【2005年5月30日〜6月5日】


■ビンラディンが「撃つ許可をくれた」[050605 Sunday Times]

ビンラディンの前ボディーガードが、アルカイダのリーダーが3回にわたって暗殺されそうになったこと、母国のサウジに帰ること拒否したことについて語った。

1995〜2000年の間、ビンラディンのボディーガードだったというイエメン人のAbu Jindalは、ビンラディンが敵につかまりそうになった場合、彼を殺害する権限を与えられたと述べた。「この権限を与えられた、唯一のボディーガードだった」と、イエメンで、ロンドンで発行で発行されているアラビア語新聞al-Quds al-Arabiとのインタビューで語った。

「毎晩、2丁の銃の手入れをした。もしビンラディンが包囲され、逃げることができない場合、彼が生きて捉えられる前に、私が彼を殺害することになっていた」という。

Abu Jindalによると、ビンラディンはこれまで3回、暗殺されそうになったという。最初は1998年のことで、若いウズベク人青年が200万サウジ・リヤルの報奨金を与えられて、サウジから送り込まれたという。「彼は18歳だった。見破られると『過ちを犯した』と言って号泣した。ビンラディンは彼を見逃した」。

ジャララバードで再び暗殺されそうになったために、オマール師がビンラディンにカンダハルに移るように勧めたという。ビンラディンとその家族は、常に14〜16人に守られていたらしい。

サウジ人たちは数回ビンラディンをサウジに呼び戻そうとした。「ある時、サウジ政府は特別機を飛ばして、彼の母親と異母兄弟をカンダハルに送った」という。

また別の時は、サウジの現ロンドン駐在大使であるトゥルキ・アル・ファイサル王子を送り、ビンラディンを連れ帰ろうとした。「しかし特使団は、ビンラディンなしで戻った」という。

本名をNasir Ahmad Nasir al-Bahriというこの前ボディーガードは、イエメンに戻ってから数年服役し、今は自由の身である。諜報部により、監視されているという。

hoonBin Laden 'gave me licence to shoot him'
Nick Fielding


■あるムスリムのグアンタナモへの旅[050605 New York Times]

9.11の2ヵ月後、パキスタン警察はペシャワルをバスで旅していたドイツ出身の19歳のムスリム、Murat Kurnazを逮捕した。

警察はドイツ生まれでトルコ市民のKurnazを、パキスタンにいた米軍に引き渡した。そこから彼はアフガニスタンに送られ、テロ容疑者として拘束された。

Kurnazはアメリカのアルカイダとタリバンに対する戦争が開始された、ちょうど悪い時期にパキスタンにいたようだ。彼は、抵抗勢力たちを助けるためにリクルートされたムスリム戦士なのか? 9.11の首謀者たちがいたハンブルクから、1時間離れたドイツ北部出身の宗教熱心な若いムスリムだったという事実により、アメリカは彼がテロリストだと疑ったようだ。

Kurnazのアメリカにいる弁護士によると、アフガニスタンにいた取締官たちは、彼がモハメット・アタの部下だと考えたようだという。アタとの関係は出てこなかったが、Kurnazはグアンタナモ刑務所に送られ、すでに敵の戦闘員として、3年間拘束されている。彼がテロリストである証拠は、アメリカへのテロ行為を支持するイスラーム過激派組織の客だったという事実のようだ。

Kurnazは、別のブレーメン出身のトルコ人の親友Selcuk Bilginとともに、パキスタンに旅することを計画していたことがわかっている。Bilginは米軍のKurnazに対する取り調べからわかった事実として、自爆したことがわかった。

しかし最近になってKurnazについての告訴内容の詳細がわかってくると、KurnazとBilgin両方の取り調べを実施したブレーメンのドイツ人高官は、アメリカの結論に意義を唱えた。

驚いたことに、Bilginが自爆を遂行したというアメリカの主張に対して、ドイツはこのような事実がないことを証明できるというのだ。

「彼はここに住んでいる」と、ブレーメンの犯罪捜査官Uwe Picardがインタビューで語った。「彼はまだ生きている」。さらにアメリカの書類にも、Kurnazに対する証拠のほとんどは、彼を犯罪者にするよりも、無実である可能性が大きいことを指し示していることがわかる。

Kurnazaを敵の戦闘員と決めつけた去年の決定によると、彼に関する機密ファイルによるところが多く、ここに彼とアルカイダとの関係が記されていることを示す。

しかし連邦裁判所裁判官のJoyce Hens Greenは、R-19と呼ばれる、Kurnazをアルカイダのメンバーだと訴えるただ1つの書類があるだけだという。彼女によると、この書類には十分な証拠はなく、重要な機密書類としての価値はないという。

裁判官のGreenkの機密ファイルの概略は、3月に『ワシントン・ポスト』紙に報道された。Kurnazが無罪である諜報情報が含まれ、彼がグアンタナモに拘束される理由がないことを指摘。(中略)それでいてKurnazはいまだにグアンタナモにいて、「証拠により、Kurnazは敵の戦闘員で有罪」と結論づけた。

Kurnazの拘束理由を訪ねると、ペンタゴン報道官のAlvin Plexicoは、「彼に関する情報をすべて調べるCombatant Status Review Tribunaが、彼を敵の戦闘員であると結論づけた。彼らは私やあなたたちよりも、裁判官としてはすぐれている」というのだ。

しかしKurnazに対する捜査には、アメリカと戦った、あるいは戦う計画を立てたという証拠は何も出てこない。

Kurnazはブレーメン生まれだが、トルコ国籍のままだった。なぜなら30年前にドイツにやってきた両親も、トルコ国籍のままだったからだ。ブレーメンで育ち、17か18になったころ、熱心なイスラーム教徒になった。髭をはやして、アラブのモスクに行くようになった。

9.11の3週間後、パキスタンに行くことにした。目的は、イスラームについての知識を深めるためだったという。Bilginも旅に同行する予定だった。しかしBilginは国境警察にこの件とは関係のないある罰金を払っていなかったので、出国できなかったのだ。警察官のPicardが家族に連絡して、Bilginの代わりに罰金を払らわないか尋ねると、家族は、彼がパキスタンに行ってアメリカと戦うために過激派に参加することを恐れているために、払いたくないといったという。

この発言のためにPicardは、BilginとKurnazがいつも訪れていたAbu Bakrモスクとの関係を調査しはじめたのだ。

「もちろん、Kurnazがモスクの宗教指導者によって、原理主義を叩き込まれたのではないかと疑った」とPicardは述べる。ある高官によると、ドイツの諜報部員は、Abu Bakrモスクのあるメンバーが、アルカイダ組織のために人材をリクルートしていたことを突き止めたという。そしてその1人がKurnazだったと考えるのは当然のように見えた。

