【2006年1月30日〜2月5日】


■パキスタンの部族地帯の戦場から[060204 BBC]

「もちろん、我々は政府と交渉している」と、バローチスタン州の強力な部族のリーダー、ナワーブ(Nawab Akbar Bugti)は語る。「毎日交渉している」。

この80代のナワーブは、パキスタン軍が計画中の新たな駐屯地に対して抵抗している武装したバローチ族の頭脳で、指揮官でもある。「聞こえるか」と、治安部隊が発射したロケット弾が、遠くで爆発する音を聞きながら語った。「彼らは、このような対話の方法を用いるんだ。だから我々も同じように対応しなければならない」。

事実、バローチ族と治安部隊の交渉方法は、ロケット弾の応酬になってきたことは確かで、解決策は全く見えない。

《完全武装》

かつてナワーブの故郷だった小さな村のデラブグティは、この戦闘の跡がいたるところに残っている。この地域の学校や病院のスタッフは、全員逃げてしまった。住民たちは家の中で過ごし、バザールを行き交う人間はほとんどいない。ナワーブも今は、周囲の丘でキャンプ生活をしている。

デラブグティに入るためには、完全武装したブグティ部族民のチェックポストを数回通過しなければならない。みんなカラシニコフやロケット砲、暗視ゴーグル、衛星電話、治安部隊が用いるものと同一周波数にセットした強力な無線を持っている。

これらの装備は治安部隊のものと同じであり、なぜ部族民たちがこれらを持っているかが、問題になっている。

治安部隊の関係者たちは、ナワーブは抵抗勢力たちに資金を回しているだけでなく、通信機器、食料、武器などを供給する兵站部門も取り仕切っているという。補給物資のほとんどが、デラブグティとコフル地区との間に広がる丘陵地帯、Kahanに供給される。

《数百万ドル》

抵抗する部族民数千人、その多くであるマルリ部族が、Kahanの山岳地帯に立てこもり、治安部隊を襲撃している。

政府関係者によると、毎日ブグティ族がラクダを用いて、彼らに武器や食料を運び入れる。国境警察隊員が、道路を封鎖しているからだ。

国境部隊の関係者たちは、これだけのことをするためには、毎日2000ドルの費用がかかるはずだと言う。「どこから金が入ってくるのか、彼らに聞かなければならない」と、国境警察のFurqan大佐が語った。

ここ1年の間、抵抗勢力に対する補給資金として、おそらく100万ドルが費やされている

《逃げ込む》

水曜日、スイの近くにある要塞をはりめぐらした国境警察の拠点がロケット弾で攻撃され、『BBC』も「抵抗勢力の攻撃」を体験した。

要塞の中に最初に撃ち込まれたロケット弾の音は、大したことなかった。国境警察隊員も、何事もなかったかのように、日課をこなしていた。しかし数分後、攻撃は急に激しくなり、経験を積んだ兵士たちでさえ、身を守るためにどこかに逃げ込まなければならなくなった。

1時間にわたって、ロケット弾40発が撃ち込まれ、負傷者はいなかったが、大きなパニックを引き起こした。そして突然終わった。

Furqan大佐によると、ロケット弾攻撃は儀式のように繰り返され、地元の人びとはみんな逃げ出しているという。政府関係者は、「一般市民」は、このような状況にこりごりと感じていると説明する。

しかし町中の感情は、少し違っているようだ。『BBC』のインタピューに答えた住民たちは、バローチ族たちはこのような状況に追い込まれ、戦わざるをえなくなっていると語った。

hoonIn Pakistan's tribal battlefield
Aijaz Mehr

■アフガニスタンとパキスタンで41人死亡[060204 AP]

土曜日に戦闘員たちが政府の建物と警察の車列を襲撃し、2日間で合計41人が死亡したと、政府関係者が語った。

約250人のアフガン軍兵士が200人以上の戦闘員と戦い、最近のなかでは最も激しい戦闘となった。土曜日だけでアフガニスタンとパキスタンで、19人が死亡した。

アフガン政府関係者は、金曜日と土曜日の戦いには米軍も参加したと語ったが、米軍報道官は、金曜日の戦いに参加したことだけを認めた。

土曜日にはパキスタンの国境地帯で、軍の車が道路脇に仕掛けられた爆弾で爆発して、兵士3人が死亡。流血沙汰は国境を越えて広がった。犯行声明は出ていないが、治安組織関係者は、アルカイダを非難している。

今後アフガニスタンのこの地域を担当する英軍とカナダ軍にとっては、大きな挑戦となる。

そもそも戦いは金曜日に、戦闘員たちが警察の車列を襲撃したことで始まった。この戦いで戦闘員6人と警察官6人が死亡、多数が負傷した。

金曜日の深夜、米軍と英軍の戦闘機が逃走するタリバン戦闘員を狙って出動し、戦闘員8人を殺害したと、ヘルマンド州警察長Khan Mohammedが語った。

また同じ戦闘現場から逃走した別のグループが土曜日早朝、政府の建物を襲撃して、地区行政官を殺害、警察官4人を負傷させたという。

さらに午後になって、別の戦闘員のグループが隣の政府本部を襲撃し、2時間にわたる銃撃戦の末、警察官1人とタリバン3人が死亡した。これらの戦闘で、村人多数が現場から逃げ出した。

カンダハルでは、戦闘員たちはリモートコントロール爆弾を用いて、警察の車列を攻撃したと、警察官のSher Mohammedが述べた。近くを歩いていた女性と子供が死亡し、他の通行人3人が負傷した。

