【2006年2月6日〜2月12日】
●2人のパキスタン人遊牧民の女性が、アフガニスタンからのロケット弾攻撃を受けて死亡したと、パキスタン人政府関係者が語った。
●土曜日に北ワジリスタンで起きたこの攻撃で、子供4人も負傷した。
●地元民によると、何者かに攻撃された米軍主導の同盟軍が、アフガニスタン側からロケット弾4発をパキスタンの部族地帯に撃ち込んだ。
●米軍報道官は、同盟軍が報復としてパキスタン側を攻撃したことを認めたが、負傷者についての情報はないと語った。
●パキスタンが米軍の攻撃を受け、一般市民が殺害されたのは、今年に入って3度目である。
●(中略)米軍関係者によると、同盟軍はコーストのShankaiチェックポストからロケット弾を撃ち込んだという。
●パキスタンの行政官によると、「土曜日の午後遅く、遊牧民家族のテントにロケット弾が撃ち込まれ、女性2人が死亡し、子供4人が負傷した」という。
●米軍報道官のMike Codyは、コーストの検問所が土曜日の午後、パキスタン側から攻撃を受けたと語った。「同盟軍は、国境の向こう側から攻撃されていることを確認したために、パキスタン軍との協力のもとで、攻撃点に大砲を撃ち込んだ」という。
●(前略)ナンガーハル州のジャララバードは、一見するとすべてが政府の支配下にあるように見える。爆発も自爆もなく、タリバンは政府に挑戦してこない。(中略)しかし、時限爆弾が時を刻んでいることは確かだ。
●ジャララバードはナンガーハル州都で、アフガニスタンで2番目に大きな町だ。ソ連撤退後、ジャララバードはアフガン人共産主義者や世俗的ナショナリストの政治的拠点となっている。
●とはいえ州全体で見ると、様子が少し違う。ジャララバード郊外はヘクマチアルが率いるHIAや、Moulvi Younus Khalisが率いる別の組織の人間であふれている。
●タリバンはナンガーハルの人間から、直接支持されたことはない。カンダハル、パクティア、パクティカ、コーストから人間を集め、ナンガーハルの軍閥を倒そうとした。その結果、ヘクマチアルに忠実な司令官たちはパキスタンに脱出したか、一般市民として残ることになった。
●Moulvi Khalisに忠実な者は、パキスタンに脱出する者とタリバンに加わる者に分かれた。
●タリバン崩壊後、ジャララバードは前ザヒール・シャー国王に忠実なナショナリストたちの根拠地になり、その周辺地域では「改宗した」タリバンやHIAの人間は、鳴りをひそめている。
●ところが、最近大きな出来事があった。
●数々の部族たちが州政府に、今後ジャララバード周辺の捜索活動には加わらないという、口頭での取り引きを行なった。前知事Haji Deen Mohammedも、このような合意を取り交わしていた。つまり州を混乱させないよう、タリバンと取り引きをしたのだ。その結果、Haji Deenはカブールに遷された。
●Gul Aga Sherzaiがナンガーハル知事になると、同盟軍たちにタリバンの捜索を要求された。同盟軍とアフガン警察は捜索活動を開始したが、すぐに強い抵抗を受けた。
●そして数ヵ月前、タリバンの使者が個人的にGul Aga Sherzaiを始めとする政府関係者と会い、今後捜索活動をした場合、その報復として死ぬことになるだろうと語った。したがって、ナンガーハルは静かになった。
●現在の抵抗運動は、アフガニスタン南部−−カンダハルからクナールにかけて−−で盛んだ。まず南部で強力な根拠地を築き、その後ジャララバードなどで、これまで鳴りをひそめていた支持者たちが立ち上がり、新たな前線が拡大される。カブールが、最終的な目標だ。
●アルカイダによって、9.11型の攻撃のためにパイロットとして選ばれたマレーシア人は、2002年12月以来マレーシアで拘束されていると、東南アジアの治安関係者が金曜日に語った。
●アルカイダに選ばれたZaini Zakariaは、9.11の攻撃光景を見てから計画から身を引き、イスラームのために殉教することを拒んでいると関係者たちは語っている。
