【2005年5月9日〜5月15日】


■アフガニスタンでタリバン、戦いのシーズンで立ち上がる[050515 Independent]

いなくなるどころか、抵抗勢力たちは意気揚々と立ち上がった。アメリカの予測とは大きく違う。

デー・チョパンの谷にいる米兵は、見えざる敵の標的になっていると思っていた。しかしタリバンの素人的なヒット・エンド・ラン攻撃−−ロケット弾や地雷などによる−−は、あまり効果がない。したがってパトロール隊は、ロケット推進式手投げ弾や軽火器を用いた攻撃に、びっくりした。米兵6人が負傷した。2人は両足を吹き飛ばされた。さらに2人は手術を受けるために、ドイツに運ばれなければならなかった。

4時間続いた戦闘の結末は予想通りだったが、しかし米軍のこの小隊は大きな被害を受け、一時は撤退を強いられたのだ。この数日後、トラックから降りようとしていたアフガン国軍がカンダハルで機関銃攻撃を受け、9人が死亡した。その後、抵抗勢力を追いつめた海兵隊員がのうち2人が、洞窟で殺害された。

これは、春の「戦闘シーズン」開始時に米軍が予測していたこととは違う。アフガニスタンは、アメリカが勝利した戦争のはずだった。戦術は戦闘体勢から、「心を勝ち取る」計画に移っていた。

そして冬の間は、ほとんど攻撃はなかった。カブール政府や米軍は、タリバンの人材は減少し、意気はしぼんでしまったということだった。じきにタリバン司令官たちは恩赦を受け入れ、戦いをやめるだろう。これが期待されていたシナリオだ。米軍はなんとか9月の選挙後に軍を縮小し、今年度末に到着予定のイギリス軍5000人に、役目を引き渡そうと必死だ。

この計画は考え直す必要がある。タリバンはいなくなるどころか、驚くべきファイティング・スピリットを見せながら、恒例の春の戦闘を開始した。アルカイダが、再びアフガニスタンの戦争に興味を持ち始めた兆しもある。2001年にアルカイダがアフガニスタンから一掃されたあと、そしてタリバン政権崩壊後、アラブ人やチェチェン人たちはイラクに関心が向いていた。あるいはパキスタンの部族地帯で生き残ることに必死だった。しかし今、イラクで新たな前線を開こうとしている恐れがある。これまでタリバンたちのファイティング・スピリットは低下していたようだったが、今年は違う。彼らは強化され、経験を積み、決然としている。

デー・チョパンの兵士たちが、その明らかな証拠を目撃した。敵の遺体を集めると、死亡者44人のなかにはチェチェン人とパキスタン人、おそるべきアルカイダ戦士たちがいた。また洗練された戦術が用いられ、新しい武器がパキスタンの国境から密輸されているという報告もある。先月カンダハルで殺害されたルーマニア人兵士は、近代的な対戦車地雷の犠牲になった。古いソ連製の地雷や自家製地雷ではない。

さらにパキスタンの北、コーストの近くで、戦争は加熱している。夜になるとタリバン戦士の一団が、CIAが雇ったアフガン人傭兵の基地を襲撃する。これらの抵抗勢力たちは、サウジアラビアと関係のある古い軍閥、ジャラウディン・ハッカーニの指揮のもとで動いている。彼はパキスタンを根拠地として、湾岸から資金を得ている。

カブールもテロの巣窟となっている。カブールのインターネット・カフェが自爆テロの攻撃を受けた。さらに先週は反米暴動が発生した。7人が死亡、援助団体の事務所が放火され、数百万ドルの被害がでた。

この暴動の裏に、新しい反米感情が見える。きっかけはクルアーンの冒涜だ。しかし煽動者たちは、アフガン人たちがアメリカに対して反感を持つていることを利用した。アメリカの司令官たちは、いまだにアフガニスタンで勝利していると言い張る。戦争に疲れ果てたアフガン人たちが、抵抗勢力の活動を密告していると主張している。(中略)

アメリカの軍事マシンは、死を拒否する下級レベルの戦闘員たちをものともしないだろうし、イラクで受けているような大きなダメージもないだろう。しかし、アメリカが勝利したとは、だんだん言えなくなってきた。そして兵士たちは、今後もゲリラ戦に悩まされる可能性がますます大きくなってきた。

garrIn Afghanistan, the Taliban rises again for fighting season


■パキスタンで監視作戦、アルカイダ幹部を殺害[050515 Washington Post]

先週CIAの無人偵察機のミサイルで殺害されたアルカイダは、1週間以上アメリカの諜報部員と軍関係者によって監視されていたと、アメリカの対テロ専門家2人が昨日語った。

アメリカは、Haitham al-Yemeniがビンラディンと接触することを期待していたと、2人の対テロ専門家が語った。2人とも、今回の攻撃の背景を知っている、前アメリカ諜報部幹部である。

しかし今月初めにリビが逮捕されたために、CIAはal-Yemeniが地下に潜ることを恐れ、彼を殺害することにしたという。「彼が何をするか、監視していた」。

昨日のインタビューでは、al-Yemeniがアルカイダでどのような役目を果たしているのかは、明らかにされなかった。彼は、FBIやパキスタンの「手配者リスト」には載っていない。しかし彼が監視されていた事実は、彼が重要人物であったことを示唆する。CIAはこのことに関してコメントを避け、パキスタンの情報相も、このような出来事があったことを否定している。

情報源によると、土曜日の深夜、北ワジリスタンのミール・アリの郊外にあるToorikhelにいたal-Yemeniを、標的から数百マイル離れた秘密の基地から操作された無人偵察機が特定し、ミサイルで攻撃したという。

5月8日付けのパキスタンの新聞『Dawn』には、土曜日の夜、車爆弾により2人の男が死亡したと報道されている。パキスタン人高官の話として、車は破壊され、死亡した1人は身元がわからないほど損傷が激しかったという。もう1人の犠牲者はSamiullah Khanと、身元が確認された。

CIAと米軍特殊部隊はパキスタンの了解のもとで、パキスタン国内で2年以上活動している。しかしアメリカの存在は、パキスタンではデリケートだ。そのためにパキスタン高官は、アメリカとパキスタンの協力をできる限り控えめにしている。

プレデーター偵察機や他の無人偵察機は、アフガニスタンやイラクで、小グループを形成した動く人間を殺害する、もっとも有利な武器となっている。『Washington Post』は2月に、アメリカ当局はすでに1年以上イラン上空に偵察機を飛ばしていることを報告した。この無人偵察機はイラクの軍事基地で操作されている。

Al-Yemeniの死は、リモートコントロールされたミサイル搭載プレデーターを、CIAがアルカイダを殺害するために発射した1つの例である。2002年11月には、イエメンの砂漠を移動していたアルカイダ幹部Abu Ali al-Harithiを、全長5フィートのヘルファイアーミサイルを搭載したプレデーターで殺害した。このとき、米コール船攻撃の首謀者だったal-Harithiとともに、アメリカ市民だったKamal Derwishも殺害されている。Derwishは、アルカイダの訓練所に参加したイエメン人グループ、ニューヨークのLackawannaの一員だったことが後に判明した。

9.11以後、CIAは大統領の権限下で、プレデーター偵察機を操作することが許された。9.11後、ブッシュはCIAに、CIAが殺害してもいい人物の選定を許す機密規定を認可した。このような殺人は、アルカイダテロリストと戦うグローバル戦争においては、自己防衛とされる。規定はホワイトハウス、CIA、国務省によって吟味された。この規定のおかげで、CIAは目標を攻撃する時期を、即時に決定できるのだという。

当初プリデーター無人偵察機は、リアルタイムの諜報情報、偵察、監視が目的だった。しかし、今は武器として役立っている。

ペンタゴンの書類によると、今後5年間で、空軍はブリデーター偵察機24機とブリデーターBを35機購入予定だという。これらには3000ポンドの精密誘導爆弾またはミサイル、さらにセンサーが搭載され、地上で動く標的を特定し、攻撃する。

「アルカイダに対する成功のいくつかは、プレデーターを用いたものだった。標的を認識すること、そして攻撃すること、両方の面で成功する」と、クリントン時代の対テロ高官Roger Cresseyは語る。「CIAはこの分野において、非常にいい仕事をしている」。

garrgarrSurveillance Operation in Pakistan Located and Killed Al Qaeda
OfficialDana Priest


■アフガン人、今回の抗議を疑問視[050515 Washington Post]

木曜日、ムラー(聖職者)がタクシーに乗ってメガフォンで騒ぎ立てた。「我々の宗教とクルアーンが冒涜された! 金曜日の礼拝後に抗議しよう」。

Aghaは『ニューズウィーク』の報道を信じていなかったが、デモに加わることにした。「ムラーが行なう金曜日の礼拝に参加しなければならないように、彼らが何か決めたら、それに従わなければならない」とAghaは語る。さらにムラーは、デモは平和的に行なわれると言ったのだ。だから州知事の家を襲撃したり、警察官1人と市民3人が死亡する結果になるなど、考えてもみなかったという。

