【2005年9月26日〜10月2日】


■アフガン人殺害のアメリカ人、すでに国外か[051002 Reuters]

米大使館が、アフガン人通訳を殺害したアメリカ人警備会社職員は、すでにアフガニスタンを離れたと述べた。

アフガンの人権団体は事件を注目し、すでにタリバンの攻撃で打撃を受けているアメリカのイメージを損なう可能性があると述べた。

金曜日にカンダハルで、抵抗勢力がロケット弾で攻撃し、米兵1人を殺害、別の1人も負傷させた。

火曜日にアメリカの警備会社に勤めるアメリカ人が、通訳のNoor Ahmadを殺害した事件で、反米感情が高まる可能性かある。Noor Ahmadの親戚は、アメリカ人を裁かない限り、焼身自殺すると警告している。(中略)

米大使館によると、事件について報告は受けたが、アメリカ人からのコンタクトはなかったという。「アメリカ人はすでにアフガニスタンにはいないと理解している」と、米大使館報道官のLou Fintorが述べた。警備会社のUSPIは、事件についてはコメントしないという。内務省報道官のYousuf Stanekzaiは、アメリカ人が国外に出たことは聞いていないと述べた。

事件は、警備会社にアフガニスタンの法律が適応されるかどうかが、注目されている。事件があったFarahの警察は、警察がUSPIの建物を調べることを、拒否されている。

「このような事件について、非常に心配している。アメリカとアフガニスタンの友好関係に亀裂が生じる。友好的なイメージが、次第に消え失せてきた」と、アフガニスタンの人権団体会長のAhmad Fahim Hakimが述べた。

アフガニスタンに派遣されている国連のRichard Burnettは、アフガン政府が、民間警備会社の雇用者に、アフガニスタンの法律が免除されるということはないという。「民間企業の職員は、出資者が誰であろうと、アフガンの法律で裁かれるべきだ」。

garrAmerican accused of shooting Afghan interpreter may have left the
country, embassy says

■軍閥とタリバン、アフガン国会議員で議員を獲得か[051002 AFP]

アフガニスタン選挙の結果の80%が開票され、軍閥やタリバンが、議席を獲得しつつあるという。

投票のほとんどが開票され、Joint Electoral Management Body(JEMB)が、結果を今月末までには発表する予定である。

JEMBのウェッブサイトに公表された結果によると、ムジャヒディン司令官のHaji Mohammad Mohaqiqが、カブールの国会議席の首位を確保している。Mohaqiqは、アフガン内戦時代、残虐行為をした疑いがかけられている。

次席はユーノス・カヌー二で、続いて前計画大臣のBashar Dost、そしてやはり虐待の疑いがかけられているアブドゥラブ・ラスール・サイヤーフが並ぶ。

ザーブル州の国会議席では、前タリバン司令官の、アブドゥル・サラーム・ロケッティが首位に就いている。

hoonWarlords, Taliban on track for seats in Afghan parliament
KABUL

■パキスタンのチェックポストで4人死亡[051002 Reuters]

アルカイダ系の戦闘員が日曜日に国境地帯で、軍のチェックポスト2ヵ所を攻撃し、兵士2人と戦闘員2人が死亡した。

最初の攻撃では、戦闘員が夜明け前に、準軍隊のチェックポストに向けて、ロケット弾を発射した。「ロケット弾は、近くの山から発射された。兵士2人が死亡し、4人が負傷した」と、治安関係者が語った。

(中略)ペシャワルの政府高官によると、兵士4人が先週以来行方不明になっているという。

日曜日に起きた2度目の攻撃では、銃を持った男たちが別のチェックポストでを攻撃した。「治安警察官が男2人をその場で射殺し、もう1人を負傷させた。4人目は投降した」という。

hoonFour killed in raids on Pakistani posts
MIRANSHAH

■部族地帯のロケット弾で兵士3人死亡[051002 AFP]

パキスタンの部族地帯で、軍のキャンプにロケット弾が撃ち込まれ、兵士3人が死亡、8人が負傷した。「土曜日の夜、抵抗勢力が軍のキャンプにロケット弾20発を撃ち込んだ。兵士3人が死亡し、8人が負傷した」と、治安組織高官が述べた。

兵士たちが応戦し、家屋2軒を破壊したが、戦闘員側には死傷者はいない模様である。

いっぽう戦闘ヘリコプターに援護された軍が、Khatey Killay村で戦闘員たちの捜索を続けている。

これとは別に日曜日、Eisha村のチェックポストで武装した部族民2人が、銃撃戦と末に死亡した。「部族民2人が、チェックポストでカラシニコフを引き渡すことを拒否したために、銃撃戦となった。2人とも死亡した」という。

地元高官によると、木曜日以来続いた戦闘で、戦闘員30人が死亡したという。軍は、5遺体を回収した。(後略)

hoonThree soldiers killed by rockets in Pakistani tribal area
MIRANSHAH

■軍、村に突入[051002 Dawn]

土曜日に治安部隊は戦闘員の抵抗を破り、北ワジリスタンのKhattaki村に突入し、家宅捜査を開始した。

早朝3時半に戦闘ヘリコプターに援護されて、軍が村に入った。捜索はまだ続いている。高官によると、少なくとも治安部隊員8人が死亡、戦闘員は35人死亡したと述べた。正確な数は、どちらも確認されていない。

情報源によると、治安部隊の包囲にもかかわらず、戦闘員たちは包囲網を突破して消えてしまったという。何人かは、まだ周辺に隠れている可能性もある。

治安部隊はMaulana Sadiq Noorの家を包囲して、中にいる者に投降を呼びかけた。女性や子供が、まだ中にいるようだ。

hoonForces enter embattled village
Pazir Gul

■アフガニスタンの行方不明の硬貨、パキスタンの税関吏に疑い[051002 News]

行方不明になっているアフガニスタンの硬貨スキャンダルは、パキスタンの税関高官たちに疑いが向けられている。

情報源によると、行方不明になっている21トン分のアフガン硬貨の謎には、パキスタンの税関関係者が関わっていると言う。しかしパキスタンにいるアフガン外交間たちは、この件に関して口を閉ざし、政府が捜査の結果を明らかにするのを待っている。

hoonAfghanistan's coins scam: probe
PESHAWAR

■戦闘員の撤退で北ワジリスタンの戦闘終わる[051002 News]

ミランシャー近くで発生した軍と戦闘員との間の戦いは、土曜日に戦闘員たちが撤退したことで終結した。軍は、容疑者の家の捜索を開始した。

土曜日にKhattay Killay村では戦闘がなかったが、2日間で両陣営に多くの犠牲者が出た。(中略)

軍当局は、兵士が行方不明になっているという報告を否定した。金曜日に軍は行政当局を通して部族の長老たちに、行方不明になっている兵士20人が発見されるまで、停戦には応じないというメッセージを伝えていた。長老たちも、行方不明になっている兵士が発見されるまで、停戦はあり得ないとはっきり言われたと発言している。しかし軍報道官は、兵士は行方不明になっていないと主張した。(中略)

戦闘員たちは夜間に撤退したようで、土曜日に兵士たちが、戦闘員たちが近くの丘に構えていた前線に到着すると、もぬけの殻になっていた。

hoonFighting ceases in N Waziristan as militants pull out
Rahimullah Yusufzai

■イギリス、アフガンで兵を拡大[051001 BBC]

NATO軍がアフガニスタン南部にも兵士を派遣し、治安や麻薬の密輸を取り締まると、イギリス国防相のジョン・リードが発言した。

アフガニスタンを訪れたリードは、NATOがアフガニスタンで戦闘に加わるかどうか内部で意見の相違があるが、これを「解決」する必要があると述べた。フランス、ドイツ、スペインは、平和維持だけに従事するべきだという立場をとっている。

イギリスは来年の5月から、NATO軍をリードしていくことになる。今年になってからタリバンの活動が活発化しているヘルマンドに、軍を派遣する予定である。

金曜日にイギリス国防省は、アフガニスタンにいるイギリス軍の兵力増強を発表した。これまでの900兵に加えて、新たに4000兵が派遣される。

hoonUK backs Afghan troop expansion

■兵士2人アフガニスタンで死亡[051001 AP]

米兵とアフガン兵がアフガニスタン南部で襲撃されて死亡したと、米軍が発表した。

カンダハルで金曜日に発生した、小火器やロケット手榴弾を用いての襲撃で、別の米兵1人とアフガン国軍兵士2人も負傷した。

hoonTwo Soldiers Killed in Afghanistan
KABUL

■タリバンリーダー、アフガニスタンで逮捕[051001CNN]

アメリカ中央アジア司令部が土曜日に、アフガン警察が今週アフガニスタン東部で、タリバンの重要司令官を逮捕したと述べた。

「地元民の通告で、Abdul Gafarがアフガン軍に逮捕された」と、米軍が発表した。「米軍はアフガン警察がGafarを逮捕する間、安全を確保した」という。

中央アジア司令部によると、Gafarはガズニ州におけるアフガン軍や米軍に対する攻撃の首謀者だった。

hoonU.S.: Taliban leader held in Afghanistan
BAGHDAD

■アフガン通貨数十億、行方不明[051001 News]

