、アルカイダの反抗である可能性があると、すぐに発表した。

smellal-Qaida May Be Behind Pakistan Attack
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■米将軍、パキスタン高官との会談で訪パ[040731 AP]

米中東指令のJohn Abizaid将軍が金曜日、パキスタンに到着した。パキスタン高官と会談するという。

smellTop U.S. general arrives for meetings with Pakistani officials


■南ワジリスタンで戒厳令[040731 News]

南ワジリスタンは、治安部隊とサントイとマントイ地域にいる抵抗勢力との間の戦闘が3日間続き、戒厳令が出されている。

情報源によると、抵抗勢力たちは治安部隊にロケット弾を発射しているという。軍のヘリコプターは金曜日の朝、この地域の上空を旋回していたが、攻撃はなかったようだと目撃者が語った。滑走路の側で銃撃戦があったという報告もあるが、詳細はわからない。

当局はワナの副行政官の署名で、戒厳令が出された。アザムワルサックからMichan Babaの間の道に出ることを禁じられている。報道陣たちには、何も情報も与えられていない。

smellNight curfew in South Waziristan
By Behroz Khan & Sailab Mahsud、PESHAWAR


■パキスタンのリーダー、自爆テロを免れる[040730 AP]

金曜日、パキスタンの首相に任命されているアジーズ(Shaukat Aziz)が乗った車が自爆テロに遭遇し、アジーズの車の運転手の他4人が死亡した。また集まった支持者たちに散弾銃を浴びせた。約36人が負傷したが、なかには重傷の者もいる。この事件で4人が死亡、24人の警察官が負傷した。いまのところ、事件の背景はわからない。事件は、Fateh Jangのバザールで発生した。

アジーズに対する攻撃は、当局がアルカイダテロリストを逮捕したことを発表した数時間後に発生した。

アジーズとFateh Jangの町長、Sadiqが防弾を施した車に乗った直後に男が近づいてきて、自爆したという。アジーズの運転手はまだドアを閉めていなかったために、死亡した。(後略)

hoonPakistan Leader Survives Suicide Attack
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■パキスタン、ケニア大使館爆破事件の容疑者逮捕[040729 AP]

パキスタンは1998年にケニアとタンザニアの米大使館爆破事件と関係した、タンザニア国籍のアルカイダ容疑者を逮捕したと、内務相が金曜日に発表した。容疑者は当局に協力しており、非常に重要な情報を与えているという。

FBIが発表している22人の手配者の1人で、2500万ドルの懸賞金が懸かっていたAhmed Khalfan Ghailaniが他の15人とともにグジュラートで逮捕されたと、内務相のファイサル・ハヤートが『AP』に述べた。米軍高官もこれを確認し、大きな成果と評価した。Ghailaniの逮捕は、1998年の大使館爆破事件に関する捜査にとって、大きな前進となる。特にアフリカにおけるアルカイダ組織の実態が、明らかになると期待されている。

ハヤートによると、Ghailaniはパキスタンにしばらく住んでいたようだが、いかにして、そしていつパキスタンに入国したかは、まだ明らかではない。現在は、パキスタン国内で取り調べを受けているが、後にアメリカに引き渡す可能性があることを示唆した。『AP』が諜報部高官から入手した情報によると、Ghailaniはラホールで取り調べを受けているようだ。(中略)

パキスタンの対テロ部門の責任者Javed Iqbal Cheema准将は『AP』に、ウズベク人の妻もGhailaniとともに逮捕され、子供も数人いたと語った。一味がパキスタン内で攻撃を計画していたのか、単に隠れていただけなのかは、明らかではない。「最近グジュラートに来たようだ。なぜここにいたか、どうやって来たのかは、まだわからない」という。

容疑者たちは日曜日に、グジュラートの隠れ家で、12時間に及ぶ銃撃戦の結果、逮捕された。別の捜索で逮捕されたパキスタン人抵抗勢力の取り調べから、足がついたという。日曜日に逮捕されていたにもかかわらず、当局は容疑者の身元を伏せていたが、ハヤートが深夜のGeoテレビに出演して、真相を明らかにした。パキスタンはこれまで、重要人物の逮捕時期をパキスタンとアメリカの重要な会談に会わせて発表しているのではないかと噂されている。

hoonPakistan Arrests Embassy Bombings Suspect
By PAUL HAVEN、ISLAMABAD


■アフガン大臣、カルザイの敵を支援[040729 Washington Post]