さらにカンダハルでは、タリバン司令官のAbdul Samadが、パキスタンから密入国しようとしたところを国境警察隊に殺害されたと、カンダハル州知事AsadullahKhalidが語った。別の10人の戦闘員は、パキスタン側に再び逃げ込んだ。(後略)

hoonAssaults Kill 41 in Afghanistan, Pakistan
NOOR KHAN、KANDAHAR

■アフガニスタンの戦闘で25人死亡、さらに別の事件で6人死亡[060204 AFP]

アフガニスタン南部の戦闘で、25人が死亡した。この戦いで、地区行政官1人と警察官2人が死亡した。

これとは別にカンダハルのバザールで爆発があり、2人が死亡、3人が負傷した。いっぽう金曜日の夜、国境近くでタリバンと警察が衝突し、タリバン司令官が殺害された。

金曜日の夜、ヘルマンド州のSangin地区から撤退途中のタリバンがMusa Qala近くにある地区本部を襲撃したと、副州知事のAmir Mohammad Akhundzadaが述べた。

本部にいた地区行政官Abdul Qodusと、護衛の警察官が殺害された。また隣のNawzad地区になだれ込んだ際に、別の警察官が殺害された。

金曜日にSanginで起きた激しい戦闘で、タリバン20人と警察官5人が死亡した。Musa Qalaの戦いは4時間ほど続き、5人の「敵」の戦闘員が殺害されたという。

これとは別に、土曜日にカンダハルでは道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、2人が死亡した。

さらにMaiwandでは、金曜日の夜、タクシーの下で地雷が爆発し、2人が負傷した。また金曜日には、カンダハルの村で活動していたタリバン司令官Mullah Samadが、警察との戦いで殺害されたという。(後略)

garrAfghanistan battle leaves 25 dead, six killed in more violence
KANDAHAR

■タリバン、自爆攻撃を採用[060203 Christian Science Monitor]

カンダハルで、14件の自爆事件が起きた。このような事件は、これまで起きたことがなかった。

アフガン政府関係者は、ここ数日間で事件を引き起こしているテロ組織を取り締まり、今週になって20人を逮捕したという。しかしタリバン報道官は、これらの自爆攻撃は始まったばかりで、これからもっと激しくなるだろうと予告した。

「自爆の覚悟がある200〜250人の兵士がいる。日に日にその数は増している」と、タリバン報道官のMohammad Hanif博士が電話で語った。

このような発言の真偽はわからないが、自爆はタリバンの新たな戦術となっている。これまでアフガン文化にはなかったこの戦術は、この冬になって、頻繁に起きるようになった。(中略)

「タリバンは去年ずいぶんゲリラ活動をしてきた。しかしそれほど効果がなかった」と、以前のタリバン司令官で、アフガンの刑務所から釈放されてからはカルザイ政権の一員になったアブドゥル・サラーム・ロケッティ師が語る。「自爆を用いることで、状況は不安定になり、人びとや政府も神経質になっている。彼れらはこれまで以上に大きくなった」。

「しかし私にとっては、タリバンが弱くなったように映る」。「正攻法では戦えなくなった。ゲリラ攻撃もできなくなった。自爆攻撃をして、多数の仲間を殺害するしかなくなったのだ」。

弱体化したのか、強化したのかはともかく、この戦術により、日常生活が変わってしまった。カンダハルのいたるところにチェックポストが設置され、警察やアフガン軍が車を検問したり、不審な荷物を調べている。

ある警察官によると、大きな荷物を置けるように、後ろのシートをはずした車が怪しいという。しかし最近の逮捕は、車のナンバーの情報を含めた密告によるところが大きい。しかし警察はすべての車を調べるだけのマンパワーがないのだ。(中略)

これらの自爆者たちがどこから来るか、さまざまな論議がある。タリバンによると、自爆志願者250人はすべてアフガン人で、地元の協力者が多いことを証明しているという。しかしアフガン政府関係者は、外国人が行なっていると主張する。パキスタン出身の、非パシュトゥン族もいるという。

「タリバンが、パキスタンに秘密アジトを持っていることは確かだ。爆弾製造を教えてくれる、専門家の協力がある」と、カンダハルの警察司令官Rahmatullah Raufi将軍が語る。「爆発物はパキスタンから入り、運転手はパキスタンなどの外国の人間だ。アフガン人に自爆を強制することは難しい」。

これに先立ち今週ニムローズで、イラク人1人とパキスタン人3人が、タリバンと関係あるとして逮捕された。

最近のカンダハルでの逮捕を見ると、パキスタン人とアフガン人が攻撃に関与しているようだ。Asadullah Khalidカンダハル州知事によると、アフガン警察はパキスタン人2人を含む20人を逮捕したという。パキスタン人2人は爆弾を搭載した車とともに逮捕され、自爆を実行する準備をしていたことを告白したという。

しかしアフガン政府関係者の中には、最近の暴力沙汰はアフガン政府の外交の失敗に起因すると語る者もいる。

「なぜ今、このような攻撃が始まったのだろうか? 政府と民衆の間に距離があるからだ」と、現在は国会議員でもある元警察長のMirwaiz Yaseeniが語る。「我々の諜報組織は力がない。法機関も司法機関も弱い。政府には汚職がはびこる。まず健全な内閣を組織し、そして次の段階に進んでいかなければならない。そうしなければ、タリバン支持者は減らない」。

