【2005年5月2日〜5月8日】
■この男はビンラディンの逮捕につながるか?[050516 Time]
●墓のそばに、ブルカをかぶった人物がうずくまっていた。しかし普通の女ではない。ブルカに隠れていたのは、パキスタン諜報部の男だった。アメリカとパキスタンの諜報情報から、先週から殺人者をまちぶせていたのだ。密告で明かになったアルカイダ容疑者は、ブルカをかぶった女性に扮しているという情報だった。もし普通の格好をした男が女性を捕まえるのを目撃されたら、大変なことになる。だから女性に変装したのだった。容疑者が逃走しはじめると、ブルカを投げ捨てて、追跡をはじめた。容疑者を1マイル先の家まで追いつめ、催涙弾を発射して、無抵抗のまま逮捕した。
●驚いたのは、ブルカの捕物帳だけではない。逮捕されたのはアルカイダのNo.3といわれるアブ・ファラージ・アル・リビだった。(中略)しかしさらに驚いたことに、先週逮捕されたブルカをかぶった容疑者は、アリ・リビではないと情報源もいる。リビはすでに数週間前に逮捕されていたが、逮捕は極秘にされ、リビの関係者を追跡しようとしたのである。しかしアメリカの対テロ高官は、公的な発表を支持している。「今週彼が逮捕されたと信じている」と、高官が『TIME』に述べた。
●逮捕されたリビが大きな獲物だったとは誰も信じていない。アメリカやパキスタンは、リビがビンラディンやザワヒリとコンタクトをとっていたと信じているようで、ムシャラフ暗殺の首謀者だったという。アメリカの対テロ高官は、CIAはリビは2004年のアメリカ大統領選挙の際にテロ攻撃を計画し、「人々を訓練して工作員をアメリカに送り込もうとしていた」と疑っていると述べた。「彼は作戦の中心人物だった。アフガニスタンやパキスタンだけでなく、欧米でも行動しようとしていた」。
●リビは1990年代にビンラディンがスーダンにいたときに、初めて彼に会い、腹心となる。その後2004年にパキスタン軍が部族地帯で作戦を行なうと、30人に満たないアルカイダたちはワジリスタンを去り、パキスタンの国境の町に向かったと諜報部の情報源は語る。アルカイダたちはマドラッサやモスクに隠れた。リビは電話を通して足がつき、さらに2月27日にマルダン近くで逮捕されたパキスタン人過激派一団から得た情報で、逮捕されたという。逮捕前は、モスクに隠れていた可能性がある。
●(中略)水曜日にリビの逮捕が公になる前に、2人のパキスタン人ジャーナリストのもとに、アルカイダだと名乗る男から電話があった。電話をかけてきた者は、リビが逮捕されたことを放送するように頼み込み、仲間たちにリビに連絡を取らないよう注意をよびかけ、アメリカやパキスタン当局に追跡されないことを願った。リビの逮捕をどうして知ったのか問うと、「いつも彼は我々といたからだ」と答えた。アメリカは、リビが大勢と行動していたと、期待している。(050508掲載)
Can This Man Help Capture bin Laden?
TIM MCGIRK、ISLAMABAD
■ラワルピンディ警察、テロ行為を阻止[050508 Daily Times]
●ラワルピンディ警察は土曜日に、起爆装置と手榴弾を持ち、テロ行為を実施しようとしていた男を逮捕した。
●ピンディの警察精鋭が密告による情報提供を受けて、Fouji Colonyの空家でMuhammad Imtiazを逮捕し、手榴弾を作るための爆発物を発見した。取り調べで、Imtiazは町で爆弾を爆発させるように指示されていたと述べた。
Rawalpindi police foil terrorist act
ISLAMABAD
■ペシャワル、警戒体勢[050508 Dawn]
●土曜日にワナで、廃棄処理しようとしたロケット弾が爆発し、部族民4人が死亡、1人が負傷した。いっぼう金曜日の夜、準軍隊のチェックポストにロケット弾2発が発射され、ペシャワルは警戒体勢に入った。
●部族民たちがLalayzai村の森に不発弾があるのを発見して、取り除こうとしたことろ爆発したと、行政官が『AFP』に語った。
●ミランシャーからの情報によると、国境付近のGirgatにあるチェックポストに、ミサイルが2発発射された。負傷者はいない模様。
●ペシャワルの情報源によるとペシャワルは警戒体勢に入り、外国団体や町の重要施設に監視設備を設置したと警察高官が発表した。リビの逮捕のあと、町は治安を強化しているという。外国組織や外交官、銀行やその関係者の住居付近に警察官が増員されて、警戒体勢に入った。
●現在町は特に変化はないが、なんらかの妨害行為が予測されているようだ。公園などにも、監視設備が設置された。(後略)
Peshawar put on high alert: Four die in accidental blast
WANA
■北ワジリスタンのチェックポストにロケット弾[050508 News]
●何者かが、北ワジリスタンのパキスタン軍と国境警察のチェックポストにロケット弾を発射した。負傷者はいない模様。
●北ワジリスタンに、新たな軍が多数配置された日に、ロケット弾が発射された。軍が流入したことで、この地域で軍事作戦が行なわれるのではないかという噂が広がった。軍関係の車輌が大量に入ってきたために、バザールの交通が完全に遮断されてしまった。
●目撃者によると、兵士たちはバヌーの方角から入り、ミランシャーに向かったという。バヌーからミランシャーに通じる道路には、軍を守るために部族民警察や部族民傭兵が配置された。
●土曜日の深夜、何者かが国境の町Saidgai近くのGirgitチェックポストにロケット弾2発を発射した。負傷者はいない。
●いっぽうミランシャーで、ペシャワルのGeneral Officer Commanding(GOC)のMuhammad Akram Sahi中将が、親MMA派の国会議員Maulana Nek Zaman、上院議員のMateen ShahとQari Romanに会った。Sahi中将は北ワジリスタンの軍事作戦の司令官である。おそらくこの地域に隠れている外国人・地元過激派追跡に関して、部族民の了解をとろうとしたのだと思われる。約2時間話し合いが続いたが、全員、話の内容について黙秘した。
Rockets fired at military posts in North Waziristan
■アフガニスタンのカフェで爆発、2人死亡[050507 AP]
●アフガニスタンのインターネット・カフェで爆発があり、アフガン人2人が死亡した。自爆テロだったかどうか、現在捜査中だという。
●カブールのShahr-e-Naw地域のインターネット・カフェで爆発があり、2人が死亡、5人が不負傷した。
Blast at Kabul Cafe Kills Two Afghans
KABUL
■ムシャラフ暗殺計画に、パキスタン人タリバン参加[050507 Reuters]
●アフガニスタンの刑務所で服役経験があるパキスタン人タリバンが、ムシャラフ暗殺計画に加わっていたと、諜報部高官が述べた。
●当局はムシャラフ暗殺計画があったことを否定しているが、諜報部高官によると、逮捕された12人の容疑者が暗殺を計画していたことを告白したと主張した。
●(中略)最近逮捕されたリビは、いまだ取り調べ中だが、先週死刑を宣告されていたMushtaq Ahmedが再逮捕されたことで、リビの逮捕につながる情報が得られたといわれる。Ahmedがいつ逮捕されたかは明らかではないが、ここ2週間のあいだに、ムシャラフ暗殺を計画していた10人の容疑者が、ラホール近辺で逮捕されている。
●金曜日にはアルカイダと関係のある4人の容疑者が、ペシャワルで逮捕されたという。リビを始めとした4人の仲間と、さらに8人が北西辺境州で逮捕された。
《逮捕の復讐》
●アルカイダはここ4年間、仲間が次々に逮捕されているために、最近は歩兵として動いてくれるパキスタン人過激派と手を組んでいる。「現在、個人的な復讐に燃えている人間がたくさんいる」と、前ISI長官のハミッド・グルが語った。一時は保護していた過激派組織を、彼の後継者が解体したことが大きな過ちだったという考えだ。
●ラホールで逮捕された容疑者数人には、過激派組織ジャイシェ・ムハンマドのメンバーや、アフガニスタンのドスタム将軍の刑務所に入れられていた者たちもいるという。リビの組織は、アフガニスタンから釈放されたパキスタン人タリバン数人を採用したようだ。これらの人間はムシャラフに裏切られたという気持ちが大きく、復讐心に燃えている。
●「Shiberghan刑務所から2度目に釈放された、一団の元囚人が中にいた」と、ある高官が『ロイター』に語った。「パキスタンに帰国後、数週間拘束されたのちに、当局に釈放されている」という。
●ムシャラフを暗殺しようとした自爆テロ犯の1人も、ドスタムに捕らえられた経験があるカシミール人だったという。ドスタムはタリバン戦士数百人を不当に殺害したと、人権団体に訴えられている。
Pakistani Taliban said among Musharraf plotters
Simon Cameron-Moore、ISLAMABAD
■部族民、反米デモ実施[050507 News]
●部族民数千人が北ワジリスタンのミランシャーで大掛かりな反米デモを実施し、ブッシュの人形が焼かれた。
●目撃者によると、イスラーム神学者協会が計画したデモに、「アメリカくたばれ」と叫びながら大勢の部族民が行進し、政府に「違法軍事作戦」を中止するよう、要求した。(後略)
Tribesmen stage anti-US rally
MIRANSHAH
■パキスタン陸軍内の魔女狩り[050507 Asia Times]
●リビの逮捕とともに、当局は陸軍内部とアルカイダの関係に関して、捜索を開始しようとしている。
●情報源によると、タリバン政権時代にアフガニスタンと関わっていた陸軍高官が、標的になりそうだ。現・前陸軍高官に対して、何らかの動きがあることが予測される。
