【2006年3月6日〜3月12日】


■アフガンの爆弾で米兵4人死亡[060312 AP]

アフガニスタン東部で、道路脇の爆弾が爆発して装甲車で走行していた米軍兵士4人が殺害された。

またカブールでは日曜日、アフガニスタン上院議会の議長を狙った自爆事件が発生した。Sibghatullah Mujaddediは難を逃れたが、アフガン人2人が死亡。Mujaddediは、パキスタンの仕業だと、非難した。

(中略)米兵3人は、クナール州のピーチ谷をパトロールしていたと、米軍報道官のヨンツ大佐が述べた。クナール州知事のAsadullah Wafaは、6台からなる米軍車列が通過した際、道路脇で爆発があったと語った。

(中略)カブールで発生した車を用いた自爆は、Mujaddediを狙ったものと思われる。Mujaddediは、タリバン戦士たちを政府と和解させる委員会を率いる。Mujaddediは難を逃れたが、登校中の女の子と、バイクに乗った男が死亡した。爆発物を搭載したステーションワゴンを運転していた男2人も、死亡した。

「爆発の威力は非常に大きかった。前が何も見えなくなった。巨大な火が私に向かって押し寄せてくるのが見えた」とMujaddediが語った。(中略)Mujaddediは、事件はパキスタンのISIが操っていると、名指しで非難した。「パキスタンのISIが、私を殺害する計画を立てたという情報を入手している」という。

パキスタンはすぐにこれを否定した。「パキスタンはそのような根拠のない噂は否定する」と、外務省報道官のTasnim Aslamが語った。

(中略)いっぽうカンダハル知事は、土曜日に隣りのヘルマンド州で、米軍とアフガン軍基地に水を供給するドイツの会社の職員である、アルバニア人4人とアフガン人4人が誘拐されたことを確認した。

タリバン報道官だというQari Mohammed Yousafが『AP』に、タリバンが8人を誘拐したと声明を発表したが、解放の条件などは語らななかった。8人は、元気だという。

(中略)カナダのハーパー首相が、突然カンダハルを訪問した。カナダは米軍を引き継いで、カンダハルに2200兵を治安維持のために派遣している。

(中略)またヘルマンド州では日曜日、2件の爆発があり、市民2人と警察官が死亡した。

garrAfghan Bombing Kills Four U.S. Troops
RAHIM FAIEZ、KABUL

■パキスタンでスパイ2人、殺害される[060312 AP]

パキスタン北西部で、イスラーム主義の戦闘員と思われる者が部族民2人を射殺し、アメリカのためにスパイをする者は同じ運命になると記されたメモが残されていた。

日曜日に北ワジリスタンで、前日から行方不明になっていた2人の男の遺体がそれぞれ別の場所で発見された。

1人は宗教指導者Qari Jamilur Rahmanで、遺体はミランシャー郊外の道路上に放置されていた。遺体には、アメリカのスパイは同じ運命をたどると記されたメモが残されていた。

殺害されたもう1人はMohammed Yousafで、Macha Madakhel村で発見された。

ある諜報組織関係者によると、Yousafは、アフガン国軍のために働いていたという。

(後略) garrTwo Suspected Spies Killed in Pakistan
SAILAB MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■マドラッサへの攻撃で、10人死亡[060312 Dawn]

北ワジリスタンで金曜日の夜、マドラッサが戦闘ヘリコプターで攻撃され、10人が殺害され3人が負傷したと、政府関係者と住民が語った。

コプラ戦闘ヘリコプターがKhatty Kalli村を攻撃したという。マドラッサは、指名手配になっているMaulvi Sadiq Noorが運営するものである。

住民によると、子供3人と、中央アジア出身者と見られる外国人3人が死亡したというが、身元や国籍は明らかではない。村の墓地に埋められた。

住民によると、10人の遺体と3人の負傷者が、被害を受けた建物の中から回収された。このマドラッサには、約250人が学んでいた。3日前に政府は、別の指名手配になっている宗教者Maulavi Abdul Khaliqのマドラッサも、破壊している。

これと関連して政府は、ミランシャーなどの地域で、武器を展示したり住民が武器を持って歩くことを禁止した。(後略)

hoon10 killed in air raid on seminary
Pazir Gul、MIRAMSHAH

■タリバン、「アルバニア人を誘拐」[060312 BBC]

タリバン戦闘員が、アルバニア人4人とアフガン人警備員をカンダハルで誘拐したと、タリバン報道官が発表した。

タリバン報道官だというQazi Yousufがレポーターに語ったところによると、オマール師が彼らの運命を決めるという。

hoonTaleban 'kidnap four Albanians'

■元大統領、カブールで爆弾を逃れる060312[060312 BBC]

元アフガン大統領が乗っていた車に、爆発物を搭載した車が突っ込んで爆発したが、元大統領は難を免れた。

警察によると、この自爆事件で少なくとも3人が死亡し、数人が負傷した。

Sibghatullah Mujaddediは、政府のタリバンとの和解委員会を率い、上院の議長である。現在のところ、犯行声明は出ていない。

Mujaddediがカブールの仕事場に車で向かう途中、カブール大学近くの混み合った路上で、自爆犯が車で突っ込んだ。「我々の車は被害を受けたが、負傷者はいない」という。(後略)

garrKabul bombers target ex-president

■ミランシャーの騒乱、他地域に拡大[060312 Daily Times]

シャルパオ内相が土曜日に下院議会で、ミランシャーの騒乱が他地域に拡大していると語った。

「抵抗勢力たちは政府への挑戦を続けており、我々は行動せざるを得ない」という。状況は、タンクやミールアリなどの居住地域にも影響を与えている。この地域でタリバンたちは、ビデオショップを封鎖したり、人びとに髭を剃らないよう求めているという。

(中略)部族地帯出身の下院議員Syed Nek Zamanが語ったところによると、軍の作戦により、一般市民500人が殺害されたという。

シェルパオは、部族地帯の住民は小火器を持つことは許されているが、ミサイルやロケット推進手榴弾、ロケット弾や地雷は小火器ではないと語った。(後略)

hoonMiranshah unrest spreading to other districts: Sherpao
Irfan Ghauri、ISLAMABAD