アフガニスタンの外務大臣がカルザイと離反し、カルザイのライバルを支援すると発言した。

政府内の亀裂が明らかになったあと、初めて声明を発表した外相のアブドゥッラーは、大統領選では教育省のユーノス・カヌニを支援すると発表した。カルザイは月曜日に、ファヒムを副大統領候補から外したが、これに抗議してカヌニはカルザイに対抗して大統領選に立候補した。

「カヌニを推すことに対して、私も賛成した」とアブドゥッラーは記者会見で述べた。「カヌーニを支援する」という。アブドゥッラーは、ファヒムと同様、選挙が行なわれるまでは大臣職に就くと述べた。(中略)

アブドゥッラーは、北部同盟の幹部たちは、故マスード司令官が一時率いていた政党Shura-i-Nazarを含め、National Movement of Afghanistanという新たな政党に登録したと発表した。

NATOを率いるカナダのLt. Gen. Rick Hillierは、カルザイの決断は、弾丸ではなく、選挙で戦おうというアフガンの政党の意思が現れており、これは以前にはなかったことだと評価した。(後略)

hoonKey Afghan Minister to Back Karzai Rival
By Keith B. Richburg、KABUL


■爆弾犯人と治安工作員、コハートの爆発で死亡[040729 Daily Times]

コハートで、25分の間隔を置いて、2つの自家製爆弾が爆発し、2人が死亡、少なくとも3人が負傷したと軍報道官が述べた。

最初の犠牲者は、爆弾を設置しようとしていた犯人で、コハートの公園で爆発した。2番目の爆発は、同じ公園で約25分後に起き、最初の爆弾事件を捜査していた治安組織の高官が殺害され、3人の警官が負傷した。最初の爆発で死亡した犯人が、すでに2番目の爆弾を設置していたと思われる。

hoonBomber, intelligence agent killed in Kohat blasts
ISLAMABAD


■ワナの戦闘で少女が死亡[040729 Daily Times]

水曜日にワジリスタンで少女が1人死亡し、軍関係者2人が負傷したという。

抵抗勢力たちが、南ワジリスタンの軍のキャンプや行政機関にロケット弾を撃ち込んだ。5発のロケット弾が、さまざまな方角からワナのスカウトのキャンプと行政機関に向けて発射された。そのうちの一つが居住地に命中し、少女が殺害された。兵士2人も負傷した。また抵抗勢力は、シャカイに駐屯している軍や準軍隊を攻撃した。

軍はこれに応戦した。治安部隊が森林で覆われたKhamrang、Mantoi、Santoiを攻撃。6人の部族民、Zegray、Ghulam Rasool、 Shahwal Khan、Hafiz Dil Nawaz、Noor Muhammad、Wazir Khanが投降した。

hoonMinor dies in Wana clashes
WANA


■アフガンで爆弾、2人死亡。援助団体、撤退[040728 AP]

国境なき医師団はアフガニスタンを撤退することを決定し、タリバン政権崩壊後にアフガニスタンから引き上げる最初の援助団体となった。以前に殺害された5人のスタッフの背後関係にいる軍閥の調査を政府がしていないことを、理由に挙げた。

80人の国際ボランティアと1400人のアフガン人スタッフを抱えた国境なき医師団の撤退は、アフガニスタンの治安がいかに悪いかを劇的に証明することになる。2003年3月以来、援助活動家30人が殺害された。

水曜日には、アフガニスタンの大統領選に参加するための登録が行なわれているモスクで爆発があり、少なくとも2人が死亡した。またカブールにはロケット弾3発が撃ち込まれ、アフガン軍の武器庫に命中、中国大使館はあわやというところで爆発を逃れた。

アフガニスタン北西部のBadghisで国境無き医師団の活動家たちが襲撃された事件は、北部の治安も悪化してきたのではないかという恐れを巻き起こした。ヨーロッパ人3人とアフガン人2人が、バイクに乗った2人の男に襲撃されて死亡している。タリバン報道官が声明を発表し、アメリカのために働く活動家たちを非難した。