しかし自爆攻撃により、タリバンが再び注目されたことは事実だ。

特にレスリングの試合会場で起きた自爆事件は、世界で大きく報道された。当日だけで、23人のアフガン人が死亡している。(中略)「彼らの戦術は変わった」とカンダハルの警察官が語る。「今まではアフガン人を雇い、車に爆発物が搭載されていることを教えずに運転させていた。しかし標的のそばまで運転しなかったために、それほど効果的ではなかったのだ。今は自爆志願者を送り込んでいる。だから被害が拡大している」。

今後、アフガン人たちが自爆犯たちの逮捕に協力してくれることを期待すると、Khalid知事は語る。例えば、パキスタンとの国境の町Loy Karizで起きた事件がある。警察の報告によると、タリバン数人が火曜日の深夜に国境を越えて入ってきて、泊めてほしいと言ってきた。タリバンと村人との間で言い争いとなり、その結果銃撃戦が開始され、タリバン2人と村人1人が死亡した。「彼らは国境を越えたがったのだが、村人がそれを阻止したのだ。安全面から言えば、少し状況が良くなっていると言えよう」と、知事が語った。

自爆犯がパキスタンの国境を越え、ミニバンに膨大な量の爆発物を搭載して空港近くを運転していた事件のことを、Raufi将軍は語った。爆発物を所持しているという密告があったために、アフガン軍がこの車を追跡した。車の運転手はトラックに追突したが、追突の振動で起爆するはずだった爆発物は、不発に終わった。「運転手は村に逃げ込み、村人が彼を捕まえた」とRaufi将軍が語る。「彼に死ぬ覚悟があったことは明らかだった。清潔な服を着て、髭を剃っていた。目の周りには、コール(アイライナー)をひいていてた。なぜ自爆できなかったか、不思議なほどだ。やれやれ」。

《タリバン高官、自爆攻撃を擁護》

次は、火曜時に実施されたタリバン報道官のMohammad Hanifとの電話インタビューである。

Monitor…なぜタリバンは今になって自爆を開始したのだろう。

Hanif…我々の戦略の1つにすぎない。敵を効率よくやっつける手段だ。世界中のムジャヒディンが用いる戦術だ。

Monitor…外国のムジャヒディンのアドバイスや訓練を受けているのだろうか。そうだとしたら、どこで。

Hanif……自爆をするための訓練は必要ではない。献身的な兵士であれば、宗教のためにいつでも死ぬことができる。体のまわりに爆発物をつけ、命を神に捧げるのだ。訓練の必要はない。

Monitor…自爆志願者は何人いるのか?

Hanif…自爆の覚悟がある兵士が200〜250人いると聞いている。日に日に、その数は増えている。特に南部や東部は外国軍が占領し、国民の感情をさかなでしている。だから自爆者の数は増えているのだ。

Monitor…これらの兵士のうち、アフガン人は何人いて外国人は。

Hanif…全員アフガン人で、外国人はいない。

Monitor…クルアーンでは、自殺は禁じられている。自爆はイスラームにおいて許されるのだろうか。

Hanif…イスラームにおいて、ハラーム(禁じられているもの)とハラール(許可されているもの)がある。自爆はシャリア法において、許される。なぜなら、クルアーンの中にも登場するのだ。例えばイスラームの過去の歴史において、アラーを喜ばすためだけに魂を売った人間のことがでてくる。またムハンマドの弟子が彼に、「もし敵と戦って死んだら、自分はどうなるのだろう」と聞いたという話がある。預言者は彼に「天国に行くのだ」と語った。それを聞いてこの弟子は1人で敵と戦い、多数の敵を倒した。しかし彼自身も殉教する。するとムハンマドは、「この男は真のイスラーム教徒だ。殉教者だ」と語ったという。同じような例が、最初のカリフ、アブバクル・スィデークの時代にもあった。

Monitor…タリバンこれまで世界に、自分たちは知の探求者だと発言してきた。それなのになぜ今は学校を攻撃し、教師を脅かすのだろうか。

Hanif…あなたの言うことは正しい。タリバンは教育を支持している。しかし学校が放火されている。それはタリバンの仕業ではない。これらの者たちは、イスラームの敵で、タリバンの敵でもある。学校を燃やすことは、イスラームの教えに反することだ。

Monitor…攻撃するための資金は十分あるのだろうか。どこから資金はくるのだろう。

Hanif…アフガニスタンの人びとの協力があるし、特にタリバンの政策に共感する金持ちのアフガン人がたくさんいる。同時に神が我々を助けてくれる。どの戦いでも、どの襲撃でも、我々は大量の武器を押収する。政府はこの事実をメディアに伏せている。

Monitor…最近ビンラディンは、アフガニスタンやイラクから米軍が撤退したら和平協定を交わしてもいいと語った。タリバンはアフガン政府と和平協定を結ぶ心づもりがあるのだろうか。

Hanif…我々のしようとしていることは、まだ語れない。我々の戦いの目的は、アメリカ人などの占領者を追い払うことだ。その後、あなたが言うアフガン政府、私から見たら占領者の操り人形との話し合いが開始できる。

hoonScott Baldauf、KANDAHAR

■タリバンの故郷でうずまく恐怖[060203 AFP]

