【2006年3月13日〜3月19日】


■パキスタンの警察車両爆発、7人死亡[060319 AP]

戦闘員たちがパキスタンの北西辺境州で道路脇に仕掛けた爆弾を爆発させ、7人が死亡、4人が負傷した。

デーラ・イスマイル・ハーンでパトロールをしていた車両が爆発したと、警察官のDar Ali Khattakが語った。警察官3人と準軍隊兵士3人、通行人1人が死亡した。

犯行声明は出ていないが、Khattakによると、南ワジリスタンに隠れる戦闘員の仕業だと言う。(後略)

hoonBomb Blast Kills 7 in Pakistani Police Van
DERA ISMAIL KHAN

■アフガン刑務所関係者、3人の囚人にてこずる[060318 Chicago Tribune]

アフガニスタン最大の刑務所を運営する男たちにとって、最大の悩みは脱獄やアルカイダやタリバンの囚人でも、最近の刑務所内の暴動でもない。問題は、3人のアメリカ人だ。

「彼らは大きな障害となってきた」と、プーリ・シャルキー刑務所の司令官Shahmir Amirpoor中将が語る。「もうアメリカに帰ってほしい」。

3人、前兵士のJonathan Keith “Jack” IdemaとBrent Bennett、そしてカメラマンのEdward Caraballoは、2004年にアフガン人を私設収容所に監禁して拷問していたとして、逮捕された。(中略)

それ以来3人は、2000人以上を収監するコンクリートの刑務所にいる。しかしアメリカ人たちは他の囚人とは別の建物におり、携帯電話やコンピュータなども与えられ、贅沢な環境にいる。

「政府に、彼らにどのような環境を与えるべきかと問われた」と、MaulaviMuhammad Siddiq Moslimが語った。アフガン最高裁判所に勤めるMoslimは、Idemaの私設収容所に12日間拘束されたことがある。「最善をするべきだ。最善の施設を与えるべきだ」と答えたと言う。

しかし、最近発生した刑務所内の暴動で彼らの状況が明るみに出ると、政府関係者たちは彼らの特権を剥奪するように命じた。アフガン政府関係者たちは、アメリカに、彼らがアフガンの法律のもとで裁かれたにもかかわらず、男たちを母国に連れ返すか、早期に釈放してほしいと申し出た。彼らの安全や精神状態、特にCaraballoの精神状態が気がかりだという。

刑務所関係者たちは、首謀者で、アメリカの特殊部隊の訓練を受けた経験がある前兵士のIdemaは、静かで従順な男だと語る。「良い兵士だ」と、Amirpoorが言った。

しかしエミー賞受賞経験のあるカメラマンのCaraballoは、刑務所の警備員たちを攻撃し、不審な行動が目立つという。

IdemaとBennettはアフガン人通訳と一緒に、Cellblock 4棟にいる。刑務所の基準では豪華な環境で、アフガンカーペットが敷かれ、ソファが設置されている。男たちを支持する刑務所内部の様子を報告するウェブ・サイトによると、去年Idemaは、アルコールも飲め、ラップトップや電話、個人のベッドルーム、洗面所、使用人2人、雑用係1人、プレイボーイのチャンネルのついた衛星テレビがあてがわれていると、語っていたという。

しかしイスラームに改宗して、今はNajibと改名したCaraballoは、他の男たちと分かれてCellblock 1棟に移り、別々に収監されている。先日の暴動の中心となった場所だ。

約3週間前、囚人たちが暴動を起こしてCellblock 2を占拠し、Cellblock 1も乗っ取ろうとしていた。多数が、アルカイダやタリバンだったと言われる。この暴動の最中、Caraballoは自分の携帯電話を用いて報道陣に電話し、斬首されそうになっていると報告した。いっぽう男たちを支持するウェブサイトが、Caraballoがテロリストの仲間になり、保身のためとも考えられるが、「神は偉大なり」と大声で騒いでいると報告した。またCaraballoは捕虜となり、テロリストに囮にされているとも報道された。

