【2004年9月10日〜9月12日】


■南ワジリスタンで戦闘続く[040912 News]

部族民抵抗勢力は南北ワジリスタンを結ぶ補給道路を封鎖、また抵抗勢力6人がさらに殺害されたという。

目撃情報によると、1500人の部族民抵抗勢力たちがMakin地域の補給道路を占拠し、LadahとRazmak間の道は孤立しているという。Razmakに駐屯している軍は、道路の解除をするための準備をしているらしい。南ワジリスタンの治安部隊と地元の部族リーダーたちはMakinに集まり、道路を解除するように抵抗勢力たちと話し合う準備をしている。

金曜日と土曜日にかけて、軍と抵抗勢力は山の頂上を占拠するために戦っているという。目撃者によると、軍は頂上を占拠しているが、抵抗勢力たちはTaghikai-NaraiとMalik Milasarと呼ばれる南部と北部を占拠している。

hoonClashes continue in South Waziristan
By Behroz Khan and Sailab Mahsud、PESHAWAR


■ワナの死亡者に25人の地元抵抗勢力[040912 Dawn]

南ワジリスタンのLuddah地域Budawaz Garangに対する空爆で死亡した者のなかには、25人の地元抵抗勢力と民間人が含まれていたことが土曜日にわかった。

木曜日の朝の爆撃で50人が死亡したが、住民によると、そのうちの6人は学生を含む子供だったという。3日に及ぶ戦闘で、72人以上が死亡、そのうち14人が治安部隊員だったらしい。

いっぽう行政側は、軍の車列がKarwan Manzaに到着し、この地域を制圧したと述べた。また軍は地元抵抗勢力のリーダーAbdullah Mahsudと話し合い、南北ワジリスタン間のワナからMakeenへの道路の安全を要請したという。しかし部族リーダーは、抵抗勢力たちの軍車列への攻撃は、阻止できないと述べた。金曜日の夜には、Sarwekai城にロケット弾3発が撃ち込まれたが、負傷者はいない模様である。

北ワジリスタンのシャーワル地域では金曜日、車列が抵抗勢力によって襲撃され、諜報官と兵士が負傷した。政府は国境付近のDatakhelに補強部隊を派遣するという。治安部隊は基地として、保健所と学校を占拠しているという。

garrWana dead included 25 local militants By Dilawar Khan Wazir、WANA


■オサマ、アフガン抵抗運動に加担[040911 Asia Times]

タリバンの抵抗運動は、オマール師、ジャラウディン・ハッカーニ、ダドゥッラー師、サイフラー・マンスールなどが指令している。そして最近の『Asia Times』の調査では、ビンラディンやザワヒリはもはやパキスタンにはいなく、アフガニスタンからアフガン抵抗運動を指揮していることをがわかった。最近の攻撃はブッシュ山脈と呼ばれるシャーワル近く地域で展開している。

先週の日曜日に、パキスタンの車列が戦闘ヘリコプターを用いてシャーワル族の長老Zarma Janの居住地を包囲した結果、彼は軍に協力することを約束した。パキスタン軍や準軍隊は、MangarotiやDarey Nishtar、ブッシュ山脈を地上と空から攻撃した。しかし11時間の戦闘のあとも、外国人は1人も見つけられなかった。タリバンの情報源によると、攻撃は遅すぎたのだという。外国人や重要人物は、すでにアフガニスタンに逃げていたらしい。

Mullah Mehmood Haq Yarによると、彼はオマール師によってイラク北部に派遣され、アメリカがアフガニスタンに侵攻する前に、Ansarul Islamを訓練したという。Ansarul Islamはパキスタンの抵抗グループである。Mehmoodは数ヵ月前にアフガニスタンに戻り、オマール師が形成する特別議会に加わった。そして外国人戦士や重要人物を、パキスタン側からアフガニスタンに無事に連れ出す役割を負ったとらしい。タリバンの情報源は、Mehmoodが彼らをどこに連れていったかは明らかにしなかった。しかし伝説的なムジャヒディン司令官、マンスールやハッカーニがいるパクティアであることが伺われる。

