【2005年6月27日〜7月3日】


■ビザのシステムが、ロディの聖職者を摘発できなかった理由[050703 Los Angels Times]

入国管理に反したとして、Shabbir AhmedはFBIのテロ法廷を扱う刑務所にいる。連邦高官は、なぜアメリカに対する怒りを公衆で語った男が、いとも簡単にアメリカに入国できたのか、説明できずに途方にくれている。

2001年10月、当時35歳でイスラマバードの小さなモスクのイマームだったAhmedは、イスラマバードのアメリカ大使館の近くにあるマーケットで開催された反米デモで、先頭を切って抗議スピーチを行なった。

『Pakistan Press International news service』は、アメリカの国旗やブッシュの人形を焼いたデモ参加者たちに、このイスラーム聖職者がアメリカに対してのジハードに参加するよう呼びかけたことを報道している。

1ヵ月後、別のデモ集会で、Ahmedがムシャラフに対して反旗を翻すよう聴衆に訴える様子を『Boston Globe』が伝えた。「イスラームに対立する者は誰であろうと殺害する。反旗を翻すことを恐れない。パキスタンで血が流れるだろう」。

これらは、パキスタン内外のメディアで大きく報道された。しかしその後2002年1月ごろ、Ahmedはアメリカ大使館に堂々と入り込み、「宗教者」としてアメリカに3年間留まるビサを入手する。

2002年1月23日にサンフランシスコに到着し、カリフォルニアのロディのイマームとしての地位を得る。San Joaquin Valleyにある、最大のパキスタン・コミュニティーのモスクだ。

6月24日、傍聴席でAhmedは、以前反米演説を行なったことを認めたが、その後考えを改め、今はアメリカを愛し、尊敬していると述べた。「あのような演説をしたことを後悔している」と、弁護士のSaad Ahmadが語る。

しかしAhmadとパキスタンの過激派組織、ハラカット・ウル・ムジャヒディンとのつながりを疑っている連邦警察は、納得していない。入国管理裁判官に、Ahmadに対して保釈を認めないよう求めている。

イスラマバードでの演説を知ったロディのモスクのリーダーは、Ahmadを解雇した。「アメリカに対立するような演説をする人間は、必要ではない」と、モスクの会長Mohammed Shoaibが『AP』に語っている。

Ahmedにロディでの仕事を与えた男、前イマームのMohammad Adil Khanと、その22歳の息子Mohammad Hassan Adilも拘束されている。3人はR-1またはR-2宗教活動ビザで、入国している。R-2ビザは、R-1ビザ所有者の子供に与えられる。

なぜAhmedの反米スピーチが問題にならなかったかは、いまだにわからない。

彼の名前が、ロディ地域とテロ関係者との関わりで、FBIの捜査網にひっかかる以前、Ahmedは少なくとも4回、アメリカの高官と会っている。そのときは、彼を怪しいと見る者はまったくいなかった。

最初は、イスラマバードでアメリカ大使館高官と会ったときだ。当時のAhmedのスポンサーはMohammad Adil Khanが監理するロディのモスクだった。Khanは、カラチのモスクJamia Farooqiaの聖職者で、Ahmedの教師だった。Jamia Farooqiaはタリバンと関係が強い。Khanの父親Salimullah Khanが創設したこのマドラッサは、ハラカット・ウル・ムジャヒディンと歴史的な関係がある。これらの事実は大使館に伝わらず、Ahmedは2002年にビザを取得する。(後略)

hoonHow Visa System Failed to Flag Lodi Imam
Rone Tempest


■米兵、救出[050703 BBC]

1週間近く経って、米軍がやっと行方不明になっていた米兵1人を救出したと、アメリカ高官が『BBC』に述べた。

6月28日に4人の小隊がクナール東部で行方不明になり、救出に出動したチヌークが撃墜された。

救出された兵士は行方不明になって以来、タリバンにつかまらずに逃げ続けたという。救出作戦は、悪天候に阻まれて思うようにはかどらなかった。

残りの3人については行方がいまだにわからず、行方不明になって以来、連絡もないという。

アフガニスタン東部にいる『BBC』の特派員Andrew Northによると、救出された兵士は他のメンバーが行った方向を教えたというが、まだ行方はわからないらしい。

(中略)米軍は新たな作戦「Operation Flier」を実施するために、この地域で新たな部隊を派遣したという。

hoonUS rescues soldier in Afghanistan


■アフガン「市民」、米の爆撃で死亡[050703 BBC]

米軍高官が、金曜日にアメリカが行なったタリバンの隠れ家に対する爆撃で、市民が巻き添えになった可能性があると述べた。(中略)米軍の情報源によると、抵抗勢力たちが建物の中にいたというが、無実な市民が死亡した可能性があるという。

アフガン高官が『BBC』に、米軍機が再び日曜日にクナール州のNangalamで攻撃を始めたと語った。地上にいるアフガン軍は、激しい抵抗を受けているという。

しかしバグラム基地の米軍本部報道官は、そのような作戦については聞いていないと述べた。

米軍報道官のJerry O'Haraは金曜日の爆撃について、「すぐにでも攻撃することが必要とされていた標的を爆撃した」と述べ、精密誘導兵器で実施したと説明した。市民に犠牲者が出る可能性を前提に爆撃を実施したのではないかと、アフガニスタン東部にいる『BBC』のAndrew Northは語った。(後略)

garrAfghan 'civilians' die in US raid


■クナールでヘリ撃墜[050711 Newsweek]