しかし刑務所関係者によると、彼に危険はなかったと語る。「彼は暴動者の1人のように振る舞っていただけだ」と、囚人たちを管理しているAbdullah Azizi将軍が語った。「精神的に病気なのかどうかはわからないが、ただ、目立ちたがっているだけだ。彼が出て来れるように、手配してやった。携帯電話に電話をかけて、『出てこい』、他の者たちとは別扱いで面倒を見てやると言ったにもかかわらず、出てこなかった。電話を切ってしまった」。

4日に及んだ暴動で、6人が死亡して数十人が負傷した。その後Amirpoorは、Caraballoの携帯電話とラップトップを取り上げ、IdemaとBennettからは、衛星アンテナと携帯電話を取り上げた。他に取り上げるべきものがあるか、男たちの部屋を捜査することは、まだ上司の許可が得られないという。

先週Idemaは、刑務所内の生活についてコメントすることを拒否した。Bennettは共有していた部屋から出て鍵のかかる部屋に移ったという。2人とも話すことを拒否した。特殊部隊のTシャツを着て、やつれているように見えたが、「謝罪はする」と、言った。

Bennettによると、自分たちを弁護するウェブサイトを作ったのは自分たちではないと語り、やっているのは「良い連中」だという。このサイトは刑務所の暴動を数時間おきに詳しく報告し、Idemaからの電話の内容を掲載した。

Caraballoも、話すことを拒否した。彼は7月に釈放予定で、Bennettは2007年の7月、Idemaは2009年の7月にそれぞれ釈放される。

これまでこのウェブサイトから、3人の生活の様子が明らかにされてきた。情報やリンクが満載されている。(中略)ツナやラーメン、グミ、ジーンズ、毛布、手袋、ビーフシチューの差し入れなどに対して、お礼が述べられている。

Moslimは、3度Idemaを刑務所に尋ねたと語る。そこでお茶をごちそうになった。MoslimはIdemaに、彼らが自分の家を家宅捜索して現金や宝石を奪い、7人とともに拉致されたことの補償金として、1万3000ドルを要求した。しかし彼は、アメリカ人たちが自分を拉致したのは誤った情報からで、彼らは釈放されるべきだとも思っている。

「もっとましな扱いをされるべきだ。本当は彼らをうらんでいない。でもJackは、私から奪ったものを、返すべきだ」。

ohAfghan jailers want to unload gang of 3
Kim Barker

■アフガニスタン東部で5人襲撃される [060318 AP]

タリバンが土曜日に、影響力のある前州知事を自宅近くで襲撃し、本人のほかに、4人を殺害した。いっぽうタリバン3人が、現知事を襲撃しようとして、殺害された。

数日前、オマール師が抵抗勢力が活動を開始したことを警告したばかりである。

銃を持った男たちが、ガズニの自宅に車で向かっていた、前州知事のTaj Mohammed Qari Babaを始め、運転手とボディーガードと親戚2人を射殺した。男たちが車に向かって銃を乱射して、全員が死亡した。

現場から逮捕された2人が、取り調べを受けているという。

Babaはガズニでは影響力のある人間で、カルザイ擁護派たった。

この襲撃の数時間後、タリバンが現ガズニ州知事のSher Alamが乗った車列を襲撃し、銃撃戦となった。その結果タリバン3人が死亡し、1人が負傷、1人が逮捕された。「私は無事で、治安部隊が近くの村に逃走したタリバンを探している」と、Alamが語った。

1週間前にはカブールで、上院議長が乗った車に爆弾を搭載した車が突っ込んだが、議長は無事だった。この事件で、4人が死亡した。

外国人も多数、襲撃されている。ドイツの会社に雇われた4人のマケドニア人が誘拐され、遺体がアフガニスタン南部の山岳地帯の岩の下に埋められているのが発見された。

金曜日に警察が遺体を回収したが、カンダハルに遺体を移動している最中に道路脇で爆発があり、警察官9人が死亡し、3人が負傷した。

警察はマケドニア人の殺害と関連して、タリバン2人を逮捕した。この他8人の行方を追っているという。(後略)

garr5 Ambushed, Killed in Eastern Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL

