【2005年12月5日〜12月11日】


■タリバン、カルザイに死を通告する[051211 Reuters]

タリバンがアメリカやイギリスの「異教徒」に仕えているとして、死を通告するファトアを布告した。

12ページからなるパシュトゥ語のこのファトアは、アフガニスタン南部に出回った。異教徒とその奴隷に対して、ジハードを呼びかけ、「異教徒とそのエージェントとの区別はなく、彼らに対するジハードが不可欠だ」という。

このファトアは3人のタリバンのイスラーム宗教学者によって書かれ、約100人からなるタリバン会議で承認されたという。「カルザイを含むアメリカとイギリスの奴隷に対するジハードは不可欠になり、彼らに死が値する」。(後略)

hoonTaliban issue decree urging death for Karzai
SPIN BOLDAK

■アルカイダのリーダー、タリバンの攻撃を賞賛[051211 AP]

日曜日に出現したテープで、アルカイダのナンバー2のザワヒリが、アフガニスタンの大部分を再び奪回したと、タリバンのリーダーのオマール師を賞賛し、欧米に対して聖戦を戦うようにムスリムを促した。

「ジハードの障害」と題した48分のテープには、白いターバンを巻いたザワヒリの写真が添えられていた。おそらく9月19日にのビデオと同時期に録音されたもとは思われる。

この最新のテープには英語の副題がつけられているが、本物かどうかは明らかではない。アメリカの諜報組織と関係がある政府の請負会社、Intel Centerが入手したものである。

テープのなかでザワヒリは、オマール師は十字軍に対して3年におよぶキャンペーンを指揮し、アフガニスタン東部と南部の広範囲を支配下に置いたと述べた。

(中略)Intel Center会長のBen Venzkeが、テープはアルカイダのメディア組織、al-Sahab Media Production Houseが作ったものだと述べた。どのような経路で入手したかについては語らなかったが、アメリカ政府はこれを知っているという。

Venzkeによると、9月19日のビデオは、タリバンをこれまで以上に重視している点が特徴的だったという。「しかし最新のものはさらに一歩進み、ザワヒリはタリバンとの協力を約束している」。「全体はムスリムに対する発言で、武装したジハードと戦いが唯一の方法で、これをやり遂げなければならないと述べている」。(後略)

hoonal-Qaida Leader Praises Taliban Attacks
PAUL GARWOOD、CAIRO

■自爆犯、米軍を標的[051211 AFP]

アフガニスタン南部で自爆犯がアメリカ主導軍の車列の近くで自爆し、通行人3人を負傷させた。

カンダハルで米軍の車列が知事の家の近くを通過したとき、自爆犯が体に巻き付けた爆発物を爆発させた。「通行人3人が負傷し、1人は重傷」だという。目撃者によると、自爆犯は最初に通過した車に突撃したという。車はわずかに損傷しただけだった。(後略)

garrSuicide attacker targets US-led troops in Afghanistan
KANDAHAR

■ミランシャーで戦闘員の襲撃続く[051211 Nation]

ミランシャーでは戦闘員たちが、現代的で洗練された兵器を見せつけながら歩き回っているが、土曜日は平穏に終わった。

自分たちをタリバンと呼ぶ戦闘員たちが、ロケット弾や迫撃砲などの武器を持って、土曜日もHakeem Khanのグループの人間を探しまわっていた。しかしタリバンによって殺害、あるいは負傷させられた者はいない。

地元のタリバンのほかに、アフリカや中央アジア出身の外国人たちが多数混ざっていると、部族民が述べた。

ミランシャーの女子校をはじめとする数校は、この4日間、休校となっている。文民・軍高官たちはキャンプに閉じこもり、戦闘員たちを取り締まる様子はない。戦闘員たちは、地域一帯を支配下に置いている。

EidgahとDarpakhelに所属する部族民多数が地下にもぐり、女性や子供たちは他の村の親戚のもとに身を寄せている。(後略)

garrMilitants raids continue in Miranshah
PESHAWAR

■アルカイダ幹部、Abu Muhammad、ピンディで逮捕[051211 Nation]

極秘作戦が実施され、ラワルピンディでアラブ人アルカイダ容疑者、Abu Muhammedが逮捕された。

治安組織の情報源によると、Abu MuhammedかChaklala Scheme-I近くで逮捕されたという。

24歳のAbu Muhammedは、木曜日にワジリスタンにいるアルカイダ関係者に衛星電話をかけたために、足がついた。容疑者はHafiz-e-Quranで、英語とアラビア語に堪能である。長い間イギリスで暮らしていたという。

国境地帯に隠れてるアルカイダ幹部が用いる暗号が傍受されたために、しばらく追跡が続いていたという。(後略)

hoonKey Qaeda suspect Abu Muhammad held in Pindi
Assad Hameed、Islamabad

■ウズベキスタンから米軍排除、良い兆候[051211 News]

ヘクマチアルが、ウズベキスタンのKhanabad空軍基地から米軍が排除されることは、アフガニスタンとイラクから米軍が引き上げるきっかけになるだろうと述べた。

どこからか『News』に送られてきた9分間のパシュトゥ語のCD声明によると、アメリカは2006年になったらアフガニスタンとイラクから撤退せざるを得なくなると語った。「米軍は、我々の土地から引き上げるつもりではなかった。しかしウズベキスタンからの撤退は、アフガニスタンとイラクからの撤退のきっかけとなるだろう。この展開に関して、アフガン人たちを祝福する」。(後略)

hoonRemoval of US troops from Uzbekistan good omen: Hekmatyar
PESHAWAR

■タリバン、アフガン警察を襲撃。警察官8人と戦闘員6人死亡[051210 AFP]

タリバン戦士たちがアフガニスタン南部で警察署2ヵ所を襲撃し、警察官8人と戦闘員5人が死亡した。

ヘルマンド州では大掛かりな攻撃があり、タリバン約90人がGarmser地区の警察署になだれ込んだ。警察官7人が死亡して6人が負傷したと、地区警察長Haji BahaderJanが述べた。「タリバン5人も死亡した。警察の車4台が炎上して、警察署が被害を受けた」。

タリバン報道官が、戦闘員90人が攻撃を実施したことを認めた。報道官のQariYousuf Ahmadiによると、警察官10人とタリバン1人が死亡したという。

2件目の襲撃は金曜日の夜遅く、隣のザーブル州で起きた。「敵と軍との衝突で、警察官1人が死亡、別の1人が負傷した。敵の遺体1体が残されていた」と、政府報道官のYousuf Stanizaiが述べた。(後略)

garrTaliban attack Afghan police: eight police, six militants killed
KABUL

■CIAがカーン関係書類を破棄した証拠なし[051210 Daily Times]

オランダ法務大臣が金曜日に、パキスタンのアブドゥル・カディール博士を起訴するための証拠として用いた関係書類が行方不明になったが、CIAがこれに関わった証拠はないと述べた。