パキスタン経由でアフガニスタンに運ばれたはずの、アフガニスタン通貨、数十億アフガニが途中で行方不明になったと、カルザイ大統領がムシャラフ大統領に、捜索の協力を依頼した。

「カルザイ大統領は電話で、ムシャラフに捜索の協力を依頼した」と、ある外交官が語った。事件は、イスラマバードのアフガン大使館と、ペシャワルのアフガン総領事館が、ドイツで製造されたアフガン通貨の一部である、2アフガニ硬貨と5アフガニ硬貨数トン分が、カブールに移送する途中、行方不明になったと伝えたことで発覚した。

情報源によると、ペシャワルのアフガン領事館の外交官の一団が、カラチから硬貨を運んできたトレイラー2台と一緒に走行していたが、トルハムで重量を測るために止められた際、コンテナがほとんど空だったことが判明したという。

「コンテナは、ほとんど空になっていた。2台のコンテナで硬貨30トン分あるはずだったのが、9トンしかなかった」。「ずっとこれだけしかなかったのに、誰も盗まれたことに気づかなかったのだ」と、外交官が述べた。

コンテナ2台はペシャワルに戻り、税関吏の取り調べを受けている。アフガニスタンかパキスタンの政府高官が、この事件に関わっていないか、密かに捜索されているという。

硬貨はパキスタンを経由して、カブールの財務省に引き渡されるはずだった。しかし不思議なことにアフガン財務省は、この件に関して何の行動も起こしていない。情報源によると、「これまで多数の硬貨がドイツから輸入されているはずなのに、地元のマーケットでこれらの硬貨を見たことがない。おそらくこれまでも、同じようなことが何度も起きていたに違いない」。

パキスタンの税関吏は、コンテナのシールが、アフガニスタンに入るまえに、すでに破られていたことを、アフガン当局に伝えている。

外交筋によると、アフガン財務省が、この問題をカブール政府に通告していなかったと、その責任を問うている。地元民によると、シールを破ったり修復することは、ペシャワルにかかわらず、どこででも簡単にできるという。同じようなシールは、ペシャワルで2万ルピーで簡単に入手できる。食料品から燃料まで、アフガニスタンにいる米軍向けの物資がコンテナから盗まれることは日常茶飯事で、ペシャワルで売られている。

ohBillions of afghanis go missing
Behroz Khan、PESHAWAR

■7.7事件と関係する容疑者、無実を主張[0501001 Daily Times]

ロンドンの7.7爆弾事件と関係があるとして、パキスタンで逮捕されたイギリス国籍のジーシャン・スィディーキが、ロンドン爆弾事件に関してぬれぎぬをかけられており、メディアの報道は無実無根だと述べた。

スィディーキが、金曜日に法廷に出廷した後に『Daily Times』とのインタビューに応じた。法廷はスィディーキの公聴会を、10月13日まで延期したという。

「メディアが、私の裁判をめちゃめちゃにした」と、スィディーキが語り、自分がロンドンの爆弾事件と関係しているという報道は、無実無根だという。

スィディーキによると、自分はCrime Investigation Department(CID)に、6月15日に逮捕されたという。「3ヵ月間、誰とも接触できなかった」。「この期間、どうやって誰かにコンタクトがとれただろうか」。

さらに逮捕以前に、ロンドンの爆弾事件容疑者たちと連絡をとったこともないという。「ペシャワル中央刑務所に事情聴取に来たイギリス人調査官に、このことを話した。爆弾事件とは、何の関係もない」。もし有罪であれば、すぐにでもイギリスに引き渡されただろうという。

「アルカイダが爆弾事件を実施したのだ。私はアルカイダなどのテロ組織とは何の関係もない」。自分はイスラームについて学ぶために、パキスタンに来たのだという。

hoonSuspected links to 7/7 bombings: Siddiqui says he is innocent, media
ruining his case

■北ワジリスタンで兵士11人、戦闘員30人死亡[051001 News]

シェルパオ内相が金曜日に、2日に及んだ北ワジリスタンの戦闘で、兵士11人が死亡したと発表した。戦闘ヘリコプターが戦闘員たちを一掃するために村を空爆したが、パキスタン軍は激しい抵抗にあっている。

激しい戦闘で両サイドに死傷者が発生し、村人数百人が戦闘を避けて、安全な場所に避難し始めた。一番激しい戦闘があったKhattay Killayの村からは、住民全員が避難したという。

死傷者の正確な数は明らかになっておらず、戦闘はまだ続いている。『BBC』とのインタビューでシェルパオ内相は、兵士6人が死亡したと述べた。いっぽう木曜日には、すでに兵士5人が死亡している。死亡者のうち9人がパキスタン軍兵士で、残りの2人は国境警察隊員だったという。

しかし兵士20人が、Khattay Killayに向かった後に行方不明になっていると報告されているが、シェルパオはこの件に関しては何も語らなかった。ペシャワルのMuhammad Akram Sahi司令官の話として、パキスタン陸軍兵士19人と、国境警察隊兵士1人が行方不明になっていると、部族の長老たちが語っている。

司令官は停戦する前に部下を救出し、戦闘員たちを軍に引き渡すことを望んでいるという。金曜日には200人以上の長老や聖職者たちが戦いが沈静化するのを待ち、停戦に向けて話し合う準備をしていた。

これらの長老たちは、北ワジリスタン各地からミランシャーの要塞に集結し、停戦の条件について、行政官のSyed Zaheerul Islamに意見を求めている。前線で作戦の指揮にあたっていたSahi司令官がミランシャーに到着後、ジルガで状況が話し合われた。

もしジルガが、現場のKhattay Killayに入ることができれば、軍が容疑者宅を家宅捜索することを許可するよう、村の長老たちに説得することになる。ジルガは、軍による村への空爆を中止させ、両サイドが話し合いを開始できるようにすることを望んでいる。(中略)

木曜日に、180人からなるジルガがKhattay Killayを訪れたが、戦闘や空爆のため、任務を達成することができなかった。軍の目標は、Khattay Killay出身のMaulana Sadiq Noorの逮捕である。彼はマドラッサを運営し、戦闘員を匿っていると言われる。彼を始めとする重要人物たちは、部族民戦闘員たちとともに、すでにKhattay Killayから逃走したと報告されている。

これに先立ち、北ワジリスタン各地から部族民戦闘員たちがKhattay Killayに駆けつけ、軍に抵抗した。

いっぽう木曜日に殺害された3人の兵士たちの遺体は、Khazoyo村近くの丘で回収された。長老たちは金曜日に、死亡した兵士の遺体を引き取りに向かった。部族民の情報源によると、少なくとも部族民6人が、死亡者のなかにいるという。戦闘員たちも殺害された可能性があるが、遺体は仲間が運び去ったと思われる。

garr11 soldiers, 30 militants killed in North Waziristan
Rahimullah Yusufzai

■米国人、アフガン人殺害の疑い [050930 AP]

アメリカの警備会社の責任者が、通訳を射殺した疑いがあるとして捜査が開始された。

火曜日に、ファラ地区のグリスタン地方にあるTut村で、Noor Ahmadが頭を撃たれて死亡した。殺害したのは、ヘラートとカンダハル間でアメリカ資本で建設されている道路の安全を警備している、ヒューストンの警備会社USPIのアメリカ人責任者だという。

「アメリカ人が通訳を射殺した。翌朝ヘリコプターが来て、外国人をカブールに連れて行った」と、地方警察長のAllah Udin Noorzaiが述べた。外国人は、アメリカ人だったという。

カブールの内務省は、USPIで働いていた外国人がアフガン人を殺害したことを認めたが、詳細は語らなかった。Noorzaiは事件のあとに、USPIの事務所に捜査班を送り込んだが、警備官に中に入ることを阻止されたという。カブールのUSPI責任者Bill Dupreは、コメントはないと述べた。米国大使館は、メディアの報告を検討していという。米軍も、情報はないと語った。

Ahmadの親戚は、個人的なうらみから、アメリカ人が撃ったと主張した。USPIに雇われている地元民兵司令官Syedo Jan Aghaによると、Ahmadは攻撃的で、酔ったり銃を撃つことがよくあったらしい。「Ahmadについては、以前もUSPIに訴えていた」とAghaが述べた。火曜日の真夜中、銃声の音が3発聞こえたために、USPIの門をノックしたが、翌朝来るように言われた。翌朝、Ahmadの遺体を見たと語った。

別のUSPIで働く外国人によると、酔っぱらって武器を持ったAhmadが、アメリカ人の部屋に入り込み、その後、銃の撃ち合いになり、アメリカ人がAhmadを射殺したと述べた。

通常アフガニスタンで働く外国人は、アフガンの法律のもとにあるが、警備会社が法的にどういう位置づけにあるかは、明確ではない。アフガニスタンの米軍関係者には、アメリカの法が適用される。

これとは別に金曜日にクナール州で、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、米兵4人が負傷した。