しかしPicardは、モスクの捜査から、そこにいたムスリムをアメリカと戦わせるためにリクルートしたという事実は何も出てこなかったと述べた。Abu Bakrで「憎しみを教えているというような噂が立つ。でも、証拠はないのだ」。

Bilginはドイツを離れることはできなかったが、Kurnazは2001年3月にパキスタンに出発した。その3週間後にパキスタンに逮捕される。ペシャワルで、バスの乗員検査に引っかかったのだ。パキスタン警察はKurnazを約1週間拘束してから、パキスタンにいる米軍に引き渡した。そこからアフガニスタンのバグラム基地に送られ、最終的にグアンタナモに連れて行かれた。以後、ここにいる。

Dockeによると、「我々にとって大事なのは、彼は武器を所持していなかったこと。そしてパキスタンで逮捕され、アフガニスタンではなかったこと。そして、パスの乗員検査でパキスタンの警察に逮捕されたことだ」という。

しかし彼がパキスタンにいたことで、米軍に容疑かかけられてしまった。また過激派組織Tablighi Jamaatの客人であったことを自ら話したことも、疑われた理由だ。この組織はパキスタンとバングラデシュを根拠地とし、謎に包まれた原理主義的使節団をヨーロッパに送り込んでいる。

このリンクとBilginとの関係が、彼を「敵の戦闘員」と決めつける要素になった。

Tablighi Jamaatがアメリカにテロ攻撃をするという記録はまったくない。イスラーム過激派やテロを支持しているという記録も、ないという。ある説では、アフガニスタンにおけるロシアに対抗するムジャヒディンを支持していたとか、カシミールの過激派を支持しているという噂もある。しかしKurnazに関しては、彼がこの組織から無料で食料を受け取り、寝場所と教育の場を提供してもらったという事実があるだけである。

Kurnazはパキスタンではモスクからモスクに移動していたが、同じような旅をする者のなかには、原理主義者に接触することが多くなり、過激派組織に魅了される者も出てくるという。

しかしTablighiについて詳しいAmherst Collegeの宗教学教授のJamal J. Eliasは手紙で、Kurnazの旅は敬虔なムスリムが辿る道であり、テロリストとしてリクルートされたことを示す事実は何もないと述べた。

hoonOne Muslim's Odyssey to Guantanamo
RICHARD BERNSTEIN、BREMEN


■アフガン国会選挙立候補者の非武装化の最終期限は7月[050605 AFP]

アフガニスタンの選挙委員会は、国会選挙の立候補者たちは、7月1日までに武装組織との関係を絶たなければならないと発表した。

立候補者たちは、7月1日までに「完全に非武装化し、武装組織との関係を絶たなければならない」と、カブールの選挙管理委員会報道官のSultan Baheenが述べた。18歳以上のアフガン国民は、国会選挙に立候補ができる。いっぽう地方議会の年齢制限は25歳以上である。(後略)

hoonAfghanistan sets July deadline for parliamentary candidates to lay
down guns KABUL


■インド、パキスタンとイランのガスに関して協力するつもり[050605 Reuters]

インドは40億ドルといわれるイランのガスの値段の交渉に、ライバルのパキスタンと協力するつもりだという。

石油大臣のMani Shankar Aiyarは、インドのディーゼル輸入に関しても、イスラマバードを説得すると述べた。「我々は両方ともガスのバイヤーだ。適切な値段の交渉することが、両国の利益になる」と、インド石油省高官が『ロイター』に述べた。

パキスタンの石油天然資源省のAhmad Waqarは、話し合いについては楽観的な態度を示したが、インドと協力してガスの値段の交渉することに関してコメントすることは、まだ時期尚早だと述べた。(後略)

hoonIndia aims to team up with Pakistan for Iran gas
Himangshu Watts、ISLAMABAD


■アフガン、タリバン戦士逮捕[050605 BBC]

タリバン幹部司令官がアフガニスタン西部でアフガン国軍に逮捕されたと、アフガン軍高官が述べた。

アフガン軍と米軍に攻撃を繰り返していたHaji Sultanが、ファラ州で逮捕された。タリバン幹部高官、Mullah Mohammed Rahimも逮捕されたという。

アフガン国防省スポークスマンのZahir Azimyによると、アメリカから指名手配になっていたHaji Sultanは、オマール師の居場所について取り調べられるとみられている。

hoonAfghans hold top Taleban fighter


■アフガニスタンのモスク爆発容疑で1人死亡、5人逮捕[050604 AFP]

アフガン治安部隊は、今週21人が死亡したカンダハルのモスク爆破事件と関連して、容疑者1人を殺害、5人を逮捕した。

金曜日の夜、チェックポストで止ることを拒否したバイクに乗た男が射殺された。「爆弾事件と関連して、5人を逮捕した」と、Panjwayi地域の責任者Mohammed Sarhadiが述べた。(中略)

警察やアフガン国軍数十人とともに、諜報部員たちが調査に乗り出したと、ある高官が述べた。この高官によると、自爆犯はアルカイダ系列組織の5人チームの1人で、政府やアメリカを標的とするために、カンダハルに潜入していたという。

「彼が1人ではなかったという諜報情報があった。5人のチームだった。1人が自爆したために、残りを探していた」という。(後略)

garrOne killed, five arrested in hunt for militants behind Afghan mosque
blastKANDAHAR


■米兵、アフガンの爆発で死亡[050604 BBC]

米兵2人がアフガニスタン南東部で、道路に仕掛けられた爆弾で死亡したと米軍が発表した。

金曜日、車列がパクティア州を移動しているところを爆破された。別の米兵とアフガン人通訳が負傷した。車列はウルグンのGayan村から、戻ろうとしていた。今のところ犯行声明は出ていない。

garrUS soldiers die in Afghan blast


■パキスタンとアフガンの流血事件に、アルカイダの影[050603 Reuters]

パキスタンとアフガニスタンでここ数週間立て続けに起きている自爆事件は、アルカイダ系組織の仕業であり、ビンラディンの組織がいまだに大きな脅威であることを誇示するためのものだと当局は見ている。しかし高官やアナリストたちは、事件が1人の人間によって首謀されたかどうか結論づけるためには、まだ詳しい捜査が必要だという。

水曜日にアフガニスタンのカンダハルのモスクで自爆事件が発生したが、モスクにおける自爆攻撃は、これまでアフガニスタンでは例がない。カラチのシーア派のモスクで起きた自爆事件の2日後、イラスマバードのムスリムの祭典でおきた自爆事件の5日後である。

パキスタン人編集者でコメンテーターのNajam Sethiは、一連の攻撃はブッシュの盟友であるムシャラフとカルザイを、窮地に追いやろるためのものだと述べる。「これらの事件には、何らかの関係があると思う。しかし1人の絶対的リーダーが裏で操っているというわけではない。ビンラディンがやっているというわけではないだろう」。

