【2005年1月17日〜1月23日】


■パキスタン、イランのテロ支持を、アメリカとともに非難[050123 Telegraph]

パキスタンは、拡大しつつあるバローチスタンの暴動の背後でイランが扇動していると非難した。

イスラマバードの高官は、イランのバローチ共同体員たちをパキスタン側に侵入させ、抵抗勢力たちを支持していると見ている。「これらの暴力沙汰の裏に大きな陰謀がある」と、ある政府高官が『Telegraph』に語った。「抵抗勢力たちは、外国人の援助がなければこれほど大胆に政府を攻撃しないだろう」という。

アメリカがイランに対して行動するためには、パキスタンの支持が必要だ。チェイニー副大統領は「問題が発生している場所のトップには、イランがある」と述べている。

パキスタンのISIはクエッタに特殊ユニットを設置し、バローチスタンにおけるイランの活動を監視している。高官によるとイランは抵抗勢力たちを直接支持しているだけでなく、テヘラン国営ラジオは、イスラマバードに対するプロパガンダ・キャンペーンを開始したという。「ラジオ・テヘランは、毎日90〜100分のパキスタンに対するパロパガンダを流している」と、前内務大臣が述べた。イランは抵抗勢力たちに資金や戦略的な援助を提供しているという。

イランは、バローチスタンから産出される天然ガスの恩恵を受けていない部族民たちを扇動しているという。今月初めに抵抗勢力たちは、ガスの産出を妨害するためにロケット弾や迫撃砲を発射し、8人が死亡した。しかし今のところイスラマバードは公式にテヘランを訴えることを避け、外交ルートを通して問題を解決しようとしている。(中略)

パキスタン高官は、パキスタンがアメリカの対テロ戦争に協力しているために、イランはパキスタンを快く思っていないと見る。国境近くに建設されたグワダール港に不快感を表し、ワシントンがイランを監視するためにこれを利用していると警戒。そのためにバローチスタンでの活動を開始したと憶測されている。アメリカは、イランはテロに加担するだけでなく、核兵器の製作にも手を出していると見ている。先週『New Yorker』の記者のサイモール・ハーシュが、アメリカの特殊部隊がイラン内に特種活動をしていると報道した。

ブッシュ政権はこの主張を退けているが、アメリカが今にも行動を起こそうとしているという憶測が、飛び交った。


■バイトゥッラー・マフスード、恩赦をいまだ受け入れず[050120 News]

これまで部族民過激派アブドゥッラー・マフスードにだけに焦点があてられてきたが、彼と同等に重要な南ワジリスタン出身の反政府要員、バイトゥッラー・マフスードは、いまだに行方がわからない。

バイトゥッラー・マフスードはアブドゥッラー・マフスードより年上で、南ワジリスタンのパキスタン人タリバンのリーダー「アミール」であるために、階級も上である。アブドゥッラーは部族民過激派の軍事司令官にすぎないため、政治的にはパイトゥッラーがボスである。

政府と軍はマフスード族長老を通して、パイトゥッラーに接触しているという。アブドゥッラーは中国人技師殺害を命令したり軍を攻撃しているが、パイトゥッラーについては明確な罪状はない。彼はこれまでメディアのインタビューも受けていないために、アブドゥッラーだけが注目されている形だ。

したがって当局がバイトゥッラーに対して恩赦を申し出ていることも、不思議ではない。同じような恩赦を、アーマッドザイ・ワジール族の最重要指名手配者だった5人の過激派が受け入れたことは、記憶に新しい。

しかしバイトゥッラーは、政府の恩赦の申し出を受け入れていない。彼はアブドゥッラーの恩赦を要求しており、彼1人では恩赦を受け入れないという。

バイトゥッラーがどういう人間なのかは、ほとんどわかっていない。あまり人々と接触せず、約20人の護衛に守られているといわれる。仲間のマフスード族部族民たちも、ほとんど彼と会わないという。マフスード族過激派によるとバイトゥッラーは数年間、タリバンとともに北部同盟と戦ったという。タリバン政権崩壊後には南ワジリスタンに戻り、部族民過激派を組織した。

