【2005年10月3日〜10月9日】


■ビンラディンの隠れ家がある地域に地震の被害[051009 AP]

ビンラディンが地震の被害を受けて負傷、あるいは死亡したというニュースはない。

地震は、ビンラディンが隠れているといわれるアフガニスタンとパキスタンの地域に、被害をもたらした。しかし現在のところ、彼が負傷、あるいは死亡したという情報はない。

hoonAsia Quake Hits Area Where Osama Hides
KATHERINE SHRADER、WASHINGTON

■パキスタンの地震で、過激派チャリティー活動家たち死亡[051009 Reuters]

イスラーム過激派のチャリティー運動家数十人が、インドとの国境付近で発生した地震で死亡した。

過激派組織のラシュカレ・トイバの派生組織であるJamat-ud-Dawaの報道官によると、土曜日の地震でこの組織のモスク、病院、学校、宗教学校などが被害を受けたという。「多数のメンバーが死亡した。何十人もが死亡し、まだがれきの山の下に埋まっている者もいる」。

報道官によると、ムザファバードでJamat-ud-Dawaが運営するトイバの病院と、モスクや病院が数件破壊されたという。

パキスタンの雑誌「Herald」が数ヵ月前、地震の被害が最も大きかったカシミールや北西辺境州で、過激派組織が再び訓練所を運営していると報告した。

hoonPakistan quake kills militant-linked charity workers
Zeeshan Haider、ISLAMABAD

■アフガニスタンで自爆により4人負傷[051009 AP]

アフガニスタン南部で、イギリス兵が乗った車列に爆弾を積んだ車が突っ込み、4人が負傷した。4人はカンダハルに向かっていた。

4人はカンダハルで働く民間会社の職員で、そのうち2人は重傷だという。(後略)

hoonSuicide Bomber Wounds Four in Afghanistan
KANDAHAR

■抵抗勢力、ヘリを撃墜[051009 AP]

5人のArmy National Guardsmenを載せて先月アフガニスタンで墜落したヘリコプターは、事故ではなく、敵に撃墜されたと米軍が発表した。

抵抗勢力たちは、9月25日に米軍機を撃墜したと発表していたが、米軍は技術的な問題と述べていた。

「周囲の人びとの話や墜落した機体の捜査から、撃墜されたことがわかった」と、ネヴァダArmy National Guard報道官のApril Conwayが土曜日に発表した。

「ライフルかロケット弾を持った、幸運な男の仕業かもしれない」。

hoonMilitary: Rebels shot down chopper in Afghanistan
RENO

■逮捕により、タリバンとパキスタンの関係が浮上[051009 Washington Post]

パキスタン当局は、タリバン報道官の逮捕を大々的に賞賛しているが、なぜこれほど時間がかかったのか、疑問視する声もある。

タリバン報道官のラティフ・ハキーミは、アフガニスタンやパキスタンの報道陣と定期的にコンタクトとっていた。パキスタンの携帯電話番号を知っているレポーターさえいたほどだ。

去年の暮れまで、ハキーミはバローチスタン州の町に住み、かつてはそこで中古のバイクを扱う商売をしながらニュースを流していたと、去年の11月に彼に会った地元ジャーナリストが語った。「彼はクエッタで自由に動き回っていた」。「あそこに2年間も住んでいながら、なぜ誰も彼を逮捕しようとしなかったのか? 彼は私の事務所にやってきた。他のジャーナリストとも会っていた」。

今でさえパキスタンの幹部高官の中には、ハキーミの存在を気にしていなかったという。彼は暴力には直接かかわらず、単にプロパガンダを発表していたにすぎない。アフガンやアメリカの高官から繰り返し苦情がきたために、しぶしぶ彼を逮捕したのだ。ハキーミは時折アフガニスタンにいると述べ、国境を難なく越えていたことを示す。

「暴力には関わっていなかったために、彼を逮捕しようとは思っていなかった」と、パキスタンの諜報部高官が述べる。「率直に言って、全然気にしていなかった」。

ハキーミの問題は、パキスタンのタリバンとの関係を物語る。政府が親米政策をとる傍らで、タリバンとの関係をいつまでも絶とうとしないその態度が、浮き彫りにされる。先月の国会選挙が平和的に終わったことで、パキスタンに対する圧力はやや緩和されてはいるが、ハキーミの逮捕をもっても、まだパキスタンに対する疑いは晴れていない。それどころか、ますます怪しくなってきた。

「パキスタンは、ハキーミのような人間を逮捕したことで、信用性が増した」と、パキスタン軍についての著書があるAskari Rizviが語る。「しかしいっぼうで、タリバン幹部がパキスタンにいまだにいる可能性を示している」。(中略)

パキスタン高官は、抵抗運動をしている者たちと、タリバン崩壊後、暴力には関わらずにパキスタンに避難している政治的な人間との間に、一線を引いている。カルザイも同じ態度だという。「我々もカルザイも、すべての前タリバン幹部が脅威だとは思っていない」と、ある国会議員が述べた。(中略)

宗教政党は、タリバンの抵抗運動に関わっていないと主張するが、彼らに共感していることは明らかだ。「タリバンを嫌うものは誰もいないはずだ」と、国会議員で、クエッタのスラム街でマドラッサを運営するNoor Mohammedが語った。「彼らはアメリカの政策に反対している」。(中略)

バローチスタン州に近いアフガニスタン南西部出身のハキーミは、30代だという。どのメディアとコンタクトするか「最初は注意深く選んで」いたが、「そのうち大胆になり、注意深くなくなり、誰にでも電話をかけていた」と、彼と頻繁に電話で話していたジャーナリストのユースフザイが語る。「なんでそれほど大胆に行動できるか、びっくりすることもあった」。

ハキーミが繰り返しタリバン寄りの声明を出したために、米軍の堪忍袋が切れ、ムシャラフが先月フロリダの米中央アジア司令部を訪問したときに圧力がかけられたと、ある国会議員とパキスタン人諜報部員2人が語った。