カンダハル州知事Gul Agha Sherzaiは、自爆犯がアラブ人の風ぼうをしていたために、事件はアルカイダの仕業と述べた。パキスタン諜報部高官は、パキスタンの2つの事件はラシュカレ・ジャングヴィの仕業だと述べた。この組織は、アルカイダと近い過激派組織である。事件は、先月リビが逮捕されてから頻発している。

《いまだ脅威》

パキスタンの諜報部高官は、アルカイダが、自分たちにはまだムシャラフを攻撃する力があることを誇示しようとしていると見る。「パキスタンとアフガニスタンの自爆攻撃は、リビ逮捕の反動である可能性がある」という。

しかし、すべての攻撃に関連性がある証拠はない。「どちらともいえない」と、パキスタンの戦略アナリストのShaukat Qadirが述べた。(中略)

アフガニスタン専門家のパキスタン人、ラヒムッラー・ユースフザイ氏は、反タリバン宗教指導者のAbdullah Fayazが、パキスタンの親政府部族リーダーFaridullah Wazirと同じ日に殺害されていることを指摘する。「アフガニスタンとパキスタンの両方で、特定の人物を標的にする殺人が行なわれている。イラクと同じだ。しかし、必ずしもそれぞれ関連があるとは限らないだろう」という。互い関連がなくても、それぞれ影響を及ぼしあい、似たような残虐な作戦を用いるようになった。「非常に危険な傾向だ」。

garrAl Qaeda links seen in Pakistan, Afghan bloodshed
David Brunnstrom、ISLAMABAD


■部族地帯の村で2人逮捕[050603 News]

水曜日から木曜日にかけて、パキスタン軍が北ワジリスタンの村を家宅捜査して、若者2人を逮捕した。軍の声明では、4人が逮捕されたという。

これに対して、地元の宗教指導者や部族長が政府に対して抗議した。行政側に提出された書簡によると、部族民たちは全員でどこか別のところに移動するので、政府は武装勢力の捜索を自由にすればいいと申し出た。

軍報道官のショーカット・スルタンは『News』に、この件で地元民4人が逮捕され、取り調べを受けていると述べた。軍はこの地域に抵抗勢力がいるという情報を得たために、行動したという。

ミール・アリ町から3キロ南のHassukhel村と6キロ離れたKhushaliの住民たちは、軍は木曜日の朝の2時にやってきて、村を捜索したという。2村で同時に捜索が開始されたようだ。

目撃者によると、Hassukhel村のそばのMullagan、Barakhel、Misaqqi村でも同じような捜索があった。これらの村にはDaur族が住んでいる。しかしZabihullahとSajjadの2人の男だけが逮捕され、ミール・アリに連れて行かれたらしい。村人によると、以前Zabihullahの兄弟も逮捕されたことがという。(中略)

部族の情報源によると、パキスタン軍の奇襲部隊が10台の車に分乗して、ミール・アリに進駐したという。

いっぽう宗教指導者たちと部族長の使節団がミール・ワリに赴き、自分たちに事前に知らせることなしに作戦を行なったことに対して抗議した。たった2〜3人を逮捕するために、村に数百人の兵士で家宅捜索をすることは間違っている、と主張した。必要であるならば、政府が探していた2人の容疑者を、自分たちで引き渡すことができたという。さらに全員でイスラマバードにでも移るので、軍はこの地域を自由に捜索すればいいと述べた。

これとは別に、武装した男がLwara Mandai Bazaarの親政府派の長老を銃殺した。目撃者によると、Sakhi Marjanは自分の店で座っていたところ、車に乗ってやってきた何者かに銃殺されたという。Marjanはアメリカのスパイだと、警告されていた。

garrTwo arrested as troops search tribal villages
MIR ALI


■部族民は魚のようにアルカイダ容疑者を売った[050602 Daily Times]

300万ドルを持ってアフガニスタンに到着したCIA工作員は、部族の長老たちを買収して、アルカイダやタリバンを引き渡させたという。

32年間CIAに勤めたベテラン高官の記録は、庇護を求める者は決して敵に売らないとする、アフガニスタンやパシュトゥン神話を崩すものといえる。現金で売買された者の多くは、無実だったようだ。

『AP』によると、前CIA高官で最近著書を発表したGary Shroenが、ドスタム将軍のような軍閥は札束を受け取った述べたという。「ドスタムの部下たちがタリバンやアルカイダ多数を捕えたために、報酬のようなものだった」らしい。

『AP』は、グアンタナモで行なわれた捜査や裁判の膨大な記録を、情報公開法に基づいて入手した。

この公開された記録よると、グアンタナモで拘束されていた多くの者たちは、買収による密告で逮捕されたという。パキスタンにいたアフガン難民だったという1人の男は、アメリカから金を受け取るためにパキスタンの諜報部にはめられたと訴えた。『AP』に、「刑務所にいたときに、金を払うようにいわれた。もし払わなかったら、虚偽の証言をしてアメリカに売り渡し、キューバに送り込む」と言われたという。「その後、2ヵ月と20日間拘束され、虚偽の書類をでっちあげて私をアメリカに売った」と語った。

別の囚人によると、2001年にドイツに向かう途中で捕まり、「スーツケース一杯の金」で売られ、アフガニスタン経由でグアンタナモに送られたと述べた。「アメリカ人がアラブ人を探していることを、誰でもが知っていた。だからアラブ人を捕まえて売る。まるで魚や貝を売るのと同じだ」。ヨーロッパにいた「マフィア」に捕まったのだという。

サウジのビジネスマンと名乗る囚人は、「パキスタン警察が金で買収され、アメリカ人に売られた」と主張。「アフガニスタンとの国境近くにいた外国人やアラブ人に対する取り締まりの一環だった。自分はアフガン難民を援助するために2001年11月にパキスタンに行っただけだった」という。

『AP』によると、賞金は3000〜2万5000ドルだったらしい。ある囚人によると、戦闘員と思われるアラブ人たちが、アフガン人たちに案内されてパキスタンとの国境に連れて行かれた。「パキスタンに入ると部族民たちがいて、家でご馳走してくれた」。その晩モスクに連れて行かれ、そこにアラブ人100人ほどがいた。食事を済ませると、10人のグループに分かれてトラックに乗るように言われ、パキスタンの刑務所に連れて行かれた。さらにそこでアメリカ人に引き渡され、グアンタナモに連れて行かれたという。「パキスタンに行くと、地元の者かちがまるで兄弟のように扱ってくれて、食事をふるまってくれた」と別の囚人が述べた。しかしその直後にパキスタンの刑務所に連れて行かれ、「1人5000ドルでパキスタン当局に売られたことを知った」と語った。

釈放されたクエート人によると、ドスタム将軍が彼らをパキスタン人に1人5000ドルで売り、パキスタン人たちが今度はアメリカ人に売ったという。「パキスタン人は、サウジ人をサウジ政府に売ったと聞いた」という。