■アフガン前州知事殺害される[060318 BBC]

タリバンが、影響力のあるアフガニスタンの親政府派関係者を殺害した。

前ガズニ州知事のMullah Taj Mohammad、別名Qari Babaが、自宅があるAndar地区のBatta近くで射殺された。一緒に車に乗っていた3人も殺害された。

前州知事は、1980年代にソ連と対戦した軍閥で、後にタリバンとは対立していた。

これとは別に、銃を持った男たちがガズニ州のNawa地区の刑務所責任者を襲撃したが、責任者は無事だった。

タリバンたちは、重要な親政府関係者の襲撃を開始したようだ。

garrAfghan former governor shot dead

■アフガニスタンの前警察長殺害される[060318 AP]

バイクに乗った銃を持った男たちが、アフガニスタン南部の前警察長を殺害した。木曜日の午後、Abdullah Khanがザーブル州のArgandabで殺害された。銃を発砲した2人の男は逃げ去った。

Khanは18ヵ月前、ザーブルの地区警察長に任命されていた。

警察は木曜日遅くに、ザーブルの州都カラトでタリバン容疑者3人を逮捕した。この男たちが、最近の襲撃事件と関係しているかどうか、わからない。

hoonGunmen kill former police chief in Afghanistan
KANDAHAR

■パキスタン戦闘員のためのイギリスの「操舵手」、求刑される[060317 Reuters]

アフガニスタンの同盟軍を攻撃するために用いらる可能性がある部品を購入したイギリス人が、「テロリストの操舵手」であることを認め、金曜日に求刑された。

ハーン(Mohammed Ajmal Khan)は、ラシュカレ・トイバのために部品を送ったという。(中略)イギリスの警察によると、2002〜03年にラシュカレ・トイバがアフガニスタンで作戦を計画していたときに、ハーンが部品を提供していた。

「ハーンはテロリストだ」と、イギリスの対テロ部門の責任者Peter Clarkeが述べた。「暴力の訓練を受けていた。テロリストの部品を買いあさっていた。英軍に対しても、用いられたかもしれない」。

ハーンは、部品を買うために3万5000ドル以上も持ち、車に防弾効果を施すために用いる材料であるケブラー繊維なども購入していた。無人偵察機の実験を行なうための、ハイテクビデオやGPSも購入した。

イギリス警察によると、爆弾を搭載したこのような無人偵察機が、インド軍やパキスタン軍によって撃墜されており、ラシュカレ・トイバはそのウェブサイトで、これらを使って攻撃することに成功したと発表している。(後略)

hoonUK "quartermaster" for Pakistan militants jailed
LONDON

■捕虜の救出に出たアフガン人、殺害される[060317 BBC]

タリバンに殺害されたと思われるマケドニア人の遺体の回収に出かけたアフガン警察官5人が、殺害された。

警察官が、死亡した捕虜の遺体を運んでいた車に同乗していたところ、車が爆発した。

死亡した4人のマケドニア人の遺体は、カンダハルの山岳部で発見された。タリバンが4人を捕まえ、射殺したと発表している。

マケドニア人はドイツの清掃会社の職員で、米軍のために働いていた。当初誘拐されたのは、アルバニア人だといわれていた。アフガン人警備員4人も一緒に誘拐されたが、後に解放されている。

行政官のAsadullah Khalidによると、捕虜の遺体はヘルマンド州との州境のMaiwand地区で発見されたという。「警察の車列が4人の遺体を運んでいたところ、カンダハルとMaiwandの間の道路脇で爆発があった」。「車1台が爆破し、残りは遺体とともに、カンダハルに向かった」。(後略)

hoonAfghans killed on hostage mission

■パキスタン人タリバン、アフガン国境を恐怖で支配[060317 AFP]