この苦情のために、ハキーミはクエッタのNewa Killiで逮捕されたのだ。

hoonArrest Points to Murky Taliban-Pakistan Ties
John Lancaster、QUETTA


■7.7犯人に指示を出したパキスタン人の行方[051008 Times]

7.7から3ヵ月たった今も、彼の身元はわからない。英語を話さない背の高いパキスタン人は、ウェールズの冒険旅行に一緒に行った他の男たちと違って、写真をいやがった。アドベンチャー・センターのスタッフは、自爆犯の年長者のムハンマド・スィディーク・カーンが、このパキスタン人の客人のために通訳をしていたと語る。彼は残りのグループに、大きな影響力を発し、ほとんどカーンと仲間のシャーザッド・タンウィールを相手に話していた。ヨークシャーの隣人たちは、カーンが仲間たちに武術の訓練を施していたHamara Youth Centreに、この男がいるのを見かけている。「男は突然やってきて、突然いなくなった」と、ある警察の情報源が語る。どこに行き、なぜいなくなったのか、なぜ爆弾犯人たちと一緒にいたのかは、いまだに謎だ。警察はこのパキスタン人を必死で探している。

幹部高官たちは捜査は前進していると語るが、他のメンバーは1人も捕まっていない。警察は、イギリス生まれの爆弾犯たちに協力者がいたと確信している。この謎のパキスタン人が、彼らの計画を最終的に決定したとみている。筏の冒険旅行の3週間後、3人の爆弾犯はロンドンに予備調査に出かけた。パキスタンの客人はこのロンドン旅行の6月28日のあとに、消えた。筏センターのインストラクターKate Blythは、男を6月4日に見たことを覚えている。アジア出身者の12人は、2台の車に分乗してやってきた。カーンは他の者たちに、何をすべきか説明していた。パキスタンの客人に対しては、態度を変えた。

謎のパキスタン人は、写真を撮られないいよう、いつも顔を隠していた。警察はこの男がヨークシャーに滞在した際、3人の爆弾犯たちに会ったかどうかを確かめている。サウジ、エジプト、パキスタンはイギリスに協力を約束しているが、目撃者に接触することは許されない。(中略)

謎1…誰が4人のイギリス生まれの爆弾犯をリクルートしたか。2…いつ自爆ミッションであること、目標が何であるか知ったか。3…誰が爆弾を作ったか。4…なぜルートン駅駐車場の車に、たくさんの爆弾が残されていたのか。5…なぜJermaine Lindsayは、車の中に銃を置いていたか。6…7.7と7.21爆弾犯の関係は?

smellPakistani who instructed 7/7 cell eludes detectives
Daniel McGrory

■アルジャジーラの新たなイギリスの声[051008 Washington Post]

アルジャジーラは、超有名な欧米ジャーナリスト、デヴィッド・フロストを、ワシントンから発信する英語放送の司会者として獲得した。『BBC』のベテラン司会者は、この契約を大歓迎しているという。

「新たなフロンティアやチャレンジが好きだ」と、フロストがロンドンで述べた。

(中略)ブッシュ政権は、繰り返しアルジャジーラを非難し、テロを支持して「大嘘」を放送しているとし、イラクからの報道を禁止した。

しかし今後、毎週インタビュー・プログラムを予定しているフロストは、「番組が反米的と感じている人びともいるが、中東では親欧米的と捉えている者たちもいる。陪審員たちが、アルジャジーラを見守っている。我々が中東で、アラビア語で見られないことが残念だ」と語った。(後略)

hoonAl-Jazeera Finds Its English Voice
David Frost Joins New International Television NetworkBy Howard Kurtz

■アフガニスタンの米兵、地雷で死亡[051008 AP]

アフガニスタン南部のヘルマンド州でパトロール中の米兵が地雷を踏み、死亡した。

地雷は最近埋められたのか、古いものかはわからないという。これでアフガニスタンで死亡したアメリカ関係者は、200人にのぼった。

hoonLand Mine Kills Soldier in Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL

■タリバン、ヘルマンド州の攻撃を主張[051007 News]

タリバン報道官のハキーミが逮捕されて5日後、ヘルマンド州でタリバン戦士が米軍戦車を狙って道路脇の爆弾を爆発させるとともに、米軍のためにスパイしていたアフガン人2人を拉致したと、タリバンが発表した。

ヘルマンド州のタリバンに代わってMohammad Qasimが『News』に、米軍戦車がSangeen地区を走行していたときに、道路脇の爆弾が爆発したと述べた。戦車は大破し、乗員は死亡したという。

タリバンの主張を確認する情報はない。またQasimはこれとは別に、ヘルマンド州で、アフガン人2人を拉致したという。2人は、米軍のためにスパイしていた。そのうちの1人のUstad Nasirは、Musa Qala地区のShahragi村で拉致され、2人目のDrUsmanは、Musa Qala地区の別の場所から連れ去られた。タリバン裁判は2人を今後どう対処するか、話し合う予定だという。

タリバンはハキーミ逮捕のあと、声明を発表していなかった。Qasimは、ヘルマンドのタリバンの代わりとしてだけ声明を発表していると述べ、ハキーミの代理ではないという。

これとは別に、あるHaqyarが、自分が新たなタリバン報道官になったと主張した。Haqyarはハキーミが活動していたときにも、同じような主張をしたことがある。ハキーミは、自分が唯一タリバンの報道官だと述べていたが、Hamid Agha、UstadYasir、Mukhtar Mujahid、Abdul Samad、Saif al Adil、Sabir Mominなどの報道官が、彼のほかにもいる。しかしハキーミ以上に、長い間報道官として声明を発表し続けた者はいない。

hoonTaliban claim Helmand attack, abduct 2 men
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■アメリカ、ビンラディンの腹心の論文を入手[051006 Washington Post]

アメリカ合州国は、ビンラディンの腹心がイラクのリーダーあてに書いた手紙を入手した。手紙には、長期的なグローバル・ジハードの展望が説明され、今後はエジプト、シリア、レバノンで新たな戦争を開始するという。

当局幹部によると、このザワヒリの「論文」はいっぽうで、ザルカウィにイスラーム世界から離反してはならないと忠告し、人質を斬首してそのビデオを公開していることを非難した。