報告によると、「パキスタンはアメリカに数百人の容疑者を引き渡したというが、ラシッド情報相は『AP』に、『金を受け取った者は1人もいない』と述べた」としている。

アメリカの国防省、法務省、CIAは、囚人たちが金で売買された事実があったことは知らないと述べた。

さらにウイグル人とみられる中国人ムスリムの囚人は、100人のアラブ人とともにパキスタンの部族民に裏切られたと説明した。中国からの独立を勝ち取るために、アフガニスタンで軍事訓練を受けていると、米軍にキャンプを爆撃された。トラボラ近くに隠れ、パキスタン人の部族民に匿ってもらった。しかしその後、アメリカに売られたという。

garrTribesmen sold Al Qaeda suspects to US like fish
Khalid Hasan、WASHINGTON


■ムシャラフは知らないかもしれないが、ビンラディンはパキスタンにいる[050602 Daily Times]

つい最近アフガニスタンについての本を出版したCIA高官のGary Schroenは、ビンラディンはパキスタンにいるが、ムシャラフはこのことを知らないかもしれないし、知りたくもないだろうと述べた。

このベテランCIA高官によると、「20年間パキスタン軍やISI高官と仕事をしてきたことから、推察される。ある者たちは、おそらくISIの大佐のランクの者たちのなかには、ビンラディンが今どこにいるか、知っている者がいるはずだ」。

CNNの報道によると、Schroenは9.11以後アフガニスタンに派遣され、ボスのCofer Blackに「ビンラディンの頭をドライアイスに詰めて送り返せ」と命じられたという。Schroenの著書、『First In: an insider's account of how the CIA spearheaded the war on terror in Afghanistan』は非常に「興味深い」という評判である。1998年と99年に2度ビンラディンを逮捕する計画をたてたが、両方ともCIAとホワイトハウスに却下されたという。

Schroenのアフガン・ミッションは「Jawbreaker」と名付けられ、現金をばらまき、CIAやアメリカの特殊部隊の協力で空爆を行なって、タリバンを崩壊させた。トラボラを攻撃すると、ビンラディンはパキスタンに逃げ込んだ。Schroenによると、ビンラディンは「ペシャワル北部の部族地帯に隠れている。米政府も米軍も、ムシャラフ政権からこの地域には入り込むことを禁じられている」という。

Schroenの見解では、パキスタン軍はペシャワルの北部に行かずに南ワジリスタンで作戦を行なったために、作戦は失敗したという。パキスタン軍は「大きな打撃を受けた」という。「ビンラディンがそこにいないことを、知っていたはずだ。したがって、アルカイダ工作員数人を逮捕して、我々を喜ばせたのだ」。

CNNによると、ムシャラフはビンラディンの居場所を知らないだけでなく、知りたくないのだと、Schroenは言ったという。もしビンラディンを殺害あるいは逮捕したら、パキスタン北部の部族地帯は大変なことになる。「タリバンはあの地域では人気がある。ビンラディンは彼らにとっては英雄だ」。アメリカがいくら賞金を懸けても、ビンラディンが逮捕されることはないだろうという。「その場所にいる限り、彼を逮捕することは不可能だ」。

Schroenの見解は、『AP』が明らかにしたドキュメントとは食い違う面がある。『AP』によると、アルカイダやタリバン多数が、現金で買収されたパキスタン人やアフガン人に売られたという。

Schroenによると、アメリカのもう一つの重要な仕事は、ビンラディンを捕らえるために有効な方法をムシャラフに指し示すことだという。その第一段階として、ムシャラフは軍内部や諜報組織から、これまで以上に情報を取得することだという。「共同体から出ることなしに、1人の人間がこれほどまで長いこと隠れることはできない。したがって、ISIや軍の中には、彼の居場所を知って入る者がいるはずだ」。

hoonMusharraf may not know, but Osama's in Pakistan
Khalid Hasan、WASHINGTON


■数年に及ぶアメリカの圧力にもかかわらず、タリバン、戦い続ける[050601 New York Times]

ここ数週間、タリバンがそこかしこの山々で目撃されている。Patrick Brannan軍曹とそのチームが、近くの村で発生した殴打事件を調べに出かけるときには、こんなひどい戦いになるとは夢にも思っていなかった。

5月3日、警察官10人と通訳を伴った隊は、60〜80人のタリバンたちに出会い、ロケットや銃で攻撃された。応援を要請した軍曹は、彼らが到着するまでタリバンを引きつけておくように指示される。「でも6人しかいないんだ」と、答えたことを覚えている。

それから2時間半、イラクで1年の戦闘経験があった彼の小さな部隊は、タリバンの逃走ルートを遮断した。タリバン約40人とアフガン警察官が死亡した。「ふだんここではこんなことは起こらない。イラクでもこんなすごい戦いは見たことなかったと、隊の諜報官のMike Adamski司令官が述べた。

6ヵ月前、アメリカやアフガン高官は、タリバンの弱体化を予測していた。しかしザーブル州やカンダハル、ウルズガン州の一部ではいまだに激しい戦いが続いている。この約100平方マイルにおよぶ谷部で、タリバンは金、人材、武器を潤沢に持っている。5月3日の戦いは、最も激しい戦闘だった。(中略)

あるアフガン人情報源によると、パキスタンから侵入してくる志願兵のために、タリバンは増加しているという。5月3日に死亡したタリバン1人ひとりにとってかわり、新たなタリバンがやってきた。豊富な人材、武器を持ち、タリバンは勝てなくても、攻撃を続ける。援助団体を追い出し、無法地帯が後に残るのだ。

4月と5月に、アメリカは新たな作戦として、これまでは手を出していなかった、新たな地域に乗り込んで行なった。そしてこの間、この3年のあいだで最も激しい戦闘があり、60人以上のタリバンを殺害したという。

この春、ザーブルのLagman基地に到着した第503空挺歩兵隊は忙しかったと、Jonathan Hopkins司令官は述べた。3月中旬にタリバンはKhak-e-Iranにあった本部に放火し、4月15日にはデイチョパンで奇襲攻撃をかけてきた。4月18日にはArgandabで米軍特殊部隊が戦闘に巻き込まれ、タリバン中級司令官8人が殺害された。さらに4月21日と22日には、タリバンはArgandab地域のSaigazにある警察の建物を攻撃した。「30〜60人の戦闘員からなる、3〜4の隊がある。全部で120〜240人だ」と、Adamski司令官はみる。

5月3日の戦いでは、Brannan軍曹の隊と遭遇した60〜80人のタリバン戦闘員は完全武装し、準備万全だった。彼らはアメリカ人たちが配置している位置から150ヤード接近し、ロケット推進型の手投げ弾で装甲した車2台を破損させた。

援護のために到着したアリメカのヘリコプターにも攻撃してきたために、ヘリコプターは旋回を余儀なくされた。「戻ってくるまで15〜20分は時間がかかった」と、Brannan軍曹が述べた。