地上の仲間を救出しに、チヌーク・ヘリコプター2機が、運悪くも日没後にやってきた。8人のNavy SEALと8人の軍機搭乗員が乗っていた。SEAL奇襲隊は、アルカイダとタリバン「幹部」を追跡する作戦の一環として、クナールの険しい地形で行方不明になった小隊の救援に来たのだ。小隊は6月28日の正午に、タリバン戦闘員たちの襲撃を受けた。おそらくヘクマチアルの仲間に襲われたと思われる。

しかし、たそがれ時にやってきたチヌークは、簡単な標的となった。おそらく敵は待ち構えていたのだろう。ヘリコプターがアサダバード上空を旋回すると、地上から激しく攻撃された。いくつかの軍の情報源によると、ゲリラが、ロケット推進手榴弾を発射させ、先頭にいたチヌークの機体に命中した。アパッチ・ヘリコプター2機とA-10Warthogジェット機2機が散弾銃を撃ったが、無駄だった。他の機体に乗った乗員たちは、先頭のチヌークがなんとか体勢を建て直そうとしながらも、最終的に崖に激突するのを見た。その後、谷底にころがり落ちた。搭乗していた16人全員が死亡した。

行方不明の小隊の消息は依然、わからない。しかしタリバンは7人のアメリカの「スパイ」を攻撃し、アメリカ人1人を拘束したと発表した。信義は確認されていない。米軍高官によると、この作戦に参加していた無人偵察機1機も、行方不明になっているという。

最終的な死者の数はともかく、チヌークの撃墜は2001年以来、アフガニスタンにおける米軍にとっては最悪の事態といえる。イラクの抵抗運動が1年続いている今、ブッシュはアフガニスタンを安定させることに対して、比較的満足していた。しかし先週のアサダバードの事件を見ると、状況は安定していないどころか、悪化しているようだ。タリバンはいまだにビンラディンを匿い、弱体化したどころか、再結成されたようだ。今年になって600人が死亡し、その中には米兵29人とアフガン国軍130人が含まれている。

アサダバードにおける米軍の失敗から、1980年代にソ連軍が受けた雪辱が蘇る。この地域を担当していた前CIA高官Milt Beardenは、CIAが育てたムジャヒディンは1988年にアサダバードで、ソ連軍の特殊部隊の大隊を全滅させたと語った。当時ムジャヒディンが成功したのは、簡単にパキスタンに逃げ込み、チトラルやディールに隠れることができたからだ。

パキスタンは、できるかぎりの協力しているという。しかしパキスタンの軍事司令官たちは、9000〜15000フィートの高度が連なる地域で、国境を封鎖することは不可能だという。行方不明の隊を捜索しているアメリカにとっては、厳しい戦いとなるだろう。帰ってくるのも一苦労だ。

garrChopper Down Over Kunar
John Barry and Michael Hirsh


■ワジリスタンで部族民2人逮捕[050703 Daily Times]

軍が土曜日に北ワジリスタンで作戦を行ない、地元民2人を逮捕したと軍高官が述べた。ロケット弾やロケット推進手榴弾などが押収された。場所は、アフガニスタンとの国境に近い、Madakhel族の居住地だという。

「住民が外国人2人を目撃したという情報から、軍関係者がヘリコプターで運ばれた」という。

hoon2 tribals arrested in Waziristan
PESHAWAR


■アフガニスタンで抵抗勢力を空爆[050702 AFP]

アフガニスタン東部で、米戦闘機が抵抗勢力を爆撃した。

「クナールで、敵の建物を空爆した。直ちに攻撃しなければならなかった」と、米軍報道官のJerry O'Haraが述べた。「爆弾は、精密誘導爆弾を用いた」という。死亡者がいたかどうかはわからない。

タリバン報道官のラティフ・ハキーミが『AFP』に、爆撃で市民25人が死亡したと述べたが、真偽は確認されていない。(中略)

金曜日にハキーミは、抵抗勢力が米軍兵士1人を拘束し、7人のアメリカのスパイを殺害したと発表している。これに先立って抵抗勢力は、死亡したのはアフガン人だったとも述べている。撮影したスパイと逮捕したアメリカ人との間の戦闘の様子を、「今日か明日」にウェブサイトのwww.alemarah.comに掲載するという。

ウルズガン州では今週になって、47人が死亡した。そのうちの31人は金曜日に死亡している。(中略)

これとは別に、カンダハルでパトロールを実施していた米軍とアフガン軍が、「敵」を2人殺害し1人を負傷させ、2人を逮捕したという。

さらにパクティア州で20台の車列が爆弾で攻撃され、アフガン治安兵4人が死亡、警察高官が負傷した。

garrAir strikes target militants in Afghanistan amid search for missing
troopsKABUL


■車列を爆弾で攻撃、アフガン人6人死亡[050702 Reuters]

土曜日に道路脇の爆弾が爆発して、通りがかった20台の車列に乗っていたアフガン警察官4人と兵士2人が死亡、運転手が負傷した。車列には、国連や平和維持軍の車も含まれていた。

パクティア州で起きたこの爆発は、対戦車砲から作った爆弾が用いられていたようだと、国連報道官のAdrian Edwardsが語った。

パクティア州の警察長官とその運転士が軽症を負ったが、国連や平和維持軍のスタッフは無事だった。殺害された兵士たちは、荷台に乗っていたようだ。戦闘の末、抵抗勢力10人が逮捕されたという。「かなり大きな爆発だった」とEdwardsが語った。

garrSix Afghans killed in bomb attack on convoy - UN
KABUL


■アフガニスタン、逮捕された5人のパキスタン人をアメリカに引き渡す[050702 Daily Times]

アフガニスタンは金曜日に、逮捕した5人のパキスタン人をアメリカに引き渡した。5人の男たちは、水曜日にザーブルで逮捕された。Adbullah、Shafiq Ahmad、Abdur Rehman、Munir Ahmad、Shoaib Ahmad(15〜17歳)は、全員完璧なウルドゥーを話した。