●ブッシュが、靴爆弾を用いてコックピットのドアを爆破してジェット機をロサンジェルスのUSバンク・タワーに激突させるという、アルカイダの計画を暴いた翌日に、この事実を関係者たちが『AP』に語った。ブッシュはワシントンとアジアの国々が協力してこの計画を暴いたとして、計画は東南アジアのある国家がアルカイダ幹部を逮捕したことから、暗礁に乗り上げたと語った。ブッシュは、この国家と工作員の名前は引き合いに出さなかった。
●この計画は、すぐにでも実行できる段階には達していなかったようだ。9.11以後の容疑者の逮捕で、アルカイダや、その東南アジアの仲間組織、ジェマー・イスラミヤに大きな打撃を与えた。
●38歳のエンジニアであるZainiは、アメリカの西海岸の攻撃準備をしていた3人のアルカイダの1人である。彼のほかには、現在アメリカに拘束されているザカリアス・モースサウィと、まだ逃走中のAbderraouf Jdeyがいる。
●2人の治安関係者によると、この事件に関してマレーシアが拘束しているのは、Zainiだけである。Zainiは1999年にアフガニスタンのアルカイダ・キャンプを訪れ、インドネシア人のハンバリ容疑者を含む、テロ組織幹部に出会った。
●同年にマレーシアに帰国すると、Zainiは飛行学校に入学して、小型機の免許を取得した。その後オーストラリアでジェット機の免許を取得するための情報収集をしていたという。
●しかしZainiは、自分の使命が何であったかは、知らされていなかった。9.11の報道を見た後、過激派との関係を絶ったという。Zainiはマレーシアの取り調べ官たちに、「そのようなジハードはしたくない」と語ったという。別のマレーシア人取り調べ官には、「殉教する心構えができていていので、計画から抜けた」と述べていた。
●この「第2弾」攻撃計画は、2004年6月に話題になった。Khalid Shaikh Mohammadが「第2弾のために、3人が選ばれた」と語ったとされ、モースサウィ、Jdey、Zainiの名前が挙がっていた。しかしKhalid Shaikh Mohammadは、「9.11の計画のために忙しく、第2弾にはまだ手が回っていなかった」らしい。
●モロッコ出身のフランス人、モースサウィは飛行機を建物に激突させる計画を立てていたとしてアメリカの法廷で有罪となり、死刑か終身刑が宣告されそうである。
●国務省はチュニジア生まれのカナダ人、Jdeyの逮捕に通じる情報提供者に、500万ドルの賞金を懸けている。(後略)
●ブッシュ大統領が、アメリカの西海岸の高層ビルに飛行機を激突させるアルカイダの計画の詳細を暴いた。
●ブッシュによると、2002年に暴かれた計画のなかには、靴爆弾を用いて飛行機のコックピットを破壊しようとするものもあったという。
●標的は、ロサンジェルスと73階建てのリバティー・タワー、現在は改称されたUSバンク・タワーである。
●ブッシュによると、アルカイダはこの計画のために、過激派組織のジェマー・イスラミヤのメンバーを選んでいたという。計画の首謀者は、アルカイダのKhalid Shaikh Mohammadである。
●ブッシュによると、Khalid Shaikh Mohammadはアラブ人を使わずに、「それほど警戒されていない東南アジアの若者」を選んだという。計画は2001年10月頃から進められていたが、2002年の初めに、東南アジア国家がアルカイダ幹部を逮捕したために暗礁に乗り上げたという。
●この計画は2003年に、ジェマー・イスラミヤの幹部、ハンバリがタイで逮捕された後に暴かれた。(後略)
●木曜日にパキスタンの北西部でシーア派を狙った自爆と銃の発砲があり、29人が死亡した。また、銃を持った男たちがパスを襲撃して、少なくとも4人が死亡した。
●北西辺境州のハングで、シーア派のアシュラの行進が狙われた。爆発が数回あったと言われる。
●ハング病院の医師Abdul Rashidによると、29人が死亡したという。「29人の遺体が収容されている。銃で死亡した者もいる。全員シーア派だ」という。
●シーア派のリーダーMaulana Khurshid Anwarによると、スピーチをしようとしていた瞬間に、ステージのそばで爆発があったという。憤慨したシーア派の男たちが、店や銀行を放火し、空に向けて発砲した。
