【2005年9月12日〜9月18日】
●ムシャラフ大統領が、中東で和平交渉が進展している今、パキスタンは今後イスラエルとの関係を築いていくと述べた。
●ムシャラフは、American Jewish Congressのメンバーとの晩餐会で発言した。イスラエルと外交関係がないムスリム国家のリーダーとして、ユダヤ人リーダーと公的に対話を交わした。(後略)
●アフガニスタンは日曜日に、初めての国会選挙を実施した。
●各地で暴力沙汰があったが、選挙を妨害することを誓っていたタリバン戦闘員による表立った攻撃はなかった。
●選挙に先立ち、16人の抵抗勢力と5人の警察官、フランスの特殊部隊員が殺害された。また治安部隊は、巨大なダムの爆破計画を含めて、4件の爆発を未然に防いだ。
●フランス軍の車がアフガニスタン南部で地雷を踏み、フランス兵1人が死亡し、別の兵士が負傷した。
●カブールでは国連の武器庫にロケット弾2発が撃ち込まれ、地元のスタッフ1人が負傷した。アフガニスタン東部では激しい戦闘が発生し、戦闘員3人と警察官2人が死亡、米兵2人が負傷した。
●しかし日曜日は、主に選挙の話題でもちきりだった。「我々は歴史を刻んだ」と、投票に訪れたカルザイ大統領が語った。「アフガン人にとっては、自分で物事を決めた日だ。30年続いた戦争のあと、今日、アフガニスタンは前進した」。(後略)
●日曜日の朝、フランスの特殊部隊員がアフガニスタン南部で起きた爆弾の爆発で死亡した。
●同じ車両に乗っていた別の兵士も、負傷した。フランス兵は、アメリカ主導の「Operation Enduring Freedom」に参加していた。
●フランスの特殊部隊は、スピンボルダック付近で、「ヘラクレス」という暗号の任務にあたっている。フランスは約200人の兵士を「Operation Enduring Freedom」参加させているほか、600兵がこれとは別に、平和維持軍としてアフガニスタンに派遣されている。
●国連は土曜日に、暴力沙汰を拒否して選挙に参加するように、人びとに呼びかけた。カブールをはじめ、各地で激しい戦闘があり、戦闘員9人と警察官3人が殺害された。
●治安部隊は、抵抗勢力による爆破計画3件を事前に防いだという。(中略)
●アフガニスタン全域で、アフガン警察官と兵士10万人、外国人部隊3万人が、警備にあたっている。パキスタンの国境地帯では、戦闘員がパキスタンからアフガニスタンに入らないように、数千人の兵士が監視している。
●カブール郊外では治安パトロール隊が襲撃され、地方警察長官と高官2人が殺害された。またカブールとつながるハイウェイで、警察パトロール隊が襲撃され、銃撃戦の結果戦闘員7人が殺害された。
●木曜日にはカンダハルで、タリバン2人が殺害された。
●ガズニとパクティアでは、爆弾が仕掛けられた車が発見された。また爆弾を持ったタリバンらしきパキスタン人2人が、パキスタンとの国境付近で逮捕された。(後略)
●南ワジリスタンで金曜日に戦闘員が殺害されるとともに、行政官の車を奪った人間の引き渡しを要求して、行政側が13人の長老を逮捕した。
●戦闘員はマフスード族のShadajanの息子Yaqubで、親政府スパイと疑われる男に撃たれた。
●車に乗った5人の戦闘員が、身元不明の男が乗った乗り合いトラックを追跡していた。Sraroghaバザールで車を止めると、覆面をしたYaqubを含む戦闘員たちが、車に向かって歩いて行った。
●目撃者によると、乗り合いトラックに乗っていた男が戦闘員に発砲し、Yaqubをその場で殺害した。その後、戦闘員は男を殴打してから車に乗せ、Spinkai Raghzaiに向かったという。
●戦闘員の関係者によると、男は政府のスパイで、彼を誘拐する計画だったという。仲間のYaqubを殺したために、シャリーアで裁かれる。男はある場所に監禁されている。
●いっぽうマフスード族のMachikhel氏族の長老13人が、副行政官Anwarzebに会いにタンクに行ったところ、逮捕された。ワナで10日前に、行政の車を奪った抵抗勢力の件を話し合うために、招集されたという。行政側は、車を返還して犯人を引き渡すまで、長老13人を拘束するという。