「我々のデモを利用した者たちがいるんだ。今回の政府が受けた被害で、当然アルカイダは得をしたはずだ」。

しかしAghaは、今回の警察との衝突はタリバンやアルカイダが扇動したものではないと確信している。どちらかといったら、経験不足のデモ参加者と、経験不足の警察が衝突したせいだという。「政府も人間も、民主主義のもとで得た権利について理解していない」。

ガズニはかつて、タリバンの支配下にあった。Asadullah Khaled州知事は、金曜日に集まった人間の大半が、クルアーンの冒涜に対する怒りを平和的に表現することを望んでいた、ガズニの住民だと信じていたという。「デモ隊をみたとき、私はかれらの所に出かけていって、もし冒涜が本当だとしても、これは1人の愚かなアメリカ人のしたことであり、政府がしたことではないと説明した」。しかし集まった200人のデモ参加者たちは耳を傾けず、石を投げ始めたという。「タリバンや隣国が背後で操っている」。

Khaledは、もともとは平和的なデモを計画していたムラーたちと話し合い、背後でなんらかを目論んでいた者たちを探し出すことにした。「『聖なるクルアーンを守るべきだ。そのために命を失ったとしても、誇るべきことだ』と言っていたムラーが1人いた」という。

このような発言に不快感を示す者たちが、ガズニに何人もいた。「この国で何かうまくいかないとしたら、すべてムラーのせいだ」とある男が述べた。「アフガニスタンが平和になること、発展することを望んでいない者から、金を受け取っている」という。

またある男は次のように指摘した。このような冒涜があったと聞いても、他のムスリム国家の人間は抗議しなかった。「証拠を求めるべきだった。それをせずに抗議して、ばかな国民であることを世界に広めてしまった」。

しかし逆の意見の者もいる。ジャララバードで起きた最初の抗議を聞いたときに「どうしたんだ? 我々ムスリムはあまりにも弱くなってしまったために、他人が我々の宗教に介入しているのか?」と思ったという。

町には人々の怒りの跡がいまだに残っているが、デモに参加した者たちでさえ、アフガニスタンで働く数千人の外国人たちを肯定的にとらえている。Aghaも、最初アメリカは侵略に来たのだと思ったという。しかしその後考えを変えた。外国人たちが、何十億という援助金を出してくれることには感謝しているが、その資金を用いて何が実現したかを考えると、失望してしまうという。「もっとずっと発展すると思っていた」と語った。

hoonAfghans Puzzled by Latest Protests
N.C. Aizenman、GHAZNI


■カルザイ、アフガンの進歩が本当の攻撃目標[050515 New York Times]

カルザイ大統領は土曜日に援助金の増加を要求する欧州諸国の旅から帰国し、17人が死亡して負傷者も多数出た5日間の暴動に対して、怒りを表現した。

カルザイはグアンタナモ刑務所でクルアーンが冒涜されたと抗議した学生たちではなく、「平和の敵」と「安定の敵」を非難した。「アフガニスタンは、国家を再建するために、建物を再建するために、お金を恵んで欲しいと要求している。それなのに夜になるとやってきて、全部破壊していく。これほどアフガニスタンに敵意を持つ者は誰なのか?」と述べ、ジャララバードの図書館が放火され、クルアーン200冊が燃えたことを指摘した。

「イスラーム世界では、学生はみな勉強する。アフガンの学生たちも立ち上がり、デモ運動をすることを奨励される。それなのに他の要員がデモに参加し、アフガニスタンの学生の名を借り、アフガニスタンの財産を破壊する」。

カルザイは名前こそ出さなかったが、アルカイダやパキスタンの一部の要素、またアフガニスタンを混乱させたままの状態にしたいアフガンの軍閥が背景にいることをほのめかした。

しかし最大の暴動が起きたガズニでは、暴動の背後関係はもっと複雑だ。住民たちは、デモ参加者たちの怒りは本物で、金曜日の礼拝後に地元聖職者に扇動されて、暴動が勃発したのだという。しかし「悪者」たちが警察に発砲する絶好の機会だったことも、認めた。(後略)

garrKarzai Says Afghan Progress Is Protests' Real Target
CARLOTTA GALL、GHAZNI


■アメリカのアルカイダの民族間の対立追及で、爆弾製作者殺害[050515 Daily Telegraph]

アメリカとパキスタンがテロ組織内の民族的対立を追跡した結果、アルカイダの爆弾製作者がアメリカのミサイル攻撃を受けて殺害された。

Haitham al-Yemeniが殺害されたという報道は、抵抗勢力の民族的対立を利用して、パキスタンがアルカイダのNo.3といわれるリビを逮捕した直後に流れた。リビは、アラブ人支配のアルカイダに対立したウズベク人戦士たちが、彼の携帯電話の番号をパキスタン人諜報部員に漏らした結果、逮捕された。

リビの逮捕とal-Yemeniの殺害は、民族的対立がアルカイダに影響を与えていることを示している。ウズベク人をはじめとする中央アジアの過激派たちは、パキスタンに留まるための資金や許可を得ることと引き換えに、アルカイダに協力している。

「アラブ人と中央アジア人たちは、自分たちを保護してもらう相手を必死に探している」と、ワシントンにあるCongressional Research Serviceのアナリスト、Kenneth Katzmanは語る。「中央アジア人は資金を持ち、地元民の尊敬を勝ち取っているアラブ人にかなわない」。

シャカイのアルカイダ訓練所も、ソ連時代から戦っていたウズベキスタン、タジキスタン、チェチェンの戦士たちがその場所を示したために、攻撃することができた。

リビの逮捕以来、アルカイダ工作員多数が、彼の携帯電話の記録から逮捕された。

米軍は、al-Yemeniがビンラディンと接触することに期待して彼を追跡していたが、リビが逮捕されてからは地下に潜ることを恐れ、殺害することにした。先週、国境付近でミサイル攻撃を受け、殺害されている。

パキスタンは、パキスタン国内でal-Yemeniが殺害されたことを否定しているが、アメリカ治安部高官は、彼の死の詳細を確認している。

ウズベキスタン・イスラーム運動のリーダーはいまだにビンラディン側についているが、離脱したグループがいくつもできた。「このグループはパキスタンの治安組織やアメリカ高官と接触し、抵抗勢力たちの摘発に協力している」と、ある高官が述べた。アルカイダとの亀裂は、2001年にアラブ人戦士がアフガニスタンから国境を越えて以来、深まっている。

中央アジアの戦士たちはすでにパキスタンの国境地帯で生活していたが、そこにアラブ人たちが押し入ってきた形になったからだ。「国境地帯でさえ、隠れる場所は限られている」とKatzmanは語る。

さらに2003年にワジリスタンでパキスタン軍が作戦を開始したあと、ウズベク人たちがパキスタンやアメリカの諜報部と取り引きを始めたので、さらに亀裂が深まった。

garrBomb-maker killed as US exploits ethnic rifts in al-Qa'eda
Massoud Ansar、Karachi Philip Sherwell、Washington


■CIAに殺害されたアルカイダの謎[050515 News]

アメリカ諜報部員とアメリカのメディアが、今週の初めにCIAの無人偵察・攻撃機機がパキスタンの部族地帯でミサイルを発射して、アルカイダ幹部Haitham al-Yemenを殺害したと主張したが、これは5月8日の夜に北ワジリスタンのミール・アリ付近で発生した事件に言及していると思われる。政府は、このような男がパキスタン領内で殺害されたことはないと、事実を否定した。

5月8日の午前2時に、 ミール・アリ 町南部にあるKhushali村のKhaisoor Roadで車が爆発した。犠牲者の1人は、Khushali村のImam Dinと特定された。彼はタリブ(宗教学校の学生)だった。2人目の死亡者の身元は特定されず、遺体の引き取り手もなかった。ある報告によると、この男はFrontier Region Bannuに居住するJanikhel Wazir族出身だということになり、バヌーのSain Tangi村に埋葬されたという。しかし北ワジリスタンのミール・アリまたはシャーワルに埋葬されたという噂もある。

部族民によると、空中でミサイルが発射され、車に命中したという。謎は残ったままだった。

北ワジリスタンの部族民たちは、殺害された2人目はアラブ人だったと今は確信している。彼の名前や国籍を知る者はいなかったが、この男がアルカイダのメンバーであることを疑うものが多かった。

『ABC放送』は男をHaitham al-Yemeniと断定して、謎を解いた。アメリカの諜報部員の言葉を引用し、今週CIAの無人偵察・攻撃機がアルカイダ幹部を殺害したと報道したのだ。 (後略)

ohMystery of al-Qaeda man killed by CIA
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■パキスタン、ガスパイプラインの取り引きに意欲[050514 Financial Times]