●ハング警察のMohammad Ayubによると、爆発後に戒厳令が出されたが、その間に何者かが銃を発砲し、警官と兵士、一般市民の4人が死亡したという。
●これとは別にハングの町の外で銃を持った男たちがバスを襲撃して、乗員4人が死亡したという。
●北西辺境州警察長のRiffat Pashaによると、爆発は自爆だったと述べた。事件の後にすぐに軍が出動し、ハングに通じる道路が封鎖された。
●シェルパオ内相によると3回爆発があり、自爆か時限爆弾のようだったと語った。
●(中略)アフガニスタンでもアシュラの行進の際にシーア派とスンナ派が対立し、5人が死亡、27人が負傷した。(後略)
●水曜日に南ワジリスタンで、「アメリカとパキスタンのスパイの運命」と書かれたメッセージと、頭部のない遺体が発見された。また準軍隊が、爆弾やロケット弾で攻撃された。
●Kismat Khanの遺体が、ワナ東部のアザム・ワルサック道路近くのDabkotで発見された。遺体にはパシュトゥ語で、死は「当然」というメッセージが残され、「男はスパイで、パキスタンやアメリカの諜報組織に情報を提供していた」と書かれていた。いっぽう抵抗勢力たちがワナの北部にある準軍隊のチェックポストに、ロケット弾8発を撃ち込んだ。しかし被害はなかった。
●水曜日にワナでは爆発が2回あり、また行政府は「仕事を怠った」として、3人の部族民警察官を逮捕した。また何者かがワナのバザールの夜警を襲撃したが、夜警は無事だった。
●南ワジリスタンでは、2週間前にトルコ人アルカイダ戦闘員が逮捕されて以来、暴力沙汰が続いている。抵抗勢力たちは、このトルコ人の釈放を求めている。
●水曜日にタリバン司令官が、ムハンマドを揶揄した漫画を書いた漫画家の暗殺に、金100キロの賞金を懸けると語った。
●デンマークで発表された漫画を書いた漫画家を殺害したら「タリバンは金100キロを与える」と、ダドゥッラー師が電話で『Afghan Islamic Press』に語った。
●またデンマーク、ノルウェー、ドイツ兵を殺した者には、金5キロを与えるという。
●インドはアフガニスタンに、インド人労働者の警備のために、300人の特殊部隊員をカンダハルとイランとの国境付近に派遣する。
●パキスタン当局は、インドがバローチスタン州の抵抗勢力たちに資金や武器を供給しているという、確かな情報をつかんでいる。
●ムシャラフ大統領は、インドを名指しさえしなかったが、バローチスタンに外国が介入していることを既にほのめかしている。パキスタンの国境近くにインド軍が派遣されることについて、パキスタンは強い懸念を示している。
●外務省報道官のTasneem Aslamは、インドの外交官が特殊部隊員とともにアフガニスタンとの国境近くにいることは正当化できないと述べ、状況が悪化することに懸念を示した。
●インド政府関係筋の話として『Press Trust of India』は、ニューデリーがアフガニスタンで高速道路を建設中のBorder Road Organisation(BRO) の警備のために、インド・チベット国境警察隊員(ITBP)300人以上を派遣することを決めたと報道した。(中略)すでにアフガニスタンには80人の兵士たちが派遣され、活動に従事している。
●(中略)最近までインド大使館の警備のために、約20人のITBPが派遣されていた。インドは、カンダハルにインド人が住んでいないにもかかわらず、カンダハルに航空機を飛ばそうと計画している。またインド領事館の外交官たちは、諜報組織であるReference and Analysis Wing(RAW)から選出されている。
●カンダハルのインド領事館は、バローチスタン抵抗勢力たちの拠点となる恐れがあると、パキスタンは憂慮している。(後略)
●カンダハルで、自爆犯が警察本部の外にある詰め所で自爆して、13人が死亡、11人が負傷した。これに対してタリバン報道官のQari Mohammed Yousafが犯行声明を出した。
●死亡者のうち10人が警備にあたっていた警察官で、残りが一般市民だったという。
●犯人は「バイクで詰め所に突っ込み、巨大な爆発が起きた」と、警察幹部のJanMohammedが語った。
