【2005年3月14日〜20日】


■部族民、反乱を起こす[050320 AP]

武装した部族民たちが、パキスタン南西部に基地にいる約300人の準軍隊兵士たちを包囲した。両者の衝突を恐れて、数千人の住民たちが避難したという。

部族民たちはDera Bugtiに通じる道路を封鎖し、塹壕を掘った。軍はヘリコプターで補給物資を空輸したという。

16時間にわたった銃撃戦のあと土曜日に、準軍隊に護衛された3000人以上の政府関係者とその家族が、町から避難した。「Dera Bugtの状況は非常に緊迫している。何が起きても不思議ではない」と、警察が述べた。

hoonTribesmen Revolt in Pakistan Town
NASEER KAKAR、QUETTA


■パキスタンのモスクで爆発、39人死亡[050320 AFP]

警察は、パキスタン南西部で39人が死亡したモスクの爆発事件が自爆テロ犯の犯行だったかどうか、捜査中だという。

土曜日にバローチスタン州のFatahpurで、スーフィーの聖人を記念して行なわれたモスクの晩餐会で爆弾が爆発した。「死者は39人にのぼり、16人が負傷した」と警察がの発表した。「爆発地点近くにいた男の遺体が激しく損傷しているために、自爆テロだったかどうか、捜査中だ」という。

いっぽうでモスクの管理人であるSadiq Ali Shahを狙った犯行の可能性もあるという。Shahは無事だったが、これまでモスクの管理に関して親戚と争っており、去年、暗殺されかかったことがあるという。(中略)

最初の爆発の直後、モスクのそばで別の爆弾が仕掛けられているのが発見されている。

garrBlast at Pakistan Muslim shrine kills 39 worshippers
QUETTA


■アメリカの巨大な刑務所[050319 Guardian]

アフガニスタンはアメリカの「テロとの戦争」の前線となり、人間が無差別に逮捕され、拷問も日常茶飯事になっている。(中略)

ワシントンは、ならず者国家が民主主義国家になった成功例として、アフガニスタンを掲げておきたがっている。しかし人権団体やアフガニスタンの政治家たちは、米軍はアフガニスタンを世界の犯罪人を押し込む場にしていると非難し、そこでは拷問が日常茶飯事に行なわれていると訴える。(中略)

去年の11月、ガルデズ出身の男が米軍刑務所で死亡した。家族が遺体を引き取りにくると、100ドル紙幣を交通費として渡されたが、死亡原因については何の説明もなかった。アフガニスタンでは、ただこつ然と消えてしまう人間がたくさんいる。

ガルデズの刑務所のほかに、コースト、アサダバード、ジャララパード、カンダハルにも米軍の刑務所があるといわれる。この他にもバグラム空軍基地に付属する施設には、20ヵ所に拘置所がある。CIAもバグラム以外にもう1ヵ所、「塩の穴蔵」と呼ばれる施設をもつ。このような場所に1500人以上の囚人が、アフガニスタンだけでなく、他の国々からも集められ、収監されているらしい。米軍はこれについて黙秘しているので、明らかなことはわからない。(中略)

タリバンの撤退を喜んだアフガン人たちは、いまや米軍を信頼していないようだ。カブールのHuman Rights CommissionのNader Naderyは、「アフガニスタンは、アメリカの巨大な刑務所と化してしまった。ここには人権を侵害する軍事戦略が、横行している。アフガニスタンは、アメリカのそんな機構の一部にすぎない」。この人権団体は、米軍による虐待800件を記録している。

アフガン政府も、Naderyの見解を密かに支持する。ある匿名の大臣は、「ワシントンは、アフガニスタンに民主主義が生まれていると世界には公言しているが、実際には我々の国を、勝手に、見境なく、根拠もなく、人々を拘束する刑務所にしている」と述べた。(中略)

9.11以後、アメリカの「テロとの戦争」の主要な戦略は、何らかの容疑のかかった人間を根こそぎ逮捕することである。そのために外国の刑務所を用い、米軍基地やCIAの施設にも拘置所を設置した。建物は何でもよかった。アパートでも、コンテナでも。テロ容疑者は、アフガニスタン、パキスタン、ウズベキスタン、エジプト、ヨルダン、タイ、マレーシア、インドネシア、ディエゴ・ガルシアなどの施設に放り込まれる。これらの囚人は、逮捕された理由も明らかにされず、裁判も受けられず、飛行機に乗せられていく。米軍が「幽霊囚人」と名付ける者たちだ。(中略)