パキスタンのタリバンが、アフガニスタンと接触する部族地帯の一部を支配し、イスラームの名目で恐怖政治を施行していると、軍と治安組織の情報源が語った。

ワジリスタンでは、厳格なシャリア法を施行するために人びとを強制、あるいは脅迫していると、情報源が語った。

目撃者によると、いくつかの村ではビデオカセットが焼かれ、インターネット・カフェが放火された。FMラジオ局はタリバンの命令を放送し、「アメリカのスパイ」と書かれたメモを残した遺体が発見されている。

「これらの地元タリバンは数名の地元民で、邪悪なムッラーが率いるマドラッサの出身者だ」と、ペシャワルの治安組織責任者Sikander Qayyumが語った。「彼らは恐怖を植え付け、自分たちが人びとを支配しているかのようにふるまっている。これらのタリバンを、野放しにはできない。だから、軍事力を用いているのだ」。

最近パキスタン軍は、ミランシャーを占領したタリバン戦闘員を攻撃し、軍関係者によると、170人を殺害したと言う。戦闘員たちは山岳部に逃走した。

(中略)部族地帯は最近封鎖され、外国人を始め、地元ジャーナリストや人権団体も入ることができない。

ペシャワルの目撃者によると、最近の部族地帯の状況は、1996〜2001年のタリバン政権時代のアフガニスタン南部と類似しているという。

(中略)外国人戦闘員に支持された親タリバン派部族民や原理主義を教えるマドラッサの学生たちは、新たな超保守主義を施行しようとしているという。

「南ワジリスタンのタンクを最近訪れたが、床屋は髭を剃ることができない。音楽も演奏できない。結婚式においてさえもだ。伝統的なお祭りもない」と、元パキスタン陸軍大佐が語った。

ペシャワル大学のAzmat Hayat Khan教授は、ペシャワル郊外の村で、部族の長老たちが会議を開いたという。「議題は、テレビの取り壊し」だった。

「地元のタリバンは、長老たちを脅迫しはじめた。人気を得るために、犯罪と戦っているかのように振る舞っている。いわゆる盗賊を処刑し、遺体を見せ物にしている」。

12月にミランシャーで撮影されたDVDが、出回っている。電柱に吊り下げられた遺体などの写真だ。(中略)

電話で地元の長老に話を聞いたところ、地域の秩序維持は、タリバンに任されていると語った。「タリバンに説得され、ワジリスタンにシャリア法を施行することにしてしまった」という。

パキスタン政府関係者は、タリバンが地元行政を乗っ取ったという印象を与えているようだが、それは「全くの過ちで、根拠がない」と主張した。

「いわゆるタリバンと呼ばれるマドラッサの学生が、ワナに事務所を開いた、あるいは開きつつあるという事実はない」と、北西辺境州知事の報道官が声明を発表した。

しかし部族地帯の専門家でジャーナリストのラヒムラー・ユースフザイは、「それが拡大しつつあることが心配だ。スワートでは、最近テレビが焼かれた。スワートは、部族地帯でさえないのに」。

garrPakistani Taliban rule by fear on Afghan frontier
PESHAWAR

■アフガン警察、オマール師とザワヒリからの手紙を所持した男を逮捕[060317 AFP]

アフガン警察が、木曜日に、オマール師とザワヒリからの手紙を持ったタリバン2人を逮捕したと述べた。2人のアフガン人たちは、パキスタンとの国境近くのナンガハール州で逮捕されたと、国境警察隊副長官のMohammad Ibrarが述べた。「1人はオマール師とザワヒリからの手紙を持っていた」という。この男は、1996〜2001年にかけて、ナンガハールの行政官だった。

逮捕された2人目の男は、「非合法政府」に協力してはならず、オマール師とザワヒリの命令に従えと呼びかける「夜間」手紙、500枚を所持していた。「夜間」手紙とは匿名の手紙で、夜間、抵抗勢力が村にばらまいている。

hoonAfghan police arrest men with letters from Mulla Omar and Zawahri
JALALABAD

■「タリバン」法の報道、否定[060316 BBC]

