【2005年10月24日〜10月30日】


■爆弾事件はイスラーム過激派からのサイン、とインドのアナリスト[051030 AFP]

インドのアナリストによると、61人が殺害されたニューデリーの爆弾事件は、カシミールで地震が起きても自分たちの活動を妨げられないという、パキスタンのイスラームゲリラからのメッセージだという。

「市民5万4000人とゲリラ2000〜3000人が死亡したといわれる、パキスタン領のカシミールにいるテロリストからのメッセージだ」と、シンクタンクInstitute ofStrategic and International Studies会長のKapil Kakが述べた。

Kakは、土曜日の爆弾事件は、カシミールでインド軍と戦っているラシュカレ・トイバの仕業だという。「Jamat-ud-Dawaはラシュカレの政治部門で、カシミールでは、地震の被災者たちへの救援活動を行ない、人気が高まっている」。「ラシュカレ自身も、存在感を示したいのだ」。(後略)

hoonBlasts sign from Muslim militants, Indian analysts say
NEW DELHI

■Jaish過激派5人、地震の救援金を集めたとして逮捕される[051030 Daily Times]

カラチの警察が土曜日に、活動が禁止されているイスラーム過激派メンバー5人を、地震の被災者のための救援金を集めていたとして逮捕した。

警察官によると、5人はジャイシェ・ムハンマドが最近作った慈善団体組織、Al-Rahmat基金という名のもとで、寄付金を集めていたという。「ジャイシェ・ムハンマドのメンバーだったので、逮捕した」という。

(中略)いくつかの過激派組織が、被災者のために救援金を集めたり、救援隊を派遣している。警察がこのような組織と関係のある援助活動家を逮捕したのは、初めてのことである。

hoon5 Jaish militants arrested for collecting aid
KARACHI

■米兵、英兵を含む23人、一連の攻撃で死亡[051029 AFP]

アフガニスタンにおける一連の攻撃で、23人が死亡した。そのうち、米兵と英兵が銃弾を受けて死亡、タリバン戦闘員14人も死亡した。

米兵は、パキスタンとの国境付近の東部でパトロール中に殺害され、英兵はマザリシャリーフで襲撃されて死亡した。

ウルズガン州でタリバン戦闘員たちは、木曜日から金曜日にかけて行なわれた米軍とアフガン軍との戦闘で死亡した。米軍の戦闘ヘリコプターや戦闘機が出動した。アフガン兵1人も死亡した。

また金曜日にパクティア州で、米軍が爆弾を設置しようとしていた男のうち1人を殺害した。仲間の2人は逮捕され、アフガン警察に引き渡された。

土曜日にマザリシャリーフで、ISAFの英兵が銃撃され死亡、他の5人が負傷した。銃を持った男たちがバイクと車に分乗し、ISAF兵士たちが乗っていた車を襲撃してきたという。犯人のうち4人が逮捕された。

これとは別にパクティア州では、数十人の男たちが金曜日の礼拝に来ていた2人の男をモスクから引きずりだし、銃殺した。犯人たちは「モスクの外で殺害すると、消えてしまった」と、いう。

水曜日にコースト州のモスクでも、部族の長老が銃殺されている。

土曜日にタリバン報道官が、先月の選挙に参加した候補者とその息子と弟を殺害したと、声明を発表した。ヘルマンド州で、選挙に落選したGhani Khanが車を運転している最中に、殺害された。(後略)

hoonAfghanistan attacks kill 23, including US, British troops
KABUL

■イラン、オサマの「息子」を保護[051027 Daily Times]

イランが、ビンラディンの3人の息子を含むアルカイダメンバー25人を保護していると、ドイツの雑誌が水曜日に報道した。

雑誌『Cicero』によると、Saad、Mohammed、Othman Bin Ladenとともに、エジプト、サウジ、ウズベキスタン、北アフリカ、ヨーロッパ出身のアルカイダが、イランの共和党警備隊の保護のもとで、テヘラン近辺に暮らしていると報道した。

「欧米の秘密警察」の情報として、アルカイダたちは自由に行動ができると、引用した。「逮捕や、自宅軟禁ではない。自由に行動ができる」と、ある情報源が『Cicero』に語ったという。