ワシントンが明かにしている「幽霊囚人」は、アブ・ズバダヤなどのアルカイダ幹部数人にすぎない。彼は「アメリカの支配下」にいるということだが、どこにいるのかは、明らかにされていてい。ただパキスタン政府関係者によると、ズバダヤはパキスタンにある、CIAの施設にいるという。

2003年5月にブッシュは、アメリカコール船爆破犯人のWaleed Muhammad bin Attashの運命について明らかにした。彼は2003年3月にパキスタンで逮捕されたあと、消えてしまった。彼は、アメリカの刑務所には名前を連ねていない者の1人だ。

2003年8月にバリの爆弾事件首謀者として逮捕されたハンバリは、「鳥のように鳴いている」という。おそらくディエゴ・ガルシアの米軍基地にいる。(中略)これらの「幽霊囚人」は、1万人以上いると予測されている。(中略)

アメリカのしていることは最近になって焦点があてられてきたが、すでに2001年から、人間が行方不明になりはじめていた。アメリカがヨーロッパや中東の同盟国に、テロ組織を捜査するように依頼してからである。最初に行方不明になったのがAhmed Agizaだ。彼はエジプト人の亡命希望者で、妻子とスウェーデンに3年暮らしていた。Agizaの妻が、彼がいかに語学教室から帰ってくる途中で消えてしまったか、話してくれた。

「電話が5時ごろ鳴った。夫だった。逮捕されたとだけ言うと、電話が切れてしまった。翌日弁護士が、Ahmedはエジプトに送還されたと伝えてきた。死んだ方がましだ」。家族は1991年にエジプトから逃走した。軍事法廷の欠席裁判で、終身刑を言い渡された。(中略)

しばらくして、やっと彼の実に何か起きたのかが判明した。2001年8月に、Ahmedと別のエジプト人難民Agizaが、アメリカの依頼を受けたスウェーデンの諜報部に逮捕されたのだ。それから2人はエジプトに送還された。(中略)

2001年12月に、アメリカは外国の刑務所で囚人の取り調べるようになった。パキスタンの北西辺境州のハリプールとコハートで、これが開始した。そこにはグアンタナモ刑務所と同数の囚人が投獄されている。1月、我々はコハート刑務所を訪問しようとしたところ、ISIの工作員に追い返されてしまった。結局何人かの釈放された者たちに会うことができた。その中の1人のムハンマドは、大学生である。彼は逮捕され、ISIがCIAと共同で取り締まる拘束センターで、取り調べを受けた。「4週間、私服のアメリカ人工作員に、窓のない部屋で質問された。時間の観念がまったくなくなった。おまえを消すことなど簡単だ、と言われた」。ある日目隠しをされて、車にのせられた。「コハートの刑務所に連れて行かれた。そこには、中東出身の囚人が100人以上いた。その後はハリプールに連れて行かれた。そこにはもっとたくさん囚人がいた」。(中略)

彼は2004年11月に釈放されたが、400人以上の囚人がアメリカの依頼を受けて、いまだに収監されている。(中略)

2004年7月、25歳のコンピュータ技師Naeem Noor Khanが、ラホールに向かった後に行方不明になった。彼はグアンタナモには連れて行かれなかった。父親によると、隣人が電話をかけてきて、アメリカでは「パキスタンでアルカイダの重要事物が逮捕されたという話でもちきりだ」と教えてくれたという。Naeem Noor Khanがアルカイダのために、ウェブサイトを管理しているというのだ。翌日パキスタンの情報大臣が、ISIが7月13日にアメリカのためにNaeem Noor Khanを逮捕したと、息巻いていた。逮捕者は、「1998年6月に、アルカイダのキャンプで25日間訓練を受けたことを告白した」という。

Naeemの家族の代表によると、パキスタン政府筋から、2003年9月にパキスタンで逮捕されたマレーシア人の学生が拷問を受け、この学生からNaeemの名前を聞き出したために、アメリカが指名手配にしたのだという。「マレーシア人学生はその後釈放された。パキスタンで出会った人間の名前を挙げるまで、拷問を受けたと言っていた。Naeemが罪を犯したのかどうか、その証拠はこの学生の話以外、全くない。さらに悪いことに、Naeemは完全に消えてしまい、釈放を嘆願することもできない」。

Naeemは、テロと関係があるとみなされれば誰でも捕まえる「全員逮捕」のシステムのなかに、飲み込まれてしまったのだ。(後略)

garr'One huge US jail'
Adrian Levy and Cathy Scott-Clark


■アメリカ、まだパキスタンに用あり[050319 Asia Times]