国境なき医師団が水曜日にアフガン内相が語ったことによると、Badghisの地元治安官が、外部の者たちに抗議するために殺人を命令したという「確かな証拠がある」と述べた。しかしこの高官は特定されず、逮捕されることもなく、いまだに「援助活動家を殺害するよう、メッセージを送っている」という。

さらに米軍には、アフガン人の感情を勝ち取るために、人道援助を利用することをやめるように訴えた。アメリカとNATOは、いわゆる地方再建チームを作り、医療施設を作ったり井戸を掘るなど、一般市民が行なうような活動をしている。軍は5月に、今後も援助がほしければ抵抗勢力についての情報を提供せよと呼びかけるビラを配ったことを謝罪している。これに対して国境なき医師団は、「すべての援助活動家たちを、危険にさらした」と非難した。

しかし米軍はこれに抗議した。「我々は人々を危険にさらしていない」という。援助活動組織は、米軍と協力しながら効果的に活動をしている。他の活動家たちは「タリバンやアルカイダを気にしなければならない。我々は手助けをしているだけだ」と述べた。

hoonAfghan Bombing Kills 2; Aid Group Leaving
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ウズベクで起きたテロ容疑者、リーダーはオマール師のシンパと発言[040727 AP]

ウズベキスタンで、少なくとも47人を殺害した暴力事件の背後にいる過激派組織は、オマール師のシンパであると容疑者が火曜日に証言した。

Farkhod Kazakhbayevは、パキスタンの南ワジリスタンの訓練所でアラブ人たちによって訓練を受けたと述べ、いまだ逃走している「Jamoat」(社会の意)として知られるウズベク人組織のリーダーNajmiddin Jalolovは、オマール師を信奉しているという。

3月と4月に起きた爆弾事件で、男女13人が告訴され、全員が有罪となっている。死刑を宣告される可能性もあるという。(中略)攻撃は、事件の前夜、ブハラの爆弾工場で爆発事故があったあと、JamoatのリーダーであるAkhmad Bekmirzayevが思いつきで考え出したという。後にKazakhbayevが隠れ家に案内したあと、Bekmirzayevは警察との銃撃戦で殺害された。

裁判の結果、新しい過激派組織のJamoatの実態が明らかになってきた。この組織はアルカイダと関係があるウズベキスタンイスラーム運動(IMU)から派生した。IMUはアフガニスタンでは北部同盟と戦い、その残党が今はパキスタンの部族地帯にいるといわれる。

いっぽう月曜日にウズベク人捜査官が、過激派はカザフスタンの南部で訓練を受けていたと述べた。ある容疑者は14人の過激派をカザフスタンに密入国させたと発言。しかしカザクスタンは、この組織がカザフで活動していることを否定した。(後略)

hoonSuspect in Uzbek terror trial says group


■部族地帯のラジオ局に爆弾[040727 AP]

ワナのラジオ局の外で小さな爆弾が爆発し、アンテナ塔が損傷を受けたが、負傷者はいない模様だと治安高官が述べた。誰の仕業かは、今のところわかっていない。

ラジオ局は2ヵ月前に建設され、宗教番組やニュース、音楽番組を流していた。

hoonBomb damages Pakistan radio station in border


■アフガンリーダー、突然新たな仲間を選ぶ[040727 New York Times]

(前略)ある外国高官によると、カルザイは日曜日に外交官や国連関係者、アフガンのリーダーたちと会合を持った際に、ファヒムを副大統領にしないよう、助言されたという。

ファヒムは非武装化の大きな障害と見られているが、仲間のタジーク族から、とくにムジャヒディンたちからは、多くの犠牲を払ってきたリーダーとして見られている。カルザイがマスード氏を選んだことを、タジーク族やパンシールの人々はあまり歓迎していない。自分たちを守ってくれるファヒムを突然除外したことに、不服のようだ。

「この2日間は非常に気楽で、ただ交渉したり、おしゃべりをして過ごした」と、カルザイは平穏を装っていたが、月曜日のパキスタン訪問は延期している。

米大使のカリルザドはカルザイに、副大統領を誰にしようとも、アメリカは彼を支援すると約束している。カリルザドは週末にファヒムと会った。ファヒムは最後まで自分の職について交渉しようとしていたが、最後には諦めたようだったという。カヌーニはファヒムが除外されたことを快く思っていないようで、「アフガニスタンの治安とアフガニスタンの統一に害を与える」と述べた。しかし月曜日には、銃を用いるのではなく、選挙をとおして権力を勝ち取ると表明した。

hoonAfghan Leader, in a Surprise, Picks a New Running Mate
By CARLOTTA GALL、KABUL