カーン博士は1970年代、オランダを根拠地とするヨーロッパの核開発センターに所属し、そこでパキスタンの核兵器を作るための秘密を盗み出した。1983年にアムステルダムで起訴されたが、1985年の控訴で覆された。

オランダの国会に宛てた手紙で法務大臣のPiet Hein Donnerが、関係書類がなくなっているのがわかったと述べた。裁判が終わった時点で破棄されたと思われるが、その他の可能性も否定できないという。「CIAが関わったという考えに関しては、証拠はない」。(中略)

前オランダ首相のRuud Lubbersが今年の初め、1975年にカーンが最初に起訴されたとき、CIAがオランダに、カーンを起訴しないように求めていたと述べている。CIAは今後もカーンを追跡して、彼の行ないの全貌をつかもうとしていたという。(後略)

hoon'No evidence CIA destroyed dossier on Khan'
AMSTERDAM

■米主張のアルカイダ・イラクのつながり、自白の強制をもとに[051209 New York Times]

ブッシュ政権がイラク戦争開始前に主張したイラク・アルカイダのつながりは、自白を強要された、エジプトに収容された囚人の発言を根拠としていたと、現・前政府高官が語った。この囚人は、厳しい取り締まりから逃れるために嘘の自白をしたと、後に主張している。

政府高官によると、リビ(Ibn al-Shaykh al-Libi)が2002年1月に密かにエジプトに引き渡されたあと、イラクとアルカイダに関する詳しい証言を提供したという。

今回の発表で、イラクに関する間違った情報は、アメリカの対テロ作戦の一環として、アルカイダのメンバーたちを第三国に引き渡して取り調べをしていたことに起因することが、初めて証明されるといえる。ブッシュ政権はリビの発言により、イラクとアルカイダは爆発物や化学兵器を用いる訓練に協力していると、戦前主張した。現在は、そのような事実はなかったと考えられている。

アメリカがイラクに侵略した後にリビが発言を撤回した事実、また2004年3月にCIAが彼の発言をもとにした諜報情報を引き下げたという事実は、すでに1年以上前から公になっている。しかしアメリカ高官はこれまでリビが外国で取り調べを受けた間に虚偽の告白をしたという事実、またリビが自分の発言は強要されたものだったと強く主張していることを、認めていない。

政府高官は、リビがアルカイダに関して提供した一部の情報は正しかったと述べたが、彼がエジプトで拘束されている間に厳しい取り調べを受けたという彼の主張は、確認されることはなかったと述べた。

2002年2月に発行された国防省の機密書類によると、リビがもはやアメリカの管轄下にないために、イラクとアルカイダの関係に関する詳しい自白をした際、彼の発言には信憑性がなく、厳しい取り調べの結果ではないかと疑っていた。CIAが後にリビの証言にもとづいた諜報情報を引き下げることにしたのは、2004年1月に、厳しい取り調べから免れるために虚偽の自白をしたと主張したからだという。

2001年の暮れにパキスタンで逮捕されたリビア人のリビは、当時最も高ランクのアルカイダ工作員だった。(中略)当初リビはアフガニスタンの米軍が拘束し、CIAが取り調べた。しかし彼が幹部高官だったにもかかわらず、2002年1月にエジプトに引き渡された。当時ホワイトハウスは、CIAが彼を拘束することを、完全に認めていなかったからだ。

アメリカの拘束下でイラクとアルカイダの関係についていくつかの供述をしていたものの、エジプトに引き渡されたあと、初めて重要な発言をした。ブッシュ政権はこの発言をもとに、イラクでアルカイダが生物・化学兵器を使用する訓練をしていると主張した。

2002年3月にアブ・ズバダヤが逮捕されると、CIAはアルカイダ幹部高官をアメリカの拘束下に置くことを主張し、最近話題になっているテロリストの収容所問題が派生し始めることになる。

(中略)リビは2003年2月に再びアメリカに引き渡され、グアンタナモ収容所にいる。2004年1月に、イラクとアルカイダの関係についての前言を撤回した。(中略)

なぜ当局がリビの発言にこれほどまで強く頼っていたかが、議論の焦点となっている。ミシガン州のCarl Levin上院議員は、リビが「故意に間違った情報を提供している」可能性があるとする、2002年2月の国防省の極秘書類を明らかにした。

この書類を見ると、ブッシュ政権がイラクとアルカイダに関する関係を主張する数ヵ月前から、国防省はリビが虚偽を発言をしていると見ていたことがわかる。(後略)

garrQaeda-Iraq Link U.S. Cited Is Tied to Coercion Claim
DOUGLAS JEHL、WASHINGTON

■カルザイ、34人を国会で任命[051209 New York Times]

カルザイ大統領は国会の上院に34人を選出したと、水曜日に発表した。

カルザイが任命した者のなかには、前国防大臣でカルザイの危険なライバルのムハンマド・カシーム・ファヒーム、麻薬密輸に関わっていると噂されるヘルマンド州知事のSher Muhammad Akhund、前タリバン政権の宗教省副大臣のArsala Rahmaniが含まれているという。(後略)

hoonKarzai Appoints 34 to Afghan Assembly
KABUL

■ミランシャーのタリバン事件、死者21人に[051209 Dawn]

水曜日に始まった血なまぐさい衝突で、死者が21人にのぼった。ミランシャーで、ロケット弾などの重兵器で武装したタリバン過激派たちが、ピックアップ・トラックに乗ってMuhammad Hakimをリーダーとするグループの者たちを探している。

目撃者によると、Hakimのグループの2人のメンバーが水曜日の夕方、タリバンに殺害された。水曜日の夜に捉えられて殺害された4人の遺体は、木曜日の朝、ミランシャーの広場に投げ出された。

これで死亡者の数は21人になった。リーダーのHakimはしばらく前から、政府に拘束されている。

Hakimの仲間の家3軒に火が放たれ、いまだに1軒ずつ、隠れている者がいないか、家が調べられている。

地元の宗教指導者や議員たちは、イスラーム神学者協会とともに、タリバンたちの行為を支持し、行政が盗賊たちを取り締まっていないことを非難した。

行政当局は、事件を鎮圧するはずの地元警察を引き上げ、任務から外している。当局が何らかの対処をする様子はない。

過激派たちは木曜日の朝には引き上げ、遺体が回収されることを許した。遺体はトラクターに乗せられ、地元の墓地で、葬儀をしないまま埋葬された。

タリバンの会議がAngar Kalliで開催されたと噂されているが、詳細はわからない。

garrTaliban action in Miramshah: toll 21
MIRAMSHAH

■「テロとの戦争」でドライブ[051209 Asia Times]

「テロとの戦争」開始以来、アメリカは3000人以上を、CIAが設置した秘密の収容所に容疑者たちを送り込んでいる。(中略)

パキスタンもアメリカを喜ばせるために、数千人の容疑者を逮捕してきた。しかしほとんどの者はテロと関係がなく、頭数をそろえただけにすぎない。

「アメリカ人たちは、馬鹿ではない。もう偽アルカイダには関心がない」と、ISI前高官で、以前はビンラディンの親友でもあったKhalid Khawajaが語る。彼は現在、非政府組織のDefense for Human Rightsに所属し、「テロとの戦争」の被害にあった家族の救済活動をしている。