パキスタンとインドは、アメリカの反対を押し切ってイランからガスパイプラインを引くかどうか、年末までに決定しなければならないと、ショーカット・アジズ首相が昨日述べた。

4500億ドルのパイプライン計画は1994年から持ち上がっていたが、2国間の緊張のために、なかなか進まなかった。しかし敵対するこの2国はここ2年間で和平交渉が進み、現在このプロジェクトは大きく注目されている。

現在アジアの国々はエネルギーが大幅に不足しているために要求が急速に高まり、カタールやトルクメニスタンからガスを引くという、他の選択肢も存在する。「あらゆる可能性を検討した。年末までには決めないと遅すぎてしまう」と、アジズ首相は語る。「この計画は、南アジアの平和のための力にもなる。実現に向けていきたい」。 (中略)

パキスタン高官たちの意見によると、3つのパイプライン計画のうち、イランの計画が「資金的にも技術的にも、可能性が高い」という。「いろいろな選択肢があり、アメリカの意見にも配慮している。しかし国家の利益を優先させる」とアジズ首相は述べる。またインド燃料省大臣のアイヤルも、イランのパイプラインについては、「巨大権力」に影響されることはないと、国会で発言した。

3月にアメリカのライス国務長官はインドとパキスタンのパイプライン計画について警告し、「もしインドはアメリカとの戦略的関係を強化したいと考えているなら、アメリカの関心に配慮しなければならない。一方通行であってはならない。我々がイラン政府に対して大きな関心を持っていることを、十分納得する必要がある」と述べたという。

イランからのパイプラインは、パース・ガス油田からパキスタンのバローチスタンとシンド州を通過し、インドの北西部に入る。パキスタン高官によると、イランのパイプラインが最も短く、経済的だという。

これに比べてカタールからのパイプラインは湾岸の海底からイランの海を通り、パキスタンに到達する。トルクメニスタンの場合アフガニスタンを通過しなければならず、非常に高くつく上に、安全も疑問視される。

hoonPakistan keen to close deal on gas pipeline
Jo Johnson and Farhan Bokhar、Islamabad


■パキスタンでジャーナリスト、攻撃される[050514 BBC]

ジャーナリストがパキスタンの部族地帯で何者かに銃撃され、負傷したと当局が述べた。

車に乗った武装した男たちが、『ロイター』の記者Mujeebur Rehmanを、ワナで襲撃したという。犯人たちの素性はわかっていない。ワナでは2月にも、ジャーナリスト2人が殺害され、1人が負傷している。

国際人権団体やメディアのウォッチドッグは、ワジリスタンにいるジャーナリストたちが危険にさらされることを心配している。

garrJournalist attacked in Pakistan


■国境地帯でアルカイダ工作員は殺害されていないとパキスタン[050514 AP]

パキスタンは土曜日に、今週CIAの無人偵察機が部族地帯でアルカイダ工作員を殺害したというメディアの報道を否定した。

『ABC News』が金曜日に諜報部のからの情報として、CIAの無人偵察機がミサイルを発射して、アルカイダ幹部Haitham al-Yemeniを殺害したと報道した。CIAはこの件に関してコメントを避けている。

しかしパキスタンのラシッド情報相は『AP』に、「そのような出来事はパキスタンの国境地帯では起きていない」と述べた。

また土曜日にアフガニスタンの米軍報道官Lt. Cindy Mooreは、アフガニスタンにいる米軍はこの件には関わっていないと述べ、そのような事実があったかどうかは話すことはできないという。

『ABC』によると、リビの逮捕の結果、al-Yemeniを泳がせておくよりも、隠れてしまう前に殺害したほうがよいと当局が判断して、行動に移ったという。

smellPakistan says no al-Qaida operative was killed by CIA predator near
Pakistan-Afghan border


■逃走中のテロリスト、パキスタン人囚人を苦しめることに[050514 News]

元グアンタナモ囚人で治安部隊に反旗を翻している部族民戦闘員、アブドゥッラー ・マフスードが、グアンタナモ刑務所から釈放された35人の元囚人たちを苦しめている。

アメリカによって釈放された35人は、パキスタン国内で活動する「インドの工作員」だけに適応される、内務省の秘密法に基づいて、現在拘束されている。

この特別な法律は、インドの工作員と見られるパキスタン人とインド人だけに適応されるもので、1年間、法廷に出ることなしに拘束されるというものである。著名な法律家Mohammad Sharifは『News』に、なぜグアンタナモから帰ってきた囚人たちを、法廷に出ることなしに8ヵ月間も拘束しておくのだろうかと、疑問を投げ掛けた。

(中略)情報によると、2001年に64人のパキスタン人がアフガニスタンで逮捕された。いっぽうAdiala刑務所のShahid Baigは、これらの逮捕者たちに対する立件はなく、囚人たちは心理的にプレッシャーを感じているという。(中略)

Baigによると、グアンタナモから最初に釈放された17人と、後の35人がAdiala刑務所に連れてこられたという。さらにアフガンの刑務所から、180人が連れてこられた。現在は、グアンタナモから釈放された35人のうち、パンジャーブ人17人だけがここで拘束され、残りの18人はそれぞれの出身地の刑務所に送られた。アブドゥッラー・マフスードの前例により拘束が続いているのかとの質問に対して、「それが主な理由だ」と答えている。(中略)

ある情報源によると、マフスードが起こした一連の復讐劇のために、アメリカはグアンタナモにいる残りの囚人の釈放に手間取っているという。ワシントンとパキスタンに、アメリカが取り調べを終えた囚人を釈放しないように要請し、彼らがマフスードに習って部族地帯で抵抗運動をすることを恐れているという。

現在マフスードは逃走中で、パキスタンやアメリカ当局は彼を必死に追跡している。

hoonRunaway terrorist to blame for agony of Pak prisoners
Rauf Klasra


■アフガン暴動、Hizbut Tehrirと関係[050514 Asia Times]

「タリバン政権崩壊後、最大の抗議運動だ。国家的に暴力運動が拡大している。人々はアメリカにいらだち、彼らの感情に単に火をつければ十分であることを示している」と、パキスタン人ジャーナリストで部族地域に関しての権威であるラヒムラー・ユースフザイが5月12日に語った。5月10日以来アフガニスタンに広がった、暴力的な反米・反カルザイ運動についての言及である。(中略)

暴動はパキスタンとの国境に近いジャララバードで開始され、北はParwan、Kapisa Takhar、東はLaghman州に、南東部のロガールとコースト、そして南部のカンダハルに広がった。12日にはカブールにも飛び火。アフガニスタンの34州のうちの10州でデモや暴動が発生している。アメリカやカルザイだけでなく、パキスタンや国連、欧米のNGOに対しても、怒りの矛先が向いた。(中略)

アフガンやアメリカの治安部隊がデモ隊を解散させようとして発砲し、今のところ市民7人が死亡し、80人が負傷したといわれる。各地のデモ隊は、同じ特徴を持つ。まず学生が扇動し、教育を受けた者多数が参加した。デモは自発的に発生したのではない。周到に準備され、組織されていたのだ。それぞれの町の学生が、地元の学生を扇動していた。またデモ隊は武装せず、反米、反カルザイのスローガンを唱え、アメリカやパキスタンの旗や、ブッシュ、カルザイ、ムシャラフの人形を焼き、建物や車に放火した。デモ隊を扇動したのは、タリバンでも、ヘクマチアルのヒズビ・イスラミでも、アルカイダでもなかった。しかしこの学生運動を歓迎したタリバンやヒズブのメンバーが、これに参加した。警察やアフガン国軍もこのデモ隊に共鳴し、幹部が彼らを取り締まるように命令しても、いやいや応じた。

アフガンの情報源によると、このデモ隊はタリバンやビズブやアルカイダではなく、Hizbut Tehrir(HT) に組織されていたという。アフガニスタンの学生運動にHT活動家がいることに気づいていた者もいたが、その浸透の程度はわからなかった。学生運動だけでなく、アフガンの治安部隊にもHTが入り込んでいることは大きな驚きで、不意打ちとなったのだ。

hoonAfghan violence linked to Hizbut Tehrir B Raman


■ビンラディン追跡再開[050514 Asia Times]

パキスタンとアメリカの諜報部は、再びビンラディンの追跡が開始されたと信じている。「アメリカとパキスタン当局は、近々ビンラディンの周囲にたどりつけるだろうと予測している」と、パキスタン高官が『Asia Times』に語った。

リビの逮捕と、彼から得た情報が転機となったのだという。リビはパキスタンのISIを初め、イギリスのMI6やアメリカのFBIを含むさまざまな機関の取り調べを受けている。