パキスタンの政府関係者が、南ワジリスタンの親タリバン組織が新たな法を施行としたとい報道は根拠がない、と語った。

先週の金曜日、ワナの部族リーダーや宗教指導者たちが、法と秩序を守るための組織を設立したと報道されたことに対して、反論した。

知事によると、地元の長老たちは「混乱」を終結させるために、和平委員会を結成したと語った。

《協力》

ペシャワルは、タリバン支持者たちがワナに事務所を設置したという報道を否定した。地元の部族委員会の役割は、部族の習慣と伝統にのっとって、平和回復のために行政に協力することだという。「彼らの役割は、抵抗勢力たちにテロ行為をやめさせ、地域の平和と経済発展のために原理主義的イデオロギーを放棄するよう、説得することだ」という。「また行政に協力して、罪人を逮捕しなければならない。罪人は部族法のもとで、行政が裁くことになる」という。

政府は、部族民たちが自分たちの責任に気づき、日常生活を回復させるために、任務を果たそうとしていると述べた。

hoon'Taleban' justice reports denied
Haroon Rashid、Peshawar

■タリバン、戦争宣言[060316 AP]

オマール師の名前で木曜日、アフガン人多数が自爆者として登録し、今後数ヵ月、外国人部隊やアフガン部隊に大きな被害が出るだろう、という声明が発表された。

声明は、カンダハルの『AP』のレポーターへのタリバン報道官のMohammed Hanifからの電話で読み上げられ、その後何者かがメールで同じものを送ってきた。

2ページからなる声明はタイプされ、最後にはオマール師のものと似たサインが残されていたと、イスラマバードの前タリバン大使、Abdul Salam Zaeefが語った。「若いアフガン人たちが多数、ムジャヒディンのキャンプに集まり、自爆攻撃のために名前を登録している」という。「今年、夏の始まりとともにアフガンの大地は、十字軍とその操り人形の血で赤く染まるだろう。占領者たちは、アフガンの抵抗運動の大きな波に襲われるだろう」と書いてあった。(後略)

hoonTaliban Statement Wars of Afghan Offensive
NOOR KHAN、KANDAHAR

■パキスタン、シリア人容疑者を拘束[060316 AP]

テロリストと関係があると思われるシリア人をパキスタンが拘束していると、政府関係者が語った。

当局は11月に、クエッタで逮捕されたスペイン国籍のMustafa Setmarian Nasarが、アルカイダと関係があるかどうか捜査中だと述べていた。

アメリカによると、Nasarはアフガニスタンのビンラディンのキャンプの訓練士で、毒物や化学薬品の扱い方を過激派たちに教えていたという。

メディアは、Nasar、別名Abu Musab al-Suriは、マドリードの爆弾事件とも関係していると報道している。

hoonPakistan Holding Syrian Terror Suspect
SADAQAT JAN、ISLAMABAD

■パキスタン、マドリードの爆弾犯の逮捕に関して問われる[060316 Daily Times]

米国務省はパキスタンに、2004年3月にマドリードで発生した爆弾事件の首謀者と思われているアルカイダのリーダーを逮捕したかどうか、確認を求めた。

『CNN』と『NBC』が去年の11月、Mustafa Setmariam Nasarがコハートで、銃撃戦の末に逮捕されたと報じた。Nasarの部下の1人が、この銃撃戦で死亡したとも報道されている。

内務省内の情報源が水曜日に語ったところによると、米国務省が最近パキスタンに、Nasarの逮捕に関する情報を求めたという。アメリカとスペインのメディアがNasarの逮捕を報じているが、このシリア人容疑者がパキスタンで拘束されているのかどうか、質問した。

Nasarはマドリードの爆弾事件の首謀者と見られ、ロンドンの自爆事件とも関係しているといわれる。米国務省は2005年7月にNasarに対して500万ドルの賞金をかけ、イラクかパキスタンの部族地帯にいるはずだと述べていた。

hoonPakistan asked to confirm arrest of Madrid bomber
KARACHI

■ロディにおけるテロリスト目撃証言、疑問を投げかける[060315 Los Angels Times]