アメリカはパキスタンに、ここ数年間のイランとの核関係を明らかにするように圧力をかけている。そして米国務省長官のライスは、アメリカの最近の要求にパキスタンが答えたことに対して、賛辞を与えたという。

先週パキスタンは、カーン博士が単なる設計図ではなく、遠心分離器をイランに与えたことを認めた。しかし「個人的」だったという。ここにきてアメリカはイランを訴える準備の一環として、これに関する具体的な証拠のほか、他の取り引きについても明らかにするように要求している。1980年後半から1990年初めにかけてのパキスタンの核計画についての詳細が、対象になる。

重要なことは、アメリカはパキスタンの前陸軍長官、アスラム・ベーグ将軍についての取り調べを要求していることだ。ベーグ将軍は、イランの前大統領Ghulam Ishaq Khanやカーン博士とともに、核開発に協力したことを公言している。

アメリカの要求は、ラワルピンディの陸軍本部にショックを与えた。これまでは、パキスタンの協力は完全であり、カーン博士を引き渡す必要性はないと信じられていたからだ。

情報源によると、今のところラワルピンディは、アメリカが要求してきた人物をアメリカに引き渡さないことにしたという。ワシントンがその見返りとしてイスラマバードに何を与えるのかは、明らかではない。パキスタンはアメリカにF-16戦闘機を要求してきた。特にインドもこれを要求している。さらにパキスタンは「テロとの戦争」に協力することで、資金や軍事的な援助をすでにアメリカから受けている。

「パキスタンの核問題は深刻で、政府幹部たちはすぐ対処した。カーンを自宅軟禁に処し、外部の者が彼と接触できなくした。カーンを孤立させたあと、パキスタンはアメリカと協力を惜しまなかった。アメリカにとっては、大きなメリットがあった」と、戦略専門家は主張する。

「しかしイシャーク・カーン、カーン博士、ベーグ将軍のような人物の取り調べとなると、すべての戦略的な機密事項をを開示することを意味し、これはパキスタン国家にとっては大きな屈辱だ」と専門家は述べる。

「アメリカは、パキスタンが提供すべき証拠を入手しようとしている。アメリカが何を聞き出したいのか質問事項を明らかにし、パキスタンが捜査機関を通して返答をする。パキスタンの捜査官がベーグ将軍などの関係者から話を聞き出し、答えをアメリカに提供している。今後もこれが続くだろう」。

「南ワジリスタンの問題も同じだ。アメリカは重要人物たちが南ワジリスタンに隠れていることを諜報情報から確信していた。ワシントンはパキスタンに、米軍が部族地帯で行動することを許可するように求めた。しかしパキスタンは当初からアメリカと協力していたが、米軍がパキスタン国内で活動することは拒否した。アメリカが越境することを、たびたび見て見ぬふりをしているが」。

パキスタンの核開発のサーガは、数年前にイスラマバードで開催された『Muslim』の編集者、Mushahid Hussainの結婚式で始まった。彼はジャーナリストから政界に入り、今はPakistan Muslim Leagueの書記長となった人物である。

Hussainはカーン博士を、インド人ジャーナリストKuldeep Nayyerに紹介した。カーンは個人的に話しているつもりでKuldeepにパキスタンの核計画について話したところ、驚いたことに、それが記事になってしまった。その結果カーン博士には、パキスタン大統領と同等の警備がつけられた。

しかし一度パキスタンが核を入手すると、カーンの警備は緩和され、彼は自由に動き回れるようになる。海外にも出た。有名人にもなった。

この英雄崇拝が逆目に出た。カーン研究所の警備責任者Tajwar准将に関する捜査の機密情報によると、彼は遠心分離器が研究所外に持ち出されたことを知っていたと認めたらしい。しかしカーン博士になぜ遠心分離器を研究所外に出したのか、その目的について問いただすことはできなかった。

カーン博士は責任をとったが、イランはその核計画に関係したとして、20人以上のパキスタン人科学者のリストをIAEAに提出した。「アメリカは、圧力をかけるのが遅すぎた。パキスタンがカーンが核拡散に関わっていたことを知る以前に、すでにカーン博士はカーン研究所責任者の地位を更迭され、研究所に入ることを禁じられた。面子を保つためだけに、大統領のアドバイザーの地位をあてがわれた」と専門家は語る。