Safa地域の警察官Ghulam Rasoolによると、アメリカ主導の同盟軍から得た情報にもとづき、パキスタン人を逮捕したという。5人はMulla Tahirにより、クエッタからアフガニスタンに、ジハードを行なうために派遣されたという。Tahirはそれぞれに3000ルピーを与えたらしい。カブールに潜入しようとしたが、警備が厳しかったために入ることができず、帰国しようとしているところを逮捕された。

garrAfghanistan hands over five Pakistani detainees to US
KABUL


■アフガニスタンの戦闘で、20人死亡[050702 AP]

アフガニスタン中部の山岳地帯で、アフガン軍数百人がタリバンの隠れ家を襲撃し、激しい戦闘の末に抵抗勢力18人と兵士2人が死亡したと、アフガン幹部高官が土曜日に語った。

治安部隊が、ウルズガン州のCharchino地域にあった敵のキャンプを、金曜日の夜に襲撃した。州知事のJan Mohammed Khanによると、最近誘拐や殺害を続けている抵抗勢力たちが、このキャンプにいたという。

軍は土曜日もなお、捜索を続行している。抵抗勢力約100人が、まだこの地域にいるらしい。「山中に、タリバンがまだ大勢隠れている。彼らを捜索して、逮捕あるいは殺害しようとしている」とKhanが述べた。

今週この地域では、合計25人が死亡する戦いがあった。

garrFighting in Afghanistan Leaves 20 Dead
KANDAHAR


■米機、「タリバン」の建物を爆撃[050702 BBC]

アフガニスタン東部で米兵が行方不明になっている地域で、米軍戦闘機がタリバンの隠れ家を爆撃したと高官が述べた。

アフガン人高官が 『BBC』に語ったところによると、Chechal村にある家が2度に渡って空爆され、25人が死亡したという。

米軍報道官Jerry O'Haraが『AP』に、「空爆を行ない、目標を直接攻撃した」と述べた。目標はクナール州にある「敵の建物」だという。攻撃は精密誘導兵器を用い、標的は「諜報情報から得た」という。それ以上のことは語らなかった。

アフガン治安部高官によると、Chechal村では2度に渡って爆撃があったという。最初の爆撃で救援に向かった村人たちが、2度目の爆撃で死亡した。治安部隊が派遣され、誰の家が攻撃されたか、確かめに行ったという。(後略)

garrUS planes bomb 'Taleban' compound


■抵抗勢力の攻撃で、計25人死亡[050701 AP]

タリバンがアフガニスタン中央部の村にある警察のチェックポストを3日にわたって攻撃して、人質となった部族の長老を含む25人が殺害されたと、州知事が金曜日に述べた。

ウルズガン州のTirin Kot地域のチェックポストが、水曜日に襲撃された。1時間ほど戦闘が続き、抵抗勢力7人を殺害したと、州知事Jan Mohammed Khanが述べた。

翌木曜日に、抵抗勢力は近くのSaiban村を攻撃し、部族の長老9人と10歳の少年を誘拐した。部族の長老たちは処刑され、少年は「殺害された抵抗勢力7人の遺体を引き渡せば、9人の遺体を代わりに引き渡す」というメッセージを持たされ、釈放された。警察はこの申し出を受け入れなかった。

金曜日に抵抗勢力は別の警察ポストを攻撃して、高官4人と抵抗勢力5人が殺害された。(後略)

garrMilitant Attacks in Afghanistan Kill 25
KANDAHAR


■アフガンの山中で行方不明の米隊の捜索続く[050701 Washngton Post]

米軍はアフガニスタン東部で、行方不明になった隊の捜索を続けている。

(中略)タリバン報道官のラティフ・ハキーミは『ロイター』に今日、タリバンが米兵士1人を拘束したと述べた。このアメリカ人は水曜日に、ヘリコプター墜落現場から逃げようとしているところを、タリバン戦士に拘束されたという。(中略)

また別の米兵士1人が、土曜日以来行方不明になっている。同地域で彼が乗っていた車がスリップして、深い谷底に落ちた。彼も捜索の対象となっている。

garrU.S. Continues Search for Missing Team in Afghan Mountains
CARLOTTA GALL、KABUL


■不明の米軍隊、つのる不安[050701 BBC]

行方不明になっている米軍特殊部隊の安否が、懸念されている。(中略)米軍は無人偵察機や大量の地上軍を導入など、あらゆる方策を用いて捜査活動を行なっているという。しかし悪天候が捜査を阻んでいる。金曜日の夜は激しい雨となり、クナールの険しい地形のために、地上にいる捜査部隊にとって、これまで以上に厳しい捜査となる。またヘリコプターも出動できないでいる。

タリバンが地上でアメリカ人1人を拘束したという噂が流布しているが、確認されていない。拘束されたのがヘリコプターの乗員なのか、地上にいた行方不明の部隊なのかはわからない。米軍はヘリコプターに17人が搭乗していたと当初発表したが、16人の遺体が発見されている。

(中略)米軍報道官のJim Yontsは、「現在彼らの行方はわからないが、彼らが死んだとする理由はない」と述べた。またタリバンが以前、ヘリコプターを撃墜する前にアメリカの7人の「スパイ」を殺害したと発表したことに対しては、否定も肯定もしなかった。また米軍と一緒に行動していたアフガン人ガイド数人も行方不明になっている。

(中略)『BBC』の特派員によると、非誘導ロケット推進手榴弾で撃墜したヘリコプターは、攻撃された地点から少し離れたところに墜落したようだ。(後略)

garrFears grow for US missing troops


■アフガニスタンでパキスタン「戦闘員」5人逮捕[050701 Daily Times]

