【2005年1月10日〜1月16日】


■南ワジリスタンに軍配備[050115 News]

軍は、南ワジリスタンのSrarogha地域にあるShabikhel Mahsud族の居住地に初めて入り、外国人や地元武装勢力を捜索するためにチェックポストを設けた。

部族民の情報源によると、軍は北ワジリスタンからShaktoiとJanataを経由して、Sraroghaに入ったという。兵士たちはJanataに配備され、Amadwamの橋の入り口にチェックポストを設営した。軍はチェックポストで車両を捜索している。国境警察はすでにこれらの地域で活動しているが、正規軍が入ったのは初めてのことである。

情報源によると、パキスタン軍は3日前から到着しはじめたという。一部、南ワジリスタンからRazmak〜Marubiの道路を利用して入った軍もいるようで、Makeen付近のMarubiに駐屯している。しかしRazmakからGabaやJandolaには、まだ軍は入っていない。この地域は山がちで険しく、道路で到達することは困難である。

この地域に武装勢力が隠れている可能性があるという情報をもとに、軍が入ってきたようだ。

hoonTroops take up positions in South Waziristan
TANK


■アメリカ国会議員、ワナを訪問して驚かす[050115 News]

堅い警備のなかを、Bill Fristに率いられた4人の国会議員たちがワナに飛び、13人の部族の長老たちと会見した。

アメリカの政治家が部族地帯を訪れたのは、初めてのことだ。アーマッドザイ・ワジール族の長老たちは政治家たちとの会見に招かれ、この急な訪問に驚いたようだ。会見はワナの町の外にあるパキスタン軍のキャンプZarinoorで実現した。コハートの司令官でアルカイダの捜索を指揮しているNiaz Khattak中将が、4人のアメリカ人に同行した。

部族民によると、アーマッドザイ・ワジールの長老20人が会見に招かれたが、急だったために、13人だけが参加したという。軍や文民官はこの会見を極秘にして、会見が行なわれたことを否定している。しかし部族民たちが仲間に事実を話たので、明るみにでた。

部族の長老Malik Jamil Khan Tojikhelは『BBC』のウルドゥー語放送のインタビューに答え、アメリカの国会議員との会談を認めた。会見では南ワジリスタンに外国人武装勢力がいるかどうか、この地域で必要なものを聞かれたという。これに対して長老たちは、外国人たちは南ワジリスタンから逃走したと述べた。ある長老によると、国会議員たちにアメリカ人女性も同行していたという。米軍のバッジをつけたコートを着ていたようだ。

長老たちは、電気や教育機関が必要だと訴えた。また道路や保健所、農業を営むための機械や潅漑設備が不足していると述べた。どのような方法で情報を入手しているかと聞かれると、ラジオやテレビ、新聞を通しして情報を得ているが、『BBC』のウルドゥー語とパシュトゥン語放送に最もよるところが大きいと語った。

smellUS senators pay surprise visit to Wana
Rahimullah Yusufzai & Sailab Mahsud、PESHAWAR/TANK


■スカルドに戒厳令[050114 News]

ギルギットでテロリストに襲撃されて重症を負った著名な宗教リーダーAgha Ziauddinとその護衛が、木曜日に死亡した。

Ziauddinの死の知らせを受けて、さまざまな都市で追悼が行なわれた。暴動を心配してスカルドでは戒厳令が敷かれた。報道によると、ギルギットは非常に緊張しており、警備関係者たちがパトロールしているという。他の都市でも、激怒した男たちが道路を封鎖したりタイヤを燃やして抗議した。

スカルドでは、数百人の支持者たちが町に出てデモ行進をした。北部地域の連邦大臣Faisal Saleh Hayatは、「不運な事件が起きたために」スカルドに軍が派遣されたことを確認した。

スカルドの高官によると、抗議者たちがマドラッサやPIAの事務所に放火したという。店舗なども襲撃されたようだ。

hoonCurfew clamped in Skardu
By Shakeel Anjum、RAWALPINDI


■アフガン国軍、南部で射殺される[050114 BBC]