●(中略)Yousafによると、自爆犯はカンダハル出身のタリバンだという。「タリバンの犯行である。政府や同盟軍に対するこのような攻撃を続ける」と、事件があった1時間後に、『AP』に電話で語った。(後略)
●北ワジリスタンを制覇したタリバンは、アフガニスタンにいる米軍主導軍に対する抵抗運動のために、重要な拠点を築いた。これでイラク、イラン、アフガニスタンにおける反米抵抗勢力が結束し、今後同一戦略による戦いが開始しそうだ。
●最近タリバンは、北ワジリスタンに「イスラーム国家」を設立したと主張し、これまで野放しになっていた犯罪者たちの処分に乗り出した。
●部族地帯として、北ワジリスタンはこれまでイスラマバードとは独立して存在し、パキスタン軍がこの地域で外国人戦士やアフガン抵抗勢力を掃討しようとした際にも激しく抵抗し、軍を追い返してきた。
●タリバンとその支持者たちはパキスタンの準軍隊が使用する道路に爆弾を仕掛け、ほとんど毎日、車両1〜2台が爆破されている。こうしてワジリスタンの部族地帯の拠点から、治安部隊を追い払っている。簡単に言えば、行政府の権力は、ミランシャーのバザールとワナのバザール以外には及ばない。その他の地域では、タリバンがのさばっている。
●『Asia Times』が入手したタリバンのビデオを見ると、北ワジリスタンがタリバンの支配下にあるとが明白だ。若者数千人が基地に集結し、アフガニスタンでの攻撃の準備をしている。またタリバンが犯罪者を処刑する場面も収められている。。
●ビデオではまず、タリバンによって処刑された、頭のない男の遺体が、ミランシャーのバザールに吊り下げられた様子が映し出される。次はタリバンの基地が映し出され、ターバンをまいた数千人の若者たちが、銃を持って集結している。司令官たちが戦闘員たちを点検し、コハートの米軍基地を襲撃する部隊を選び出す。ゲリラ戦だ。男たちは「神は唯一の神のみ。ムハンマドは神の使者なり」と書かれたはちまきをしている。
●戦士たちは夜中に基地を出動し、コーストに向かう。30分ほど戦いが続いたあと、米軍基地から炎が上がる。小隊は夜明け前に戻ってくる。
●さらに、ワジリスタンにイスラーム国家を築いたと主張する「声明」が発表され、北ワジリスタンがタリバンに支配下にあることを表明する。
●(中略)イスラーム国家設立の表明は、今年の夏のタリバンの攻撃を予告するものである。ちょうどその頃イランでは、国連による核の調査が実施され、欧米はイランに核計画を放棄するよう、圧力をかけてくるだろう。
●アメリカとイランのいざこざは、アルカイダにとっては好都合で、イラクからアフガニスタンにまたがる、反米抵抗運動の拠点と指令システムを確立してくるだろう。現在唯一イランが、この計画を実現するための弱点になっている。
●タリバンとイランの間には接点はないが、アルカイダのエジプト支部はイラン政権と、伝統的な関係を保っている。イラン革命のイデオロギーを提唱したのは、そもそもイスラーム同胞団のSyed Qutubによって啓示を与えられたAli Shariati博士である。同様にパレスチナのイスラームジハードはスンナ派であるにもかかわらず、シーア派のイラン革命に影響されている。
●アルカイダのイランとの関係は、現在はほとんど目立たないが、今後非常に重要になってくる可能性がある。イランに制裁が加えられたり、万が一アメリカに攻撃されたとしても、テヘランの味方になる国家はないはずだ。
●しかしアルカイダはこの機に乗じ、味方をする見返りとして、イランにアフガニスタンとパキスタンをイラクやアラブ世界と結ぶための橋渡しをしてほしいと要求するだろう。
●タリバンのビデオ・ディスクはパシュトゥ語とウルドゥー語で、犯罪者たちが北ワジリスタンにのさばっていたと主張する。犯罪者たちは子供たちを誘拐して犯すことは日常的な出来事で、店や車から保護税を巻き上げていた。この犯罪集団のボスは、アフガン人のHakeem Khan Zadranだった。麻薬や女性、アルコールが自由になる隠れ家が、各地にあった。
●政府さえもが、政府の問題に介入しないことの見返りとして、この犯罪集団に賄賂を支払っていた。