●ムシャラフのマドラッサを改革するという約束にもかかわらず、政府はマドラッサ内をコントロールすることができないでいる。
●「アメリカが嫌がっているからといって、ジハードを教えるのをやめたりはしない」と、マドラッサの校長Abdul Rashid Ghaziがムシャラフを非難する。
●今週マドラッサを代表する傘下グループが、マドラッサを登録させようとする政府のキャンペーンに協力しないことを宣言した。政府は、登録をしなければマドラッサを閉鎖すると脅かしている。
●「マドラッサで何が行なわれているか調べるのは、我々の仕事だ。政府の仕事ではない」と、聖職者で政治家のAbdul Malikが述べた。
●(中略)表面的には、マドラッサが登録を拒否する理由はほとんどない。単に1ページの書式を埋めれはいいだけだ。学校の名前、責任者、学生の数、管理者の名前を書くだけだ。学生や先生の名前や、寄付金の出所などは記載する必要はない。
●先月修正された法案のもとで、マドラッサは年間会計調査を提出し、過激主義を教えないことが要求された上で登録する。しかし植民地時代にできた法律のもとでは、学校が登録を拒否した場合の罰則はない。
●ムシャラフは先週『AP』に、ロンドンの爆弾犯の1人が、ラシュカレ・タイバと関係のあるマドラッサを訪れたことを認めた。
●(中略)2002年にもマドラッサの改革が宣言されたが、放置されたままだった。(中略)ほとんどのマドラッサが、強力な宗教組織と関係がある。これらはムシャラフの政策に強く対抗しており、もしマドラッサの取り絞まりが強化されたら、これらの組織はますます支持される恐れがある。(後略)
●アフガニスタンの米軍高官の話として、ビンラディンは健康を害して治療を求めていると、ロンドンのアラビア語新聞Al-Hayatが水曜日に報道した。
●「ビンラディンは治療を求めている」と、カブールのDon McGraw大佐がイギリス人報道陣に語ったという。
●パキスタンは、北ワジリスタンにあったアルカイダの最大基地を捜索し、武器や爆発物など、トラック15台分を押収した。
●抵抗勢力のアジトは、タリバン政権時代の前大臣の息子が所有するマドラッサにあったと、サフダール・フセイン准将が述べた。
●フセインによると、所有者のシラージュッディン・ハッカーニは、近くの別の隠れ家から、逃走したという。
●「ハッカーニ・マドラッサとそれに付随する建物の捜索は、まだ続いている。北ワジリスタンにある、最大のアルカイダ基地と思われる」。「トラック15台分の爆発物や武器を押収した。まだ押収が終わっていないものもある」という。
●アフガニスタンの選挙に先立ち、国境は完全に封鎖されて763の検問所が設営され、抵抗勢力がパキスタンからアフガニスタンへ流入するのを防いでいるという。
●(中略)ハッカーニの父親のジャラウッディン・ハッカーニは、対ソ連時代の有名な戦士である。タリバン崩壊後は、行方がわからない。シラージュッディン・ハッカーニに事前に情報を与え、逃走を手伝った高官が逮捕されたと、フセインが述べた。
●米軍ヘリコプターが、パキスタンの部族地帯のモーマンド行政区上空40キロを侵入した。
●目撃者によると、ヘリコプターは国境地帯のKhuwazaiに侵入し、低空飛行でKhanchチェックポストに向かって行ったという。その後再びアフガニスタン側に帰った。
●ビンラディンは2001年に、アルカイダによって買収されたアフガン人司令官たちによって、無事にパキスタン側に逃げることができたと、アフガン高官が語った。
●アフガニスタン内務省報道官のLutfullah Mashalによると、司令官たちがトラボラからビンラディンを逃がしてやったという。「アルカイダが金を提供したことや、イデオロギーに感銘して援助された」という。
●「オサマはアルカイダの仲間たちと一緒に、パキスタンのパラチナール(クラム行政区)に逃げた。その後パキスタン軍がアルカイダ残党と戦い、70人を殺害した」という。