ヘルマンド州でタリバンがアフガン国軍6人を射殺した。

銃殺された兵士たちの遺体が、水路の近くで発見されたと地元高官が述べた。タリバンの報道官が『BBC』に、タリバンの犯行であるという声明を発表した。

昨年11月の大統領選挙以後、タリバンによるゲリラ攻撃はほとんどなくなっていた。

garrAfghan troops shot dead in south


■ギルギットに戒厳令[050113 AP]

当局は、17人が宗教抗争で死亡したギルギットで、24時間の戒厳令を出した。

先週に狙撃されて重症を負ったシーア派聖職者Agha Ziauddinの死を受けて、数百人のシーア派ムスリムが葬儀に参加した。北部地域の連邦大臣は、スカルドに軍を集結させたことを認めた。

ある治安部高官によると、葬儀の参加者の数人が政府の建物や店舗を、またスンナ派のマドラッサを襲撃したという。スカルドで何が起きているのかは、わからない。イスラマドードでもZiauddinの死に抗議するデモが行なわれ、カラチでも暴動が起きた。

hoonCurfew Imposed in Second Pakistani Town
By MUNIR AHMAD、ISLAMABAD


■シャカイの逮捕者、イード前に解放[050113 News]

軍当局は部族民たちの協力に答えて、シャカイで逮捕された者たちをイードの前に解放することを決定した。

警察長官のSafdar Hussain中将は、シャカイの作戦で被害を受けた人々には補償金が与えられると述べた。家を破壊された者たちには補償金を払い、家が再建されるとい。部族民たちの協力により、南ワジリスタンからテロリズムは一掃され、平和が戻ったと述べた。(後略)

hoonShakai detainees to be freed before Eid
PESHAWAR


■ムシャラフ殺害未遂犯、「空軍出身」[050112 BBC]

ムシャラフを暗殺しようとした犯人は、空軍のメンバーだったことが確認された。

ラワルピンディで軍の拘束下にありながら逃走したMushtaq Ahmedは、2003年12月14日にムシャラフを暗殺しようとした容疑者だった。空軍によると、Ahmedは「制服を着ていない下士官」だったという。

ある情報源によると、Ahmedは逃走する前に、軍事法廷で死刑を宣告されていたという。しかし別の情報源はまだ裁判の最中で、刑は宣告されていなかったと述べた。Ahmedがいつ逃走したかも明らかではないが、11月から逃走中だという報告もある。

Ahmedは活動を禁止されている過激派のメンバーで、トイレの窓を割って逃げたという。

smellMusharraf fugitive 'in air force'


■アフガン武装グループに新しいリーダー[050112 Paktribune]

3人の国連職員を誘拐したアフガン武装グループは、以前のリーダーがパキスタン治安部によって逮捕されたために、新たなリーダーを指名したという。

タリバンから派生したJaish-e Muslimeenは、3人の国連職員釈放の際に身代金を受け取り、それをめぐって内部抗争があったと報告されている。パキスタンはグループのリーダーのSyed Akbar Aghaを12月に逮捕した。

「私はJaish-e Muslimeenの新しいリーダーになった」と、Ishaq Manzoorが『ロイター』に衛星電話で語った。「Aghaが逮捕されたために、我々のシューラー(議会)で決まった」。Manzoorはカンダハル出身の35歳、今後アフガニスタンにいるアメリカや国際部隊に対して抵抗運動を続けることを誓った。「大きな攻撃をかける」という。

Manzoorはタリバン時代にはBadghis州の警察長官だった。

hoonAfghan militant group appoints new leader
SPIN BOLDAK


■部族地帯の抵抗勢力の投降期限、延長[050112 News]

警察司令官Safdar Hussain中将は南北ワジリスタンの大ジルガの要求を受けて、アブドゥッラー・マフスードとバイトゥッラー・マフスードに対する投降期限を、1月26日まで延長した。

