【2006年2月13日〜2月19日】


■「自爆準備完了」タリバン、隊の襲撃の機を伺う[060219 Daily Telegraph]

パキスタンの部族地帯のタリバンのまとめ役Mohammed Khwajaは、長い髭をなでながら笑顔を浮かべ、ヘルマンド州に英軍が到着したときのことを考えた。

「アメリカとの戦いだと思っていたが、19世紀にヘルマンドでアフガン戦士に殺害された英兵の魂が、退屈し始めたようだ」。「孫たちを、地獄から呼んでいるのだろう」。

夏までには、英軍3300人がヘルマンドに派遣される。1880年にマイワンドの戦いで、英兵962人が惨殺された現場の近くだ。

Khwajaが正しいとしたら、21世紀の英軍と戦うのはアフガン人自爆班だ。9.11以後米軍と戦ったジハード者は今、パキスタン部族地帯から若いアフガン難民たちをアフガニスタン側に送り込み、戦わせている。32歳のKhwajaは、すでにアフガニスタンに、数十人の「自爆準備が完了したタリブ」を供給したと自慢する。ヘルマンドでパトロールを開始する英軍を、さっそく攻撃する準備をしているのだ。

「ここにいるすべての者はジハードを信じ、命を捧げる準備がある」。「それを確信したなら、訓練などは必要ない。ダイナマイトを仕掛けたジャケットを着込み、標的の隣で自爆するだけだ」。「米国人たちはバンカーに身を潜めるか、意味なくパトロールをするだけだ。英軍数千人が合流する頃になれば、タリブはあちこちで自爆を始めるだろう」。

この数ヵ月の間で、Khwajaの仕事は大きく変化した。戦士たちを勇気づけて国境の向こう側に送り込み、殺害されたら遺体を回収して回った。今は、片道の旅を手配するだけだ。自爆攻撃すれば、遺体はない。

Kila Saifullahの近くのアフガニスタンの村で生まれたKhwajaは、信心深いムスリムの家庭で育った。2001年にはクンドゥーズで米軍と戦いったあとにカブールに移り、カブールが陥落してからはカンダハルに撤退した。そこで演説したオマール師を囲む、一団のメンバーだった。

Khwajaによると、オマール師はラウドスピーカーを用いて短い演説をした。支持者たちに故郷に帰り、招集がかかるまで待つようにというものだった。

2年間パキスタンに隠れ続けたKhwajaは、新たに再結成して米軍を攻撃することを決意した。オマール師はまだ逃走中だ。

Khwajaと他のタリバン幹部工作員たちは、英軍を撃退するためには、自爆が唯一の方法であることを確信したという。「通常のゲリラ戦法では、犠牲者が多すぎる。自爆なら、1人で多数を殺害できる」。

自爆の戦法は、イラクの出来事を研究した末だという。自分たちはカルザイが言うように「必死になっている」ためではなく、計算された戦法なのだという。

パキスタンの政府関係者によると、タリバンの仲間であるアルカイダたちも、ヘルマンドなどの国境地帯に潜入しており、アフガン人たちに自爆の訓練を与えているという。

タリバン攻撃は、ヘルマンド、ザーブル、カンダハル、ウルズガンで盛んだ。11月以来アフガニスタンでは、15回の自爆事件があった。

クエッタにいるパキスタンの親タリバン政党、イスラーム神学者協会のSyed AbdulSattar Shahは、タリバンは英軍を敗北させるために、一般の支持をすでに獲得したという。

タリバン政権崩壊後にアフガニスタンの貧困層は、アメリカから「ドルの波」が押し寄せてくることを期待していた。しかし現実は、占領で「ピーナツ」を得ただけだ。

バローチスタンの部族長Sardar Haji Lashkariは、南で再びタリバンが支配的になっているようにアフガン人たちは感じている、と語る。「未来に備えて、タリバンの一味に参加し始めた」。

Kila Saifullahでは、タリバンは人気を獲得している。「これまでは資金や戦術が欲しいだけで、死を志願する者はいなかった」。「しかしこの数ヵ月で彼らは、自分たちにはまだ戦力が残っていることを証明した」。

Khwajaは、英軍の到着が待ち遠しいと語る。「彼らをはめて、全員殺害しようと思う。逃げ延びる機会はないはずだ」。

hoon'Suicide-ready' Taliban lie in wait for troops
Massoud Ansari、Kila Saifullah、Pakistan

■MMAの抗議集会、今日予定される。Qazi, Fazl逮捕[060219 Daily Times]