隣接するパキスタン側の北ワジリスタンでは、アルカイダと関係のある戦闘員との戦いで、パキスタン兵4人が死亡した。また傍受された通信のやりとりから、戦闘員20〜30人が死亡したらしいと、治安関係者が語った。

hoonAmerican Accused in Afghan Worker's Death
MATTHEW PENNINGTON、KABUL

■アメリカ警備会社のボス、アフガン人通訳を射殺[050930 AFP]

警備会社のアメリカ人責任者が、口論のあとアフガン人通訳を射殺した。

殺害されたのは、ファラ州の道路建設を警備するUnited States Protection and Investigation(USPI) で働くアフガン人、Noor Ahmadである。

「水曜日に、アメリカ人がテントの中で、自分の通訳を殺害した」と、州警察長官のAllahuddin Noorzaiが『AFP』に述べた。犠牲者の兄弟のSher Ahmadも、Noorがボスに殺されたと発言した。会社側の人間は、そのような事件は聞いていないと述べた。

USPIはアフガニスタン最大の警備会社で、外国人警備官数百人とともに、元民兵などのアフガン人も雇用している。

先月、USPIで働いていたイギリス人警備官がファラ州で襲撃され、死亡した。タリバンが、犯行声明を出していた。

garrUS security boss 'shot dead' Afghan interpreter: police

■ウズベク、アメリカのテロとの戦争への協力中止[050930 Washington Post]

ウズベキスタンは、アメリカがウズベク内の基地を使用することを禁止したあと、ワシントンとの対テロ戦争に協力することを密かに終止符を打った。アルカイダや、中央アジア、アフガニスタンにいるその一味との戦いに、大きな影響が出る可能性がでてきいた。

ウズベキスタンのカリモフ大統領は、2002年にブッシュと結んだ合意を撤回し、ヨーロッパとの関係にも距離を置き始めている。

カリモフは、5月にアンディジャンで起きたデモに対する取り締まりに関して、欧米から強く非難されていた。人権団体によると、数百人が死亡したという。

(中略)ブッシュ政権は、カリモフはテロリズムよりも民主主義を恐れていると結論づけたという。カリモフにとっての脅威は「ウズベキスタンイスラーム運動」で、アフガニスタンにいる米軍や、中央アジアのアメリカの施設をこの組織が攻撃している。彼らの目標は、カリモフを失墜させて、イスラーム政府を作ることだ。

(中略)ペンタゴンは最近カリモフに、ウズベキスタンのK-2空軍基地を使用するために2300万ドルを支払うことに、合意していた。

hoonUzbeks Stop Working With U.S. Against Terrorism
Robin Wright

■軍ヘリコプター、抵抗勢力の隠れ家を襲撃[050930 Dawn]

木曜に北ワジリスタンのミランシャーで、軍と部族民との間で戦闘が発生し、戦闘ヘリコプターが抵抗勢力の隠れ家を空爆した。

目撃者によると、多数の部族民が安全な場所に逃げ始めているという。幹線道路は、軍によって封鎖された。

軍報道官が『Dawn』に語ったところによると、Khattaki村における銃撃戦で、部族民カサダール(警察)1人が死亡し、兵士7人が負傷したという。軍はコブラ・ヘリコプターを出動させ、砲兵を現場に向かわせている。死傷者については、語らなかった。戦闘員40人が死亡したという報告もある。

治安部隊が現場一帯を封鎖し、山岳部に包囲された戦闘員が、包囲網から脱出しようとしている。

当局によると、治安部隊はタリバン司令官のジャラウッディン・ハッカーニ師の甥の、アーマッド・ハッカーニを逮捕したという。以前グアンタナモ刑務所に収監されていたアーマッド・ハッカーニは水曜日の夜、Dandy Derpakhelでバイクに乗っていた別の男とともに、逮捕された。

未確認情報によると、少なくとも兵士2人、カサダールと部族民2人が死亡し、兵士7人が負傷した。

戦闘は、軍がKhattakiにある家を捜索しようとしたところ、戦闘員たちに車列を襲撃されたことから始まった。車列は、Datakhel地域に向かっていた。目撃者によると、部族民たちの呼びかけに応じ、300人ほどの武装した部族民たちがKhattaki村で、治安部隊に向かって発砲し始めた。陸軍と準軍隊は中距離砲を用いて応戦した。(中略)

情報源によると、100人ほどの武装した男たちが、準軍隊兵士3人を拉致したが、しばらくして解放された。(後略)

garrArmy helicopters pound militant hideouts
Pazir Gul and Dilawar Khan Wazir、MIRAMSHAH/WANA

■北ワジリスタンの戦闘員40人死亡[050930 Daily Times]

北ワジリスタンのKhatey Kali地域で、治安部隊と戦闘員との間で戦いが発生し、戦闘員40人と兵士5人が死亡した。

戦闘は夕方まで続き、治安部隊は地域全体を封鎖した。山岳地帯に包囲された戦闘員たちは、激しく攻撃を続けている。

軍報道官のショーカット・スルタンによると、戦闘員たちが準軍隊や正規軍の兵士を攻撃したため、Khatey Kali地域を封鎖したという。前タリバン司令官のジャラウッディン・ハッカーニ師の甥のアーマッドが逮捕された。

2週間前に治安部隊は、ミランシャーのハッカーニが運営するマドラッサの取り調べを実施し、膨大な量の武器を押収した。木曜日の戦闘で軍は、コブラ・ヘリコプターを用いて空爆した。ショーカットは、両陣営とも負傷者はいないと発表したが、部族の情報源によると、戦闘員40人が死亡したという。

「両陣営とも負傷者が出た。軍は認めていないが、戦闘員40人と兵士5人が死亡したといわれている」と、ミランシャーの住民が『Daily Times』に述べた。

激しい戦闘のために遺体が回収できず、地面に放置されているという。遺体を回収できるように、ジルガが交渉しているという。ショーカットは、ジルガが開催されたことは認めた。「戦闘員が平和的に投降することが好ましい。女性や子供たちは、包囲網から出ることが許されている。非戦闘員は、丁重に扱う」。「包囲地区では、戦闘が続いている」。

北ワジリスタンで、戦闘員と治安部隊との間の戦いが実施されたのは、初めてのことである。

いっぼう北ワジリスタンのHamzoni地域で、戦闘員と兵士との間で銃撃戦があり、財務官のボディーガード1人が死亡、軍兵士6人が負傷した。報告によると、軍関係者がJaton Khati村を包囲しようとしたところ、戦闘員たちが発砲した。

garr40 militants killed in North Waziristan

■北ワジリスタンに軍が侵入、戦闘勃発[050930 News]

パキスタン陸軍と国境警察が、北ワジリスタンで外国人や部族戦闘員の捜索を行なった際に、激しい抵抗にあった。

Hamzoni部族地域のKhatay Killay村で、数百人の軍兵士と部族民たちの間で戦闘が勃発し、戦闘ヘリコプターも出動した。木曜日の夜になっても、ミランシャーでは砲撃音が聞こえていると、部族民情報源が語った。

軍報道官によると、戦闘で兵士6人が負傷し、部族警察であるカサダールの1人が死亡したという。戦闘員や一般市民の死亡者数は不明である。

これとは別に北ワジリスタンで、国境警察官がアフガンムジャヒディン司令官であるジャラウッディン・ハッカーニ師の甥を逮捕して、ミランシャーにつれて行った。逮捕された男は重要人物といわれたが、家族によると、ハーカーニの甥ではあるが、カリールの15歳の息子アーマッドだという。アーマッドは、町に野菜を買いに行なったところ拘束された。家族によると、パキスタン政府はアーマッドをはじめ、彼の父親やその仲間を逮捕してラワルピンディに連行したが、アーマッドは最近釈放されたばかりだったという。彼らは、ムシャラフ大統領暗殺未遂事件と関連して、逮捕された。ソ連時代にムジャヒディン司令官だったカリールは、いまだに拘束されている。

Hamzoni部族地域の戦闘に関する、政府関係者や部族民の情報源によると、軍が木曜日の午前3時頃にこの地域に派遣されたという。Khatay Killayを包囲して、地域の高所を確保した。これに先立ち水曜日、国境警察が指名手配になっているMaulvi Sadiq Noorの家やマドラッサを捜索するために派遣されたところ、村人数百人が集まり、追い返された。木曜日に軍が到着したところ、村人たちは激しく抵抗したという。その後戦闘となり、重武器や戦闘ヘリコプターが使用された。

その後、主にマドラッサから武装した部族民たちがやってきて、戦闘に加わった。ラウドスピーカーを搭載した車が、「ジハード」を実施するためにKhatay Killayに集まるよう、呼びかけたため、人びとが徒歩や車で続々と集まってきた。状況か悪化したためにジルガで停戦を話し合ったが、決裂した。その後さらに戦闘が激化し、家族たちは地域から脱出しはじめた。

garrFighting erupts as troops move into N Waziristan villages
MIRANSHAH

■ワジリスタンで兵士死亡[050929 BBC]

南ワジリスタンのワナ郊外で、何者かが兵士4人と政府関係者を射殺した。5人は車で移動中に、襲撃されたらしい。

車の運転手は無事だった。犯行声明は出ていない。

garrSoldiers die in Waziristan ambush

■ビンラディンがイギリスに亡命を望んだ日[050929 BBC]