長老たちは悪天候や険しい土地柄であること、さらにEid-ul-Azhaが近づいているために、容疑者たちに接触して投降を促すには時間がかかると述べた。また大ジルガは、この地域からテロを一掃するために一致団結することを約束した。

Hussain中将は、南ワジリスタンにおける軍事作戦で足がかりを失った外国人テロリストたちは、北ワジリスタンのSpin Qamar、Miranshah、Mirali、Bakakhelに移りつつあると述べた。

また南ワジリスタンの作戦は、外国の指示を受けて行なっているのではないと語り、外国人部隊が部族地帯で活動したり、作戦を指揮することはあり得ないと述べた。

hoonDeadline for tribal militants extended
PESHAWAR


■ムシャラフ暗殺容疑者、逃走[050111 BBC]

ムシャラフを暗殺した容疑で逮捕されていた過激派が逃走したと、当局が発表した。容疑者のMushtaq Ahmedは、ラワルピンディの空軍警察のもとに拘束されていた。

情報相のSheikh Rashid Ahmedによると、Ahmedはムシャラフ暗殺未遂事件の首謀者で、過激派ジャイシェ・ムハンマドのメンバーだという。

「犯罪者が逃走したが、すぐに逮捕されることを願う。彼はムシャラフ暗殺未遂事件の首謀者だった」とRashidが『AFP』に述べた。大掛かりな捜索が開始されたようだ。

Ahmedとともに、空軍の下士官数名や一般市民が、暗殺未遂事件のあとに逮捕されている。Ahmedがどうやって逃走したのかは、今のところわかっていない。Ahmedを始め、逮捕された軍関係者は軍法会議にかけられていたが、何らかの方法で逃走したという。11月からすでに逃走しているという情報もある。

12月に、暗殺未遂事件と関連して兵士1人が死刑を、もう1人が10年の刑を宣告されている。

ohMusharraf suspect flees custody


■ビンラディン、アフガニスタンにいる可能性あり[050110 AP]

米軍司令官が、ビンラディンを始めとする武装勢力のリーダーたちは、アフガニスタン側にいる可能性があると『AP』に述べた。

さらにGary Cheek大佐は、タリバンは統率力をなくしつつあると語った。ハッカーニ師やヘクマチアルなどは、パキスタンの国境付近にいる米軍をいまだに攻撃しており、抵抗勢力のリーダーたちはアフガニスタン側に潜んでいる可能性があるという。「ヘクマチアル、ハッカーニ、ビンラディンは我々の責任下の地域にいる可能性がある。しかし彼らについて入手している情報は、作戦上から明らかにすることはできない」と述べた。

hoonU.S.: Bin Laden Could Be in Afghanistan
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ムシャラフ、米将軍と会談[050110 AFP]

米中央アジア司令部の責任者がパキスタンを訪れ、ムシャラフと会談したという。

アビザイド将軍が日曜日にイスラマバードを訪れ、「相互的に関心がある地域的な問題」について話し合った。報道官によれば、「定期的な会合」だという。

smellPakistan's Musharraf in talks with top US general
ISLAMABAD


■テロ容疑者の妻、未亡人のごとく暮らす[051010 AP]

グアンタナモ刑務所に収監された囚人の妻たちは、まるで未亡人のような暮らしをしている。ときおり、検問者によって黒く塗りつぶされた手紙が、届くだけだ。

Regi村に住む3姉妹も同じ境遇にある。夫たちはアメリカに拘束されているらしい。12人の子供たちと暮らしている3人は、全員、アルジェリア人ムジャヒディンと結婚している。

アルジェリア人たちは、アメリカが仕組んだソ連との聖戦を戦うために、この地域にやってきた。その後パキスタンに定住し、タリバンと関係を持つようになる。

「夫は、アメリカ人を攻撃したり殺害したことはない。でもアメリカ人は夫を連れていってしまった」と、5人の子供の母親である31歳のMehdia Ahmedは語る。家族によると、Mehdiaの夫のMustafa Ahmed、またの名をAbu Abdullahは、2002年5月に逮捕された。パキスタン人とFBI工作員がペシャワルから6マイルもあるRegiの家にやってきて、当時アルカイダだと疑われていた従兄弟とともに、連れていかれた。警察によると、Mustafa Ahmedはタリバン時代にアフガニスタン東部で、マドラッサを管理していたという。(中略)