戦闘は7時間に及んだ。タリバン10人が逮捕され、アフガン警察官5人と米兵6人が負傷。この戦闘を指揮していたのは、タリバン司令官のMullah Abdullahだったという。Mullah Abdullahは部下のSangaryarとともに、川に飛び込んで逃げたらしい。

戦いのあと、タリバンは地元の人間に、死者を埋葬するように要求した。19人の遺体を埋葬したときに、Mullah Abdullah司令官とその部下もいた。19人のうちの14人が、この司令官の部下で、全部隊だった。

しかし、この戦いの噂はすぐに広まった。そしてパキスタンから数十人の戦闘員たちが、欠員を補充しにやってきたという。Abdullahは、いまや40人の部下を持った。この地域には彼のほかに、3人のタリバン司令官がいる。Mullah Muhammad Alam、Mullah Ahmadullah、Mullah Hedayatullahである。全部で200人の戦闘員がおり、パキスタンにはまだ人材が待っている。

ある村人によると、彼はMullah Abdullahを良く知っていて、家に招いたこともあるという。しかし4月にMullah Abdullahとその部下に拘束され、アメリカのスパイだと非難されたという。携帯電話とライフルを取りあげられ、殺害すると警告された。しかし同じ部族に属していたために、解放してくれたという。

Kyle Shuttlesworth軍曹によると、米軍はパキスタンから男たちが入り込んでくるのを目撃しているが、武器を持たずに入ってくるために、拘束できないのだという。「どこで彼らが武器を入手するのか、調べている」という。

パキスタンが、抵抗勢力たちを援助していることを非難する者もいる。アメリカの同盟であるにもかかわらず、ここにいるアメリカ人たちは、パキスタンを疑いの目で見ている。

「外国が介入しなければ、タリバンは終わりだ」と、デイチョパン地域の責任者Mullah Zafar Khanは語る。パキスタン側にいる宗教指導者をはじめとする者たちが、若者たちが戦いに参加するように呼びかけていることを非難する。「パキスタンは誤った情報を与え、ジハードに行くように呼びかけている」というのだ。州知事のDelbar Jan Armanは、地元の部族民を団結させ、政府を強化することが唯一の答えだという。タリバンは権力の真空状態から力を得ているからだ。「タリバンに力があるからではない。政府の力が、この地域では強くないのだ」。

Shuttlesworth軍曹は、作戦の一部は、地元の人間を巻き込むことだという。再建プロジェクトの一環で援助物資を分配して仕事を提供することが功を奏し、タリバンに関する情報を提供する者たちが増えてきたという。

米兵たちは、攻撃的な態度から親密的な態度に、態度を変えることを学ばなければならないという。「電気のスイッチを切ったり入れたりするように」。時間のかかる、難しい仕事だ。Gazek Kulaでは、米兵たちはなかなか社会に受け入れられなかった。

翌日Shuttlesworth軍曹と隊司令官のJoshua Hylandは、数日間村人とおしゃべりをした。最初子供たちは、クッキーを手に取ろうともしなかった。「タリバンはここにはいないから、戦闘はない」と、Shuttlesworth軍曹は村人に言った。「みんなと話し合い、食料が十分あるか、子供たちが健康かを見に来たのだ。数日しか留まらない。いやがらせをするために来たのではない」。

村人たちは、タリバンはしばしばやってきては、食料を要求すると述べた。「1晩だけやってくる。治安に問題はない」とある村人は述べた。他の者は、タリバンにバザールに集まるようにいわれ、学校を運営したり政府を支持したり、外国の援助を受けいられないように警告されたと述べた。子供たちは、学校に行けば異教徒になっていくと警告されたという。

20日前、この部屋にタリバンが10人座っていたと、Abdul Matinがアメリカ人たちに語った。約100人の集団でやってきた。携帯電話を携え、金を十分持ち、ある男には情報提供者として働くかわりに、2000ドルを提供したという。夜明けになる前には消えてしまい、その後は見ていないという。

「タリバンを支持する理由は、略奪をしないし、女性を尊重するためだ」という。しかし「地域全体としてはアメリカ人に協力したい。我々の国は破壊されてしまったからだ」という。(中略)

アメリカの隊は、5月3日の戦い以後、数日に1回はタリバンに遭遇するという。5月21日には、米兵に死者が出た。南部の道路脇に爆弾が仕掛けられていたのだ。この場所で、パキスタンからやってきた抵抗勢力たちが、山中にいるタリバンと合流する。

金曜日にも爆発で米兵2人が死亡、1人が負傷した。パキスタンとの国境である、パティア州を車列で移動していた。

米軍は、タリバンを山中からおびき出そうとしている。Shuttlesworth軍曹の隊は、地元の警察官10人とともに、再び細い川に沿った谷間をトレックして、タリバンの出現を待っている。「我々はおとりだ。戦いの準備はできているか」と、地元の警察長に話しかけた。

hoonDespite Years of U.S. Pressure, Taliban Fight On in Jagged Hills
CARLOTTA GALL、GAZEK KULA


■アフガニスタンのモスクで爆弾、20人死亡42人負傷[050601 AP]

アルカイダの自爆テロ犯が、イスラーム聖職者の追悼式を行なっているモスクに入り込んで自爆した。カブール警察長官を含む20人が死亡、42人が負傷した。カンダハルのモスクで、先日暗殺されたAbdul Fayaz師の追悼式を行なっている最中に、何者かが自爆した。

カンダハル州知事Gul Agha Sherzaiによると、犯人の遺体の一部が発見され、ビンラディンの組織のメンバーであることが判明したと述べた。「彼がアラブ人であることを示す書類を所持していた」という。「アラブ人アルカイダ・チームがアフガニスタンに侵入して、テロ攻撃を計画しているという諜報情報があった」と述べた。

タリバン報道官のラティフ・ハキーミは電話を『AP』にかけ、タリバンは今回の攻撃をしていないと述べた。ハキーミの発言は嘘だったり誇張されることが多く、彼がタリバンのリーダーとどのような関係にあるのかは、はっきりしていない。

死亡者の中には、カブール警察長官のAkram Khakrezwal将軍と2人の甥、ボディーガード6人が含まれている。犯人は警察長官の間近まで接近して、自爆したようだ。しかし今のところ、彼が標的だったかどうかは判明していないと、内務省報道官のLatfullah Mashalが述べた。

親カルザイ派のKhakrezwalは、カブールの警察長官を2ヵ月務めたあと、カンダハルの警察司令官となった。(中略)

これとは別に水曜日に、カンダハル西部の橋が爆破された。アフガン人爆発物専門家のグループが橋を渡ろうとしたときに橋が爆発し、2人が死亡、5人が負傷した。

抵抗勢力たちは攻撃を強化しているが、犠牲者も多く、3月以来約200人が死亡している。(後略)

hoonAfghan Mosque Blast Kills 20, Wounds 42 NOOR KHAN


■パキスタンの爆弾事件、アルカイダ関係の仕業か[050601 Reuters]