FBIの情報源が、1998年と1999年にザワヒリをロディのモスクで目撃したと証言し、サクラメント連邦法廷を驚かせた。

しかしテロ専門家やFBI関係者さえもが、火曜日のナシーム・ハーン(Naseem Khan)の証言に疑問を表し、ザワヒリがCentral Valleyの農村を訪れる可能性はないと述べている。

被告側の弁護人は、ロディのアイスクリーム・トラック運転手とその息子に対する、政府側の目撃者であるハーンの信用性に疑問が湧いてきたと述べた。

ハーンの信用性が問われた場合、連邦政府がテロリストと見ているUmer Hayatとその息子Hamid Hayatに対する告訴に、大きな支障が生じる。これに先立ちヴァージニアの裁判官は、アルカイダ容疑者のザカリウス・モスサウイに対する裁判を、連邦政府検事が目撃証言を改ざんしたとして中止したばかりだ。

この他にも、検事側の過失のために有罪判決が無効になる場合が相次ぎ、裁判官のなかには、被告人の味方になる者さえ出てきた。パレスチナを援助していたとして、テロ行為で起訴されていたフロリダ大学の教授の件や、テロリストの情報を含むウェブサイトをデザインしたとして求刑された、アイダホのコンピュータ・サイエンスの学生の件も、取り下げられている。

ハーンがFBIに、ザワヒリに関する情報を初めて提供したのは、2001年の終わりである。その結果FBIはハーンを雇い、月20万ドルを払ってロディのムスリム社会を監視させ、2002〜2005年の間、極秘に会話を録音させた。

Hayatの息子は、2003年にパキスタンの訓練所に参加して、テロに対する物質的援助をしたとされる。父子は、FBIに虚偽の証言をしたとして、告訴されている。

火曜日、農民、トラック運転手、溶接工など、ロディに住んでいるパキスタン人コミュニティが、ザワヒリが自分たちの所に住んで一緒に礼拝をしたという報道に反論し、政府がこのような証言を信じることなど考えられないと、怒りを表明した。

「ここに何をしに来たというのだ。我々はパキスタン人だ。アラビア語を話すエジプト人が来れば、すぐに気づく」と、店のオーナーMohammed Shoaibが語った。「FBIのほうがもっとよく知っているはずだ」。「いったい次は何だ。オサマがロディにいたと言うのではないか?」

テロ専門家たちも、ザワヒリがこの時期ロディにいたことは考えられないと語る。

(中略)1979〜1989の間、流暢な英語を話すザワヒリは、アメリカを数回訪問している。1991年にはAbdel Muezという偽名で、北カリフォルニアを訪問し、ベイ・エリア、サクラメント、ストックトンなどのモスクで、アフガン難民のためという名目で資金を集めた。しかし連邦政府関係者などによると、ザワヒリは1995年以後は、アメリカに入国していない。

(中略)ハーンの証言のあと、FBIも彼の証言を取り上げず、Hayat父子もザワヒリに関しては質問されなかった。代わりに取り調べでは、この町の2人の宗教指導者Mohammad Adil KhanとShabbir Ahmedが注目された。FBI工作員のTimothy Harrisonは、この2人を「大物」と呼んだが、2人とも、すでに母国のパキスタンに身柄を引き渡されている。

その結果、ザワヒリに関する疑惑で始まった取り調べは、連邦検事側のHayat父子の告発だけで終わった。「捜査が行き詰まったために、なんとか恰好をつけなくてはならなくなった。だからアイスクリーム・トラック運転手とその息子に矛先が向けられたのだ」と、Umer Hayatの弁護人Johnny L. Griffinが語る。(後略)

hoonSighting of Terrorist in Lodi Questioned
Lee Romney, Eric Bailey and Josh Meyer、LODI, Calif