アフガニスタンの南部で攻撃を計画していたとして、5人のパキスタン容疑者が木曜日に逮捕された。

州警察長官のAlah Yarが、男たちがパキスタンからザーブルに入り、バスでカンダハルに向かっていたところを逮捕された、と述べた。監視していた米軍からの情報で、逮捕されたという。

「5人は、パキスタン人のMullah Tahirからお金を受け取り、アフガニスタンで爆弾を爆発させようとしていた」という。パキスタン人たちは取り調べのために、同盟軍に引き渡されたという。

garrFive Pakistani‘militants’held in Afghanistan
KABUL


■パキスタン、テロ組織と関係がある3人を[050701 AP]

パキスタンの有力紙によると、ビンラディンのテロ組織と関係のある男3人が逮捕されたという。

容疑者たちは木曜日にマルダンで、車で移動しているところを逮捕されたと『Jang』紙が報道した。詳しいことはわかっていない。

hoonPakistan Nabs 3 With Alleged Terror Links ISLAMABAD


■米軍の小隊、アフガニスタンで行方不明[050701 AP]

ヘリコプターが撃墜した現場付近で、米軍の小隊が行方不明だと米軍報道官が金曜日に発表した。

撃墜したヘリコプターは、現在行方不明になっている兵士たちを救援に行く途中だったと、米軍報道官のJerry O'Haraが述べた。

いっぽうタリバン報道官のラティフ・ハキーミが、抵抗勢力たちが同地域で米兵を拘束したと主張した。「ヘリコプターが墜落した地域で発生した戦闘で、アメリカ人幹部を拘束した」。「これ以上詳しいことは言えない」と、『AP』に語った。

この主張に対してO'Haraは、「兵士たちが行方不明だということ以外、いかなる証拠もない」という。(後略)

garrTeam of U.S. GIs Missing in Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL


■暴力が続くにつれ、アフガン人に不安が高まる[050630 Washington Post]

米軍ヘリコプター撃墜のニュースは、アフガニスタンで治安が悪化している最中に入った。アメリカがタリバン政権を崩壊させてから3年たった今、アフガン人たちは未来に不安を持つようになった。

最近ザーブルで米兵とアフガン人通訳が、あるアフガン人の取り調べを行なった。民衆の感情の変化に気付いたカルザイ大統領は、米軍の態度を批判し始めた。

ここ数ヵ月、アフガニスタン南部ではタリバンの攻撃が頻発し、首都ではギャングたちが外国人を誘拐したり、原理主義者たちが政府や援助団体に激しい抵抗行動を実施している。(中略)

終わることのない暴力沙汰についてインタビューしたアフガン人たちは、政府に対する不満や、米軍が行なう作戦の方法に不満をもらす。アメリカのアフガニスタン長期滞在の裏に意図があるのではないかと、疑い深くなっている。

「3年経てばなんとかうまくいくのではないかと、人々は考えていた。しかし今になって、なぜアメリカ人はここに来たのか、なぜアメリカ人が地元の人間を乱暴に扱うのか、疑問の目を向け始めた」と、ナンガハル州の人権団体の責任者Jandad Spingharが述べた。(中略)「一般的に、人々はアメリカに対立しているのではない」。「しかし人権がない地域で、アメリカと良い関係がない地域で、村人や囚人たちを乱暴に扱っていたのでは、タリバンたちの思うつぼだ。アメリカ人たちは、アフガン人たちがどう感じるかを認識することが重要だ」と述べる。

民衆の感情を察したカルザイ大統領は米軍の態度を公然と非難し、アフガン人の家が取り調べを受ける場合はもっと協力するべきだと批判した。

(中略)「我々は間違っていた」と、あるアフガン人政府高官がタリバンについて語った。「彼らは、これまでずっと戦いのための準備をしていたのだ」。アフガニスタン政府は、暴力の原因をタリバンやタリバンを援助するパキスタンやアルカイダのせいにしているのか、米軍はアフガン人たちが原理主義者たちを国に招き入れながら、彼らをコントロールできなかったことを批判する。

「治安の悪化の原因は、アメリカ人だ」と、カブール大学の学生は語る。「彼らがここにいなければ、治安は悪化しなかったはずだ。彼らが軍事活動に費やしている資金を考えてみてほしい。その半分だけでもアフガン軍や警察の能力を向上させるために使用していたなら、治安は問題にはならなかったはずだ」。

政府に対立する者たちは、外国人部隊や援助団体にアフガニスタンから撤退することを要求している。しかし政府自体は、外国人部隊に頼っているのが現実だ。(後略)

hoonMood of Anxiety Engulfs Afghans as Violence Rises
CARLOTTA GALL、KABUL


■米兵16人全員、アフガン撃墜で死亡[050630 AP]

撃墜された特殊部隊のヘリコプターに搭乗していた米兵16人全員が死亡したと、米軍が木曜日に発表した。遺体は、険しい渓谷に墜落した機体の中から回収された。

(中略)現時点で、火曜日に墜落したMH-47ヘリコプターから、搭乗者全員である16人の遺体を回収したと、ペンタゴンで統合参謀本部のJames Conway将軍が発表した。死亡したのは、Navy SEAL兵士8人、 軍航空機搭乗員8人である。当局は当初17人が搭乗していたと報道されていたが、そのうち1人は同機に乗り遅れたという。

Conwayは、軍は作戦に参加していた地上部隊について完全な報告を受けていないと述べたが、「現時点で行方不明になっているという報告はない」という。またヘリコプターが救援しに向かっていた地上部隊についても、何も語らなかった。「現在進行中の作戦であり、確実な情報はなく、また作戦が完了するまでは何も発表できない」という。