●Maulvi Yunus Khalisに忠実な司令官たちが、アルカイダの逃走を助けたという。有名な対ソ連戦争のムジャヒディン、Khalisの行方はわかっていない。
●(中略)トラボラにいた800〜900人のアラブ人たちがパキスタンのカイバル行政区に逃走したが、アルカイダ幹部たちはSulemankheilに援助され、馬に乗ってパチラナールに入った。ビンラディンはその後再び国境を越え、コーストに入り、ジャラウッディン・ハッカーニに助けられた。後に今度は北ワジリスタンのミランシャーを目指して、国境を越えたという。
●Mashalはビンラディンとザワヒリを追って、パラチナール、シャーワル、Daddakheil、ミランシャーのキャンプを訪れたが、2人を探し当てることはできなかったという。「チェチェン人、ウズベク人はいたが、2人の居場所に関しては、何もわからなかった」。
●ビンラディンはパキスタンの部族地帯を、タリバンやアラブ人戦士に守られて移動しているという。「彼は移動を続けるために、居場所を特定できない。ハッカーニの部下や、イエメン人に守られている」。
●ペンタゴン幹部と米軍事高官は、来週、アフガニスタンから兵の一部撤退させ、20%にまで減らすことを考えているという。
●現在アフガニスタン北部と西部で国家再建活動をしているNATO軍が、来春米軍の指揮のもとで、任務を引き継ぐ。米軍はイラクとアフガニスタンに長期間駐留しているために、ペンタゴンは、地元の軍隊や同盟軍が、米軍を引き継ぐことを要求している。
●しかしドイツは火曜日の会談で、NATOが米軍司令官に指揮されることに反対し、米軍と関係することで、同盟軍が抵抗勢力の攻撃を受ける恐れがあると述べた。イギリス、フランスなどの他のヨーロッパ諸国もこれを支持している。
●米軍の大部分はアフガニスタン南部で作戦を実施しているために、軍の縮小が実現するかどうかは明らかではない。南部では抵抗運動が激しくなっている。
●(中略)ドイツの国防大臣Peter Struckは、NATOの平和維持軍と軍事作戦を行なう米軍を、1人の司令官のもとで融合させることは、「我々の戦士を危険にさらし、アフガニスタンの状況を悪化させることになる」と述べた。イギリスやフランスの高官もこれに同意している。
●ヨーロッパの反対意見に対処するためペンタゴンは、平和維持だけに従事したい国と、対テロ作戦に従事することに同意する国の2つの分隊にわけ、それぞれが1人の司令官のもとでまとまるという草案を提出した。この2つの分隊は、さらに1人の司令官のもとに融合するという。
●フランスとドイツは、数人の特殊部隊員が米軍とともに戦闘に参加しているが、他のヨーロッパ隊は、治安維持だけに従事している。
●イギリス、カナダ、オランダ軍は、すでに南部のNATO軍を指揮することに同意している。しかし南部にいるこれらの隊が、対テロ作戦に従事するかどうかは、明らかではない。(後略)
●アフガン内務省報道官のLutafullah Mashalが初めて、2001年12月にビンラディンを追跡するスパイとして、パキスタンの部族地帯であるパラチナールと北ワジリスタンに潜入したことを認めた。
●火曜日の夜にGeo TVの番組、「Capital Talk」で、ホストを勤めるハミッド・ミールが、Mashalの「オサマの追跡者」としての役割について語った。Mashalは、2001年11月にトラボラで実施された作戦に、参加していたという。
●Mashalによると、米軍が地元の軍閥、ハザラット・アリに協力させたことが、作戦の失敗だったという。ハザラット・アリはアルカイダから金を受け取り、オサマの逃走に協力した。
●オサマはパラチナール地域に馬で入り、そこからジャラウッディン・ハッカーニがいたコーストに戻ったという。Mashalはアルカイダを追って、シャーワル、Datta Khel、ミランシャーに入った。この地域にはアラブ人はいなかったが、ウズベクやチェチェン人がいた。さらに米軍は私服でトラボラに入り、オサマの捜索には実質的には参加しなかったと非難した。