このインタビューは、パキスタンで逮捕されたアルカイダ工作員の取り調べをムシャラフによって任命された、パキスタン人高官のものである。

「リビの逮捕は、パキスタンにとってただひとつの意味で重要だ。ムシャラフ暗殺に関わっていたという点である。リビを通して、ビンラディンを追跡する道はないことは確かだ。MI6も我々とは別にリビを取り調べたが、彼らも同じ意見だ。リビは歩兵以上であるが、責任ある工作員ではない。しかしアメリカ人たちは別の見方をしている。彼らはリビを、今年最大の捕物だと言うのだ」。

「しかしだからといって今回の逮捕は、決して意味がないものではない。取り調べでリビは北ワジリスタンのバジョール行政区について語り、そこで我々はアルカイダの隠れ家を発見し、ウズベク人を含む重要な工作員多数を逮捕した」。

『Asia Times』は繰り返しこのウズベク人について質問したが、彼がウズベク・イスラーム運動のリーダー、ユルダシェフだったかどうか、高官は答えることを拒否した。「国家秘密だ」という。

「彼の名前は出せないし、ヒントも与えられない。しかし彼に『賞金』が掛かっていたことは正しい。そしてこの男の取り調べの結果、ビンラディンに近づいており、少なくとも彼の隠れ家近くにはたどりつき、彼の居場所を特定することができるだろう。現在はまだ何もわかっていない状態だ」。

「私はパキスタンの戦略には関わってはいないが、私の政治的直感から、今我々が追跡している線から、ビンラディンがパキスタンの部族地帯で発見されると思っている。ごく近い将来、これが実現することを確信している。我々は彼をアフガニスタン側に追い出し、米軍に逮捕してもらう。彼はパキスタンによって、あるいはパキスタン国内で逮捕されるべきではない。もしこのようなことになったら、パキスタン軍は今後、決して民衆に支持されなくなる。同時に政府に対して、かつてないほど大きな報復もあるだろう。そうなったら何でもありだ。テロ、流血、革命だってありうる」。

ウズベク人の取り調べは、「信じられない」ような経験だったと、この高官は述べた。「イデオロギーが違うということはよくある。しかしその理念に感銘を受けざるを得なかった。我々は政治家だ。妥協したり、引き下がったり、嘘をつくことは、我々の仕事の一部だ。だけど私は、あのウズベク人と1時間すごし、彼が自分の使命に対して持つ確固たる確信のために、私自身、自分の非を感じてしまった」。

「彼は目隠しをされていたが、取調べ官が彼にコップに入った水を与えると、彼は (ムスリムの習慣に従って)『右手でなく、左手で持っているか』と聞いてきた。そしてなぜそうしなければならないか、大演説をぶった。そしてアルカイダに加わったことを後悔していないと述べる。また私の声を聞いて、私がテレビに出演していたことに気づき、すべての者が「近々アラーに召される」ため、注意するべきだと勧告した」。

「私は物事を注意深く見守っている人間だ。ビンラディン逮捕はそう遠くはないはずだ。リビの逮捕の結果を重視しているアメリカ当局とは、この点では同じ意見だ。しかしこれで過激主義を片づけられるか、あるいは逆に活性化させることになるのか、これはまた別の問題だ」。

smellsmellBack on Osama's trail
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD


■アメリカへの怒り増大、9人が殺害される[050514 BBC]

反米抗議が開始して4日目、市民と警察官を含む少なくとも9人が、さらに死亡したという。

カブールの『BBC』特派員Andrew Northによると、暴力はさらに拡大し、隣国にも飛び火しているという。金曜日の礼拝後、新たなデモが始まった。(中略)

治安部隊と民衆との衝突が発生したガズニ州では4人が死亡し、この中には警察官も含まれているという。内相報道官のLutfullah Mashalは、ガズニで暴動を起こした者のなかには、AK47や拳銃で武装した者たちもいたと語った。「州知事の家や政府事務所を攻撃しようとしたために、警察とアフガン軍が発砲した」。

パダクシャンでは、さらに3人が殺害された。「津波のようだ。突然始まり、予測できない」と、州警察長Shah Jahan Nooriが『ロイター』に語った。

ガルデズでは1人が殺害され、Qal-e-nowでもデモに参加した別の男が殺害された。米軍は、国連の建物が襲撃されたために、それを警護しているという。

いっぽうカブールでは、金曜日の礼拝を終えたイマームが、クルアーンの冒涜に対して抗議することは良いが、暴力を用いてはいけないと説教した。(後略)

garrNine killed as Afghans rage at US


■パキスタンの怪しいゲーム[050513 Los Angels Times]

パキスタンは、イラクの戦争には参加しないことをアメリカに報告する数時間前の2003年3月1日、アルカイダNo.3のKhalid Shaikh Mohammadを逮捕した。さらに同じ3月、ムシャラフがキャンプ・デーヴィッドを訪問する数カ月前、もう1人のアルカイダ幹部Yasser Jazeeriも逮捕している。この訪米でムシャラフは30億ドルの援助を約束された。2002年2月、パキスタンに対する援助金の額やF-16戦闘機の売却がアメリカの議会で議論されている最中、アブ・ズバイダが逮捕された。(F-16戦闘機購入問題は、ダニエル・パール誘拐犯たちの要求の1つでもあったために、大きな論議を呼んだ)。そしてその数ヵ月後、9.11のちょうど1年後に、カラチでラムジ・ビナルシブが逮捕される。彼がカラチに住んでいたことは公然の秘密だった。

そして今、Abu Faraj Farj、別名リビが逮捕された。彼の逮捕にも意味がある。アメリカがカーン博士を尋問する権利と引き換えに、F-16戦闘機をパキスタンに売却することを決めた時期である。ムシャラフは、アメリカのカーン取り調べを頑として許可していない。そのかわりに、アルカイダ工作員を差し出したのだ。

これらのタイミングには、さまざまな意味があることが一目瞭然だ。どの場合も、パキスタン軍の早業作戦とブッシュ大統領の政治的ニーズは一致している。しかし単なる一致だろうか。

パキスタンの権力は、アルカイダがアフガニスタンを撤退してカラチ、ラホール、ピンディに隠れたあとも、かれらがどこにいるか、だいたいの見当がついるようだ。パキスタンの諜報部であるISIは、アメリカの敵の居場所を知っているだけでなく彼らを監視し、必要に迫られると1人ずつ引き渡しているように思える。偉大なるアメリカの「友人」との関係を見ながら、手持ちのコマをひとつずつ差し出し、換金している。

楽観主義者たちは、ビンラディンの部下をはじめ、もしかしたらビンラディン自身が隠れている場所も知っている国が存在することを歓迎するだろう。しかし悲観主義者たちは、タリバンを匿う以前は彼らを作り出し、タリバンをとおしてアフガニスタンを支配し、20年間、20万人の国際ジハード志願者たちを育成したのはパキスタンであることを思い出すだろう。彼らはパキスタンの二面性を憂慮するはずだ。

ダニエル・パール記者の足跡をたどって、ISIと過激派の関係を知っている私は、イスラマバードのリーダーたちを信じてはいない。ライスもパキスタンを甘く見ないで、確固たる考えがあって行動していると信じたい。アメリカは大量破壊兵器を持ち、またそれらを使用するイデオロギーも持ち、危険な火遊びをしている自覚のある国を同盟国としているのだ。パキスタンは現代史において、気違いじみた、矛盾をはらんだ、そして非常に危険なポーカー外交をしている。

smellPakistan's Chips in a Shady Game
Bernard-Henri Levy


■アフガン「パイプラインの夢」間近[050513 Christian Science Monitor]

タリバン時代、ユノカルの技師だったMir Sediqはパイプラインの夢を見ていた。トルクメニスタンからアフガニスタン経由で、アラビア海にあるパキスタンの港まで石油を引くのだ。

現在Mir Sediqはアフガニスタンのエネルギー・炭坑・工業部門の大臣だ。彼のパイプラインの夢は、実現間近だと自信を持つ。

パキスタンの経済の発展やエネルギー価格の上昇を考えると、パイプライン建設は中央アジアにおける金の卵だ。(中略)「パイプラインは、アフガニスタンにとって最大のチャンスだ。アフガニスタンを外国資本に開放し、魅力あるものにしたい」とSediqは語る。(中略)問題は治安だけだが、アフガニスタン政府はこれに対処できるという。

一時パイプライン計画は、暗礁に乗り上げているように見えた。タリバンの攻撃が続き、イランやカタールの油田も注目された。しかし日に日に高まるパキスタンの要求、アフガニスタンの安定が確保されつつあること、そしてエネルギー価格の上昇とともに、トルクメニスタンは再び注目される。今週カルザイはドナー国家に対して、この計画はテロとの戦争、麻薬撲滅とともに、国家にとって最優先計画だと述べた。

