【2005年1月31日〜2月6日】


■カーンのネットワーク、いまだ稼働[050206 Daily Times]

イランの核計画に注目が集まっている今、カーン博士はこれまで明るみに出た事実以上に、テヘランと平壌に協力していたことが明らかになったと、雑誌『TIME』が報告した。

『TIME』によると、アメリカの諜報部の情報として、カーンは高速遠心分離器など、核兵器を作るための材料を北朝鮮に売ったという。国際原子力委員会IAEA高官は、イランは北朝鮮と同じものを1990年代中ごろにカーンから買ったと見ている。まだ確かな証拠はないが、1994年〜99年の間にテヘランは、カーンのネットワークの代表と少なくとも13回会合を持っていたことも明らかになった。これらはネットワークの活動のほんの氷山の一角にすぎないと見られている。カーン博士はアフリカ、中央アジア、中東の国家を10年以上も渡り歩いていたからだ。

パキスタン人国防省高官の言葉として、現在アメリカはカーンがサウジに核テクノロジーを売ったかどうかを調査をしていると述べるとともに、北朝鮮やイランが同様のものを第三国に売ったのかどうか、カーンに質問をしたという。

ワシントンは、カーンの顧客がテロ組織に核テクノロジーを売り渡したという確かな証拠はつかんでいないが、カーンがビンラディンと取り引きをした可能性は捨てきれていないようだ。カーンと近い関係にあるパキスタン軍や諜報組織は、アルカイダ寄りである。カーンと近いある同僚によると、カーンはイスラームが以前の繁栄を取り戻し、イスラーム国家が核を所有することに情熱を燃やしていたという。

さらに『TIME』によると、カーンはイランとリビアに核弾頭の設計図を売った明らかな証拠があると述べ、テヘランの核開発は、軍事的な目的があったことを指摘する。「まだ何も変わっていない」。「ハードウェアはいまだに入手できるし、ネットワークは停止していない」と、カーンの同僚の1人の言葉が引用される。研究所に近い情報源によると、ウラニウム六価フッ素ガスが入ったシリンダー16本が研究所から紛失したとことも明らかにした。

smellgarrKhan network still operational: TIME
LAHORE


■アフガニスタンでニンジンゲーム[050205 Asia Times]

カブール政権はさらに勢力を拡大して、アメリカは、陸に囲まれたアフガニスタンからその勢力をさらにアラビア海にまで伸ばそうとしている。その証拠として、最近数百人のタリバンが、反米運動に加わらないという各地の部族民たちの保証のもとで、釈放されている。アメリカは、なんとか抵抗勢力の司令官たちを味方に引き入れようとしているのだ。

しかし最も注目すべき政治的な展開は、ヘクマチアルの率いるヒズビ・イスラミ・アフガニスタン(HIA)とアメリカとの関係だ。HIAは、ヘクマチアルが停戦に合意しなくても、今年の国会選挙への参加を許されるようだ。

ペシャワルにいる情報源によると、HIA幹部とアメリカとの間の話し合いは、最終局面に達したようだ。HIAはアフガニスタンのカブールをはじめ、パシュトゥン族の居住地で、その影響力を保つことが許されるという。

HIAを引き入れようとするアメリカの作戦は、アメリカの高官がヘクマチアルの息子でイギリスで教育を受けたジャマール・ディンに接触したことから、急にあわただしくなった。ディンはアメリカとヘクマチアルの橋渡しをしたが、ヘクマチアル自身はアメリカの撤退を頑として主張した。

ヘクマチアルは孤立化しつつある。HIAの幹部司令官Ustad Fareedは極秘にカブールに入り、一般市民として静かに暮らしている。Fareedはヘクマチアルの腹心の部下で、抵抗運動を先導していた。ペシャワルのオブザーバーたちは、この事実の背後には、HIAとアメリカの取り引きがあったと見る。

パキスタンにおけるHIAの責任者でカブールの前副首相だったDr Qutubuddin Hilalもアフガニスタンを訪れ、カルザイと話し合った。しかしこのときHilalはヘクマチアルが主張するアメリカの撤退を伝えただけで、何の進展もなかった。

数カ月前、Hilalは病気の治療のためにイギリスを訪問した。「だれもがHilalを知っている。アメリカやイギリスは、Hilalをテロ組織の人間と認識しているはずだ。しかし一方で、イスラマバードのイギリス大使館からビザを取得してイギリスに行ったという事実がある。これは明白な事実を語っている。オマール師は、このように旅することはできない」と、ペシャワルのHIA高官が述べた。最近Hilalはペシャワルに戻り、病気の治療に専念している。