Saad Bin Ladenは25歳前後で、アメリカの指名手配者リストに入っている。ビンラディンには息子が20人以上いるといわれる。(後略)

hoon'Iran sheltering Osama's sons'
BERLIN

■リーダー2人を含むタリバン14人、アフガニスタンに引き渡される[051027 Daily Times]

水曜日に、リーダー2人を含むタリバン14人が、パキスタンからアフガニスタンに引き渡された。

引き渡されたタリバンのなかには、かつてのタリバン報道官、アブドゥラティ・ハキーミがいる。(後略)

hoon2 leaders among 14 Taliban extradited to Afghanistan
KABUL

■信心深いムスリムのパキスタン人にとって、援助が忠誠心を妨害[051026 Washington Post]

地震の被害に遭ったAsmat Ali Janbazは、自分は原理主義者だという。彼は、アメリカ人たちは、負傷した被災者を安全な場所に運び出しているのではないという。アメリカは中国を包囲するために、密かにパキスタン北部に基地を作っているのだ。「彼等の目的は、これだ!! パキスタン人を助けようとしているのではない」。

しかしJanbazがいなくなると、びっくりするようなことが起きた。過激派たちの訓練キャンプの巣窟といわれ、原理主義がはびこるこのパキスタン北部の山岳地で、3人の男たちがJanbazの非難を否定し、被災者たちを救出してくれたと、アメリカを賛辞した。

「そんなことを信じていない。人々は見たことだけを信じる」と、病院で働く36歳のManzur Hussainが語った。きょうだいと息子2人を地震で失った。「援助の手を差し伸べてくれる者には、敬意を払う」。

まだはっきりしたことは言えないが、マンセーラで行なった被災者とのインタビューから、アメリカの救援活動によって、パキスタン人が持つアメリカに対する猜疑心や、アメリカのアフガニスタンとイラク侵略以来圧倒的になっていたアメリカの悪いイメージが、少しずつ改善されているように思える。(中略)

バラコットの医師Muhammad Faridは、アメリカの政策にはいまだに強く反発すると語った。しかし、アメリカがパキスタンに他の国々よりも多くのヘリコプターを派遣したことに、驚きを表明する。「アメリカに対する我々の意見が変わった」。原理主義者たちが外国人は堕落していると主張し、「非道徳的な行ないを広めてといると言っていたが、我々を救いにきてくれた」。

パキスタン人高官や政治アナリストたちは、救援活動と関連した人々の見解の変化は限られている、と指摘する。国際援助は、穏健派パキスタン人、特に都市部に住む教育を受けた者たちの考え方を変えるかもしれないが、アルカイダを支持する少数の過激派たちを変化させることはない。

「極楽が与えられたとしても、彼等のアメリカ人やユダヤ人への非難は変わらない」と、ムシャラフに近い側近が語った。「時間がかかる」。

イスラーム主義者たちは、被災者たちに多大な援助を与え、大きな成功を収めている。マンセーラでは、ジハード訓練キャンプが崩壊したといわれる。しかし過激派たちは、いまだに行動している。この2週間、彼等は洗練された救援活動を展開し、犠牲者たちに食料や医療援助を与えている。遠く孤立した村では、パキスタンや外国の救援隊が来る前に過激派たちが自分たちを救出してくれたと、彼等への評価は高い。

アルカイダ幹部も、救援活動に参加した。ザワヒリはビデオメッセージを発し、地震の犠牲者たちを援助をするよう、ムスリムを促した。「ムスリムたちに、そしてイスラーム人道活動家たちに呼びかけたい。パキスタンに行き、パキスタンの兄弟を助けてほしい。すぐに助けてほしい。我々はイスラームの人道主義的な活動を攻撃する、卑劣なアメリカを熟知している」。

自称原理主義者のJanbazは、バラコットのすぐ外にあるBassian村で、同じような見解を語った。彼はアメリカの救援活動を非難し、自分はMovement to Enforce the Law of Shariahのメンバーだと語る。2001年にアフガニスタンでアメリカと戦うために組織された、過激派グループだ。

しかしバラコット近辺では、彼の賛同者はほとんどいなかった。息子と妹、叔父を失ったバス運転手のGulam Haiderは、これまではアメリカは「殺人者」だと思っていたという。今は、アメリカがイラクを侵略したことには、理由があるのではないかと考えているという。「アメリカ人たちは理由があって、侵略したのかもしれない。理由があるのかもしれない」。