さらにザワヒリは、イラクの仲間に資金援助を求め、イラクの抵抗運動について、さらに情報を提供するよう要求した。アメリカがイラクにおける活動を把握していると同様、アルカイダも把握したいという。

7月初旬に書かれた13ページからなるドキュメントは、「イラクとその他の国に対するアルカイダ戦術」が、「ぞっとするように鮮明に」説明されているという。

アメリカ高官によると、手紙はイラクにおける対テロ作戦の際に入手された。(中略)手紙には4段階の計画が説明されている。まずアメリカをイラクから撤退させる。次にできる限り、イラクにカリフ制を敷く。第3に、ジハードを近隣諸国に拡大する。エジプトとレヴァント−−これはシリアととレバノンのこと−−に特に言及している。そして最後にイスラエルとの戦争である。(中略)

ザワヒリは、アメリカのイラクからの撤退だけでは戦争は終わらず、イラクには宗教政治以外あり得ないと強調する。(中略)ザワヒリは、一般民衆の支持の必要性を説くとともに、シーア派ムスリムに関しては批判的で、スンニとシーアとの間の衝突は避けられないと語った。しかしイラクの抵抗勢力のリーダーが人質を残虐に扱っていることを非難し、弾丸をもって効果的に殺害するべきだと述べた。

ザワヒリは、人質の斬首を続けているために、このメッセージを受け取っていないと思われる。(後略)

hoonU.S. Obtains Treatise By Bin Laden Deputy Zawahiri Envisions Jihad
on New FrontsRobin Wright

■神の声でイラクとアフガニスタンに侵攻とブッシュ[051006 AFP]

イラクとアフガニスタンに侵攻したのは神の声を聞いたからだと、ブッシュ大統領が『BBC』で放映予定のドキュメンタリーで語った。

ブッシュが2003年6月に、パレスチナのアッバース首相とシャース外相に会ったときの発言だという。また米大統領は、神によってパレスチナ国家を設立するように指示されたと語った。

現在は情報相であるシャースによると、「ブッシュ大統領はみんなに言った。『神からの使命で行動している』」。「神は、『ジョージよ、アフガニスタンにいるテロリストと戦いに行け』と言った」。「それでそうした。するとまた神が、『ジョージ、イラクの専制を終わらせろ』。だからそうした」。「そして今また、神の言葉を感じる。『パレスチナに国家を与え、イスラエルに安全を、そして中東に平和を与えろ』。神に誓って、そうするつもりだ」と言ったという。

アバス首相も、「私には道徳的、宗教的使命がある」とブッシュが述べたと回想する。「だからあなたに、パレスチナ国家を与える」。

『BBC』は番組の内容をホワイトハウスに問い合わせたが、ホワイトハウスは個人的な発言についてのコメントを拒否したという。(中略)番組は10月10日、17日、24日に放送予定である。

ohBush claimed God told him to invade Iraq, Afghanistan: BBC
London

■パキスタン軍へのロケット弾攻撃で、2人死亡[051006 Reuters]

抵抗勢力が、アフガン国境近くにいるパキスタン軍キャンプに向かってロケット弾3発を撃ち込み、そのうちの1発が一般家屋に命中して、2人が死亡した。(中略)抵抗勢力たちは、深夜過ぎに軍のキャンプを攻撃した。

ロケット弾2発は命中しなかったが、1発が一般家屋に命中し、男性2人が死亡、女子1人が負傷したと、ミランシャーにいる諜報部高官が述べた。

Datta Kheilのキャンプにいる軍がすぐに応戦したが、その他の死傷者についてはわかっていない。(後略)

hoonTwo killed in rocket attack on Pakistani troops
MIRANSHAH

■欧米に訓練され、欧米に武装化された敵[051006 Asia Times]

イラクからアフガニスタンそして中央アジアまで、地元の軍隊を訓練することと、その忠誠心を獲得することは別のことだと、欧米軍は思い知らされている。

米軍とイギリス軍は、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、グルシア、ウクライナ、アゼルバジアンにおける訓練計画を中止した。これらの国々で訓練した800人の兵士が軍を去り、アルカイダやチェチェンの抵抗運動に加わってしまったからだ。

諜報情報によると、兵たちはM-16やロケット弾などの武器や、通信機器、夜間暗視ゴーグルなどを持って脱走した。

アフガニスタンでは、アフガン国軍兵士の4分の1が、国軍が設置された2002年以降脱走しているという。「2000〜3000人の兵士が国軍から脱走した」と、国防省報道官のZahir Azimi将軍が述べている。

アフガン国軍は、イギリス、ニュージーランド、フランス、ドイツの協力を受けながら、米軍の管轄下にある。ブルガリア、ルーマニア、カナダ、韓国、モンゴルなどが、技術的な協力をしている。

イラクでも、アメリカとイギリスがイラク軍を訓練しようとしているが、なかなかうまくいかない。イラク人50万人が新軍隊と治安部隊に登録したが、その半分は除隊されたり、訓練不能であったり、脱走したりしている。留まっている者たちも、その忠誠心はたびたび疑問視される。軍や警察の内部に、抵抗勢力が入り込んでいるという噂も絶えない。

《味方を変える》

イラクとアフガニスタンで兵士たちが軍隊を脱走していることに関して、アメリカ主導の軍隊は2つの点を憂慮する。まず同盟軍兵士の命が、裏切り者の部隊の脅威に直接さらされている。次に、これらの逃走者たちは単に軍から脱走するのではなく、新たな技術を持って、抵抗運動に加わっていることだ。

去年の秋、アフガン抵抗勢力たちが、洗練されたロシアや中国製の対空ミサイルを購入しているというニュースが流れた。「アフガニスタンに密輸される武器は、イラクのクルディスタンからイラン経由で入る。ロシア製・中国製の対空ミサイルは、2500ドルで買える。マーケットの中心はアフガニスタンだ」という。(中略)またパキスタンのジャーナリストのHamid Mirも、タリバンは軍閥やパキスタンの部族地帯で、武器を購入していると書いている。(中略)