彼がどの程度アブドゥッラーに影響力があるのかは明らかになっていないが、アブドゥッラーは以前、バイトゥッラーに相談することなしにゲリラ戦を戦う力を持っていると述べている。しかしバイトゥッラーは背後で、大きな力を発揮しているらしい。

hoonBaitullah Mahsud yet to accept amnesty offer
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■アフガン軍閥、自爆の標的を免れる[050120 AP]

自爆テロ犯が木曜日にアフガン軍閥の間近で自爆して20人以上が負傷したが、殺害しようとした標的は難を免れた。イスラーム過激派の報道官が、3年前にタリバンの囚人たちを殺害した復讐としてドスタム将軍を狙ったと声明を発表。いっぽう警察は、アルカイダの仕業と述べた。

またタリバンのリーダーであるオマール師は木曜日に、イード開始に合わせて声明を発表し、アフガン人とアメリカ人「帝国主義者」たちに今後も攻撃を続けるよう、呼びかけた。この声明を『AP』にファクスしてきた別のタリバン報道官は、タリバン戦士たちが和解計画を受け入れる準備ができていると主張する、アメリカやアフガン高官の言葉を否定した。

ドスタム将軍を暗殺しようとした自爆テロ犯は、Sheberghanで開催されていた祭りの最中の祈りの場で自爆した。「ボディーガードがドスタムに近寄ろうとした男を止めようとしたところ、自爆した」という。ドスタム将軍は無事だった。

タリバン報道官であるMullah Abdul Hakim Latifiは、仲間の1人が攻撃を実施したと述べた。「タリバン数千人が投降したにもかかわらず、ドスタムは彼らを殺害した」と衛星電話で『AP』に述べた。「アメリカや現政府に協力しているアフガン人たちを、攻撃し続ける」という。ドスタム将軍の責任を証明することはできないが、人権団体はこの虐殺について調査を呼びかけている。

地元警察は、今回の攻撃には、アルカイダの特徴が現れていると述べた。警察はあるバングラデシュ人の男を拘束し、取り調べをしているという。

garrAfghan Warlord Survives Suicide Attack
By AMIR SHAH、KABUL


■ファルーク博士の拘束延長[050120 Daily Times]

当局はカーン研究所のファルーク博士の拘留期間を延長した。(中略)

情報源によると、当局はファルーク博士が核拡散に関係していたことを証明する十分な証拠があり、今後も取り調べを続ける必要があるという。

hoonScientist Farooq's detention extended
ISLAMABAD


■カラチ、米軍に門戸を開放[050119 Asia Times]

タリバンの排除のために米軍と協力しているパキスタンは、ワシントンのイランに対する捜索にも、協力している。『New Yorker』の記事でSeymour Hershは、夏以来米軍チームは、パキスタンの協力によりイラン東部に侵入して、核兵器を製造している秘密基地の捜索をしているという。

『Asia Times』の調査によるとパキスタンは、、テヘランやシーラーズ、イスハファンなどのイランの町とさまざまな点で酷似しているカラチで、イギリスとアメリカの部隊が奇襲攻撃の訓練のために、施設を提供していることがわかった。アメリカとイギリスはカラチで、極秘の訓練を展開している。

「パキスタンが、イランと対決しているアメリカに協力することは大いにありうる。パキスタンが、イランの核開発計画に協力した証拠を、何のためらいもなくIAEAに提供したからだ」と、あるアナリストが語った。

この訓練で、隊はカラチの地図を手渡され、重要な建物、幹線道路や鉄道、バスの停留所、空港などの場所をたたきこまれたという。訓練は数週間前に開始され、1月17日に終わったらしい。隊は、カラチ空港に付随しているパキスタン陸軍宿舎があるMalir Cantに滞在した。1月11日には、PIA機を用いて、対ハイジャック訓練も行なったらしい。