妻のなかで一番若いRiyazat Aminは、夫たちと会うために「法廷で戦いたくても方策がない」と訴える。彼女の夫のAdil Amin、またの名をAdil Al-Jazeeriは2003年にペシャワルで逮捕された。彼が逮捕されたという正式な知らせは、まったくないという。パキスタン人高官は、彼をアルカイダ幹部だと疑っている。

Aminはバグラム空軍基地から手紙を寄越したが、それ以後何の便りもなく、グアンタナモに送られたと推測される。(中略)グアンタナモのアメリカ高官は、収監されている個人についての情報を提供することを拒否しているために、2人の妻の夫たちがアメリカの基地にいる可能性は捨てきれない。

4人の子供の母親であるRiyazatは、夫は無実だと確信している。「夫はアルカイダとは何の関わりもない。もしアルカイダと関係があったとしたら、アルカイダが私たちを助けてくれるはずだ」という。3姉妹は現在、80歳の父親とRegi村で暮らす。全部で17人の家族だ。

1997年にタリバンが政権を獲得したあと、AminとMustafa Ahmedは妻と子供たちを連れてアフガニスタンへ渡り、4年間暮らした。妻たちによると、Aminはカブールで商売をしていて、Ahmedはジャララバードのマドラッサで教えていたという。2001年10月にアメリカがアフガニスタンに侵攻する前に、そろってパキスタンに帰ったのだという。

hoonWives of Terror Suspects Live Like Widows
By RIAZ KHAN、REGI


■ワジリスタンで再び捜索開始[051010 Daily Times]

FATAの退役軍人元Mehmood Shah准将の呼びかけで、Shabikhel Mehsud族たちが有名な誘拐犯Arsal Bhitaniを、南ワジリスタンのSimly、Bobar、Qaghnayで捜索しはじめた。

Ladahの行政官Arshad Naveedが、作戦を先導している。指名手配となっている部族民を捕らえ次第、政府に引き渡すという。

hoonHunt for kidnapper starts in Waziristan
WANA


■南ワジリスタンに新たな軍隊[051010 Dawn]

軍は南ワジリスタンのSara Roghaに、指名手配されている過激派アブドゥッラー・マフスードの捜索のために、新たな軍隊を派遣した。

目撃者によると、車両30台と武装した兵士や大砲などが、ワナの基地を出発したという。ワナから80キロの地点にある、Laddah地域のSara Roghaに向かっているという。

hoonFresh troops for S. Waziristan
By Dilawar Khan Wazir、WANA


■ギルギット安定、スカルド不穏な動き[050110 Dawn]

土曜日に大きな暴動が生じたギルギットは一夜が明けた日曜日、緊迫しているものの、平穏に過ぎた。軍が町をパトロールしている。

しかしパルティスタンでは不穏な動きがあるようで、スカルドゥでは激怒した男たちがタイヤを燃やしたり、道路を封鎖したりした。またフンザでは、アリアバードの副行政官の事務所を若者たちが襲撃し、警備が強化された。この事務所は去年の6月に起きた一連の暴動でも、襲撃されている。

ギルギットからスストまでの地域も、孤立しているという。

土曜日の暴動で政府関係者2人とテロリストを含む15人が殺害され、ほかに15人が負傷した。

事件の発端となった聖職者Agha Rizvi襲撃事件の犯人で殺害されたテロリストは、ギルギット出身者ではないという。他の2人の襲撃者は逃走した。

ある情報源によると、Rizviは金曜日の説教で、政府が以前問題になった教科書問題の解決をしようとしないことを非難し、問題が解決しなければ抗議運動をすると警告していた。

hoonGilgit calm, unrest in Skardu By Farman Ali、ISLAMABAD


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004, 2005.