米軍が、抵抗勢力がこのようなミサイルを入手していることに関して沈黙するなか、9月25日に米軍ヘリが再びアフガニスタンで墜落し、米兵5人が死亡した。ペンタゴンは「敵の攻撃を受けた証拠はない」と発表している。

ペンタゴンが、つらい現実となる可能性に慎重になる理由はわかる。アフガニスタンでは、ヘリコプターが最も重要な輸送手段だ。ヘリの撃墜は、非常に悪いニュースである。

1980年代にソ連軍は、ワシントンがムジャヒディンに供給したスティンガー・ミサイルに敗退した。ムジャヒディンは、ロシア製のHind戦闘ヘリコプターを、次々と撃墜させていった。

現在対空ミサイルを使用している者たちは、アフガン国軍やイラクで、アメリカに訓練された可能性が大きい。アフガン国軍ができた時点で、すでに抵抗勢力たちが内部にいたことは、アフガニスタンでは誰でもが知っている。

さらに問題なのは、ペンタゴンは外国部隊を訓練するために、民間会社を雇っていることだ。そのために、抵抗勢力が志願兵となって入り込むことが、容易となった。民間会社への支払いは、訓練する人間の数に応じて決まるため、訓練者の数を確保することが第一使命になる。

アメリカ・イギリスの訓練士は、民間会社に属している。多くが3つ星、4つ星クラスの退役軍人だ経営する会社だ。なかにはハリーバートンの子会社であるKelloggBrown & Rootのような、馴染みのある名前もある。TRWの子会社のDynCorp; Vinnell、オレゴンのSAIC; ICI、Northrop GrummanのLogiconなど、そして最も有名なのは、「ペンタゴンよりも将軍の数が多い」ことを誇りとする、Military ProfessionalResources Inc(MPRI)。

《新たな挑戦》

最近天候が非常に安定しているはずのアフガニスタンで、これほどヘリコプターが墜落する事実は、簡単に見逃せない。9月25日のチヌーク墜落もその一つだ。7月29日にはバグラムに向かっていた訓練機が墜落。2人が負傷した。その前日には、チヌークCH-47が、抵抗勢力を捜索していた際に「不時着」して大破。4月にはガズニ州でCH-47が墜落、米軍関係者15人と民間会社の人間3人が死亡した。

ペンタゴンはこれらの墜落の原因をすべて天候、「技術的問題」、「不時着」としている。いっぽう抵抗勢力たちは、これらのヘリを撃墜したと主張。

選挙前、ワシントンは選挙と関連して抵抗勢力の動きが活発になることを憂慮していた。しかし選挙が終わっても、暴力沙汰は衰えることはない。カルザイはもはや「テロとの戦争」に空爆を用いる必要性はないと主張したが、同時に米軍に、アフガニスタン政府の許可なくして家宅捜索をしないよう、警告した。

対空ミサイルの問題はいざ知らず、アメリカはアフガニスタンを一度考え直す必要がある。

garrWestern-trained, Western-armed, enemies
Ramtanu Maitra

■アメリカ、アフガニスタンからの撤退計画[051006 Asia Times]

パキスタンとアメリカ高官は、アルカイダとタリバンと戦うための、新たな戦術を考え出さなければならない。テロリストたちがアフガニスタンから、グローバル活動を指揮しているからだ。まさにこの理由ために、アメリカはアフガニスタンに侵攻したはずだ。

アメリカの侵攻で、タリバンはほとんど一夜にして撤退した。しかしそれ以後、彼らは再びアフガニスタンの一部やパキスタンの部族地帯で、再結成している。

その対策のために、アメリカとパキスタン高官は、近々イスラマバードで会う予定だ。「日にちはまだ決定していないが、ワシントンはイスラマバードに、この会合の特殊性を伝えた」と、ある治安関係者が述べた。

話題は、アフガニスタンにおけるテロとの戦いに関するロードマップを作ることだ。このような会談は9.11以後初めてのもので、機密情報を共有し、意見の交換が行なわれるという。

これまでパキスタンは、タリバン逮捕に非協力的と見られていた。(中略)しかし火曜日、パキスタンの治安部隊はタリバンの報道官のラティフ・ハキーミを逮捕。詳細は明らかにされていないが、バローチスタン州で逮捕されたといわれる。(中略)また軍は、南北ワジリスタンでも、作戦を実施している。

《抵抗運動、新たな形に》

アフガニスタンの抵抗運動が強化されるなか、ゲリラ活動に新たな現象が生じている。戦闘員には、チェチェン、ウズベク、アラブ人戦士たちがいる。しかしこのこと自体は、新しいことではない。

新たな現象とは、これまで外国人はパキスタンの国境沿いの襲撃にだけ参加したが、最近になって、例えばロガールやガズニなど、アフガニスタン内部でアメリカの車列や基地を襲撃しては、地元民のなかに溶け込んででいくようになったことだ。

「米軍や同盟軍は基地の内部にとどまり、特殊捜索活動をするときだけ出動する。通常のパトロールや諜報情報の収集は、アフガン国軍と警察に任されている。しかし最近になって、地元の軍隊は、あまり協力的でなくなっている。しかも頻繁にそういう現象が起きており、故意に協力しなくなったようにみえる。今後同盟軍にとっては、危険なことになりそうだ。近々、外国軍はアフガン国軍の行動をもっと監視し、捜索活動に協力させるようにせざるを得ない」と、ある治安関係者が述べた。

外国人戦闘員とアフガン司令官たちが、攻撃を実施するための基地を、さまざまな場所に確立し始めていることは明らかだ。この現象は、同盟軍にとっては好ましくない。アルカイダの存在は4年前ほど顕著ではないが、新たな攻撃のために、着々と準備をしていることは明らかだ。

何よりも、アフガン治安部隊の忠誠心が問題だ。軍閥やその仲間たちが和解計画の一環として、軍、警察、諜報部の主要なポストに就いている。前タリバン高官も、このなかにいる。