■カラチの医者への告訴、取り下げる[040727 BBC]

カラチで起きた警察司令官殺害事件で、過激派Jundallahと関係して逮捕されていた2人の医者に対する告訴が取り下げられた。

警察は証拠不十分として、2人の医者の兄弟、Akmal WaheedとArshadに対する告訴を取り下げた。

hoonKarachi doctors' charges dropped


■カルザイ、副大統領を変更[040727 Washington Post]

カルザイ大統領は、副大統領候補のファヒムを候補から除外したために、カブールではファヒムが反旗を翻すのではないかと、危ぶまれた。(中略)

パンシール渓谷からは、意外にも別の人物、教育相のユーノス・カヌーニが突然立候補した。ファヒムも彼を推しているという。

カルザイが月曜日に厳戒態勢の大統領宮殿で大統領選挙への立候補を表明した際、ファヒム、カヌーニ、そして外務相のアブドゥッラーは欠席した。パンシールのタジーク組を分裂させるために、カルザイは副大統領候補に故マスード司令官の弟のアーマッド・ジア・マスードを推した。「若い世代が必要だと思った」とカルザイは述べる。

しかしカヌーニはBBCのダリ語放送で、もう1人のマスード司令官の弟、アーマッド・ワリ・マスードから支援を受けていると述べた。アーマッド・ワリ・マスードは、インタビューを拒否している。カルザイはもう1人の副大統領候補に、ハザラ族のカリリを推した。

カルザイがファヒムと決裂したことは、北部同盟との同盟が決列したことを意味する。カルザイとファヒムの分裂は、2002年7月に大統領の護衛を米軍に置き換えたことから始まった。国際治安支援部隊がカブールに入ると、ファヒムの軍隊はカブールから追い出されたが、非武装化はしていない。次にカルザイは内務相のカヌーニを、それほど重要ではない教育相に異動した。

さらに今年の7月20日には、アフガン軍司令官だった強力な3人の軍閥を異動した。まずは北部同盟の強力な司令官、アタ・ムハンマド将軍、アフガニスタン東部で米軍とともにタリバンやアルカイダと戦ったハザラット・アリ将軍、そして南部の反ソ連戦士だったムハンマド・カーンである。北部同盟の一員だったドスタム将軍は、カルザイと大統領選を戦うことを表明している。(後略)

ohKarzai Replaces Top Deputy On Ticket
By Keith B. Richburg、KABUL


■9.11首謀者、スーパーテロリストと自認[040727 Washington Post]

9.11調査委員会の報告書によると、9.11の攻撃は、KSM(Khalid Shaikh Mohammad)自身が思い描いていたものと全く規模が違っていたという。

1998年か1999年にKSMがビンラディンに提案した計画によると、ジェット機のハイジャック犯10人をアメリカの両海岸に招集し、そのうちの9機を追突させることだった。リーダーは最後の飛行機に搭乗し、そこから指令を出す。搭乗していたすべての者を殺害したあと、ムハンマドはメディアに連絡し、イスラエルを支持し、アラブの国々を抑圧するアメリカ政府を非難する演説をする予定だった。

9.11調査委員会の報告書によると、計画は古典的なもので(KSMが語るところによると)、ムハンマドが中心になりながら、残酷なニヒリズムにドラマチックな味付けをしたという。9.11委員会によると、彼の最初の計画には「野望」があり、「まるで劇場のようだ。KSMが主役のスーパーテロリストとなり、破壊を演出」しているという。

KSMは2003年3月以来、極秘の場所に監禁されているが、今回初めて彼の取り調べや彼とのインタビューが明らかにされた。彼はビンラディンやアルカイダ幹部に9.11計画に専念するように言われても、常に派手なテロ攻撃を計画していたという。また報告書は、ムハンマドの発言の信頼性を疑い、自分はビンラディンにも束縛されない、独立した工作員であると自負していたとする。(中略)