救援部隊は、ヘリコプターが墜落した36時間後になって、やっと現場に到着した。

Conwayは、非誘導ロケット推進手榴弾がヘリコプターに命中したようだと述べ、「運良くヘリコプターに当たった」という。乗員は墜落で死亡したのであり、墜落後の戦闘で死亡したのではないようだと語った。

米軍報道官のO'Haraは、墜落現場の周囲には、「まだ悪い連中がいる」。軍は回収作業と作戦を平行させる」という。(後略)

garrAll 16 U.S. Troops Killed in Afghan Crash DANIEL COONEY、KABUL


■米軍救援隊の悪夢[050630 BBC]

クナールで米軍チヌーク・ヘリコプターが墜落したというニュースが入るやいなや、米軍高官たちはこれから悪夢が始まることを予測したはずだ。最強の米軍が現場に入るまで、24時間以上もかかった。現在のところ、13人の米兵の遺体が回収されたという。

「信じられないほど地形は厳しい。すべてを徒歩かロバに頼らざるを得ない」と、Captain Michael Semmensが『BBC』に語った。タリバンとその仲間のためには、理想的な地形である。

この地域は単に山岳地帯というだけではなく、森林でおおわれ、渓谷があちこちにあり、抵抗勢力たちが隠れるにはもってこいだ。クナール州知事のAssadullah Waffaが『BBC』に、「兵士が100人いたとしても、何も見つけ出すことはできないだろう。天候もすぐに変化する」。「我々の軍も協力している。州各地にチェックポストを設置し、怪しい車輌や人間をすべてチェックしている」という。

《外国人テロリスト》

Waffaによると、抵抗勢力たちはパキスタンの基地から国境を越えてやってくるという。「攻撃のほとんどは、外国人テロリスト組織、アラブ人、チェチェン人、パキスタン人の仕業だ」。「国境の反対側からやってきては襲撃を行ない、30分以内には戻ってしまう」。「アラブ人などのテロリストたちが、パキスタンからクナール州に入ったという諜報情報を入手している。タリバンやヒズビ・イスラーム派の協力を得て、小さなグループになってパキスタンから入って来るのだ」。

クナールは、抵抗運動の歴史を持つ。ソ連と戦うために最初に立ち上がったのも、クナール州だ。ソ連やアフガン軍は、この地域でもっとも被害を受けた。その後、ムジャヒディン抵抗勢力たちの支配下となった。アラブ人や外国人戦闘員たちは、この地域に基地を維持している。ソ連との戦いの時代以来、アラブ人たちが地元の人間と結婚したために、この地域ではアラブの影響力が大きい。自分たちのモスクも建築している。

クナール州は、アフガニスタンで最もワッハーブ派支持が強い。カブールからは遠い。学校や病院や整った道路もほとんどない。そして若者たちのほとんどは、パキスタンの宗教学校で学んでいる。

garrUS rescue nightmare in Afghanistan
Bilal Sarwary


■撃墜された米軍ヘリコプターの機体、アフガニスタンで発見[050630 AFP]

険しい山岳地形と抵抗勢力たちに妨害されたあと、米軍はヘリコプターが撃墜された現場に到着した。しかし搭乗していた17人の安否はいまだに不明である。

「同盟軍はヘリコプターが墜落した現場を封鎖して、墜落した原因と搭乗していた17人の安否を捜査中」だと米軍報道官が木曜日に発表した。「現場にいる。回収作業が続いている」。17人が発見されたのか、またその安否については述べず、またエリート海軍SEALSを含むヘリコプターの搭乗員は死亡した、と発表したワシントンの主張を確認しなかった。

garrWreckage of downed US helicopter found in Afghanistan
KABUL


■米軍チヌーク撃墜、遺体発見[050630 BBC]

米軍高官によると、火曜日に墜落したチヌークヘリコプターの墜落番場から、13人の遺体を回収したという。別の7人の兵士についてはいまだに詳細はわからない。このうち何人かは地上で戦っていた。(中略)チヌークは、クナール州で抵抗勢力と戦っていた米軍に、補強部隊を運んでいた。

いまだに不明の兵士たちを、無事救出できる希望はまだあると高官が述べた。

しかしカブールにいる『BBC』のAndrew Northによると、抵抗勢力に拘束されている可能性があるという。

(中略)これに先立ち、クナール州知事のAsadullah Waffaが『BBC』に、ヘリコプターはロケット弾に撃墜されたと述べた。資金ぐりのいい抵抗勢力たちが、9月に予定されている国会選挙の前に混乱を起こそうとして、アフガニスタンに侵入しているという。また彼の治安部隊が最近、カメラマンに扮した抵抗勢力2人を逮捕したと述べた。

タリバン報道官と名乗る男が『BBC』に、仲間がヘリコプターを撃墜したと述べ、その様子をビデオに収めたと主張した。しかし『BBC』の特派員によると、ビデオはまだ出現していないという。(後略)

garrUS Chinook crash - bodies found


■米軍ヘリコプター、墜落の前に攻撃される[050629 CNN]

米軍ヘリコプターは、墜落する前に敵に攻撃されたと、米軍報道官が水曜日に発表した。

火曜日に、17人の米軍関係者を運んでいたヘリコプターがアサダバード西部で墜落した。タリバンが撃墜したと、犯行声明を出した。

「航空機は、地上から直接・間接に攻撃された」と、米軍報道官James Yontsが述べた。「ヘリコプターが撃墜されたと発表したのは、このような理由からだ」という。「搭乗員の状態は不明」らしい。

