【2004年12月27日〜2005年1月2日】
■テロ容疑者に、長期的拘束計画［050102 Washington Post］
●行政当局は、釈放したり、アメリカの法規やその他の国に引き渡すことを望まないテロ容疑者に対して長期的拘留計画を立てていると、諜報部や国防省、外交高官が語った。
●ペンタゴンとCIAはホワイトハウスに、現在軍隊やCIAが拘束している、告訴するに足る証拠がない数百人の容疑者に対して、生涯拘束できるような永続的な計画を求めているという。（中略）
●またグアンタナモ刑務所にいるアフガン人とスーダン人、イエメン人容疑者に対しては、各国に新たに作られたアメリカ管轄の刑務所に収監することも考えているという。刑務所はそれぞれの国家が運営するが、米国防省が人権を守りながらも管轄するという。
●また国防省は、証拠不十分のために告訴されることがない者たちに対して、200のベッド付きの監獄を作るために、2500万ドルを国会に要求するという。この新しい刑務所はこれまでよりも快適で、政府に諜報情報提供できないような囚人たちにあてがわれるという。（中略）
●行政にとっては、CIAが拘束している囚人たちが、悩みの種である。CIAは9.11以後、囚人の居場所を一般に知られず、さらに囚人から裁判権をはく奪して取り調べられることができるような、安全な公留場所を探している。
●CIAが拘束している者については、誰がどのような条件で拘束されているのか、また拘束期間や釈放を決定する機関があるのかどうかなど、はっきりしたことは何もわかっていない。そのために人権団体からは、批判が持ち上がっている。（中略）
●CIAは、30人程度のアルカイダ容疑者を拘束しているといわれる。中には、Khalid Shaikh MohammadやRamzi Binalshibh、Abu Zubaidaを始め、南アジアのテロリストで“ハンバリ”として知られているNurjaman Riduan Isamuddinがいると推測されている。
●CIAは、アフガニスタンのバグラム空港基地やインド洋にあるイギリス領のディエゴ・ガルシア島に停泊する船舶内に、囚人を拘束していると見られている。またCIAはグアンタナモ刑務所内にも拘留場所を持っているとみられるが、これがいまだに使用されているかどうかは、不明である。
●いっぽう軍は、イラクのアブグレイブ刑務所のスキャンダル以後、囚人の拘束や取り調べ方法について、数百ページに及ぶ機密書類を提出している。また軍が拘束している者たちに関しては、赤十字に接触する保証が与えられ、連邦裁判所に訴える権利を持っている。
●しかしCIAが拘束する囚人に関しては、何も明らかにされていない。（中略）ある諜報部高官によると、CIAはすべてを機密事項にするために、独立した刑務所を建設する計画を立てていたが、非現実的だとしてすぐに却下されたという。
●CIAが用いている方法のひとつとして、囚人を第三国に移送して、彼らから権利をはく奪して拘束する手がある。アメリカと、エジプト、ヨルダン、アフガニスタンなどの国々との話し合いのもとで、各国はCIAのためにテロ容疑者たちをそれぞれの機関内で拘束している。これに関して人権団体などから、非難が挙がっている。（後略）
Long-Term Plan Sought For Terror Suspects
By Dana Priest
■米軍兵士とアフガン人、銃撃戦で死亡［050102AP］
●米軍と前アフガン民兵が日曜日に、アフガニスタン西部での捜索で銃を持った男たちと衝突した際に殺害された。
●米軍がヘラートのShindand飛行場近くを捜索している最中に、敵と銃撃戦になったという。「アフガン市民がその場で殺害され」、「米兵が負傷し、その後死亡した」という。死亡したアフガン人が誰だったのかは、明確にしなかった。
●いっぽう地元の軍隊司令官Akhtar Mohammed Husseiniは、銃撃戦があった敷地は、前民兵のリーダーだったムラー・ドスト所有のものだったという。「両方が発砲した。ムラー・ドストが彼の妻とともに殺害され、子供2人が負傷した」とHusseiniが『AP』に述べた。「アメリカ人たちは、彼の家の捜索をしようとしていた。どちらが最初に発砲したのかは、わからない」という。
●これに対して州警察長のZiauddin Mahmoudiは、ドストとその娘が死亡したと述べた。ドストはソ連と戦った、アフガン戦争のベテラン戦士だった。
U.S. Soldier, Afghan Killed in Gunfight
By STEPHEN GRAHAM、KABUL
■新タリバン報道官にヤシール［050102 News］
●タリバンは、アフガニスタンでの活動を報告する新たな報道官を任命した。
●新たに報道官として任命されたのはMohammad Yasirで、タリバンの情報や文化を担当するという。これまでも報道官として活動している、Latifullah Hakimiと協力することになる。YasirはHamid Aghaにとってかわることになるが、Hamid Aghaは今後もタリバンの情報と文化担当官を勤めるという。
●Yasirはジャーナリストたちに、アフガニスタンにおける彼らのゲリラ戦に同行することを呼びかけた。またテレビインタビューも受け入れると述べ、今後正式な報道官として活動するという。これまでタリバンは生きものの写真をとったり、テレビとの接触を拒否していたことは、特筆すべきことである。
●これまでYasirは、アフガニスタンのムジャヒディンリーダー、サヤーフ教授のIttehad-i-Islamiの一員だった。なぜIttehad-i-Islamiを辞めたか質問すると、サヤーフ教授が米軍に協力し始めたからだと述べた。（後略）
Yasir named new Taliban spokesman
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■ムシャラフ、2007年まで陸軍長官に留まると述べる［041231 AP］