■ミランシャーで15遺体回収[060312 News]

ミランシャーから10キロ離れたKhattay Killay村で土曜日、少なくとも15遺体が回収された。ミランシャーは、比較的平穏だった。

政府側は、外国人5人を含む戦闘員28人が、砲撃と戦闘ヘリコプターによる攻撃で殺害されたと主張した。

行政官のSyed Zaheerul Islamが『News』に語ったところによると、作戦は、指名手配の聖職者Maulvi Abdul KhaliqとMaulvi Sadiq Noorが現場にいるという情報があり、作戦を実行したという。作戦で戦闘員28人が死亡し、そのうち5人が外国人だった。戦闘員たちはミールアリに隠れようとしていたが、Khadar Khel、Data Khel、Hasoo Khel族に拒否されたらしい。当局が地元の部族民たちに、軍が襲撃された場合、現場に住む部族民たちに対して軍が行動すると、警告していたという。

住民によると、Khattay Killayの周囲に15の墓が発見された。1日中、暗視ヘリコプターが現場の上を旋回していた。電気や電話は遮断されている。

ミランシャーとミールアリでは、戒厳令が解かれた朝の11時〜5時の間だけ、店を営業している。また女性や子供を含む数百人が、安全な場所に避難した。Khattay Killay、Chatoon、Imerki、Ghzan、Khir Kallayは無人である。(後略)

garr15 bodies recovered in Miranshah
MIR ALI

■パキスタン軍、国境地帯で戦闘員30人殺害[060311 BBC]

戦闘ヘリコプターに援助されたパキスタン兵が、パキスタンの部族地帯を攻撃して戦闘員30人を殺害したと、軍報道官が土曜日に語った。

しかし住民や原理主義の宗教者たちは軍の主張を否定して、ほとんどが村人で、女性や子供たちもいたと語っている。

ショーカット・スルタン中将は、金曜日の夜の攻撃で死亡した者たちの身元や国籍については触れなかった。現場は、ミランシャーの近くである。

「我々は、信頼のおける報に従って行動した。情報によると、外国人を含む抵抗勢力30人が死亡した」と、『AP』に電話で語った。

治安部隊員たちに負傷者はなく、死亡したのはすべて隠れ家にいた者たちだという。また、巨大な武器庫を破壊したと語った。

しかし2人の住民が『AP』のレポーターに語ったところによると、現場には、女性や子供の遺体があったという。

聖職者でもある原理主義政党の政治家Syed Nek Zamanも軍の作戦を非難して、「無実な部族民」だけを殺害していると語った。「外国人を殺害したという証拠を見せてほしい」と、下院議会で発言した。地元の女性や子供たちが、犠牲になっているという。

この地域の諜報組織高官が、攻撃されたのは親タリバン派の宗教指導者MaulviSadiq Noorの家だったと述べたが、当時彼がそこにいたかどうかはわからない。治安部隊は、この地域に隠れていると言われる外国人をさらに捜索しているという。

(中略)最近の戦闘で、ミランシャーからは住民数千人が安全な場所に避難したが、金曜日には営業を開始した店もあり、家に帰り始める住民も見られた。妻や子供とミールアリに避難していたFarid Ullahは、戦闘が終わったと聞いて、ミランシャーに戻ってきた。「平和を祈っている。政府には、軍を用いないようにしてほしいと言いたい。平和的に解決してほしい」と語った。(後略)

garrPakistan Army Kills 30 Militants on Border
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■アフガン軍、「爆弾製造人」逮捕[060311 BBC]

アルカイダとタリバンに協力していたと思われる男が、アメリカとアフガン軍の合同作戦で逮捕されたと、治安組織関係者が語った。

クナール州知事によると、Haji Nadirは「アルカイダ工作員に信頼された」男で、アフガニスタンを攻撃しようとしていたという。

治安組織関係者によると、Nadirは戦闘員たちを訓練したり、アフガニスタンで使用する爆弾を製造していた。現在バグラム基地で、取り調べをを受けている。

Nadirは木曜日に、パキスタンからクナール州に入ってきたところを逮捕された。治安組織関係者によると、ディール出身のNadirは、クナール州で発生している道路脇の爆発に関係しているという。今年になってすでに爆発事件は10件発生している。(後略)

hoonAfghan forces arrest 'bomb-maker'

■アルカイダ、血なまぐさいDVDでプロパガンダ戦争開始[060311 Daily Telegraph]

アフガニスタンとパキスタンの国境地帯では、人びとの歓心を買うために、プロパガンダDVDを用いたメディア・キャンペーンが展開している。

パキスタンやアフガン国境で40パイサで出回っているこの映像には、タリバンが米軍、パキスタン軍、アフガン軍を攻撃する様子が納められている。米軍やパキスタン軍が、イスラーム戦士や地元住民を殺害する様子、被害の状況なども映し出される。

この血なまぐさい映像は、警察が販売を取り締まっているにもかかわらず、北西辺境州では飛ぶように売れている。「パキスタンやその同盟国に対立するような製品は、どのようなものでも取り締まる」と、部族地帯の政府報道官は語る。「不法フィルムを取り締まるだけでなく、部族地帯の3つのラジオ局を通してメッセージを放送したり、ビラを配っている」。

先週、パキスタン軍は一時的にミランシャーを、タリバンやアルカイダに味方する勢力に占拠された。2003年以来の最大の戦いで、軍は戦闘員100人を殺害したと主張する。一般市民の負傷者数はわからない。

(中略)ミランシャーのDVDショップの店員Qari Amanullahは語る。「これらのジハードのDVDで、我々のビジネスは繁盛している。あらゆる年代層に受けているために、需要が大きい」。「若者たちは以前、インドなどの映画を見ていた。今はこのようなDVDをみんなが見ている。少年たちでさえ、やみつきになるだろう」。「タリバンが盗賊を殺害し、遺体を電柱から吊り下げるDVDが、チャートのトップだ」。タリバン戦士についての別のDVD「高い山々の若い鷲」もヒットしていて、すでに2万部が売れたという。