(前略)ビンラディンは1995年に、スーダンの基地からイギリスに亡命することを考えていいたことが、昨日判明した。(中略)

ビンラディンがイギリス当局に接近したのは、1995年1月にマニラで開催されたテロサミットの後のことで、ハイジャック犯たちが、旅客機を空飛ぶ爆弾にしようと計画していた頃のことだ。この計画は「Bojinka計画」と名付けられていた。Bojinkaとは、アラビア語のスラングで爆発を意味する。

当時ビンラディンは財産の一部をロンドンに移し、ヨーロッパに拠点を拡大しようとしていた。当時、彼の名前はまだ、イギリスのメディアには登場していなかった。

当時の内相マイケル・ハワード氏が昨日、「ビンラディンは、イギリスに来ることを、真剣に考えていたようだ。もうすでに配下の者たちが、イギリスで活動していた。彼かここに来ていたら、歴史は変わっていただろう」と語った。もしイギリス滞在中に9.11が起きていたら、死刑を執行する国家には引き渡さないというイギリスの法律のために、彼をアメリカに引き渡すことはできなかった。

結局亡命の許可が降りなかったため、ビンラディンはイギリスに来ることはなかった。(中略)彼はサウジのビジネスマン、Khaled al-Fawwazを通じて、イギリス亡命の可能性を探っていたようだ。al-Fawwazは1994年にイギリスを訪れ、治安関係者によると、イギリスにおける「事実上の大使」ということだった(後略)

hoonThe day when Osama bin Laden applied for asylum in Britain
Daniel McGrory

■北ワジリスタンで戦闘員5人逮捕[050929 Daily Times]

水曜日に北ワジリスタンで捜索があり、5人の戦闘員が逮捕され、武器をが押収された。

ミール・アリで2件の捜索が行なわれている。1件目は終了したが、2件目はまだ続行している。

軍報道官のショーカット・スルタンによると、5人の戦闘員はMachikhelで逮捕されたという。

この2週間で、戦闘員が30人逮捕された。(後略)

hoonFive militants held in North Waziristan
MIR ALI

■「自爆犯」カブールを攻撃[050928 BBC]

カブールにある軍基地の外で自爆犯が爆発し、少なくとも12人が死亡、多数が負傷したと、アフガン治安警察官が述べた。

ラッシュ・アワー時間帯に軍の訓練センターの近くで発生した、この強力な爆発での死者には、自爆犯も含まれている。これまでアフガニスタンで自爆事件は数回発生しているが、カブールでは珍しい。

(中略)国防省報道官のMohammed Zahir Azimiによると、「今日16時30分にバイクに乗った男が、カブール軍訓練センターの正面で自爆した」と発表した。死亡者は、アフガン国軍兵士たちだという。

(中略)事件を目撃したタクシー運転手が、「バスに乗り込もうとした兵士たちが集まった駐車エリアに向かって、バイクに乗った男がやってくるのが見えた。大きな爆発音が聞こえ、みんなが走り始めた。人々が道路に倒れているのが見えた」と語った。自爆犯は、一番混雑する時間を狙ったようだ。(中略)

事件の背後関係は現在のところわかっていないが、タリバン報道官のラティフ・ハキーミは、タリバンの犯行であることを認めた。自爆犯の名前はSardar Mohammadで、今後も攻撃を続けるという。

これに先立ちアフガン諜報部高官が『BBC』に、アルカイダの自爆班−−Fedayini Islam−−が、アフガニスタンに潜入したと語っていた。今回の自爆犯は、アラブ人の可能性がある。(後略)

garr'Suicide bomber' strikes in Kabul

■アルカイダ関係組織の頭、逮捕 [050928 AP]

水曜日にパキスタン治安部隊がイスラマバード近郊で、シーア派ムスリム数百人を殺害した容疑がかけられている、アルカイダ関係組織のリーダーを逮捕した。

ラシュカレ・ジャングヴィのリーダーといわれるAsif Chottoがラワルピンディで、別の容疑者と一緒に逮捕された。Chottoは、最近のシーア派に対する攻撃の首謀者と言われる。

シェルパオ内相は逮捕を肯定も否定もしなかったが、別の諜報部高官が、Chottoは現在諜報組織の取り調べを受けていると述べた。

Chottoは、カラチ、ラホール、シアルコットなどで、シーア派ムスリムを対象とした爆弾事件に関わっていたといわれる。2002年に、ラシュカレ・ジャングヴィの会長Akram Lahoriが逮捕されてからは、Chottoが組織を率いていたといわれる。

パキスタンのGeoテレビは、Chottoは逮捕時、ラワルピンディで新たな攻撃を計画していたと報道した。(後略)

hoonHead of al-Qaida-Linked Group Arrested
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■タリバンの新たな顔[050927 Rediff]

Mullah Muhammad Anasは、アフガニスタンのアンドーレ地区の非公式支配者である。

この小柄で、頑強なタリバン司令官は、アフガニスタンで指名手配になっている30人の1人だ。彼のせいで米軍やNATOは、ガズニ州で自由に行動できない。

私は、ガズニのSultan Mahmood Ghaznav廟の前にいたあるタリバン・シンパから、彼の携帯電話番号を教わった。

Anasは、私の「Assalam-o-Alliekum」しか理解できなかった。彼はウルドゥー語も英語も話さない。私の片言のペルシア語で、やっと会話が成立した。

パキスタン人ジャーナリストが、ガズニでタリバンを探していると聞いて、びっくりしたようだった。彼に会いたいと言ったら、もう遅すぎるし、アンドーレの山中にいるために、暗くなる前に町まで出て行くことは難しいという。

私が、彼に会いに行くことにした。彼は喜んだが、2つの条件を出した。まず、カブール出身の運転手が運転するプラド・ジープで来てはならない。2つ目は、ガズニで、パシュトゥン人の運転手が運転するタクシーに乗ること。

運転手に町で待っているように言いつけ、タクシー・スタンドに出かけた。ほとんどの運転手が、時間が遅く、暗くなる前に戻ることができないと、アンドーレ行きをいやがった。2倍の料金を払うことにして、タクシーに乗り込んだ。20ドルだ。

出発したから数キロ行ったところで、村のそばで3人の武装したタリバンに止められた。私が司令官の客であることがわかると、「タリバンの土地」に歓迎してくれた。1人がガイドとなって、同乗してきた。

1時間半後、私はMullah Anasと一緒に座っていた。洞窟の中ではない。武装した戦士に囲まれた、巨大な建物の中でだ。

最初に、なぜ素性がわからないパシュトゥン人運転手を信用するのかと、尋ねてみた。彼は私の隣に座ってい運転手に微笑みかけ、「地元のパシュトゥン人は、我々を決して裏切らない」という。「我々は彼の名前とタクシーのナンバーを書き留めておく。もし問題を起こせば、それなりに対処する。でも、彼は真のパシュトゥンであることは明らかだから、裏切ったりはしないだろう」。

最近のタリバン運動は、アフガニスタンのパシュトゥン族地域に限られてきたことを考えると、彼らの運動がイスラーム運動というよりは、ナショナリストの運動になっていることを指摘してみた。ジャラリ内相はアンドーレ出身であるにもかかわらず、Anasがこの地域をコントロールし始めると、1年以上故郷に帰っていない。ジャラーリは繰り返し、パキスタンがタリバンを訓練していることを批点している。(ジャラーリは、火曜日に辞任を表明した)。

Anasは「あなたはアフガンの村にいるのであり、パキスタンにいるのではない。ジャラリに、来ることができるなら来てほしいと言ってくれ。そうだ、我々はパキスタンの兄弟から支援されている。しかしパキスタン人支配者は、我々の敵だ。ムシャラフもカルザイも同じだ。彼らはアメリカ人のために、我々と戦っている。パキスタン人の“カルザイ”は、どうやって我々に協力するというのだ。まったくばかばかしい」と素っ気なく答えた。

1人のタリバン戦士が激怒して、片言の英語で叫んだ。「北西辺境州はパキスタンではない。100年前にイギリスが占領した、パシュトゥンの地域だ。ペシャワルのパシュトゥン地域に我々が行けば、そこはパキスタンではなく、アフガニスタンだ」。

彼のコメントに、ショックを受けた。たった4年前までタリバンは、デュランド・ラインに反対するパシュトゥン・ナショナリストと対立していたからだ。

これはタリバンの新しい顔だ。しかしAnasはそれを隠そうとした。「パキスタンの客人の前で、そのようなことは言ってはならない」と、仲間をいさめた。

Anasは仲間の怒りを説明しようとした。「我々は9.11以後、パキスタン人支配者に裏切られた。だから最近タリバンは、パキスタンのパンジャーブ人に対して、悪い感情を持っている」。

私が、ムシャラフはパンジャーブ人ではないと言うと、Anasは、「でも、サフダール・フセイン中将はパンジャーブ人だ。彼は南北ワジリスタンにいる我々の兄弟、マフスード族やワジール族と戦っている」と語った。