Mehmoodはソ連時代、ガルデスでソ連兵たちをさんざんな目に合わせた有名なアフガンゲリラ、Nasrullah Mansoorの息子である。そしてマンスールは、2002年に、ザルマット地域のシャヒ・コットで米軍兵士18人を殺害したことで有名だ。ハッカーニはコーストでソ連軍を敗退させて英雄となった。マンスールもハッカーニもアフガニスタンから逃走していない。ハッカーニの活動場所はパクティアとコシュトである。オマール師は、彼にアフガニスタン全土の軍事作戦を任せた。

《最後の戦術》

Mehmoodがイラクから戻って以来、タリバンの司令官たちに限られた人力や機材を、有効に用いるように指導している。現在タリバンは、広範囲な行動ができない。彼らの通信機器は十分ではなく、アメリカに傍受されてしまうからだ。

Mehmoodの計画は、次のようなものである。まず、アラブ人戦士をリクルートして、ソ連時代のジハードのときのように、主要な役割を持たせる。アラブ人戦士は武器の改良に対して、優れた才能をもつ。ソ連侵攻の際、アラブ戦士たちは不発弾を武器として改良することに成功していた。このような戦術が、今回も有効に使用されるだろう。

パシュトゥ語が達者なアラブ人たちは、ジャララバード、コースト、クナール、ロガル、ヘラート、カブールなどに配置され、人々や行政に影響力を与え、タリバンのメッセージを広め、アフガン人戦士と協力してアメリカを攻撃するだろう。これに加えてハッカーニとダドゥッラーは、主要都市の郊外で活動することになる。

Mehmoodの戦略は、都市部の行政を破壊するとともに、日常生活を妨害する。そこをタリバンが攻撃し、前線を広げていくだろう。現在アフガンとアラブ戦士たちは数千人に留まっているようだ。しかし下準備が整ったところで、これまで沈黙を守っていたタリバンたちが立ち上がる。特にパキスタンのクエッタやチャマンのマドラッサが、これまで通り、タリバンと協力するだろう。

クエッタからチャマンにかけて、ここ数年間で数十のマドラッサが設立された。タリバンやビンラディンに対する支持は着実に広がっている。「オマール師」「ビンラディン」「タリバン運動永遠に」というような落書きが各所で見られた。1年前に筆者がこの地域を訪れたときには、このような落書きはなかった。(中略)

「事態は悪化している」と、チャマンの反タリバン運動会長のMalik Nabiは述べる。「タリバン支持者は毎日のように増加している」という。今のところ、タリバンには2種類ある。前線で戦っている者、そして待機している者。アルカイダに関しては、世界規模の攻撃を計画する、新たな世代が生まれた。ビンラディンやザワヒリを含む「古い」世代は、アフガニスタンでの戦いに専念している。

hoonOsama adds weight to Afghan resistance
By Syed Saleem Shahzad、CHAMAN


■ワナで殺害された13人のうち兵士7人死亡[040911 News]

金曜日に南ワジリスタンのKanigoramとKarwan Manza地域で起きた戦いで、13人以上が死亡し、そのうち7人が兵士、6人が抵抗勢力だったという。いっぼう死亡した軍関係者は11人で、このほかにKarawan Manzaで軍の車列が襲撃され、さらに7人が負傷したという説もある。しかし軍報道官は6人の対抗勢力を殺害したとしか発表していない。

マフスード地域における部族民タリバン司令官の報道官によると、木曜日にSindh Regimentの43人の兵士を捕虜にしたと、発表している。近々国際メディアにこれを発表するとも述べた。しかしペシャワルの軍報道官は、このような事実はないとしている。

公的な情報源とともに部族民の情報源は、殺害された軍関係者のなかには、Cap Sohail, Cap Asif、Lt Masudが含まれていると発表した。軍報道官は、これについては述べていない。遺体は軍ヘリコプターでワナに戻されたことが確認されている。