1993年2月26日の世界貿易センタービル爆破事件で6人が殺害されたが、爆破犯人はもっと大きな被害を及ぼすことを望んでいたようだ。捜査の結果、1年前に犯行の計画者の1人に660ドルを送金した、ムハンマドが浮上した。さらに彼の3歳年下の従兄弟のラムジ・ユーセフが首謀犯であることがわかる。ユーセフが一躍有名になっかことが、KSMに影響を与えたようだ。

1年もしないうちに、ムハンマドとユーセフはフィリピンに出かけ、9.11の事件を起こすきっかけとなった、「ボジンカ計画」を立てた。これは太平洋上で、12機のアメリカのジェット機を爆破させる計画である。2人は化学物質を配合し、タイマーなどを収集するとともに、クリントン大統領を暗殺する計画も立てた。ユーセフは1995年に逮捕され、KSMはアフガニスタンに、さらに大きな計画を立てるために出かけていった。

ビンラディンとは、1996年にトラボラで会う。2人はアフガンムジャヒディンの時代から面識があったが、「それまでは、それほど一緒に行動していなかった」ようだ。報告書によると、「ムハンマドはビンラディンが彼に同意するのは、有名なユーセフのせいだと感じていた」らしい。

ムハンマドはビンラディンと幹部の1人、ムハンマド・アテフにフィリピンのジェット機計画や、アメリカに向かう貨物船の爆破計画、「訓練を受けたパイロットがアメリカのビルに突入する計画」などを提案したという。9.11の基礎となった計画だ。ビンラディンは何も言わなかったが、ムハンマドにアルカイダへの参加を誘った。ムハンマドは断わる。数年後にアルカイダに加わったあとも、「KSMはビンラディンに忠誠を誓うことを拒んだ。自立することを望んだ」と報告書は語る。

ムハンマドは、アルカイダだけでなく、どんなテロ組織とも協力しただろうと主張する。そしてビンラディンが禁止したとしても、9.11の攻撃を実行したと述べる。「アルカイダには資金や人材を提供してほしかっただけで、自分は独立していたかった」のだ。

ムハンマドは1999年頃からハイジャック犯を募集し、準備をはじめる。(中略)その後2年間、ムハンマドは世界中を旅し、モハメット・アタとともに、アメリカに行く。ビンラディンとアテフ(アフガニスタンで米軍に殺害される)がハイジャック犯の選別やその他の事柄を決定していたが、ムハンマドは計画の細部をすべて受け持った。

アメリカの取り調べに対してムハンマドは、彼と彼の仲間がビンラディンを説得してアメリカを攻撃させたと述べるが、委員会はこれを疑問視。「自分の役割を誇示している」と述べる。さらに彼は、アテフや他のメンバーたちの役割を軽んじる。11人目のハイジャック犯Khalid Almihdharは、訓練が厳しすぎたために辞めたと語るが、逮捕されている別のアルカイダによると、最後まで訓練をしていたと述べる。どうもムハンマドはAlmihdharと馬が会わず、ビンラディンが仲介に入らなければ、辞めさせていたようだ。

現在アメリカに拘束されている別のアルカイダ幹部、アブ・ズバイダは、ムハンマドの最初の9.11計画はもっと小規模だったために、ビンラディンがもっと拡大するように命じたという。「ブルドーザーが使えるのに、なぜ斧を使うのか」と、ビンラディンが語ったようだ。他のアルカイダ幹部も、ムハンマドを楽天家と説明する。

この間、アメリカはムハンマドの重要性を把握していなかった。ムハンマドには、ダニエル・パール記者を殺害した容疑もかかっている。2001年の攻撃のあとも、ムハンマドはまだ満足していないという。9.11以後にアルジャジーラと行ったインタビューで、アルカイダはアメリカ内で30の攻撃目標を定めていると語った。しかし委員会の報告によると、「この主張は9.11の規模を拡大するための嘘だったと、KSMは認めた」という。

hoon9/11 Report Says Plotter Saw Self as Superterrorist
By Dan Eggen


■パキスタンの準軍隊2人、殺害さる[040727 AP]

部族地帯のオルクザイで、パキスタン兵2人が銃撃されて死亡した。逃走した2人のうち1人は、後にGhuzdaraの住民によって捕まった。逮捕されたのは、地元民だったという。

ペシャワル当局は、南北ワジリスタンの難民キャンプに住むアフガン人難民たちに、治安上の問題のために9月1日までに退去するよう、命じた。

hoonTwo Pakistani Paramilitary Troops Killed


■政府,南ワジリスタンの部族民に「和平案」を申し出る[040727 News]