お茶をごちそうになると、Anasは2時間後、米軍の車列を襲撃に行くので、その様子を撮影しに行こうと誘ってきた。私は丁寧に辞退した。この地域で米軍は、空からの援護なしには動かないことは確実だ。タリバンは米兵3〜4人を殺害するだろうが、米軍の空爆で、さらに多数の仲間を失うはずだ。

今度は司令官は、「それでは、我々がアメリカ人たちに行なった攻撃を撮影したCDを見よう」という。数分後、CDがラップトップに挿入され、数日前に、道路脇にしかけた爆弾で米軍の四駆を爆破する様子を見た。彼は自分の後ろに立つ青年を指し、「Qadir兄弟がこの襲撃を、ソニーのビデオカメラで撮影したんだ」と語った。

タリバン政権時代、カメラの使用は禁止されていた。彼らは、自分たちのイデオロギーを変更したようだ。イスラーム・シャリーアにおいて、このような修正を「Ijtahad」という。今日、タリバンは自分たちのジハードを、Ijtahadで遂行している。1996年にカブールを制圧してから、タリバンは写真撮影やテレビを禁止した。今はカメラやテレビを、敵に対する戦争プロパガンダのための、新たな武器にしている。

なぜタリバンが、カルザイ大統領と戦いながら、いっぼうで彼と対話しようとしているのか尋ねた。「それについては、ムフティ・ハキーミに聞いてごらん。そのような大それた問題について、私は話す権限はない」。

彼はハキーミの電話番号を教えてくれた。12回鳴ったところで、電話がつながった。ハキーミは、私がMullah Anasの隣に座っていると知って、仰天した。すぐにそこから離れろという。彼らがアメリカ人たちを攻撃するつもりでいることを、知っていたからだ。「数時間後には、恐ろしい状況になるはずだ」と叫ぶ。「早くどこかに行け。急げ」。

我々はあわてて逃げた。1時間後にハキーミが電話をかけてきて、私がガズニに戻ったかどうか、確認した。あと30分で戻ると告げると、今後は、彼に断わらず「独立」した地域を訪れてはならないと忠告した。「アメリカ人たちはあなたを殺害し、すべての責任を我々に転嫁するんだ」。

数分後、我々はアフガン国軍兵士に止められた。パシュトゥンの運転手が、パキスタン人ジャーナリストが、近くの村の選挙立候補者を取材したんだとごまかした。兵士たちは我々のIDを調べてから、通してくれた。「この地域は危険だ。警察のエスコートなしに入ってはならない」。

運転手に礼を言うと、「タリバンにも治安警察にも、嘘を言うんだ。じゃないと、安全に運転できやしない」。片言のウルドゥー語で、自分はタリバンもカルザイもアメリカも好きじゃないという。でもこのどれとも、戦えない。彼らは強すぎるからだ。苦しんでいるのは、アフガン一般人だけだという。

その夜遅くにカブールに戻り、インド人所有のレストラン、Delhi Darbarで食事をした。そこで、地元の『Newsweel』記者、Sami Yousafzaiに会った。彼も1日前に、ザーブルでタリバン司令官と会っていた。最近アルカイダが米軍ヘリを撃墜したクナールに行ってみてはと、アドバイスされた。アサダバードの店では、撃墜ビデオが出回っている。

8日間、アフガニスタン東部と南部の数十州を訪ねた。カルザイは、大きな町にしか権限がないことを知る。ほかの山岳地は、タリバンやアルカイダの支配下だ。ヘクマチアルがコントロールする地域もある。カルザイはさまざまな人間を通してタリバンと対話しようとしているが、彼らは興味を示さない。米兵のクルアーン冒涜報道以来、反米感情の波が広がっている。

北部同盟のような反タリバン勢力も、アフガニスタンにいる米軍に抵抗している。アフガニスタンで新設される国会で、米軍の駐留が議論の的になることを恐れ、カルザイは自分の許可なくして、家宅捜索をしないよう促した。

さらにカルザイが恐れるのは、最近頻発しているタリバンによる自爆だ。内相報道官ラティフラー・マーシャルによると、アラブ人やイラク人がクナールやヌーリスタンで、タリバンに爆弾の製造法を指導しているという。この半年でタリバンは、325人のアフガン人警察官を殺害した。

外国人兵士の死傷者が少ないのは、遠方までタリバンを追って行かないからだ。マーシャルによると、タリバン政権時代、彼らは大量の武器を処理し、今、軍閥や国境を越えたパキスタンの部族民から、それらを買い戻しているという。また、イラクのクルディスタンから1つ2500ドルで、ロシア製や中国製のSAMミサイルを購入している。最近ニムローズで、イラン経由でクルディスタンから武器を密輸する窃盗団が逮捕された。

金はどこから入ってくるのか? マーシャルは皮肉な笑いを浮かべる。「パキスタンに協力者がいる」。「しかしアフガニスタンをイラクに変えようとして、アルカイダが我々を利用しているのだ」。

なぜタリバン報道官のハキーミは、毎日のように『AP』と連絡をとりながら、いまだに逮捕されないのかを尋ねた。マーシャルが言うには、ハキーミは悪賢いという。少なくとも8つの衛星電話を持ち、携帯電話を10、さらにパキスタンの携帯電話も所有している。1つの電話を10〜15分用いると、別の電話を用いる。こうして、彼の居場所は特定できない。「しかし、近々逮捕されるだろう」という。

カブールの外交官たちは、日に日にタリバンが強くなるという。(中略)アーマッド・ラシッドのようなタリバン専門家によると、カルザイは汚職や軍閥を押さえ込むことに失敗していると指摘する。この2つの問題のため、一般アフガン人たちは、少なくともタリバンは平和を実現させた。今となっては、それは夢になってしまったと、考えざるをえなくなっている。

アーマッド・ラシッドは、カルザイの親友である。彼が大統領を批判するのは、初めてのことだ。「カルザイは、アフガニスタンを平和にする機会を失ってしまった」という。「アメリカと欧州の同盟軍は、アフガニスタンでルカイダの捜索をしていないということを、外の世界に知らせていない。またオサマの捜索を行なわなくなってからも、ずいぶん経つ。単にイランに近い国境地帯に、影響力を拡大しようとしているだけだ」。

アフガン人ジャーナリストSami Yousafzaiは、「前共産主義者やタリバンは貧困層で、残りの政治家たちである前ムジャヒディンが暴利をむさぼっている」という。ムジャヒディンは、カルザイ最大の協力者だ。現実としては、彼らは軍閥だ。巨大な私的軍隊を持つにもかかわらず、国会選挙に立候補できた。

アフガニスタンの新たな支配階級は金持ちだ。一般市民は貧乏で、エリートを好まない。コーストのような地域では、タリバンは前共産主義候補者に嫌がらせをしていない。攻撃したのは、前ムジャヒディンである、裕福層だ。

これは新タリバンの新たな傾向だ。彼らは階級を意識し始めた。

hoonThe Taliban's new face
Hamid Mir

■前タリバン報道官、拘留の日々を語る[050927 New York Times]

前タリバン大使のAbdul Salam Zaeefにとっては、長い旅だった。彼は9.11以後、毎日のように記者会見を開き、ビンラディンを引き渡すよりも戦うことを選んだタリバンの決議を擁護することで、アフガニスタン政府の最も知られた顔となった。

4年間アメリカに拘束されたあと、アフガニスタンに帰ってきたZaeefは、以前よりも控えめで、ムラーの称号は使わなくなっていた。しかしタリバンの印である黒いシルクのターバンを巻き、長い髭を生やす。

Zaeefは2002年1月に、それまで暮らしていたパキスタンのイスラマバードで逮捕された。パキスタンで拘留された後、アメリカの戦艦に1週間拘留され、さらにアフガニスタンの米軍基地で数ヵ月過ごす。そして最後にキューバに送られ、そこで3年間過ごした。今月やっと釈放された。

カブールの政府関係者の家で実施されたインタビューで彼は、グアンタナモ刑務所のアメリカ人たちに、もはや危険人物ではないと言われたという。「彼らに、『あなたは無罪だから、刑務所にいる必要はない』と言われた」。「何度もそう言われた」。

米軍報道官のJames Yonts大佐は、Zaeefが9月の初めに釈放されたことを確認した。

アメリカの国家安全アドバイザーのStephen Hadleyによると、Zaeefが逮捕されたのは、当局のテロリスト・リストに掲載されていたからだという。月曜日にカブールで行なわれた記者会見で、Zaeefを始めとする囚人たちは、ケース・バイ・ケースで釈放されているという。それぞれ、タリバン政府のなかで果たした役割、テロを終わらせるために協力した度合い、釈放することで和解プログラムに役立つかなどが、考慮されるらしい。

アフガニスタン政府の、平和と和解委員会責任者のSebaghatullah Mojadeddiは、Zaeefはグアンタナモにいた間、告訴されなかったと述べた。「彼には罪がなかったと思っている。もし彼に罪があったとしても、十分あの場所にいたはずだ」。Mojadeddiによると、米軍はグアンタナモ刑務所にいる囚人102人を、徐々に釈放しているという。