●リビは取り調べが終了し次第アメリカに引き渡され、ヨルダンかモロッコの刑務所に入れられると見られている。リビはパキスタンと関わる前に、アルカイダの北アフリカ組織と関係していた。北アフリカのアルカイダは、これまで一番打撃を受けていない組織だ。将来アメリカを攻撃する可能性もある。
●リビはタリバン時代、アフガニスタンのアル・ファルーク訓練所の訓練士だった。数百人のパキスタン人を訓練して、カシミールに送り込んだ。彼の訓練士としての技は、爆弾の扱い方だけでなく、都市部でのゲリラ戦法に長けていた。訓練士の間だけでなく、アフガニスタンにいたISI組織内でも評判が高かった。
●リビはウルドゥー語が堪能だったために、パキスタン人とも親しかった。パキスタン女性とも結婚した。
●リビは、北アフリカのアルカイダ組織と彼らをサポートする、イギリスの組織の橋渡しをしていた。初めて任命された現場での作戦は、ムシャラフ暗殺だった。他のジハード組織との関係、陸軍内部との関係が買われて、ビンラディンとザワヒリから任命された。アルカイダは9.11以前から、パキスタンに進出していた。リピがムシャラフを攻撃できたのも、軍人やジハード団組織の人間のおかげだ。
●(中略)ある情報によると、ムシャラフ暗殺の首謀者はリビではなく、彼は2つ目の暗殺未遂事件で、車の1つに爆弾を仕掛けたという説がある。攻撃のあと、2人のアルカイダ工作員の名前が浮上した。Hadi al-Iraqiとファルーキである。しかしISIに保護された過激派や慈善団体の人間が逮捕されると、リビの名前が浮上したのだ。
《重要なこと》
●リビがビンラディンの居場所を教える可能性はほとんどない。しかしアメリカが注目するのは、北アフリカとイギリスの関係だ。しかし、どの程度最近の情報を持っているだろう。リビはすでにパキスタンに長くいる。
Al-Qaeda witch-hunt in Pakistan's army
Syed Saleem Shahzad、KARACHI
■ペンタゴン、対艦ミサイルをパキスタンに売却予定[050506 Reuters]
●ペンタゴンは金曜日に、パキスタンに40の空中発射、20の地上発射Harpoon Block II対艦ミサイルと、それに関する兵器1億8000万ドル相当分を売却する予定だと、上院に申告した。(中略)パキスタン海軍はすでにAGM-84 Block Iの空中・海上・海中発射能力を持っているという。
●「最新化により、パキスタンの国防力はさらに向上するだろう」と、ペンタゴンが上院に陳述した。(後略)
Pentagon moves to sell Pakistan anti-ship missiles Jim Wolf、WASHINGTON
■新たなムシャラフ暗殺計画発覚[050506 AFP]
●パキスタンの諜報部が、アルカイダが画策していた新たなムシャラフ暗殺計画を暴いたと、保安部が『AFP』に語った。
●リビが逮捕される前の4月下旬、パンジャーブ州中央部で何件かの家宅捜査が実施されて7人が逮捕されたと、高官が金曜日に述べた。この一連の逮捕者のなかに、去年脱獄した空軍技師のMushtaq Ahmedがいた。
●「この一味が、ムシャラフに対する新たな攻撃を計画していたことが露見した」と、諜報部高官が述べた。計画は、パキスタン人アルカイダのMohammad Arshadが首謀し、Arshadはリビの部下だという。「一味ラワルピンディかイスラマバードで、新たにムシャラフを攻撃しようとしていた。爆発物を集め、新たな方法でこれを用いようとしていた」という。
●「Mushtaq Ahmedは、この一味の中で重要な役割を担っていた。彼はリビとコンタクトをとっていたことがわかっている」と付け加えた。「彼らの情報から、爆発物など彼らが使用しようとしていたものすべてが回収された」。
●木曜日に高官が、ムシャラフ暗殺未遂事件と関連したとして死刑を宣告されていた26歳のAhmedを再逮捕したと、発表していた。Ahmedは死刑を宣告された直後、チャカラ空軍基地から逃げ出したが、先週バスに乗ってSalamに向かう途中、密告により再逮捕された。髭を剃り、出で立ちを変えていたという。
●保安部高官は、パンジャーブで逮捕された者から得た情報により、リビがマルダンで逮捕された可能性があると語った。
Pakistan smashes new Al-Qaeda plot to kill Musharraf
ISLAMABAD
■アルカイダNo.3登場[050506 Asia Times]
●パキスタンもアメリカも、40歳のリビア人アブ・ファラージ・アル・リビの逮捕で有頂天だ。アルカイダNo.3の逮捕は、組織に大きな打撃を与えると主張している。ムシャラフ暗殺未遂事件の首謀者として、手配中でもあった。しかし『Asia Times』の分析に従えば、リビはほとんど役に立たないだろう。
●リビは、CIAが北西辺境州で動き回った成果だった。情報相ラシッドは、リビは北ワジリスタンで逮捕されたとメディアに嘘をついたが、彼はマルダンの近くの村、Fatamiで逮捕されている。
●「5人の外国人とともに逮捕された。アルカイダの通信手段について、多くの情報を提供している」と、アメリカにいる情報源が『Asia Times』に述べた。リビの仲間内から密告を受けたCIAが、情報をISIに提供したらしい。
●数ヵ月前パキスタンの諜報部幹部から得た情報によると、リビは逃走中で、カラチを含むいくつかの町で追跡されていた。(「パキスタンでアルカイダ幹部、逃走 041104」参照)
●リビはアルカイダのリーダーとされているが、よく調べてみると、これは間違っている。アルカイダが電子機器で通信しなくなってから、しばらく経つ。最近は人間の手から手へと、メッセージを渡す方式に変わった。メッセンジャーはそれぞれ毎日監視され、もし数日間行方不明になれば、ネットワーク全体が配置替えになり、彼が監視されたり諜報部員に捕らえられていないことが確かになるまで、その人間は除外される。
●リビは、数ヵ月間標的になっていた。アルカイダが彼を、自分たちに近づけるはずがない。おそらく彼は、作戦司令官としての役割をはく奪されているはずだ。そしてもしリビがビンラディンの居場所を知っていたとしたら、リビが逮捕されてから時間が経っているために、もうとっくにビンラディンは追跡されているはずだ。
●パキスタンの諜報部は口が堅いが、ワシントンにいる情報源によると、リビは自分がメッセージを託したアルカイダ要員について話しただけだという。もちろん今後の捜査で、この一連のリンクが明らかになる可能性もある。
●パキスタンにおけるアルカイダの活動は、アムジャッド・フセイン・ファルーキが殺害されたあと、打撃を受けた。(「なぜファルーキは死なねばならなかったか 040930」参照)ファルーキ殺害や他の数人の逮捕のあと、アルカイダとその工作員たちは散り散りにならざるを得なくなった。パキスタン内でテロを実施してくれる要員がいなくなって、数ヵ月経つ。どう考えても、リビをはじめとして工作員たちは、隠れ家を探して転々としていたのだ。
●アルカイダは特殊な組織だ。テロを繰り返す「英雄」を奨励しない。今まで無名の者が攻撃をするために選出され、その後初めてこの人間は諜報部のレーダーにひっかかり、指名手配者となるのだ。例えばラムジ・ビナルシブやKhalid Shaikh Mohammad、モハメット・アタなどを見て欲しい。彼らは9.11のために出てきた。その後はせいぜい世話役となるか、過去の人間になるだけだ。
●リビの逮捕とともに、ひとつの組織が終わった。もしかしたら、すでに終わっていたのかもしれない。しかし新たなチームが出現、あるいは再組織されているのだ。アルカイダの構造はまだしっかり残っている。
Meet Mr al-Qaeda 'Number 3'(2003)
Syed Saleem Shahzad
■リビの逮捕劇[050506 News]
●アブ・ファラージ・アル・リビの運は、マルダンで果てた。スィンディ帽とシャルワーズ・カミーズを着用したリビは、変装を見破られた。
●(中略)リビは5月2日に逮捕されたが、水曜日になって公に発表された。この遅れは、他のアルカイダ工作員を逮捕するためだった。彼が提供した情報から、バジョール地域にあるイスラーム過激派組織Tanzim Nifaz Shariat-I-Mohammadi(TNSM)の3軒の家が家宅捜索を受け、アルカイダの飛脚だといわれるウズベク人を含む、7人が逮捕された。
●(中略)リビは、バイクに乗ってFatima村からマルダンに向かうところを追跡されていた。目撃者は2つの別の話をしてくれた。まずは2人乗りをしたバイクのうち、リビが運転してブルカを被った別の男が後ろにいたという。別のヴァージョンは、リビがブルカを被って後ろに座り、地元の人間がバイクを運転していたというものだ。さらに、3台のバイクに乗っていた6人の保安官のうち3人までもが、ブルカを被っていたという説もある。もし真実だとしたら、ブルカを被った容疑者が、ブルカを被った工作員によって追跡されるという、なかなかおもしろい光景だったにちがいない。追跡が始まると、全員ブルカを脱ぎ捨てたらしい。
●(中略)彼の逮捕がどのような経緯で実現したかに対しても、さまざまな説がある。最も信頼できる話は、2月27日にマルダンのBakhshali村のモスクで逮捕されたアフガン人3人とパンジャーブ人2人の取り調べから、彼の居場所が判明したというものだ。
●5人は逮捕される3日前に、モスクのそばで家を借りていたという。リビもBakhshali村かFatima村に住んでいたようだ。(後略》
How al-Libbi was nabbed
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■パキスタンのショー、続く[050505 Outlook India]
●パキスタン人妻を持ち、ウルドゥー語とアラビア語に堪能だったアブ・ファラージ・アル・リビは、どの程度重要人物だったのか?