●しかし去年の12月、変化が起きた。タリバン戦士たちがコーストを襲撃しに向かったところ、この犯罪集団に通行税を要求された。タリバンをこれを拒否したが、通行を許可された。しかし数キロ行ったところで、犯罪集団がロケット弾を発射して、タリバンが乗った車を爆破した。ワジール族出身のタリバン4人が死亡した。
●この事件が、タリバン支持者たちを怒らせた。彼らはミランシャーに出向き、犯罪者たちの家のそばに住んでいる者たちは立ち退くように指示。そして一味のアジトが襲撃された。15分に及ぶ銃撃戦の結果、犯罪集団のメンバー数人が殺害され、数人が拉致された。多くは逃走した。
●ビデオによると次の3日間、タリバンは北ワジリスタン全域から逃走した犯罪者たちをあぶり出した。多くがミランシャーのバザールで、衆人の前で処刑された。
●16年前、アフガニスタンのザーブルとカンダハルでも、同じようにしてタリバンが出現した。タリバンは北ワジリスタンで非常に強力になったために、パキスタン軍は退いてしまった。現在は、地元部族民に支持された、人気のある運動になってきた。
●タリバンはアラブ人、チェチェン人、パキスタン人、アフガン人、ウズベク人、そして地元の人間を含めて、数千人の歩兵たちを集めた。北ワジリスタンは今や彼らの「イスラーム国家」で、アフガニスタンで実施される予定の夏の攻撃に戦闘員を送り出すための拠点となった。
●『Asia Times』の調査によると、百人以上の自爆志願者たちが、夏の攻撃に備えている。これらの小隊は、それぞれアフガニスタン全土の特定の場所に派遣される予定である。またタリバンのリーダーたちは、アフガニスタンの新国会内部に支持者を持っている。
●タリバンは、アフガニスタン南部と南東部の州知事たちに警告を既に発し、タリバンの捜索活動をしないように警告している。そんなことをしたら、自爆事件が起きると脅かしている。(火曜日にカンダハルでは、自爆犯が警察本部の前で自爆して、13人が死亡、11人が負傷した。)
●ダドゥッラー師のような地元のタリバン司令官はすでに現場に入り、アフガニスタンのパシュトゥン族の故郷で、アフガン人たちを指揮しようとしている。
●カブールにいるヒズビ・イスラームの情報源によると、長い間カシミール・カーン司令官から音沙汰がなかったために、米軍に逮捕されたと噂されていたが、最近隠れ家から出てきて、クナール谷で勢力的に動いている。地元の部族民たちにも、協力を呼びかけてもいるという。
●「万が一この戦略が成功すれば、アフガニスタンの同盟軍たちには大きな打撃となるだろう。特にイランに圧力をかけようとしている時期だ。大きな影響力が出るはずだ」と、諜報情報アナリストが語った。「しかしタリバンは、冬は自爆攻撃を行なうと主張していたが、例外はあるにしても、同盟軍に対してそれぼど大きな打撃は与えられなかったようだ」。
●しかしこれも、タリバンが北ワジリスタンに拠点を築く前のことだ。今度は様子が違いそうだ。
●バローチスタン州のOwais Ghaniが、アフガンの軍閥や民兵の麻薬密売人たちが抵抗勢力に資金を回している、と語った。最近この地域では、21人が死亡している。
●パローチ族の戦闘員たちは長年抵抗運動を続けてきたが、去年から急激にその動きが激しくなってきた。
●Ghaniによると、カルザイ政権に力がないために、アフガニスタンの何者かが介入して、状況を悪化させていると語った。「残念ながら、カルザイの中央政府は地方には権力が及ばず、軍閥や麻薬密売人たちがバローチスタンに武器を支給している」という。「アフガニスタンから入ってくる武器の10〜12%は阻止しているが、国境は長いために、これを完全にすることは難しい」。
●日曜日に、クエッタから60キロの地点でバスが爆発し、13人が死亡した。また日曜日に、抵抗勢力がスイにロケット弾100発を撃ち込んだ。
●金曜日と土曜日には、ロティ・ガス田の近くのデラブグティに、ロケット弾が雨のように撃ち込まれた。
●Ghaniによると、1国以上の国がバローチスタンの問題に関与していると述べ、それがインドであることを示唆した。「これらのグループは、武器の購入に5億ルピー以上を費やしている。どこから金がくるのか、わかない。特定の国の名前は挙げたくないが、それがインドであることは誰でも知っている」。