まだ外国はこの計画に乗り気ではないが、トルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタンの話し合いは進行している。(中略)「問題はトルクメニスタンが産出できるガス量の保証だ」と、アフガニスタンの炭坑・産業省アドバイザーMary Louise Vittelliは語る。「30年後もガスがあるかどうか、まだわかっていない。戦争が勃発している国々に、パイプラインはたくさんある。したがって安全は心配ではあるが、取り引きが決裂するほど大きな問題ではない。しかしカタールのガスよりも5倍の値段になってしまうなら、取り引きは成立しない」。

1990年代、トルクメニスタン〜アフガニスタン〜パキスタンのパイブラインは、長さ1100マイルとされていた。アフガンを通過する部分はヘラート〜カンダハルの466マイルである。今アフガン高官と外国人技師たちは、北からカブールを通過するルートを思案中だ。

今日工事が始まったとしても、完成までに7年かかる。これだと、パキスタンは5年後にエネルギー不足が始まるとされるため、2年の遅れをとってしまう。(中略)

パキスタンはこれ以外にも、パイプライン計画が必要と考えている。現在カタールとイランとの間でも、別の計画を話し合っている。カタールのパイプラインが一番安定している。しかしこれには技術的な問題が伴う。イランのパイプライン−これはさらにインドにも延長される−が技術的には最も簡単だ。しかし、アメリカが反対している。アメリカ政府は、アメリカの請負会社がイランのパイプライン関連の仕事をすることを禁じているからだ。インドもパキスタンも必死であるために、イランのパイプラインに関しては、ともに協力し合っている。

トルクメニスタンのパイプライン計画が実現すれば、アフガニスタンにとって最大の仕事のチャンスだ。「30年間でアフガン人にとって約3000の仕事が発生する好機だとSediqは語る。「地元の人間を雇って安全を確保する。「彼らがプロジェクトの一部になれば、他の者が攻撃することを許さないだろう」。

hoonAfghan 'pipe dream' draws closer to reality
Scott Baldauf、KABUL


■米無人探査機、パキスタンでアルカイダリーダー殺害[050513 AFP]

『ABC』テレビによると、CIAの無人探査機がパキスタンの国境地帯で、イエメン人アルカイダリーダーを殺害したと報道した。Haitham al-Yemeniは、CIAの監視下にいたという。

報道によると、リビが逮捕されたあと、al-YemeniはアルカイダのNo.3だったという。また、アメリカ当局はal-Yemeniが隠れようとしていたために攻撃したというが、CIAはこの報道に関して確認も否定もしていない。

報道によると、CIAはアルカイダ幹部を世界のあらゆる場所で攻撃する権限を持ち、パキスタンがこの攻撃に対して事前に情報を得ていたかどうかはわからないと付け加えた。

テレビは、al-Yemeniの殺害は「経験豊なあるアルカイダ幹部を殺害したという意味で、非常に重要だ」と述べた、CIAの前対テロ長官Vince Cannistraroの談話を発表した。

CIAは2002年11月にイエメンで、アルカイダメンバー6人を載せた車を爆破している。

garrUS drone plane kills Al-Qaeda leader in Pakistan
WASHINGTON


■アフガン、クルアーン冒涜に抗議[050512 AP]

グアンタナモ刑務所でクルアーンが冒涜されたことに激怒したアフガン人たちの暴動は、木曜日に3日目に入った。アフガン人たちはカブールでアメリカの国旗を焼き、援助団体の事務所を襲撃して回った。抗議運動はパキスタンにも飛び火している。

ライス国務省長官は、この容疑が真実であれば、「適当な処置」を施すと約束した。

警察との衝突でさらに3人のデモ参加者が警察に発砲されて死亡し、この暴動の死者は全部で7人になった。これまでの反米抗議運動のなかでは、最も大きなものとなった。

抗議運動の参加者の大半が学生だったが、アメリカか支持する政府に対立する者が、暴動を扇動しているとの見方もある。

(中略)クルアーンの冒涜は、パキスタンとアフガニスタンでは死刑に相当するが、外交関係者や政府高官たちは今回の激しい反応に驚きを隠さない。ジャララバードで、警察が反米デモ参加者を取り締まろうとして4人が死亡、70人が負傷したために勢いはさらに増加した。

デモがなぜ今週になって発生したかは、明らかではない。例えば2004年7月に、グアンタナモの米兵がクルアーンを踏みつけたり、カンダハルでは便器に投げ込んだという元囚人の話を、アルジャジーラ・テレビが報道している。(中略)

ペンタゴンのメイヤー陸軍参謀本部長官は、アフガニスタンにいる米軍司令官は、地元の政治組織がジャララバードの暴動を扇動しているのであり、クルアーンに関する報道のためではないと考えていると述べた。(中略)

最新の動きでは、Khogyani町からジャララバードに向かおうとした数百人の群衆に対して、警察が発砲したという。デモ参加者のうち武器を持った男3人が死亡したと、警察長Gul Waliが述べた。

しかし内相報道官のLatufallah Mashalは、死亡者は2人で、3人目はこれとは別にWardak州で警察と衝突して死亡した、と述べた。詳細は不明である。

アフガニスタン最大の援助団体のCARE Internationalによると、隣のロガール州では学生が同団体の事務所を襲撃し、スタッフを殴ったりコンピュータを壊したという。隣接する別の援助団体事務所も、放火された。

「アフガニスタンにおける転機のシンボルといえる」と、アフガニスタンのCARE会長Paul Barkerが語った。「扇動している者がいるはずだ」。

カブールのカブール大学前では、約200人の若者が集まり、「アメリカに死を」と抗議。アメリカの国旗を焼いた。

抗議運動はさらにパキスタンにも飛び火し、ペシャワルでは200人以上の原理主義者たちがデモ行進をして、アメリカに謝罪を求めた。このほかに、アフガニスタンの5つの州とパキスタンのイスラマバードやクエッタでもデモが実施されたが、暴動にはなっていない。パキスタンはさらに大きなデモを金曜日に予定している。

garrAfghans Stage Protests Over Quran Abuse STEPHEN GRAHAM、KABUL


■パキスタン、アルカイダ幹部をアメリカには引き渡さないと語る[050512 Reuters]

パキスタンは先週逮捕したアルカイダ幹部をアメリカに引き渡さないと、パキスタンのカスーリ外相が木曜日に語った。

アメリカとパキスタン当局は、一緒にリビの取り調べを行なっているという。「現在尋問中だ。ムシャラフ暗殺未遂事件2件に関わっていた」と、オーストラリアのドウナー外相との会見で語った。「現在パキスタン政府の管轄下にあり、すべての問題が明らかになるまで、他の国に引き渡す予定はない。アメリカの治安に関することは、すべてアメリカと協力している」という。

hoonPakistan says not to hand top Qaeda member to U.S.
CANBERRA


■ワジリスタンで数千人が過激派の葬儀に参加[050512 Daily Times]

パキスタンの国境の町で、数千人の男たちがアフガニスタン内でタリバンと米軍との戦いで殺害された過激派の葬儀に参加し、アメリカに対してスローガンを叫んでいたと目撃者が語った。

しかし米軍は、パキスタン人Akhtar Zamanが死亡したとみられるアフガニスタン東部では、戦闘の報告はないと述べた。

葬式はコースト州の反対側にある、北ワジリスタンのSarobiで行なわれた。参列者たちはタリバンを支持するスローガンを一斉に唱えていた。「アメリカに死を、神は偉大なり!  我々はムジャヒディンの味方だ」と叫んでいたと、町の住民が語った。参列者は6000人ほど集まったという。

住民のAfsan Hassanによると、Zamanは火曜日にパキスタン人5人を含む13人の仲間とともにコースト州で米軍と戦ったらしい、と語った。しかしカブールの米軍報道官は、コーストで戦闘があったという報告はないと述べた。

hoonThousands attend militant's funeral in Waziristan
MIRANSHAH


■アメリカのクルアーン「冒涜」で暴動[050511 BBC]

アフガニスタン東部で起きた反米デモで警察が発砲し、4人が死亡、多数が負傷した。

グアンタナモ刑務所でクルアーンが冒涜されたという報道を受けて、ジャララバードで数百人の学生が町で暴動を起こした。カルザイ大統領は、アフガニスタン当局はこのような抗議に対処する能力がないことを示していると述べた。アメリカ当局は、現在この件を取り調べている最中だという。

(中略)ジャララバードにいる米軍に援助されたアフガン国軍が、暴動の鎮圧に努めている。抗議運動はコーストにも飛び火し、数百人の学生が道を占拠した。

ジャララバードでは国連の建物が襲撃され、国際援助団体の事務所2件が壊されたという。またアフガニスタンにいるパキスタン大使Rustam Shah Mohmandが『BBC』に語ったところによると、パキスタン大使官邸が放火され、車2台も炎上したという。