●ハミッグ・グルはオサマのトラボラからの逃亡を取材し、地元の人間の話から、約800人のアルカイダがアメリカの包囲網をくぐり、パキスタンに逃げたことを確認した。米軍の爆撃で死亡したのは数十人の戦士だけで、地元の人間により、敬意をもって、トラボラの山頂に埋葬された。
●テレビチームは、米軍ヘリが撃墜したクナール州の現場にも入った。アラビア語を話す戦闘員が、アルカイダによって殺害された米軍兵士のビデオを提供した。兵士のIDカードから、海兵隊員のDenney Philipだったことがわかる。
●アルカイダはDenneyのラップトップから、地図などの機密情報を入手した。さらにハミッド・ミールはガズニ州で、タリバンリーダーのMulla Muhammad Anasに会う。Anasは、カルザイ政権は都市部だけで機能しており、南部や東部はタリバンがコントロールしていると語った。カルザイはムタワキルとMulla Arsala Rehmaniを通してタリバンと取り引きをしたが、状況の前進は何もないという。(後略)
●アフガニスタンは火曜日に、タリバンや麻薬密売人の越境を防ぐために、国境沿いにフェンスを設立するというパキスタンの申し出を断わった。ムシャラフはニューヨークで、ライス国務長官にこのような提案をしていた。
●「我々はまず国際法に基づいて、国境を決定したい」と、アフガン内務省報道官のLutfullah Mashaalが述べた。「国境が決定するまでは、そのような申し出を受けることはできない」。
●ペシャワル警察司令官のサフダール・フセイン准将が、国境地帯にさらに5000兵を派遣すると発表した。
●フセインによると、ミランシャーとミール・アリで、21人のテロリストが逮捕されたという。また凧のような小さな偵察機も押収された。(中略)
●フセインは、パキスタンが国境に沿ってフェンスを建てることに関しては、これはアフガニスタンの問題だとして、考えに同意しないことを表明した。「越境はアフガニスタンの問題で、我々の問題ではない。我々は軍を国境沿いに配置したために、我々のやるべきことはやっている」。
●フセインによると、逮捕された者のなかには政治に関わっている者がいると述べ、この人物がテロリストに協力していた可能性をほのめかした。2人の重要人物、北ワジリスタン出身の国会議員のMaulana Nek ZamanとMaulana Sadiq Noorが、テロリストと関係があったとして疑われているという。さらにMaulana Nek Zamanの親戚が、テロ行為に加わったとして逮捕された。
●(中略)フセイン准将は、「アブドゥッラー・マフスードが南ワジリスタンのマキーン地域を拠点として、戦闘員を募集し始めた。これはジハードのためのものではなく、目的は地域の混乱だ」と述べ、さまざまな戦闘員が南ワジリスタンのワナを拠点として活動していることに言及した。
●アブドゥッラー・マフスードは犯罪者たちを集めて行動しているため、軍は彼を逮捕しようとしているという。いっぽうバイトゥッラー・マフスードは政府に協力しているとして、称賛した。Maulana Sadiq Noorは、部族民たちからジハードのための献金を集めていると述べ、逮捕された者たちは、Noorのグループの者だという。
●アブドッゥラー・マフスードと部下のSanaullahは、改造爆発物 (IED)を仕掛けるために貧困層を雇い、金を支払っているらしい。これらの金はアフガニスタンから入ってくるという。フセインは、「Zakhim Khan MahsudとSadiq Noorは、爆発物を仕掛けた者に1万ルピーを支払っている」と述べた。(後略]
●NATOは、アメリカ主導の同盟軍を引き継いでアフガニスタンの対テロ作戦を行なうべきだと、ラムズフェルド国防長官がNATOの会議で発言したが、米軍の撤退時期については、語らなかった。