●タリバン司令官のSabir Mominが、スピンボルダックで発生したアフガン軍との戦いで死亡したと、Radio Mashhadが報道した。
●メディアの報道によると、司令官はバローチスタンのチャマンに埋葬された。
●アフガン州知事を暗殺しようとしていたアルカイダの自爆犯が逮捕され、これとは別に、戦闘に巻き込まれた米兵1人が死亡、道路建設中の人夫3人が負傷した。
●またヨーロッパの漫画でムハンマドを冒涜したとして、数千人の民衆が抗議し、抗議者3人が死亡、20人ほどが負傷した。暴動は、タリバンやアルカイダが煽動しているという。
●バルフ州の行政本部にいる治安部隊が、体に爆発物を巻き付け、携帯電話にも爆弾をしかけたマリ国籍の男を逮捕したと、州知事Atta Mohammadが語った。
●州知事と会見予定になっていた男が怪しいという情報が入り、警備員たちが、マザリシャリーフの政府関連施設がある庭で、建物内に入ろうとした男を取り押さえた。
●男を逮捕すると、「アッラー・アクバル」と叫んで爆発物を爆発させようとしたという。「アルカイダ以外、このようなことはしない」と、知事が語った。
●いっぽう月曜日に、ラグマン州でパトロールしていた米軍が、「敵軍」に襲撃され、殺害されたという。
●コースト州では、アフガン軍と米軍がパキスタンとの国境で敵の戦闘員2人と銃撃戦となり、1人を殺害、1人を負傷させた。国境警察隊員2人も負傷したという。
●またヘルマンド州では、アフガン人道路工事の人夫が車の中から発砲されて負傷した。
●さらにナンガハール州では、米軍基地に燃料を供給していたタンクが、爆弾で爆発した。この事件と関連して、パキスタン人2人が逮捕された。(後略)
●Arwali墓地は、クラム行政区本部のパラチナールに向かう道路沿いにある。墓地には5つの墓があり、コンクリートの壁で守られている。木曜日になると人びとがこの墓地を訪れ、さまざまな色の布や糸を鉄門に巻き付け、墓の上に置かれた素焼きのボールに入れた塩をなめる。これらの儀礼を行なうことで、病が治ると信じられている。
●これらの墓は、パキスタン準軍隊と戦って死亡したアルカイダ戦士のものである。アルカイダは2001年にトラボラの爆撃後、パキスタンに入ってきた。そしてバラチナールで、パキスタンの治安部隊に逮捕された。主にアラブ人からなる逮捕者156人を、軍かコハート刑務所に送ろうとした際、パラチナールから46キロ離れたArwaliで戦いが発生した。それぞれ10人ほどのアルカイダと治安部隊兵士が殺害された。死亡したアルカイダ10人のうち、5人がArwaliに埋葬され、2人がNaraliに、3人がBagzaiに埋葬された。
●「助けを求められたら、だれでも助ける。それが時には殺人者であることもある。しかし一時的に匿う。命を助けてあげたいだけだ」と、平和委員会のQurban Aliが語る。しかし、委員会は行政区が平和であることを願い、外国人を匿うことで、平和を失いたくないと言う。
●「最初は、祈るために数人が墓を訪れるだけだった。次第に、アフガン難民、特に女性たちがこの墓を訪れ始め、病を癒すために、巡礼するようになった」と、Arwaliの住民Noor Jamalが語る。アフガン難民がアフガニスタンに帰還したあと、数は少なくなったが、いまだに地元の人間が訪れているという。
●南ワジリスタンのTanai地区で、パキスタン軍と国境警察に水を供給していた給水車が爆発し、運転手が負傷した。
●情報源によると、車はTanai地区からGulkachに向かっていた際に攻撃された。改良爆弾が、遠隔操作で爆発したようだ。
●後に行政側は、この地域に住んでいる部族民7人を、集団責任のもとで逮捕した。
●いっぽう同じ道路で、軍のために鶏を運んでいた車が、武装した6人の男に襲撃された。運転手は、車ごとどこかに連れて行かれた。車には鶏600羽が積まれていた。
●さらに南ワジリスタンでは、何者かが土曜日の夜、シャカイのAsman Pangaにある軍の検問所に、ロケット弾4発を撃ち込んだ。さらに南ワジリスタンと隣接するジャンドーラの国境地帯にあるKhaisaray村付近で、男の遺体が発見された。目撃者によると、男2人が乗った白い車が走ってきたあと、後ろに引き返していったという。