MMAの取り調べで、MMA会長のQazi Hussain Ahmedと副会長のマウラナ・ファズール・レーマンが自宅軟禁となり、900人のMMA活動家が土曜日に「保護拘置」された。

イスラマバードでは「一般人の平和のため」に、抗議運動をすることを禁じらていたが、MMAは抗議集会を今日強行すると主張していた。

『Geo』テレビによると、ラホールのMansooraで自宅軟禁となったQaziと、イスラマバードの自宅軟禁となったファズールは、ムハンマド冒涜に対する抗議集会を率いることになっていた。政府関係者はMMAのリーダーたちに、「法と秩序を守る」ために拘束すると告げられたと、テレビが報道した。

MMAのリーダーFareed Pirachaによると、地方政府は活動家1300人を逮捕したという。ラワルピンディやイスラマバードから、のMMAリーダー数十人が逮捕された。

(中略)バジョール行政区では数千人の部族民が集まり、漫画家を殺害した者に1億ルピーの賞金をが懸けられた。

hoonQazi, Fazl detained as MMA vow to rally today
LAHORE

■Mansoora、取り締まり[060219 News]

政府は土曜日に、イスラマバードでムスリムを冒涜する漫画に対するデモを禁じ、マウラナ・ファズール・レーマンを自宅軟禁にした。Chiniotではデモ隊に対して警察官が銃を発砲し、4人が負傷した。

ラシッド情報相が、MMAが今日計画していた抗議運動に対しても適応されると語った。「MMAのリーダーたちには、抗議運動やデモをイスラマバードで実施することを禁じることを申し渡した」という。しかし宗教政党は、計画通り抗議運動を強行すると主張した。

MMA会長のQazi Hussain Ahmadが日曜日の朝、イスラマバードの抗議集会に出席しようとしてMansooraのイスラーム協会本部を出ようとした所を、逮捕された。(中略)

さまざまな宗教政党に属する158人がラホールで逮捕され、警察がマドラッサや宗教指導者の家を家宅捜索した。(後略)

hoonMansoora under siege
Asim Hussain & Sajjad Shafiq Butt、LAHORE

■兵士6人、爆発で負傷[060218 Daily Times]

金曜日に南ワジリスタンで、兵士6人が地雷の爆発で負傷した。爆発は20台の軍の車列がワナからジャンドーラに向かっていた際に、Tanai村の近くで発生した。

この爆発で兵士6人が負傷し、車は大破した。(後略)

hoon6 troops injured in mine blast
WANA

■アフガンのテレビ、アルカイダによる殺人を放映[060217 AFP]

アフガニスタンのテレビが、タリバンやアルカイダと対立するパキスタン人を斬首するなどして殺害する様子を放映した。

『Tolo』テレビが、3人の男の首を観衆の前でかざして見せる様子を放映した。さらにピックアップ・トラックが、遺体数体を引きずり回す様子も放映された。

『Tolo』のビデオは南ワジリスタンで撮影されたという。男たちは、「アルカイダやタリバンが南ワジリスタンにいることに反対」したために殺害されたという。

「Toloテレビが入手した映像には、6人の遺体がワジリスタンのMandrakhelの町中を車で引っ張り回される様子が遷されている。その間、パキスタン人の私服の軍人は、見て見ぬふりをして歩いていた」という。「別のシーンでは、虐待された遺体や切り落とされた首が、さまざまな場所に陳列され、この地域のアルカイダやタリバンに歯向かわないように脅迫している」。「観衆が『ビンラディンに幸あれ』『オマール師に幸あれ』と、叫んでいた」という。

テレビは、1ヵ月前の出来事だというこの映像を、どのように入手したかは語らなかった。(後略)

hoonAfghan television broadcasts footage of Al-Qaeda murders
KABUL

■ミランシャーにアフガニスタンからロケット弾2発[060217 News]

水曜日の夜、アフガニスタンにいる同盟軍が北ワジリスタンのSaidgaiの町に、ロケット弾2発を撃ち込まんだ。被害者はいなかったが、村人たちはパニックに陥った。政府関係者と部族の情報源が、パキスタン内にロケット弾が撃ち込まれたことを認め、コースト州のZhawarキャンプに近いチェックポストを攻撃した抵抗勢力を追跡して、同盟軍が攻撃したのだという。

いっぽうミランシャーに近いSarabanki村のチェックポストが水曜日の夜、ロケット弾で何者かに攻撃された。負傷者はいない。部族民の情報源によると、チェックポストの治安部隊兵士たちが、重兵器を用いて応戦したという。

hoonTwo more rockets fired from Afghanistan
MIRANSHAH

■ウズベク人2人、ワジリスタンで逮捕[060216 Dawn]