カーンの運命は明らかではない。「おそらくこうなるだろう。アメリカは最大の圧力をかける。パキスタンも頑として動かない。2年位、状況は変わらない。世界最高権力者の行動はその戦略地政学で決定される。固定観念や法則で動くのではない」と戦略専門家が述べた。

smellUS not finished with Pakistan yet
Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■アメリカ、イランのガスプロジェクトには慎重に、とパキスタンに助言[050319 News]

ライスはパキスタンに、イランとの関係について、特にガスパイプラインの件については慎重になるよう、要求した。

ライスはパキスタンに、ガスパイプラインの案件を進めないようにと助言した。「貿易などでイランとの関係を強化すれば、アメリカを怒らせることになる」とパキスタンに述べたという。(中略)

「イランに関する我々の見解は明らかだ。イランとインドとの間で進行しているガスパイブライン計画に関して、我々はインド政府と話し合い、すでに我々の意向を明らかにしている」とライスは報道陣に述べた。

外交筋によると、パキスタンはライスの「アドバイス」について、直接返答を避けたという。(後略)

hoonUS advises Pakistan against Iran gas project
Naveed Ahmad、ISLAMABAD


■襲撃でパキスタン兵8人死亡、列車爆発される[050318 Reuters]

パキスタン南西部で部族の抵抗勢力と軍の間で激しい銃撃戦があり、兵士8人が死亡、23人が負傷したと軍が金曜日に発表した。いっぽう部族民側によると、部族民20人以上が死亡したという。

軍高官によると木曜日に、銃を持ったBugti族たちがDera Bugti郊外を移動中だった国境警察の車列を襲撃したという。「8人の兵士が死亡、23人が負傷した」と述べた。

いっぽうバローチナショナリストの政治家Kachkol Aliが報道陣に、10時間に及ぶ銃撃戦で、部族民50人が死亡し、150人が負傷したと発表した。

軍は、Aliの主張は誇張されており、その数は確認されていないという。抵抗勢力数人が死亡した可能性はあるが、それほど多数ではないと述べた。

またクエッタに向かっていた列車の洗面所で爆弾が爆発し、1人が死亡、6人が負傷した。Sibiの付近では別の列車で爆発が発生し、1人が死亡、3人が負傷した。さらにクエッタの鉄道関係者の家屋に手榴弾が投げ込まれたが、負傷した者はいない模様。

犯行声明は出されていないが、バローチナショナリストの仕業と見られている。

軍高官によると、木曜日に停戦を締結し、死亡あるいは負傷した者をDera Bugtiの現場から運び出しているという。停戦はまだ続いている。

軍の車列はスイに向かっていた。「約100人ほどの武装した部族民たちが、約40人の兵士を乗せた車を襲撃した」と軍関係者が述べた。さらにDera Bugtiの郊外では、約400人ほどの部族民が20人の国境警察隊員が駐屯しているチェックポストを襲撃したらしい。「Bugti族は多胴ロケット弾発射砲を用いた。戦闘は10時間続いた。事態は非常に緊迫している」という。

garrEight Pakistani soldiers die in ambush, trains bombed
Shahid Gul Yusufzai、QUETTA


■米軍、アフガン囚人を釈放[050318 BBC]

アフガニスタンの米軍は、タリバンの抵抗運動をやめさせるために、逮捕者数人を釈放し始めた。

カルザイ政府を支持するものには、恩赦を与えようとしている。釈放されたのは、2001年以後に逮捕された者たちである。米軍は500人以上のタリバンを、バグラム基地とカンダハル基地に収監している。(中略)

米軍は地元アフガン高官の勧めに従い、爆弾事件に関わった者などを含む抵抗勢力たちを釈放した。これらの抵抗勢力の2人は、地元警察長になっている。

しかしこれらの戦術にもかかわらず、あまり成果はない。コースト州からはたった5人だけが恩赦を受けた。しかしコースト州知事は、政府の中にすでにタリバンを何人かを取り込んだという。

これらの前タリバンのうちの3人が、パキスタンの部族地帯に隠れている仲間のほとんどが、アフガニスタンに帰ることを望んでいると述べた。米司令官とアフガン高官たちは、カルザイが国家的な恩赦政策に乗り出し、誰が政府に受け入れられ、誰が受け入れられないかが明らかになった時点で、もっと多くのものたちが表に出てくるだろうという。

しかしカルザイにとってはデリケートな問題だ。アフガニスタンの民族のなかには、タリバンを嫌う者たちがまだたくさんいる。しかしコーストでは多くの人たちが、完全な和解が達成されれば、結局タリバンの抵抗運動は終焉するだろうと確信している。

hoonUS army releases Afghan detainees


■アフガンで犯罪急増、タリバンを懐かしむ[050318 Washington Post]