(中略)救援隊は強風と豪雨のために、現場に着陸できないという。

米軍チヌークヘリコプター4機が、地上にいた兵士たちを援護するために現場付近に向かった際、抵抗勢力の位置から煙が上がるのを乗員が目撃している。おそらくミサイルかロケット弾が発射されたのではないかと、高官が述べた。その直後、ヘリコプター1機が墜落した。

アサダバード西部には空軍のA-10機が居合わせ、墜落を目撃した後、抵抗勢力たちを攻撃した。

MH-47チヌーク に搭乗していた17人の多くは、QRF−−a quick response forceと呼ばれる、何人かの特殊部隊隊員だったようだ。地上にいる隊を救出するため、あるいは援護するために戦火をくぐる任務に就く。MH-47チヌークには、160th Special Operations Aviation Regimentだけが搭乗すると、米軍高官が述べた。U.S. Army Special Operations Commandの傘下にいる隊である。(中略)

米軍によると航空機は、攻撃を繰り返したり諜報情報を収集していたアルカイダ抵抗勢力たちを標的とした、“Operation Red Wing”作戦を実施していたという。(後略)

garrU.S. copter came under fire before crash


■ヘリコプター、敵により墜落とアメリカ[050629 AFP]

17人を乗せて墜落した米軍ヘリコプターは、敵に撃たれた可能性があると米軍が発表した。タリバン政権崩壊後、このような事件が起きたのは初めてである。

救援隊が、チヌークの墜落現場であるクナール州の山岳地帯に向かっているが、搭乗員の安否は不明だという。(中略)

「最初の報告によると、敵の攻撃でヘリコプターが墜落したようだ。乗員を地上に落としている最中に墜落した」と、カブールにいる米軍報道官James Yontsが語った。「着陸地点に近づいたときに、直接発砲された。攻撃されたことは把握しているが、それが墜落の原因となったかどうかは不明」だという。「17人の乗員の安否は不明」。

墜落現場付近は木々で覆われた山中で、米軍と抵抗勢力との戦いがいまだに続いている。いっぽう米軍戦闘機は地上から新たな攻撃を受けることを避けるために、パトロールの態勢を変更しているという。

ヒンドゥークシュ山脈の中の険しい地形のために現場に近づけず、事故に遭遇した生存者の確認ができないという。「厳しい地形に挑まなければならない。我々はどんな挑戦にも挑むつもりだ」と、報道官が語った。(中略)

火曜日、アフガニスタン各地で流血沙汰が続いた。ヘリコプターの墜落現場から数キロ離れた地点で、タリバンが地雷を爆発させ、警察官4人が死亡した。ヘリコプターの墜落との因果関係は不明である。

garrUS says hostile fire likely downed helicopter in Afghanistan
KABUL


■タリバン、米軍ヘリコプターを墜落、35人死亡[050629 News]

火曜日にタリバンがクナール州で米軍のチヌーク・ヘリコプターを墜落させ、搭乗していた兵士35人を殺害したと主張した。

また同地域でヘリコプターを墜落させる2時間前に、他の米兵7人を殺害したと主張した。クナールの親タリバン軍事司令官のMulla Mohammad Ismailが『News』に、クナールのManogay地区のShorek Darraで2回の襲撃を実施し、米兵42人を殺害したと述べた。

真実だとすれば、2001年10月以来、米軍にとっては最大の被害となる。

Mulla Ismailによると、タリバンは午後2時頃に行なわれた最初の攻撃によって、Manogay地域のShorek Darraでヘリコプターから落とされた米兵7人を殺害したという。米兵たちは写真を撮ったりさまざまな機材を所持していたために、スパイ活動をしていたようだと述べた。「タリバン戦士たちが彼らの双眼鏡など、所持品を奪った。また死亡した兵士たちのビデオを撮った。そのうち世界のメディアに公開する」という。

さらにMulla Ismailは、殺害された兵士7人の復讐をするための補強部隊をShorek Darraに運んでいた米ヘリコプターを、タリバンが墜落させたという。タリバンはチヌークを午後4時に撃ち落とし、兵士35人を殺害した。「ヘリコプターにロケット弾が命中すると炎上した。搭乗者は全員死亡した」という。

いずれの攻撃でも、また後に米軍によって行なわれた爆撃でも、仲間は負傷しなかったという。「ジャングルでの出来事であったために、タリバンにとっては有利だった。米軍戦闘機がいまだにこの地域上空をスクランブルしている。何ヵ所か爆撃された」と付け加えた。

Mulla Ismailは前タリバン司令官だが、その後預言者ムハンマドの同志だったBira'a bin Malikの名前を継いだ戦闘組織を率いている。

Mulla Ismailは最近行なわれた『News』とのインタビューで、 自分はオマール師に忠実であり、いまだに彼をAmirul Momineen(忠実な司令官)と敬っていると衛星電話で述べた。タリバンと自分との違いについては語らなかったが、何人かのタリバン司令官とは距離をおいているようだ。

タリバン報道官のラティフッラー・ハキーミも、Mulla Ismailの主張と同じようにクナールで2回にわたってタリバンの攻撃があり、米軍のヘリコプターを墜落させたと述べた。また7人の兵士を殺害される様子はビデオに撮影され、近々メディアに発表すると語った。

garrTaliban down US’copter; 35 troops killed
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR


■米軍輸送ヘリコプター、アフガニスタン東部で墜落[050628 AFP]

抵抗勢力と戦うために兵士を輸送していた米軍チヌーク・ヘリコプターがアフガニスタン東部で墜落。搭乗者の安否は不明だという。タリバン抵抗勢力が、犯行声明を出した。

(中略)「我々がクナールでヘリコプターを落とした」と、タリバン報道官のラティフ・ハキーミが『AFP』に電話で語った。(中略)