治安部隊が、北ワジリスタンのMirali近くのKhajuriチェックポストで、ウズベク人過激派2人を逮捕した。

2人はMohammad AzizとMahmoodと名乗り、ユルダシェフのウズベキスタンイスラーム運動の関係者と思われる。

hoonTwo Uzbeks held in Waziristan
MIRAMSHAH

■戦闘員2人、ワジリスタンで逮捕される[060216 Daily Times]

中央アジア出身の過激派2人が、北ワジリスタンで逮捕された。アルカイダと関係があると見られている。

2人は火曜日遅くに乗り合い自動車に乗っていたところ、ミランシャー郊外のKhajuriチェックポストで逮捕された。「風貌から、ウズベキスタン人のようだ」と、政府関係者が述べた。

hoonTwo militants arrested in Waziristan
MIRANSHAH

■アルカイダのパキスタンとの関係、強化[060215 UPI]

アメリカのテロ専門家が水曜日に、アルカイダはパキスタンの過激派や過激派組織に頼り始めていると述べた。ABCテロアナリストのAlexis Debatが、アルカイダの「パキスタン化」について語った。Debatによると、テロ組織がいかに機能しているかを見直すために、諜報情報を分析する必要があるという。「アルカイダはパキスタンの過激派組織に浸透し、今は彼らを頼っている状況だ」と語る。「過激派組織は、興味深い方法で発展している。それ自体が、小さなアルカイダになった。ここ数年間の展開を見てみると、これらの過激派組織はアルカイダのなかで、重要な位置を占めていることがわかるだろう」。

アルカイダがパキスタンの過激派と関係したり依存することは、今に始まったことではない。「90年代、アルカイダのキャンプで訓練された人間のほとんどがパキスタン人だった」。「97年に始まり、98年、99年と訓練士はパキスタン人だった。アルカイダのパキスタン化は、当時非常に顕著だった」。アルカイダは「過激派社会だけでなく、パキスタンの社会自体のなかにも浸透していたという。Debatは、アルカイダ工作員たちは政治政党であるイスラーム協会に関係する地元政府関係者に匿われていた、と語る。「これは根本的な挑戦といえる。単にアルカイダの根が深く浸透しているという次元の話ではなく、パキスタンの社会そのものや、政治的共同体の問題なのだ」という。

またDebatは、ビンラディンが1年の一部をパキスタンで隠れて過ごしている証拠がある、と語った。またパキスタン陸軍は、ムシャラフ暗殺未遂事件や2005年7月のロンドン爆弾事件など、アルカイダの手先として活動したことがあるとも述べた。

hoonAl-Qaida's connections to Pakistan grow

■アフガン諜報部員2人、殺害される[060215 AFP]

タリバンがアフガニスタン西部でアフガン人諜報部員2人を拉致し、砂漠に遺体を放置した。

男たちは月曜日にファラ州でバイクに乗っている所を拉致され、翌日砂漠に遺体が放置されているのが発見されたと、州知事Hazatullah Wasefiが述べた。2人は州の治安部隊のために、タリバンなどの抵抗勢力たちの諜報情報を収集していたという。

これまでファラは、タリバンの攻撃を受けていなかった。(後略)

hoonTwo Afghan Intelligence Agents Killed
KABUL

■パキスタンの医師とアルカイダ[060215 Daily Times]

医師Ahmad Javed Khwaja(63歳)が、土曜日にラホールのManawanで、自分の診療所に向かって歩いていたところを暗殺された。この事件で、地元のシンパたちが反米スローガンを掲げて、デモを行なった。こうしてイスラームの教えに感化され、アフガニスタンのアラブ人戦士たちを助けることは人間の使命だと心底信じていた、この無実のあわれな人間の生涯が終わった。

Khwaja医師は2002年に、アルカイダを匿い、治療したとして逮捕された。父親に協力していた同じく医師である息子は、父は嘘をついたことはないと語った。FBIの取り調べで、彼はアラブ人やアフガン人戦士に共鳴していることを認めた。またアラブ人アルカイダAbu Yasirのパンジャーブ人の妻を匿ったことも、認めている。9.11以後アフガニスタンを3度訪れたといわれるが、テロと関わった証拠がないとして、2003年に釈放された。