パキスタンの捜査官たちは、イスラマバードとカラチで起きた2件の自爆テロは、両方ともアルカイダ系列の過激派の仕業と見ている。

2つの事件は、ラシュカレ・ジャングヴィ軍団の関係組織の仕業のようだと、ある高官が述べた。(中略)「まだ捜査中だが、ラシュカレ・ジャングヴィの仕業のようにみえる」。「カラチとイスラマバードの攻撃パターンを見ると、同じ組織の仕業だ」と、諜報部高官が述べた。

警察によるとカラチの事件の実行犯1人が逮捕され、過激派ジャイシェ・ムハンマドのメンバーのMuhammad Jameelだと名乗っているという。しかし警察によると、犯人は嘘の発言をして、捜査を混乱させようとしているようだと述べた。(中略)

ラシュカレ・ジャングヴィ軍団は、これまでシーア派共同体に対して何度も攻撃をしており、パキスタンでは最も恐れられている過激派組織である。(後略)

hoonPakistan suspects al Qaeda link in two attacks
Faisal Aziz、KARACHI


■北ワジリスタンで2遺体発見[050601 News]

火曜日に、パンジャーブ州スポーツ大臣のSardar Naeemullah Shahaniの誘拐犯と、もう1人の部族民の遺体が、北ワジリスタンの山岳部で発見された。

Bakkakhels枝族のJanikhel Wazirに属するJalat Khanは、去年1月に発生したSardar Shahani誘拐事件の首謀者とみられていた。部族民によると、銃を数発撃ち込まれた遺体が、ミール・アリから20キロ離れたSheenpond山中で見つかったという。隣には、Fazal Noorの遺体も放置されていた。2人とも殺害される前に首を切られており、死亡してから数日たっているという。

部族の情報源によると、Jalat KhanがSardar Shahani誘拐事件の復讐として殺害された可能性は大きくはないという。Jalat Khanにはこれとは別に、4つの事件に関与していたという。遺体にはウルドゥー語のメモがあり、2人はアメリカのスパイだったために殺害したと書かれ、アメリカの工作員は同じ運命を辿ると警告されていた。

hoonBodies of slain men found in N Waziristan
MIR ALI


■アリ・ミールで「アメリカのスパイ」2人殺害[050601 Daily Times]

アルカイダ系と思われる何者かがアリ・ミールで、アメリカのスパイだとして2人の部族民を射殺した。遺体はミラン・シャーから25キロ離れたアリ・ミールで、車の近くに放置されていた。

南ワジリスタン行政は、前議員のMalik Faridullah Khanの暗殺犯を探し出すために、Battan枝族に属する13人を逮捕した。さらに行政は、KhanがBattani枝族の居住区で殺害されているために、犯人を引き渡すように要求しているという。

情報源によると、政府がこのようなことをしたとしても、犯人は「普通の人間ではないために」事件を解決する助けにはならないだろうと述べた。「政府は私の部族がこの事件に関わっていないことを知っているのに、形式的に逮捕しているにすぎない」と付け加えた。(中略)

いっぽう軍は、月曜日に北ワジリスタンで8人の地元部族民とともに逮捕された2人の抵抗勢力の身元を確認しようとしている。「2人は地元民ではないようだ。地元民であれば、残りの8人のように、すぐ身元確認ができるはずだ。外国人と断言できないが、まだ確認できていない」と軍報道官のショーカット・スルタンが述べた。爆発物なども押収されたという。

火曜日に殺害された2人の部族民の遺体には、「アメリカのスパイだったために殺害した」というメモが残されていたらしい。

hoon2 killed for‘spying for US’in Mir Ali
MIRANSHAH


■パキスタンの暴動で12人死亡[050531 AP]

シーア派モスクの自爆テロで暴徒化した群衆が、ケンタンキー・フライドチキン(KFC)の店に火をつけ、従業員6人が死亡。1日の犠牲者は12人にのぼった。

カラチの治安は「厳戒態勢」にあると、スィンド州内務大臣Rauf Siddiqiが述べた。「つぎつぎと事件が起きている。それぞれ関連があるか、捜査中だ」という。(中略)

暴徒化したシーア派の民衆が町を略奪し、店や車に火をつけた。炎上したKFCの店からは、6人の遺体が発見された。(後略)

hoonDeath Toll at 12 in Pakistan Attack, Riots
ZARAR KHAN、KARACHI


■パキスタン、アルカイダ容疑者を引き渡す[050531 BBC]

パキスタンで逮捕されたアルカイダ幹部は、ビンラディンについての有益な情報をほとんど持ってなかったために、アメリカに引き渡される予定だという。

アブ・ファラージ・アル・リビはビンラディンと直接関係を持っていたとみられていたが、すでにパキスタンからアメリカに向かっているかもしれないとムシャラフはが明らかにした。

ムシラャフは『CNN』に、リビがまだパキスタンにいるかどうかは確かではないと述べた。3日前の情報ではまだ国内にいたが、すでに引き渡された可能性があるという。「我々は彼を引き渡すつもりだ。パキスタンには必要ではない」という。大統領に対する2つの暗殺事件で彼を裁判にかけるよりも、「もっと重要な問題」があると述べた。

ムシャラフによると、リビはビンラディンと直接関係があっと証拠はなにもなかったという。パキスタンは彼をアルカイダNo.3としているが、これを疑問視する声もある。

hoonPakistan deports al-Qaeda suspect


■CIA、チャーター機を装い、テロとの戦争を拡大[050531 New York Times]

Aero Contractors社の飛行機が、ジョンストン空港を離陸する。Aero機のパイロットは、バグダード、カイロ、タシュケント、カブールにおける機密指令を遂行するために、定期的離発着する。パイロットは、テロとの戦争で働く「バスの運転手」であるとは、誰も気づくまい。

CIAがアルカイダ容疑者を第三国で取り調べるとき、主にAero Contractors機が運行する。重要人物が逮捕され、彼をすぐさまに海外に連れ出す必要があれば、航空機はジョンストンを離陸してダラス空港に立ち寄り、そこでCIAのチームを拾う。

Aero Contractorsの航空機は2001年に、CIA高官をアフガニスタンに下ろした。さらに2002年にカラチのアメリカ領事館で爆発があった直後、アメリカ人チームをカラチに運んだ。アメリカで逮捕されている囚人が、昨年リビアの諜報部員の取り締まりを受けたと証言する前日には、リビアからキューバのグアンタナモに飛んでいる。すべてフライト・データなどの記録による。