Zaeefは2人の妻と8人の子供たちと再会し、現在アフガン政府の高級借家に住んでいる。政府の警備官護衛つきだ。「彼は好きなだけ、ここにいられる。でも、彼は自由だ」と、Mojadeddiが述べた。

在パキスタンのタリバン大使として2年間過ごす前、彼は交通大臣だった。彼は政府の和解プログラムのもとで帰還する、最重要人物の1人だ。最近アメリカから釈放された別の2人は、国会選挙に立候補した。

しかしZaeefは、今後何をするか、まだ決めかねている。「疲れた。家族と一緒に過ごし、子供の面倒をみたい」という。故郷のカンダハルに戻る計画もないし、努力は認めるが、タリバンに戦いを止めるよう説得する気にもなれないとう。「彼らがどうしたいのか、なぜ戦いを続けるかを知るために、対話は必要だ」という。「解決策は見つかるかもしれない」。

大使として9.11以後、タリバンリーダーシップに最も近い人間と見られていた。と同時に、毎日のように大使館のベランダに出て、アフガニスタンで大量虐殺をしていると米軍を非難したにもかかわらず、穏健な人間と見られていたことも事実だ。

Zaeefによると、当時はパキスタンやアメリカ高官とコンタクトをとり、現在は大統領となったカルザイとは、一度電話で話したという。またタリバンのリーダーオマール師に戦争を避けるよう説得しようと、宗教指導者を数回、派遣したという。

「アフガニスタンには、大きな荷を背負う力がないと思えた。だからもし解決策が見いだせなければ、アフガニスタン政府は失墜してしまうとアドバイスした」と、タリバンリーダーとの会話を思い出しながら語った。

しかし、説得できなかった。なぜならアフガニスタンのような貧乏で、非力な国家にとっては、力を使用することに関して「非常に感情的な」超権力とは、理解し合えないからだったと説明する。「アフガン人は本来アメリカ人の敵ではない」という。「我々には原理主義の問題があった。しかし戦争はその解決策にはならない」。

Zaeefによると、アメリカやパキスタンの高官は彼を買収して、オマール師と縁を切り、自身の穏健的な政党を作らせようともしたという。もし受け入れていたら、4年も拘束されずにすんだだろうが、そんなことは夢にも思わなかったという。

戦争当時、Zaeefがどのような役割を負っていたのかは、明らかにされていない。しかし仲介的な役割を担っていいたといわれる。

Zaeefは今でも、ビンラディンが世界貿易センター攻撃の首謀者だったことを認めない。「誰があれをしたのかは、知らない。しかし事件が起こったとき、私はそれを非難した」と語る。「私は安全と平和を信じる」。

アメリカの圧力のもとで、パキスタンはZaeefに記者会見を実施することを強制的にやめさせた。その後タリバン政権が崩壊すると、大使館を閉鎖させた。パキスタン外務省は彼に、しばらくはパキスタン国内にいることを許したという。しかし2002年1月に逮捕された。

ペシャワルで2晩過ごし、その後アメリカに引き渡された。そしてヘリコプターで他の基地に連れていかれ、さらに洋上の船に移った。米軍高官はパキスタンがZaeefを引き渡し、当時バターンに停泊していた、水陸両用強襲艦に拘束されてたことを認めた。

Zaeefは、オマール師とビンラディンの居場所についてのみ、質問された。彼はビンラディンと連絡をとったことはなく、オマール師とは、カンダハルが陥落する8〜10日前に話したという。リーダーシップが乱れていると感じた。「どうしたらいいか? と聞いたが、彼は、『どうしたらいいかわからない。自分で決めてほしい』と言われた」と、当時を思い出して語った。

戦艦に5〜6日拘留されてから、アフガニスタンに送られた。まずはバグラム空軍基地に1ヵ月留まり、その後カンダハル基地で3ヵ月過ごした。どちらでも手荒く扱われ、バグラムでは裸にされて一晩中、雪の中に放置されたために、意識を失ったという。兵士たちは、囚人をたびたび蹴りつけた。「法も秩序もなかった。警備官たちは、我々にしたい放題だった」。「我々を敵として見ていた」。しかしグアンタナモに行ってからは、それほど大きな問題はなかった。

Yonts大佐は、Zaeefに対する虐待の報告はないというが、現在確認中だという。Zaeefは、罪状もないまま、単に情報を得ようとするためだけに、自分を4年間も拘束したアメリカ人に対して批判的だ。「アメリカ人たちは(9.11に)私が関係ないことは、100%確信していたはずだ。単に情報がほしかっただけなのだ」。

しかし、彼をアメリカ人に引き渡したパキスタン人高官に対しては、強く非難した。「パキスタン人は、常に二面的な政策を取る。パキスタンは泥棒に盗むことを促し、同時に持ち主には、泥棒に気をつけろと言うのだ」。

hoonFormer Voice of the Taliban Relives His Years of Detention
CARLOTTA GALL、KABUL

■アルカイダ・ニュース、インターネットにデビュー[050927 Washington Post]

「カリフの声」と呼ばれるインターネット・ビデオ・ニュースが、月曜日に放送された。黒いスキー・マスクをかぶり、爆発物を体に巻き付けたアルカイダの司会者が、画面に登場した。

司会者によると、これから週に1回、ガザやイラクについての報道を行なうと発表し、アメリカを襲ったハリケーンを祝福した。司会者の右手にはコラーンが置かれ、三脚に固定されたライフルが、カメラに向けられていた。

どこから放送されたのか、場所は特定されていない。これがアルカイダのプログラムであれば、組織がメッセージを広めるために、新たな方策を使い始めたことを意味する。直接放送することで、編集やテレビ局を通す必要がなくなる。これまでテレビでは殺害場面などは削除され、組織の声明の一部しか放映されないことが多かった。

ドバイにあるイタリアの放送局Adnkonosが、最初にこの放送について報告した。イタリアの新聞のウェブサイトで、16分の番組が掲載された。

ニュースのトップはイスラエルのガザからの撤退で、パレスチナ首相が祝福に訪れた同胞と歓談している様子が、映し出された。その後はイラクのアルカイダリーダー、ザルカウィが繰り返し登場し、イラクのシーア派ムスリムに戦いを呼びかけた。

さらに司会者はイラクの「イスラーム軍」と呼ばれる組織について報告し、バグダットのアメリカ軍に対して、化学兵器搭載爆弾で攻撃したと報道した。「神は偉大なり」と叫びながら、ロケット弾5発が撃ち込まれる映像が流れた。(中略)

その後、Mousslim Mouwaheed監督の「Total Jihad」と名付けられた映画の宣伝が続く。宣伝は英語で行なわれ、イギリスやアメリカに住むムスリムに向けたものと思われる。

最後はハリケーン・カテリーナについての報道で、「ムスリム社会全体が、喜びに包まれた」と、災害に言及して述べた。(中略)最後のクレジットによると、「Global Islamic Media Front」の制作とされる。(後略)

ohPurported al Qaeda Newscast Debuts on Internet
Daniel Williams

■パキスタン、流砂を嘆く[050927 Reuters]

「Seagoon中将」と、司令官が叫ぶ。「ワジリスタンのThud要塞を包囲した隊が英国国旗を失ったと、牛乳配達屋がいってます」。「我々の隊が、どちらの味方をしているかわからないということか?」と、1957年の『BBC』のコメディー番組『The Goon Show』のなかの劇、『流砂』のSeagoon中将が答える。大英帝国の時代だ。「味方はわかっているけれど、それを証明できないのです」と、司令官は叫ぶ。「やれやれ、とんだことになったな」とSeagoon中将。

半世紀たった今も、全く同じ状況だ。パキスタンのワジリスタンの両側で、アルカイダやタリバンを追いかけるパキスタン、アメリカ、アフガニスタンの関係だ。

2001年の終わり以来、米兵、約50人がアフガニスタン側で死亡した。パキスタンは270人の兵士を失い、敵の戦闘員350人以上を殺害したという。

《越境不可》

ペシャワルのパキスタン陸軍本部でサフダル・フセイン中将は、今年の夏、米軍が自分の隊に対して砲弾を撃ち込んだとき、ついに頭にきたという。「率直に言ってやった。『今度は、あなたを撃つ』」と、『ロイター』に語った。

現に最近、南ワジリスタンのアンゴール・アッダ地区で、パキスタン軍がアフガン兵士を1人を撃ち殺し、米兵が戦闘を止めるよう叫ぶという事件が発生した。「威嚇射撃を受けたにもかかわらず、彼らは我々の領土に侵入した。パキスタン領内に侵入し続けたために、殺害するために撃たざるを得なかった」とフセインは語る。

パキスタンを悩ませるのは、地上軍や味方の誤射だけでない。米軍機が頻繁に国境を越えてくる。そのためにフセイン中将は、彼らが故意に国境を越えて来ると、考えざるをえなくなった。一応、8月にパキスタンが強く抗議したために、最近その数は減ってはきている。