アフガン南部の無人の町で風が吹き始た頃、Mohammad Hussinはパン屋を閉め始めた。夜の8時、カンダハルの町はこれまで人間で賑わっていた。しかし最近人びとは夜になると、恐怖におののいている。「遅くなってしまった。1時間以内には、ゴーストタウンになるたろう」と、Hussin。先月、イラク型の自爆事件が5件もあった。

ほとんどの攻撃は、タリバンの仕業と言われる。1月16日にスピンボルダックで起きた事件では、25人が死亡した。同じ日にカンダハルでは、兵士3人と市民1人が自爆攻撃で死亡。その前日、やはりイラクを真似た車による自爆事件が起き、カンダハルを訪れていたカナダ人外交官が死亡している。

最近町は比較的平穏だが、恐怖は去ったわけではない。とくに今週「テロリスト」といわれるイラク人が逮捕されたために、人びとはさらに恐怖におののいている。

「いつ、どこで攻撃されるかわからない」と、カンダハルに住むKhudaidadが語る。「人がいるところを狙ってくるんだ」。「とても怖い。何もかもが怖いし、人間を見ても怖い。特にバイクに乗った男だ」という。

自爆には、バイクが用いられることが多い。また親政府側の人間の暗殺にも使用される。最近政府側についた前タリバンリーダーMullah Khaksarが、バイクに乗った2人の男に暗殺された。

「隠れる場所はどこにもない」と、両替商のHaji Sardar Mohammadが語る。「爆発があれば巻き込まれ、殺害される」。

しかし州知事のAssadullah Khalidは、最近の逮捕で抵抗勢力に大きな打撃を与えたと主張する。「この3日間、全部で23人のテロリストを逮捕した。パキスタン人3人も含まれている。カンダハル近辺で攻撃を計画していたようだ」。

タリバン幹部司令官も、この「大掛かり」な捜索で逮捕された。しかしタリバン報道官は、逮捕されたと男たちはタリバンではないと語った。(後略)

hoonFear stalks Taliban heartland in Afghanistan
KANDAHAR

■タリバンと衝突、「多数死亡」[060203 BBC]

アフガン軍とタリバン戦士との間の衝突がヘルマンド州で発生し、20人近くが殺害された。

州知事が語ったところによると、兵士100人が一時タリバンに包囲された。戦いで、タリバン16人と兵士3人が死亡したという。

Haji Mullah Mir副州知事によると、包囲された兵士たちを救出するために、さらに200人の兵士が派遣された。

地元警察司令官が、州都のLashkar Gahからタリバン軍を追跡していたヘルマンド州のSangeerに行った際、戦闘になった。Mirとその軍が警察司令官を救出に行ったところ、4ヵ所でタリバンに襲撃されたという。戦闘が続けば一般市民が巻き添えになる可能性があったために、撤退したという。(後略)

hoonTaleban clash 'leaves many dead'

■アルカイダ、戦うためにアフガニスタンへ[060202 AP]

アルカイダ戦闘員たちがイラクからアフガニスタンに入っていると、アフガニスタンに密入国したイラク人を取り調べた州知事が木曜日に語った。

いっぽう水曜日に、女性に扮した自爆犯がアフガニスタン東部の軍のチェックポストで自爆し、兵士3人を含めた5人のアフガン人が死亡した。

「イラクから、大きなグループが入ってきている」と、ニムローズ州知事のGhulam Dusthaqir Azadが語った。「アルカイダと関係があり、イラクで米軍と戦った男たちだ。ここに来るように、命令されたらしい。自爆志願者が多数いる」。

Azadは、イラク人だというNuman din Majidを、Zaranjの砂漠地帯で逮捕して取り調べていると語った。Majidは月曜日に、イランとの国境でパキスタン人3人とともに逮捕された。パキスタン人のうち2人はカシミールの戦闘員で、イラン経由でアフガニスタンに入ったと考えられている。

さらに火曜日には、バングラデシュ人5人が逮捕された。Majidによると、タリバンと関係があるという。

(中略)水曜日の爆発は、コースト州で起きた。アフガン軍兵士が犯人の車を調べていたところ、後部座席に座っていた犯人が、女性のブルカのなかに隠していた爆発物を爆発させた。アフガン兵3人と車の運転手、近くにいた農民が殺害された。

逮捕されたイラク人Majidは、イラクのIDカードとフセイン元大統領の写真をポケットに所持していた。「イラク戦争に参加し、アメリカ人と戦っていたことを告白した」と、州知事が述べた。

2ヵ月前、国籍不明の別のアラブ人が、イランから密入国しようとしたところを逮捕されている。取り調べでこの男は、17人の戦闘員がイラクを出発し、それぞれアフガニスタンに密入国しようとしていると語ったという。(後略)

hoonal-Qaida to Fight in Afghan Insurgency
AMIR SHAH、KABUL

■「アルカイダはディールかスワート、マラカンドに」[060202 Daily Times]

アメリカのあるニュース・世界情勢分析サービスによると、アルカイダのリーダーは北西辺境州のディールとスワート方面、おそらくマラカンドに潜んでいるという。これは、この地域の状況を分析した結果だという。

Stratforによると、「アルカイダのリーダーたちは世界的なニュースや出来事を常に把握していること、また洗練された通信手段を持つことから、衛星テレビやインターネット、電力、メール・サービス、通行可能な道路がある場所にいるはずだ。北西辺境州にはこれらがあるが、FATAにはないため、最新のザワヒリのビデオは北西辺境州から発信された可能性がある。