彼らは現場で活動している人間に、影響力を与えることができる。最近アフガン国軍兵士が、抵抗勢力の攻撃を受けても明後日を向いている理由は、ここにある。

アフガニスタン陸軍高官のBismillah Khan将軍でさえ、疑惑がある。彼は、北部同盟時代の軍閥だ。しかし当時彼は、タリバンと取り引きするかどうか交渉していた。しかも、現在タリバンとともに戦っている、ウズベキスタン・イスラーム運動のタヒール・ユルダシェフ自身と、交渉していたのだ。

このようなケースが、抵抗運動の内部にもアフガニスタン政府内部にもある。その多くが、アフガニスタン国会議員に選ばれている。アフガニスタンを支配している政策やイデオロギーが、抵抗運動の原動力になっているともいえるのだ。

garrUS back to the drawing board in Afghanistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■前タリバン戦士の新たな戦場[051005 Los Angels Timesr]

Mullah Abdul Salamは、ロケット弾を正確に発射したために、ゲリラの仲間たちは彼にロケッティというあだ名をつけた。

この前タリバン司令官は銃を捨てて政治に躍り出て、国会の議席を首位で獲得しつつある。「以前はロケットで敵をやっつけた。今度は理性を持って熟考の末に、敵をやっつける」。

ロケッティのように、政治家として成功するかどうかは、以前の敵が、殺人よりも話し合いのほうがましだと考えるかどうかだ。ロケッティは、タリバンからも北部同盟からも、脅迫されているという。

アメリカに支持されて、カルザイは前タリバンに恩赦を与えた。ロケッティは恩赦を受け入れ、国会選挙に立候補した有名なタリバンリーダー8人のうちの、最後の1人だった。彼のほかは、4年前に失った彼らの根拠地で、再び敗北しそうだ。

開票の50%を終えた時点で、ザーブル州の3議席を争って立候補したロケッティは、トップに躍り出た。

カンダハルの11議席を争った、前タリバン外相のムタワキルは、票を1%も獲得できず、惨敗である。タリバン時代に前道徳省を率いていたMaulvi Qalamuddin、副内相のMullah Abdul Samad Khaksarも敗北しそうだ。

ワルダック州では、タリバン野戦司令官だったHaji Musa Hotakが、4番目につけている。しかし議席は3つしかない。ワルザックの5議席のうちの2議席は、他の州同様、女性議席だ。

「彼が国会議員になれば、彼にとっては新たな人生になる。人びとと安寧を尊重するように、我々も彼に敬意を表さなければならない」と、カヌー二(北部同盟)が述べる。「我々は彼の過去を、否定的にとらえてはならない」。

ロケッティは、いつの日にか、カヌー二と握手している自分を想像できるという。しかし白熱した論争は予測される。「国会では論争が加熱するだろう。さまざまな派閥があり、それぞれがアフガニスタンを破壊したと非難し合うだろう。カヌーニだけではない。共産党員もいる。私は共産党員とは戦う」。

ロケッティはまだ10代でゲリラ戦士になった。20歳のとき、ゲリラの司令官が彼をロケッティと呼んだ。それ以来、自分の名前をロケッティとしている。「私が得意とする技は、敵の戦車に忍び寄ることだ」。「そして時間をかけてロケットを撃った。外すことはない。いつも命中した。私は勇敢で、気勢を失うことはなかった。向こう見ずになったりしなかった」。

1996年にタリバンがカブールを獲得した直後、タリバンに参加し、ナンガハール州の警察司令官となった。カブールでも、別の隊を率いていた。

人権団体は、アフガニスタンの前司令官たちを虐待の罪で訴えている。(中略)しかしロケッティは、彼が50人のタリバン戦士とともに投降した2002年の冬、アメリカの取り調べで無実となり、8ヵ月拘束後に釈放されたという。(中略)

ロケッティは、ビンラディンと近いタリバンや、アルカイダ組織については何も知らないというが、カヌー二はそれを疑っている。

タリバン内に外国人戦士がいたことは、誰もが知っていたとカヌー二は語る。「もし知らなかったという者がいたら、それは真実から目をそらせているからだ」。

ロケッティは、政治家となった今、ゲリラ時代以上に、命が危険にさらされているという。武装した護衛も持たない。彼の事務所はカラートの仕立て屋の2階にあり、ウォークイン・クローゼットより大きくない。簡単に狙われる。

「カブールで、カヌー二の仲間に脅迫された。ここでは、タリバンに脅迫される。手と足を縛られたまま、棒を持った敵に打たれるようなものだ」。

前宗教警察長官だったQalamuddinも、別の理由で民主主義に懐疑的だ。ロガール州の選挙は、最初からいかさまだったという。有名な宗教学者として通っているQalamuddinは、簡単に議席を獲得できると信じていた。選挙管理委員会は、不正を調査することと約束したが、ロガールはその対象になっていない。開票の初期の段階でQalamuddinは敗北することを予想したために、故郷のBaraki Barak村に帰った。今のところ、候補者60人中35位だ。Qalamuddinは、以前の自分の職業が人びとの間で不評だということを認めない。

Qalamuddinの道徳警察は、女性を棒で叩いていた。髭を生やさない男性も、刑を受けた。Qalamuddinは、自分は「タリバンに直接関係していなかった」という。単に政府のために、「悪行を働いた人間を罰するために」仕事をしていた。なぜなら、彼の政党であるHarakat-i-Islamiが、タリバンと同盟したからだ。「私はタリバン政府で、マネージャーとして働いていただけだ」。

タリバン政権崩壊後、故郷で平和的に暮らしていた。しかし地元の共産主義者に密告された。カブール警察に17ヵ月拘留されてから裁判にかけられ、タリバンとして2年の刑を宣告された。しかし2度控訴すると、釈放された。

アフガン人たちは、まだ民主主義を受け入れていないと彼は言う。単にイスラームやアフガン文化を、自分の都合で変えようとしているだけだ。「人の女性を奪ったり、姦通したりする者がいる。どうしてそんなことするのか尋ねると、民主主義だからだという」。「そのようなことを言うやつには、『あんながやっていることは民主主義ではない』と言ってやらなければならない。都合のいいように、利用しているんだ」。

hoonFormer Taliban Fighters Brave a New Battlefield
Paul Watson、QALAT

■21世紀のグレートゲーム・プレーヤー[051005 Guardian]

