【2004年11月08日〜11月14日】


■パキスタン軍、部族地帯の鎮静に乗り出す[041113 AP]

アフガニスタンとの国境からそう遠くない山中で、軍は作戦を開始した(中略)しかしNiaz Khattak少将は、ビンラディンはいないという。「今のところ、ビンラディンの居場所はつかんでいない。この地域では、彼の噂はない」と、土曜日にこの地域にヘリコプターで連れてこられた報道陣に対して述べた。(中略)

Khattakによると、500から600人いた外国人戦闘員は、100人に減ったという。残りは死亡したか逮捕したというが、生きたまま捕らえたのは、若いタジーク人1人のようだ。またワジール族の居住地域である西部全体は、完全に鎮圧したという。5人の最重要容疑者は、政府との和平案に調印した。

東部では、約300人の地元戦闘員がまだ外国人とともに抵抗している。しかし2ヵ月以内には、ここも鎮圧されるだろうという。「それほど長くはかからない。今年の暮れまでには、南ワジリスタンは平和になる」と、Khattakは述べた。

Karwana Manzaiの急斜面には、抵抗勢力の所持品、寝袋や靴、パン、銃、弾薬などが広げられていた。武器と混じって、あるアフガン人戦士の遺書があった。パキスタンの難民キャンプ出身のようで、パシュトゥ語で丁寧に書かれている。彼が信じ込んでいた信念に従って、前線に出る前に書いたと思われる、このWahdatullah Intezarの素朴な言葉に、哀れみを覚えた。彼は母親に、もし自分が死んでも泣かないでほしいと述べ、彼の借金を払ってほしいと頼む。フルーツ・ジュース屋に50セント、そして友人の叔父に1.65ドル。「もし殉死しても、泣いたり悲しまないでほしい。誇りに思ってください。親戚には許しを乞うてください。とくにGulsoomに。私は一度、彼女を傷つけたことがあります。きっと怒っていると思うから」。

hoonPakistan Army Aims to Quell Tribal Region
By MATTHEW PENNINGTON
KARWANA MANZAI


■軍、抵抗勢力の基地を占拠[041113News]

金曜日に軍が南ワジリスタンにいる抵抗勢力の基地があるDelaとKhonkhelに突入したが、抵抗は受けなかった。いっぼう最重要抵抗勢力がワナで、今後政府に対して武器はとらないことを約束する和平条約に調印した。

砲撃隊とコプラ戦闘ヘリコプターが、抵抗勢力の隠れ家を攻撃したが、抵抗勢力たちはすでに撤退したあとだった。Delaと Khonkhelaに軍が到着したことで、マフスード族の居住地域にいた戦闘員たちの基地を占拠したことになる。最重要容疑者、アブドゥッラー・マフスードは、すでに南ワジスタンにはいないという情報が入っている。武装勢力の多くはマフスード族のShabikhel氏族が住む、Shabikhel地域に移ったようだ。

いっぽう金曜日、ペシャワルの警察司令官Safdar Hussain中将によると、コブラ戦闘ヘリコプターに援護されたパキスタン軍7000人が、南ワジリスタンのマフスード族の居住地奥深くに入ったという。アブドゥッラー・マフスードの生家があるナノ村を占拠したとも述べた。「我々の兵士がナノに入った。強い抵抗を受けたが、抵抗勢力の食料を奪った。またアブドゥッラーの家を捜索し、彼の馬を押収、ジープを大破した」という。

アブドゥッラーに対する捜索は、続行中だという。「彼は、我々軍の力の本当の力を知らないようだ。木曜日に投降した、ワナのHaji Omarを見習うべきだ。投降すれば我々は彼の条件を聞き、苦しんでいる南ワジリスタンの住民に免じて、柔軟な態度をとる」と、警察司令官は述べた。

警察司令官によると、11月8日に開始したこの作戦で、兵士3人が死亡し、22人が負傷したという。また3人が行方不明のようだ。(中略)

司令官は、アブドゥッラーが逮捕されるまで、作戦は続けると述べた。またワナの5人の容疑者、Haji Mohammad Omar、Sharif Khan、Jawed Khan、Maulvi Mohammad Abbas、Maulvi Abdul Azizが和平に同意したことに対して満足感を示し、今後軍は、マフスード族の居住地域に専念できると述べた。いっぽうもう1人の容疑者、Noor Islamは既に死亡しているという。「軍の攻撃で受けた傷が原因で、死亡した」ようだ。