●イスラマバード当局は、リビがどうやって、どこで逮捕されたか、明らかにしていないが、マルダン近くだといわれる。(中略)
●彼はたいして重要な男ではなかった。FBIの手配リストにも、9.11調査委員会のリストにも、入っていない。パール記者殺害事件とも関係がないし、フランス人やアメリカ人を対象としたテロにも登場しない。
●彼の名前が最初に登場したのは、2003年に発生した2件のムシャラフ暗殺未遂事件の際だ。その後はアジズ現首相、当時の財務相暗殺未遂事件にのみ、関わっている。当時パキスタン当局は、彼を単なるアルカイダ工作員と述べていた。しかし2004年9月ごろになると、Khalid Shaikh Mohammadに次ぐナンバー3だと騒ぎ立て始める。
●同様に、当初彼はパキスタン内のアルカイダコーディネーターということだった。しかし10月頃になると、ヨーロッパやアメリカの作戦のコーディネーターでもあると主張し始める。(中略)彼はいつのまにかアルカイダのナンバー3に昇進させられた。南ワジリスタンでは、大掛かりな捜査も開始する。
●ある信頼のおける情報源によると、パキスタンとアメリカの諜報部は去年の9月以来、リビが南ワジリスタンの隠れ家から指令を出していることをつかんでおり、軍に彼をあぶりだすように、圧力をかけていたという。ユルダシェフと一緒に行動していたと述べる者もいる。
●これまでアルカイダリーダーの逮捕や殺害は、ラホール、ファイサラバード、カラチ、ラワルピンディなどの都市部で実施されたが、リビは部族地帯で逮捕されたことも注目に値する。つまり彼は、部族地帯にいるほうが安全と思ったのだろう。
●パキスタン当局はムシャラフ暗殺未遂事件の詳細を、公にしていない。陸軍下士官4人と空軍関係者6人が関わったとされている。Islamuddinという名の1人の陸軍下士官が、捜査が終了するのを待たずに死刑を宣告された。彼はすでに処刑されたという憶測も出ているが、当局は否定している。別の陸軍下士官Havaldar Younisは、10年の刑を言い渡された。空軍下士官の1人は、11月に脱獄している。
●2004年12月にラホール警察が、4人のチンピラを逮捕した。取り締まりの責任者は、彼らをリビの部下とみなし、リビ、ザワヒリ、ビンラディン逮捕に一歩近づいたとした。警察によると、チンピラの1人が、リビに車で国連の建物の近くに連れて行かれ、手榴弾を投げるように指示されたと告白したという。
●リビ自身が手榴弾を投げれば簡単なのに、なぜ目撃者となる者を車に乗せて、手榴弾を投げさせなければならないのだろうか? 別の警察官は、チンピラはアルカイダのメンバーだったと述べている。『News』紙は1月8日に、「9.11以後、パキスタンの諜報部工作員たちは、国家の本当の敵を識別することが難しくなった」と書いている。
●これまでムシャラフを暗殺しようとしたさまざまな組織の名前が浮上している。(中略)8月にはドバイでHarkat-ul-jihad-al-Islami(HUJI)の会長Qari Saifullah Akhtarが逮捕されたが、取り調べの詳細はわかっていない。
●ブッシュはムシャラフ以上に、今回の逮捕を喜んでいるように見える。一時的に、イラクから関心をそらせたいのだろう。(中略)
●インド諜報部員として30年働いて、1つのことを学んだ。大げさにしないこと。いつかしっぺ返しがくる。リビの逮捕は、2002年以来続いているパキスタンのショーにほかならないのか? それとも大きな前進になりうるのか? まだ結果はわからない。
The Pakistan striptease(continued) B Raman
■パキスタンがアルカイダNo.3を尋問、ムシャラフ暗殺首謀者を再逮捕[050505 AFP]
●(前略)諜報部高官が、リビによって計画されたムシャラフ暗殺未遂事件の首謀者で、去年死刑を宣告されたあと刑務所から脱走した空軍高官が再逮捕されたと語った。
●またこれとは別に、月曜日にアメリカが500万ドルの懸賞金を懸けていたリビとともに逮捕された2人目の男は、同じく400万ドルの懸賞金が懸けられていたという。しかしこの男の身元は明らかにされていない。
●「アル・リビとともに逮捕された男は、アルカイダの重要な工作員だったが、名前は明かせない。400万ドルの賞金が懸けられていた」と、政府幹部が『AFP』に語った。 (中略)
●ムシャラフ大統領を暗殺しようとして橋の下に爆弾を仕掛けた空軍下士官のMushtaq Ahmedは、11月に死刑を宣告されていた。その後刑務所から脱走したが、先週イスラマバードに向かうバスの車中で再逮捕された。髭を剃り、出で立ちを変えていたが、密告により逮捕されたという。リビの逮捕と関係があるかどうかは、わかっていない。(中略)
●『AFP』が入手したCIAの機密書類のコピーによると、アル・リビはビンラディンとザワヒリに次いでナンパー3に位置づけられていた。500万ドルの懸賞金が懸けられ、「アルカイダの司令官でビンラディンの個人的部下」と説明されている。(後略)
Pakistan interrogates Al-Qaeda No. 3, recaptures escaped Musharraf
plotterI
SLAMABAD
■アルカイダのNo.3、危険な仕事[050505 AP]
●(前略)アルカイダのNo.3といわれるアル・リビが逮捕された。彼からビンラディンの情報が得られることが期待されている。(中略)しかしテロリズム・アナリストたちは、アメリカやパキスタンが期待する答えを得られることを、疑問視している。
●「この男が情報を提供したとしても、ビンラディンはすでに安全な場所に移動しているにちがいない」と、Center for the Study of Terrorism and Political Violenceの会長Paul Wilkinsonは語る。
●さらに、アル・リビが本当にアルカイダのNo.3なのか、という疑問も浮上する。「もちろん、リーダーシップに近い位置にいたにちがいない。しかしNo.3というのは疑問だ」とWilkinsonは述べた。「ザワヒリのあとに番号がつけられる階級があるとは思えない」という。
●これまで何度も、ビンラディン逮捕が間近になったと騒がれたが、噂はビンラディンとともに、いつも消えてしまう。(中略)
●最初にNo.3と名付けられたのが、ムハンマド・アテーフだった。彼は2001年11月にカブールの空爆で死亡。次にアブ・ズバダヤがNo.3になる。彼は2002年にファイサラバードで逮捕。このサウジ生まれのパレスチナ人は腹部と腰と足に銃弾を受け、その後アメリカの拘束下にある。ズバダヤを引き継いだのがKhalid Shaikh Mohammadだ。2003年3月にラワルピンディで逮捕され、アメリカの拘束下にある。別のビンラディンの腹心ラムジ・ビナルシブは、2002年9月11日にカラチで逮捕された。
●(中略)パキスタンの諜報部高官は、アメリカが傍受した携帯電話をもとに、リビを追跡した。リビの居場所を特定して、ブルカをかぶった工作員たちが待ちかまえたという。目撃者によると、リビと別の男がバイクで墓地を横切ろうとしたところを工作員建ちが襲いかかったという。もう1人の男はその場で逮捕され、リビは近くの家に逃走。
●「私はジハード志願者だ。警察に追われている」とリビが叫んだという。その後奇襲隊に催涙弾を撃ち込まれ、逮捕された。リビア人は携帯電話を握りしめ、涙を流していた。
●ビンラディンは同じ間違いは犯さないだろう。通信していたとしても、飛脚がロバに乗ってメッセージが伝えられる。通信が傍受される危険性は、十分承知しているはずだ。
Being 'No. 3' in al-Qaida a Risky Job
PAUL HAVEN、ISLAMABAD
■司令官は「まだ武器庫を所有」[050505 BBC]
●(前略)軍閥のJalal Bajgahが所有する武器庫の爆発で、28人が死亡した。彼は政府の非武装化計画に従って、武器を全部引き渡したと述べていた。死亡したのは、すべてBajgahの親戚だった。(中略)
●Bajgahは、政府の非武装化計画から武器を隠していたことを否定している。
《Bajgahの悲劇》
●Bajgahは『BBC』に、アフガン当局に自分の武器を移動するために協力を依頼していたと述べた。今回の爆発で、村の半分が破壊されてしまった。
●武器庫は、Bajgahの兄弟の家の地下にあった。最初Bajgahは、爆発物は道路建設のために、備蓄されていたと述べていた。しかし今になって、ソ連侵攻時代にまでさかのぼる、膨大な量の爆発物があると告白している。
●しかしこの地域を管轄しているオランダのNATO軍は、Bajgahが彼らに自分が所有している武器について既に申告していたことを確認した。つい先週、彼とこの武器を安全な場所に移動することを話し合っていたのだという。また他にも手放したい爆発物が、いくつかの倉庫にあることも語っていた。
●Bajgahの仲間が、数百の戦車砲や砲弾を備蓄した、崩れ落ちそうなレンガの建物に案内してくれた。砲弾のほとんどはサビついている。
●オランダの高官は、これらの危険な武器庫を処理するのは、アフガン当局の仕事だという。しかしこれほど多くのものを、少ない資金で処理することは不可能だ。時間もかかる。今後もこのような事件が起こる可能性がある。
Commander 'has more arms dumps' Andrew North、Bajgah
■アフガンの戦闘で50人死亡[050505 BBC]
●アフガニスタンではこの3日間で、50人が死亡したと当局が発表した。
●水曜日にカンダハルで抵抗勢力がアフガン兵を襲撃して、9人の兵士が死亡したと、国防省報道官が述べた。