何日も山の中を旅する。とくに、欧米人の顔など見たことのない人びとが住む村に、馬に乗って入って行く。彼らはグレートゲームの、新たな選手たちだ。

このアプローチは伝統的なイギリスの手法だ。Military Observation Teamsには興味を引くようなタイトルはつけられていないが、キプリング時代の、冒険的な仕事だ。

マザリシャリーフ郊外にある北アフガニスタンの基地から、8人のパトロール隊が地元の諜報情報を収集するために、未踏の地に入り込んだ。

ゴーグルをかけ、伝統的なアフガンのターバンを巻き、武器を持ったこの隊は、第二次世界大戦のSASとアラビアのローレンスと、見た目も使命も同じだ。

北部にいる250人の派遣部隊に属する、第10British patrolは、遠く離れた村や地元の軍閥、地元政府高官とコンタクトを取り、地元の行政を監視する。彼らの行動は、100年前に中央アジアで繰り広げられた、イギリスとロシアのスパイ戦争や冒険を思い出させる。

「21世紀のグレートゲームのようなものだ」と、Nick Welch中佐が機べた。「10年前、このような仕事をするのは特殊部隊だった。今日は、イギリス歩兵隊の仕事だ。彼らはチャレンジ精神旺盛で、地元の軍閥を理解し、接触することができる」。

Military Observation Teamsの使命は「何年間も、良い行ないをする軍隊を見たことのない」地域に、イギリスとNATOの旗を掲げることで、村の出来事についての諜報情報を収集する。

四駆に20日分の食料と水を積んで、彼らはヒンドゥークシュの山奥に入って行く。夜になると車の手入れをし、出されたカレーを食べ、星空の下で寝る。襲撃がなければ、回収した兵器を満載して帰る。

道が通行不能になれば、車を捨て、村から馬を借りる。「良い結果を得ている。彼らは長いこと軍閥に苦しめられてきた」。「アラビアのローレンスに似ているかもしれない。我々は旅していき、人びとが何に不満を持つか調べていく。ここにはキプリングの要素がある。あの時代とよく似ている」とVowlesキャプテンが語った。

hoon21st-century players of the Great Game
Thomas Harding

■タリバン報道官[051005 AP]

逮捕されたタリバン報道官が取調官に、オマール師はアフガニスタンに隠れており、幹部司令官たちと連絡を取り合っていると述べた。

(中略)「ハキーミは、オマール師はアフガニスタンにいて、幹部高官たちと衛星電話で連絡を取り合っていると述べた」と、パキスタンの諜報部高官が述べた。

ある高官は、ハキーミは火曜日に逮捕されたと述べたが、諜報部高官は、クエッタのNewi Killi付近にある自宅で、日曜日に逮捕されたと述べた。他のタリバンリーダーについて取り調べを受けていたために、逮捕がすぐには発表されなかったという。Newi Killiの別の住居から、4人の「下士官」も逮捕された。

衛星電話を2機と、パキスタンの携帯電話2機、タリバン関係の本や、タリバンの活動の様子が入ったカセットやCDが押収された。(後略)

hoonTaliban Spokesman: Chief in Afghanistan
NASEER KAKAR, QUETTA

■パキスタン、タリバン報道官逮捕[051005 New York Times]

パキスタンは火曜日にタリバン報道官のアブドゥッル・ラティフ・ハキーミを逮捕したと発表した。パキスタンが、国内に住むタリバンリーダーを逮捕することは、めったにない。

パキスタンの国営テレビ(PTV)で、シェルパオ内相が逮捕を発表した。ラシッド情報相は、ハキーミはバローチスタンで逮捕されたと述べた。「当局と武装部隊が彼を逮捕するために、あらゆる努力をしてきた。やっと逮捕できた」。

ハキーミはタリバンの広告塔で、特定できない場所から衛星電話を用いて、報道陣にコンタクトをとってきた。最近では、アフガンの携帯電話を用いることもあった。

アフガン治安高官は、ハキーミはバローチスタンのクエッタに住んでいると主張していたが、パキスタンはこれを否定してきた。

ハキーミは、タリバンが数十人のアメリカ兵やアフガン兵を殺害したと発表してきたが、彼の発言は誇張されることが多かった。7月には、タリバンがアフガニスタン東部で米軍海兵隊を捕まえ、斬首したと発表した。その後、海兵隊員の遺体が発見されたが、米軍はタリバンに捕まったことを示す証拠はなく、銃撃戦で死亡したという。

米軍は、ハキーミの電話によりさまざまな情報を得ていたために、彼のプロパガンダを容認していた。しかし最後になって、彼は人質の処刑を指令するようになったと、アフガニスタンの和平委員会会長のSebghatullah Mojadeddiが述べる。

地元のアフガン高官によると、ハキーミは9月にアフガニスタン西部で誘拐されたイギリス人エンジニアDavid Addisonを殺害するよう、指令を出した。また6月、カンダハル州のMian-e-Shin地区の警察長官をはじめ、7人の処刑も指示したと、スピンボルダックの国境司令官、Abdul Razziqが語る。「彼は大きな家に座って報告していた。私は、彼が住んでいた家のビデオテープを持っている」。

火曜日にスピンボルダックの国境付近で爆発があり、女性と子供2人を含む、少なくとも市民4人が死亡した。Razziqによると、タリバンの仕業だという。

hoonPakistan Arrests Chief Spokesman for Taliban
CARLOTTA GALL

■タリバン報道官、バヌーで逮捕[051005 Daily Times]

警察関係者がタリバン報道官のラティフ・ハキーミを、バヌーで逮捕したと、情報源が語った。(中略)

ラシッド情報相が、ハキーミはバローチスタンで逮捕されたと述べたが、正確にどこで逮捕されたかは、明らかにしなかった。(中略)

警察関係者が夜明け前に、バヌー地区で捜索を実施してハキーミを逮捕、武器も押収した。情報源によると、取り調べのためにイスラマバードに連れて行かれたという。

hoonTaliban spokesman arrested in Bannu
Shahzad Malik、ISLAMABAD

■ワジリスタンで爆発、兵士9人負傷[051005 Daily Times]