月曜日に政府は南ワジリスタンに、外国人の登録に関する問題を解決するために、新たな和平案を申し出た。政府は以前のシャカイでの和解案に従い、政府の条件を受け入れて保証金を払えば、部族民たちに対する経済制裁は解除するという。

北西辺境州知事は、ワナの問題は早急に解決したいが、条件はあると述べた。政府は外国人を匿う者たちの引き渡しを望み、外国人を今後匿わないという保証が必要だという。また外国人に関しては、以前と同様に、もし無条件に投降すれば、行政側は彼らを第三国に引き渡すことはないこと、パキスタンに住むのを認めることを約束した。

hoonGovt offers 'peace package' to S Waziristan tribes
PESHAWAR


■「本当のアルカイダ、グジュラートで取り逃がす」[040727 News]

日曜日にIslamnagarでの銃撃戦で逮捕されたアルカイダ容疑者たちは、自爆テロに用いることが可能な爆発物を持っていた。

情報源によると、逮捕された3人の女性のうち1人は、逮捕された男性、Tanveerの息子を連れていた。テロリストはグジュラートの不動産屋から、ジハード組織のメンバーであるMandi BahauddinのAsifを通じて家を借りていたという。Asifは行方不明になっている。

作戦の前に、アジア地域におけるアルカイダの責任者がグジュラートにいるという情報を得ていたらしい。「懸賞金が懸かっているアルカイダ幹部がいるといわれていた。だから生きて捕らえることが重要だった」というが、本人は逮捕できなかった。

隠れ家は、借りたという。

hoon'Real al-Qaeda target not captured in Gujrat'
GUJRAT


■カルザイ、大統領に立候補、軍閥を諦める[040726 AP]

ここ数日間大統領選挙を巡って緊張が高まり,NATOの治安支援部隊が治安の悪化を心配していたが、月曜日にカルザイ大統領は正式に大統領選挙に立候補した。

意外なことに、副大統領として国防大臣のファヒームを推薦するのをやめ、暗殺された英雄マスード司令官の弟のアーマッド・ジア・マスードを推した。「アフガニスタンの人々は、これがいいチームであることを認めてくれ、我々に票を入れてくれることを期待している」と述べた。

アーマッド・ジア・マスードは、現在はロシア大使である。もう1人の副大統領には、ハザラ族のリーダー、カリリを推薦した。

ファヒームが今後も国防大臣の地位に就くかどうか、カルザイに対立する候補として立候補するかどうかはわからない。ファヒームは、カルザイの記者会見には出席しなかった。

ファヒームに忠誠を誓う数千の兵士たちは、いまだにカブールに残っている。NATOの治安支援部隊は混乱を警戒して、ドイツとカナダの車列が町をパトロールしていた。米軍は選挙事務所を監視し、アフガン国軍や治安高官が包囲した。

hoonKarzai Announces Candidacy, Drops Warlord
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■議論でアフガンリーダー、パキスタン訪問を延期[040726 New York Times]

カルザイ大統領は国防大臣で、次期副大統領候補のファヒムとの政治的緊張のため、パキスタンへの訪問を延期した。

月曜日に大統領候補と副大統領2名選出が締め切られる。ファヒムはカルザイ大統領の副大統領の1人になる予定であるが、そうなると、ファヒムは直ちに現在の副大統領と国防大臣の職を辞任しなければならない。ファヒムはこれを拒否してきた。

ファヒムはこの2日間、カルザイとの恒例の会議に出席せず、北部同盟の仲間たちと話し合いを続けていたために、カブールは緊張した。ファヒムの配下の北部同盟の将軍たちはカブールに招集されて厳戒態勢に入った。また国際援助団体は事務所を閉鎖し、外出が禁止された。ファヒムが武器を備蓄しているバラ・ヒサール城を米軍が管理下に置くという噂もたった。