たとえばAbdullah Khadrがいい例だ。彼はパキスタンに拘束されて取り調べを受けたあと釈放されて、カナダのトロントに戻った。FBIが彼を引き取ることを拒んだあとのことである。

24歳のKhadrは、Ahmed Said Khadrの4人の息子の長男で、弟は、グアンタナモに収容されてい唯一のカナダ人だ 。Khadrの父は、2003年にパキスタン軍との銃撃戦で殺害された、アルカイダの会計係だった。

Abdullah Khadrは空港でカナダの警察官の取り調べを受け、その後スカボロにある祖父の家に送られた。今は自由の身だ。

アメリカの高官たちはKhadrを起訴して、アメリカで裁判をするために引き渡しを要求するかもしれないと述べていたが、パキスタンの治安組織は取り調べが完全に終わった後に引き渡すと述べ、その後アメリカは容疑が何も出てこなかったために、引き取ることを拒否した。

治安組織高官によると、現在パキスタンにはこのような囚人が数多くいるという。アメリカの諜報組織が取り調べをして容疑がなければ、母国に返される。「ここ数ヵ月、パキスタンはCIAの飛行機に、数百人の容疑者を詰め込んだ。数百人のうち、罪に問われた者は数十人にすぎない。残りは結局、釈放された」。

その中にはShiekh Essaの息子、ムハンマドやハリッドもいる。Shiekh Essaはアメリカに協力しているムスリム連合を攻撃している、アルカイダの組織を率いている。最近パキスタン人のAbdur Rehmanがエジプトに引き渡されたが、彼はFBIに「時間の無駄」と言われた人間だ。

これに先立ち、パキスタン系オランダ人の3兄弟、Sajeel Shahid、Adil Shahid、Sohail Shahidが長期間、パキスタン当局に拘束されていた。しかしアメリカは彼らを役立たずとしたため、オランダ政府に引き渡され、現在は自由の身である。Sohail ShahidはSoftware Control Boardの会長で、Adil Shahidはパキスタン軍のソフトウェア・アドバイザーだった。Sajeel Shahidがマドラッサを運営していたために、3人とも災難にあった。

「これらは、パキスタン人や他のムスリム政府のいかがわしい行為にすぎない。アルカイダを逮捕して、独裁政権を守ろうとしているのだ。ほとんどの者が無実であることからも、この意図は明らかだ。数百人が逮捕されたことを強調しようとして、作戦を実施する。そしてFBIに引き渡すのだ」。

「しかしアメリカ人も、からくりがわかってきた。欧米政府の態度は、いわゆるイスラーム独裁政権よりも人間的だ」。「カナダのメディアのインタビューを受けたが、Abdullah Khadrは現在カナダで自由の身だ。いっぽうキューバの収容所からパキスタン人が釈放されたが、取り調べのあとでさえ、飛行場で逮捕され、数ヵ月刑務所に入れられている」とKhawajaは語る。(中略)

アルカイダ幹部司令官だというHamza Rabiaの殺害も、興味深い。アメリカはRabiaの死を疑っているが、パキスタン内相は「100%事実」と述べ、情報相は「200%正しい」と主張。さらにムシャラフは「500%確実」と述べた。(後略)

smellTaken for a ride in the 'war on terror'
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■PkMAP、新州「Afghania」設立を要求[051209 Daily Times]

Pakhtunkhwa Milli Awami Party(PkMAP)が木曜日に、チトラルからボランにかけてパシュトゥン族の新たな州を作り、知事を置くことを要求した。

PkMAPによると、北部地域は「Pakhtunkhwa」の一部で、アザド・カシーミルやカシミールに入れることを許さないという。

(中略)PkMAPの会長Mahmood Khan Achakzaiが、パシュトゥンは喜捨はいらないが、権利は主張すると述べた。(中略)「我々はチトラルからボランにかけての天然資源や完全自治を要求し、『Pakhtunkhwa』または『Afghania』という名前をつけることを要求する」という。(後略)

hoonFriday, December 09, 2005
Zakir Hassnain

■南ワジリスタンの店の爆発で12人死亡[051209 News]

ジャンドーラで武器店が爆発して、12人が死亡、45人が負傷した。

(中略)目撃者によると、爆発は店内で対戦車地雷を誤って扱ったためだという。マフスード族の部族民4人が地雷を持ち込み、店員にその使用方法を聞いていたらしい。店員と部族民4人は死亡した。(後略)

hoon12 killed in S Waziristan arms shop blast
Sailab Mahsud、JANDOLA

■パキスタンのバザールで爆発、12人死亡[051208 AFP]

パキスタンの部族地帯のバザールで強力な爆発があり、12人が死亡、40人が負傷した。

爆弾が南ワジリスタンのジャンドーラのホテルのレストランに仕掛けられ、近くの武器店などを破壊したと軍や文民高官が木曜日に述べた。「時限爆弾だった」と、地元行政官のSajid Salimが語った。(中略)

「テロ攻撃だった。ホテルのレストランが狙われた」とある軍事高官が語った。(中略)

いっぽう北ワジリスタンでは過激派が地元の盗賊と衝突して15人が死亡したが、水曜日にさらに6人が殺害された。(後略)

hoonBomb blast in Pakistan market kills 12
WANA

■パキスタン人ジャーナリスト、部族地帯から誘拐される[051208 Los Angeles Times]

パキスタン人ジャーナリストが、部族地帯でアルカイダ司令官を殺害したという、アメリカのミサイルの破片の写真を撮った後に誘拐されたと、家族が水曜日に語った。

行方不明になる前日の月曜日、自分の写真をパキスタンや国際メディア組織に渡したことで諜報組織から何らかの報復があるかもしれないと、カーンHayatullah Khanは彼の兄でジャーナリストのIhsanullah Khanに語っていたという。

覆面をしてAK-47ライフルを持った5人の男が、Hayatullah Khanを北ワジリスタンのミール・アリで拉致した。カーンは、ミール・アリ東部の村で発生した学生の抗議を取材しに行く途中で車を制止され、銃を持った男たちに連れ去られた。

ミラン・シャー東部のAsorayで、アルカイダ司令官でエジプト人といわれるAbu Hamza Rabiaが死亡した。政府は爆弾が爆発したというが、アメリカの無人偵察機がミサイルを発射したと噂される。(中略)

村人によると、カーンが撮った金属の破片の写真には、「誘導ミサイル」と刻まれた文字が見られる。また「AGM-114」と書かれた刻印も読み取れる。これは米軍の遠隔操作偵察機が搭載する、レーダー誘導ヘルファイアー・ミサイルのことである。さらにカーンの写真には、「US」のイニシャルも写っていた。

パキスタンにおける対テロ作戦は、非常にデリケートな問題だ。米軍とCIAはこれまでもアルカイダメンバーを偵察機で殺害している。(中略)