訓練が実施されたことを認めた軍報道官Colonel Tahir Idrees Malikは、訓練はあくまでも対テロ訓練だったと述べた。これらの「同盟国」を訓練することができたのは、大きな名誉だと語った。なぜカラチで訓練が実施されたのかという問いに対して、行動が予測される場所で訓練をするのは当然だと答えた。

訓練に参加した国々の名前を挙げることは避け、対テロ作戦に備える目的の訓練であることを繰り返し強調した。またPIA A-300機を用いて対ハイジャック訓練を行なったと述べ、鉄道やバスなどを対象とした、軍の長期的訓練計画の一部だと語った。混雑した場所は、テロリストの攻撃目標になるという。

パキスタンの歴史において、陸軍が都市部で訓練を行なうのは初めてである。これまで訓練は、対インドなどを想定して、国境付近で行なわれてきた。

情報源によると、カラチやその他のパキスタン国内でテロを想定して訓練を行なったという軍報道官の説明は、現実的に無理があるという。カラチはアラブアフガンがパキスタンに出入りする町であり、アルカイダ幹部たちのほとんどがはカラチで逮捕され、組織はすでに打撃を受けた。今、パキスタン政府やアメリカは、残りのアルカイダはパキスタンとアフガニスタンの国境付近や、パンジャーブ北部、北西辺境州にいるようだと述べる。

smellKarachi opens door to US forces
By Syed Saleem Shahzad and Masood Anwar KARACHI


■南ワジリスタンが外交武装戦士2人死亡[050119 News]

火曜日に新政府の立場を取る部族の長老Ibrahim Khanが、ウズベキスタン人と思われる2人の外国人武装戦士の遺体を、南ワジリスタンのマキン行政事務所に運びこんだ。月曜日に、2人が自分の家に手りゅう弾を投げようとしていたところを発見し、射殺したと主張する。

別の情報源によると、外国人2人はIbrahim Khanの家に手りゅう弾を投げつけようとしたところ、手りゅう弾が誤って爆発したと述べた。(後略)

hoonTwo foreign militants killed in S Waziristan
By Sailab Mahsud、TANK


■空軍関係者3人、刑をを宣告[050119 News]

3人のパキスタン空軍関係者が、軍事裁判にかけられ、2年から9年の刑を宣告された。

裁判は一般には公表されなかったが、親戚関係者によると、去年の10月から12月の間に、パキスタンにある空軍基地2ヵ所で裁判が行なわれたという。

被告人の1人Nasruminallah Khattakの父親で、前空軍准尉のAslam Khattakによると、3人はスンナ派過激派のジャイシェ・ムハンマドに献金し、組織の訓練所があるBalakotで軍事訓練を受けた罪に問われているという。息子は無実だと述べた。

hoonThree PAF men court-martialled
ISLAMABAD


■パキスタン軍、部族民20人を釈放[050118 News]

パキスタン軍は、アフガニスタンの国境付近で行なった捜索で逮捕した部族民20人を釈放したと、政府高官が発表した。

土曜日に、北ワジリスタンのミラン・シャー西部にあるAlwara Mandiで、20人の部族民が逮捕された。政府高官によると、取り調べのあと、全員日曜日に釈放されたという。

hoonPakistan army frees 20 tribesmen after holding them for days


■ムシャラフ、パキスタンの支配を固めるために、アメリカの要求を利用[050118 Daily Times]

ムシャラフは2001年以来、「テロとの戦争」に急きょ協力を求められたことを利用して権力を拡大したと、International Federation For Human Rights(FIDH)が発表した報道で語った。(中略)

報道によると、ムシャラフ政府は人権の法律に従っているかのように、また民主主義を代表しているかのように、報道の自由を許可しているかのようにふるまいながら、実は権力拡大に専念しているという。ムシャラフ政権は2004年12月までに陸軍長官の地位を退かなかったことからもわかるように、臨時応変の平治的便宜主義を貫いているだけだと付け加えた。司法の独立に欠如し、独裁者の政治的支配下にあるという。 (後略)

hoonMusharraf used US need for Pakistan to maintain grip on power: FIDH
report
PARIS