ジャララバードのある援助活動家の報告によると、町からは煙が立ちのぼり、人々は集団になって、外国人やNGOの職人を探して走り回っているという。

カブールにいる『BBC』のAndrew Northは、今回の暴動はアフガニスタンにいる外国人援助活動家たちが、ここ数ヵ月治安が悪化していると心配していたさなかに起きたと語った。国連や援助活動家たちは、安全な場所に避難するように勧告された。

デモ参加者たちは「アメリカに死を」と叫びながら、車の窓を割ったり店舗を壊した。「警察が群衆をコントロールしようとして発砲したところ、数人が負傷した」と、ジャララバード警察長のAbdul Rehmanが『AFP』に語った。

《嫌がらせの報道》

今回の暴動は、グアンタナモ刑務所でクルアーンを便器の上に置いたという『ニューズウィーク』の報道が発端となった。前グアンタナモ囚人がBBCに語ったところによると、逮捕されているアラブ人たちのなかには、看守がクルアーンを冒涜したことに抗議して、3年間口を閉ざしている者もいるという。

パキスタン政府も日曜日に、クルアーンに関する報道には「非常に不愉快」と表明した。イスラーム政党は、金曜日に国家的な抗議運動をすることを表明している。 (後略)

garrRiots over US Koran 'desecration'


■リビ、去年の首相暗殺未遂も首謀[050511 AFP]

パキスタンは、最近逮捕されたアル・リビは、ショーカット・アジズ首相が現職に就く以前に起きた暗殺未遂事件にも関わっていたと述べた。(中略)

アジズ首相暗殺未遂事件は去年の7月30日に、タンザニアのアルカイダ工作員Ahmed Khalfan Ghailaniが逮捕された24時間後に発生した。(後略)

garrPakistan says al-Libbi was behind last year's attempt to kill PM
ISLAMABAD


■タリバン放送、再び[050511 Asia Times]

4月、カンダハルで再び「シャリーアの声」を聞くことができるようになった。1996〜2001年にかけて放送された、カブールのラジオ・アフガニスタンが使用していた名前だ。パシュトゥ語で放送された最初の声明によると、「『シャリーアの声』は、超権力であるアメリカに対するイスラーム同胞の声」だという。

4月18日にタリバン報道官のMufti Latifullah HakimiがペシャワルのAfghan Islamic Press(AIP) に、アフガニスタンで放送している外国のラジオ局は独立して自由だといいながらも、「実際には自由ではない」ために、タリバンは独自の放送局を設立したと述べた。

(中略)Hakimiによると、ラジオ局の設備は、海外から輸入され、アフガニスタンのアフガン人技師によって設置されたという。

《陰謀》

問題は放送の内容ではなく、むしろタリバンがラジオ局を設立できたという事実だ。アフガン人やアフガンメディアの間では、陰謀説が盛んに噂された。

親政府寄りの新聞『Kabul Times』が4月26日に、アフガニスタン政府は「シャリーアの声」に対して無関心な態度を取っていたが、アメリカはこのラジオ局を見つけ出し、破壊することを誓った、と書いた。「洗練された盗聴機を用いて、場所を特定できることは間違いない」と語る。

しかし『Kabul Times』は、このタリバンラジオ局の設立に、外国の力が働いていることを示唆する。過激派たちは「技術については全く無知なムラーの集まり」だとして、誰が技術的・資金的援助しているのかと、疑問を投げ掛ける。

パキスタンを直接名指しするのを避けながらも『Kabul Times』は、ISIはラジオが「開始された当初からタリバンと関係している」と指摘。放送局の場所や設備の種類、資金源を「ISIが見つけ出せることは確か」だと加える。そしてタリバン放送局についての情報を「ISIが協力して探し出すことを期待している」と書いた。

放送局がいまだに存在していることは、パキスタンの動機だけでなく、アメリカの態度に関しても、解せない点が浮上する。

「イランイスラーム共和国の声」は、4月21日にカブール大学のNasir Ahmad教授にインタビューし、アメリカは「近代的なテクノロジーを用いて、タリバンのラジオ局を簡単に探し出すことができるはずなのに」なぜそうしないのか、と聞いている。これに対してAhmad教授は、アメリカはアフガニスタンに対して長期的な戦略を持っているために、タリバンがまだ国に存在していることを既成事実化しなければならない。だから、アメリカはこのラジオ局を野放しにしているのだと答えた。

Hakimiは4月21日に『AP』に、アメリカが「シャリーアの声」の中継点を探しているはずだと語った。しかし「移動局」から放送されているために、探し出すことはできないと述べ、さらにプログラムは「周波数が感知されない」夜明けや夜中に放送されると、自信満々だった。「アフガン専門技師」が、局を「すべての危険から守れるように」設計したという。

《憂慮》

アフガン人の多くにとって、タリバン政権と関係のあるものを受け入れることは大きな矛盾であり、忌むべきことである。前タリバン幹部を政府に受け入れる、アフガン政府の和解案を支持する者が中にはいるだろうが、多くはタリバン式政治が復活することを望んでいない。

もしタリバンのラジオ局が再び定期的に放送され、放送エリアが拡大したら、民族的、個人的、政治的な理由でいまだにタリバンを支持している者たちのモラルが上がることは確かだ。治安を維持していたタリバンの能力を懐かしむ者たちは、大勢いる。

smellTaliban radio back on the air
Amin Tarzi


■タリバンリーダー、「恩赦を拒否」[050510 BBC]

タリバンリーダーのオマール師は、アフガニスタン政府の恩赦の申し出を拒否したと、タリバン報道官が述べたという。「安全の保障など必要ではない」と、タリバン報道官のAbdul Latif Hakimiが『ロイター』に語った。

月曜日にアフガニスタンの和解委員会は、オマール師に恩赦を与えることを発表していた。

《さらなる攻撃》

Hakimiは攻撃的な態度で『ロイター』に語ったという。「オマール師の命令で、我々は最近米軍に対する攻撃を強化した。今後もこれが続く」と述べた。(後略)

hoonTaleban leader 'rejects amnesty'


■民族の違い、アルカイダに亀裂[050510 AP]

アメリカとパキスタンの諜報部員が、アラブ人アルカイダと中央アジア出身の協力者との間に亀裂について調べていて、彼ら同士のあいだで隠れ家や武器、資金を奪い合い、イスラーム過激派組織に打撃を与えていると、対テロ高官が述べた。

先週逮捕されたリビも、この敵対関係の結果に逮捕されたという。彼はウズベク人と仲が悪かったことで有名だ。最近逮捕されたウズベク、チェチェン、タジークの容疑者たちがリビの行動に関する情報を提供したために彼の逮捕が実現したと、4人のパキスタン人諜報部員が述べた。

「何か問題が生じると、ウズベク人たちはウズベク人でまとまり、アラブ人はアラブ人になる」と、ワシントンのCongressional Research Service対テロ専門家のKenneth Katzmanが述べた。「ウズベク人ゲリラたちは、ずっと家がなかったはずだ。生存に関する戦いにつながる可能性がある」。

あるアメリカ高官は、アルカイダとその協力者たちは常に密着しているわけではないと述べた。また別の高官は、「亀裂はあるかもしれないが、我々の味方になる者はいない」と語った。

(中略)パキスタンのISI工作員によると、アルカイダと中央アジア人たちの緊張は、すでに2001年の終わり頃から生じていたと謂う。数百人のアラブ人アルカイダがアフガン国境を越えて、南北ワジリスタンに流入してきた時期である。

タリバンたちとともに戦っていた中央アジア人数百人も国境を越え、1980年代のソ連との戦い以来、ワジリスタンに住み着いていた同胞のもとに合流した。

パキスタン人高官によると、新たにパキスタンに入ってきた中央アジア人たちは、この地域に隠れていたアルカイダ系列の過激派組織、ウズベキスタン・イスラーム運動が所有していたレンガ作りの建物に住み着いた。いっぽうアラブ人たちはワジリスタンの別の町に落ち着き、シャカイに訓練所を開き、パキスタン人をここで育成していた。

中央アジア出身者はすでに数年間、何事もなくこの地域で暮らしていた。しかしアルカイダの流入で注目されるようになり、問題も生じるようになってしまった。同時にウズベキスタン・イスラーム運動は指導者を失ってしまう。司令官で組織の創始者でもあったジュマ・ナマンガニが、2001年の終わりにアメリカの爆撃で死亡したからだ。

彼を引き継いだのがタヒール・ユルダシュだ。彼は軍事リーダーというよりは、どちらかといったら経済的思想家だと、Congressional Research ServiceのKatzmanは語る。「自分たちの目的を主張する強力な人間を失ってしまったために、アルカイダのアラブ人リーダーに頼らざるを得なくなった」のだ。

2003年と2004年にパキスタン軍が過激派の取り締まりを開始すると、亀裂はさらに大きくなる。ウズベク人を筆頭に、中央アジア人たちはアルカイダのアラブ人たちと隠れ家や資源を奪い合うようになった。アラブ人たちは政治的にも経済的にも有利だった、とKatzmanは語る。