カーン誘拐の目撃者によると、誘拐犯たちはタリバンのように見えたという。しかし彼の兄や地元ジャーナリストは、原理主義の戦闘員たちが彼を誘拐することはありえないという。

「タリバンはカーンを誘拐していないと主張しているが、我々はそれに納得している」と兄は語る。何らかの集団あるいは組織が、誘拐に関わっている可能性がある。

これまでパキスタンのISIは、ジャーナリストに数々の嫌がらせをしてきた。しかしペシャワルの政府幹部高官は、諜報組織は関与していないと主張している。「部族地帯の状況は、ジャーナリストにとって好意的なものではない。だからといって、秘密組織が彼の誘拐に関わっているとは言えない」と、北西辺境州知事報道官のShahZaman Khanは語る。

カーンの友人によると、カーンは1年半ほど前に米軍とアフガン軍に逮捕され、2ヵ月拘束された。この友人はカーンの釈放のために、アフガン当局にかけ合ったという。

国境なき記者団のワシントン代表Lucie Morillonによると、カーンは、「国境地帯でアルカイダとタリバンの活動を取材しようとしていた」ときに、逮捕された。「ミール・アリの軍車両の不正使用について報道したあとから、パキスタン軍は彼に嫌がらせをしていた」という。

garr【あ】Pakistani Journalist Abducted From Northern Tribal Area
Zulfiqar Ali and Paul Watson、PESHAWAR

■「敵の中心地」になっているアフガニスタンの州[051208 BBC]

米軍がアフガニスタンにいるタリバンなどの抵抗勢力と戦ういっぽうで、パキスタンと隣接する東部の州が問題の中心となってきている。

アメリカはクナール州で数々の作戦を実施してきたが、戦闘員たちは再結成し続ける。その多くが、アルカイダを背後にした外国人戦闘員だ。

この地域で発生する問題のために、米軍は心理的作戦を採用しているが、人権団体によると、これはジュネーブ協定に反する疑いがあるという。米軍は谷の人間に、「集団の処罰」ともいえるメッセージを送っているのだ。

《アジト》

米軍は、クナール州で最も大きな被害を受けている。6月にはヘリコプターが撃墜され、16人の特殊部隊員が死亡した。ここの状況は、イラクのスンナ派抵抗勢力や、アルカイダと戦っている米軍と比較される。ある地域を制圧しようとすると、抵抗勢力たちはどこかに消えてしまい、米軍がいなくなると再び戻ってくる。クナールでも同じことが起きている。

標高が高く、険しい地形のために、戦闘員たちに有利だ。また隣にパキスタンの部族地帯があることも、彼らに取っては好都合だ。11月に、9日間にわたって実施された米軍の作戦の後、戦闘員たちは逃走した。

「Sorkh Khar」あるいは「赤いロバ」と名付けられた作戦に関する記者発表によれば、米軍は「クナールを起点としていた敵の基地」を支配することに「成功」したとある。

しかし現地の住民や政府高官たちによると、抵抗勢力たちは再び戻ってきたという。

《敵の中心地》

これらの組織のアジトは、州都のアサダバードの北西部にある、険しい、深い森で覆われたKorengal谷である。チヌークヘリコプターが撃墜されたのも、この地域だ。

この谷は反米戦闘員たちの基地となっている。この地域に入った経験のある米軍兵士によると、「敵の中心地」だ。

地元の高官によると、タリバンとアルカイダはしばらく前からここで協力して、活動を続けている。ヒズビ・イスラームの戦闘員とも協力しているようだ。この組織を率いるヘクマチアルの行方はわからない。

さらにクナール州におけるアルカイダのリーダーといわれるアラブ人、AbuIkhlas al-Misriの行方も不明だ。彼は1980年代の対ソ戦争で戦い、それ以来、地元の人間と結婚してここで暮らしている。

彼は、Ahmad Shahと呼ばれるタリバンとともに行動しているらしい。この男は、米軍ヘリ撃墜に関わっていたといわれる。

《逃がさない》

このやっかいな問題に加えて、「犯罪活動」も絡んでいる。「麻薬、木材、宝石」などの密輸だと、米軍報道官のオハラ大佐が語る。しかし米軍はクナール、特にKorengal谷を手放したりしないと主張する。しかし長期的に見れば、「軍事的な解決策はない。今後我々を引き継ぐ、アフガン政府と治安部隊の問題だ」。

米軍は最近、新たな作戦を開始した。クナール州知事の名のもとで、地元のラジオ局を用いてKorengalの住民に、「地域に住んでいる敵の戦闘員を追い払う」ことを呼びかけている。これは米軍主導の同盟軍が広く用いている作戦の一部で、この地域の人びとが戦闘員を支持しないよう仕向けるためのものである。

戦闘員はクナール州で活発に活動しているが、アフガン人高官たちによれば、人びとが彼らに協力するのは圧力をかけられているためだという。

《人権侵害》

『BBC』はこの放送のコピーを、州のある高官から入手した。彼らがいうには、このメッセージは州知事の名のもとで書かれているが、地元の基地にいるアメリカ人が作ったものだという。メッセージは次のようにして結ばれている。

「もしKorengalの住民が村から敵を追い払わなければ、我々は強制的に敵を追い払わざるをえない。長老たちが強制的に戦闘員を追い出すか、あるいはアフガンの治安部隊が強制的に追い出すかのいずれの手段をとる。Korengalの人間は、クナールの人間の味方になるか対立するか、態度を決めなければならない」。

このメッセージに関して米軍に問い合わせたところ、自分たちは関わってはいないと述べた。「我々が書いたのではない。州知事が書いたと聞いている」と、カブール本部にいる報道官のフォックス大佐がEメールで答えた。しかし米軍がこれを放送したことは認めた。

「これが出てきたあと、CJTF-76(アフガニスタンにおける米軍主導同盟軍の作戦名)が文章化したことは事実で、この手紙を基本として何らかのメッセージを『ピース・ラジオ』で放送したと聞いている」。

しかし人権団体によると、この文章を最初に書いた者が誰であれ、これをKorengalの人びとに放送することは、国際協定に反する恐れがあるという。「集団懲罰で脅かしている」と、アジア地域を担当するSam Zarifiが語る。「このような脅迫は、ジュネーブ協定に反する」。

フォックス大佐によると、このメッセージの放送は「反政府派の人間に対して非致死的」な方策だという。しかし放送に関わったアフガン人高官は、その語り口を快く思っていない。「外国人の語り口だ」。「状況を悪化させるだろう」。

garrThe 'enemy central' province in Afghanistan
Andrew North and Bilal Sarwary、Kabul and Kunar

■部族地帯のバザールで爆発、12人死亡[051208 AFP]

パキスタンの部族地帯のバザールで強力な爆弾が爆発し、12人が死亡、40人以上が負傷した。

南ワジリスタンのジャンドーラで起きた爆発の原因はわかっていないが、武器店で起きたと噂される。爆発は午前9時頃に起きた。

「4店舗が完全に破壊された。そのうちの2件は武器店で、もう1つはレストランだった。爆発の原因はまだはっきりしない」と、地元高官が述べた。(中略)

