【2005年12月12日〜12月18日】


■盗聴、9.11直後に開始[051218 New York Times]

国家安全保障局(NCA)がアメリカとアフガニスタンとの間の電話やEメールの通信傍受を開始したのは、ブッシュが愛国法を認可する前だったと、現・前政府高官が述べた。

アメリカとアフガニスタン間の通信傍受は、9.11直後に開始されたという。

土曜日にブッシュ政権はNCAの通信傍受を認め、アメリカのテロ組織の排除のためには必要だったと述べた。

NCAのアメリカとアフガニスタンの通信傍受が明らかになったことで、当局の盗聴活動が明らかになり、関係者によると米国内や海外の約500人の通信が、礼状なしで傍受された可能性があるという。

当局が初期の段階からアフガニスタンから発進、あるいはアフガニスタンへ発進される通信に焦点を当てていたことから、政府が9.11以後の対テロ政策に、場当たり的な対策をとっていたことが明らかになった。(後略)

garrEavesdropping Effort Began Soon After Sept. 11 Attacks
ERIC LICHTBLAU and JAMES RISEN、WASHINGTON

■パキスタンには米軍はいないし収容所もない、とムシャラフ[051217 Daily Times]

パキスタンには米軍の存在や秘密の収容所もなく、イスラマバードはワシントンとそのような条約を結んでいないと、ムシャラフが金曜日にサウジの日刊紙『Al-Watan』に語った。(後略)

hoonNo US troops, jails in Pakistan: Musharraf
ISLAMABAD

■カブール国会議事堂のそばで、爆発[051216 BBC]

カブールの国会議事堂の近くで車に仕掛けられた爆弾が爆発し、自爆犯が死亡した。

通行人2人が負傷し、国際平和維持軍のノルウェー隊の車が、わずかだが損傷した。

タリバン報道官のQari Mohammed Yousufが『ロイター』に語ったところによと、国会を狙う予定だったが、自爆犯は国際維持軍を襲ったようだと語った。「国会は、我が国に対するアメリカ支配の象徴だ。アフガニスタンの国民の代表ではない。今後もこのようなシンボルを狙う」。(後略)

garrBlast close to Kabul parliament

■BBCのジャーナリスト、爆弾の標的に[051216 BBC]

何者かが、南ワジリスタンのワナに住むジャーナリストの家の外に爆弾を仕掛けた。

『BBC』のウルドゥー語放送と英字紙『Dawn』紙の記者、Dilawar Khan Wazirは、標的は自分だったと語った。一家は無事で、家屋の一部が損傷しただけだった。犯人はわかっていない。

12月の初旬、この記者の家族が運営する学校にも、爆弾が仕掛けられた。

2月には、ワナのレポーター2人が殺害されている。また北ワジリスタンでは、ジャーナリストのHayatullah Khanが誘拐された。いまだに安否は不明である。

garrBomb targeted at BBC journalist
Haroon Rashid、Peshawar

■南ワジリスタンの道路脇の爆弾で、兵士負傷[051216 News]

シャカイで道路脇に仕掛けられた改良爆弾が爆発し、兵士1人が負傷した。

いっぽう何者かが、タンクにあるキリスト教系の病院のキリスト教徒の運転手を殺害し、車の中に遺体が放置された。病院長のFalak Sherによると、運転手のKalim Masihが病院の女性スタッフをGara Meethi村に連れて行ったところだったという。

また行方不明になっていた国境警察兵士2人が、ワナの駐屯地に戻ってきた。2人は仕事が嫌で、カラチに逃走していたという。2人は、行政側が彼らが所属する部族に入隊するように圧力をかけたために、いやいや入隊したと語った。

hoonSoldier wounded by roadside blast in S Waziristan
Sailab Mahsud

■米兵、アフガニスタンの戦闘で死亡[051215 AFP]

米兵と「敵」戦闘員とがアフガニスタン南部で死亡し、教育省高官2人の遺体が東部で発見された。

別の米兵とアフガン兵も、カンダハルで発生した銃撃戦で負傷。タリバン報道官と名乗る男が、犯行声明を発表している。

「アフガン軍と米軍がパトロールをしていたところ、敵が軽火器を用いて襲撃してきた」。「応戦して、同盟軍のヘリコプターなどが援護に来ると、敵はすぐに逃走した」と米軍が発表した。