●(中略)麻薬撲滅を含めて、NATOがアフガニスタンでもっと活動するべきだというラムズフェルドの発言が、今回の議題の中心になりそうだ。「現在はまだ行なわれていないが、NATOが対テロ活動を今後してくれれば、好ましい」という。
●パキスタン軍が国境地帯で作戦を実施し、アルカイダの隠れ家から無人偵察機を押収、戦闘員21人を逮捕したと幹部司令官が述べた。
●戦闘員たちは中国製のスパイ無人偵察機を使用して、部族地帯にいる治安部隊を偵察していたという。
●(中略)「テロリストたちはRPV(リモートバイロット装置)を用いて、治安部隊員の位置を調べ、攻撃していた」と、フセイン准将が語った。偵察機は武器を装着することができるという。
●偵察機は、オーディオ装置や対ソ連の「ジハード」CD、士気を鼓舞させるためのアラビア語の歌、ロシア語の地図などとともに、メディアに公表された。偵察機には、洗練された広角カメラが取り付けられてていた。
●さらに「自爆ジャケット」や、ヨルダン、アフガニスタン、パキスタンのパスポート、アルカイダの訓練機材などを押収したという。(後略)
●火曜日にパキスタンは部族地帯で、戦闘ヘリコプターや数千人の兵士を導入して、アルカイダの隠れ家を一掃し、戦闘員21人を逮捕した。(中略)
●作戦は、北ワジリスタンの3つの地域にアルカイダ戦闘員が潜んでいるという情報をもとに、実施された。フセイン准将によると、3500人の兵士と戦闘ヘリコプターが導入された。
●容疑者数人が、タリバン幹部司令官のジャラウッディン・ハッカーニが設立したマドラッサのそばの建物で、逮捕されたという。
●フセインによると、ハッカーニの運転手が今週ミランシャーで逮捕され、その取り調べから、建物の捜索が実施された。アラビア語やパシュトゥ語のメッセージを、アフガニスタン内に送る通信の拠点だった。「コミュニケーション・センターを取り締まり、CDや通信装置を押収した」。
●また軍は、北ワジリスタンの宗教政党議員、Maulana Nek Zamanの親戚である政府関係者を、テロリストに協力していたとして逮捕した。(後略)
●パキスタン軍は部族地帯で大がかりな作戦を実施し、アルカイダの隠れ家で抵抗勢力21人を逮捕した。
●アナリストによるとパキスタンは、18日に予定されているアフガニスタンの選挙に先立ち、タリバンやアルカイダ戦闘員が国境を越えないよう、アメリカやアフガン政府により圧力をかけられている。
●北ワジリスタンの作戦は、ムシャラフ大統領のアメリカ訪問と、時期を同じくして実施された。ムシャラフは国連総会に出席し、ブッシュ大統領やインドのシン首相と会談する予定である。
●「まだ作戦は続いている。おそらく北ワジリスタンで実施した作戦のなかでは、最大のものだ」と、サフダール・フセイン准将が述べた。
●彼によると、土曜日に開始した作戦で21人の容疑者が逮捕され、膨大な量の武器、自爆ジャケット、翼幅が1メートルに満たない小型リモートコントロール偵察機を押収したという。「逮捕者のなかには、重要人物がいる」と述べたが、人物の特定や、外国人がいるかどうかについては語らなかった。
●フセインによると、作戦はミランシャーの近くにあるマドラッサで行なわれ、戦闘員たちの本部になっていた。「すべての作戦が指揮されていた、テロリストやアルカイダの本部を取り締まった」と、マドラッサに言及した。「本部が一掃されたことで、この地域のアルカイダやテロリストは行動できなくなった」。
●軍が十分なことをしていないとの非難に対処して、ムシャラフは国境の要所にフェンスを建てることを申し出た。また先週、軍はさらに9500人の兵士を国境地帯に増強することにしている。これで兵士の数は80000になる。(後略)
●治安部隊が北ワジリスタンのDande Darpakhelにあるハッカーニ・マドラッサで捜索を行ない、月曜日に9人の外国人を含む15人のテロリストを逮捕した。作戦は続行されているため、逮捕者は増える模様である。
●軍の報道によると、警察司令官サフダール・フセイン准将が作戦を指揮しているという。