また木曜日には、ワナで行方不明になっていたパキスタンの準軍隊兵士2人の遺体が発見された。男たちは喉をかき切られていたという。(後略)

hoonTwelve killed by blast in Pakistan tribal market
WANA

■戦闘員と盗賊の衝突で17人死亡[051208 News]

火曜日の夜から水曜日にかけて、北ワジリスタンの地元のタリバンと盗賊との間で衝突が発生し、少なくとも17人が死亡した。

北ワジリスタン行政官のSyed Zaheerul Islamによると、死亡者のうち4人は地元のタリバンで、13人は盗賊だという。タリバン2人と通行人2人も負傷した。タリバンとその支持者たちが、盗賊たちがギャンブルなどを行なっていた家を含む家屋8軒を取り壊し、放火したという。

行政側やパキスタン軍、国境警察も、この衝突の仲裁に入っていない。

火曜日に盗賊たちが、Dattakhel地区で「通行税」を車から徴収していた。盗賊のリーダーのHakim Khan Daurはデーラ・イスマイル・ハーンの中央刑務所に、1年前から服役している。ここ数年来、刑務所に入ったり出たりを繰り返している。

ミランシャー国境警察の駐屯地の正面玄関近くに逃げた盗賊3人をロケット弾で攻撃するなど、タリバンの復讐行為があまりにも激しかったために、行政も軍も見て見ぬふりをしたようだ。盗賊たちの遺体は後に木からつり下げられ、冒涜された。(中略)

情報源によると、盗賊たちはミランシャー近くのDattakhel地区の路上で、通行車両から「通行税」を徴収していた。5人のタリバンを乗せた車がやってきて、当初、乗車していたタリバンは税を払うことに同意したらしい。しかし口論となり、怒った盗賊が車から降りてきたタリバン4人を銃殺したといわれる。残っていた5人目が車から飛び降り、殺害される前に盗賊3人を射殺した。

この出来事の噂が広まると、タリバンとその支持者たちがどこからともなくDattakhel地区に集まりはじめた。盗賊たちは殺害した5人のタリバンの遺体を持ち去り、埋葬するために引き渡すことを拒否した。

夜になると、タリバンと支持者たちは盗賊の居住地を襲撃し、銃撃戦が開始した。どちらも重兵器を用いたが、盗賊の力は及ばす、何人かは逃走した。盗賊の家に放火する前、タリバンたちは女性や子供たちが避難することを許したという。盗賊の家8件が取り壊され、放火され、略奪された。家財道具が運び出され、家畜を連れ去った者もいる。

その後タリバンはミランシャーまで盗賊3人を追いかけ、殺害してから遺体を冒涜した。タリバンはいまだに盗賊2〜3人を拉致し、逃走した者たちを探しまわっている。モスクのラウドスピーカーを通して、盗賊を匿った者は同じ運命になると警告。武装したタリバンがミランシャーやDattakhelをパトロールしてまわり、衝突後は自分たちが地域を統制していることを誇示した。

情報源によると、死亡した3人のタリバンは北ワジリスタンのDevgan地区出身のワジール族だという。他はミランシャー地区出身者で、Daur族である。盗賊はワジール族、Bhittanis族、Orakzais族、Bannuchis族などが混ざっており、アフガン難民もいたらしい。死亡した盗賊の中には、Hakim Khan Daurの3人の兄弟も含まれていた。

後に親タリバン部族民たちがジルガを開催し、これに前・現国会議員やイスラーム神学者協会のリーダーたちも参加した。行政が盗賊たちの行為を取り締まらなかったために、タリバンが強硬手段に訴えたと行政側を非難するとともに、盗賊や犯罪人たちには、投降しなければ、水曜の出来事と同じような運命に陥ることになるだろうと警告した。

oh17 killed as militants clash with bandits
MIRAMSHAH、PESHAWAR

■アフガンの戦闘でタリバン22人殺害、米兵5人負傷[051207 AFP]

タリバン戦闘員と米軍・アフガン軍の間で激しい戦闘があり、戦闘員22人が死亡、米兵5人が負傷したと米軍が発表した。

日曜日にアフガン軍と同盟軍が、カンダハル北部の小さな村にあった「敵」のアジトを襲撃した。これまで多数の爆弾を、道路脇に設置してきた犯人たちだという。

米兵3人と同盟軍兵士2人、アフガン兵3人も負傷したという。

「これはアフガン軍やアフガン人にとって、大きな勝利だ」と、米軍は声明を発表した。

これとは別に火曜日、ウルズガン州では戦闘員9人が殺害され、6人が逮捕されている。アフガン・米軍パトロール隊がTarin Kowt地区で作戦を実施していた際、近くの尾根から攻撃されたという。

「空からの援護が、現場に到着した。その後アフガン軍と米軍が尾根に沿って作戦を実施し、敵は逃走した」。「敵9人が死亡し、6人を逮捕した」という。

州知事のJan Mohammad Khanは、アフガン人警察官も「激しい戦闘」で死亡したと述べたが、米軍はこれを確認していない。Khanによると、先週逮捕されたタリバン戦士が、仲間の隠れ家を教えたという。

タリバン報道官だと名乗るQari Yousuf Ahmadiが、Tarin Kowt地区で衝突があったことを認めたが、仲間1人が死亡しただけだと主張した。また戦士たちが同盟軍に発砲して、車を大破させたという。(後略)

hoon22 Taliban killed, five US-led troops hurt in Afghan fighting
KANDAHAR

■パキスタンの戦闘員、盗賊と戦う[051207 Reuters]

水曜日にパキスタンの部族地帯でイスラーム過激派と盗賊の間で衝突が発生し、15人が死亡。イスラーム過激派が盗賊の遺体を吊るし、そのうち1人の頭部を棒に突き刺した。

火曜日、ミランシャー付近の路上で金を強奪していた盗賊を、過激派戦闘員たちが攻撃した。盗賊10人と戦闘員5人が銃撃戦で死亡した。

後に戦闘員たちはは盗賊5人の遺体を電柱に、4人を塔門や塀から吊るし、「タリバンよ永遠に」と叫びながら空中に発砲した。塔門から逆さに吊るされた1人の遺体は斬首され、首は竹の棒に突き刺された。

(中略)盗賊のリーダーであるHakeemは衝突で殺害され、部下4人が人質になったという。

《混乱地域》

戦闘員たちとその支持者数百人が家屋に火を放ち、住民たちに盗賊やその支持者を匿わないよう、忠告した。住民のほとんどの者が家中に立てこもっており、政府は何の対処もしていないと住民が訴えた。(後略)

garrPakistan militants battle bandits
PESHAWAR

■タリバンと衝突して「盗賊殺害」[051207 BBC]

北ワジリスタンでタリバンと盗賊が衝突して、15人が死亡したと目撃者が語った。ミランシャー付近で衝突が発生し、盗賊11人とタリバン戦士4人が死亡したという。

このニュースに先立ち、南ワジリスタンでパキスタン兵士4人が行方不明になった。北ワジリスタンでは、パキスタン人ジャーナリストが誘拐された恐れがある。この地域の治安は、急速に悪化している。