バラコットを案内してくれたFaridは、教育を受けていない貧しいパキスタン人は、白人の援助活動家たちなら誰でもアメリカ人だと思っていると語った。実際にはそうではない。同時に、アメリカのヘリコプターや、外国の救援活動を賞賛した。

彼はヨーロッパ、中東、東アジアの9ヵ国の救援隊が、バラコットにやってきた順序をいまだに空で言える。まずフランス隊が来て、がれきの中から、5人の子供たちを救出した。それ以後、外国人のイメージが変わったという。「これらのチームがここにやってきたとき、人々にとっては転換期となった」。

hoonFor Devout Pakistani Muslims, Aid Muddles Loyalties
DAVID ROHDE

■アメリカ、タリバンを攻撃で殺害 [051026 AP]

米軍と英軍戦闘機がアフガニスタン南部の山を爆撃してタリバンを殺害したと、米軍が水曜日に発表した。州知事によると、少なくとも抵抗勢力6人が死亡し、4人が負傷したという。

抵抗勢力たちが月曜日に、ウルズガン州のDihrawud地区でアフガン軍と米軍のパトロール隊を襲撃し、戦闘となった。抵抗勢力たちは逃走する前に、アフガン兵1人を負傷させた。

隊は空からの援護を求め、抵抗勢力たちが隠れていた山岳地帯を、戦闘機が爆撃した。

軍の声明によると、米軍のA-10戦闘機と英軍のGR-7がこの地域一帯を爆撃するとともに、ロケット弾や砲弾を用いて攻撃した。米軍報道官のO'Haraによると、攻撃は「成功し、多数の敵を殺害した」という。死傷者の数は、現在確認中とのこと。

ウルズガン州知事Jan Mohammed Khanは、抵抗勢力の6遺体を発見し、4人が負傷して現在病院で手当を受けているという。(後略)

hoonU.S. Says Attacks Kill Taliban Rebels
KABUL

■日本、自衛隊のアフガニスタンの援助、延長[051025 Reuters]

日本の国会は水曜日に、インド洋上の自衛隊のアフガニスタン後方支援を、もう1年延長することを決定した。

2001年11月に日本は、野党の強い反発を押し切って、自衛隊を海外に派遣することを認める法案を可決させた。第二次世界大戦後、自衛隊を海外に派遣させたのは初めてのことである。(後略)

hoonJapan extends Afghanistan naval support mission
TOKYO

■パキスタン、アメリカとのF-16戦闘機の取り引きを再考中[051025 Reuters]

地震の被害を受けたパキスタンは、アメリカ製の新品・中古のF-16戦闘機数十機の購入を、再考しているという。

「パキスタンは現在地震の被害に対処しており、この悲劇をどのように克服するかを考慮している」と、パキスタン人外交官が述べた。「この時期に、この取り引きをこのまま行なうかどうか、パキスタンは熟考する責任がある」。

アメリカ人高官によると、パキスタンで地震が発生し、その対処に追われているこの時期に、数十億ドルを費やして兵器を購入することで生じる政治的、経済的影響力を憂慮しているという。(中略)

アメリカは非公式に、ロッキード社の新品Martin機を55機、中古を25機、そのほかジェット機25機をパキスタンに売却予定だと『ロイター』に述べた。(後略)

hoonPakistan said re-thinking U.S. F-16 deal
Carol Giacomo、WASHINGTON

■カシミールの過激派、手を差し伸べる[051024 Los Angeles Times]

被災者にとって、自分たちを助けてくれたのは、アメリカやインドがテロリストと呼んでいるゲリラたちだった。

地震が襲ってきてから5〜6時間、村人たちはがれきの中で取り残されていた。するとサルーナの上の山の、松の森林に隠れたキャンプから、15人の過激派たちが降りてきた。医者さえ同行していた。「負傷者の治療をしてくれた。がれきの中から、われわれには救出できなかった人々を助けてくれた。それから、死者を葬ってくれた」と、村に住むHaisa Khanが語った。

ムシャラフは繰り返し、パキスタンにはもはや軍事訓練所はないと繰り返してきた。しかし最近の話から、過激派たちは、いまだに組織化されたゲリラグループのネットワークを持っていることが判明した。