月曜日に北ワジリスタンで、軍の車列の近くで爆弾が爆発し、少なくとも兵士9人が負傷した。

兵士たちはミール・アリに向かう途中で、Khwaja Kharチェックポスト近くで、遠隔操作爆弾により被害を受けた。これとは別に、北ワジリスタンのアルカイダ組織との仲介を請け負っていた世話役が、先週のKhati Kallaでの作戦の際に負傷したと報告された。

「Maulana Sadiq Noorが負傷したという戦闘員間の会話を、軍が傍受した」という。戦闘員たちは「アミールと部下2人が負傷した」と、会話していたらしい。しかしどの程度の傷を負ったか、どこで手当を受けているかは、わからないという。(後略)

hoonBlast injures 9 soldiers in Waziristan
Iqbal Khattak、Peshawar

■タリバン報道官、バローチスタンで逮捕[051005 News]

タリバン報道官のラティフラー・ハキーミがバローチスタンで逮捕された。(中略)

シェルパオ内相は、ハキーミがどこで、どうやって逮捕されたか、詳細は語らなかった。「ハキーミについては、詳しいことは話せない」と、シェルパオは火曜日の夜遅く、デーラ・イスマイル・ハーンからペシャワルに戻った際に、『News』に語った。

ハキーミはカンダハル出身の若い男で、2年間、タリバン報道官を勤めていた。オマール師によって、報道官に任命され、タリバンの声となった。別のタリバン報道官のハミッド・アガとUstad Yasirの部下であったが、タリバンへの傾倒やその野望のために、彼らを差し置いてタリバンの顔となる。報道関係者は、アメリカやアフガン政府の一方的な主張だけでなく、タリバン側の主張を求めるために、彼と頻繁にコンタクトっていた。(中略)

ハキーミは、衛星電話やパキスタンの携帯電話を用いて、メディアと連絡をとった。(中略)メディアとのコンタクトが頻繁になるにつれて、危険が迫る。最近は反タリバン出版物に影響を与えるために、カブールのメディアやテレビなどにもコンタクトをとるようになり、逮捕されるのも時間の問題と噂されていた。

タリバン政権時代は、ヘラートの情報省責任者だった。マドラッサで学び、パシュトゥ、ダリ、ウルドゥーなど、いくつもの言語を話すことができる。

彼は軍事司令官ではなく、暴力沙汰には関係していない。タリバンのプロパガンダであり、単純に情報を提供していただけだ。彼は最近、アメリカは世界のメディアを牛耳っているにもかかわらず、たった1人のタリバン報道官を自由にしていると述べていた。また親タリバンのウェブサイトがブロックされ、国際メディアは、タリバンの視点からアフガニスタンのニュースを流そうとしないと、不満を訴えていた。

hoonTaliban spokesman Hakimi caught in Balochistan
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタン、「タリバン報道官」[051004 BBC]

パキスタン当局が、タリバン報道官のラティフラー・ハキーミを逮捕したと発表した。「治安部隊が彼を今日逮捕した。現在我々が拘束している」と、シェルパウオ内相が述べた。

ハキーミは、タリバンの報道官として、定期的に声明を発表していた。シェルパオは、彼がどこで逮捕されたかは明らかにしなかったが、アフガンとの国境近くだという。(中略)

《打撃》

イスラマバードにいる『BBC』のBarbara Plettによると、ハキーミの逮捕は、イスラマバードはできる限りのことをしているというメッセージだという。アナリストたちは、ハキーミの逮捕は、軍事司令官の逮捕よりもタリバンにとっては打撃が大きいという。ハキーミは、タリバンの声として捉えられていたからだ。

ハキーミが、タリバンとどのような関係にあるのかは、明らかではない。しかしアフガンやアメリカ高官が『AP』に語ったところによると、抵抗勢力の組織を代表するという。アフガニスタン国内で攻撃があった際、それがタリバンの仕業であるかどうかを知るために、ジャーナリストたちは常に彼とコンタクトをとっていた。ハキーミは通常衛星電話を用い、アフガニスタンかパキスタンで登録された携帯電話を用いることもあった。

《大きな成果》

ハキーミは木曜日に『BBC』とコンタクトをとり、ペシャワルのラヒムラー・ユースフザイに、先勝カブールで起きた爆発は、タリバンの自爆犯の仕業だと発言していた。(後略)

ohPakistan 'nets Taleban spokesman'

■部族民の問題[051004 Daily Times]

南北ワジリスタンからのニュースは、芳しくない。ここ数日間、政府は南北ワジリスタンで、多くの犠牲者を出してしまった。政府は北ワジリスタンの作戦では、大きな成果があったと主張している。前ペシャワル警察司令官のサフダル・フセイン中将は、南ワジリスタンの問題は解決したと、7月に発表していた。しかし10月2日には、軍のキャンプがロケット弾で攻撃され、兵士4人が死亡。フセイン司令官は、楽観的すぎたようだ。ペシャワルに新たな警察司令官が派遣される数日前、北西辺境州知事のカリル司令官がメディアに、南ワジリスタンにはいまだに問題があると発言していた。知事によると、政府に和解したはずのバイトゥッラー・マフスードは、自分のグループを再組織化しており、この地域にタリバン法を強制しているという。知事の発言は、軍司令官の発言と完全に矛盾している。さまざまな報道によると、南ワジリスタンはいまだに多くの問題をかかえているようだ。

軍が北ワジリスタンに入ったことから、過激派たちは活動範囲を広めたようだ。南ワジリスタンの攻撃も、この一環だ。数日前、過激派たちは北ワジリスタンの軍と準軍隊を攻撃している。

ひとつのことが明らかだ。部族地帯を浄化しようとしている政府の戦いは、終わっていない。部族の長老やその親戚を標的に殺害することで、政府に協力しようとしている人びとに、恐怖を植えつけようとしている。

(後略) hoonTribal trouble: necessary needs to be done for the
sufficient to happen

■軍を攻撃して戦闘員6人死亡[051004 Daily Times]