彼が匿ったといわれるアルカイダには、Khalid Shaikh Mohammadもいる。そのために政府は危険な男として、Khwajaを逮捕したようだ。ラホールの医師たちはこれに対して抗議運動を繰り広げ、最終的に最高裁判所が彼の釈放のために仲介をした。

Khwaja一家は、アメリカの国籍を持つ。ラホールのKing Edward Medical Collegeを卒業したあと、アメリカに留学して修行した。1966〜1982年までアメリカに滞在したために、アメリカ市民となった。息子2人と娘2人も、アメリカの国籍を持つ。その後彼はパキスタンに戻り、兄弟とともにManawanに土地を取得して生活を始めた。Khwaja医師がラホールの医学大学で教える間、ゴム工場を営む弟が、彼を資金的に援助していた。毎日数百人の患者を無料で治療していたために、高く評価されていた。

Khwajaは、アルカイダに共鳴していた。彼は非常に信心深い家庭に育ち、従兄弟はラホールのイスラーム協会会長の国会議員Hafiz Salman Buttである。アフガニスタンでビンラディンを治療した別の医師、Amer Azizも、非常に信心深い家庭の出身だ。単に職業としてではなく、イスラームの教えに従って、彼らは行動していた。パキスタンの医師たちは彼らを支持し、彼らの逮捕に抗議して回った。

イスラームの教えは、非常に深い所まで浸透している。医師たちは単に職業として行動しているのではなく、イスラームの教えに従って行動している。Akmal Waheed医師と弟のArshad Waheed医師は昨年カラチで、「過激派Jandullahの工作員の治療をして匿った証拠を隠滅した」罪で、18年の刑を宣告された。この兄弟医師は、アルカイダ系のJandullahの工作員たちを匿い、訓練し、資金や治療を施し、南ワジリスタンの訓練所に送り込んだことで起訴された。現在裁判は控訴中だ。この件に関しても、同僚の医師たちが逮捕に抗議している。

このJandullahの医師たちの件は、注目に値する。2004年のカラチの警察司令官暗殺未遂事件や、ムシャラフ暗殺未遂を事件を実施したのは、Jandullahだ。またこの2人の医師は、イラクのザルカウィとも関係があったという報告もある。兄弟はカラチにある自宅に彼を匿い、南ワジリスタン経由でアフガニスタンに送り出したといわれる。Akmal WaheedとArshad Waheedは報道陣に、「アメリカを満足させるための、政府の政策」があることは、最初から予測していたと語っている。

Ahmad Javed Khwajaの暗殺は、諜報情報に基づいて人を殺害するという、新たな時代に突入したことを物語るのかもしれない。アルカイダやタリバンに関与する医師たちを排除することを、誰かが決定したのだ。Khwajaの暗殺はプロの仕事だった。ラホールでは、2万ルピーで殺人を依頼することはできる。その背後には誰がいるのか?

 (後略)

smellOur doctors and Al Qaeda

■タリバン、パキスタンから支援される[060214 New York Times]

アフガン政府関係者によると、アフガニスタン南部の自爆事件に関与した疑いのある容疑者数人の取り調べから、前タリバン政権メンバーがパキスタンで計画を練り、パキスタン人の自爆志願者を用いていることがわかったという。

関係者によると、組織はパキスタン政府の取り調べを全く受けていないという。

逮捕された21人のうち、アフガン人2人とパキスタン人3人の取り調べの様子がビデオに撮影され、あるアフガン人政府高官がこれを『New York Times』のレポーターに見せた。

容疑者によると、まずカラチで、若い自爆志願者たちを選出するところから始まったという。自爆者たちはクエッタとチャマンなどの国境の町にあるアジトに移動したあと、アフガニスタンに入る。そこで車や爆発物を与えられ、目的地に送り出された。

これらの自爆攻撃で約70人が殺害された。ほとんどが一般市民であるが、国際平和維持軍、カナダ人外交官、アフガン人警察官やアフガン軍兵士12人も殺害されている。以前タリバンの基地だった町カンダハルでは、15回も自爆事件があった。

タリバン報道官のQari Yousuf Ahmadiは、これらの容疑を否定する。「政府のプロパガンダだ」と、衛星電話で語った。「我々のムジャヒディンは、1つのグループの人間を、1ヵ所に送り込み、そこで逮捕されるようなことはしない。我々ムジャヒディンは、さまざまな人間をさまざまな場所に、それぞれのタイミングで送り込む」。さらに、パキスタン人を攻撃のために使う必要はないという。自爆者たちは「全員アフガン人だ」と、説明した。