「我々は残酷な極悪人だ」と、Abdul Qaderの息子を誘拐して1万5000ドルの身代金を要求した誘拐犯たちが警告した。道路建設責任業者のQaderは、すぐに借金をして指定された場所に金を持っていったが、翌日、殺害された息子の死体が発見された。

アフガン南部の町では、犯罪が横行している。木曜日には少なくとも5人を殺害する爆弾事件も発生し、厳格な法律を強いていたタリバン時代をなつかしむ者たちが多くなってきた。

先週、2人目の誘拐された少年が殺害されると、何百人もの男たちが町に繰り出して、カルザイに州知事と警察長官を更迭するように講義した。「軍閥を排除しろ」「タリバンを再び」というスローガンが掲げられた。

軍閥たちは権力を再び取り戻した。カルザイはこれに答えてカンダハルに治安責任者を派遣し、地元警察を補強することを約束した。現在の警察長を他州に更迭するという噂も出た。しかし住民たちはさらに多くのことを望んでいる。「紙の約束はいらない。カルザイは約束を守ってほしい」。

カンダハルの人々の声は、アフガンの声を代表している。マザリシャリーフの住民たちも、人々の土地を盗んだとして、州知事のアタ・ムハンマド将軍の辞職を要求した。

人権団体は先週、州知事や警察の要職に就いている前軍閥たちは、「女性や子供のレイプ、殺人、不法逮捕、人身売買、強制結婚などを行なっている」と訴えた。麻薬の密輸に関わる者もいる。

カンダハルの秩序の乱れは、カルザイにとっては大きな問題となるだろう。カルザイはカンダハル出身で、パシュトゥン族でもある。かつてはタリバンの厳しい統治を嫌ったカンダハルの住民たちはカルザイを支持したが、今はタリバン時代を懐かしく感じるようになっている。

当時は暗くなっても、何も恐れずに外出することができた。現在は強盗がはびこる。日没後、外に出る者はほとんどいなくなった。(中略)現在バザールには、物であふれている。衛星放送も入る。ヴェールをかぶってはいるが、女性もあふれている。それなのにタリバンをなつかしむ。(中略)

州知事Gul Agha Shirzaiの報道官Khalid Khalid Pashtoonは、誘拐の報道は、ずいぶん誇張されているという。「カンダハールの人間は時折混乱するのだ」とPashtoonが言う。「常に戦いがあったため、悲観的な考えしかできない。噂に過ぎないことも多い」。先週のデモに関しては、タリバン関係者たちが関わっていた形跡があるという。

Khan Mohammedが警察長になって6ヵ月、カンダハルの強盗事件は急減したという。2人の少年が殺害された事件のほか、「誘拐事件が起きたという報告はなく」、逮捕者もいないらしい。しかし住民によると、身代金目当てで誘拐された子供たちがいることを、個人的に知っているという。

誘拐事件は、必ずしも警察に届けられるとは限らない。ともかく、子供たちが頻繁に誘拐されていると、一般的に信じられている。さらに警察は子供たちを救出するのではなく、警察自身が事件に関わっているというのだ。警察長のMohammedは、これを否定した。証拠はまったくないという。

Qaderの息子の例もある。彼は、息子が誘拐されたことを警察には報告しなかった。警察は何もしてくれないと思ったからだ。かわりにテレビやラジオで情報を求めた。

息子の殺害が明らかになったあと、Qaderは知事に呼ばれ、犯人を見つけることを約束してもらった。しかし代わりに国家秘密警察が、Qaderの従兄弟と兄弟2人を逮捕した。

Pashtoonは、Qaderの兄弟の1人がパキスタンの犯罪組織のメンバーだったことが判明したのだという。しかしQaderは全く根拠がないと訴えた。2週間後、やっと警察に兄弟を釈放することを説得した。「知事は助けてくれると言ったのに、結果的に私をもっと苦しめただけだった」とQaderは語った。

garrAfghan Crime Wave Breeds Nostalgia for Taliban
By N.C. Aizenman、KANDAHAR


■アブドゥッラーは元気と、報道官[050318 Daily Times]

重要手配者のアブドゥッラー・マフスードは、「生きていて元気」と、木曜日にスポークスマンが述べた。アブドゥッラーのスポークスマンと名乗る男が月曜日に、アブドゥッラーは土曜日に銃撃戦で受けた傷がもとで死亡した、と述べていた。