同時にアメリカは新聞広告を出して、新たなキャンペーンを展開している。ビンラディンやアルタイガのメンバーの顔写真を掲載して、賞金を出したのだ。最近これにオマール師が加わった。しかしヘクマチアルの名前はない。アメリカはタリバンやヘクマチアルと政治的な取り引きをしようと、躍起になっている。

アフガニスタンの抵抗運動は、アメリカがパキスタンに圧力をかけたために、縮小されてしまった。タリバンの拠点は、いくつも消滅した。「現在ペシャワルには、HIAの教育を受けたアフガン人戦士数百人がいる。彼らはアフガニスタンの米軍と戦って命を落とすことを恐れない。しかし、この抵抗運動に参加できない、2つの理由がある。まずパキスタンのような避難所がなくなったこと、また避難所から戦士たちを指揮する統率者がいなくなったことである。現在若者たちを組織する拠点がなくなり、拠点がなくなってしまったために、統率者が若者たちを指揮できないのだ」と、ペシャワルのHIA高官が語った。

「今、我々は縮小してしまった。Maulvi Sarfraz Janbaz、Qasim HamatのようなHIA高官はここから離れてしまい、カブールでHIAのメンバーの代表として身を立てている。ヘクマチアルは逃走中で、彼の部下たちの離反のニュースが、毎日のように入ってくる」という。「ペシャワルでは、ヘクマチアルやオマール師のような以前のリーダーたちが再び団結することは難しいと見ている」。

hoonCarrot games in Afghanistan
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■チュニジア人容疑者、逮捕[050205 Daily Times]

警察と諜報部は、アルカイダと関係のあるチュニジア人を逮捕したと金曜日に治安部高官が述べた。

容疑者はAbdul Qayyumと名乗り、木曜日の夜にペシャワルで逮捕された。

hoonTunisian Qaeda suspect arrested
PESHAWAR


■MMA、音楽や女性を使った広告に対しての法案要求[050204 Dawn]

MMAの議員が木曜日に、公衆や教育機関で音楽を演奏したり踊りを踊ったり、広告で女性の写真を用いた場合罰せられ、最高5年の求刑とそれぞれ5000ルピーと10000ルピーの罰金を命じる法案を北西辺境州議会に提出した。法案の決議は3日後に行なわれるという。

反対派によると、この法案は州のタリバン化をめざしているという。草案に記された公衆とは、建物、家、部屋、テント、囲まれた場所、道路、小道、橋、空き地などの場所で、有料、無料にかかわらず、公衆が踊りや音楽の演奏に参加できる場所であるという。

hoonMMA MPA seeks law against music, women's photos in ads
By Waseem Ahmed、PESHAWAR


■核の証拠、パキスタンを指し示す可能性あり[050203 Washington Post]

北朝鮮がリビアにウラニウムを供給していた可能性があるという、今週ブッシュ政権の主張の根拠をみると、全く同じ理由でパキスタンが供給源だった可能性があるということができると、データに精通したアナリストや高官が述べた。

国家安全議会の2人のメンバーが中国、日本、韓国を訪れ、北朝鮮がリビアに核兵器の材料となるウラニウム六フッ化物ガスを供給した可能性があることを話し合った。

(中略)ブッシュ政権が出したこれらの結論は、リビアが提出した装置やUF6として知られている六フッ化物ガスの検査結果に基づく。(中略)

『ワシントン・ポスト』は昨日、リビアから入手したウラニウム六フッ化物ガスが入っていたキャニスターから、北朝鮮の核施設でがあるYongbyonで生産されたプルトニウムが検出されたことを報告した。しかし国際原子力機構(IAEA)は同じ物質の検査をしているにもかかわらず、同じ結果に至っていない。

(中略)IAEAも、アメリカがサンプルを入手したのと同時期に入手したサンプルを用いて検査をしたが、プルトニウムは検出されず、またアメリカはこれが検出されたことをIAEAに報告していない。さらにプルトニウムが検出された容器は、そもそもパキスタンから送られたものだと、昨日高官が述べた。プルトニウムが入っていたことから、容器は北朝鮮にあったことを示すが、容器の内容物が本来どこから送られたものなのか、特定する方法はないと捜査官が述べた。

IAEAはパキスタンの科学者、カーン博士の闇マーケットを捜索し、リビアのウラニウムがパキスタンと北朝鮮から密輸されたことを示す証拠を収集している。「結論を出すためには北朝鮮のウラニウムのサンプルが必要だが、これを持っている者はだれもいない」。「パキスタン人もUF6のサンプルの提出を拒んでいる」と、ある捜査官が述べた。