《自由に歩き回る》

水曜日にタリバン戦士が盗賊3人の遺体を電柱にぶら下げ、スローガンを唱えたと目撃者が語った。

ある地元のジャーナリストによると、タリバンはミランシャーを支配下におき、銃を持って自由に歩き回っているという。「みんな怖くて、店を閉めてしまった。行政は何もしていない」と、ある店主は語る。

タリバンと盗賊の衝突は火曜日に発生した。タリバンたちは、路上で金を奪っていた盗賊を攻撃したらしい。

南ワジリスタンでは、準軍隊の兵士2人が車の中に連れ込まれたという。その他2人が行方不明になっている。兵士たちは治安上の理由から、キャンプを出ないように言われていたにもかかわらず、4人はバザールに出かけて行ったらしい。

月曜日にジャーナリストのHayatullah Khanが、アルカイダ司令官の殺害を報道後、行方不明になった。(中略)アルカイダ司令官のAbu Hamza Rabiaがアメリカによって殺害されたと報道したあと、銃を持った何者かに連れ去られた。(後略)

oh'Bandits killed' in Taleban clash

■ビンラディン生存、聖戦をリードしているとザワヒリのビデオ[051207 Reuters]

ザワヒリがムジャヒディンたちにムスリムの油田を攻撃するように促し、欧米に対するビンラディンの戦いは開始したばかりだと述べた。

「シェイク・オサマ・ビンラディン皇子は、いまだにジハードを導いている」と語るザワヒリのビデオが、戦闘員たちがしばしば用いるウェブサイトに登場した。

「ムスリムから奪われた石油のために、攻撃を行なうことを要求する。そのほとんどがイスラームの敵に渡ってしまう。残った石油は我々の国を統治する盗人が持って行く」。ムバラク・エジプト大統領の再選やアフガニスタンの総選挙について言及されていたために、テープは9月以降に作られたと思われる。

ザワヒリは白い背景の前で語り、インタピューは9.11の4周年を記念したものだという。(後略)

garrQaeda's bin Laden still leading war: Zawahri video
Heba Kandil、DUBAI

■CIAを拷問で告訴[051207 BBC]

CIAの秘密収容所の犠牲者となった男が、前CIA長官を拷問で告訴した。

Khaled al-Masriは2003年に休暇でマケドニアを訪れていた際に誘拐され、アフガニスタンに連れて行かれ拷問されたという。

(中略)告訴状は、CIAの前長官テネット他CIA高官はアメリカの法律と人権法を侵害し、Masri氏を誘拐することをエージェントたちに認めたというものである。Masri氏は「長期間拘束され、拷問や非人間的な扱いを受けた」。

レバノン生まれのドイツ市民であるMasriは衛星電話を通して、ワシントンで開催されたAmerican Civil Liberties Union(ACLU) で記者会見した。アフガニスタンに連れて行かれる前に殴打され、薬物を注射されたという。アフガニスタンでは5ヵ月間拘束されたという。(後略)

garrMan sues CIA over torture claims

■メディア戦争[051207 Asia Times]

(前略)

《アルカイダの武器》

アフガニスタンで、2002年から2004年にかけてのビンラディンのスピーチが、CDになって発売された。CDはパキスタンや中東で入手できる。そのうち、マーケットにあふれだし、中東で占領を続けるアメリカをはじめとする外国に対してジハードを呼びかけるという、アルカイダのプロパガンダを広めることになろう。

CDには、イラクの戦争の恐ろしい映像が含まれている。これまでと違い、今回のCDは専門家の手で、完備されたスタジオで製造されている。オーディオや映像は鮮明で、英語のサブタイトルもついている。さらにウルドゥー語・ペルシア語・英語・アラビア語などの字幕が選べるようになっている。

「このパッケージは、明らかなことを物語っている。アルカイダは再結成、再組織化され、プロパガンダをムスリム世界に広げることができるようになった」と、パキスタンの諜報組織幹部が語る。

(中略)あるパキスタン人諜報アナリストが語る。「以前アルカイダは、人々にアフガン抵抗運動に参加するように呼びかけるだけだった。しかし今回のCDが目標とするのは世界だ。CDのために選ばれたスピーチは、戦争に参加するようなプロパガンダだけではなく、アルカイダの態度や行動を正当化するための深い分析である」(後略)

hoonMedia wars: Weapons of choice
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■Jamat-ul-Furqan、パキスタン内の米軍と英軍を攻撃か?[051207 News]

諜報組織によると、アルカイダに協力しているJamat-ul-Furqanの活動家たちが、地震で救援活動をしている米軍や英軍などの外国軍を襲撃する可能性があるという。

「ムザファラバードなどの被災地にいるJamat-ul-Furqanの動きを監視する必要がある。(中略)米軍や英軍が帰国の準備を始める頃を狙って、攻撃してくる可能性がある」という。

さらにJamat-ul-Furqanは、アルカイダメンバーでアラブ人のジハード志願者Abu Adilに、多数の人材を送り込んでいると疑われている。この男は北ワジリスタンで「Al-Jehad」というグループを組織し、南北ワジリスタンでタリバンを妨害する政府側の人間を襲撃している。

Al-Jehadは、ワジリスタンに配置されているパキスタンの治安軍や、アフガニスタン側の米軍を標的に攻撃を実施している。今後、攻撃が強化されることが予想される。

情報源によると、Al-Jehadは、Ustaad Khalidという男のもとで、北ワジリスタン地域で活動している。この組織の理念はミランシャーにあるNizamiahマドラッサのQari Abbasが出したファトワ「この地域にいる者でタリバンを裏切り、またタリバンに反する行動をした者は殺害される」に従うものである。

Nizamiahマドラッサには100以上の部屋があるが、ムルタンのMohallah Kachi SaraiのKhuda Bukhshマスジッド内に設置されたJamat-ul-Furqanの事務所内のQariAbdul Karimが、多数のジハード志願者たちをここに送り込んでいるという。

極秘情報によると、「活動家たちはまずムルタンのマドラッサに一時的に滞在し、それからミランシャーのマドラッサにやってくる。その後ワジリスタンにいるパキスタン治安軍やアフガニスタンにいる外国軍を攻撃するために、各地へ送り出される」。これからは寒くなるために、遠距離移動が難しくなってくるために、ワジリスタン内での攻撃が激化すると予測される。

アラブ人Abu Adilが率いるAl-Jehadが結成されたことやJamat-ul-Furqanが協力していることを考え合わせると、ムルタンのKhuda Bukhshマスジットに設置されたJamat-ul-Furqan事務所のQari Abdul Karimが、少年たちを南北ワジリスタンに送り込んでいることは確かだという。