「アブドゥッラーが死亡したという報道をすべて否定する」と、抵抗勢力のスポークスマンMohammad Yousafが『BBCウルドゥー語放送』に述べた。

『BBC』によると、アブドゥッラーは以前ラジオ放送とのインタビューで、Yousafをスポークスマンに指名していた。「アブドゥッラーの死が、政府か何かを企む者たちによって広められている」とYousafが述べた。「しかし誰が死亡しようとも、我々のジハードは中止しない」という。

ムシャラフはアブドゥッラーの生死を確認中としていると述べた。「我々はそのことを知っていたし、彼を攻撃したことは事実なのだから、彼が死んだことは確かだ」という。「我々はすばやく攻撃した」とムシャラフは述べた。

smellAbdullah alive and well: spokesman
ISLAMABAD


■パキスタン兵3人、部族民に襲われ死亡[050317 Reuters]

木曜日にパキスタン南西部で部族民抵抗勢力が軍の車列を襲撃し、パキスタンの準軍隊3人が死亡した。

ここ数週間バローチスタン州では、部族民抵抗勢力たちが自治を求め、天然ガスや鉄道施設などを含め、政府への攻撃を強化している。 (略)

garrThree Pakistani soldiers killed in tribal ambush
QUETTA


■アフガニスタンの爆発で5人・選挙延期[050317 AP]

カルザイ大統領が国会選挙の延期を発表した日、爆弾が爆発して5人が死亡した。

ライスがアフガニスタンを訪問して、民主主義への支持を表明した翌日のことである。ライスは、ワシントンはアフガニスタンに永続的な基地を設けるかどうかは、まだ決定していないと語った。

爆弾はカンダハルの道路脇で爆発し、少なくとも5人が死亡、32人が負傷した。警察はタリバンの仕業と述べた。

タリバンの報道官は、この攻撃を行なったことを否定している。

国会の選挙は5月に予定していたが、人口調査や帰還している数千人の難民の登録方法がまだ検討されていないために延期するという。

hoonAfghan Blast Kills 5; Elections Delayed
By STEPHEN GRAHAM、KABUL


■アフガニスタンで地雷、米兵1人死亡[050316 AP]

アフガニスタン西部で、米軍兵士の近くで地雷が爆発して、1人が死亡、4人が負傷した。爆発は、イランとの国境付近のShindandにある米軍基地付近で発生した。

米軍司令官はタリバンは衰退していると主張しているが、アフガニスタン南部と東部ではまだ攻撃が続行している。

garrAfghanistan Land Mine Kills U.S. Soldier
KABUL


■パキスタン、ビンラディンを見失う[050315 BBC]

ムシャラフ大統領によると、ビンラディンはパキスタン軍に逮捕されずに、逃げているという。ムシャラフ大統領は『BBC』に、パキスタンの諜報部は約10ヵ月前にビンラディンの居場所を突き止め、パキスタンとアフガニスタンの国境に追いつめたが逃げられてしまったと語った。

また指名手配されていた最重要過激派は、最近の作戦で殺害されたと信じているとも述べた。しかし北ワジリスタンにおけるアブドゥッラー・マフスードの死は、まだ確認しなければならないという。

去年、軍はビンラディンがいるという明らかな証拠を捉え、大きな作戦を実施したという。しかしそれ以後、アルカイダのリーダーの気配はない。「彼らは移動し、そうすると形跡がなくなる」。

またアブドゥッラー・マフスードは、数日前に殺害されたと思う、とも述べた。彼の死により、部族地帯における抵抗勢力の活動は押さえられるだろうという。

hoonPakistan 'lost' Bin Laden trail


■親タリバン抵抗勢力、殺害される[050315 Asia Times]

アブドゥッラー・マフスードの殺害で、部族地帯の親タリバン抵抗勢力の長い1章が終わった。ネック・ムハンマドの亡き後浮上した義足の戦士は、先週の金曜日に北ワジリスタンのシャーワルで傷が原因で死亡し、ある場所に埋葬されたのだという。

(中略)3月5日に発生した北ワジリスタンのDeogar Saidgiにおける銃撃戦は、アブドゥッラーと治安部隊の間で交わされたと憶測されていた。アブドゥッラーは重症を負い、アラブ人4人と地元戦闘員2人、パキスタン各地から集まった5人の戦闘員の合計11人が逮捕された。アブドゥッラーは投降を拒否してシャーワルに逃げ込み、金曜日にそこで死亡した。