これとは別に、軍は数日前の作戦で死亡した6人の戦闘員の遺体を、遺族に返した。しかし遺族は、死亡した人間はテロリストであり、家族は彼らの行為を恥じ、今後家族の一員がテロ活動に加担した場合、100万ルピーの罰金を支払う準備があると書かれた同意書に、サインすることを拒んだ。ある情報源によると、家族たちは憤慨し、遺体をイスラマバードでもニューヨークでもワシントンにでも持って帰れと言ったために、軍はこの同意書にサインすることは強制はしなかったらしい。

ワナでは金曜日に、アーザムダイ・ワジールの枝族Yargulkhel、Karmazkhel、Malikkhelに属する5人の容疑者が、ワナの副行政官、Khan Bakhsh Marwatの事務所を訪れ、正式に政府と和平案に同意するサインを交わした。逮捕を恐れ、それぞれ別々に事務所にやってきたが、その後5人は全員、ワナの近くのZha Ghunday村に帰った。

3枝族は、今後5人が政府に対して行動した場合、2500万ルピーの罰金を払うことになる。また外国人を匿わないことにも同意した。武装勢力たちの正式な投降はなく、またこの地域に隠れている可能性のある外国人を引き渡すことも、要求されなかった。これと引き換えに政府は、ワナとシャカイの作戦で逮捕した250人の部族民を釈放し、家の取り壊しなど、戦闘員たちが被った被害を補償する。

ohTroops occupy militants' strongholds
By Rahimullah Yusufzai & Sailab Mahsud
TANK/PESHAWAR


■タリバンリーダー、アフガニスタンの奪回を誓う[041112 Reuters]

タリバンのリーダーのオマール師が、アメリカがアフガニスタンに操り人形が治める政府を作ろうとしていることを非難し、再び国を奪回することを誓ったと、パキスタンの報道機関が報告した。

『Afghan Islamic Press』によると、 金曜日に、タリバン運動のリーダーからのメッセージがペシャワルの新聞社に送られてきたという。メッセージは、イードを祝うメーセージとして発信されたようだ。

オマール師は、タリバンは今後もイスラームの教えを守ると述べた。「タリバン運動には、以前よりイスラームに対する同盟意識、信頼、服従が強まっている」。「アメリカとその操り人形は、我々が我々の国を解放し、再び支配するのを誓っていることを知るべきだ」。また、アフガニスタンとイスラームの価値が「恐怖にさらされ、十字軍の復讐に支配されている」時期にイードを迎えると述べ、タリバンとムジャヒディンは、いまだにキューバやアフガニスタンでアメリカに囚われていると語った。「アメリカは操り人形の政権を打ち立てよう」としている。「アフガニスタンでは道徳が犯され、イスラームの価値が冒涜され、犯罪が急増している。すべてが女性を誤った方向に導くために、計画されている」。(後略)

hoonTaliban leader vows to retake Afghanistan KABUL


■パキスタン軍、部族地帯で作戦開始[041112 AP]

砲撃隊と戦闘ヘリコプターを伴ったパキスタン軍が金曜日に、外国人武装勢力と地元の司令官に対する作戦を開始したと、軍司令官が発表した。

北西辺境州司令官Safdar Hussain中将が、兵士2000人が「外国人抵抗勢力」とパキスタン人武装勢力のリーダー、アブドゥッラー・マフスードを逮捕するために、作戦を開始したと述べた。

Hussainによると、南ワジリスタンのNanoにあるマフスードの家を捜索したが、無人だったという。マフスードは、洞窟に隠れているようだ。マフスードが逮捕されるまで作戦は続けると述べ、「抵抗勢力たちは統率を失っている。逃げる彼らを、我々は追っている」と語った。軍は砲撃隊と戦闘ヘリコプターを用いて攻撃しているが、抵抗を受けているらしい。武装勢力の隠れ家からは、武器が押収された。

hoonPakistan army launches major operation against militants in tribal
region


■Jaish、国連人質を安全な場所に移動[041112 News]

Jaish-e-Muslimeenは、3人の国連人質は安全な場所に移動され、アフガニスタンやグアンタナモ刑務所に収監されている26人のアフガン人との交換に備えていると述べた。

「3人を環境の良い場所に移動した。良い食事も与えられるだろう」と、組織の報道官Sabir Mominが『News』に電話で語った。これまでは山中の基地にいて、寒く、食料も不足していたようだ。また医者が人質の治療にあたっているという。3人の運命は、アフガニスタンとその背後にあるアメリカの行動如何によると述べた。

Sabir Mominは、捕虜の交換は最終段階に入っていると述べた。「バグラム米軍基地に収監されている15人とグアンタナモにいる11人は、近々釈放されることが決まった。彼らの釈放を待っている」という。