ウルドゥー・パシュトゥ・アラブ語の字幕が用いられたこれらの映像は、2つの制作所Ummat StudiosとJundullah CD Centreで作られている。連絡先は記されていないが、北ワジリスタンのシャーワルとミールアリに制作所があるといわれる。

アルカイダのコンピュータ専門家Naeem Noor Khanは、去年ラホールで逮捕される前に南ワジリスタンを訪問したといわれる。

garrAl-Qa'eda steps up propaganda war with bloodthirsty DVDs
Isambard Wilkinson、Imtiaz Ali、Miran Shah

■ワヒード兄弟、アルカイダ問題に関する裁判で釈放されたあと、再び拘束[060311 Daily Times]

金曜日、Akmal WaheedとArshad Waheedの2人の医師が、一般秩序を乱したとして金曜日に逮捕された。1ヵ月拘束されるという。これに先立ちスィンド最高裁判所は、アルカイダ系の組織Jundullahの活動家を匿ったとした起訴された2人を釈放するよう、命じていた。

刑務所関係者が語ったところによると、スィンド自治省からの連絡で、1ヵ月間、両医師を拘束することになったという。

金曜日の朝、対テロ裁判所の有罪判決に対して控訴していた、Akmal Waheed医師とArshad Waheed医師に対して、スィンド自治省が判決を下した。Jundullah活動家に医療行為を施したとして、起訴されていた。

裁判所は、2人の医師が他の件で起訴されていなければ、釈放するよう命じた。(後略)

hoonWaheed brothers detained after release in Qaeda case
Maqbool Ahmed、KARACHI

■パキスタンのタリバン、問題解決のためにワナに本部を設置[060311 News]

長老や宗教指導者たちがワナで会合を開き、シャリア法に基づいて問題を解決するために、地元タリバンが事務所を開くことを許可した。

この会合は、前国会議員で宗教指導者のMaulana Noor Muhammadが運営するJamiaul Uloomマドラッサで、開催された。タリバンとして知られるイスラーム過激派たちが、この会合に出席した。去年、今後政府を攻撃しないと約束して、政府側と和解した5人の戦闘員司令官の1人、Haji Muhammad Omarも出席した。

出席者の話によると、ワナに設置されたタリバンの事務所は、問題をシャリア法に基づいて解決していく。タリバンは、誘拐、略奪、強盗、麻薬の密輸などの犯罪者を逮捕することが許され、Qazi(裁判官)の裁きに従って罰される。政府はこの動きに対して、行動していない。

いっぼう何者かが、南ワジリスタンでアメリカとパキスタン政府のためにスパイをしていたとして、3人の男を殺害した。2日前に、Nawaz Khanというある男がTabbaTakka村で射殺され、遺体が荒れ地に放置されていた。アメリカ人のスパイは同じ運命をたどると書かれたメモが、残されていた。

Barwand地区のOuspas村では、長老のMuneem Khanが殺害され、首のない遺体が放置されていた。彼は私立の学校の校長だった。

数日前にジャンドーラで発見されたLal Khanの殺害理由が書かれたビラが、南ワジリスタンで配布されている。ビラによると、Lal Khaはグリーン・カードを持ち、アメリカ人のためにスパイ活動をしていたという。

garrPak Taliban to open office in Wana to settle disputes
Sailab Mahsud、TANK

■ミランシャー付近で、戦闘員25人殺害される[060311 News]

金曜日の夜、Maulvi Sadiq NoorとMaulvi Abdul Khaliqをはじめ、その支持者たちが隠れているという情報を受け、パキスタン軍がミランシャーから10キロ離れた村を砲撃し、戦闘ヘリコプターも出動した。負傷者の数は明らかではない。

これに先立ち、軍報道官のショーカット・スルタン中将が、この攻撃で25人が死亡したと発表した。

Khattay Killay村の攻撃は、金曜日の夜8時頃に始まった。北ワジリスタンの行政官Syed Zaheerul Islamによると、Noorが運営するマドラッサの近くにある民家が砲撃されされたという。「戦闘員たちがそこに隠れているという情報を入手した。村に、兵器が備蓄されているという情報もあった」と、ミランシャーから『News』に語った。

行政官によると、軍の作戦は土曜日に明らかになるという。「夜間、これ以上情報は入ってこない。しかし戦闘員たちは大きな打撃を被ったにちがいない」と、強調した。

部族民からの情報によると、戦闘ヘリコプターが2機1組でKhattay Killay村に飛来し、マドラッサとそれに付随した民家を攻撃したという。村のそばの涸れ沢に立てこもっていた戦闘員たちも、攻撃された。25人以上が死亡した模様だ。(後略)

garr25 militants killed near Miranshah
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンのタリバン、挑戦する[060310 BBC]

今月、ワジリスタンでは激しい戦闘があった。軍は戦闘員120人以上を殺害したと主張している。しかし、地元のタリバンを率いる宗教聖職者は、行方をくらましている。部族の戦闘員たちも同様だ。

地元の人間たちは、武装した戦闘員たちは単に戦略的に引き上げただけであり、最悪の事態がやがて訪れるのではないかと、恐れている。

治安部隊も近隣地域の人間も、このことを重々認識している。南ワジリスタンの怖いもの知らずの部族民たちを制圧することは、軍にとって大きな挑戦であると思い知らされたのは、それほど前のことではない。

彼らは北ワジリスタンの未知の世界を、体験し始めたばかりなのだ。

《何よりも宗教》

北ワジリスタンでは、部族の絆や習慣を支配するのは宗教であり、FATAの7つの行政区のなかでも、もっとも保守的な地域だ。タリバンが活動するこの地域の出来事をみていると、外国人戦闘員多数がいまだに隠れていることを物語る。

マドラッサの若者たちからなる、2人の宗教指導者が、完全武装した部族民たちを率いて、この地域にタリバン風政府を確立しようとしている。

北ワジリスタンは常に問題の地域ではあったが、タリバンがここに台頭し始めたのは、12月頃からだ。地元の盗賊団とマドラッサの学生との間の衝突を機に、北ワジリスタンでは暴力沙汰が拡大していった。その後の数日間の様子は地元のタリバンによって撮影され、その「原因」を証明するビデオが、各地に出回っている。