ハキーミ師によると、タリバン抵抗勢力がこの地域で「衛星電話や地図を持ってアメリカのためにスパイ活動をしていた」アフガン人7人を拘束したあと、ヘリコプターが飛来したという。山岳部にいる抵抗勢力を追っていたらしい。「タリバンが7人のスパイを発見して、逮捕した。裁判にかけて処刑した」とハキーミは付け加えた。「7人のうち1人がアメリカ人たちにメッセージを伝えたために、ヘリコプターが飛んできた」という。

ハキーミ師は、チヌークはShurakという村の近くで落とされ、乗員は全員死亡したという。(後略)

garrUS troop transport helicopter crashes in eastern Afghanistan
KABUL


■米軍ヘリコプター、アフガニスタンで墜落[050628 AP]

15〜20人の兵士が搭乗していたという米軍CH-47チヌーク・ヘリコプターが火曜日に、アフガニスタン東部で戦うための補強部隊を輸送中に墜落したと、軍高官が述べた。タリバンが、機を墜落させたと主張した。

クナール州アサダバード付近で墜落したヘリコプターの乗員の安否は不明だと、米軍が発表。墜落の原因もわかっていないという。別のヘリコプターや 固定翼機が現場に向かっているらしい。

ワシントンの米軍高官によると、15〜20人の兵士が登乗していたという。

州知事Asadullah Wafaが『AP』に語ったところによると、タリバンがヘリコプターをロケット弾で攻撃して墜落させたという。またタリバン報道官のラティフ・ハキミ師は、墜落のニュースが発表される前に『AP』に電話をよこし、抵抗勢力がヘリコプターを落としたと述べた。(中略)

garrU.S. Helicopter Crashes in Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL


■アフガニスタンに対するインドの悪夢[050628 Asian Times]

ニューデリーは、アメリカがアフガニスタン南部と東部から撤退することを、非常に心配しながら見守っている。米軍基地はアフガニスタン各地に残るが、アフガニスタンの非都市部の治安は、パキスタンを含む国際部隊に委ねることになる。(中略)

《アフガニスタンで軍を縮小》

デリーが最も心配しているのは、地域の安全をワシントンの盟友たち、特にパキスタンに引き渡すことで、保守派ムスリム、反印の勢力の動きが再び活発になることだ。中央アジアの国々、ウズベキスタンやキルギスタンではすでに、ワッハーブ派系統のイスラーム過激派の動きが活発になっている。

最近ラムズフェルドをはじめとして、アメリカの要人がパキスタン、ウズベキスン、タジキスタンを訪れ、アフガニスタンに兵を派遣して、治安のために尽くすことを要請した。ニューデリーは、アメリカのこの申し出は、パキスタンがアフガニスタンに軍隊を派遣することをインドに認めるように、案にほのめかしていると捉えている。インドはイラクに派兵していないし、アフガニスタンにも派兵しない。情報によると、アフガニスタンとパキスタンの国境は、タリバン時代よりも悪化している。この地域は反米、反印の抵抗勢力が支配している。アメリカはこの地域をコントロールすることはできない。ワシントンは、イスラマバードに頼らざるを得ないのだ。

インド人高官によると、パキスタンは必ず以前の諜報組織やジハード組織をこの地域に復活させ、タリバン政権が崩壊したあと、インドがカンダハル、ジャララバードで確立した政治的ネットワークを排除しようとするだろう。またアメリカが認めれば、パキスタンはすぐに作戦を実施し、この地域をコントロールする。

《パキスタン、再び行動開始?》

ワシントンは、パキスタンがこの地域から反米勢力を一掃するために協力しないことに、気づき始めたようだ。その結果、アフガニスタン東部と南東部は、再びパキスタンのISIの支配下に、そして結果的にパキスタン軍の支配下に入りつつある。

5月26日にSarah Chayesが『New York Times』で書いたように、アフガニスタンで発生したデモ運動は『Newsweek』の記事そのものから発生したのではなく、5月8日にカルザイが米軍との長期的な協力を発表したことがきっかけだった。Chayesによると、カルザイが米軍基地の存続を発表したことに憤慨したのは、アフガン人ではなく、パキスタン人だったという。(中略)パキスタンは、アメリカがアフガニスタンから撤退して、イスラマバードに場を明け渡すことを望んでいる。事実、これが現実になりつつあり、カルザイは心配を隠さない。カルザイはイスラマバードよりもニューデリーと関係を築くことを望み、自分の心配を最近ブッシュにも語ったが、ブッシュはカルザイよりもイスラマバードを重視しているため、相手にされなかった。

Chayesによると、パキスタンがバシュトゥン地域を支配しようとしている動きは、パキスタンの学生がカンダハル大学に大勢いることからも明らかだという。カンダハルはタリバンの根拠地だった。「カンダハルは崩れかかっている。それなのに、なぜパキスタンからわざわざ勉強しに来るのだろう。ISIが、ここに学生組織を作ろうとしているからだ」。

アメリカの高官も、これを見通しているために、ニューデリーにとっては、心配はさらに大きくなる。パキスタンの手先はタリバンや過激派組織を用いて、再びアフガニスタンをコントロールしようとする。中央アジア地域の戦略を握ることが目的だ。

《中央アジアの賭け》

イスラマバードはワシントンとともに、中央アジアをロシアや中国から守ろうとするだろう。インド人にとっては、これは不可能だ。したがって、インド人がアフガニスタンに存在できれば、インドにとっては有利となり、ロシアや中国との利害関係は一致する。インドは石油やガスのために、中央アジアに乗り出したい。パキスタンはインドのこの要求を知っている。そのために、それを邪魔しようとする者たちが必ず出てくる。(中略)