●ムシャラフ大統領は、2007年まで陸軍長官の座に留まるつもりで、テロとの戦争を戦っているパキスタンにとって、方向転換することは「非常に危険」であり、インドとの平和を模索すると述べた。
●野党は金曜日にこの声明を非難し、この軍のリーダーに対して抗議運動を行なうことを表明した。
●2003年12月にムシャラフはMMAと取引をして、2004年の終わりまでには、陸軍長官の座を退くと約束していた。この約束と引き換えにMMAは、大統領が国会と首相を更迭することを可能にする憲法改定を支持していた。（後略）
Musharraf says he'll stay on as Pakistan's army chief until 2007
■南ワジリスタン行政官、爆弾で負傷［041231 Dawn］
●南ワジリスタンの行政官、アスマットウラー・ガンダプールが、抵抗勢力が仕掛けた道路脇の爆弾の爆発で、負傷した。建設中のダムを視察した帰りだった。爆弾はリモート・コントロールされていたと、警察が述べた。（中略）
●警察は事件を操作中だが、アブドゥッラー・マフスードが直ちに容疑者として浮上している。アブドゥッラーは最近のインタビューで、ムジャヒディンたちにパキスタンの治安部隊を攻撃するよう、呼びかけていた。「今のところ、我々は防衛体制をとっていたが、これからは攻撃態勢に入る。私はムジャヒディンたちに、パキスタン人やアメリカの組織を攻撃するよう、呼びかけている」と『Dawn』とのインタビューで語っていた。
S. Waziristan administrator injured in bomb blast
■南ワジリスタンの政府高官、爆発で負傷［041230 AP］
●木曜日に南ワジリスタンで道路に仕掛けられた爆弾が爆発し、政府幹部が負傷した。
●行政官のアスマットウラー・ガンダプールとその運転手が、タンク地方のDabaraで負傷した。ガンタプールはタンクの病院に運ばれたが、容体は安定しているという。国会議員を同地域のダムに案内している途中だった。
Chief government official in South Waziristan injured in bomb blast
■アフガニスタンの日本大使館、誘拐を警戒［041229 Paktribune］
●アフガニスタンの日本大使館がアフガニスタン在住の日本人に、テロリストが日本人女性と外国人3人を誘拐する計画を立てている可能性があると、警戒を呼びかけた。
●アフガニスタンには約170人の日本人が滞在しており、そのうち半分が女性だという。
Japanese Embassy in Afghanistan warns of kidnapping
■ミランシャーのマドラッサ、捜索［041229 Daily Times］
●前タリバン防衛大臣のハッカーニ師が以前北ワジリスタンで運営していたマドラッサが火曜日に捜索を受けたと、ある行政部高官が述べた。
●しかしマドラッサには武装兵士はいなかった模様で、武器なども見つからなかった。捜索が実施されることは事前に部族民リーダーたちに知らされ、部族リーダーたちも行政官に同行して捜索に加わったという。
Seminary searched near Miranshah
By Iqbal Khattak、PESHAWAR
■アブドゥッラー・マフスードとの取引、行われる可能性あり［041228 News］
●南ワジリスタンのマフスード族の指名手配者に対して、停戦が締結されそうだという。
●「アブドゥッラー・マフスードとバイトッウッラー・マフスードを含む指名手配中の武装勢力たちがマフスード族のジルガで、政府と和解を締結すると約束した。またペシャワルの警察司令官Safdar Hussain中将は、これらの者たちに恩赦を与えることを約束した」と、ある情報源が述べた。
●警察司令官はこれらの武装戦士たちの申し出を受け入れ、シャカイで締結された和平条約と似た条約を結ぶために、マフスード族の居住地を訪問するという。
●アブドゥッラー・マフスードはジルガの長老たちに、今後外国人を匿わないことを約束し、政府と和解することに関心があると述べたそうだ。地元の情報源によると、2人の中国人技師を誘拐した後、孤立してしまったという。「アブドゥッラーは中国人を誘拐して殺害したことで、法に従わなければならない。しかしバイトゥッラーをはじめその他の者は、長老やそれぞれの部族民たちの保証のもとで、恩赦を与えられる」という。
Deal with Abdullah Mahsud likely
By Behroz Khan、PESHAWAR
■元グアンタナモ囚人に、投降の最終期限を提示［041227 AP］
●軍は月曜日に中国人技師を誘拐した元グアンタナモ囚人に、1月15日までに投降しなければ軍事行動に出ると警告した。
●北西辺境州警察司令官のSafdar Hussain中将はアブドゥッラー・マフスードに無条件で投降するよう、要求した。「マフスード族の居住地に隠れているアブドゥッラー ・マフスードは1月15日までに投降しなければ、軍事作戦を開始する」という。
Pakistani general gives ultimatum to former Guantanamo inmate
■ビンラディンのテープ、イラクの選挙のボイコットを呼びかける［041227 AP］
●アルジャジーラテレビが月曜日に、ビンラディンのものと思われる録音テープを流し、ザルカウィをイラクにおける自分の代理人と名指しし、来月行われる選挙をボイコットするように呼びかけた。
●アルジャジーラの報道官、Jihad Balloutは、テープの入手方法について述べることを拒否した。
Purported Bin Laden Tape Calls for Boycott
By TANALEE SMITH、CAIRO
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004, 2005.