●Dande Darpakhel地域にテロリストがいるという情報を受け、治安部隊が行政官や地元長老とともに、ハッカーニ・マドラッサやその周辺の建物を封鎖した。
●行政官や長老たちが、容疑者たちの引き渡しを求めたところ、数時間後、7人のアフガン人を含む12人のテロリストが逮捕された。武器も押収された。
●ミランシャーとミール・アリの近くのMachikhel村で、別の2つの捜索が実施された。ミランシャーではアフガン人2人が逮捕され、Machikhelでは1人が逮捕。武器や爆発物も大量に押収された。
●抵抗勢力たちが月曜日に、アメリカのスパイだとして3人の男の首を切った。「アメリカ人のために働く人間は、同じ運命をたどる」という、パシュトゥ語のメモが残されていた。
●遺体は月曜日に、ミランシャーから15キロ離れたTappi村の溝に放置されていた。
●抵抗勢力たちは、「政府のスパイ」と名指しした、28人の長老の名前を記載したリストを発行した。
●ロンドンの自爆犯の1人が、7月7日の3日前まで、パキスタンで盗難にあった携帯電話に何度も電話をかけていたことがわかった。
●パキスタン人高官によると、イギリスのMI5からの情報を受けて、盗まれた携帯電話を調べているという。爆弾犯と関係のあるテロリストが携帯電話を使用し、事件後に捨てられたと見られている。
●電話は数回通話を受けていたが、一番最後は7月4日のシャーザッド・タンウィールからのものだったという。誰がこの電話を使っていたのか、海外の「首謀者」が誰だったのかが、捜査の焦点となっている。
●MI5は、スィディーク・カーンのビデオメッセージは、アルカイダの協力を得てパキスタンで撮影されたと推測している。またカーンとタンウィールは、爆弾の製造や訓練を、パキスタンかアフガニスタンで受けたと思われる。パキスタンの諜報部高官は、携帯電話のカードのマイクロチップは、もともとはスィンド州のスックルで使用されたものだったと言う。元の所有者は仕立て屋だったが、後に電話は犯罪者の手に渡ったらしい。ロンドンの攻撃以後、使用されていない。
●新たな合意のもので、ロンドンの爆弾事件と関係があるとみられる7人のテロリストが、パキスタンからイギリスに引き渡されることになっている。そのうちの1人は、自爆犯の1人に会ったといわれる。
●Whitehall高官は、携帯電話にかけられた電話が捜査の焦点になっていることを認めた。
●パキスタンの宗教学校数千校が、ムシャラフ政権によるマドラッサの登録命令を差別的だとして、従うことを拒否した。
●(中略)マドラッサの代表が月曜日にイスラマバードで会談し、学校の登録を行なわないことを決めた。「我々は現段階では、この法律を受け入れることができない。差別的だからだ。この法律のもとでは、マドラッサを登録しないことにした」と、Ittihad Tanzeemat Madaris Dinya Pakistan(パキスタン宗教学校協会)会長のMaulana Mohammad Hanif Jallundriが述べた。
●(中略)Jallundriによると、新たな法律でマドラッサは資金源を明らかにするように定めたが、他の私立団体や学校にはこのような処置が求められていないという。「私立学校やNGOにこのようなことを求めているだろうか? なぜ私たちだけに、そのような義務を課すのだろうか?」と質問した。(後略)
●アフガニスタンの選挙委員会が、選挙候補者28人の立候補を追加で禁止した。これで立候補を取り消されたのは45人になるが、有名な軍閥と関係のある者は1人も含まれていない。
●(中略)リストのなかには、カブールから立候補していた前タリバン司令官のQumandan Didarを含め、Baghland州の3人の司令官が含まれている。
●(中略)7月に選挙委員会は、ブラックリストに掲載された208人候補者の資格を取り消すことを発表したが、名簿ができた時点では、11人が取り消されたにすぎなかった。残りの197人は武器を放棄したか、放棄する準備をしているということだった。
●今回資格を取り消された28人は、印刷された候補者リストにそのまま残るために、混乱が予測されるという。(後略)