北朝鮮は天然ウランを持つが、これをUF6に変化させることができるという証拠はない。リビアは2003年にUF6を20トン発注した。しかしカーンのネットワークからは、金属シリンダーに詰められた1.6トンを受け取ったにすぎない。

パキスタンはIAEAとアメリカの諜報部に、ウラニウムを送ったのは北朝鮮だったと述べている。しかしマレーシアにいるカーンの相棒B.S. Tahirは、ウラニウムを密輸したのはパキスタンだとアメリカ諜報部に語った。

北朝鮮がウラニウムガスを作ったとしても、平壌がこれをリビアに売る意志があったとは思えないと、捜査官たちは語る。北朝鮮はパキスタンに材料を売り、パキスタンがこれをリビアに売ったか、あるいは北朝鮮がパキスタンに生ウランを売り、パキスタンでUF6に加工され、リビアに売ったと疑われている。

「UF6がパキスタンで作られたという可能性を排除できない」と、Institute for Science and International Security会長のDavid Albrightは語る。しかしAlbright氏は、北朝鮮が供給源だったという可能性も無視しなかった。「去年の春からこの理論は浮上している」。「しかし今なぜこの説が再び持ち出されているのか。北朝鮮に圧力をかけるために、タイミングを見計らって出てきたとしか思えない」。

smellNuclear Evidence Could Point To Pakistan
By Glenn Kessler and Dafna Linzer


■パキスタンで爆弾6ヵ所、兵士負傷[050203 AFP]

輸送や通信、燃料施設を狙って、爆弾や地雷が6ヵ所で爆発。兵士1人が負傷したほか、各地で大きな被害が広がった。そのうち5ヵ所はバローチスタンで起きた。

クエッタとイランのZahidanを結ぶ鉄道など、線路が2ヵ所で、またMustungでは警察署が爆破された。さらにKohluでは携帯電話柱などが爆破された。(後略)

hoonSix blasts rock Pakistan, soldier hurt
QUETTA


■パキスタン、アメリカにF-16戦闘機を要求[050203 AP]

米国防省高官が木曜日に、ワシントンはパキスタンから要求されているF-16戦闘機の売却を検討していると述べた。

国防省次官のDouglas Feithは、両国が同意に至ったかどうかは明らかにしなかったが、「重要な事項で、適当な時期に対処される」と、ラワルピンディの報道陣に述べた。

ワシントンは最近パキスタンに12億相当の武器を売ることに同意しているが、この取引にはパキスタンが長い間要求していたF-16戦闘機は含まれていない。1980年代後半にパキスタンはアメリカから戦闘機24機を購入する取引を行なっていたが、1990年代に課された核兵器製造に対する制裁で無効にされた。インドはF-16機の売買に反対。しかしすでにパキスタンには1980年代初期に購入した戦闘機が存在する。

hoonPakistan Requests F-16 Fighters From U.S.
By SADAQAT JAN、ISLAMABAD


■パイトゥッラー・マフスード、和平条約にサイン[050203 News]

最重要指名手配者の1人のバイトゥッラー・マフスードは水曜日に、政府との和平条約にサインして、マフスード族の居住地で続いていた政府との間の対立を平和的に解決することを約束した。

ジルガがバイトゥッラーの隠れ家に赴き、話し合いを行なったという。隠れ家の所在地は極秘だというが、北ワジリスタンのKhaisoorではないかといわれる。バイトゥッラーは、合意案に対して意義を唱えなかったようだが、彼がジルガと話し合いを行なったというメディアの報道に憤慨していたという。自分が政府の恩赦を受け入れたのは和解のためであり、投降ではないと訴えた。ジルガはこれを受けてメディアの一部やジャーナリストに、不注意な報道をしないように抗議し、誤った報道の結果、政府や抵抗勢力のキャンプで行き違いが生じる可能性もあると注意した。

hoonBaitullah Mahsud signs draft peace agreement
By Sailab Mahsud、TANK


■パキスタン、米軍砲撃に協力したことを否定[050202 AFP]

パキスタンは、パキスタン側にいた抵抗勢力を砲撃するアフガニスタンの米軍に協力したという報道を否定した。

「根拠がなく、真実ではない」と、軍報道官のShaukat Sultanが『AFP』に語った。パキスタンは米軍に協力してはいるが、「諜報情報を交換しているにすぎない」という。

smellPakistan denies helping direct US artillery fire from Afghanistan
ISLAMABAD


■マフスード族の恩赦最終段階に[050202 News]