《イスラームの法》

非常に不安をかき立てられる映像た。

武装したマドラッサの学生が群衆を率いて、犯罪者、麻薬密売人、酒類密売人、恐喝犯だという人間を追う。そして殺害され、遺体が木や電柱から吊り下げられ、口には紙幣が詰め込まれる。斬首された者もおり、遺体は車に縛りつけられ、町中を引きずり回される。

これらの出来事が起きている最中、パキスタンの準軍隊は、見て見ぬふりをしていた。自分たちの基地に閉じこもっていたといわれる。

この残虐な行為を指導していた者たちは、この一連の行動を「イスラーム法」の施行と主張していた。

《事実上の戦争》

去年の暮れ、2人の地元宗教指導者の名前が浮上した。Maulvi Abdul KhaliqとMaulvi Sadiq Noorで、Noorは地元マドラッサの学生のリーダーで、宗教過激派だ。

Maulvi Abdul KhaliqのマドラッサはGulshan-e-Ilmと呼ばれ、ミランシャーにあるこのマドラッサから、パキスタン軍に対するすべての行動が指揮されていた。

問題は3月初旬、国境にある村Danday Saidgiで、治安部隊が外国人戦闘員の隠れ家を攻撃したことが引き金となった。政府はこの攻撃で45人が死亡したと主張している。外国人が30人以上で、ほとんどがチェチェン人だった。

2日後、数百人の親タリバン戦闘員が、パキスタンの治安部隊と政府の建物を攻撃して、事実上の戦争を布告した。

まずミールアリの近くで、国境警察の車列を襲撃。その後、ミランシャーにも、戦闘が拡大した。戦闘員たちは電話交換局、銀行、学校などを含む、政府関係の建物ほとんどすべてを占拠した。

軍は機関銃や大砲を用いて報復。戦闘ヘリコプターも出動した。この戦闘で多数の一般市民が死亡した。メディアがこの地域に入ることを禁じられているのは、このためだ。北西辺境州から補強部隊が派遣され、治安部隊はやっと政府の威厳をとりもどした。しかし北ワジリスタンでは、非常に緊張した状態が続いている。

《蘇る》

部族地帯やアフガン政策に詳しいオブザーバーによると、北ワジリスタンはアフガニスタン政府と戦うタリバンの、新たな基地だという。その地形や地元戦闘員による協力のおかげで、アフガニスタンで攻撃を行なうことが可能となり、彼らの基地にもなっている。

地元から強力な支持を得るだけでなく、この地域ではタリバン運動も活発になった。

この運動は、部族の独立という名目ではなく、自己流のイスラーム法の施行のために、パキスタンの治安部隊と対立している。北ワジリスタンが今後どうなるか、誰も予測することができない。しかし流血沙汰が再び起こる兆候がある。

garrPakistan's Taleban challenge
Zaffar Abbas、Islamabad

■国境警察隊員2人、死亡[060310 News]

水曜日から木曜日にかけて、北ワジリスタンで戦闘員たちがロケット弾を発射して、国境警察隊兵士2人が死亡、1人が負傷した。ミールアリから20キロ離れた、Tabbi検問所があるSpinwam地区が攻撃されたのは、初めてのことである。

またミランシャーから10キロのEshaの検問所でも、夜間ロケット弾が撃ち込まれた。軍はすぐに攻撃された方向を砲撃し、戦闘ヘリコプターも出動した。Esha近くのTapi村も砲撃され、Tapiの住民たちは避難を始めた。この戦闘での死傷者の数は明らかになっていない。

戦闘員報道官のMaulana Abdul Ghafoorが、昨夜のロケット弾攻撃に対して、声明を発表した。軍関係者34人が殺害されたと主張するが、今のところ証明できていない。

ミランシャー、Noraq、Tapiから、住民が続々と避難を開始した。ミランシャーに留まっている者たちは、電気、飲料水、食料がないと訴えている。

garrTwo FC men killed
MIR ALI

■テロとの戦争でパキスタン、不安定[060309 AP]

北ワジリスタンの部族地帯における戦闘で数十人が死亡し、数千人が安全な場所へと避難した。国境地帯におけるパキスタンのイスラーム過激派との戦争が、加熱している。

軍がアルカイダを一掃しようとこの地域に入った結果、ジハードを求めるイスラームの学生たちが抵抗運動を開始した。数ヵ月間続いているこの緊張は、アメリカ主導のテロとの戦争にとっては、大きな障害となっている。パキスタンとアフガニスタンとの関係も、オマール師の居場所やパキスタン内にあるといわれる自爆者の訓練所をめぐって、ぎくしゃくし始めた。

アメリカ中央アジア司令部のジョン・アビザイドが今週パキスタンとアフガニスタンを訪れ、両国の関係緩和に努めている。数日前ブッシュ大統領も、初めて両国を訪問した。

欧米の外交関係者たちは、パキスタンの部族地帯が無法地帯になりつつあるために、戦闘員たちのアフガニスタンへの越境がさらに増加する可能性があると指摘する。アフガニスタンの暴力沙汰は、今まで以上に頻発するとことが予測される。

この状況は、ムシャラフにとっては大きな障害だ。アメリカの言いなりだと、国内ではムシャラフの政策が非難される。

ムシャラフは部族地帯に8万兵を派遣し、アルカイダの基地や指令系統を破壊したと主張しているが、いまだにビンラディンもザワヒリも見つからない。

パキスタンの軍事リーダーは、ブッシュがパキスタンを初めて訪問する直前に行動を開始し、北ワジリスタンのSaidgi村にあるアルカイダ訓練所を攻撃した。政府は45人を殺害し、中にはチェチェン人軍事司令官もいたと主張している。

戦闘員たちは、ミランシャーの政府関係の建物や治安部隊を攻撃して、すぐに報復した。政府によると、地元の原理主義宗教指導者Maulvi Abdul Khaliqが煽動し、パキスタン軍にジハードを呼びかけていると説明する。