《新たな問題》

カルザイのアメリカ訪問は失敗だったと、パンシール渓谷の者たちは語る。(中略)カルザイは結局パシュトゥン族社会に重視されず、力もない。パンシールにいるタジークは、彼をリーダーと認めない。タジークは、再びロシアやインドと組もうとするだろう。そしてカブールが非パシュトゥン政権の支配下に入ることを防ぐために、アメリカはパシュトゥンをパキスタンのISIに引き渡す。そしてケシはこれまで以上にはびこり、アフガニスタンのあちこちにある小さな基地にいる米軍は、ブッシュ政権から次の命令が下るのを待つ。ニューデリーにとっては、好ましくない動きだ。

hoonIndia's Afghan nightmare
Ramtanu Maitra


■アフガン政府、パキスタン人逮捕に沈黙[050628 Daily Times]

アフガン政府は、カリルザド元アメリカ大使を殺害したパキスタン人3人を逮捕したことを、正式にパキスタンに通達していないという。

「カブールのパキスタン大使館も、イスラマバードのアフガン大使館も、逮捕の件を外務省に通達していない」と、外務省報道官のJalil Abbas Jillaniが月曜日に述べた。

カブールにいる3人のパキスタン人に、大使館関係者も接触でないならしい。

garrAfghan govt quiet on Pakistanis' arrests
PESHAWAR


■抵抗勢力、28人の部族民長老をアメリカのスパイと非難[050628 News]

北ワジリスタンの抵抗勢力が、部族の長老や宗教指導者たち28人に、アメリカのためにスパイ活動をしているとし、直ちにやめなければ、それなにの結果を見ることになると警告した。

北ワジリスタンのMirali Tehsilで、匿名の手紙が夜間にばらまかれ、アメリカにムジャヒディンの情報を提供している者に、スパイ活動を止めなければ殺害すると脅迫した。バヌーの警察官Tahir Daurと北ワジリスタンの宗教者でイスラーム神学者協会のMaulana Muhammad AlamとMaulvi Azharuddinが、アメリカのために「ムジャヒディン」をスパイしていると名指しされている。

別の宗教リーダー、Maulavi Janat Mirも、同じ理由で非難された。数日前に何者かがこの宗教リーダーに、700ルピーの入った手紙を送りつけ、同封した金を使って自分の葬式の準備をするよう、脅迫された。(中略)

これとは別に、アフガンリーダーと前「ムジャヒディン」司令官、ハッカーニ師の腹心たちが、日曜日と月曜日の間にパクティア州のAryubにある地方政府の建物を襲撃した。ハッカーニ師の報道官だというムハンマドが『News』に電話を寄越し、ハッカーニ師のグループが建物の周りのすべてのチェックポストを占拠したと語った。

米軍の戦闘ヘリコプターに攻撃されると、すぐに「ムジャヒディン」たちは撤退した。「爆弾を落とされれば、市民も殺害されるために撤退した」。「無実な住民が米軍に殺害されることは望まない」という。

hoonMilitants warn 28 tribal elders against spying for US
Behroz Khan


■米軍、アフガニスタン支配を強化[050627 AP]

米兵は、タリバンの隠れ家であるアフガニスタン南部のKhakeran谷に潜入し、地域の安全を維持しようとしている。

抵抗勢力300人がこの谷に隠れているといわれるが、米軍が日曜日にこの地域に入ってからは、誰とも遭遇していない。CH-47チヌーク・ヘリコプター、ブラック・ホーク、アバッチ戦闘ヘリコプター2機が、低空飛行しながら捜索を続けている。

「敵はKhakeran谷に隠れていた」。「タリバンがこの地域にいることを知っている。地元の人々の話から、敵は我々がここにいることを非常に憤慨しているらしい」と、隊のリーダーLuke Langerが語った。

3月以来、抵抗勢力465人が殺害されたといわれる。米兵29人、アフガン兵38人、民間人125人も殺害された。

米軍がKhakeran谷の最初の村に到着して機体から飛び降りると、ニワトリがあちこちに逃げ回った。兵士のまわりを農民たちが取り囲んだが、村からは怪しいげなものは何も発見されなかった。

次の村で抵抗勢力のグループが目撃されたという報告が入ったため、兵士たちは再びヘリコプターに乗り込んで、飛び立った。村から見えない所に着陸して、偵察隊が密かに村に接近した。しかし村に集まった者たちは抵抗勢力ではなく、結婚式の客であることがわかる。

隊は今度は谷の中心の村Mangal Khanに飛んだ。3月にタリバンに襲撃されて高官たちが逃走するまで、地元の警察署があった場所だ。警察署の窓ガラスは割れ、半焼していた。米軍司令官は村の長老と会い、軍は引き上げないと宣言した。「ここに留まる。警察署を建て直す」とMichael Kloepper隊長が語った。

「人々を助けるために来たが、タリバンを殺害するためでもある。タリバンと戦うのが好きだ」と『AP』に語った。

米軍報道官のJerry O'Haraは、軍は地域全体で活動していると述べた。「敵の隠れ家を取り除く」ためだという。「敵は唖ではない。我々が『x』で作戦をしていると知れば、彼らは『y』に移動する。彼が何かしでかす前に、『y』に行くことが我々の目的だ」。

hoonU.S. Army Reasserts Control in Afghanistan
TOMAS MUNITA


■パキスタンが釈放した前グアンタナモ囚人、クルアーンが冒とくされたことを証言[050627 AFP]

パキスタンで拘束されていた、17人の前グアンタナモ刑務所囚人たちが、9ヵ月ぶりに釈放された。多くの元囚人は、アメリカの刑務所でクルアーンが冒とくされたことを証言した。(後略)

hoonFormer Guantanamo prisoners freed by Pakistan allege Koran abuse
LAHORE


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