フセインは、アメリカに明確なメッセージを与えたという。「自分の陣地を守れ。我々は、十分自分の陣地を守れる」

カブールの米軍報道官は、過去については何も語れないという。しかし問題を防ぐために、連絡を密に取るようにしている。「パキスタン軍と協力するために、あらゆる努力をしている。しかし国境から撃ってくれば、応戦する。パキスタン軍司令官も、それは納得しているはずだ」と、James Yonts大佐は語る。

7月14日、米軍はアフガニスタン側から、北ワジリスタンのLawara Mandiに向かって攻撃し、容疑者24人を殺害した。数千人の部族民が葬儀に参加し、宗教指導者のなかには、怒りを露にする者もいた。「もしパキスタン政府が許可すれば、我々はアフガニスタンからアメリカ人を一掃してやる。彼らはイスラームの敵だからだ」と、Maulana Abdul Khaliqが北ワジリスタンのミランシャーにある、Madrasa Gulshan-e-Ilmで語った。

このような事件が起きると、北ワジリスタンの人間の感情を逆なでする。パキスタンは南ワジリスタンでは大々的な作戦を実施し、多くの犠牲者を出した。北ワジリスタンでは、密かに作戦を実施しようとしているようだ。

《不正確な地図》

国境地帯には、パキスタン兵、約8万人が派遣されている。「アフガニスタンの混乱は、同盟軍やアフガン国軍が、完全に抵抗勢力を押さえ込めないからだ」と、フセイン中将は語る。パキスタンの国境内5キロに渡って、夜間外出例が出されている。

パキスタンはもっと抵抗勢力を押さえ込むべきだという不平を受けて、ムシャラフは、国境にフェンスを設けることを申し出た。

カルザイ大統領は、これを非現実的と語る。デュランド・ラインと呼ばれるこの国境は、19世紀にイギリスが引いたもので、いまだに論争の種だ。「今のところ、国境がどこなのか、明らかではない。まず国境を国際法のもとで、定める必要がある。何ヵ所か、我々の領内に入っている所もある」と、内務省報道官のラティフラー・マーシャルが語る。

フセインによると、アフガン軍は不正確なロシア製の地図を用いていると言う。もしパキスタン製の地図を信用しないなら、GPSを使えばいい。

『The Goon Show』の舞台は、この曖昧な地域である ワジリスタンの砂漠や山々だ。Seagoon中将は語る。「みなさん、遅くなって申し訳ありません。でもあなたの要塞は、地図上よりも20マイル北にありますよ」。Chinstrap大佐「20マイル北? またか。この要塞は、流砂の上に建っているんだ」。

hoonPakistan laments frontier's shifting sands
Simon Cameron-Moore、PESHAWAR

■アフガニスタンで米兵2人死亡[050927 AFP]

アフガニスタンで米兵2人がそれぞれ攻撃されて死亡し、敵の戦闘員2人も死亡したと米軍が発表した。

これで死亡した米兵は今年になってから83人に登り、そのうちの50人以上が、敵による攻撃で殺害されている。

米兵1人は、カンダハルで地上軍が作戦を実施した際に、「敵」に攻撃されて死亡したと米軍が発表した。別の兵士も負傷したが、今は状態が安定しているという。声明によると、「隊が応戦して、戦闘員2人を殺害し、3人目を負傷させた」。

これとは別に月曜日、クナール州のアサダバード近くにある米軍基地が攻撃され、米海兵隊員が死亡した。「同盟軍が迫撃砲で応戦し、空からも爆撃した。戦闘はまだ続いている」。(後略)

garrTwo US soldiers killed in Afghanistan
KABUL

■モーマンドでスティンガーなどの重武器押収[050927 News]

国境警察は、モーマンド行政区にある地元民の敷地内で、アメリカ製のスティンガー・ミサイル6基を含む重武器が貯蓄され、埋蔵されているのを発見された。

武器は、Safi TehsilのKhazeena村にある家屋に備蓄されていた。行政当局は、家の持ち主Taj Muhammadを逮捕し、情報専門家に引き渡した。

国境警察のTariq Masoodが月曜日に記者会見で、南ワジリスタン以外で発見された、最大の戦利品だと述べた。最近入手した諜報情報から、武器が貯蔵されていることがわかったという。

武器はスティンガー・ミサイル6基、RPG-7 ロケット弾発射砲100基、107mmロケット弾12発、75mmロケット弾54発、82/3"迫撃砲229基、60mm迫撃砲193基、ミサイル(小)437基、ミサイル(大)7基(以下省略)。

家の所有者であるTaj Muhammadは、抵抗せずに逮捕され、武器は自分のものであることを認めた。(後略)

hoonStingers among heavy arms seized in Mohmand Agency
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR


■アメリカ、グアンタナモ囚人にアルジャジーラをスパイするよう要求[050926 Guardian]

米軍が、グアンタナモで拘束されている『アルジャジーラ』のカメラマンに、アラブのニュース局にいるジャーナリストをスパイすれば釈放すると語ったことが、『Guardian』が入手したドキュメントから判明した。

このジャーナリストは、テロリストの容疑をかけられ、3年半、アメリカに拘束されている。ジャーナリストはこれを否定している。100回以上取り調べを受けたが、テロ行為について質問されたことはないという。逆にSami Muhyideen al-Hajjは、米軍関係者の取り調べを受けた際に、アルカイダが『アルジャジーラ』に潜入し、司会者の1人はイスラーム主義者と関係がある疑いがあると告げられたという。

このカメラマンは、イギリス人取調官にも何度かインタビューされ、イギリスのスパイになる申し出を受けた。Hajj氏は2001年12月に、アフガニスタンとパキスタンの国境で逮捕された。彼の疑惑は、弁護士のClive Stafford-Smithが今年の6月にグアンタナモ刑務者を数回訪れた際の記録に、記載されている。記録は、米軍の機密書類となっている。

このドキュメントによると、米軍は、アラブ世界で有名なこの司会者が、アルカイダのフロントとして英語番組を開始しようとしていると、疑っている。

Hajjは、もし自分がスパイになれば、アメリカ国籍を与えるとも言われたという。「『もし我々のために働けば、あなたにジャーナリズムを教え、どこでも好きな場所で暮らすことができるビザを与えよう。アメリカ国籍を与えてもいいし、護衛をつけ、資金も調達する。本を書く手助けもするし、出版してあげよう。そうすればアルカイダはあなたにコンタクトを取り、一緒に行動しようとするだろう』と言った」。

Hajjはスーダン国籍を持ち、妻と5歳の子供を持つ。ドキュメントによると、もし彼が釈放されることに同意しながら『アルジャジーラ』をスパイするのを拒否した場合、家族が犠牲になるという。『アルジャジーラ』は、ビンラディンの録音を放映していることで、アメリカの怒りを買っている。

『アルジャジーラ』の特派員の1人が、テロと関係があるとして、スペインで拘束されている。またアメリカは、『アルジャジーラ』のスクリーンに現れるヘッドラインのテキストに、テロリストが暗号を隠していると誤解して、テロの危険レベルを上げたことがある。

米軍はHajjに、『アルジャジーラ』の司会者Ahmad Mansourについて質問した。Mansourはアルジャジーラのインタビュー番組の司会者で、『BBC』とも仕事をしたことがある。Hajjはグアンタナモで、イギリス人に5回インタビューを受けたという。

hoonGuantamo inmate says US told him to spy on al-Jazeera
Vikram Dodd

■新たな銃、タリバンの新たな戦術[050926 Christian Science Monitor]

アフガン抵抗勢力司令官とアフガン治安部高官によると、タリバン内の論争−−米軍主導同盟軍に対する攻撃を強化させるか、時間をかけてアフガン政府を痛めつけるか−−に、決着がついた。

最近タリバンと結託したタリバン派生組織、Jaish-e Muslimeenの前線司令官Mullah Gul Mohammadによると、タリバンたちは国際社会やアフガン人たちに、戦いは国家戦争であることを知らしめるために、戦闘を強化しているという。

「これまで、タリバンとJaishは、共通の敵と戦ってきた」と、Mullah Gul Mohammadは語る。彼はこのインタビューのために、アフガニスタンからパキスタン側のチャマンにやってきた。抵抗勢力たちは新しい武器−−対空ミサイルなど−−や現金を獲得し、米軍が18日に行なわれる選挙の後、撤退するかどうか様子を伺っているだけだという。「もしまだ居残るようだったら、新たに攻撃を開始する」。

この4年間、タリバンが消滅しそうになったことが何度もある。しかし今年は違う。タリバンは攻撃を強化した。彼らの攻撃は、これまで以上に洗練されてきたと、アメリカやアフガン高官が語る。国連は、タリバンはイラクから戻ってきたジハード団から、戦略的訓練を受けていると、警告を発した。

タリバンの新たな攻撃の前で、米軍やNATOの同盟軍たちは、戦略の見直しを迫られている。(中略)「タリバンが崩壊していると、言い切ることはできない」と、米軍のJason Kamiya司令官が述べる。「来春、再び敵は攻めてくる」。

《タリバンは約800人》

一瞥すると、タリバンは弱いように見える。タリバンは800人ほどに減少したと、米軍は推測している。多くが国境地帯の村にいる。タリバンが弱体化した兆しは、投票日当日に見られた。タリバン報道官のラティフ・ハキーミが、選挙をボイコットするように呼びかけたにもかかわらず、当日は暴力沙汰がなかった。