しかしアフガン政府関係者は、組織を調べたところ、パキスタンに抗議する必要がある証拠が出てきたという。「自爆者たちの工場があるようだ」と、アフガン政府関係者が語った。

カルザイ大統領はこの件に関して、ムシャラフと話し合うためにパキスタンを訪問予定だ。

先週テレビでの記者会見でカルザイは、自爆犯たちについて婉曲に語りかけた。「もしあなたがたが自爆するのであれば、なぜ警察本部の前で自爆するのだろうか。あなたがたと同じような人間がパスポートを取得しようと、すぐ目の前に立っているというのに」。カルザイは、この問題をその根本から解決する必要があると語った。

パキスタンに対する感情がアフガニスタンで悪化しており、人びとはパキスタンの支援なしに、タリバンは機能できないはずだと考えている。

「攻撃してくる者たちは、ほとんどアフガン人ではない」と、カンダハル州知事のAsadullah Khaledが土曜日に語った。「我々は証拠をつかんでいる。逮捕者もいる。住所もわかっているし、カセットも押収した」。

しかしカルザイは先週のスピーチで、自爆犯たちはパキスタン人だけではないと語った。アフガニスタン北部の州知事を殺害しようと計画していたのは、マリ出身の男だったという。「いったい誰が彼を送り込んだのだろう? アフリカの国々がそのようなことをするとは考えられない」。

先週、イラク人とカシミール出身のパキスタン人3人が、ニムルーズで逮捕された。イランとの国境にある州だ。この地域にいるのは、パキスタン人だけではないと、ある米軍関係者が語った。

ビデオ・インタビューで、パキスタン人と名乗る3人の男たちは、自分たちは自爆者として選出されたとウルドゥーで語った。Akhtar AliとSajjadと名乗る2人は、タリバンのために働いているJamalという男に声をかけられたという。Jamalは、カラチで本屋を営んでいるらしい。

3人のなかで最も若く見えるSajjadは、自分はパキスタンの北西部出身だが、カラチにいる兄の家に滞在していたという。Jamalに、天国に行くため聖戦を戦うことを呼びかける、イスラーム聖職者のビデオを見せられたという。

「特別なことをしていたのではない。ぶらぶらして、クリケットやフットボールをしていたんだ」と、Sajjadは語る。「maulavi sahib(宗教指導者)が私に話しかけ、カセットを見せられた。そうやって引き込まれたんだ。彼らはカセットから話しかけてきて、こうしろ、ああしろ、アメリカ人を殺せと言ったんだ」。

20歳半ばのように見えるカラチ出身のAliは、5年前のタリバン政権時代に、パキスタンの過激派組織ハラカット・ウル・ムジャヒディンの訓練を受けた時のことを、ため息をつきながら語った。当時は、アフガニスタンには行かなかった。また現在はパキスタン政府が取り締まりを開始し始めたために、組織の人間の行動を制限しているという。

彼に行くように説得したのは、カセットの中のイスラーム聖職者だった。「ジハードを戦うために、アフガニスタンに来たんだ。聖職者たちが、ジハードを戦えば天国に行けると説いたので、自爆することにしたんだ」。「カセットがあって、彼らは言うんだ。『あそこには、非ムスリムに対するジハードがある』」。

3人目の男はAbdullahと名乗り、ペシャワル出身である。現在はカラチで働き、Iqbalという仲間に声をかけられた。「Iqbalはアメリカ人と戦うことについて話していた。アフガニスタンに行ってジハードを戦うことについても話していた。私はそんなことはできないと言ったのだけど、説得されたんだ」。

それぞれ別々にクエッタに送られ、Abdul Hadiというアフガン人タリバンに紹介された。

2回自爆しようとしたSajjadは、2回ともクエッタのFarrouqiという男の家に滞在したという。最初の自爆はカブールで計画されていたか、車に爆弾を仕掛けていた男が、誤って爆発物を爆発させて死亡したために失敗した。2度目にアフガニスタンに行く前、Farrouqiの家にいたムラーが、これから自爆に行くといいながら、自分をビデオに撮影したという。

SajjadとAkhtar Aliはカンダハルで、アフガン人仲介者Nur Naqiとともに、アジトに到着する前に逮捕された。

するどい目つきのAbdullahは、アフガニスタンに行くと2日間土地の人間の世話になり、爆発物を搭載した車とガス・シリンダーを供給されたという。「どのボタンを押したらいいか、友人が教えてくれた」。