仲間のワジール族が政府と和解してから、アブドゥッラーは南ワジリスタンで政治的にも物理的にも孤立していた。ワジール族はアラブ人たちを自分たちの居住地から追い出し、パキスタン軍のチェックポストを設営することを許した。しかしアブドゥッラーは外国人戦士とともに行動し続け、匿っていた。彼と一緒に行動していた外国人はユルダシェフを含め、中央アジアの出身だったと思われる。

アブドゥッラーの死を看取ったのは、彼に忠実な仲間数人にすぎなかった。他のものたちは散り散りになり、殺害されたり逮捕された。

アブドゥッラーの件が落着し、作戦の最終段階は北ワジリスタンにかかっている。日曜日に、700人のパキスタン軍がシャーワルのManaで家宅捜索を行なった。Zalikhail枝族の6人が逮捕されたが、外国人はいなかった。

シャーワルは危険な場所だ。去年9月、ザワヒリが潜んでいるという情報をもとに、軍はシャーワルで作戦を行なった。2003年10月にアルジャジーラが放映したビンラディンのテープは、その背景や植生からシャーワルで撮影されたと思われている。

北ワジリスタンの部族民たちはアブドゥッラーの死で、少なくとも数ヵ月間は部族地帯の衝突は収まるのではないかと期待している。

smellSymbol of pro-Taliban resistance silenced
By Syed Saleem Shahzad


■アルカイダと接触した医師、7年の刑[050314 AFP]

対テロ裁判所は、負傷したアルカイダ容疑者や地元過激派に協力したとして、パキスタン人医師2人に7年の刑を宣告した。

心臓の専門医のAkmal Waheedとその弟の整形外科医Arshad Waheedは、2004年7月にビンラディンの組織と関係があるとされて逮捕された。兄弟は、カラチの警察司令官を暗殺しようとした過激派とも関係があることで、告訴されている。

「証拠は十分にあるために、7年の刑を宣告する」と、Feroz Mahmood Bhatti裁判官が述べた。2被告は、7日以内に控訴するという。「我々は2001年にアメリカがアフガニスタンへの攻撃を開始した以後、アフガン難民に治療を施してきた。誰でも分け隔てなく治療することが、我々の仕事だ。後悔していない。それが我々の任務だ」という。

hoonAl-Qaeda linked doctors jailed in Pakistan for seven years
KARACHI


■ビンラディン、飛脚を通じてザルカウィと接触を試みる[050314 AFP]

数カ月前に、ビンラディンとイラクのザルカウィが手紙で接触を試みていたことが、手紙を託された飛脚がパキスタンで捕まって判明した。

「約4週間前、我々はビンラディンがザルカウィと接触しようとしていたことをつかんだ」。「飛脚が捕まってわかった」と、The GeoScope Groupの責任者Bob Newmanが述べた。「アメリカの諜報部が男を捕らえて、ポケットを調べた。それでわかった」という。

Newmanは計画段階のテロを追跡しているが、飛脚はパキスタン西部で「手紙を持っていた」ために拘束されたという。「本物だと思う。しかし本当に秘密の通信しようとしていたのか、それともビンラディンは我々の能力を試そうとしているのか。自分の飛脚が制止されるかどうか、試そうとしていたのではないかと考えている」という。

先月ワシントンの対テロ高官が、アルカイダのリーダーがザルカウィにアメリカを攻撃するよう呼びかけていたと発表している。

smellBin Laden tried to communicate with Zarqawi via ground courier
DUBAI


■遠心分離機をIAEAには提供しないとパキスタン[050314 AFP]

パキスタンは、使用済みの遠心分離機を国連の原子力委員会に提供するという報道を否定した。

「我々はいかなる遠心分離機も提供しない」と、パキスタンの外務省報道官のJalil Abbasが、月曜日に『AFP』に述べた。

hoonPakistan denies it sending centrifuges to IAEA for testing
ISLAMABAD


■アブドゥッラーの死についての疑惑[050314 News]

軍が3月5日に北ワジリスタンで実施した作戦の際、アブドゥッラーが死亡したという未確認情報が流布している。

この情報が真実かどうか、確認する手段がない。政府高官はマフスードの死について慎重だったが、5日の作戦は彼を逮捕するためのものであったことは認めた。

政府は、マフスードに対する捜査をそらすためのものではないかと疑っているようで、注意深く見守っている。これまでもたとえばNoor Islamの場合のように、過激派の死について誤った情報を流して、当局の捜査をそらそうとする試みがあった。