「Jamat-ul-Furqanがまず少年たちを選び出し、ムルタンのマドラッサのQariAbdul Karimのもとに送り込む。そこでUstaad Saif-ur-Rehmanという男が、彼らを引き受ける。そこから5〜7人のグループになった少年たちが、ミランシャーのNizamiahマドラッサのQari Abbasにより、Ustaad Saif-ur-Rehmanのもとに送られ、宿泊や訓練をあてがわれた後、作戦を実施する地域にさらに送り込まれる」。

Qari Abbasは最近ムルタンにあるJamat-ul-Furqanの根拠地Sahiwalのマドラッサを訪れ、Qari Abdul Karimと会ったらしい。「そこで2人はムザファラバードを訪れ、Jamat-ul-Furqanの地震の救援活動に参加した」。

Qari Abdul KarimはアフガニスタンのTangir谷のMa'askar Obaidullah Bin Jirahで勉強したUstaad DawoodとUstaad Faqir Ullahとともに、爆弾や爆発物の扱い方や製造の訓練を受けているという。Qariは少年たちが自爆を実行するよう、洗脳もしている。

「ムルタンにいる情報源によると、地震の犠牲者のためと偽って献金を集め」、ミランシャーにいるQari Abbasに送っているらしい。(後略)

garrJamat-ul-Furqan could attack US, UK troops in Pakistan
Sajjad Shafiq Butt、LAHORE

■CIAの策略で、ミラノの捜査、行き止まり[051206 Washington Post]

イタリアの対テロ警察がCIAから、過激派イスラーム宗教指導者が、数週間前にミラノからこつ然と消えた、という報告を受けた。CIAによると、確かな情報源から、この宗教者はバルカンのある場所に逃走したことがわかったのだという。

しかしイタリアの捜査から、CIAのこの情報は嘘だったことがわかる。イタリアが逮捕しようとしていたエジプト人難民のHassan Mustafa Osama Nasr、別名Abu Omarを横取りするための嘘だったのだ。

この嘘により、イタリアは1年以上振り回された。その後Nasrはバルカンには行っておらず、CIA工作員にミラノの路上で誘拐されて米軍基地に連れて行かれ、その後エジプトに送られたことがわかる。エジプトでは秘密警察の取り締まりを受け、拷問され、その後自宅軟禁になっている。

イタリアの司法当局がこの春、CIAのこの作戦を公開した。しかし最近の裁判記録やインタビューから、いかにCIAが虚偽の情報を与えてミラノの捜索を妨害したかが、明らかになった。

「Abu Omarの誘拐はイタリアの主権や人権に対する侵害であるばかりか、イタリアとヨーロッパの対テロ活動に対する大きな妨害である」と、ミラノ検察のArmandoSpataroが語る。「もしAbu Omarが誘拐されてなければ、今頃彼は刑務所に入れられて裁判を受け、彼の仲間たちも割り出すことができたはずだ」。CIAはこれに対してコメントを拒否している。

(中略)ミラノの捜査官たちがNasrの周りで起きた出来事を明らかにしていくにつれて、アメリカとイタリア政府の間に、政治的な問題が生じ始めた。

イタリアの高官たちは、事前に誘拐についての知らせを受けていないと主張する。しかし現・元アメリカ諜報部高官は、CIAはイタリア軍の諜報組織に、事前に通告したという。

問題が明らかになる前、Nasrの誘拐計画に関わっていたCIA高官は上司に、イタリア軍はこの問題をイタリアの首相、ベルルスコーニと解決済みだと報告した。しかし、この主張を裏付ける書類はない。首相がこれを事前に知っていたことが公に知られれば、イタリアとアメリカの間で問題が生じるからだという。

諜報部高官数人によると、このようなデリケートな問題に関する書類は存在するはずはないという。

ベルルスコーニ政府はこの件に関して、非常に立場が悪くなっている。検察側と裁判官たちは先月、CIA捜査官たちを国外追放にするための書類に調印した。しかし法相のカステーリは、これをまだ承認していない。

(中略)

Nasrの誘拐は、路上からテロリストを誘拐することを促進しようとしていた、ローマのCIA局長が考え出したことだという。(中略)捜査官たちは、エジプトやイタリアのエージェントが誘拐に関わった証拠は出てきていないという。しかし後にNasrは家族に、誘拐犯の1人は「完璧なイタリア語」を話したと述べている。(中略)

イタリア警察によると、CIAのミラノ支局長のRobert Seldon Ladyが、Nasarが行方不明になった直後カイロに飛んでいることをつかんだ。彼がNasarの取り調べを最初に行なったと見られている。カイロ滞在は3週間に及んだ。Ladyはミラノ領事館に派遣されていた際、4年間イタリアで活動していた前CIA工作員である。(中略)

Ladyは誘拐と関係したと疑われている22人のCIA工作員の1人で、去年CIAを退職した。(後略)

smellCIA Ruse Is Said to Have Damaged Probe in Milan
Craig Whitlock、MILAN

■タリバン9人殺害[051206 AP]

アフガン政府軍は火曜日に、アフガニスタン南部にあるタリバンのキャンプを襲撃し、9人を殺害し、6人を逮捕したと政府が発表した。

前日に逮捕されたタリバン司令官から得た情報で、軍と警察がウルズガン州にあったタリバンのキャンプを包囲し、抵抗勢力たちに投降を呼びかけたと州知事JanMohammad Khanが述べた。タリバンたちは投降を拒否したために、銃撃戦が3時間に及んで続いたという。

戦闘員9人が殺害され、6人が逮捕された。いっぽう警察官1人が負傷したという。(中略)

隣のヘルマンド州では月曜日の午後、銃を持った男たちが車に乗り、Nad Ali地区で警察官や一般市民にむかって発砲し始めた。市民2人と警察官1人が死亡し、別の警察官2人が負傷した。(後略)

hoonAfghans Say Nine Taliban Insurgents Killed
NOOR KHAN、KANDAHAR

■不明の記者の捜索を促す[051206 Reuters]

アルカイダのリーダーがアメリカのミサイルで殺害されたことを報道したあとに部族地帯で行方不明になった記者を探すよう、Committee to Protect Journalists(CPJ) がパキスタンに要求した。

月曜日に銃を持った何者かが北ワジリスタンで、Hayatullah Khanを誘拐した。アルカイダのリーダーAbu Hamza Rabiaが殺害されたといわれた家を直撃した、アメリカの印のついたミサイルの破片の写真を撮った直後のことである。

Khanはパキスタン国内の英字紙や外国の報道組織などに、さまざまな記事を書いていた。ミサイルの破片の写真を撮った、最初の記者でもある。

ニューヨークのCPJは当局にすぐさまKhanを探すように要求し、彼の報道が、Rabiaは爆弾の爆発で死亡したとする政府側の発表とくいちがっていることを強く指摘した。

Khanは月曜日に、ミール・アリで誘拐された。当局は現在のところ犯人の手がかりはないと述べたが、借金をしていたタリバン、あるいはそれ以外の何者かに誘拐された可能性があるという。