Stratforは、ビンラディンもザワヒリも、アフガン国境に近いFATAに留まる危険は犯さないはずだと分析する。アフガン側からアメリカに空爆される可能性があるからだ。逆にできる限り、パキスタン内部に入ろうとするはずだ。アメリカはFATA上空を侵害してミサイル攻撃することがあっても、北西辺境州の居住地の中まで入って攻撃することはないだろう。アメリカの諜報組織は、ザワヒリが何度かDamadolaを訪問していることを明らかにしている。ということは、簡単にそこまで行けるということである。

「興味深いことに、ディールはバジョール行政区と北北西で接し、マラカンドは南西で接する。しかし今のことろFATAの2地域、南・北ワジリスタンが注目されている。この地域はパジョールとは離れ、間にはクラーム、カイバル、オラクザイ、モーマンド行政区がある。バジョールはタリバンやアルカイダの根拠地となっている、アフガニスタンのクナールとも接している」。

ザワヒリは1月13日に「4人の兄弟」について触れていたが、この中の1人はエジプト人アルカイダ工作員Abu Obaidah al-Masriである。al-Masriがバジョールにいたということは、アフガニスタンで活動するアルカイダの重要な基地がバジョールにあることを示している。

Stratforによると、これらの要素を照らし合わせると、アルカイダの力はFATA全地域に及んではいるが、リーダーたちが辺鄙な部族地帯にいる可能性は少ない。ザワヒリのほうがビンラディンよりビデオで出現することが多いことを考えると、ビンラディンは別の場所に匿われていることがわかる。彼はアルカイダの「スタジオ」とは遠い場所にいるが、ザワヒリはこの施設のそばにいると考えられる。

「ザワヒリもビンラディンも北西辺境州の西部にいて、しばしば部族会議に出席しているはずだ。地元のパシュトゥン人とともにいれば安全であるとともに、彼らに対しては影響力を発揮できる。ここがパキスタンのなかでは最もいい隠れ家だということは、アルカイダの支持者たちは社会の一員だということでもある」。

hoon'Qaeda in Dir, Swat or Malakand'
Khalid Hasan、WASHINGTON

■MI5、テロ組織の関係を捜査[060131 Dawn]

MI5は、7.7爆弾犯たちが2003年7月に別のイギリス人テロリストとともに訪れたという、パキスタン北部のテロ訓練所の重要性を捜査していると、『Sunday Times』が報道した。新聞は、「London Attacks: the Emerging Picture」と題されたJoint Terrorism Analysis Centre(JTAC) の報告にもとづいたリーク記事を参考にしている。このレポートは10月に、ブレア首相をはじめ、主要大臣に配られたものだという。このスパイ組織によると、ある男のパキスタン訪問が注目される。またイラクのジハード団たちがパキスタンのテロリストたちと結託し、イギリスにテロリストを送り込んでいるという。

レポートによると、MI5は西ミッドランドの「アルカイダ組織」のグループを捜索している。この組織はシリア生まれのイギリス国民によって率いられ、イラクからイギリスにテロ活動を広めようとしている。「この容疑者は少なくとも1人の男をテロのリーダーとしてリクルートし、訓練のためにパキスタンに送り込んだ」。「この容疑者はアルカイダだけでなく、カシミールや北アフリカの組織とも関係がある。イラクのジハード志願者たちの支持も受けている」という。

新聞によるとMI5は、この男はあるイラク人に、別のイギリスのテロ組織に所属する2人の男をパキスタンのテロ訓練所に送り込むよう、指示したという。この2人の男は、パキスタンのアルカイダと関連がある、別の西ミッドランド組織の人間のために動いているらしい。7.7爆弾犯人と、西ヨークシャーの過激派組織との間に、何らかの関連がある可能性が出てきたという。これまでは7.7爆弾犯人の単独行動と考えられてきたが、新たな見解がでできた。

「7.7犯人犯人たちは単独で動いていたのではなく、仲間がまだ逃走している可能性がある」と、『Sunday Times』はMI5のレポートを引用する。犯人たちはパキスタンにいるアルカイダ工作員の協力を得ており、2005年5月と6月に、リードの「爆弾工場」で回収された携帯電話に、パキスタンの公衆電話から繰り返し電話をかけてきていたという。この一味のパキスタン人協力者が「彼らを援助やアドバイス、または指示を与えていた」可能性がある。(後略)

hoonMI5 probes links between terror groups

■国境警察隊員2人、北ワジリスタンの爆発で死亡[060131 News]

月曜日に北ワジリスタンで、改良爆弾がバヌーに向かっていた車を爆破し、国境警察隊員2人が死亡、11人が負傷した。

この他に道路脇に仕掛けられた爆弾が2発、バヌーでも爆発した。どちらもKhajuri地区の出来事である。こちらは、負傷者はいない。

村人2人が、事件の現場近くの巨大な要塞のような家から逮捕された。井戸のなかに隠れていたという。攻撃と関係があるのか、爆発に驚いて井戸に隠れていたかはわからない。同じ村から別の2人の男も、あとになって逮捕されている。

行政がMubarik Shahi村の住民数人を逮捕した、という報告もある。部族民によると、逮捕されたのは村人で、容疑者ではないという。このような事件が起きた場合、辺境犯罪法にしたがって共同責任が問われるために、逮捕された。Mubarik ShahiはDaur枝族の村で、国境警察隊に対する攻撃の制裁として、罰されるという。

hoonTwo FC men killed in North Waziristan blast
MIRANSHAH

■アルカイダの不可解な釈放[060130 Washington Post]