軍報道官のShaukat Sultan准将は、マフスードの死については確認できていないと述べ、FATA治安責任者のMahmood Shah元准将は、マフスード死亡説は偽りだと述べた。マフスードが3月5日に負傷した、あるいは非常線を突破したという状況証拠は全くないと語った。

土曜日にある男が当記者に北ワジリスタンのある場所から電話をかけ、マフスードの死について知らせた。彼によると、マフスードは3月5日に国境のSaidgai近くの村Dewgarで軍事作戦が実施された際、胸部に銃弾を受けたという。軍がこの地域を包囲していたにもかかわらず、部下がマフスードを馬に乗せ、Dewgarからシャーワル谷に運んだ。マフスードは12日にシャーワル谷で息を引き取り、彼の名前にちなんでつけられたNamaz-e-Janazaというある場所に、同日埋葬されたという。

smellsmellSpeculations about Abdullah Mahsud's death
By Sailab Mahsud


■アブドゥッラー・マフスード死亡[050314 Daily Times]

アブドゥッラー・マフスードのスポークスマンが、3月5日に北ワジリスタンで軍の奇襲作戦が行なわれた際、中国人技師誘拐殺人で指名手配となっていたアブドゥッラーが胸を撃たれ、「傷が原因で死亡した」と述べた。

アブドゥッラーは木曜日に傷のために死亡したと、スポークスマンが「自分が殉教した場合に最初に知らせてほしい」と言い残していたジャーナリストのSailab Mehsudに語った。

報道官によると、軍が実施した外国人2人を殺害して11人を逮捕した3月5日の作戦で、アブドゥッラーは胸部を撃たれたという。仲間はアブドゥッラーをシャーワルまで連れていき、治療をしたらしい。シャーワルでは日曜日に別の作戦が実施され、10人が逮捕された。

軍報道官のShaukat Sultan准将は、アブドゥッラーのスポークスマンの主張については、何の情報も得ていないと述べた。

smellsmellAbdullah Mehsud dead: spokesman
PESHAWAR


■ワジリスタンで抵抗勢力10人逮捕[050314 Daily Times]

治安当局は北ワジリスタンでアルカイダ関係勢力に対して作戦を実施し、容疑者10人を逮捕したと軍報道官が述べた。

Shaukat Sultan准将は、重火器を持った10人の容疑者が逮捕されたと述べた。「彼らが外国人なのか地元民なのか、今のところはわかっていない」という。治安部隊員2人も発煙手投げ弾で負傷したらしいが、治安部隊と抵抗勢力との間では銃撃戦はなかったという。

捜索は、村に外国人がいるという情報を受け、シャーワル地域のMana村で実施された。「今後もこの地域で抵抗勢力を追い出すために作戦を行なう」と部族地帯の治安責任者のMehmood Shahが述べた。

smell10 militants arrested in Waziristan: ISPR
PESHAWAR


■北ワジリスタンの軍事作戦で、6人逮捕[050314 News]

700人の軍隊とヘルタプター戦闘機9機を用いた作戦が北ワジリスタンのシャーワル谷で実施され、6人が逮捕された。

ミランシャーとシャーワル谷の情報源によると、逮捕された6人はワジール枝族のWarhika Janikhelに属する地元民だという。6人はミランシャーを経てバヌーに連れていかれた。1人はNoor Nawazでもう1人はその息子のAslamだという。また別の2人はKhan、別名Khanakayの息子と甥といわれる。

シャーワル谷の情報源によると、軍は36件の家を家宅捜索し、武装勢力や近代兵器を探していたという。逮捕された6人は重火器を所持したことで逮捕されたらしい。ある家からは、寝袋が発見された。しかし部族民によると、北ワジリスタンで重火器を所持することは珍しくはなく、政府もそれを知っているはずだと主張した。また当局はジルガで、部族民たちは重火器を所持してもよいという合意に達していたと指摘した。

ミランシャーとペシャワル当局は、6人は数日後には釈放されるだろうと述べている。軍報道官のShaukat Sultan准将は、作戦で10人が逮捕されたと述べた。

兵士やヘリコプター戦闘機が用いられたことで、外国人抵抗勢力かアブドゥッラー ・マフスードが標的ではないかと噂された。部族の情報源によると、軍はシャーワル谷のManhahを包囲したとき、抵抗されなかったという。作戦は夜開始され、日曜日の夕方まで続いた。

smellSix arrested in North Waziristan military operation
MIRANSHAH


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.