Sabir Mominの話は、米国務省副長官アーミテージが、アメリカは犯人の要求には応じないとする声明に反している。アフガン政府と国連は、アフガンビシネスマンや他の仲介者数人とJaish-e-Muslimeenの間で、どのような交渉があったのかは明らかにしていない。またアフガン政府は、26人の囚人と人質を交換することが決定されたことを認めていない。

smellJaish moves three UN hostages to 'safer' place
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■ワナの部族、5人の武装勢力に対して「善行」を保障[041112 News]

ワナとシャカイに居住するアーマッドザイ・ワジール族が、5人の凶悪武装勢力司令官に対して「善行」の保障をした。

ワナとシャカイに居住するアーマッドザイ・ワジール枝族の3枝族は、ついに5人の容疑者、ネック・ムハンマドを引き継いだHaji Mohammad Omar、ネックの弟のSharif Khan、 Jawed Khan、Maulvi Mohammad Abbas、Maulvi Abdul Azizに対して、「善行」の保障に同意した。Yargulkhel、Karmazkhel、Akakhelは、ワナの副行政官Khan Bakhsh Marwatの事務所で、同意書にサインした。5人の容疑者は、この枝族に属する。

同意書によると、部族の5人の長老が、各5人の容疑者が「善行」に反した場合、500万ルピーを支払うという。5人の司令官はパキスタンに忠実を誓い、パキスタン軍に対する抵抗運動は行わないこと、外国人武装勢力を匿わないこと、隣国への攻撃に参加しないことを約束する。武装勢力司令官に近い部族民によると、容疑者たちの事実上の降伏はないという。バヌーの退役軍人Inamullah Wazirを含む仲介者の努力により、同意が締結した。

同意の締結が遅れたのは、いくつかの同意項目について、政府と意見が相違したからだという。政府は国境警察隊基地で、形式的に武装勢力が降伏することを希望していたようだ。さらにYargulkhel枝族の長老たちは、司令官に対する保障を拒否していたという。

いっぽう水曜日のKhara Manzaでの抵抗勢力との衝突で、兵士3人が死亡したことが明らかになった。さらに木曜日には、ワナの国境警察基地に、抵抗勢力がロケット弾を撃ち込んだ。被害はない模様。

水曜日にDelay村でパキスタン軍の奇襲隊に殺害された、6人の部族民武装勢力の遺体が、木曜日に国境警察の基地に運ばれた。6人は全員マフスード族のマンザイ枝族であった。武装勢力の報道官Irfanuddinが語ったところによると、最近の戦いで戦闘員6人が死亡し、8人が負傷したという。

また部族民によると、Karama地域にいく抵抗勢力に対して、軍は砲撃したという。被害の様子は不明。Karwan Manzaでも、両陣営の間で交戦があった。

hoonWana tribes guarantee‘good conduct’of five militants
By Sailab Mahsud、TANK


■ワナの作戦、今後も続行[041112 News]

ラシッド内相は木曜日に、パキスタン軍が対処しなければ、米軍が南ワジリスタンで作戦を行なうことになっていたと述べた。またワナの作戦は、すべてのテロリストが一掃されるまで続行すると述べた。

「政府は自由自治権を与えられている部族地帯の問題に関わることは、望んでいなかった。しかし9.11以後、大勢の武装勢力がこの地域に入り込んだ」。「パキスタンには膨大な圧力がかかり、テロリストの掃討作戦を行なわざるをえなくなった。テロリストに対して行動したのは、外の圧力のせいだった」。「パキスタンはアフガニスタンとの国境に軍を派遣して、タリバンの侵入を防ごうとした。しかし何人かはパキスタン領土内に侵入した。パキスタンは武装勢力に恩赦を申し出たが、彼らはそれを受け入れなかった。アンゴール・アッダでの戦闘後、殺害した7人の戦闘員が、資金を持っていたことがわかった」。

その後の戦闘や押収したCD、ムシャラフ大統領を狙った暗殺などから、テロ組織がワナで活動していることが明らかになったという。ワナで逮捕した容疑者の情報により、最重要テロリストも逮捕されたと述べた。

hoonWana operation to continue: Rashid
JEDDAH


■パキスタン軍、アフガニスタン近くで4人のテロ容疑者を逮捕[041111 AP]

パキスタン軍は木曜日に、アフガニスタンの近くの部族地帯で4人のテロ容疑者を逮捕したと高官が述べた。容疑者たちはワナの郊外で逮捕されたようで、ある情報源によると、容疑者の車両から武器を押収したという。