Abdallah Tabarakは10年以上にわたって、ビンラディンに傾倒していた兵士の1人だ。以前は運送業に携わっていたこのモロッコ人は、ビンラディンのボディーガードとして働き、スーダンでは彼の農場で、そしてアフガニスタンでは宝石の密輸に従事していた。

トラボラの戦いの際は、ビンラディンの逃走を助けた。ビンラディンの衛星電話に電話をかけながらパキスタンの国境に向かい、その間ビンラディンは別の方角に逃げたのだ。

Tabarakは逮捕され、グアンタナモに収容された。そして3年後、突然釈放された。

今日、地元でグアンタナモの「エミール」と呼ばれるこのアルカイダメンバーは、カサブランカを比較的自由に歩き回っている。ペンタゴンやモロッコの関係者は、なぜTabarakが2004年8月にモロッコに引き渡され、その4ヵ月後に釈放されたのか、その理由を語らない。

アフガニスタンからグアンタナモ、そして再び故郷にもどったTabarakの旅から、ビンラディンの兵士たちの勇気や狂信的な決意を垣間見ることができる。彼についてはわからないことが多数ある。彼がアルカイダの内部組織の人間だったかどうかも、いまだにわからない。

さらに、誰を拘束し誰を釈放するかを決定する、アメリカの拘束者に対する基準についても謎が残る。これまでアメリカはグアンタナモから、幹部工作員といわれる囚人を何人も釈放してきた。同時に、いまだに背後関係やその人物の重要性が話題になることなく、厳重に警備されている囚人たちもいる。

グアンタナモから釈放されて18ヵ月が経過したが、Tabarakはパスボートの偽造など、いくつかの小さな罪に問われている。しかし彼のテロ行為に関する起訴状は、いずれすべて取り下げられるだろう。

彼の弁護士Abdelfattah Zahrachによると、Tabarakはビンラディンと面識があり、彼の会社で働いたことはあるが、アルカイダメンバーとしての彼の重要性は誇張されていると語る。「ビンラディンをとりまく環境の中にはいたが、重要な役割は果たしていない」。「もし彼が本当にビンラディンのボディーガードだったとしたら、アメリカが彼をモロッコに帰しただろうか?」

《家族の問題》

モロッコの裁判所の書類によると、米軍がTabarakを重要人物と見たことには理由がある。ビンラディンがいかにトラボラから脱出したかについて詳しく知っていただけでなく、1989年以来、アフガニスタン、パキスタン、スーダンで基地を築いてきたビンラディのもとで働いてきたからだ。

彼はアルカイダ内部の人間のための、便利屋だった。数年間ビンラディンの命令を聞き、アルカイダの会計係のSaeed Masriから給料を受け取っていた。

また自分の家族とアルカイダの絆も深い。娘の1人のAsiaは、アルカイダ幹部の作戦司令官アブ・フェラージ・リビと結婚した。リビは2005年にパキスタンで逮捕されている。

息子のOmarは2001年の後半、アフガニスタンでタリバンとともに戦った。後にアフガニスタンで逮捕された。その後、囚人の交換で釈放されると、ビンラディンはこれを祝って食事を振る舞ったという。

国防省関係者は、2004年にTabarakが釈放された理由を語らない。このとき彼の他に3人のモロッコ人が、モロッコに引き渡された。

Tabarakの件に詳しいモロッコの関係者によると、モロッコ当局はTabarakの引き渡しを数ヵ月間交渉していたという。自分たちのほうが、彼からアルカイダの情報を引き出せるという理由だ。

(中略)アラブ人ジャーナリストとのインタビューで、Tabarakはときにはアルカイダとの関係を否定するなど、矛盾する発言をしている。しかし当局には、組織との深い、長い関係を語っているようだ。

Tabarak1989年に、カサブランカ・モスクのアドバイザーからイスラーム戦士になるように説得されて、モロッコを出る。その後サウジに巡礼に出かけたあとパキスタンに入り、ビンラディンのネットワークに加わる。アフガニスタンのコーストで軍事訓練を受け、パキスタンのペシャワルでビンラディンに会った。

彼は月250ドルを受け取って、アフガニスタンに外国人戦闘員たちを送り込んだ。パキスタン当局がパキスタン内にいる外国人の取り締まりを行なうと、ビンラディンとともにスーダンに行く。そこで家畜を育てながら、ボディーガードなどの仕事をしていた。

ビンラディンが1996年にアフガニスタンに戻るころ、Tabarakはもう少し重要な役割を果たしていたようだ。宝石を密輸して、アルカイダの資金を増やしていたこともあった。結局ボディーガードとしてビンラディンに付き添い、アルカイダやタリバンの幹部司令官たちと会ったりしていた。

《トラボラからの逃避行》

Tabarakによると、9.11については、何も知らされていなかったという。しかしビンラディンの警護を続け、トラボラで20日間、ビンラディンや他のリーダーとともに過ごした。

モロッコや外国の諜報組織関係者によると、Tabarakは、他の者たちが逃走を助けるために、犠牲になったという。アメリカのスパイ・テクノロジーで盗聴されているとビンラディンが警戒していた衛星電話を持ち、パキスタンの国境に向かって歩いて行った。いっぽうビンラディンたちは、反対の方角に逃げた。囮作戦は成功し、Tabarakたちは逮捕されたが、ビンラディンはまんまと逃げた。