タリバン報道官によると、捕虜となった兵士たちはLadahとRazmakの間でつかまり、この地域は自分たちの支配下にあるという。「国際メディアがこの地域に入り、捕虜に会うことを歓迎する」と述べた。土曜日の12時までに軍がこのマフスードの地域から撤退しなければ、再び攻撃するとも警告した。

いっぼうシャカイの合意を侵害したとして、部族民Malik Baa Khanが所有するマーケット2カ所を取り壊した。目撃者によると、40店舗が取り壊されたという。

hoon43 troops held hostage
By Behroz Khan & Sailab Mahsud、PESHAWAR


■パキスタンの不当な戦い[040910 BBC]

南ワジリスタンで戦争が続いている。この地域に地元の者以外やジャーナリストたちは入れない。ワナの町は軍隊の町になった。地元民たちは戦争に巻き込まれている。毎日のように襲撃があり、地雷が爆発し、大砲や空爆を用いた戦いが続いている。

最近ではアルカイダの訓練所といわれる場所が、戦闘ヘリコプターによって空爆され、大きな被害が出た。これまで、軍が国内を空爆したことはない。

《終わりなき戦い》

今回軍は、空爆や長距離ロケット弾を用いているために、軍には大きな被害はないだろう。しかし3月に戦争が始まって以来、何十人もの兵士や高官たちが殺害されてきた。外国人や地元抵抗勢力も、数十人死亡している。しかし、戦いに巻き込まれた地元人が主な被害被害者であることは、明白だ。軍が抵抗勢力の戦闘能力を過小評価していたこと、地元民の被害を考えていなかったことが、今、問題視されている。

軍の作戦は、アルカイダに対するものであった。アメリカはアフガニスタン側で行動しているが、アメリカがパキスタンに作戦や通信に関して協力していることは、イスラマバードも認めている。

《部族民の怒り》

作戦の開始以来、軍はウズベク、チェチェン、アラブ人がこの地域にいることを確認している。しかし部族民たちは、軍は自分たちを攻撃していると見て、強く抵抗している。これまでこの部族地帯は、パキスタン軍を含めて、外国勢力の介入を強く拒んできた。パキスタン軍は2002年に初めてカイパル行政区のティラ谷に入り、その後北ワジリスタン側のシャワル谷に、そして谷の南ワジリスタン側にも入った。これは部族民たちとの長期に渡る話し合い、地域の発展や資金の提供を約束することによって実現した。

しかし一度軍が南ワジリスタンで作戦を開始すると、ワジールの枝族たちは、自分たちを支配するための作戦ととらえ始めた。軍は外国人の引き渡しに協力させることにも失敗し、また行政側の誤った行動により、アルカイダに対する戦いは、パキスタン軍と部族民の戦いに変わってしまった。

アナリストは、パキスタン軍にとっては勝利無き戦いだとみる。いまさら途中で戦いを放棄することはでず、いまや戦闘ヘリコプターや爆撃機を用いなければならなくなった。行政と部族民とのあいだ亀裂はますます大きくなり、外国人たちがこの地域からいなくなたとしても、軍はここに閉じ込められてしまいそうだ。

garrPakistan's undeclared war
By Zaffar Abbas


■パキスタン、6人のテロ容疑者を殺害[040910 AP]

パキスタン軍はテロリストの隠れ家を攻撃し、外国人を含む少なくとも6人を殺害した。数時間前には、アルカイダの訓練所を空爆して50人を殺害したと、軍が金曜日に発表している。

木曜日の空爆は、南ワジリスタンのKani Guramで行なわれたと、軍報道官のShaukat Sultanが述べた。死亡した6人のうちの5人は外国人だったという。逃走しようとしていた5人の外国人も逮捕したらしい。空爆は、ワナから15マイルほど離れたDila Khulaにある、アルカイダの訓練所と疑われている建物を攻撃した数時間後に開始された。軍によると、殺害された50人のテロリストのほとんどは、ウズベクやアラブ、チェチェン人だったという。

hoonPakistan Army Kills Six Terror Suspects
By RIAZ KHAN、PESHAWAR


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.