軍は戦闘員たちに対して大砲や戦闘ヘリコプターで攻撃し、ミランシャーの人口5万人が、避難した。

軍によると、100人以上の戦闘員と治安部隊員8人が、土曜日以来死亡したと言う。木曜日には、戦闘員のロケット弾攻撃により、準軍隊兵士2人が死亡して1人が負傷した。

ムシャラフの対テロキャンペーンは、非常に危険だ。戦闘は部族地帯の村から、町の中心に広がってきた。

元パキスタン人将軍で政治アナリストのTalat Masoodは、国家は北ワジリスタンを十分掌握していないため、今回の暴力沙汰がどのように終結するか、予測がつかないと語る。「もしパキスタンが軍事作戦を激化し続ければ、解決できないほどの状況にまで事態が悪化してしまう恐れがある」。

Masoodは、親タリバン部族民たちは、法と秩序がなかったこの地域を支配し、親政府派の長老数十人を暗殺してきたという。過去3年間、南北ワジリスタンでは、80人以上の長老が暗殺された。

ここ数ヵ月、イスラーム原理主義者たちはこの地域の盗賊たちに対して、自分たち自身の法を適用している。12月にミランシャーで、数百人のイスラーム原理主義の学生と盗賊との間で衝突が発生し、23人が死亡した。

現在パキスタン軍と戦っている戦闘員のなかには、マドラッサの学生もいるといわれる。ほとんどが北ワジリスタン出身者だが、南ワジリスタンを始め、パンジャーブやスィンドなどから入ってきた者たちもいると、避難してきた住民は語る。

彼らは肩までの長髪と髭を生やし、自分たちがジハード者であることを見せつける。カラシニコフを持ち、手榴弾やロケット砲をかつぐ。16歳くらいの少年もいると、ある諜報組織関係者が語った。

この関係者によると、中には中央アジア出身者やアラブ人戦闘員も含まれ、彼らはパキスタン人と同様の恰好で、地元パシュトゥ語を話すという。

別の外交関係者は、ワジリスタンの状況は1990年代のアフガニスタンの状況と比較する。タリバン戦闘員たちが、内戦で荒廃していた地域に治安をもたらした時代だ。しかしアルカイダが、この状況を有利に利用できるかどうかは、疑問が残る。「もし確固たる基地を築けば、すぐに標的にされてしまう。彼らは移動し続けなければならず、今もそうしている」。

hoonUnrest in Pakistan Setback for Terror War
MATTHEW PENNINGTON、ISLAMABAD

■ワジリスタンの戦闘[060309 BBC]

北ワジリスタンのミランシャーに向けて、乾いた山の合間を車で進んで行くと、問題は山積みであることがわかる。

町の上空には、アメリカから供給された戦闘ヘリコプターが旋回していた。

ミランシャーは、軍と抵抗勢力との間で起きた激しい戦闘の現場である。約140人が殺害されたといわれる。

軍の車列を追い越そうとしていると、すぐに制止された。我々の身元を尋ねたあと、我々は先に進むことを許され、ビデオを撮る許可も取得した。

《破壊》

町の中心に向かって行くと、不気味な静けさが待っていた。部族民たちがカラシニコフを手に、肩からはピストルをぶるさげて、道路沿いに立ってている。人びとが追いつめられていることを物語っていた。

ミランシャーのバザール通りには、ひと気がなかった。その先では、兵士たちが道路を封鎖している。

銃撃音もしない。ヘリコプターが旋回する音のほか、何の音もしなかったが、突然軍の車両から、ラウドスピーカー通して、パシュトゥ語の放送が聞こえてきた。「インドの工作員が、この地域に潜入している。我々の政府、軍、あなたがたに危害を加えようとしている。気をつけろ。我々が彼らと戦うために、協力してくれ」。

地元タリバンは消えていたが、バザールには、激しい戦闘の痕が残っていた。破壊された店や車が、週末の戦闘の様子を物語る。

ミランシャーには、アフガニスタンから車が密輸されてくる。ショールームの「バーゲン」と張られた車に、ロケット弾や銃弾の痕があった。車が逆さまになっていることから、その爆発の威力の激しさが伺われる。

《安全な場所に》

道路の先にいた軍が、止まるように命令し、武器を向けた。関係者はカメラマンからビデオ・フィルムを奪い、引き返すように命令された。途中で、地元の部族民にあった。彼らの怒りは、政府に向けられていた。

「支配者たちは、状況に適切に対処していない。すべてが発展や教育の欠如のためだ」と、ある年配の医師Madad Khanが語った。Madadは、町に留まっている数少ない人間だ。「なぜここから去らねばならない? 今に始まったことではない。これは我々の国だ」。しかし住民の80%は、安全な場所に避難した。

Madadと話していると、他の部族民たちも集まってきた。ヘリコプターが、上空を旋回している。彼らは電気がないこと、水の供給が少ないこと、店が閉まり、食料がないことを訴えた。「これから数日間、何を食べたらいいのか? 土や草を食べろというのか」と、Haji Sher Mohammadが怒りを爆発させる。

《生きていて幸運》

今回のミランシャーの短時間の訪問は、前マドラッサ校長でタクシー運転手に転向したHafiz Gul Janatの協力で実現した。誰もミランシャーに行こうとする者がいなかったのに、彼は喜んで引き受けてくれた。

「我々がどうされたか、見せてあげよう」と、カラシニコフを持ちながら語った。Aishaチェックポストの兵士たちが、彼は信頼ができると、太鼓判を押してくれた。

帰り際、Hafiz Gul Janatは部族民たちの気持ちを代弁してくれた。「ワジリスタンにはアルカイダはいない。問題はムシャラフ大統領が、ブッシュに生き血の土産をあげたかっただけだ」。「時がきたら、ブッシュをやっつけよう。もちろん、ムシャラフも」。

ミランシャーのEdak村に寄り、タリバンに会いに行った。道路脇に、トレードマークの長髪のタリバンが、道路脇に武器を持って座っていた。政府が政策を変更するまで、戦いは続けると語る。

バヌーに戻ると、北ワジリスタン行政官のSyed Zaheerul Islamが襲撃されたことを知った。我々が用いた道路と同じ道路で襲われたのだ。我々は幸運だった。

hoonEyewitness: Battle for Waziristan
Haroon Rashid、Miran Shah

■ムシャラフ、混沌に[060308 Asia Times]