アルカイダ幹部が中央アジア人戦士を信頼しなかったために、さらにこの亀裂は深くなる。別のパキスタン人工作員は、中央アジア人たちは「アルカイダの歩兵だったが、昇進することはなかった。彼らは重視されていないと感じていたに違いない。中央アジア人たちは満足していなかった」。さらに「ビンラディンとザワヒリはアラブ人だけを信頼していた」と付け加えた。

両サイドとも別々に行動するようになり、同じ資金、武器、仲間につけるパキスタン人部族民を奪い合うようになる。逮捕されたウズベク、チェチェン、タジーク人戦士たちは、アルカイダよりもユルダシュに忠実だった。

パキスタンの諜報部高官は、ウズベク人たちにユルダシュについた語らせることは難しいと述べる。「アルカイダやその隠れ家についてのカギは、しぼりだすことはできる。彼らに対しては、それほど忠実ではなかった」。さらに逮捕された中央アジア人たちは、母国に送り返されることを恐れる。母国では、イスラーム過激派の取り締まりが厳しいからだ。

ウズベクやチェチェン人逮捕者から得た情報、さらにパキスタンやアメリカ諜報部員のスパイから得た情報から、パキスタン軍は2004年6月にシャカイのアルカイダ訓練所を攻撃することができたと、パキスタン人高官が述べた。

この作戦が転機となった。アルカイダ過激派を隠れ家から追い出し、探し出すことが容易になってきた。

Khalid Shaikh Mohammadの甥を含む過激派数人が、シャカイの作戦後にカラチで逮捕された。その後警察はコンピュータ技師のMohammed Naeem Noor Khanを逮捕し、彼のハードディスクドライブから、ヒースロー空港やアメリカの株関係施設などを攻撃する計画があることが明るみに出た。さらにNoor Khanの情報から、タンザニア人のAhmed Khalfan Ghailaniが逮捕された。リビの仲間である。

しかし、リビの逮捕がどのように実現したのかは、明らかではない。

内務省高官によると、リビは2004年8月にペシャワルで逮捕される直前に逃げたという。しかし、当局は彼の跡を常に追っていた。リビの携帯電話をアメリカの工作員が傍受し、パキスタン人に伝えた。そして、ブルカを被った女性に扮して待ち伏せる。マルダンで2人乗りバイクで墓地を走っていたところに、襲いかかった。

パキスタンの治安部高官は、ビンラディンとザワヒリはまだ逃走中だが、アルカイダに大きな打撃を与えたと自信満々だ。「アルカイダはパキスタンでは、もはや完全な組織としては機能していない」と、軍報道官のショーカット・スルタン中将が述べる。「組織は指令系統やコミューニケーションを必要とする。この両方をすでに破壊した」。

hoonEthnic Rifts Tearing at al-Qaida
PAUL HAVEN and KATHERINE SHRADER


■カブール、オマール師とヘクマチアルの恩赦をほのめかす[050510 Dawn]

アフガニスタンの和解委員会は月曜日に、タリバンリーダーのオマール師と軍閥のヘクマチアルには恩赦を与え、政治に参加することを許可すると述べた。アフガニスタンのIndependent National Commision for Peace会長のSibghatullah Mojaddediが、グアンタナモ刑務所にいる囚人に対してもこの恩赦は適応される、と述べた。

この恩赦の申し出は、カルザイ大統領の以前の声明とは矛盾している。カルザイはオマールやヘクマチアルをはじめ、150人の原理主義者たちには恩赦は適応されないと述べている。

Mojaddediは、オマール師に対するアフガニスタン政府の方針は変わったと主張し、自分の組織は誰に恩赦を与えるか、独自に決定する権限を与えられたと述べた。「これは独自の国家的委員会であり、政府の介入なしに活動する。政府は我々に完全な権限を与え、我々に協力してくれる」という。アフガン政府はこれに関して何もコメントしていない。

ソ連との戦争以来のムジャヒディン・リーダーのMojaddediは、オマールとヘクマチアルが政治に参加するのであれば、独立した個人として扱われるという。「武器を捨て、憲法を敬い、政府に従うという条件だけで、他の条件はない」という。「グアンタナモやカブール刑務所にいる者たちにも適応され、この件はアメリカとも合意している」と語った。

smellKabul hints at amnesty for Omar, Hekmatyar
KABUL


■パキスタンとアメリカの協力、国会でやりだまに[050510 Dawn]

グアンタナモ刑務所でクルアーンが冒涜されたという報道を受けて、月曜日の国会でパキスタンがアメリカとテロとの戦争に協力していることがやりだまに挙がり、野党はイスラマバードの政策の見直しを要求した。

野党のリーダーMaulana Fazlur Rehmanを始めとした野党陣営は、政府がイスラーム国家に圧力をかける欧米権力に協力しすぎていると非難した。「政策の見直しをしてほしい」と、野党のリーダーはイスラーム世界に圧力をかけるアメリカ主導の帝国主義を訴えた。

Maulana Fazlur Rehmanは、政府がアメリカとこの件について検討することを要求するいっぽうで、Pakistan Tehrik-i-Insaaf会長のイムラン・カーンは、ワシントンがこの件に関して謝罪しないかぎり、パキスタンの空軍基地を使用することを拒否するべきだと訴えた。

この論争は、『Newsweek』の最近号で、グアンタナモ刑務所で米軍がクルアーンを冒涜したという記事が報道されたあとに始まった。パキスタン政府はすでにこの件を非難する声明を出し、この恥ずべき行為に関して調査を要求している。 (後略)

hoonPakistan-US alliance under fire in NA
Raja Asghar、ISLAMABAD


■パキスタンにおけるアルカイダの戦い、準備万端[050510 Asia Times]

パキスタンの軍隊とアルカイダとの間には、過激派の仲介のもとで、約6ヵ月間和平が持続している。しかしアルカイダのリビ逮捕と国内の過激派組織の取り締まりとともに、これが台なしになった。

リビの逮捕のあと、国は警戒体勢に入った。このような体勢は3〜4日続くのが通常だ。しかしいまだに解除されていない。軍や治安関係の建物、重要人物、空港などが狙われているとみられている。

『Asia Times』が入手した情報によると、ムシャラフ政権は去年、北ワジリスタンからカラチに及ぶ広範囲の地域でごたごたがあったときに、アルカイダと秘密の取り引きを交わした。しかしアルカイダは、ムシャラフ排除を公言したのだ。

政府はアルカイダや外国人を追い出すために、南ワジリスタンで激しい軍事作戦を展開し、数百人の兵士が死亡する結果となった。部族民たちは軍に激しく抵抗した。陸軍内にも、大きな亀裂が生じてしまった。

(中略)アルカイダと関係がなくとも、少なくとも彼らに共鳴しているジハード団たちの力に気づいた政府は、彼らと和平条約を結ぶことにした。

ジア・ウル・ハクの息子で、宗教問題省の連邦大臣であるEjazul Haqが、和平交渉を締結する役に任命された。

当時、イスラマバードのラール・マスジッド(モスク)の影響力のある祈祷リーダーMaulana Abdul AzizとMaulana Abdul Rasheed Ghaziは、政府にアルカイダと関係したとして、またムシャラフ暗殺を企てたとして告訴されていたために、地下に潜っていた。Ejazul Haqはこの2人と接触した。Maulana Abdul Azizの父、殺害されたMaulana Abdullahは、ハク家と親しい。したがってEjazul Haqの保証のもとで、2人の聖職者に対するすべての告訴状は無効となり、再びイスラマバードのモスクやマドラッサに復帰することができた。

これと引き換えに2人はパキスタンの過激派たちに、政府機構や国家を攻撃しないように説得した。これに先立ちパキスタンの諜報部は、4つの州における諜報組織の事務所や州知事の家が、軍の車列に加えて、過激派の標的となっていることを知った。

この取り引きはうまくいった。過激派は行動を中止し、タリバンが熱心に戦っているアフガニスタンに目を向けるようになった。しかしこの取り引きは無に帰したのだ。

過去10年間、約60万人がジハード組織に関わっていると思われる。しかしその大多数が9.11以後、政府の圧力やその他の理由で、これらの組織から離れた。今5万人が過激派のアクティブ・メンバーとして活動しているといわれる。

ジハード組織はISIの落とし子だったが、9.11以後、政府に対立している。(中略)しかし今現在、アルカイダは過激派をリードしており、さらにタリバンのオマール師が、亀裂を修復しようと、動いている。

《考えうる戦略》

諜報部は、国に揺さぶりをかけているパキスタン人過激派組織を取り締まっている。これらの組織のなかには、ベナジール・ブット前首相の夫で、Pakistan People's Party(PPP)会長、アーシフ・ザルダリや、イスラーム協会の会長、カジ・フセイン・アーマッドも含まれている。イスラーム協会はパキスタンにおける最も重要なイスラーム政党である。(中略)