爆発物を搭載した車に乗っていたところ、警察官に車を止められたために起爆させようとしたと、取調官がテープの中で解説している。しかしAbdullahは爆発物を起爆させようとしたことを否定して、悪路で米軍の車例に追いつこうとしたが果たせなかったために、自爆をするのを諦めていたと語った。

めがねをかけ、白い祈り帽をかぶった薄い髭をはやしたHafiz Bismillahが、ビデオに登場する最後の男だ。自分はカンダハルの外から来たと神経質そうに語り、自爆者Imranを家に連れてきたと語る。「彼が自爆することを知っていた。彼を泊めてやった」。彼の家にあった巨大な青いプラスチックの容器の中から、地雷80個が発見された。

2人のパキスタン人と一緒に逮捕されたアフガン人Baqiはテープで、アフガニスタン国内に4人の自爆志願者を連れてきたと語った。「ほとんどがパキスタン人だ。99%がパキスタン人だ」。アラブ人が入ってきた例は、1度も知らないという。

garrTaliban said to get aid in Pakistan
Carlotta Gall

■米軍、捕虜を虐待[060213 Los Angels Times]

国連がまとめたグアンタナモ収容所に対する報告書の草稿によると、アメリカは囚人の権利を侵害しており、肉体的、精神的打撃を与え、ときには拷問を加えている場合もあるという。

国連のこの草稿によると、アメリカはキューバのこの収容所を閉鎖して、囚人を米国本土に移して裁判にかけるべきだという。このままの状態では国際法に触れることになるため、ワシントンを告訴する予定だという。

この報告は法的な権限はないが、人権団体らは、何らかの効果があることを期待している。

(中略)『Los Angels Times』が入手したこの草稿は、一般にはまだ公開されていない。現在国連関係者は、アメリカ政府と事実確認をしている最中だという。

11月にブッシュ政権は国連のチームに、ジャーナリストや国会議員たちと同様の収容所視察を許可したが、囚人たちとの接触は禁じた。この理由のために国連は、刑務所の訪問を取りやめている。(中略)

アメリカ政府は、囚人との接触を国際赤十字だけに許し、囚人の健康や精神状態をモニターすることを許可している。しかし赤十字は、その結果を一般に発表することはできない。(後略)

hoonU.S. Is Abusing Captives
Maggie Farley

■アフガニスタンで米兵4人を含む10人死亡[060213 AFP]

アフガニスタンの爆発で米兵4人死亡し、米軍主導の同盟軍に雇われた5人の民兵とアフガン兵1人も攻撃されて死亡した。

タリバン報道官が、米軍攻撃に対する犯行声明を出した。

米軍がウルズガン州をアフガン軍とともにパトロールしていた際、四輪駆動車が改良爆弾で攻撃された。「爆発の直後、小兵器やロケット推進型手榴弾で攻撃された」と同盟軍が声明を発表した。「同盟軍は戦闘回転翼航空機を呼んで、地上軍とともに応戦した」という。

(中略)同盟軍に雇われていたアフガン人民兵5人が日曜日に、ヘルマンド州でタリバンに襲撃された。2人がその場で殺害され、その後3人の遺体が発見された。この他の2人は逃げ延びたと、州警察長のAbdurahman Saberが語った。

タリバン報道官のQari Yousuf Ahmadiは、ヘルマンド州のGirishk地区の攻撃に対しても声明を発表し、兵士8人を殺害したと述べた。アヘン生産地であるヘルマンド州では、毎日のように衝突が続いている。今月になって1回の戦闘で、40人以上が死亡した。

クナール州では道路脇に仕掛けられた爆弾でアフガン兵1人が死亡、5人が負傷した。

さらにザーブル州では日曜日、タリバン戦闘員たちが同盟軍に燃料を補給していたタンクローリーに放火し、運転手を拉致した。警察によると、運転手も抵抗勢力の手先だった可能性があるという。タリバン報道官はこの事件に対しても犯行声明を発表し、運転手は「逮捕した」と語った。(後略)

hoonFour US soldiers among 10 killed in Afghanistan
KABUL

■アフガニスタンの爆弾で米兵4人死亡[060213 AP]

アフガニスタンの山岳地帯で月曜日、米軍の装甲車が爆弾で攻撃され、米兵4人が死亡した。

さらにヘルマンド州で発生した戦闘で、米軍の支援を受けたアフガン人民兵5人が死亡した。

米軍がアフガン兵士とともに、ウルズガン州のDihrawud地区を谷沿いにパトロールしていた際に抵抗勢力の攻撃を受けたと、米軍報道官のMike Codyが述べた。

爆発の直後、抵抗勢力たちは銃やロケット手榴弾を用いて攻撃を開始。軍は応戦し、戦闘ヘリコプターや戦闘機を呼んで、抵抗勢力を攻撃した。現在、死傷者数を確認しているという。