Sherpao内相はテレビに出演して、部族地帯にいる外国人武装勢力は、アフガニスタンから密輸した武器を使用しているようだと述べた。誰が武器を供給しているかは、明らかにしなかった。

hoonPakistan army arrests four terror suspect near Afghanistan


■ワナとシャカイで250人の部族民、釈放予定[041111 News]

水曜日に南ワジリスタンの各地で武装勢力と軍との間に衝突があり、兵士5人と部族民2人が負傷した。この戦いで武装勢力が殺されたかどうかは不明である。(中略)

行政側は、ワナとシャカイで逮捕され、数ヵ月間拘束されていた25人の部族民やアフガン難民を、今後釈放していくと発表した。ある情報源によると、水曜日に10人の釈放が認可され、マフスード族とアーマンドザイ・ワジール族の長老が釈放された。デーラ・イスマイル・ハーンの刑務所に拘留されている8人のアフガン難民は、今日釈放される予定である。

hoon250 tribesmen to be freed in Wana, Shakai
By Sailab Mahsud、TANK


■国連活動家の解放、間近[041110 AP]

国連の選挙活動家を誘拐したタリバンと関連のある組織は水曜日に、人質の解放のための取り引きは間もなく終了するだろうと述べた。アメリカは、犯人が要求している拘留中の囚人の釈放は、拒否している。

カブールに向かった、人質の解放の仲介役のコソボ出身のビジネスマンも、3人は水曜日の午後に解放されるだろうと語った。アフガン高官も犯人との話し合いに進展があったことは認めたが、取り引きがあったかどうかは黙秘している。

犯人はグアンタナモ刑務所に収監されている26人の解放を求めている。Jaish-al MuslimeenのリーダーAkbar Aghaは『AP』に、囚人たちが解放される兆しがあったと述べた。人質の交換は水曜日の午後にあると述べ、「それ以上は待たない。イードに友人たちが帰ってくることを望んでいる」と語った。人質の解放の仲介をしているビジネスマンBehgjet Pacolliも、取引が完了しつつあることを認めた。「何か悪いことが起こらない限り、今晩か明晩、解放されるだろう」。

カブールを訪れている米国務省副長官のアーミテージは、犯人とは取り引きをしないと断言した。

hoonDeal Said Close on Kidnapped U.N. Workers
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ワナに武装勢力、いまだに流入[041110 Dawn]

外国人武装勢力は、いまだに近隣諸国からワナに流入しているために、パキスタンの治安部隊はなかなかテロと戦うことができないと、内相のAftab Ahmed Sherpaoが語った。

大臣が火曜日に『Dawn』に、いまだに100人程度のテロリストがワナにいると述べた。「これらのテロリストに加えて、近隣諸国から新たなテロリストが流入している」という。(中略)テロリストたちは住民の中に紛れ込んでいるために、ワナで掃討作戦を行なうことは非常に難しいと述べた。

hoonMilitant influx into Wana continues: About 100 terrorists in area: Sherpao
By Syed Irfan Raza、ISLAMABAD


■アフガニスタンの人質、自宅に電話[041109 AP]

アフガニスタンで人質になっている国連活動家のうち、コソボ出身の女性がコソボにある自宅に電話で連絡し、近々に釈放されるだろうと語ったと、人質解放の仲介役を引き受けているビジネスマンが火曜日に語った。

政府報道官も、「進展があった」と述べ、事件が解決に向かっていることをうかがわせた。「近々無事に解放されると思う」と、Jawed Ludinが語った。

政府が犯人たちの要求を受け入れたのかどうかは、はっきりしない。

hoonTwo Afghanistan Hostages Call Home
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■パキスタン軍、武装勢力に対して戦闘ヘリコプターと砲撃隊が出動[041109 AP]

パキスタン軍は戦闘ヘリコプターを用いて武装勢力を攻撃し、戦闘員6人を殺害、兵士2人が死亡したと軍報道官が発表した。軍報道官のShaukat Sultan中将が『AP』に語ったところによると、月曜日遅くに南ワジリスタンで抵抗勢力に対する作戦を開始し、死亡した2人のほかに、兵士数人が負傷したという。武装勢力が治安部隊を攻撃したために、交戦が始まったと述べた。

ワナにいる諜報部高官によると、Karwam Manza、Karama、Akhunkhelaの3つの村を、戦闘ヘリコプタ−2機が爆撃したという。

部族地帯に潜むテロ容疑者に対するこの作戦は、米国務省副長官リチャード・アーミテージがパキスタンを訪問する数時間前に開始された。

hoonPakistan troops use helicopter gunships, artillery against militant positions


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004.