《アメリカの問題》

(前略)ブッシュがパキスタンを訪問したとき、お互い話し合うような話題さえなかった。ブッシュがパキスタンに要求したことは、ある関係者によると、アブドゥール・カーン・カディール博士を取り調べに応じさせることだった。

(中略)パキスタンは、これを拒否。しかしFarooq博士とのみ公表されている科学者と、Jafery氏とのみ公表されているパキスタン人ビジネスマンの引き渡しには合意した。2人は、核部品を、国際市場に密輸していたと疑われている。

アメリカ人にとっては、これでは目的は果たせない。カーンに直接接触でなければ、イランの核兵器計画は明らかにできない。

このような背景がある限りアメリカは、パキスタンに核エネルギーの民間使用に関して、協力することはない。

(中略)さらにブッシュ訪問の前に、アフガニスタンは計算の上で、パキスタンに対して、タリバンの基地の存在やパキスタン内での彼らの行動を非難した。このため、ムシャラフは中国を訪問。そして戦闘機だけでなく、原子力発電所に関する取り引きを交わしてきた。これはアメリカに対して、パキスタンには選択肢があることを表明するためだ。

「アメリカは、やがて訪れる大変な時期に備えるべきだ。我々には他の選択肢があり、彼ら(アメリカ)は、なぜ私が(ブッシュの)訪問の前に中国に行ったか、その理由を知っている」と、ムシャラフはイスラマバードの記者会見で語っている。これは全国に繰り返し報道された。

パキスタンの見地からすると、アメリカは、ビンラディンを筆頭に、ザワヒリ、オマール師、ハッカーニ師、ヘクマチアルなどの「テロとの戦争」のショッピングリストに掲載された製品を、しぼり取ろうとしている。アメリカはカーンを欲しがっているが、パキスタンは彼を手放さない。

《タリバンの棘》

タリバンはアフガニスタンで、春の襲撃に備えて準備を整え、数千人がアフガニスタンやパキスタンの国境地帯、そしてパキスタンの北ワジリスタンに拠点を作って、再結成している。アルカイダの協力を受け、都市部のゲリラ戦術を学んだ。

月曜日、北ワジリスタンで話し合いが始まるとともに、状況は比較的静かになった。タリバンは、アフガニスタンとパキスタンの国境で、自由に行動できることを要求している。

現在戦闘員は、シャーワルからアフガニスタンに入る。このルートは、厳しい地形のため、なかなか物資をアフガニスタンに運び込めない。そこでタリバンは、Ghulam Khan山脈を使用できるようにすることを、求めている。これにより、車が使用できるようになり、抵抗運動も活発になる。

もしこれが実現すれば、さらに洗練された武器を持ち込めるようになり、抵抗運動が激しくなるだろう。

しかしアメリカは、パキスタンがこのような取り引きをタリバンと交わすことなど、許すことはできない。

《国内問題》

国内では、当局主催のムハンマドの風刺画に対する抗議運動が、Tehrik-i-Nizam-i-Mustafaの運動と一体化し、イスラーム法の導入にまで発展してきた。

怒った民衆が反米を唱え、すべての親米のシンボル(アイコン)を破壊しようとしている。ムシャラフには、選択肢がほとんどない。アフガニスタンとの関係において、これまで通りタリバンを利用する計画を進めて行けば、アメリカとの関係は終わる。しかし国内は安泰になるだろう。

あるいはタリバンを拒否してアメリカに協力し続け、何とかこの場をやりすごす。

いずれにしても、問題は北ワジリスタンにかかっている。どちらかの態度を取っても、大きな反応が出てくることは確かだ。

hoonMusharraf caught in an arc of turmoil
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■アルカイダとの関連で、スペイン人逮捕[060308 Daily Times]

シェルパオ内相は火曜日に、アルカイダと関係していると思われるスペイン人が逮捕されたことを認めた。

「スペイン国籍の者が逮捕されたが、詳細は語れない。後に情報は提供されるだろう」と、ジャーナリストたちに語った。

hoonSpaniard arrested for connections to Al Qaeda
ISLAMABAD

■ジルガが話し合いを進めるなか、ミランシャーで銃撃戦が終わる[060308 Daily Times]

火曜日、ミランシャーには危うい静けさが戻り、政府関係者たちは部族の長老たちに協力して、親タリバン派の部族民たちを制圧しようとしている。

月曜日にミランシャーに施行された戒厳令は、いまだ解除されていない。

ある治安部関係者が『AP』に語ったところによると、長老と戦闘員の代表との話し合いが月曜日に開始し、まだ続いているという。「なんらかの進展があった。じきに、すべて解決するだろう」という。

「戒厳令は今日も続いているが、状況はすぐに日常に戻るだろう」と、ミランシャーの行政官Zaheerul Islamが『ロイター』に語った。「ジルガが続いている間、軍は町に留まる」。

(中略)いっぽう軍は、今回の戦闘を開始したといわれる、2人の宗教指導者を捜索している。「2人の容疑者、Maulvi Abdul KhaleqとMaulvi Sadiq Noorを探しているが、居場所についての情報はない」と、ある治安部幹部が『AFP』に述べた。

治安部隊は火曜日に爆発物を用いて、ミランシャーにあるKhaleqが運営するマドラッサを爆破した。この2人の宗教指導者はタリバンと関係していて、ミランシャーに厳しいイスラーム法を施行しようとしていた。

Khaleqの弟は、水曜日の戦いで殺害された戦闘員40人のなかに含まれている。Noorも、ミランシャー近くに、マドラッサを持っている。(後略)

hoonShooting stops in Miranshah as jirga tries to reach peace deal
MIRANSHAH

■外国人がワジリスタンとバローチスタンに資金を流している[060308 Daily Times]

シェルパオ内相が、政府は、北ワジリスタンとバローチスタンの戦闘員が、外国から資金を受け取っているという「信頼性のある証拠」を持っていると述べた。

「北ワジリスタンとバローチスタンの戦闘員を、外国が援助しているという信頼性のある証拠を入手した。必然的な結果を迎えるまで、作戦は続く」と記者会見で語った。

hoonForeigners financing rebels in Waziristan, Balochistan: Sherpao
ISLAMABAD

■アフガニスタンとパキスタンの関係悪化[060307 AP]