月曜日に軍のチェックポストが襲撃され、戦闘員6人が殺害された。戦闘員たちは、日曜日にZara Melaチェックポストを包囲した、約30人のグループの仲間だったという。「兵士が応戦して、6人を殺害した。5人の遺体を持ち去った」と、軍高官が述べた。

治安部隊は北ワジリスタンのKhatti Kalli村で、35人は外国人を含む60〜70人の抵抗勢力を殺害したという。中にはチェチェン人のアルカイダリーダーもいたと、軍の情報源が語った。

ウズベク抵抗運動のタヒール・ユルダシェフの腹心で、「Chamak」というあだ名のついたチェチェン人が、土曜日の作戦で殺害された。「Chamakは、中央アジアの国々、ウズベキスタン、タジキスタン、チェチェン出身の戦闘員のリーダーだった」と、付け加えた。

情報源によると、Chamakは10月1日に無数の銃弾を受け、MachikhelにあるHajiMalik Muhammad Alamの家に運ばれた。しかし傷のために、死亡したという。

「ユルダシェフには、3人の地元腹心がいる。1人は地元の宗教指導者MaulanaSadiq Noor。彼は、北ワジリスタンにおける後方支援を提供している。MalikKhandanは、アフガニスタンにいるユルダシェフの司令官だ。そしてChamakが北ワジリスタンにいる外国人戦闘員を指揮している」という。

殺害された戦闘員に関する情報は、地元の人間から収集された。「戦闘員たちは遺体を後に残さない。回収して、すぐに埋葬する」。

「9月30日に戦闘員5人が殺害され、Khatti Kalli村で1つの墓に埋葬された。10月1日には8人の戦闘員が殺害され、Machikhelで4ヵ所に埋葬された」。さらに、「北ワジリスタンのアルカイダの世話役」のMaulana Sadiq Noorとその部下のMalikKhandanが、作戦の間に逃走した。情報源によると、日曜日にNoorの隠れ家が取り壊された。(後略)

hoon6 militants killed in attack on military
Iqbal Khattak、PESHAWAR

■抵抗勢力、パキスタンのチェックポストを襲撃[051003 AP]

抵抗勢力たちがパキスタン北西部の部族地帯で、ロケット弾や火器を用いて攻撃したが、兵士たちが応戦し、戦闘員6人を殺害した。

戦闘員たちが日曜日の夜遅く、ミランシャー東部のチェックポストを襲撃したと、治安高官が述べた。兵士たちが応戦し、抵抗勢力は逃走した。戦闘員1人の遺体が発見された。

高官によると、抵抗勢力は仲間5人の遺体を持ち帰ったという。ペシャワルの軍高官も匿名で、6人の戦闘員を殺害したと述べた。

(中略)ペシャワルの軍高官によると、逮捕した戦闘員からの情報として、ウズベク人リーダー、タヒール・ユルダッシュに近い戦闘員が、先週北ワジリスタンで殺害されたという。(後略)

hoonMilitants Attack Checkpoint in Pakistan
Bashirullah Khan、Miran Shan

■パキスタン、「戦闘員」4人殺害[051003 BBC]

北ワジリスタンで、抵抗勢力と準軍隊が衝突し、戦闘員4人が殺害された。

地元高官によると、日曜日の夜遅くに、抵抗勢力たちが準軍隊のチェックポストを包囲して、銃撃戦となったという。また殺害された戦闘員は、ロケット砲発射台などの武器を所持していた。

準軍隊は、殺害した4人のうちの1人の遺体だけを見つけたという。殺害されたのは地元のAbdur Rehmanで、家族によると、1ヵ月前から行方不明になっていたという。

hoonPakistan kills four 'militants'

■パキスタンの国境地帯で31人殺害とアフガン[051003 Reuters]

日曜日にアフガン国軍が、アフガニスタン南部のパキスタンと接する国境地帯で、31人の戦闘員を殺害したと、国防省報道官が述べた。

パクティア州のアンゴール・アダ地区で、軍を攻撃した戦闘員28人が殺害された。4時間に及ぶ戦闘で、政府軍兵士8人も負傷したという。「28人の遺体を回収した」と、報道官のZahir Azimiが述べた。

これとは別に日曜日早朝、同じパクティア州で戦闘員3人が殺害された。殺害されたのはタリバンなのか、アルカイダの仲間なのかはわからないという。(後略)

hoonAfghans say kill 31 militants near Pakistan border
KABUL

■南ワジリスタンで、政府派部族民標的となる[051003 News]

南ワジリスタンのワナで、政府派部族民長老の息子が殺害され、長老の弟も重傷を負った。これとは別に、南ワジリスタンの軍事作戦を擁護した影響力のある部族民の家族が、誘拐された。

情報源によると、Malik Khadeenの13歳の息子が襲撃されて殺害され、弟も重傷を負った。犯人たちは車で逃走した。Malik Khadeenは数ヵ月前にも、暗殺されそうになっていた。そのときは難を逃れたが、若い息子と、家族のように一緒に育てられたボディーガードが殺害された。

いっぼうマキーン出身の軍大佐の弟が、車を運転しているところを誘拐された。いまだに行方がわかっていない。(後略)

garrPro-govt tribesmen targeted in S Waziristan
WANA

■数千人、アフガンの殺人を抗議[051003 BBC]

選挙立候補者の殺害を抗議して、カブールでは約4000人が、マザリシャリーフでは数百人デモを行なった。

Ethnic Hazara Mohammed Ashraf Ramazanが、18日に実施された選挙の後に殺害された。投票日前までには、7人の立候補者が殺害されている。Ramazanは先週の火曜日に、マザリシャリーフで車を運転中に襲撃されて、死亡した。

デモ参加者たちは、Ramazan殺害は地元高官の仕業だとし、バルフ州知事で、影響力のあるタジーク族リーダーのアタ・ムハンマドに辞任を要求した。ムハンマドは、殺人には関わっていないと事実を否定している。

Ramazan支持者たちは、2日目になってもマザリシャリーフでデモを行ない、カブールにつながる幹線道路を封鎖した。道路封鎖は数時間後に、解除された。(後略)

hoonThousands protest Afghan killing

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.