被災地であるサルーナ谷では、Al Badr Mujahedinが運営するキャンプの過激派たちが、まず救援にやってきたという。(中略)インドとアメリカはAl BadrMujahedinをテロリストと指定しているが、パキスタンが活動を禁止している16の組織には入っていない。村人によると、少なくとも6〜7年前から、Tanglai山脈でキャンプを運営しているという。

緊急事態が発生しないければ、過激派たちを村で見かけることはない。「自分たちのことで、忙しいのだ。われわれに干渉してこない。孤立しているが、緊急事態が発生すると、いつでも助けに来てくれる」と、Bhaibela村のAbdul Rehmanが語る。

村人たちの唯一の不満は、かれらが寄付してくれたテントは、雨になると雨漏りするといううことだ。

インドの治安部隊はこの夏、Al Badrの戦闘員たちと衝突した。7月には市民5人が誘拐され、その後、彼らの遺体がスリナガルの郊外で発見された。2月には、スリナガルの政府関係の建物を爆破したとの犯行声明を出している。53人が死亡した、クエッタの自爆テロ事件とも関係しているといわれる。

しかしこの地域で、彼らの評判は高い。村人たちは、軍と政府を毛嫌いしている。村人によると、彼らが目撃した唯一の兵士は、別の方角に向かって歩いていた。(中略)

地震当日、Al Badrの戦闘員2人がキャンプからやってきて、被害を確認していった。1時間後、キャンバス地のテント2張と医師を伴って、Bhaibelaに戻ってきた。傷の手当をして、咳止めや痛み止めを分配した。「最初の2〜3日間は、毎日来てくれた。しかし彼ら自身も、被害を受けていた。だからキャンプでも忙しかった」。

地震後10日たっても、いまだに軍は孤立した村には到着できないでいる。しかし山の高地では、ジャイシェ・ムハンマドの戦闘員が、必死の生存者たちに食料や薬、プラスチックの幌を配った。ムシャラフは2002年に、この組織の活動を禁止している。

Muazと名乗るジャイシェ・ムハンマドの戦闘員が、自分のメンバー14人と地元のガイドで、地震で全滅したParianに救援物資を送っていると語った。「この地域で活動してくれる仲間が不足している。他の被災地にも行かなければならないからだ」。Patika出身のガイドNaeem ul Hassanによると、この地域だけで500人が死亡した。大多数が子供たちだ。「軍も医療チームも来ていない。ムジャヒディンだけが、救援物資を届けてくれる」。

ムザファバードでは、ラシュカレ・トイバの支部であるJamaat ud Dawa事務所が、地震で崩れた。Jamaatのメンバーは、がれきの中に、救援キャンプを建てた。ここで働く男たちは、ゲリラのことを指摘すると注意深くなった。

「もしこの活動を過激派の活動と関連づけるのなら、あなたとは話さない」と、報道官のMohammed Azadが語った。「これは福祉活動だ」。無線で連絡を取り合っているメンバーたちによると、医師100人が活動している。「『幹部』が、地元の人々が救出されるまで、この救援活動を続けるように言われている」。

ohKashmir Militants Lend a Hand
SALOONA、Paul Watson

■爆弾爆発で兵士1人死亡、11人負傷[051024 Daily Times]

アフガニスタンの国境付近でトラックが爆弾で爆発し、兵士1人が死亡、11人が負傷した。

事件は南ワジリスタンのラッダ要塞近くで起きた。「準軍隊兵士1人が死亡し、11人が負傷。そのうちの9人は重傷だ。遠隔装置爆弾が爆発した」と、軍関係者が語った。

いっぽうで、北ワジリスタンで宗教学校に対する攻撃を計画していたアフガン難民が逮捕された。「電話の盗聴から、地元マドラッサ2校を攻撃しようとしていたことが判明した」と、行政関係者が述べた。

hoonBomb blast kills Pakistani soldier, wounds 11
WANA

■アフガニスタンでヘリ、不時着[051024 Reuters]

アフガニスタンで作戦を実施していたヘリコプターが不時着し、搭乗していた兵士4人が負傷した。

UH-60ブラック・ホークは修理のために、現場のウルスガンから回収された。原因は現在究明中である。

タリバンがアフガニスタン南部と東部で、抵抗運動を激しく展開しているさなかの出来事である。(中略)

この半年間で、チヌークヘリコプター4機が墜落し、米兵56人が死亡している。

hoonChopper makes hard landing in Afghanistan, 4 hurt
KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.