●ザーブルで米軍とアフガン軍と戦っている抵抗勢力の死亡者数は、40人になったと米軍が発表した。米兵6人とアフガン人警察官5人も負傷した。
●同盟軍が地元の男性の殴打事件を捜査中、銃を持った男たちに銃撃されたのが引き金となって、戦闘が開始されたという。
●アメリカによって訓練されたアフガン軍は、カンダハルのSpin Ghar付近で発生した戦闘で、軍設立後の最悪の被害を受けたという。米軍によると、激しい戦闘だったという。国防省は、死亡した9人のほか、3人が負傷したと発表した。
●また情報源によると、ザーブルのデー・チョパン地域の戦闘も、2001年のタリバン崩壊以来、最も激しい戦闘だったという。死亡者には「タリバンと反合同軍が混じっていた」と、米軍報道官が『AP』に述べた。「よく訓練され、十分な武器を持っていた。単なるならず者ではなかった」という。「また逃走せず、持ち場を離れず、戦った」。
●アメリカは当初死亡者数を20人としていたが、その後40人にのぼったことがわかったという。アメリカの地上軍は、戦闘機や戦闘ヘリコプターによって援護されたという。
●内相のAli Ahmed Jalaliは、武装した男たちが地元の医者3人を襲い、警察が彼らを助け出そうとして戦闘が開始したという。3人は「無事に助け出された」らしい。
Afghan fighting 'leaves 50 dead'
■ブルカのワナをテロ容疑者に仕掛ける[050505 BBC]
●ブルカを着用したパキスタン人工作員がアブ・ファルージ・アル・リビのバイクにたちはだかり、彼の逮捕に至ったと、警察が「BBC」に語った。
●2人乗りをしていたアルカイダ幹部はバイクの後ろに座っていたが、バイクを止められると家の中に逃げ込み、催涙弾で追い出された。
●マルダンで逮捕されたあと、極秘の場所で取り調べを受けている。完全な取り調べが終わるまで、アメリカに引き渡される可能性はないと、パキスタン人高官が述べた。
●マルダンの警察副長官Amanullah Khanは『BBC』に、月曜日の逮捕はISIの手柄だったと述べた。「すべてISIの大舞台だった。我々は銃撃音が聞こえてから現場に着いた」。新聞の写真を見て、リビがわかったという。
●ブルカを着用した女性に扮した工作員がバイクを制止して、運転手を驚かせた。その後リビが走り出すと、数発発砲したという。
●その後容疑者は、逃げ込んだ家から武器を捨てて出てきた。「手をあげて、軽く礼をした」と警察官が述べた。
●所持品は携帯電話だけだったようだ。ISIは彼を車に押し込んで、警察が彼と話す時間も与えず、どこかに連れて去ったと付け加えた。
●(中略)情報相のラシッドは、取り調べからすでに多く情報を収集したと述べ、アルカイダのリーダーの逮捕にいたる「正しい軌道」に乗っていると語った。
Burqa trap set for terror suspect
■アメリカ、アルカイダの取り調べの報告を受ける[050505 AP]
●パキスタンは、アル・リビの取り調べ結果をアメリカに報告したという。リビは逮捕後、数時間黙秘していたと、木曜日に諜報部高官が述べた。(中略)
●リビの取り調べ状況に詳しい諜報部高官によると、リビはパキスタン対テロ専門家と保安関係者によって尋問されているという。取り調べにアメリカ人高官は立ち会っていないが、結果はアメリカに伝えたという。(中略)
●リビの逮捕から2日後に、北西部の部族地帯のバジョールで、ウズベク人3人とアフガン人1人、パキスタン7人が逮捕された。また火曜日にはラホールで、女性2人を含むパキスタン人6人が逮捕され、武器が押収された。これらの逮捕がリビと関係があるのかはわからない。(後略)
U.S. Briefed on al-Qaida Interrogation
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD
■タリバン、アメリカの贈り物で得する[050505 Asia Times]
●タリバンに対する補給線が遮断され、資金も干上がり、さらに穏健派タリバンの投降によって満足していたアメリカは、最近のタリバンの抵抗にショックを受けている。
●タリバンは、アメリカが遮断したと信じていたにもかかわらず、新たな資金源を得たのである。人材も、補給物資も豊になった。
●今北ワジリスタンからザーブルにかけての国境地帯で、最大の作戦が計画中である。アフガニスタンのザーブルは、軍閥に対抗したタリバンが最初に出現した場所だ。
●ある情報によると、北ワジリスタンの作戦はすでに始まったという。しかしこれは南ワジリスタンで実施された作戦とは別のものである。この作戦はアメリカ諜報部のアドバイスをもとに計画され、ミランシャー、ミール・アリ、ダータ・ケールの3地域をピンポイントしようとするものだ。
●北ワジリスタンのジャラルッディン・ハッカーニの家が襲撃され、彼の息子のシラージュッディン・ハッカーニが逮捕されたという未確認情報も入っている。シラージュッディンは最近のタリバンのゲリラ戦略を実施している重要人物で、若者たちを集めて、敵を攻撃するための特別訓練を受けさせていた。
●今回の作戦はタリバンのほかに、別の重要な目的がある。アメリカの工作員がパキスタン人の仲間に明らかにしたことによると、部族民たちから収集した情報から、数週間前に北ワジリスタン州近くのアフガニスタンパクティア州Birmalやザーブルで、ザワヒリが目撃されたというのだ。さらにアフガンの部族民の情報源によると、オマール師とダドゥッラー師もザーブルで目撃されたらしい。抵抗運動を活性化するために、ザーブルで会合がもたれたようだ。
《タリバン、再生》
●2003年まで、アメリカはパキスタンのアルカイダ捜索を評価していたが、タリバンに対する態度には、不満を持っていた。しかしアメリカがパキスタンの勧めにしたがって、タリバンをカルザイ政権に受け入れることに同意すると、アメリカはパキスタンがタリバンを支持しなくなったと満足し、今後抵抗運動は消滅するだろうとみていた。
●アメリカは、影響力がある前親タリバン司令官たちをに近づいた。その最大の成果は、Mullah Abdus Salam Rocketiである。Rocketiはタリバン政権時代、タリバンを支持していた。Rocketiはザーブルとカンダハルにいる部族の長老たちに莫大な金額をばらまき、去年の大統領選挙の間、タリバンの活動を阻止しようと動いた。
●同じような取り引きが、親タリバン司令官Saifullah Mansoorとも行なわれた。Saifullah Mansoorはソ連と戦った伝説的な司令官、Nasrullah Mansoorの息子である。Saifullahはシャヒーコットで米軍と激しい戦闘を起こし、この戦いで米兵18人が死亡している。Saifullahは莫大な賄賂をもらい、そのかわりにザルマットとガルデズで選挙妨害をしないという取り引きをした。
●同様に、コーストやパクティアでも地元軍閥たちに賄賂が分配され、そのためにカルザイは勝利できたのだ。同時にアフガン軍閥の支持を得るために、アメリカとカルザイ政権はアフガニスタンのケシ畑を、見て見ぬふりをした。
●しかし重要なことを見失っていた。アフガン社会の部族の絆だ。RocketiやMansoorに金を与えれば、それがタリバンに流れるたことは確実だ。同様に、軍閥にケシ栽培を許すことも、その利益の一部がタリバンに流れる。
●タリバンが再生している。数も多く、資金も豊富で、組織化された。
Taliban profit from US largesse
Syed Saleem Shahzad、KARACHI
■アル・リビはビンラディンとザワヒリと関係していた[050505 Daily Times]
●アル・リビはビンラディンやザワヒリと接触していたと、諜報部の情報源が『Daily Times』に述べた。「Khalid Shaikh Mohammadの逮捕のあと、カラチに本部を作り、ビンラディンの作戦の責任者として活動していた」という。
●アル・リビは1965年にリビアで生まれ、アルカイダ工作員としてはTaufiqという名前を使用していた。リビは1980年代に、アフガニスタンにジハードをするためにやってきた。アルカイダとしての訓練を受けている最中にビンラディンやKhalid Shaikh Mohammadに会い、アラブ志願兵を集めるよう要請されたという。
●ソ連がアフガニスタンを撤退したあと、パキスタン人女性と結婚して部族地帯に落ち着いた。情報源によると、ビンラディンは彼を北アフリカの作戦の責任者にしていたという。「リビとビンラディンは一緒にスーダンにいた」らしい。
●ビンラディンとザワヒリがタリバン崩壊後隠れてしまうと、Khalid Shaikh Mohammadがアルカイダの責任者となり、リビが彼の下で働く。Khalid Shaikh Mohammadの逮捕後は、彼が責任者を引き継いだ。「後に根拠地をカラチに移し、パキスタン軍がワジリスタンで作戦を開始すると、仲間たちが無事に逃げられるように手配した」という。外国渡航書類を偽装する専門家で、アルカイダ数十人をパキスタンから脱出させていた。
●諜報部によると、彼はアメリカやイギリスをはじめとする外国にいるアルカイダと連絡をとっていた。衛星電話で他のメンバーとコンタクトをとっていたために、諜報部は数ヵ月間、彼を追跡していたという。「諜報部は数回彼の電話を傍受し、カラチ、ペシャワル、クエッタなどで家宅捜索が行なわれた。しかしいつも逃走に成功していた」という。
'Al Libbi was in touch with Osama and Zawahri'
Mubasher Bukhari、LAHORE