教育省高官2人の遺体が、ガズニ州で発見された。2人は前日から行方不明になっていた。タリバン報道官が、この事件には関わっていないと述べた。

水曜日には、ロバに取り付けられた爆発物がファイザバード市で爆発し、ドイツ人援助活動家の車が、わずかだが被害を受けた。

hoonUS soldier killed in Afghanistan battle
KABUL

■F-16は無償と、ラシッド[051215 Daily Times]

ラシッド情報相は、火曜日にパキスタンに到着した2機のF-16は、 アメリカからの「好意」として贈られ、「恐らく無償だろう」と語った。

『BBC』ウルドゥー語放送の報道によると、今回のF-16納入は、アメリカとパキスタン間の取り引きの一部だと、ラシッドが水曜日に語ったという。F-16の購入は、10月8日の地震によって延期されていた。

「飛行機はパキスタンに対する好意の印として贈られ、恐らく無償だろうとラシッドが語った」。「取り引きは2〜4ヵ月延期される可能性がある」と報道された。

F-16s 'probably' free, says Rashid
ISLAMABAD

■盗賊、処刑される[051214 BBC]

地元タリバンは、北ワジリスタンでいまだに盗賊グループの捜索を続け、火曜日にはミランシャー出身の1人を処刑した。

目撃者によると盗賊一味の遺体が、Anghar村近くの枯れ水路で発見された。激しく冒涜された遺体は、葬儀の祈りをしないまま埋葬された。

hoonExtortionist executed
MIRAMSHAH

■アメリカ、アフガン人に必要のないメディア会社を雇う[051213 Chicago Tribune]

2004年の初めに、カルザイのメディア広報を担当するためにThe Rendon Groupが採用されたとき、アメリカが支払う140万ドルは破格の値段ではあったが、悪い考えだと思う者は少なかった。

しかし7ヵ月後、カルザイも当時のカリルザド米大使も、Rendonを解雇することにしていたという。多額の金を費やしているにもかかわらず、たいした仕事をしないという理由からだ。

このような不平があったにもかかわらず、ワシントンを根拠地とするThe Rendon Groupはカルザイ政府内で、アメリカ資本の仕事をさらに確保した。今回はペンタゴンが出資する390万ドルで、アフガニスタンの対麻薬計画を請け負うメディア・チームとしてだ。アメリカ大使館に代わってカブールのRendonを監督するJeff Raleighをはじめとする米政府関係者多数は、カルザイやカリルザドが反対を表明したために、この計画に異を唱えた。しかしワシントンの国防省の強い要請のため、採用が決まった。

9月に米大使館を去ったRaleighは、「税金を払っているアメリカ人に対する詐欺行為」と語る。

Rendonは390万ドルの仕事が終了した10月に、アフガニスタンを去った。しかし別の数百万ドル相当のアフガン関係の仕事を請け負うことになっていると、ある外交関係者が語る。3年計画の、対麻薬関係の広報活動だ。

9.11以後、Rendonはペンタゴンから560万ドル以上を受け取り、ブッシュのテロとの戦争における、主要なメディア・コンサルタントとなった。イラクのペンタゴンのためにも、仕事をしている。

Rendonのやり方や、国防省が対テロメッセージを作り出すためにRendonを利用するその手法が、新たに注目され始めた。ブッシュ政権は外国のメディアやレボーターたちを追跡し、外国政府がそれぞれの対テロメッセージやイメージを形成するためにRendonを採用したと、報道されている。

Rendonは、イスラーム原理主義のプロパガンダへの対処に役立っているという。しかし批評家たちは、ペンタゴンがこのような民間会社を用いると、広報なのかプロパガンダなのか、その境目がぼやけると批判する。(後略)

smellU.S. paid for media firm Afghans didn't want
Kim Barker and Stephen J. Hedges、KABUL

■アルカイダ戦闘員、治安部隊をすりぬける[051213 Daily Times]

治安部隊が北ワジリスタンで捜索活動を開始する直前に、アルカイダと関係のある外国人容疑者が逃走したと、当局幹部高官が月曜日に語った。

「治安部隊が行なった家宅捜索で、外国人は発見できなかった」という。外国人がいるという情報をもとに、Saidgai地域の地元部族民KhananとMian Gulの家が捜索された。

家のなかには、子供たちが数人いただけだったという。

hoonSuspected Qaeda militants elude security forces
MIRANSHAH

■軍の存在にかかわらず、部族地帯で暴力[051212 Christian Science Monitor]