●タリバンの前駐パキスタン大使がグアンタナモ刑務所から釈放され、アフガン政府高官と会見する様子がアフガニスタンテレビで放映された。
●アメリカの爆撃が開始する前に、タリバンの報道官を務めていたMullah Abdul Salam Zaeefが、アフガニスタンの和平委員会の責任者Sibghatullah Mujaddediと会見する様子が報道された。
●テレビ報道によると、Zaeefは和平委員会の働きでグアンタナモ刑務所から釈放されたという。いつ釈放されたかは、明らかにされなかった。
●Zaeefは2001年にアメリカがアフガニスタンを爆撃し始めて以来、タリバンの声となった。パキスタンのアフガン大使館でしばしば記者会見を開催し、その様子が世界に放映された。
●パキスタン政府はZaeefに、記者会見をやめさせざるをえなくなった。彼はタリバン政権崩壊後パキスタンに亡命したが、翌月逮捕され、カンダハル刑務所に移された。2002年8月に、グアンタナモに移送されたと親戚が述べていた。
●南ワジリスタンのDelaに数千人の部族民たち集まり、テロキャンプの疑いがかけられて空爆され、殺害された人々を偲んだ。目撃者によると、去年の9月9日に空爆により殺害された45人の人々を忍んで、約4000人ほどの部族民たちが集まった。
●この1周忌は、MMAのリーダーMaulana Merajuddinと、バイトゥッラー・マフスード司令官の呼びかけで実現した。
●南ワジリスタンのマフスード族居住地の宗教指導者Maulana Merajuddinは、アメリカ人に協力しているムシャラフ大統領を激しく非難した。
●以前は指名手配になっていたバイトゥッラー・マフスードは、オマール師により、パキスタン軍と戦ってはならないと命令されたと述べた。オマール師は、パキスタン軍と戦うことは、ウンマに反すると語ったという。
●バイトゥッラーは、和平条約に従い、自分たちが嫌がらせを受けない限り、軍とは戦わないと語った。いっぽうで、部族地帯にNGOが入ることは許さないとも語った。
●北ワジリスタンの宗教指導者Maulana Naseeb Khanは、政府に協力したり、アメリカのためにスパイ活動をする者は殺すと述べた。
●情報源によると、ワナで活動していたInternational Fund for Agriculture Development(IFAD) のメンバー15人が、命を脅かされたとして辞職した。戦闘員から脅迫されたり、車を奪われたという。奪われた車は、現在バイトゥッラー・マフスード司令官のもとにあるらしい。
●IFADの責任者Faiz Mohammadは、スタッフが辞めたという報道を否定したが、女性活動家が脅されて辞めたことは事実だと述べた。
●日曜日にアルカイダのアメリカ人メンバーが、ロサンジェルスとメルボルンを攻撃すると脅迫するビデオが、テレビで放映された。
●「昨日はロンドンとマドリード、明日はロサンジェルスとメルボルン」と、覆面をした男がビデオで語った。「我々はムスリムだ。我々は平和を愛しているが、イスラームの平和だ。占領者や独裁者の平和ではない」。
●ABCニュースによると、11分に及ぶビデオは、パキスタンの事務所に送られてきたという。ビデオに登場する覆面の男は、南カリフォルニア出身のYahiye Gadahnで、「アラーの思し召し」により、2都市を攻撃すると脅迫した。GadahnはFBIから指名手配になっている。CIAは日曜日に、ABCの報道については知っていると認めたが、テープが本物かどうかについてはコメントしなかった。テープは、ABCテレビで放映された。男は黒いターバンを巻き、4年前の9.11の事件を「すばらしい出来事」と呼んだ。
●Gadahnは1年前も、75分のビデオに登場している。捜査官によると、この若者は10代のときに、カリフォルニアのOrange Countyでイスラーム教に改宗したという。その後パキスタンに行き、アルカイダのキャンプに参加。テロ組織の通訳をしていた。(後略)