さらに親政府派のアフガン民兵5人が日曜日にタリバンに襲撃されたと、ヘルマンド州警察長のAbdulrahman将軍が述べた。

兵士2人が殺害されたあと、3人が逃げたが、その後追跡されて射殺されたという。別の2人は逃げ延びた。

クナール州では月曜日、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、アフガン兵5人が負傷した。さらにカブールでも月曜日、道路脇に仕掛けられた爆弾でアフガン兵士2人が負傷、Baghlanのチェックポストにはロケット弾が撃ち込まれ、別のアフガン兵2人が負傷した。(後略)

hoonBomb Kills Four U.S. Troops in Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL

■アルカイダと関係のあったパキスタン人、ラホールで射殺される[060213 Reuters]

以前アルカイダと関係していたとして逮捕されたことのあるパキスタン人医師が、月曜日に何者かに射殺され、イスラーム主義者数百人が抗議運動を行なった。

ラホールにある診療所に向かって歩いていたAhmed Javed Khawaja医師が、バイクに乗った男たちに射殺された。

65歳のKhawajaは、2002年にアルカイダと関係があるとして逮捕されたが、その後告訴が取り下げられ、2003年6月に釈放された。

ラホールのイスラーム主義者数百人が暗殺に抗議し、警察の警備が行き届いていなかったと抗議した。

Khawajaはアルカイダ容疑者に協力するとともに、不法に武器を所持していたとして逮捕された。アルジェリアとモロッコの国籍を持つYasir al-Jaziriに協力してアルカイダのビジネスを手伝ったり、Khalid Shaikh Mohammadの腹心といわれる男を援助したといわれている。

al-JaziriとKhalid Shaikh Mohammadは、2003年3月に逮捕された。同月、パキスタン当局はアメリカ国籍の2人の息子と、カナダ国籍の甥を釈放している。

ラホールでは、Khawajaの弟のAhmed Naveedが、殺人を「陰謀」だと訴えた。「陰謀だ。時間がきたら、詳細を明らかにする」と、報道陣に語った。銃弾が2発発射され、そのうちの一発が兄の頭に命中したという。

hoonPakistani once linked to Qaeda killed in Lahore
LAHORE

■パジョール、物騒な背景[060213 Daily Times]

ムシャラフ大統領は土曜日に、アルカイダのリーダーのザワヒリがバジョール行政区のダマドーラで、CIAにの攻撃を免れたと語った。この攻撃によると死者18人のなかには、ザワヒリの近い親族もいたという。

今回の彼の発言で、これまでもやもやしていたものがはっきりしたと同時に、今回の事件の新たな重要性が出てきた。つまり、CIAは正確な情報のもとで動いていたということである。パキスタンが事前に知らされていたかどうかは、はっきりしない。これまでは情報を共有することで、テロリストに何らかの警告が流れ、計画が失敗に終わることが多かった。

野党は、バジョールに外国人がいることを否定している。バジョールの代表者たちもテレビ出演して、現場にいたのは地元民だけだったと発言している。パキスタンには、この地域についての情報がほとんどない。(中略)しかし、わかっていることもある。

ここ数年間、バジョールはアルカイダ、タリバン、ヘクマチアルが率いるヒズビ・イスラーム、Sheikh Jamilur Rehmanが率いるJamaat al Da'awa il al Quran wal Sunnah、Tehrik-e-Nifaz Shariat-e-Muhammadi(TNSM)、Jamaat al Mujahideen、イスラーム協会、イスラーム神学者協会など、過激派組織の影響力が色濃い。Mustafa AlSeerat Al Suriが率いるTakfirisと呼ばれるアルカイダ系の組織も、活動している。1月13日の空爆で死亡した者の多くは、TNSMのメンバーだった。TNSMは、タリバン協力者といわれる。ダマドーラはTNSMの根拠地で、数千人の男たちをタリバンと戦わせるために、アフガニスタンに送り込んでいる。イスラーム協会とイスラーム神学者協会には、パジョール出身の国会議員がいる。彼らがタリバンに共感していることは、その発言からわかる。