「サウジ人やイエメン人たちとパキスタンに逃げ、国境のチェックポストでパキスタン当局に逮捕された。後にアメリカに引き渡された」と、2004年にモロッコの捜査官に話している。

Tabarakの弁護士は彼が国境近くで逮捕され、米軍に引き渡されたことは認めている。しかし、Tabarakがビンラディンの逃走を助けたという話は否定した。作り話だと捜査官のレポートを非難する。

「彼が多くを話さないように、何か罪状を作らなければならないのだ。彼に圧力をかけるために、拘束しておく必要がある」。Tabarakは金曜日にモロッコのRabatで、次の裁判に出席する。

モロッコのテロ評論家のMohammed Darifは、アルカイダにおけるTabarakの役目を重視しすぎていると語る。ビンラディンはサウジ人やイエメンの親戚縁者を信頼し、モロッコの貧しい人間を組織の内部に迎えるはずはないと主張する。

「Tabarakのことをよく知る人間は、彼がまじめな男ではあるが、彼の評判は誇張されすぎていると語る」。「忠実な家来だったかもしれないが、洗練された男ではない。彼と話せば、強い個性を持つ人間でないことがすぐわかる」。

しかし欧米や中東の諜報情報の情報源によると、グアンタナモ刑務所における彼の態度は、彼の重要性を決定づけるという。囚人たちの間では、頑固なリーダーという評判を確立し、アメリカの取り調べを拒否し、ハンガーストライクを実施する「エミール」だったとの評判だ。

国防省のメモを見ると、Tabarakに会見しようとした赤十字の捜査官を、グアンタナモ関係者は繰り返し拒絶したという。

赤十字はすべての囚人と接触できるはずだが、Geoffrey Miller少将は2003年9月に、Tabarakをはじめ、別の3人の囚人には「軍事的必然性」があるために会見は許されない、と述べたとされる。2004年2月にMillerは、グアンタナモのすべての囚人に会ってもいいが、Tabarakだけはだめだと語っている。国防省報道官は、このメモに関してのコメントを拒否した。

Tabarakは弁護士や他の囚人たちに、グアンタナモにいた間、独房に入れられていたと語っている。1年間、目隠しをされたまま取り調べられ、取調官が誰なのか、キューバにいるのか別の場所にいるのか、見当がつかなかったという。


smellAl Qaeda Detainee's Mysterious Release
Craig Whitlock、RABAT

■ザワヒリ、アメリカの攻撃を回避したと声明を発表[060130 Reuters]

ザワヒリが、自分を狙ったアメリカの攻撃を免れたと、アルジャジーラが放映したビデオで語った。

またビデオは、同じくアルジャジーラが放映した、1月に録音されたと言われるビンラディンのオーディオ・テープに触れた。

「米機がイードの祭の日にペシャワル近くの村を襲撃して、女性や子供を含む18人のムスリムを殺害した」。「私と4人の兄弟を殺害しようとしたものだったと言っているが、全世界はあなたの嘘を見抜いただろう」。

「私は神が定めた運命をいつか迎える。しかしまだその時が来てないとしたら、ブッシュや地上のすべての権力は、1秒たりとも早く私を殺すことができないだろう」。

ザワヒリは白い服を身につけ、黒い背景の前で、カメラを見据えて語った。ビデオには英語のサブタイトルがついていた。

またザワヒリは、ビンラディンはブッシュにイラクから「名誉ある撤退」を申し出たが、「あなたがたのリーダーはテロリストとは交渉しないと語り、テロとの戦争に勝利していると語った」と述べた。(後略)

ohQaeda's Zawahri says survives US strike in Pakistan: TV
DUBAI

■アフガンの州の問題、アメリカにとっては新たな挑戦[060130 Washington Post]

この冬アメリカがウルズガン州の農民たちに、数トンの種子を芥子栽培の代わりとして与えたが、地元の政府関係者たちがこれを売りさばき、懐に入れてしまった。米大使が1月5日に州を訪れると、数百ヤード離れた所で自爆犯が自爆し、10人が死亡した。

そして米軍がウルズガン州を制圧したかと思っても、戦闘員たちは単にいなくなっただけで、近くに隠れている。

ある米軍幹部高官はウルズガンを、「最後のフロンティア」と形容する。ウルズガンを見れば、国際社会がアフガニスタンを安全にしようとしても、まだまだ先が長く、外国の援助機関の好意が悪用され、タリバン支配が終わって4年経った今も、抵抗運動を終わらせることができないことがわかる。

カブールには、ショッピング街や携帯電話店が繁盛している。しかしここでは、アスファルトのハイウェイはダートに変わり、夜は真っ暗だ。そして住民たちは、アメリカやアフガン政府を選ぶか、ウルズガンを故郷と見ているイスラーム戦士や麻薬密売人、犯罪人を選ぶか、選択を迫られている。

「アフガニスタンの安全を州別に1から34まで番号をつけるとしたら、ウルズガンはどこだと思いますか? どん尻だ」と、アフガニスタンの米軍司令官Karl W.Eikenberry中将は語る。「でも、変化させることができない州はない。時間がかかるだけだ」。

ウルズガンは危険に満ちているとともに、忘れてきた。他の州では再建が進んでいるが、ここでは治安の状態が改善されるまで、何も始められない。しかしウルズガンに学校や病院、道路や仕事がない限り、治安の状態は改善されないとも言える。現在、すべてが足りない。