しかし日曜日には、論争は解決したようだ。しかしまだ政治的緊張、あるいは暴力の勃発が心配されために、カルザイはパキスタン訪問を延期したらしい。ウズベクの軍閥ドスタム将軍、シーア派の司令官で前大臣のHaji Mohammad Mohaqiqが大統領に立候補している。国王擁護派のAbdul Sattar Siratも大統領選に参加するようだ。かれらはカルザイの票をある程度奪える可能性もあるが、カルザイの勝利は確実のようだ。カルザイが大統領になった場合、タジークのファヒムとシーア派のリーダー、カリリを副大統領にし、国防大臣には新たな人員を任命すると予測される。もしファヒムが推薦されれば、彼はすぐに国防大臣を辞職し、副大臣でパシュトゥンのワルダック将軍が大臣の座につくことにる。ファヒムはこれが不満だ。

カルザイは次期選挙で、ファヒムの副大統領の地位か国防大臣の地位のどちらか、あるいは両方から解免するよう、助言されている。国防大臣は、最大の権力がある。カルザイにとっては脅威であり、非武装化の足かせともなっている。ファヒムは北部同盟の非武装化に非協力的である。また汚職の元凶ともみられている。彼が副大統領に推薦された場合、カルザイの人気は落ちるが、タジークの票も獲得できる。さらにファヒムにつくアフガニスタンの軍閥や司令官たちを味方につけることもできるとみられている。

hoonDispute Prompts Afghan Leader to Delay Trip
By CARLOTTA GALL、Islamabad


■解決策なし[040726 Nations]

南ワジリスタンの危機に対して、簡単な解決策はないようだ。行政側が支持する36人委員会は、教育を受けた部族民たちが、家の取り壊しや経済制裁のような行動をとることは過ちだと抗議したために、崩壊しつつある。

当記者がワナを訪れてみたところ、貧困や時代から取り残されたこと、仕事がないことや行政側の厳しい政策などが、今回のアルカイダ容疑者たちの問題と大きく関わっているように見受けられる。部族民たちは行政側の圧力を受け、人権に対して抗議することはできない。このような状況のなかで、行政側と意見を異にする部族の長老たちでさえ、アルカイダ対策に対して発言できないでいる。

以前の植民地支配者のように、行政側は南ワジリスタンに分割統治を適用してきた。行政側が都合のいいように統治するなかで、部族民は伝統的なジルガを通して問題を解決することが難しくなっている。ジルガは36人のメンバーからなる。しかし行政側の口出しのために問題の解決ができず、教育を受けた部族民たちが彼らの行ないを非難したために、議長のMalik Baa Khanは解散を表明した。

行政側は、教育を受けた部族民たちを受け入れ、政治的解決にこぎつけようとしていたために、これに腹を立てた。現在、部族民と行政の間には大きな隔たりがある。行政官は36人の委員会(すでに解散)以外とは話し合いの場を持とうとはせず、教育を受けた部族民たちとの対話を拒否している。

Ahmadzai Wazir族は、もし行政側が経済制裁を解除したのなら、行政が認めた(解散した)委員会を認めようとさえしていた。最近はワナのバザールの近くに、仮設マーケットができた。数千店がすでに2ヵ月以上、封鎖されているからだ。部族民たちは現地で生産される農作物を安価で売らざるをえず、経済的に行き詰まっている。

現行政官Asmatullah Gandhapurは、南ワジリスタンでの滞在歴は長い。これまで南ワジリスタンでは別の役所を含め、ワナなどの町で副行政官などを勤めてきている。彼は行政での地位を確保するとともに、ワジール族やマフスード族などの部族民に敵を作り、対対関係にある。部族民たちにとって、Asmatullah Gandhapurは南ワジリスタンの審判というよりは、混乱の元凶である。まさにその理由のため、ワジール族とマフスード族は互いに意見を異にするにもかかわらず、Asmatullah Gandhapurを更迭してAzam Khanを呼び戻したがっているのだ。

外国人抵抗勢力やその支持者たちは最近の作戦で打撃を受けたが、一部がSantoyee and Mantoyeeに集結している。トラボラで開始され、シャヒコット、アンゴールアダ、アザムワルサック、カローシャ、シャカイと続いたアルカイダに対する作戦は、今やSantoyee and Mantoyeeに移った。Santoyeeにはワジール族が、Mantoyeeにはマフスード族が住む。この2つの地域は、南北ワジリスタンを結び、パキスタンをアフガニスタンと結ぶシャーワル山脈に近い。