■パキスタン、アルカイダナンバー3、他15人逮捕[050505 News]
●政府は水曜日に、アブ・ファラージ・アル・リビを逮捕したと発表した。
●(中略)
●アル・リビはマルダンのShadand Babaで、保安部隊によって逮捕された。このアルカイダリーダーはブルカをかぶり、仲間とともにバイクを運転していた。保安部員が彼に気づき、バイクに乗った男たちは逃走しようとしてある家に逃げ込んだ。屋根の上に登り、他の家に飛び移ったが、3階建ての家に阻まれたという。
●保安部と銃撃線になり、その後このアルカイダ容疑者とその部下3人を逮捕するために催涙ガスが用いられた。4人はヘリコプターでイスラマバードまで運ばれた。
●アル・リビは南ワジリスタンなど、北西辺境州に住んでいたと思われている。
●これと関連して兵士と諜報部員が、バジョール部族地域にある2つの村で、3軒の家とマドラッサから7人の容疑者を逮捕した。7人のうち1人はウズベク人、3人はアフガン人で、残りは地元の部族民だったという。
●しかしマーモンド地域のChopatra村にある家宅捜索を受けたMaulana Faqir Mohammadが『News』に語ったことによると、逮捕された者のなかには外国人はいなかったと述べた。「Maulana Gul MohammadとHafiz Bahadur Khanの兄弟、Bashirullah、そしてマルダンから来た客のHuzaifaが逮捕された。全員パキスタン人だったと主張。Huzaifaが誰なのかは語らなかった。
●当局によると、家宅捜索はウズベク人を逮捕するためのものだったという。彼が目的の家に隠れているという情報を得て、作戦が実行されたという。逮捕を免れたMaulana Faqir Mohammadは家にはいなかったと、近くに住む従兄弟が述べた。この従兄弟が住むSewayでも家宅捜索があり、Maulana Jan Mohammad、Maulana Bashir Mohammad、Maulana Nazeer Mohammadの3兄弟が逮捕された。全員アフガニスタンでタリバンと戦った故Abu Talha、別名Aziz Mohammad Gharwalの兄弟だったという。Gharwalは一時期、アフガニスタン北部でタリバン報道官としての任を果たしていたこともあるという。
●家宅捜査されたのは、Maulana Sufi Mohammadが率いる、活動を禁止されている組織Tanzim Nifaz Shariat-i-Mohammadi(TNSM)の活動家たちの家だった。この組織は1990年代にマラカンド地方で、シャリーアを採用するよう、精力的に活動していた。
●バジョールからの別の報告によると、逮捕された者のなかにはウズベク人やチェチェン人がいたという。軍は7〜8台の車に乗って早朝に到着し、2つの村で家宅捜索をした。しかしMaulana Faqir Mohammadは、40台以上の車がやってきたと述べた。「兄弟たちは抵抗したかったようだが、Damadola村の長老Malik Haji GulzadaとKamar Mamond村長老のMalik Abdul Aziz Khanに、降伏するよう説得された。危害は加えず、正義により裁くことを約束したという。
●『AP』がパキスタンの諜訪官からの情報として、ウズベク人3人とアフガン人とパキスタン人7人が水曜日にバジョールで逮捕されたと報道した。
●ラホールにいる情報源によると、諜報部とエリート部隊が火曜日の朝早くアルカイダ容疑者8人を逮捕したという。
●4人の容疑者のうちの1人は、3日前にマルダンで逮捕されたアル・リビだったと述べた。3軒の建物から8人の容疑者を逮捕して、どこかに連れ去ったという。
Pakistan captures al-Qaeda No 3; 15 more arrested
Muhammad Anis, Rahimullah Yusufzai & Behroz Khan、ISLAMABAD
■アフガニスタンで戦闘員20人殺害[050504 AP]
●米軍とアフガン警察がアフガニスタン南部の山岳部で抵抗勢力と衝突し、抵抗勢力20人を殺害、6人を逮捕したと米軍高官が水曜日に述べた。兵士6人と警察官5人も、数時間続いた火曜日の戦闘で負傷したという。
●戦闘は、ザーブル州のデーチョパン地方で発生した。米軍戦闘ヘリコプターや戦闘機も、約25人ほどいた戦士たちに対する攻撃に参加した。(中略)
●米軍によると、米軍とアフガン警察が、アフガン人が殴打されたという事件を捜査している最中に、銃を持った男たちに襲撃され、銃撃戦に発展したという。警察と兵士たちは軽火器を持ったゲリラたちを、戦闘機やヘリコプターの援助を受けて追いつめた。「最初の報告によると、抵抗勢力20人が死亡して1人が負傷」、6人が逮捕されたという。
●しかし、アフガン高官は別の経緯を話した。タリバンがアフガン警察が配属されていたチェックポストを攻撃したために、応援部隊が到着したという。
●米軍は抵抗勢力の身元については何も語らなかったが、村人が「タリバンメンバーだ」と報告した地元リーダーが逮捕されたと、声明を発表した。
20 Militants Killed in Afghan Fighting
STEPHEN GRAHAM、KABUL
■アルカイダ容疑者、パキスタンで逮捕[050504 Washington Post]
●ムシャラフ大統領を暗殺しようとしたアルカイダ幹部が先週、パキスタンの北西辺境州で逮捕されたと、パキスタン人高官が水曜日に明かした。
●リビア人アブ・ファラージュ・リビはビンラディンとザワヒリに次いで3番目の幹部といわれているが、マルダンで別の3人とともに土曜日に逮捕された。
●ある諜報部高官によると、アメリカの諜報部が通信傍受によって得た情報や、アフガニスタンの米軍が収集した情報により、パキスタン当局はリビを逮捕することができたという。「他のアルカイダ幹部の逮捕と同様に、アメリカの情報により逮捕できた」と述べた。
●(中略)パキスタンで逮捕された他のアルカイダ要員と同様、Khalid Shaikh Mohammadやガイラニはアメリカに引き渡されている。しかしパキスタン高官は、リビはムシャラフ暗殺を企てていたために、アメリカに引き渡す計画はないと述べた。
●リビは去年殺害されたラシュカレ・トイバのアムジャッド・ファルーキの協力を得て、パキスタンの空軍技術者や陸軍や警察を仲間に引き入れ、大統領を暗殺しようとしたとされる。ファルーキはダニエル・パールの誘拐殺人とも関係しているといわれている。
●(中略)パキスタン高官はリビとともに逮捕された3人の男については、何も語っていない。
●今回の逮捕は、月曜日にアメリカ中央指令のアビザイド将軍とイギリスの陸軍長官マイク・ジャクソン将軍がイスラマバードを訪れた直前に実施された。ムシャラフがそれぞれと会見を持つ直前、この逮捕について知らされていた。
Al Qaeda Suspect Captured in Pakistan
Kamran Khan and John Lancaster、KARACHI
■パキスタン、アルカイダナンバー3逮捕[050504 AFP]
●パキスタンは、ムシャラフ大統領暗殺未遂の首謀者であるアルカイダナンパー3を逮捕した。
●リビア国籍のアル・リビが月曜日に、銃撃戦の末にパキスタンの北西部で逮捕されたと政府と保安部高官が述べた。(中略)
●警察の情報源によると、リビと別の男がマルダンのモスクの近くでバイクに乗っているという情報が入ってきたという。「男は発砲したが、我々は彼らを追い、逮捕した」とマルダンの警察高官が『AFP』に語った。高官によると、去年保安部高官がペシャワルでリビを包囲したが、銃撃戦の結果、逃げられてしまったという。
●去年パキスタン高官が『Daily Telegraph』に、別の逮捕された戦闘員から押収したEメールから、リビが11月のアメリカ大統領選と合わせて、アメリカでテロ行為を計画していることが明らかになったと語っている。また今後の計画について、イギリスの待機要員(スリーパーセル)とも接触していたという。(後略)
Pakistan seizes alleged Al-Qaeda number three
ISLAMABAD
■アルカイダナンバー3、パキスタンで逮捕[050504 AP]
●パキスタンの奇襲隊が、アルカイダのナンパー3工作員の隠れ家の近くで銃撃戦を繰り広げ、この幹部工作員を逮捕した。(中略)
●アル・リビはリビア生まれで、少なくとも5つの偽名を持つ。(中略)パキスタン人情報部員は、この他に11人のテロ容疑者、ウズベク人3人とアフガン人とパキスタン人7人を水曜日に、バジョール部族地域で逮捕したと述べた。これがリビの逮捕と関係があるかどうか、どのような経緯で逮捕されたかは、明らかにされていない。
●アル・リビはマルダン郊外で、別の外国人とともに銃撃戦の結果、逮捕された。マルダンの村人が『AP』に語ったところによると、パキスタンの保安部高官がバイクで墓地を突き抜けようとした2人の男に飛びかかったという。
●1人はすぐに逮捕されたが、ブルカをかぶった別の1人はなんとか追手をふりきり、マルダン住民であるZakir Khanの家に逃げこんだ。
●パキスタンの諜報部員たちが「屋根から入ってきた。『あなたの家に隠れている男を追っている』といわれた」とZakir Khanは述べた。「家の中に入ることを許すと、客人のための別棟に男が隠れているのがみつかった。彼は太った男で、長い髭を生やし、色が白かった。彼を逮捕した」。
●この男がかリビなのかもう1人の男なのかは、わかっていない。
●(中略)アメリカの高官は、リビは伝統的なスパイ活動である人間による諜報情報の結果の逮捕だったと述べたが、逮捕につながった情報がパキスタンの諜報部のものだったのか、アメリカのものだったのかについては語らなかった。