火曜日、アフガニスタンとパキスタンのテロとの戦争の諜報情報に関して、議論が激しくなった。カブールは、タリバンとアルカイダに関して「確固たる、正確な」情報を提供したと述べるが、イスラマバードは古い情報として、これを否定している。

言葉の戦争は、アメリカの同盟国であるこの2国間の溝を深めている。

カルザイ大統領の報道官Karim Rahimiは、カブールはイスラマバードに、戦闘員たちの居場所に関する新たな諜報情報を提供すると述べ、「適切に対処してくれることを期待している」と語った。

パキスタンのカスリ外相は、「もちろん捜査はする」が、今のところもらった情報は「古い」とムシャラフの発言を繰り返した。(後略)

hoonAfghan-Pakistani Relations Deteriorating
DANIEL COONEY、KABUL

■アフガニスタンで国連技師、殺害される[060306 AP]

タリバンがアフガニスタン西部で国連技師を射殺したと、警察が発表した。

農村回復活動をしていたMohammad Hashimが土曜日に、ファラ州のBala Buluk地区で殺害された。6人の武装した男たちに車から引きずり下ろされ、射殺された。

同日同州で、知事の事務所から20ヤード離れた地点でアフガン人2人とパキスタン人が、爆発物を搭載した車から逮捕された。(後略)

garrU.N. Engineer Killed in Afghanistan
KABUL

■パキスタン、自国の「タリバン」と戦闘[060306 BBC]

パキスタンの治安部隊と部族民戦闘員の間で戦闘が発生して以来、数千人がミランシャーから避難している。この戦いで、両者の間に数十人の死傷者が出た。

(中略)ショーカット・スルタン報道官は3月5日の記者会見で、戦闘員が政府関係の建物から一掃され、地域は治安部隊の支配下にあると発表した。

しかし彼の主張は、軍の支配下にあるとはほど遠いと語る、地元の人間やアナリストたちの言葉と相反する。彼らによると、状況は3年前にパキスタン軍がこの地域に入ってきて以来、最悪の状態だという。

《誤った政策》

(中略)パキスタンの部族地帯は、非常に保守的な地域で、独立心が強い住民が住む。政府はこれまでこの地域に、資金援助と脅迫という二重の政策を用いてきたと、北西辺境州の元知事Khalid Azizは語る。「しかし今、これまで数百年間この地域の平和を保ってきた政策が、崩壊してしまった」。

Aziz氏は、1970年代、アフガニスタンのサルダル・ダウード政権が、この地域の部族警察を総括してパキスタン人治安部隊と戦わせようとしたときに、平和的にこれを解決したことで名高い。

「各行政区の連邦政府代表が、以前は持っていた自治権を失ったからだ」とAzizは語る。これはパキスタンの「政策の失敗」だけでなく、国際的な状況が影響したからだという。これらの行政区の大半は対ソ時代、アメリカとパキスタンが支持したムジャヒディンのアジトとなっていた。

《個人的関係》

ソ連がアフガニスタンから撤退したあと、これらのムジャヒディンたちは地元の部族民のなかに溶け込んだ。

アフガン人、アラブ人、中央アジア出身の戦闘員たちが、地元民と結婚して個人レベルで、強い絆を保っている。

2003年にパキスタンがアルカイダやタリバン一掃のために部族地帯に入ったとき、あいかわらず「人参とムチ」政策をとった。地元のオブザーバーたちは、治安部隊は外国人戦闘員の掃討とともに、地元部族民を監視することに比較的成功していたと言う。「こうすることで、パキスタンは外国人、特にアラブや中央アジアの戦闘員を監視していた」と、雑誌『The Herald』編集員Ilyas Khanが語る。「行政は、この地域に隠れていた地元戦闘員やアフガン人タリバンの動きに介入しないよう、指示されていた」。

この政策は、パキスタン人タリバンを満足させておき、行政側がコントロールできなくならないように保つことだった。そのかわりに政府は、この地域に外国人を匿わないという保証を求めた。

『BBC』のラヒムラー・ユースフザイによると、この和平協定は、タリバン側の恩恵のほうが大きかった。治安部隊を気にせず、行動することが許されていた。

しかし、タリバンが外国人戦闘員を匿い続けることに苛立ったパキスタンの治安部隊は、突然今までの政策を変更した。外国人戦闘員を匿う容疑者たちに対して、武力を用い始めた。「その結果、タリバンは治安部隊に協力していた地元のジルガに、反旗を翻したのだ」と、Ilyas Khanは語る。

《タリバン支配》

戦闘員に追い返された多数のジャーナリストの1人の『BBC』のDilawar Khan Wazirは、2005年の1年で、親政府派長老や部族民100人近くが殺害されたと語る。「南ワジリスタンには、もはやジルガはない。これは特異な、前例のない状況だ」。

Ilyas Khanは、当局にとってのさらに深刻な問題を指摘する。Ilyas Khanによると、タンク地区−−部族地帯との接点にある、最後の大きな町−−も、最近タリバンに「陥落」したという。この地域には、「ビデオやオーディオ店は1件もなく、インターネット・カフェさえもない」。「タリバンによって完全に一掃されてしまった。地元警察は無力で、実質的に無効力になっている」。

前知事のKhalid Azizは、まだ状況を修正できるという。「行政を強化し、政策を施行するよう、努力を開始しなければならない」。「しかしもし行政官が決議を下す前に軍にお伺いをたて、そして軍はアメリカ人やアフガニスタンにいる外交関係者たちのお伺いをたてるなら、この地域に日常を回復させることは、期待できないだろう」。

hoonPakistan fights its own 'Taleban'
Aamer Ahmed Khan、Karachi

■パキスタンで「戦闘員さらに死亡[060306 BBC]