マフスード族のジルガが火曜日に、北西辺境州知事Syed Iftikhar Hussain Shahが提示した、政府と重要指名手配者パイトゥッラー・マフスードの和解に対する草案を受け入れた。アブドゥッラー・マフスードはこの和解の対象にはなっておらず、恩赦は与えられない。

知事はDre Mahsud(マフスード主要3部族の意)のジルガに、和解案の草稿を提出した。Dre Mahsudの長老と聖職者たちは、隠れ家にいるバイトゥッラーにこれを届けるという。その後ジルガは南ワジリスタン行政とともに和解を締結する日時を決め、式典が行なわれる。式典はおそらく1週間以内に、Sraroghaで実施されるとみられている。知事やペシャワルの警察長官は、この式典には出席しない模様である。ペシャワルの警察長官は以前、ネック・ムハンマドに対する式典には出席していた。

バイトゥッラー・マフスードとその仲間たちは、軍を攻撃したり政府の施設を破壊しないこととの引き換えに、恩赦を与えられるという。外国人を匿わないことも約束し、政府は軍事作戦の際に逮捕したDre Mahsudの部族民すべてを釈放する。

知事によると政府は、南ワジリスタンからパキスタン軍を撤退させるというパイトゥッラーの要求を却下したという。またアブドゥッラーに対する恩赦の要求もすでに却下されている。「この合意でアブドゥッラーは孤立する。Haji Sharifやバイトゥッラーは自分の合意がなければ恩赦は受け入れないと主張していたが、すべてが間違っていたことが証明された」と知事が述べた。

hoonAmnesty deal for Mahsud militants finalised
By Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■パキスタン、米軍のアフガン国境発砲に協力[050201 AP]

米軍との新たな協力関係としてパキスタンは、アフガニスタンにいる米軍がパキスタン国内に向けて砲撃する手助けをしたと、アメリカの高官が火曜日に述べた。「これは大きな前進だ」と、アフガニスタンの米軍指令の作戦責任者Cardon B. Crawford陸軍大佐が述べた。

「抵抗勢力たちを追跡できるように、パキスタン人たちはパキスタン国内に砲撃するのを手伝った」と、ワシントンのホテルで報道陣に述べた。砲撃作戦について説明した際、パキスタン側には米軍はいないため、パキスタンの協力が有効だったことを強調した。「榴弾砲が6〜10キロ発射される。向こうでは誰かが『標的がいるぞ』と指示する者が必要だ。そした『左に行けとか右、上、下』などと指示を出す」。

アフガニスタンの米軍指令報道官のPamela Keeton中佐は後に、この事件は11月の初めに発生し、11月6日に公表されたと述べた。Keetonによると、抵抗勢力たちがパキスタンのワナの反対側にあるパクティカ州Shkinで迫撃砲を発射していた際、パキスタン兵がアメリカに支給された無線を用い、アフガン側にいる米軍に砲撃するべき目標を指示したという。米軍がパキスタン側に砲撃したのは、唯一このときだけだと述べた。

パキスタン軍と協力した別の例としてCrawfordは、米軍はパキスタン軍に空からの攻撃方法を訓練しているという。訓練はパキスタン国内で実施されているというが、それ以上のことは明らかにしなかった。さらに国境地域に隠れていると思われるビンラディンを逮捕、あるいは殺害するために、「膨大な努力」をしているという。米軍がビンラディンに接近しているかどうかは語らなかったが、アフガニスタンにおいては、アルカイダの脅威は少なくなったという。

またタリバンのリーダーシップは分裂の兆しがあると述べ、アフガン政府はタリバンリーダーシップの亀裂を「深め」める新たな計画を準備しているとした。タリバンリーダーのなかには、「暗闇のなかから喜んで出て」くる者がいて、アフガンの政治の一部になる可能性もいるという。

smellPakistan Leads U.S. Fire to Afghan Border
By ROBERT BURNS、WASHINGTON


■Angoor Addaでパキスタン軍とアフガン軍交戦[050131 News]

国境近くの南ワジリスタンのAngoor Addaで、パキスタンとアフガンの国境警察部隊が15分にわたって交戦した。

パキスタン側のAngoor Addaにいる部族の情報源によると、アフガン兵1人が死亡し、1人が負傷したという。パキスタンの国境警察兵士たちには、負傷者はいない。

アフガン軍が、Zeb One Picket近くのパキスタン領内に50メートル侵入したために、交戦になったという。パキスタン側が退去を命じたにもかかわらずこれを拒否したために、銃撃戦となったらしい。

hoonPak, Afghan troops exchange fire at Angoor Adda
By Sailab Mahsud、TANK


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003, 2004, 2005.