■ジルガ、北ワジリスタンで逮捕された部族民の釈放を要求[050117 Daily Times]

北ワジリスタンでジルガが開催され、先日国境付近のLowara Mandiで逮捕された部族民20人の解放を要求した。

ジルガは、これらの部族民がEid-ul-Azhaまでに解放されなければ、政府との協力を中止すると述べた。部族民たちによると逮捕された者たちは全員無実で、誤った情報をもとに逮捕されたと訴えた。

hoonJirga demands release of tribesmen held in N Waziristan
MIRANSHAH


■パキスタン、イランの核に関してアメリカに協力していることを否定[050117 Reuters]

パキスタンは月曜日に、アメリカがイランの核施設を攻撃するために、施設の場所を特定する極秘情報をアメリカに提供していると報道した雑誌記事を否定した。

アメリカの雑誌『The New Yorker』は日曜日、去年の夏以来、イランにある30ヵ所以上核施設の場所を極秘に捜査しているという、受賞経験がある記者Seymour Hershの記事を掲載した。南アジアにおけるアメリカ特別捜査班が、イランの科学者と協力したことのあるパキスタン科学者のグループと、密接に連絡をとっているという。

パキスタン外務省報道官Masood Khanは、記事の内容を強くを否定した。「そのような協力をしていない」。「イランの核計画についての情報を持ってないので、この報道は根拠のない、誇張した事実だ」という。

『The New Yorker』は、パキスタンの情報をもとに特別捜査班がイラン東部に潜入して、地下の核兵器施設を捜索していると報道した。パキスタンはアメリカと協力することの引き換えに、カーン博士をアメリカに引き渡さないことになっているという。(後略)

smellPakistan denies report it helps US on Iran nukes
ISLAMABAD


■パキスタン、ムシャラフ暗殺容疑者逮捕[050117 Reuters]

パキスタンは、2002年にムシャラフを暗殺しようとして失敗したイスラーム過激派を逮捕した。

Mohammad Jamil Memonは、盗難車を運転していたところをスワートで逮捕され、後に指名手配中の過激派であることが判明した。「カラチで発生した2つの事件、米領事館爆破事件と大統領暗殺に加わっていた」という。

Memonは、ハラカット・ウル・ムジャヒディンき関連組織、al-Alamiと関係があると見られている。12月19日に逮捕され、火曜日にはカラチ警察に引き渡されるようだ。

hoonPakistan nabs militant wanted for Musharraf plot
ISLAMABAD


■Kot Lakhpatの銃撃戦で死亡したテロリストは「最重要手配者」[050117 Daily Times]

2004年11月にKot Lakhpatで発生した銃撃戦で死亡したアルカイダテロリストは、Abdul Salam別名Akbarで、1000万ルピーの懸賞金がかかっていたテロリストであることが判明した。

Salamはアフガン国籍で、カラチに住んでいた。Akram Lahori、Wahab Afghani、Ataullah、Asif Chotoなどの有名なテロリストと関わり、国内の4件のテロ事件に関係していた。

SalamはMuhabat Khanと名乗り、警察は遺体をMuhabat Khanのものと確認していた。「Salamは南ワジリスタンから部下とともに逃走し、Kot Lakphatにある友人の家に隠れていた。警察は家を捜索しようとした際に強い抵抗を受け、テロリストたちは200発以上も発砲した」と諜報部員が『Daily Times』に語った。

諜報部はKot Lakhpatに住んでいたMuhammad Imran別名BobbyがSalamと無線で話しているのを傍受して、Bobbyをペシャワルで逮捕。その後BobbyがSalamを匿ったことを自白した。

hoonTerrorist killed in Kot Lakhpat shootout was 'most wanted'
LAHORE


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004, 2005.