戦略は、イスラーム協会が国を混乱させ、PPPが政府に攻撃をしかけ、ムシャラフを追放するというものだ。

政府はMMAをなだめようとしている。しかし彼らはムシャラフ排除に結束して、人々を動員してキャンペーンを計画。政府のブットとの取り引きは暗礁に乗り上げている。したがってPPPもムシャラフに対して反旗を翻す予定だ。

さらに支配政党内にも大きな亀裂がある。地方選挙は現政党内の亀裂のために、遅延している。このような不穏な空気のなかで、テロ行為がさらに国に揺さぶりをかける。

garrAl-Qaeda's gloves are off in Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI


■前タリバン外務大臣、アルカイダを批判[050509 BBC]

ムタワキリル氏は釈放後、欧米の報道陣に初めてインタビューに応じた。

ムタワキル氏は3年間アメリカに拘束され、カブールで自宅軟禁となっていた。カブールでインタビューに応じ、タリバン時代の出来事については謝罪するつもりはないと述べたが、自分たちの外国の客人、ビンラディンとその仲間がアフガニスタンを窮地に追いやったことは認めた。

また前タリバン外務大臣は、アフガニスタンの文化に則するのであれば、女性の教育を認めたいと発言した。

アフガン政府と米軍は暴力に参加していなかったタリバンたちに、恩赦を申し出ている。しかしムタワキル氏によると、戦いは再び激しくなっているという。先週だけでも、70人が殺害された。

ムタワキルは、戦争を終わらせるためには、話し合いが必要だという。成功させるためには、タリバンたちがもし政府側についたなら、軽んじられることはなく、敬意をもって扱われることを信じなければならないと述べた。

《強過ぎる》

前タリバン外務大臣は、アルカイダのビンラディンは自分たちの目的のためにアフガニスタンのホスピタリティを利用し、アフガニスタンに苦難の時代をもたらしたと述べた。「我々の客人はあまりにも金持ちで、力がある。このことがいつもアフガニスタンの歴史的な問題になってしまう」と語った。「ロシア人、アラブ人、そして今はアメリカ人だけでなく、国際同盟軍やNATO軍がいる。今日の客人は、我々自身の軍隊と比べると力がありすぎる。技術的に強い」。

しかし今回は、もしアフガニスタンの代表が国家のために必要と認めるならば、アメリカが今後も国内に存在しつづける可能性はあるかもしれない、と述べた。

《小さな汚職》

ムタワキルは、現在の政府はタリバンから学ぶべきこともあると述べ、治安やケシ栽培、政府の汚職について言及した。

しかし女子の学校を禁止することに関しては、教育は受け入れるべきで、知識には男女の差別なく人間として必要だと、以前のタリバン政策とは異なった見解を示した。

hoonEx-Taleban FM criticises al-Qaeda
Kate Clark、Kabul


■リビ逮捕後、24人を逮捕[050509 BBC]

パキスタンによると、リビ逮捕後、治安部は24人のイスラーム過激派を逮捕したという。内相のAftab Sherpaoは、全国で過激派が逮捕者されたが、すべてがリビと関係があるわけではなかったと述べた。またリビの逮捕は、非常に大きな進展だったと主張。

しかしヨーロッパの諜報専門家は、リビはアルカイダのNo.3ではなく、単なる中間幹部だったと述べている。

Sherpao内相は、南ワジリスタン、ラホールなどで、地元民や外国人過激派が逮捕されたと語った。またパキスタン国内におけるアルカイダの作戦は、当初想像していたものより複雑だったとも述べた。彼によると、治安部はリビや以前に逮捕された者たちから得た情報に基づき、アルカイダのパキスタン内での活動の全体像を整理しているという。

Sherpaoは、3年前の対テロキャンペーン開始以後、パキスタン当局が20近くのイスラーム過激派を取り締まったと述べた。そのうちの最後のものは、リビの組織だったという。これは大きな成果ではあるが、今後も注意を必要とすると述べた。

(中略)しかしリビの重要性を強調するパキスタンに反して、ヨーロッパの諜報専門家は別の見方をする。

フランスの専門家Jean-Charles Brisardがイギリスの『Sunday Times』に、「リビは単なる中級リーダーだ。パキスタンとアメリカは彼の重要性を過大評価している。アルカイダとパキスタンの過激派との間の、橋渡し役でしかない」という。リビは別のリビア人で、FBIの指名手配者となっているAnas al-Libyに比べると、重要ではないという。Anas al-Libyは、東アフリカの大使館爆破事件と関連したとして、指名手配になっている。

アメリカ諜報部は当初、この2人を混同していたという情報もある。『Sunday Times』がビンラディンの元関係者にリビについて尋ねたところ、「私が覚えているかぎり、彼はコーヒーを入れ、複写機でコピーをとっていた」と答えた。

hoonSwoop nets 24 after Libyan arrest


■アフガニスタン東部で14人死亡[050509 AP]

米軍がアフガニスタン東部で抵抗勢力と衝突、抵抗勢力12人と海兵隊員2人が死亡したと、軍が月曜日に発表した。

軍によると、Laghman州で約25人の抵抗勢力たちと戦闘になったという。戦闘機も出動した。Laghmanは麻薬生産地でもある。

海兵隊は「抵抗勢力の存在を確認し、戦闘になった」となり、「海兵隊員2人が死亡した」と発表した。また米報道官によると、抵抗勢力12人も死亡したという。

(中略)米司令官は抵抗勢力たちを激減させていると主張し、パキスタンの国境付近に住む村人たちに、彼らを匿わないよう、説得しているという。また9月18日に予定されている国会選挙のあと、軍をある程度撤退させることを示唆している。しかしこれはタリバンに戦いを止めさせる、和解計画のはかどり具合次第だという。

hoon14 Killed in Fighting in East Afghanistan STEPHEN GRAHAM、KABUL


■ミランシャーの車爆発で、部族民2人死亡[050509 Daily Times]

ミランシャー近くの村で車爆弾が爆発し、部族民2人が死亡した。

爆発は夜明け前、Khushali Torikhelに向かう道路で発生した。犠牲者の1人はSamiullahで、もう1人のMadakhel Wazirは彼の客人だったという。

2人は村に向かう途中だったという。「2人が車で爆発物を運んでいたのか、あるいは誰かが爆弾を投げ込んだのか、現在捜査中」だという。

hoonTwo tribesmen killed in car bomb blast in Miranshah
MIRANSHAH


■テロ容疑者、兵士だった[050509 Daily Times]

爆発物を運んでいたとして土曜日ラワルピンディで逮捕された男は、パキスタン軍の兵士だったと、ラワルピンディ警察が日曜日に発表した。

Imtiaz Hussainはムザファバード基地の陸軍兵士で、休暇のために、実家があるSargodhaに帰省する途中だったという。取り調べによると、彼ラワルピンディの繁華街に爆弾を仕掛ける予定だったという。警察は、彼が荷物の中に隠し持っていた爆発物を押収した。

軍報道官のShaukat Sultanは、陸軍兵士が逮捕され、現在取り調べを受けていることを確認した。Shaukat Sultanによると、Hussainは自宅を建設するために爆発物を所持していたという。「ムザファバードの建設請負会社から爆発物を運んでいた。爆発物を、テロ行為に使用しようとしていた証拠は何もない」という。

smellAlleged terrorist a soldier
ISLAMABAD


■「自白剤」にも口を割らず[050509 Daily Times]

アジズ首相によれば、先週逮捕されたアル・リビの取り調べは「うまくいっている」ということだが、これを疑問視する声があがっている。

高官によると、「身体的なプレッシャー」をかけているにもかかわらず、リビは有益な情報を提供していないという。

逮捕時にリビが持っていた衛星電話から、数十人のアルカイダ容疑者が先週逮捕された。しかしアメリカとパキスタンの諜報部員たちは、ビンラディンやザワヒリの居場所はいまだにわからないという。

ある諜報部幹部は、「具体的な情報は何も得ていない。口が堅いのか、あるいは何も知らないのか、今のところ判断できない」という。

アル・リビは叩かれ、いわゆる「自白剤」を注射されたという。「あらゆる方法で自白させようとしているが、何も語らない」という。

パキスタンは、リビをアメリカに直接引き渡すことはないと述べているが、政府高官によると、イギリスの諜報部員が、取り調べに参加する可能性はあるという。「彼にすっかり自白させ、国内でテロ行為が計画されていないことが明らかになった時点で、そういうことはありうる」という。

リビはムシャラフ暗殺とともに、アメリカとイギリスのアルカイダの“スリーパー ・セル”を取り仕切っていた容疑がかけられている。イギリスを根拠地とする3人の過激派がロンドンからパキスタンに渡り、イギリスにおけるテロ計画を話し合ったといわれている。(後略)

hoon'Truth drug' fails to get Libbi talking
LAHORE


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