●アル・リビは、彼がリーダーになることに関してウズベク人や他の過激派とうまくいってなかったといわれ、アルカイダのなかに亀裂があった可能性があると、あるパキスタン人高官が述べた。
●(中略)アメリカの対テロ高官は、ビンラディンとアル・リビとの間の関係は、スーダンの時代からあったという。(中略)
●パキスタンの内相のシェルパオは、米政府はリビに対して1000万ドルの懸賞金を懸けていたと述べた。しかし国防省高官は、政府の懸賞金計画にはリビ逮捕に対する懸賞金はないとしている。CIAの前対テロセンター責任者のVince Cannistraroは、リビがFBIの手配者リストに入っていなかったことは、他の諜報部が彼を必要としていなかったことを意味するのではないと述べた。「彼がKhalid Shaikh Mohammadを引き継いだことは確かだ。確かに諜報部仲間の間では、彼はナンバー3と考えられていた」。
●アメリカの司法関係者のアドバイザーであるCongressional Research Serviceの Kenneth Katzmannは、リビの逮捕を「いいニュースだ」と述べた。「しかし去年パキスタン人たちが彼を追跡していたときは、彼がいま逮捕されたときと比べると、それほど重要人物とはしていなかった。彼の役割が次第に大きくされてきたように思う」と述べた。 (後略)
al-Qaida's No. 3 Man Arrested in Pakistan
PAUL HAVEN、ISLAMABAD
■パキスタン、アルカイダナンバー3を逮捕[050504 Reuters]
●パキスタン治安部隊はアメリカの情報部の協力を受け、ビンラディンとザワヒリに続くアルカイダ幹部を逮捕したと欧米の情報源が語った。
●パキスタンは、 アル・リビ(Abu Faraj Farj al Liby)は2003年に発生したムシャラフ大統領に対する2つの暗殺未遂事件を首謀したと述べている。FBIの手配者リストには入っていないものの、彼はKhalid Shaikh Mohammadの跡を継いだといわれている。
●「アル・リビの逮捕はテロとのグローバル戦争において、大きな一歩である。彼はアルカイダの作戦を計画する重要幹部で、テロ組織の最高幹部の1人だ」と、ホワイトハウス報道官のScott McClellanが報道陣に述べた。
●ワシントンの対テロ高官によれば、「彼はビンラディンとザワヒリに続く3番目に重要な人物で、組織にとっては大きな痛手となるだろう」と語った。「Khalid Shaikh Mohammadが消えたあと、アル・リビが責任者となり、アルカイダの作戦をパキスタンをはじめとして、世界的に指揮していた」という。
●パキスタン情報省のラッシドは、このリビア人の逮捕をKhalid Shaikh Mohammadとアブ・ズバダヤ以後の最大の成果と称賛した。
●「現在取り調べを受けている。他の関係者を逮捕しようとしていたが、彼が逮捕されたことがメディアにリークされた」と、諜報部高官が『ロイター』に語った。
《報償金》
●パキスタンは2000万ルピーの懸賞金を懸けていた。「アル・リビとともに、別の男も逮捕された」と政府高官が述べ、別の諜報部高官が、テロ首謀者がマルダン郊外で逮捕されたと語った。
●内相のシェルパオは報道陣に、逮捕は数日前に実施されたと語った。「彼の居場所についての情報を得た。包囲され、逮捕された」という。(中略)
●またワシントンはリビに数千万ドルの懸賞金を懸けていたが、アメリカの「最重要手配者」には載っていなかったという。
●公開されたリビの写真は、髭を生やし、皮膚は白点ができる病に冒されていた。ネクタイを絞めてさっぱりしていた以前の写真とは、大きく異なっている。
《パール殺害とのリンク》
●リビは、去年9月に銃撃戦の末に殺害されたアムジャッド・ファルーキと関係があったといわれる。ファルーキは他のスンナ派過激派とともに、ダニエル・パール記者誘拐殺人に関わっていた。(後略)
Pakistan catches al Qaeda Number three
Amir Zia、ISLAMABAD
■米スパイ、ビンラディンの首をドライアイス詰めで持ち帰れと命令さる[050504 Daily Times]
●アメリカのスパイ工作員たちは、ビンラディンの首を切り取ってドライアイスに詰め、他のアルカイダリーダーの頭を槍で突き刺して持ち帰るように命令されたと、ある野戦司令官が明かした。
●9.11以後、前CIA高官Gary Schroenは北部同盟と協力してビンラディンを匿うタリバンと戦うために、アフガニスタンに派遣された。彼は月曜日と火曜日に放送されたNational Public Radio(NPR)のインタビューで、当時のCIA対テロセンターのCofer Blackから、最終的な指示を受けたと語った。
●Cofer Blackは「あなたに対する命令は、北部同盟と協力し、北部同盟にタリバンをやっつけさせることだ」と述べたという。「タリバンを負かしたら、次の仕事はビンラディンを捕まえ、殺害し、彼の頭をドライアイスの中に入れて持ち帰ることだ」。
●Schroenは他のアルカイダリーダーも殺害するよう、命令されたという。CIAが生きたまま連れ帰るのではなく、標的を殺害するために派遣されたのは初めてだったという。
US spy ordered to bring home Osama's head on dry ice
WASHINGTON
■タリバンリーダーと部下、降伏[050504 Daily Times]
●タリバン幹部司令官とその部下数十人がアフガニスタン政府に投降したと、火曜日に軍高官が述べた。
●地元ではHaji Malamと呼ばれているMulla Abdul Khaliqとその部下40人が、月曜日にウルズガン州のMuslim Hamedで、アフガニスタン国軍に投降した。「彼はタリバンの強力な地方司令官だった。彼の投降により、この地域の治安は回復するだろう」と軍司令官が述べた。
●Khaliqは、ウルズガン州の反政府抵抗運動のほとんどを、組織していたという。(後略)
Taliban leader, aides, surrender
KABUL
■タリバン、ムタワキルの呼びかけを拒否[050504 News]
●タリバンは、前タリバン外務大臣のムタワキル氏の、アフガニスタン政府と平和的な話し合いを持つようにという呼びかけに対して、応じるつもりはないと拒絶した。
●ムタワキルは米軍から釈放されたあと、初めてインタビューに応じた。彼が公の場で発言するのもこれが初めてである。数ヵ月間、カブールで政府の保護下にあったが、これまでメディアに登場することは禁じられていた。
●タリバン報道官のLatifullah Hakimiが『News』に、ムタワキルは自分の見解を述べてはいたが、彼にはタリバンやアフガニスタンの抵抗勢力に代わって発言する資格はないと述べた。またムタワキル自身が、自分がタリバンの報道官でも政府の代理人でもないと、明らかにしていることを指摘。「ムタワキルは自由な人間でないようだ。いまだに捕らわれの身だというわけではないが、カブールで暮らしている間は、自由に物が言えないのだろう。アフガニスタンではメディアを含めて、米軍がすべてを統制している」。
●Hakimiは、タリバンはカルザイ政府やアメリカと話し合う意図はないと述べ、「ムタワキルはタリバンとカブール政権の話し合いを望むのではなく、アメリカにアフガニスタンから撤退するようアドバイスするべきだった。外国人部隊がアフガニスタンから撤退しさえすれば、平和になる。アフガニスタンにおける彼らの存在はいまいましく、アフガン人を挑発している」と語った。
●「タリバンは、米政府やカルザイ政府とは話し合わない。なぜならアメリカ人はアフガニスタンを侵略した侵略者で、自分たちの望む政府を樹立したからだ」。「我々はアフガニスタンにいるすべての外国人部隊にジハードを宣言する。この決議を変更することはない」という。
●またタリバン報道官は、ムタワキルのビンラディンやアルカイダに対する見解を、非現実的と非難した。「ムタワキルは、客人を保護してもてなすことはアフガンの伝統だというのだから、ビンラディンやその部下たちを匿うことは間違いではないはずだ。同じ意味で、ムタワキルはアフガン人はその客人を守ることを知っているはずだ。タリバンは、ビンラディンのようなイスラーム教徒の客人を保護した。この主義を貫くために自分たちの力を犠牲にしたとしても、後悔はない」。
●ムタワキルのパシュトゥン語のこのテレビインタビューは、数日前からカブールで繰り返し放映されている。アフガン政府はこのインタビューを奨励しているために、今後数日間は放映されるとみられている。(後略)
Taliban reject Mutawakkil's call for talks with Kabul
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR
■アフガニスタンに新しい司令官配属[050503 AP]
●火曜日にアフガニスタンでは、米軍の新たな司令官が配属された。
●David Barno中将にかわって、Karl Eikenberry中将がカブールに到着。これに先立ちアメリカ中央司令部のアビザイド将軍が、アフガニスタンに到着している。(後略)
U.S. Installs New Commander in Afghanistan
STEPHEN GRAHAM、KABUL
■武装勢力、映画と音楽禁止する[050503 Reuters]