CPJによると、Khanは仕事上、治安組織やタリバン、地元部族民たちから何度も脅迫されていた。地元のジャーナリストによると、2002年にはアメリカの『ABCニュース』の報道のために国境を越えたために、アフガニスタンの米軍に5日間拘束されたこともある。(後略)

hoonWatchdog urges Pakistan to find missing reporter
Haji Mujtaba、MIRANSHAH

■アメリカ、パキスタンでテロ資金を追跡[051205 Asia Times]

地震の直後、ジハード組織の前ラシュカレ・トイバだったJamaatut Dawaのもとに数百万ドルが流れ込み、パキスタン政府がもたもたしている間、カシミールで救援活動が開始された。

この事実が明るみに出た後、CIAはすぐにイスラマバードに圧力をかけ、南北ワジリスタンでアルカイダを匿っている抵抗勢力に対して行動させた。

最近の動きでは、アメリカはパキスタン当局に不正な資金の流れに関する総括的な捜索と逮捕を行なわせ、いっぽう自分たちは目標を定め、不正資金の摘発をすることにしたという。

最近の動きとしては、パキスタンは、有名なイスラマバードのラール・マスジッドのGhazi Abdul RasheedとMaulana Abdul Azizに関する捜索をしている。2人は以前南ワジリスタンで作戦が実施された際、この地域で殺害されたパキスタン軍関係者の葬儀で祈ってはならないというファトアを出した。現在2人は行動を制限されている。

アメリカ側は、アルカイダナンバー3のHamza Rabiaを北ワジリスタンで殺害した。CIAの無人偵察機を用いて、ミサイルで攻撃したらしい。しかし彼の遺体は発見されておらず、アルカイダは彼が死亡したことを否定している。

さらに、Jamaatut Dawaの動きも注目される。

ワシントンにいるある情報源によると、「祈り、喜捨、巡礼と同様に、ジハードはムスリムにとって重要だ。したがってモスクやマドラッサを建て、イスラームの慈善活動に寄付する者たちは、ムジャヒディンたちにも寄付するのは当然のことだ。ワシントンの人間たちは、カシミールのイスラーム主義者たちに寄付する人間たちは、イラクやアフガニスタンの抵抗運動に協力していると見ている」。

現在パキスタンで実施されている作戦は、アメリカの諜報情報にコントロールされている。パキスタン軍がしていることは、「ロバの仕事」にすぎない。

《事例》

カラチのDow Medical Collegeを卒業したDawood Qasmi医師は、カラチのNationalInstitute of Child Healthに所属する。FBIは、彼を必死に探している。

彼の父親、弟、甥2人は逮捕され、Dawoodが自首してこないかぎり、家族の女性たちも逮捕すると脅迫された。しかしメディアがこれを大きく糾弾したために、政府当局は彼らを余儀なく釈放した。

Dawoodは、スィンド州の前ラシュカレ・トイバの司令官だった。カシミールのISI組織と、深い関係があった。ISIは彼に若者たちをリクルートする資金を与えるとともに、高価な車や武装した警備員を与えた。ラシュカレ・トイバは、カシミール最大の過激派組織だ。

9.11により、Dawoodの人生は変わった。失望したDawoodはラシュカレの活動を辞め、医療世界に戻った。

「Dawoodは、カシミールでの活動がジハードではなく、パキスタン軍が単に市民を利用していることに気づいた。だから身を引くことにした。最初は医療会社で働いていたが、後にNational Institute of Child Healthで働くようになった」と、カラチのBaqai医科大学にいる娘、Hania Dawood Qasmiが語った。

「3ヵ月前、ある大佐がDawoodの元を訪れ、もう一度ラシュカレのために働いてほしいといわれた。しかし、彼はこれを断わった。すでにFBIが自分を追跡していることを知っていたたために、ラシュカレと関係を持つことは得策にちがいないと私には語っていた。政府の保護を受ける、唯一の方法だからだ。しかし再びラシュカレのメンバーになることに、良心がとがめるのだという。ISIの駒に戻ることになるからだ」。

Dawoodは再び1人になった。しかしカシミールの救援活動が開始されるとJamaatut Dawaから接触があり、医師として来てくれといわれた。彼はこれに同意して、医療品購入やメディカル・センター設立ための資金をかき集めてでかけて行った。

もしラシュカレ時代の友人Arif Qasmaniとの関わりがなかったら、アメリカによる資金源の追跡で彼が標的となることはなかっただろう。

Arif Qasmaniは、11月14日にイスラマバードで開催されたアフガン抵抗行動と米軍との間の和平会談で、重要な役割を担っていた。Arif Qasmaniはこの場でDawoodと彼の救援活動について語り、彼がいかに迅速にキャッシュを集めたかについても語った。

これに注目する者たちがいた。その後FBIと軍がDawoodの自宅に早朝やってきたのだと、娘のHaniaは語る。しかし父親はいなかった。「警察によってひどい目に遭ったのは、私たちだった」と、75歳の父親が語る。「私や息子、孫までもが手錠をかけられた。ののしられ、Dawoodがどこにいるか言えという。言わなければ、女性たちを私たちの目前で冒涜するという。食事も与えてもらえなかった。私は体調を崩してしまったために、最初に釈放された」。

後にメディアがこの事件を報道して抗議が高まると、家族たちは釈放された。Dawood医師の居場所は、まだわからない。

garrUS on the scent of terror money in Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■道路脇の爆弾で、米兵3人負傷[051205 Reuters]

アフガニスタンで米軍が乗った車が道路脇に仕掛けられた爆弾により爆発し、米兵3人が負傷した。これとは別に、米ヘリコプターが敵に攻撃され、緊急着陸した。

(中略)日曜日にザーブル州のダイ・チョパン地区で、3人の兵士が爆発により負傷した。(後略)

hoonRoadside bomb wounds 3 US soldiers in Afghanistan
KABUL

■米ヘリコプター、アフガニスタンで攻撃される[051205 AP]

南アフガニスタンで米ヘリコプター2機が抵抗勢力に攻撃され、緊急着陸した。

日曜日に同じ作戦に参加していたヘリコプター2機が緊急着陸し、搭乗していた米兵5人とアフガン兵が負傷した。1機はカンダハル州で、2機目はウルズガン州に不時着した。「両機とも、敵に攻撃された」と、米軍主導の同盟軍スポークスマンLaurent Fox大佐が述べた。

Foxによると、敵によりヘリコプターは墜落したが、パイロットが炎上したヘリコプターを緊急着陸させ、乗員の命を救ったという。

この作戦で抵抗勢力数人が死亡したが、その数は明らかになっていない。

カンダハルに不時着したヘリコプターは大破し、米兵5人が負傷した。ウルズガン州に着陸したヘリは修繕可能である。こちらはアフガン兵1人が負傷した。

どのような武器でCH-47が攻撃されたかは、明らかになっていない。タリバン報道官のQari Mohammed Yousafが日曜日に、タリバンがカンダハルで米軍ヘリをロケット弾で撃墜したと発表した。しかし、乗員全員が死亡したと述べている。(後略)

hoonU.S. Helicopters Attacked in Afghanistan
STEVE GUTTERMAN、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.