私的チャーター機−「パイロット付きの航空機」−を装いながら、Aero ContractorsはCIAの秘密航空サービスである。この会社は1979年に、伝説的なCIA高官であり、またベトナム戦争時代のCIAの飛行機会社であるエア・アメリカのチーフ・パイロットにより設立された。会社は、CIAにコントロールされているらしい。

CIAは2001年以来、世界中のテロ容疑者を追跡し尋問するために、仮面会社を通して航空作戦を急速に拡大してきた。数千のフライト・レコードの分析、航空機の登録や付随する記録、さらにCIA高官やパイロットとのインタビューから、CIAは少なくともこのような機を26機を所有していることがわかった。そのうち10機は2001年以後に購入された。CIAは7つの実態のない会社を作り出し、その航空機の所有を隠している。

航空機は定期的に個人チャーター機で補充され、CIA傘下の実態のある会社によって飛行される。Aero Contractorsをはじめ、フロリダのPegasus TechnologiesやTepper Aviationである。

民間機であれば、米軍機が歓迎されない場所にも飛行できる。政府機に課される制約を回避できることもある。しかし、見破られてしまうこともある。例えば2003年1月21日に、ドイツからアゼルバイジャンに向かっていた、軍事コミュニケーションシステムを搭載していたCIAのヘルキュレス輸送機を迎え撃つために、オーストリア機2機が急発進した。

「CIAが任務を負うときは、『米政府』のレッテルが明示されるのを避けたがる」と、前CIA高官Jim Glerumが述べた。「民間機がたくさんある場所で民間機を飛ばせば、単なる民間機のように見える」。

CIA機は、拷問を許す第三国でテロ容疑者を取り調べるために用いられている。ここ2年間、怪しい動きをしている航空機が追跡されている。 【海外からの問い合わせ】

イタリアとスウェーデンは、自分たちの国で逮捕された容疑者をエジプトに連れて行ったとして、CIAに対する捜索を開始した。ミュンヘン大学のGeorg Nolte博士によると、国際法のもとで、国家は自国内で犯罪を犯した人間を取り締まる権限がある。Nolte博士はドイツ市民であるKhaled el-Masriの件を調べたという。Masriは2003年12月31日に、セルビア〜マケドニアを運行中のバスから引きずり下ろされ、3週間拘束された。その後薬物を投入された上に殴打され、アフガニスタンに送られたという。

このエピソードは、アルカイダ容疑者を逮捕し、他国に連れて行くCIA機の役割をはっきりさせる。Masri氏がいかにしてアフガニスタンに連れていかれたか、公的な証拠は何ももない。しかしフライト・データから、CIAの架空会社であるPremier Executive Transport Servicesが所有し、Aero Contractorsが運行したボーイング・ビジネス・ジェット機が、スコピエ〜マケドニア〜バグダード〜カブールへと飛んだことがわかる。Masriのパスポートにマケドニア入国スタンプが押された翌日の、2004年1月24日のことである。Masriは後に、誤逮捕ということで釈放された。

CIAのスポークスマンはこの記事に関してコメントを拒否した。またCIAの航空機を運航するAero Contractors、Tepper Aviation、Pegasus Technologiesは、クライエントについては話さないと述べた。「政府とは長い間ビジネスをしている。その理由は、我々は口が堅いからだ」と、Aeroの副マネージャーのRobert W. Blowersが語った。

《さまざまな航空隊》

しかしFederal Aviation Administrationの記録から、CIAの航空部門の実態が明らかになる。

(中略)仮面会社は、世界各地の米軍基地に離着陸する許可を持つことからも、そのグローバルな行動範囲が伺われる。フライト・レコードから少なくとも11機が、CIAが活動するヴァージニア基地であるCamp Pearyに離着陸したことがわかる。グアンタナモにも定期的に飛行している。26機が最も使用するのがジョンストン空港だ。 (中略)

《エア・アメリカの息子》

Aeroは、CIA所有のエア・アメリカを継いでいる。1976年、あるアジアの航空会社が閉鎖された3年後、そのチーフ・パイロットのJim Rhyneが、新しい航空会社を始めるよう、要請されたという。

「Jimはアメリカ政府に対して、一般には知られていない、偉大なる功績を残している」と、CIAの飛行作戦についての著書がある、ジョージア大学のBill Leary教授が語った。Rhyneはジョンストン空港で友人の新しい飛行機をテスト飛行している最中、墜落して死亡している。Rhyne氏は戦争で負傷し、義足をつけていた。義足が事故の原因だったといわれている。Rhyneがこの田舎の空港を選んだのは、Fort Braggや特殊部隊兵士にとって都合がいいこと、さらにAeroの飛行が監視されるような管制塔がないためだったという。「ある番号をつけた飛行機が格納庫に入ったと思うと、夜中に別の番号をつけて出てきたりする」とあるパイロットが証言した。

このパイロットによると、Aeroは1980年台と1990年台に、アメリカ内でヨルダンのフセイン国王を乗せたことがあるという。またアメリカが支持するアンゴラのJonas Savimbiに、武器や食料を供給し、麻薬密輸と戦うために、コロンビアのジャングルの上を飛んだという。さらに中央アジアの前ソ連国家から、肩掛けスティンガーミサイルなどの武器を徴収しにいったこともある。

《テロ容疑者の輸送》

(中略)航空機の目的や搭乗者を特定することは難しいが、ある一定の法則が見られる。

2003年12月13日にサダム・フセインが逮捕されると、Gulfstream V商業機がダラス空港にすでに待機していた。翌日バグダードで、同じくワシントンから飛行してきたBoeing Business Jetと合流する。この航路が使用されることは、これまでなかった。戦争が開始して以来、ワシントンから飛行した最初のCIA機である。

何人かのアルカイダ容疑者逮捕の2日以内に、CIA機がダラスを離陸した記録が残る。2002年3月28日に逮捕されたアブ・ズバクダ、2002年9月10日に逮捕されたラムジ・ビン・アルシブ、2002年11月8日に逮捕されたAbd al-Rahim al-Nashri、そして2003年3月1日のKhalid Shaikh Mohammad。

2003年5月31日にはダラスからサウジのリヤドに、ジェット機が着陸した。ビンラディンの部下だといわれるYusuf Bin-Salih al-Ayiriが殺害され、その部下であるAbdullah al-Shabraniが逮捕されたときだ。

フライト・レコードは、実証されていない証言を裏付けることもある。グアンタナモ刑務所にいるリビア生まれの囚人、Omar Deghayesは弁護師を通して、9月にリビア人諜報部員の取り調べを受けたと述べている。飛行記録からは、男たちが自分を取り調べ、命を脅したという彼の主張を裏付けることはできないが、CIAの仮面会社に登録されているGulfstream Vが、9月8日にトリポリからグアンタナモに飛行したことが記録されている。Deghayesが、リビア人と会ったと主張した日のことである。この航空機はジョンストン空港に戻る前に、ジャマイカとダラスに下りている。