●パキスタン西部の原理主義抵抗勢力が、ホテルや音楽のテープを売る店でテレビをつけたり映画のビデオを売ることを禁じ、これに従わなかった場合、それなりの行動に出ると脅かした。
●「アルカイダとタリバンから」と書名されたビラが夜間にミランシャーの町にばらまかれ、映画やテレビの放映を5日のうちにやめるように警告した。「これは単なる警告ではない。無視してはならない。セクシーな映画の上映をやめなければ、5日後にそれなりの罰を受けることになる」と、手書きのビラに書かれていた。
●目撃者によると、ミランシャーのショッピングプラザの持ち主が店主たちを集め、支持に従うよう、促したという。(後略)
Militants in Pakistan order stop to films, music
MIRANSHAH
■アフガン軍閥の家で爆発、26人死亡[050503 AP]
●反タリバン派軍閥の自宅で大きな爆発があった翌日の火曜日、事件で死亡した者が埋葬され、現場検証がおこなわれた。
●高官によると、不法な弾薬庫により爆発が起こったという。しかし地元司令官は火曜日に、道路建設のために備蓄していた爆発物が突然爆発し、自分が持っていた武器は、政府に最後の引き渡しをしようとしていたところだったと自己弁護をした。
●月曜日の朝にBaghlan州で起きた爆発で、家屋6件とモスクが被害を受けた。(中略)住民のなかには、爆発当日は近くの村にでかけ、火曜日に帰ってきた軍閥のBashgahを罵倒する者もいた。「なぜ爆発物や弾薬を家に置いておく必要があったのか」と、司令官を非難した。
●Bashgahの直接の家族は別の場所に住んでいたが、兄弟2人が爆発があった家に住み、家族のほとんどが死亡した。
●Bashgahによると、爆発物190ポンドと弾薬3箱が地下に貯蔵され、道路建設のために用いられる予定だったという。弾薬も少しあったと語った。彼はすでに国連の非武装化計画に従い、ほとんどの武器を引き渡していたという。(中略)
●Bashgahは疲れ果てた様子ではあったが、彼に対する非難をものともせず、タリバン支持者が彼を殺害するために爆発物を引火させたのではないかと語った。「家族の多くを失った。さらに私に対して何をするというのだろう」。
Blast at Afghan Warlord's Home Kills 26
TOMAS MUNITA、BASHGAH
■元囚人、グアンタナモの試練を語る[050502 BBC]
●ペシャワルに住むAbdul Rahim Muslim Dostの家に、客がひっきりなしに訪問する。祝い事があったからではない。Abdul Rahimがグアンタナモから帰ってきたからだ。
●42歳のAbdul Rahimは、先月キューバから釈放されたアフガン人17人のうちの1人だ。Abdul Rahimの弟のBadar Zaman Badarもグアンタナモにいたが、半年前に釈放された。2人はパキスタンの国籍ももっている。2人によると、何もしていないのに3年間、アメリカの拘束下で苛酷な日々を過ごしたという。
●Abdul Rahimが客の相手をしている間、Badarは図書室で2人の試練について語った。この小さな部屋の本棚には、イスラームの本がびっしりつまっている。しまう場所がなくて、床にも本が積まれていた。
●古い革張りの全集のなかに、米軍刑務所にいる間に書いた手紙がファイルされたバインダーがある。ほとんどのものが注意深く検閲されていた。「我々は全員そのうちに自由になるだろうと書いた部分を、検閲していた」とBadarは述べた。
●Badarによると、2001年11月にISIと警察の家宅捜索を受け、逮捕されたという。2人は2ヵ月間拘束されたあと、バグラム基地に送られた。その後カンダハルに連れていかれ、最終的にキューバに送られた。
●兄弟は2人ともジャーナリストで、パートタイムの宝石商でもあるが、政治的な敵対者の嘘の密告により、逮捕されたと語った。タリバンやアルカイダと接触していたことを否定する。「タリバンと関係はなかったが、我々の記事をとおして彼らを支持していた」とBadarは述べる。
《熱心なライター》
●兄弟によると、アメリカは囚人の髭を剃り、取り調べではたびたび大声で怒鳴り、罵倒したという。「身体的な拷問は受けなかったが、髭を剃ったり衣服を取ることでさえ、ひどい仕打ちだ」とAbdul Rahimは言う。アラブ人の囚人のなかには、警備員がクルアーンを冒涜したことに抗議して、3年間取り調べに応じていないものも多数いるらしい。
●Abdul Rahimはパシュトゥ語のライターでもある。弟は、『Ahsan(正義)』、『Zeray (良い知らせ)』『 Dawat(招待)』という、逮捕される前に彼が編集していた親タリバンの雑誌3冊を見せてくれた。
●Abdul Rahimは、以前アフガニスタンのヘクマチアルが率いるヒズビ・イスラミのメンバーだったことがあるが、その後このグループとの関係を絶ったという。
●拘束されている間、詩を書くことで正気を保った。最初Abdul Rahimの詩は絶望にあふれていた。紙もペンも取りあげられたために、詩行を暗記したり、密かに紙カップに書きとめたりもした。
●詩を朗誦してくれた。「花もなく、空気が悪臭に満ちているのなら、いったい春といえるだろうか」。後に書くものを与えられたが、釈放の際、ほとんどのものを米軍に押収されてしまった。我々の作品を返してくれるべきだ」。しかし手紙に書き記したいくつかの詩は、長男が大切に保管していた。
《大事な石》
●兄弟は14ヵ月間、会うことはなかった。米政府は、すべての囚人を「敵の戦闘員」と宣言して、戦争囚人の権利をほとんどはく奪した。重要ではないとして、あるいはアメリカの脅威にはあり得ないとして、数百人が今、釈放された。現在、40カ国から約520人の囚人が拘束されている。
●Badarは、70〜80人いたパキスタン人は、今は3人だけだという。Abdul Rahimは補償に関心がないようだったが、弟の意見は別だ。「もし補償しなければ、裁判で戦う」という。「私の逮捕で商売は大きな打撃を受け、家族のうち2人もが逮捕され、家族も苦しんだ」。「またパキスタンの警察やISIが奪った宝石の代金数百万ルピーも、要求する」。
Ex-inmates share Guantanamo ordeal
Haroon Rashid
■前タリバン高官、政府との対話を呼びかける[050502 AP]
●タリバンの前外務大臣が、以前の仲間たちに米国に支持されたアフガン政府と対話をすることを呼びかけ、ビンラディンが彼を匿っている国を気づかう様子がないことを非難するインタビューが火曜日、パキスタンのテレビで放映された。
●「タリバンにアフガニスタン政府と対話するよう、お願いしたい。我々国民にとって良いことだ」と、ワキール・アーマッド・ムタワキルがテレビで語った。
●ムタワキルは比較的穏健なタリバンとされ、2003年にカンダハルで米軍に投降した。バグラム基地で米軍に拘束されたが、その後釈放。行方は謎に包まれていた。
●ムタワキルがどこでインタビューを受けていたのか、インタビューがいつ実施されたのかは明らかではない。
●インタビューでムタワキルは2001年末にアメリカが爆撃を開始する前、アフガニスタンから去るよう頼まれたにもかかわらず去らなかったことを非難した。「ビンラディンが去らなかったことに驚いた」とパシュトゥ語で語った。
●またビンラディンには3、4回会い、「非常に宗教的に人間だと思ったが、学者ではなかった」と語った。
Ex-Taliban Official Urges Talks With Gov't
MUNIR AHMAD
■武器庫爆発で28人死亡[050502 BBC]
●アフガニスタン北部の違法な武器庫で爆発があり、28人が死亡、負傷者も多数発生したという。
●バルフ州のBajgah村で爆発があった。内務省報道官によると、軍需品が備蓄されていた場所全体が破壊されたという。軍需品は、政府の非武装化計画で武器を放棄したと宣言していた、前武装司令官のものだった。報道官のLutfallah Mashalによると、負傷者は全員病院に運ばれたという。
●武器は、Jalal Bajgahの所有物だった。本人は爆発で死亡したという報告もある。国家的な非武装化計画で、すべての武器を放棄しているはずだった。「密かに武器を隠していた。これについては知らなかった」とMashalは語った。「武器を自宅近くに置いていたようだ。今朝火事が発生した。家族8人が死亡した」という。
●爆発の直接の原因はいまのところわかっていない。爆発物は大砲、戦車砲、ロケット弾などが含まれていた。
Afghan munitions blast 'kills 28'
■アメリカ、看守に乱暴者を選ぶ[050502 New York Times]
●9.11の7ヵ月前、国務省はウズベキスタンの人権についてのレポートを作成した。恐ろしい内容だった。
●警察は拷問を繰り返し、最も一般的なテクニックは「武器による殴打、ガスマスクで窒息させること」である。これとは別に国際人権団体も、容疑者の体の一部分を煮たり、性器に電気ショックを与えたり、指や足の爪をはがしたりするウズベクの拷問方法について報道した。囚人2人は、茹でられて死亡したという。2001年2月に国務省は、「ウズベキスタンは市民権がほとんどない独裁主義国家」と判を押した。
●しかし9.11直後、ブッシュ政権はウズベキスタンをグローバルテロと戦うパートナーに変えた。以前はソ連の一部だったこの国は、アメリカが国境の向こう側にいるタリバンと戦うために、軍事基地の使用を許した。ブッシュ政権はウズベキスタンのカリモフ大統領をホワイトハウスに招き、ウズベキスタンの国境を守るために5000万ドルを与えた。