北ワジリスタンの部族地帯で発生した、パキスタン治安部隊との戦闘で、戦闘員120人が死亡したと軍が発表した。

こう着状態を解決するために、戦闘ヘリコプターが用いられたが、ミランシャーではいまだに抵抗が続いている。町には戒厳令が発令された。

(中略)月曜日に、治安部隊が、戦闘員が占拠したミランシャーの電話交換局を奪い返すために攻撃を始め、外国人を含む戦闘員19人がさらに死亡した。

夜中には、チェックポストで数人が殺害された。政府関係者の住居にロケット弾が撃ち込まれ、十代の娘も殺害された。

「最新の情報によると、3月4日の戦いで100人以上が死亡した。これにさらに19人が死亡している」と、ショーカット・スルタン中将が述べた。

《無人の町》

町の電力はいまだに遮断されているが、電話は、ある程度回復した。

(中略)月曜日、軍関係者が、ミランシャーに向かっていた『BBC』のHaroon Rashidを、チェックポストで数時間拘束したあと追い返した。別の外国報道関係者2人も、町に入ることを禁じられた。

数千人が町から避難している。(後略)

garr'More militants die' in Pakistan

■パキスタンの戦闘で、100人死亡[060306 AP]

パキスタンの治安部隊と、アルカイダやタリバン支持者たちの間の戦闘が3日目に入った月曜日、当局はミランシャーに戒厳令を発令した。政府関係者は、少なくとも戦闘員100人が死亡したと発表した。

宗教指導者たちは、停戦を仲介しようとした。月曜日に治安部隊は戦闘ヘリコプターや大砲を用いて町の戦闘員たちの拠点を攻撃したあと、掃討作戦を実施した。

諜報情報や負傷したり逮捕された戦闘員の取り調べで、戦闘員100人以上が死亡したようだと、軍報道官のショーカット・スルタンが発表した。治安部隊はまだミランシャーの建物すべてを制圧していないので、明らかなことはわからないという。ジャーナリストは、町に入ることを禁じられている。(後略)

hoonFighting in Pakistan Leaves 100 Dead
BASHIRULLAH KHAN、MIR ALI

■ミランシャー、ミールアリからの脱出が続く[060306 News]

戦闘員の基地や隠れ家を狙った軍の日曜日の攻撃で、戦闘員に大きな被害があったと、軍幹部が述べた。ミールアリでの戦闘で21人が死亡し、ミランシャーでは25人が死亡した。またMaulvi Abdul KhaliqとMaulvi Sadiq Noorの隠れ家も攻撃され、多数が死亡した。

土曜日の夜、ミランシャーにいる戦闘員と軍との間で激しい戦闘があったあと、日曜日には状況が沈静化したという。日中も断続的な攻撃はあったが、死傷者はいない模様である。

状況が比較的に静かになったところで、住民たちが安全な場所に移動を始めた。

(中略)ミランシャーにある、Maulvi Abdul KhaliqのマドラッサGulshan-i-Ilmと、Danday Darpakhelにある、前アフガンムジャヒディン司令官マウラビ・ジャラウディン・ハンカーニ師のモスクが破壊された。

ショーカット・スルタン軍報道官は、イスラマバードで行なった記者会見で、2日にわたる北ワジリスタンの戦闘で戦闘員46人が死亡した、と語った。正確な死傷者の数は明らかになっていないが、およそ110人以上が死亡したといわれる。一般市民多数も死亡、または負傷した。

軍幹部高官によると、戦闘員はミランシャーから追い払われ、ミールアリからバヌーに向かう道路は制圧されたという。戦闘員たちが撤退したために、日曜日には大きな衝突はなかった。

戦闘員報道官が、国境警察隊員18人を拉致したと述べ、ミランシャー近くのChashma Pul橋で軍のヘリコプターを撃墜したと主張したが、軍関係者はこれを否定している。国境警察隊員5人が死亡したにとどまり、ミールアリ近くとミランシャーの城塞で襲撃されたときに死亡した4人が含まれるという。

北ワジリスタンの地元タリバン報道官だと主張するMaulvi Abdul Ghafoorが『News』に、戦闘員がミランシャーで国境警察隊員15人、Saidgaiでは3人を拉致したと衛星電話で述べた。証拠を尋ねたところ、数日のうちに、ビデオを発表するという。Chashma Pul地区で、ヘリコプターが墜落したとも主張した。

Maulvi Sadiq Noorの部下だというこの報道官によると、死亡した戦闘員は3人だけである。2人がミールアリで、1人がミランシャーの電話交換局で殺害された。

Maulvi Abdul Ghafoorは、パキスタン陸軍の北ワジリスタンからの撤退を求めた。兵が撤退したあと初めて、行政側と国境警察当局との和平に関する話し合いに応じると言う。パキスタン人タリバンは、最近のDanday Saidgaiに対する作戦に抗議して、軍との対抗を始めた。Danday Saidgaiの作戦で、パキスタン人タリバン14人と、地元の部族民4人が死亡したと述べ、政府が主張するように、死亡したのは外国人戦闘員40人ではないと言う。Asad司令官はチェチェン人ではなく、マルダン出身のパキスタン人だと主張した。(後略)

hoonExodus of Miranshah, Mir Ali residents continues
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンの衝突、情報混乱[060306 BBC]

パキスタン軍と戦闘員との間の戦闘に関する情報が、混乱している。

軍報道官によると、軍は完全に地域を制覇し、50人ほどを殺害したと主張しているが、現場からの報告では、こう着状態がまだ続いているという。

軍によると、北ワジリスタンの混乱は、親タリバン派戦闘員が政府のチェックポストを攻撃したことで始まったという。住民は、現場から逃げ出しているといわれる。

ある地元のレポーターによると、軍は新たな攻撃を計画していると語った。

しかし『BBC』の西アジア編集局のPaul Andersonは、北ワジリスタンは軍の戦闘地であるため、外国人ジャーナリストは情報が収集できないと言う。

(中略)「現在地元の行政機能は復活し、地域は治安部隊に完全に制圧されている」と、軍報道官ショーカット・スルタン中将が述べた。「一般市民の犠牲者がいないとは言えない。なぜなら戦闘員は一般市民にまぎれて隠れているからだ」。しかし「我々はレーダーや最新の武器や装置を用いて、正確な狙いをつけて攻撃している」。(後略)

hoonConfusion over Pakistan clashes

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.