しかしアフガンの諜報部情報源によると、最近タリバンは自信満々なのか、あるいは必死になっている様子があるという。今年になって道路脇に仕掛けられた爆弾の数は、40%も増加した。これらの爆弾は非常に効果的で、イラクの戦闘員たちが米軍に対して用いている「改造型」爆発物だという。洗練されたリモートコントロールで、爆発させる。

さらに重要なのは、道路脇の爆弾を爆発させたあと、米軍と戦うことだ。重機関銃やロケット弾や、カラシニコフを用いて、米軍に打撃する。

逮捕されたタリバンは、ハイテク無線機を持ち、新しいスニーカーを履いている。これは、新たな資金援助があることを示す。「彼らのテクノロジーは、アップグレードされている」と、コースト州知事のMirajuddin Pathanは語る。「新らしいリモート・コントロール装置や、新型爆弾を持っている。彼らがじっとしていることはない。しかし今、彼らが何を計画しているのか、以前より多くの情報を入手している」。

先週、諜報官がコースト大学寮に捜索し、8人を逮捕した。リーダー格の男は、ワルダック州出身のエンジニア専攻3年生だった。爆発物200ポンドと、洗練されたリモートコントロール装置2つが押収された。

そのうちの小さい装置は、都市部で地雷を爆発させて、群衆を集めるために用いる。群衆が集まり、警察が捜査を開始した所で、2番目の大きな爆弾が爆発し、死傷者を増やす。「これが、彼らの用いるテクニックだ」と、アフガニスタンの治安部高官が述べた。

彼は導線や電池のついた黒い箱を取り上げ、「このテクニックは非常に古い。ヘクマチアルが使用したものだ」と、ヒズビ・イスラームの司令官を名指しした。「しかしテクノロジーは新しい。日本や中国のものだ。アルカイダが訓練している」。

パキスタンは、2004年3月以来、国境地帯で353人の戦闘員を殺害したと主張している。そのうちの175人がウズベク、タジーク、トルクメン、チェチェン出身者、そしてアラブ人も数人いたという。

今年になってパキスタン当局は、北ワジリスタンのミランシャーで、大量の武器を押収した。タリバン司令官ハッカーニ師の親戚が運営するマドラッサが、武器の貯蔵庫となっていた。21人の容疑者、そのうち11人の外国人が逮捕された。

押収物のなかには、広角レンズカメラを搭載した、電池で動くリモコン飛行機もあった。アフガニスタン国内の、米軍の動きをスパイするためのもののようだ。

米軍司令官も、今年のタリバンの攻撃はこれまで以上に激しかったことを認める。米軍兵士も82人死亡した。しかし死亡者の数が増えたのは、米軍の敵に対する攻撃が大掛かりになったからだと主張する。

タリバン司令官とその仲間たちは、自分たちの戦略が変わったのだと主張する。そして今、資金や装備、戦うためのモチベーションがこれまで以上に高まっていると自慢ありげだ。

「タリバンもJaishも、ここ数年間ため込んだ武器や兵器が、十分ある。今後何年間も戦いが続いても、支障がない」と、Jaish司令官のGul Mohammadが語る。

《新たに入手したスティンガー》

Gul Mohammadによると、Jaishはヒズビ・イスラームの協力により、大量の武器を最近入手したという。中には、米軍機やヘリコプターを撃ち落とせる、アメリカ製の肩掛けロケット砲もある。

2002年に米軍は、このようなロケット砲30基を発見した。対ソ連ジハードの遺産だ。1980年代には2000以上のスティンガー・ミサイルが、パキスタンを経由してアフガニスタンに送られた。これはソ連の空からの攻撃に、非常に効果的だった。今年の初めまでは、スティンガーで撃ち落とされた米軍機はなかった。

「我々はアフガニスタン内で、新たな武器庫を発見した。これからは米軍機やヘリコプターを撃ち落とせる」と、Gul Mohammadは主張する。日曜日に、アメリカのチヌークヘリコプターが墜落した。タリバンは撃墜したと主張するが、米軍によると、そうではないという。墜落の原因は、まだ捜査中である。

Gul Mohammadによると、武器のほかに、抵抗運動は喜捨により援助されているという。

Pathanコースト知事などの意見としては、選挙が平和的に終了したのは、タリバンが弱体化したからだという。タリバンの間で、米軍とどう戦うか、議論が続いていたことは事実だ。しかし2004年10月に、国連選挙活動家の誘拐事件と関連してタリバンと決裂したJaishは、再びタリバンとよりを戻したという。

「いくつかの主義の違いから、亀裂が生じていた。しかしこれは、単に一過性のものにすぎなかった。我々は、共通の敵と戦っている」。

garrNew guns, new drive for Taliban
Scott Baldauf and Ashraf Khan、Khost、Chmman

■アフガン抵抗勢力、戦術を変更 [050926 AP]

アフガン抵抗勢力たちは、米軍主導の軍隊により大きな打撃を受け、最近は若い戦士たちを募集せざるをえなくなっており、戦術を変更しているという。しかし抵抗運動はいまだに続いていると、米軍報道官が月曜日に述べた。

米軍のJames Yontsによると、タリバンたちはもはや大規模な攻撃はできず、若者を買収したり強制的に抵抗運動に参加させているため、戦術は統制されていないという。

「戦術が変更されている」。「大掛かりな攻撃をするような備蓄がなくなったようだ」。そのかわり、少人数で行動し、道路脇に爆弾を仕掛けたり、一般市民を標的にしたり、警察の検問所にいやがらせをしている。「戦闘ではなく、ヒット・エンド

・ラン攻撃だ」と、記者会見で語った。

「通常の作戦を変更し、これまでとは違った種類の戦士を仲間に入れている」。「ハード・コア」戦士は少なくなり、「熟練して、訓練を受けたリーダーシップが、以前ほど多くなくなった」。(後略)

hoonU.S. Military: Afghan Rebel Tactics Change
STEVE GUTTERMAN、KABUL

■ビンラディンを「どこか別の場所」で逮捕しろ[050926 BBC]

ムシャラフが、ビンラディンがパキスタン国外で逮捕されること、別の人間によって逮捕されることを望む、と述べた。

ムシャラフは雑誌『Time』に、ビンラディンがどこにいるか知らないと述べ、彼にとって「一番安全」な隠れ家は、国境地帯だと語った。

ムシャラフは、なぜビンラディンがパキスタン国外で逮捕されることを望むか、その理由は述べなかった。オブザーバーたちは、万が一ビンラディンがパキスタンで逮捕された場合、国内の米軍主導の「テロとの戦争」に反対するパキスタン人たちから、大きな反発があると見ている。

(中略)「1年ほど前、我々は彼がどこにいるか、技術的な手段により、だいたいの見当がついていた。しかしその後、見失った」。ビンラディンにとって「一番安全」な隠れ家は、国境地帯だという。「この線は、どちら側にも属さない。だから、簡単に行き来ができる」。(後略)

hoonCatch Bin Laden 'somewhere else'

■オサマ、もはや指揮せず[050826 Daily Times]

パキスタンの情報部高官がアメリカのレポーターに、オサマは少人数の護衛に守られ、身を潜めていると述べた。

CBSテレビのSteve Kroftと、Ali准将と名乗るパキスタンの情報部高官が、日曜日の午後の番組に登場予定である。Steve Kroftによると、国境地帯でアルカイダと戦っているパキスタン軍高官たちは、ビンラディンはアフガニスタンで小人数の護衛に守られて隠れており、すでにグループのリーダーではなくなっているとみていると述べた。

パキスタンの情報部の対テロ部門責任者といわれるAliは、ビンラディンは国境地帯、おそらくアフガニスタンにいると考えている。「我々はコミュニケーション系統を、上から下まで破壊した。彼らはもはや、連絡を取り合うことができない」という。

(中略)

さらにペシャワルの警察司令官のサフダール・フセイン中将がCBS特派員に、現時点で、ビンラディンを探し出すことはさほど重要ではないと述べた。「ビンラディンが穴の中に隠れているのなら、電子的に探し出すことも、諜報情報から探し出すこともできない。彼を探しだすことが、そんなに重要だろうか? もし明日逮捕されたとしても、彼の理念は途絶えることはない。彼を逮捕することが、そんなに重要なこととは思えない。個人的見解だが」。

hoonOsama no longer in effective command
Khalid Hasan、WASHINGTON

■タリバン高官、バヌーで逮捕[050926 Dawn]

前タリバン政権高官が、国境地帯の町で逮捕されたと治安部高官が述べた。コースト州の道徳省責任者だったMullah Hamidullahが、土曜日に逮捕された。

治安部高官によると、Hamidullahはバヌー地区のBasya Khel町に隠れていた。取り調べのために、ペシャワルに連れて行かれたという。

Hamidullahは、部族民たちを煽動して抵抗運動をさせていたといわれる。今週初めに、北ワジリスタンで軍事作戦が実施されたときには、逃亡に成功していた。

hoonTaliban official arrested in Bannu
PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.