数百人の抵抗勢力たちが、まだ洞窟に隠れていると言われる。外国人が多数を占めるこの勢力は、再び戦いを開始する可能性がある。「抵抗勢力は、膨大な量の近代兵器や資金を持つ」と軍関係者は述べる。軍は唯一、空軍が頼りだ。

ある高官の情報筋によると、この地域にはすでにアルカイダは存在せず、北部同盟とインドのために戦う傭兵だけだという説もある。皮肉にもワナとその周辺では、パンや水が手に入らなくても、最新のオーディオやビデオカセット、コンピュータのCDなどが手に入る。これらのものは、演説や詩、音楽なしの歌、ナートなど、アルカイダやタリバン、ネック・ムハンマド一味の好みが詰まっている。さらにギュンタナモやアブグレイブ、バグラム空軍基地などにいる囚人に対する虐待などが特集される。車の中や家庭でカセットをかけるほか、モスクのラウドスピーカーでも流れ、人々は大きな興味を持って受け止める。

しかしこれらのカセットの流入源を知るものは、誰もいない。「なぜ行政はこれらのCDやカセットの分配を許すのか、それでいて子供のために小麦粉を買うことを妨害するのか、わからない」と、ある教育を受けた部族民は語る。「行政側が周到に、部族民たちのなかに抵抗勢力を送り込んでいるように思える。北西辺境州の政治家たちは、行政側がネックのような抵抗勢力たちを生み出しているのを静観するのではなく、全員で政府に政治的な解決をするよう、迫るべきだ」。

ohNo early solution in sight
From Shamim Shahid、WANA


■ワジリスタンに150人のテロ容疑者[040726 Nations]

南ワジリスタンで、外国人「テロリスト」に対する作戦が、再び開始される恐れがある。

地元民に支援された外国人は、約150人いるといわれる。彼らは、アフガン戦争の際に備蓄された武器を持つ。シャカイ、Muntoi、Suntoi地域にいる外国人や地元民は、治安勢力から攻撃を受けたあとで撤退していると報告されている。『Nations』が受けた報告によると、外国人たちはSuntoiとMuntoi付近の山中に隠れ、ウズベク人、チェチェン人などだらしい。以前ロシアと戦ったアフガンムジャヒディンや外国人戦士たちが、Kozgha山中に武器を備蓄していたようだ。外国人戦闘員たちは、今この武器を手にしている。武器はまだ大量にあるらしい。

治安部隊は、外国人やその協力者たちに対して大掛かりな作戦を準備している。現在行われている政治的な話し合いが決裂した場合、大規模な軍事作戦が開始されそうだ。

シャカイの様子に詳しい者によると、治安部隊に対して、インド製のミサイルが使用されているという。また作戦の際に逮捕された者のなかに、インド人2人が含まれていた。しかし政府幹部はこれを認めていない。(後略)

hoon150 terror suspects hiding in Waziristan
WANA


■テロリスト、オマール師と関係か?[040726 Nations]

グジュラートで逮捕されたテロリストたちは、アルカイダのメンバーと言われ、何人かはオマール師と関係があるようだと情報源が語った。

グジュラートのテロネットワークは、イスラマバードからある車を追跡して現場にたどり着き、突き止められた。容疑者たちは偽名を用いていた。

hoonTerrorists have close links with Mulla Omar?
GUJRAT


■グジュラートで4人の外国人を含む13人逮捕[040726 News]

治安部隊は日曜日に、4人の外国人を含むアルカイダと関係がある13人を逮捕したという。女性3人と子供6人も含まれ、武器や外国通貨、科学薬品が押収された。警察官が1人負傷した。

逮捕された者の名前は、Abdullah、Tanveer、FerozeとSaleemである。TanveerはOkara出身のパキスタン人で、他はケニア、スーダン、南アフリカ人だという。逮捕された者たちは、45日間借家に住み、住民たちには人身密売をしていたと述べている。

情報源によると、運び屋である“Irfan, Shehzad and Shabbir”の従業員3人を調べた結果、テロリストたちがここを利用していることがわかったという。7月24日にホテルでTanveerを逮捕し、彼から得た情報で今回の取り締まりを行なったという。女性のうち1人はパキスタン人で、別の女性は爆発物をつけたジャケットを着ていたらしい。(後略)

hoon4 foreigners among 13 held in Gujrat
By Waseem Asharf Butt、GUJRAT


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.