同じGulfstreamは、スウェーデン、パキスタン、インドネシア、ガンビアなどで、囚人を取り調べるために飛行していることが目撃されている。最近では4月17日に、スーダンからワシントン国際空港にBoeingビジネス・ジェットが飛行し、4月22日にスーダンに戻ったことがフライト・レコードから判明する。これは『ロサンジェルス ・タイムズ』が、4月30日にスーダンの諜報部長官をワシントンに招いたという報道と時期が一致する。

《謎の会社》

CIAはこのような活動を隠そうとしているが、航空法が大きな障害となっている。航空機は番号を明記しなければならず、所有者はこれでチェックされる。したがって正規の方法で航空機を購入するのではなく、CIAは幽霊会社を用いるのだ。(中略)

《秘密を保つことは困難》 (後略)

smellC.I.A. Expanding Terror Battle Under Guise of Charter Flights
Scott Shane、Stephen Grey、Margot Williams and written by Mr. Shane. SMITHFIELD


■アフガン北東部で2人死亡、33人負傷[050531 AFP]

アフガニスタン北東部で地元高官に対する抗議が暴動化し、アフガン人2人が死亡、33人が負傷した。

NATOがF-16戦闘機2機を、暴動が起きたTakhar州のRustaq地方に出動させた。「学生から金をだまし取ったとして、教育省の責任者に対して抗議運動があった」と、州知事のQazi Mohammed Kabir Marzbanが『AFP』に語った。「2人が死亡し、33人が負傷した」という。(中略)

NATO報道官のKaren Tissot van Patotは、戦闘機をこの地域に出動させたことを認めた。「アフガン当局からの要請があり、F-16戦闘機2機を出動させた。F-16は目的地の上を飛んだ」という。(後略)

hoonTwo dead, 33 wounded in protests in northeast Afghanistan
MAZAR-I-SHARIF


■カラチのモスク爆発で少なくとも6人死亡[050530 Reuters]

襲撃者3人を含む6人が、月曜日にカラチのシーア派モスクで発生した自爆テロで死亡した。18人が負傷した模様。(中略)

これに数時間先立ち、カラチのMMAのリーダーが殺害された。カラチのイスラーム協会の副会長Aslam Mujahidが早朝に誘拐され、その後、車の中で銃殺されているのが発見された。Mujahidは、党会員の葬式に参列したあと、誘拐されたらしい。イスラーム協会と対立する宗教政党Muttahida Qaumi Movementの仕業とみられている。

爆弾事件やAslam Mujahidなど、すべてが周到に計画されていたようだと、スィンド州内務大臣Rauf Siddiquiが『ロイター』に述べた。

garrAt least six killed in Karachi mosque attack
Faisal Aziz、KARACHI


■NATOを標的として爆弾でアフガン人7人が負傷[050530 AFP]

カブール近くで爆弾を積んだ自転車が爆発し、アフガン人7人が負傷した。爆発のあった場所近くを通りかかったNATOの車を標的にしたようだ。その数時間前には、カブールの平和維持軍本部にロケット弾が撃ち込まれた。(中略)

タリバン報道官のLutfullah Mashalが、カブール近くのHod Qhailで発生した爆弾事件に対して声明を発表し、ISAFの車を狙ったものだったが命中しなかったと語った。(中略)

これより8時間前に、ISAF本部にロケット弾が撃ち込まれたが、負傷者はいない模様。(後略)

garrBomb aimed at NATO peacekeepers wounds seven Afghans
KABUL


■前議員、Faridullah Wazir、暗殺[050530 News]

南ワジリスタンのなかにあるジャンドーラ辺境地域で前連邦議会員Malik Faridullah Khan Wazirが、他の2人の部族長たちとともに、真っ昼間、銃を持った4人の男たちに暗殺された。

Faridullah Wazirは親政府派の部族長で、パキスタン軍や準軍隊をこの地域に向かい入れ、シャカイの過激派たちの基地を一掃するために大きく貢献した人間である。

彼とともに殺害されたのは、車を運転していたMalik Aabilと、Malik Mirbazである。2人ともロケット弾で襲撃された。このほかに2人が負傷した。

負傷したHabibullahが報道陣に語ったところによると、タンクとは反対側の方面から車に乗ってやってきた武装した男たちが、カラシニコフで攻撃してきたという。「車に乗っていた全員が、被害を受けた」。

Habibullahによると、一行がタンクに戻る前に、3台の車に乗った武装した部族民たちが、シャカイからジャンドーラまでエスコートしたという。ジャンドーラで昼食を食べた後、ジャンドーラから3キロほど行ったところで襲撃されたらしい。スモークガラスをつけた2台の車が、南ワジリスタン方面に行くのが目撃されている。

バヌーに住んでいたFaridullah Wazirは前日シャカイを訪れ、2人のパキスタン軍将軍と外国人・パキスタン人ジャーナリストがこの地域を訪問した際に、部族民たちを前にスピーチを行なっていた。スピーチでは、この地域に隠れている外国人過激派を批判し、アルカイダやタリバンを捜索する軍を支持し続けると発言していた。

いっぽう南ワジリスタンのマキーン近くのBandkhelに、3000人からなる武装部族警察が訪れ、住民たちに、部族民6人を殺害した犯人を引き渡すように要求した。犯人を匿った者には100万ルピーの罰金を課し、規則を犯した部族の家5軒を取り壊すという。

Bandkhelの住民たちは、犯人はTopki Khanとその4人の息子だと述べたが、全員すでに逃走して、いないという。

garrEx-minister Faridullah Wazir assassinated
Sailab Mahsud、TANK


■タリバン、カンダハルの親カルザイ聖教者殺害[050530 News]

カンダハルの聖職者、Mulla Abdullah Fayyazを殺害したと、タリバンが声明を発表し、カルザイを支持するする他の聖職者たちにも同じ運命を迎えるだろうと警告した。

タリバン報道官のラティフッラー・ハキミが『News』に語ったところによると、カンダハルでFayyazが事務所を出たところ、タリバンに射殺された。ハキミによると、2日前に開催された親タリバン議会で、Fayyazの殺害が決まったという。「3日目に決議が実行された」と語った。

タリバンたちは、カルザイやアフガニスタンの米軍を支持する者はすべて反イスラームとして有罪であり、殺害されるという法令を出したという。(中略)

ハキミによると、Fayyazはタリバンによって殺害された10人目の聖職者だという。先週ウルズガン州では、あるMulla Abdul Samadが、また2ヵ月前には同じウルズガンの裁判所責任者のQazi Abdul Hakimを殺害したという。また数週間前に、ザーブル州のMeezanでは、あるMulla Raz Mohammadが殺害されたという。さらに2日前にはクナール州では、新政府部族長のPir Mohammadとその4人の仲間を殺害したと語った。

garrTaliban kill pro-Karzai cleric in Kandahar
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


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