ウルズガン州は、かつてはオマール師の故郷だった。いまだにここに住むパシュトゥン族の間で、彼は支持を受けている。タリバン戦士たちは基地を構え、宗教学校で若者たちをリクルートしているようだ。

4年以上、戦闘員たちは米軍に抵抗し、ウルズガン内で自由に活動している。軍のリーダーたちによると、米軍の攻撃的な戦術にもかかわらず、去年は拠点を数カ所で失ってしまったという。逆に抵抗勢力はウルズガンに集結し、攻撃を強化している。米軍兵士100人近くが、命を落とした。

住民や政府関係者たちとのインタビューから、アメリカやアフガン政府に協力的な者たちが多数いることがわかる。しかし、カルザイや彼の欧米支持者たちが彼らの安全を守り続けることができるか、はなはだ疑問だ。

数ヵ月後、米軍兵士はアフガニスタン南部から引き上げ、NATO軍と交代する。ウルズガン州には、オランダ兵が配置される予定だ。しかしオランダは、兵を派遣するかどうか、躊躇している。タリバンやその仲間が、この機に乗じてくる可能性がある。

「ウルズガンの人間のほとんどが平和に暮らしたがっている。戦争はしたくないのだ」と、アフガニスタン南部の国連活動を率いているTalatbek Masadykovは語る。「しかし、アメリカが撤退すると、みんなが噂している」。住民たちは、誰が我々を守ってくれるのか、と不安になっているという。

米軍とともにウルズガン州をパトロールするアフガン国軍兵士Mehrab Gul軍曹は、「もし米軍が今日引き上げれば、明日激しい戦争が起こるだろう」と予言する。

アメリカの関係者たちは、長期的に見れば、アフガン国軍だけが解決策だと語る。国際部隊が引き上げたあとここに留まる、永久的な治安部隊だ。軍隊を訓練することが、米軍の第一使命だった。ラムズフェルド国防長官が米軍兵士の削減を表明したとき、アフガン国軍の進歩を引き合いに出していた。

2005年に、米軍とアフガン軍はともにウルズガン州の奥深くに侵入し、援助プロジェクトを実施しながら、戦闘員たちと戦った。ウルズガンの地形は険しい。裸の山や砂漠化した谷が続く。

米軍特殊部隊とアフガン軍が作った基地のひとつで、兵士たちは四輪駆動車とともに馬に乗ってパトロールした。最近アフガン国軍は、自分たちだけで作戦を実施し始めた。

「アフガン国軍に自立してほしい。そして最近なんとか、自分たちでできるようになってきた」と、5月以来ウルズガン州にいるJason Wel軍曹が語る。

しかしアフガン軍は歩兵隊で、まだまだアメリカに訓練されなければならず、装備も貧弱だ。地域の安全を守るには、まだ及ばない。さらにアフガン警察や州知事の民兵は、それぞれ欠点や限界がある。

各州に派遣されている警察には、汚職が充満している。文民知事のJan Mohammed Khanは、前タリバン戦士だ。彼は自分の民兵を持ち、自分の思うがままにできる収容所を使用する。しかし広大なウルズガンを彼がコントロールすることはできず、抵抗勢力たちがあちこちで活動している。また彼は行政官としての才能は乏しく、周囲を身内で固め、ほとんど開発活動を実施していない。

「知事や長老たちがすべての仕事を牛耳っている」と、アメリカの再建プロジェクトで日銭を稼ぐAkhtar Mohammedが語る。「すべて親戚や友達にやってしまう。だから我々には仕事がないんだ」。

また麻薬の取り締まりも複雑だ。麻薬省の大臣Habibullah Qaderiによると、州知事は去年、大掛かりな麻薬撲滅運動を実施した。いっぽうアメリカの指揮のもとで、貧しい地元の農民たちに芥子栽培の変わりとして、穀物の種を分配しようとしたが、地元の関係者がこれらを売りさばき、利益を横取りしてしまったという。

(中略)ウルズガン州都のTirin Kotで靴を売っていたSatar Khan(35歳)に、身の危険を感じるかどうか尋ねた。「都市の中の治安はよい」。「でも家族を都市の外で失った。みんな殺害されたんだ」。

hoonAfghan Province's Problems Underline Challenge for U.S.
Griff Witte、TIRIN KOT

■アメリカのヘリコプター、パキスタン上空を侵害[060130 News]

日曜日の早朝、米ヘリコプターがパキスタンとアフガニスタンの国境を越え、北ワジリスタンに侵入してきた。

軍報道官のショーカット・スルタン中将は、「技術的な侵害だった」と語り、金曜日にアメリカがアフガニスタン東部で対テロ作戦を実施していたときの事件だと語った。「パキスタン側からの警告を受けて、ヘリコプターは引き返した」という。AFP

《タンクからのSailab Mahsudの追記》

日曜日の朝、北ワジリスタンのLowara Mandi町にある国境地帯のAdamkotに、大砲5発が撃ち込まれた。大砲はアフガニスタンから発射された。

アフガニスタン側でタリバンと米軍主導の同盟軍が戦っている最中に、大砲が発射されたといわれる。いっぽうパキスタン軍は、ワナとアンゴール・アンダの間にあるチェックポストで、Hafiz Muhammad Yousafと名乗るトルコ人を逮捕した。AK47と手榴弾が押収された。

政府関係者によると、男がアルカイダと関係があるかどうか、現在取調中だという。 (中略)Yousafは布教のために、南ワジリスタンに入ったと語っているという。

hoonUS' copter violates Pak airspace


Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.