音楽やテレビは禁止され、女性たちは家に閉じ込められる。店は1日5回の祈りの時間になると閉まる。パトロールする武装した宗教警察が、町を取り締まっているからだ。

地元住民やレポーターによると、これらのワジリスタの変化は数ヵ月前から起きているという。(中略)

最近暴力が増加しているのは、この地域にパキスタン軍6万にが駐屯しているにもかかわらず、ワジリスタンが再びアルカイダやタリバンの手中に戻ってきたからだという。

「和平協定以来、政府当局は弱体化したようだ」と、ジャーナリストのラヒムラー・ユースフザイは語る。「空白地には、これらの戦闘員がいる」。

最近南ワジリスタンで脅迫されたために退去した地元レポーターによると、「やりたい放題をしている。誰も彼らを止めることができない」。「外国人がなかに混じって、音頭をとっている」。

北ワジリスタンでは、イスラーム宗教学校の生徒たちが盗賊たちと衝突し、少なくとも20人が死亡した。学生たちはミランシャーの街頭で犠牲者をつり下げ、口の中に紙幣を詰め込んだ。まるでタリバン時代に後退したかのような、激しさだった。

この暴力は、無人偵察機がアルカイダ幹部高官のAbu Hamza Rabiaを含む5人の容疑者を殺害したあとの出来事である。先週の暴力の背後には、テロリストがいると決めつけるには時期尚早だと語る。「それほど重要視する必要もないと思う」と、ショーカット・スルタン軍報道官が語る。「これらの出来事は部族間の政治的な問題だ。テロというよりも、そちらの関係だと思う」。

しかしアナリストたちは、最近の部族間の戦いは軍の味方対抵抗勢力の味方で生じていると語る。アルカイダと関係があるアラブ人、ウズベク人、チェチェン人戦士が増加しているという情報もある。

地元民によると、戦闘員たちは南北ワジリスタンでジハード志願者たちを公然と募集している。

戦闘員たちが作ったビデオが地元の店で販売され、戦闘員たちが訓練をしている様子が映し出されている。集会も開いている。最近では、去年パキスタン軍がDela Khulaキャンプを爆撃して40人の仲間が殺害された出来事を記念し、大掛かりな集会が開催された。

2月の取り引きで、戦闘員たちはアフガニスタンへの攻撃を止めることを約束した。しかしワジリスタンと隣接するアフガニスタンの3つの州の人びとは、これまで以上に国境を越えてくる者たちが多いという。

「自爆を行ない、爆弾を埋める。襲撃をする」と、パクティア州警察長官のAghulSuleiman Khanが語る。「アラブ人戦士たちが彼らをリードしているのが、以前に増して目撃される」。

garrViolence grows in Pakistan's tribal zone, despite Army presence
Gretchen Peters、ISLAMABAD

■タリバン、攻撃のために麻薬密輸を利用[051212 BBC]

タリバンたちは、ヘルマンド州の麻薬密輸業者たちと結託している。

共同体の長老や警察高官によると、タリバンは農民たちに、芥子栽培を促すビラを夜間にばらまいている。ビラはモスクのドアや店の窓などに貼付けられていると、共同体のリーダーHaji Nazaraullahが語った。「『芥子の栽培をしなければ殺す』と書いてある」と、Khanishinの住民が語った。「人々はみなこわがっている」。

これまで麻薬を「非イスラーム的」としていたタリバンたちが、金を儲け、カルザイ政権を転覆させるために麻薬商売を始めたと思われる。

先週NATOは、アフガニスタン南部に6000人を増兵し、米軍4000人の撤退を実現させることを決めた。(後略)

hoonTaliban exploit drug trade to step up Afghan attacks
Declan Walsh、Khanishin

■4部族、外国人を匿わないことを誓う[051212 Daily Times]

4部族が行政側と無条件の合意書に調印し、外国人を匿わず、南ワジリスタンの法と秩序を守ることを誓った。

日曜日にミランシャーで、Ditta Khel、Deerhati Khel、Dil Khel、PeerianDegalの4部族が、行政官のSyed Zaheer-al-Islamとの合意書に調印した。また66人を指名手配にし、アフガン難民には24時間以内にこの地域から立ち退くことを通告した。

数百人の宗教指導者も儀式に参加して、合意書に協力することを誓った。指名手配となった66人は、窃盗や誘拐に関わったという。

hoonFour tribes vow not to shelter foreigners
MIRANSHAH

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2005.