バジョールは、対ソ連戦争時代のムジャヒディンの拠点だった。バジョールはアラブ人が大勢いるクナールに近いことから、ムジャヒディンたちはここを拠点に、戦いに出動していった。1905年来の歴史を持つ過激派組織Jamaat al Mujahideen(JM) は、FATA政府の支配下にはない。アフガンジハード時代であった1984年、JMは、アフガニスタンのクナールとヌーリスタンを支配下に置いたJamaat al Da'awa il al Quranwal Sunnahと、結託していた。Sheikh Jamilur Rehmanは1987年に、バジョール行政区の本部で、アラブ人戦士に殺害された。JMとMaulvi Jamilur Rehmanはパジョールとクナールに、ワッハーブ派青年会を組織し、この地域で訓練所を運営した。

バジョールは隣のモーマンドとともに、パキスタンの「芥子王国」でもある。この地域の売買人は、アルカイダやタリバンと関係があるといわれる。アメリカは、バジョールとモーマンドに「代替開発プロジェクト」のために、資金を提供している。テロが支持される要因がまだある。この地域に、アフガン難民数千人がいることだ。バジョールにはアフガン難民キャンプが4ヵ所ある。ダマドーラ・キャンプには7966人、Shahjahanabadには1万人、Keralaに7506人、Yusafabadに9529人いる。これらのキャンプは2005年8月に閉鎖されたが、難民のほとんどはまだ帰還していない。UNHCRがペシャワルからバジョールに難民キャンプを移転したとき、親タリバン派の力が大きいこの地域で、非スンナ派の少数民族たちは脅迫された。バジョールは貧困、無政府状態、麻薬の密輸、原理主義組織の存在などから、アルカイダやタリバンの影響力を受けやすくなっている。

なぜバジョールの人間は、こぞって外国人の存在を否定するのだろう。まずアルカイダに殺害されることを恐れている。次に、パキスタン政府とは外国人を匿わないとの取り引きを交わしたために、これに反したことが表沙汰になることを恐れる。2005年にMaulana Faqir Muhammadは政府との約束を破ったとして有罪になり、その報復として家を焼かれた。彼とは別の宗教指導者の家から、ウズベク人、アフガン人3人、ラホール出身のパキスタン人が逮捕された。このときに厳重に注意されたが、ちっとも気に留めていないようだ。後にTNSMのリーダーMaulana Inayat ur Rehmanが、この地域でタリバンとアルカイダの訓練所を運営したとして、逮捕された。

バジョールには、Takfiri(Takfir wal Hijra)Arabsもいる。彼らはザワヒリが広める思想に従い、「思慮深くない」ムスリムの殺害を認める。1990年代に組織がペシャワルで活動していたころ、有名なアラブ人知識人のアブドゥッラー・アザムを殺害した嫌疑がかけられている。アザムの暗殺は、ビンラディンの関心や彼の資金を他の過激派組織に回そうと目論んでいたライバルを始末したとして、ザワヒリがすぐに疑われた。タリバン崩壊後は、組織の人間のほとんどがクナールとバジョールに移った。もともとそこに根拠地があったからだ。ザワヒリがしばしば訪問する地域にTakfirisが存在していることは、忘れてはならない。

(中略)バローチスタンにもFATAにも、国家の権力は及ばない。外国人はこの地域で、何でもできる。そしてこの地域の情報はほとんど入ってこない。また情報が隠蔽されている可能性もある。地元の政治家はすべてを否定し、ムシャラフ政府は守りに体勢に入っている。このようなことは、許されてはならない。

garrBajaur: a scary profile

■北ワジリスタン、米軍攻撃を受けて2人死亡[060213 News]

北ワジリスタンの国境地帯にテントを張っていた遊牧民が、アフガン側から攻撃されて、女性2人が死亡、子供4人が負傷した。

遊牧民であるクチはもともとアフガニスタンにいるが、季節によってはパキスタン側に入ってくることがある。

政府関係者によると、事件は土曜日の夜、ミランシャーから15キロ北のGhulamKhan近くのBangidar、別名Smalkhelで起きた。

米軍主導の同盟軍とアフガン人抵抗勢力との間の戦いの際、大砲がパキスタン側に発射された。抵抗勢力たちはアフガニスタン側のShinkaiチェックポストを攻撃していたようだ。(中略)

《AP追記》

(中略)クナール州では、アフガン警察がパキスタンからアフガニスタン側に密輸された、自家製爆弾700発を押収した。(中略)

またパキスタンのシャカイ谷の軍のポストに向かって、抵抗勢力がロケット弾3発を撃ち込んだが、負傷者はいない模様。

hoonTwo die as US shells land in North Waziristan
MIRANSHAH

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.