●今ここにきて、アメリカがテロ容疑者を取り調べるために、ウズベキスタンに送り込んでいるという証拠が明らかになってきた。
●CIAがテロ容疑者を外国で取り調べる、いわゆる「rendition」プログラムのために、アメリカは人権が守られていない国々と関係を持つようになった。なかでもウズベキスタンとの関係は、急だった。9.11以前は、ワシントンとタシュケントとの間には、ほとんどつながりはなかった。
●ウズベキスタンがアメリカの刑務所となっていることは、すでに現・前諜報部員6人が証言している。CIAはこの件について黙秘しているが、ある諜報部員は、タシュケントに送り込まれたテロ容疑者は数十人にのぼると述べる。
●別の証拠もある。2003年9月21日に、アメリカが登録したGulfstreamジェットとボーイング737がタシュケントの国際空港に着陸したことが、『New York Times』が入手したフライト記録から明らかになっている。
●このフライトの本当の目的はわからないが、前・現諜報部員とのインタビューやフライト記録などから、2001年後半から今年の初めにかけての3年間で、CIAはこの2機を用いて、アメリカの拘束下にあるテロ容疑者たちを取り調べのために世界各国に運んだことがわかる。タシュケントに着陸したその日、Gulfstreamはバグダットから出発し、737はチェコから発っていた。
●これら2機は、2002年初頭から2003年の終わりにかけて、ウズベキスタンに少なくとも7回飛行したことが記録されている。しかし記録は不完全だ。
●CIAの囚人移送プログラムは、最近エジプトやアフガニスタンから釈放された元囚人たちの証言からも明らかである。彼らは叩かれたり、拷問されたこともあったようだ。
●このブログラムは1980年中ごろに、CIAが外国で逮捕した容疑者を母国に送還する方法として採用された。9.11以後、CIAはアルカイダ幹部リーダーを拘束するために、約6カ国に送り出した。アメリカの諜報部員によると、アメリカは100〜150人の囚人をヨルダン、シリア、モロッコ、サウジ、パキスタン、ウズベキスタンに送り込んでいるという。
●あるCIA高官は、アメリカがウズベキスタなどに囚人を送ったかどうかは話さないと述べた。そして「アメリカは拷問はしない。拷問するために、どこかに送り込んだりもしない。また拷問によって得た情報は用いない」と語った。
●ウズベキスタン外務省報道官のIlkhom Zakirovも、ウズベキスタンがアメリカからテロ容疑者を受け入れているかどうか、コメントすることを拒否した。また人権団体の糾弾も否定した。しかし人権団体は、ウズベキスタンのしていることは誰でも知っていることなのに、なぜCIAはそこに容疑者を送り込んでいるのか、疑問を投げ掛ける。
●「ウズベクの人間と話せば、拷問が日常的に用いられていることは誰でも知っている。一般的なことだ」と、人権監視団体のAllison Gillは語る。ウズベキスタンの前イギリス大使Craig Murrayは、彼がタシュケントにいる間、CIAがウズベキスタンを外国人テロ容疑者を拘束する場所として用いていることを知ったと語った。「CIAは週に2度、タシュケントに飛行機を飛ばしていた」という。
●2004年7月にMurrayはイギリスの外務省に、CIAが国連の拷問禁止法を侵害していると訴えた。仲間たちに、ウズベキスタンで拷問されたテロ容疑者が提供した情報を用いないよう、促した。彼は自分自身の調査や、ウズベキスタン刑務所で拷問を受けたと主張する何人もの人間から話を聞き出して、この事実を知ったのだという。
●「ウズベク保安部とは、協力してはならない。彼らは軌道を逸している」と 『Times』が入手したMurrayのメモがある。
●ウズベキスタンに囚人が送られていることを公言したMurrayによると、ロンドンの上司は彼の話に激怒し、たとえ拷問から出てきた情報だとしても、拷問したのがイギリス人でない限り、イギリスが用いることは当然だと述べたという。「びっくりした。まるでゴール・ポストが移動したような気がした。9.11以後、彼らの物の見方が変わってしまった」と語る。外務省報道官は、Murrayの発言についてコメントすることを拒否した。Murrayは外務省を辞任している。(中略)
●ワシントンとタシュケントの関係は2002年3月に、ブッシュ大統領とカリモフが会見して、正式なものとなった。ドイツに亡命しているウズベキスタンのErk民主党 リーダーのMuhammad Salihによると、アメリカとの関係によって、カリモフは権力を確かなものとしたと語る。「カリモフにとっては好機だった。しかしブッシュは人権や民主主義について考えなければいけない。対テロ問題に関して協力を求めているなら、ウズベキスタンがしていること−拷問など−から目を背けてはならない。
●先月の記者会見でブッシュ大統領は、アメリカができないことをウズベキスタンでしているかどうか質問された。「ある人間は母国に送りかえしたときに、彼らが拷問されないよう、確かめている」とブッシュは答えた。(後略)
U.S. Recruits a Rough Ally to Be a Jailer
DON VAN NATTA Jr.
■パキスタン、親米アフガンリーダーを殺害したタリバン戦士を逮捕[050502 AP]
●パキスタン南部で諜報部員がマドラッサを家宅捜索し、親米アフガンリーダーを殺害したとして、アフガニスタン政府が指名手配していたタリバン戦士を逮捕した。
●日曜日にアブガン人のSirajul Haqが、カラチ東部のMalirで逮捕された。別の男もこの家宅捜索で逮捕されたようだ。
●Sirajul Haqは、2001年にアフガニスタン東部で拉致されたあと殺害された親米アフガンリーダーAbdul Haqを殺害したとして、指名手配されていた。
●別の諜報部高官によると、逮捕された容疑者はカンダハルでタリバンが運営していたマドラッサの幹部で、戦闘員ではなかったという。
●カラチのある諜報部高官は、アフガン当局はHaqの逮捕に賞金を懸けていたと語った。
Pakistan arrests suspected Taliban fighter wanted in killing of pro-U.
S. Afghan leader
■米中央アジア司令部長官、パキスタン訪問[050502 AP]
●アメリカ中央アジア司令部長官のジョン・アビザイド将軍が日曜日にパキスタンに到着したと、パキスタン軍高官が語った。ムシャラフ大統領をはじめ、軍幹部司令官たちと話し合う予定だという。
●米大使館報道官は、アビザイドは「地域の安全を話し合う」ために、パキスタンを訪れたという。「定期的な訪問だ。数ヵ月に1回、必ず訪問している」という。このあとアフガニスタンに行く予定である。
Chief of U.S. Central Command in Pakistan
SADAQAT JAN、ISLAMABAD
■米国人傭兵の刑期軽減[050502 Paktribune]
●アフガニスタン司法高官は、個人的にアフガン人を逮捕して拷問をしていたことで逮捕されたアメリカ人3人の刑期を、半分に軽減することに同意した。
●アフガニスタンの国内国際犯罪裁判所のMolavi Mohammad Ismail Abedによると、刑の軽減は証拠不十分のためと説明し、アメリカの圧力があったためではないと述べた。
Reduction of Punishment for American Mercenaries in Afghanistan
KABUL
■部族のジルガ、国境警察の撤退を要求[050502 Daily Times]
●日曜日に3日にわたって開催されたジルガが終了し、部族地帯における軍の作戦を終了すること、国境地帯犯罪法Frontier Crimes Regulations(FCR) の「非人間的」な法令ではなく、イスラームのシャリーアを用いることを要求した。
●ジルガは連邦政府に、米軍による南ワジリスタンの部族民たちへの爆撃を中止し、部族地帯における人権侵害を冒さないこと、人間にすべての基本的人権を認めること、この地帯の独立した憲法を作ること、FCRの修正などを要求した。
●イスラーム協会が組織したこのジルガには、部族地帯全域の部族の長老たちが集まった。長老たちはFCRやワジリスタンの軍事作戦に不満を表明した。(後略)
Tribal Jirga calls for end to FCR
PESHAWAR
■アメリカ、刑務所からアフガン人85人釈放[050502 AP]
●米軍が日曜日に、アフガン人85人をアフガニスタンの刑務所から釈放した。
●70人がバグラムの米軍基地から釈放されたと、アフガン人諜報部高官Rahmat Nadimが述べた。さらにカンダハルの基地からは15人が釈放された。
●「家族のもとに帰り、タリバンに協力せずに静かな人生を送ることを願っている」と、カンダハル知事のGul Agha Sherzaiが元囚人たちに語った。釈放された15人に対して謝罪はなかったが、それぞれ234ドルと新しいターバン、米軍による釈放を確認する書類が手渡された。(中略)
●米軍報道官は、米軍基地に収容している囚人の数を減らすためではなく、一般的な取り調べがすんだからだと述べた。ほとんどの囚人が南部、南東部、南西部の出身だったという。Nadimによると、3ヵ月から長い者は3年近く服役していた。「さまざまな犯罪を犯したことで収監された。誤った諜報情報のために逮捕された者もいた」という。
U.S. Frees 85 Afghans From Military Jails
STEPHEN GRAHAM、KABUL
Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.