■パキスタンのマドラッサ、破壊される[060315 BBC]

パキスタンの治安部隊が、アフガニスタンとの国境近くにあるマドラッサを破壊した。

北ワジリスタンにあるKhalifa Islami Madrassaは、タリバンのリーダー、ジャラウッディン・ハッカーニ師と関係があると言われている。

地元の部族民たちも、マドラッサの破壊に協力したという。建物の中には、誰もいなかった。兵士たちが、マドラッサ内にあった本を運び出してから、爆破したという。アフガン人の学生たちが学校を使っていたが、10月以来、閉鎖されていた。

hoonPakistan Islamic school destroyed

■タリバンのイラク型春の攻撃、開始[060315 Asia Times]

アフガニスタンに春が訪れるとともに、新たなタリバンの作戦が計画されている。今回タリバンたちは、自分たちがかつてないほど組織化されたと、信じている。

タリバンの復活は、イラクの抵抗運動とのつながりができたからで、タリバン数百人がイラクで訓練され、兵站的、戦術的な協力を得た。

そのひとつが、Jaishul Islam al-Iraq(イラクのイスラーム軍)がリリースした、コンパクト・ディスクだ。このCDは、いかに都市部のゲリラ戦が実行され、これがいかにアフガニスタンの抵抗運動に利用できるかが示され、タリバンの間に出回っている。

Jaishul Islam al-Iraqは、イラクの前将軍や独立したイスラーム主義者から構成されているために、CDに納めされた戦術は非常に洗練されている。この組織は、例えばアンサールウル・スンナなどのアルカイダと関係のある組織とも連携している。

CDには10のクリップが納められ、重要なJaishulの戦略を示す。まず、組織の諜報組織の構造、敵のランクや情報、標的に関する知識、特定の標的に用いるための「材料」、歩兵の重要性、などである。

そのひとつでは、2台の車を見せ、その数秒後、爆発物を搭載したそのうちの1つが米軍の装甲車に激突する。標的を監視していた別のトラックが、必死に現場から戻ってくるのが見える。

別のクリップでは、ゲリラたちが、米軍ヘリコプターが兵士を輸送するために用いる場所に陣取る。ヘリが離陸するとミサイルで攻撃され、撃墜する。兵士数人が焼死し、生存者1人は英語で命乞いをしている。銃弾の嵐となり、兵士は死亡する。

別のクリップは、タル・ファールの米軍基地を攻撃する様子が納められている。抵抗勢力は、イラク軍内の協力者とともに、基地に爆発物を仕掛け、それが爆発する。米兵が爆発を見守っていると、数秒後、自分たちの建物も爆発する。

これらのイメージの背景にクルアーンが流れ、「我々は自分たちの土地を全力で守る」という、アラビア語の歌が流れる。

《春になった》

情報によると、イラクで訓練を受けた戦士500人が、アフガニスタンとパキスタンに帰ってきた。さらに多くが、これから帰ってくる。

タリバンのイラクとの関係は、2003年にタリバンのリーダーのオマール師が、部下をアンサールウル・イスラームのもとに送ったことに始まる。アンサールウル・イスラームは、イラク北部で活動する、サダムの部隊と戦うクルド人ゲリラだ。アメリカの侵略のあと、組織の人間は米軍と戦うために、各地に散った。

2003年に、イラクに派遣されたタリバン司令官の1人、Mullah Mehmood Allah HaqYarがアフガニスタンに戻った。そこで、1980年以来対ソ連に対して用いていたゲリラ戦法ではない、新たな戦法を披露した。

まずは、特殊な使命を請け負って各グループごとに動けるように、編隊を構成し直した。これらの小さなグループは、2004〜2005年の間に、定期的にイラクに派遣された。彼らはそこで数ヵ月間、Jaishul Islam al-Iraq、アンサウル・スンナなどのイスラーム組織とともに行動した。

帰国すると、これらの男たちがパキスタンの部族地帯、特に南北ワジリスタンにいる仲間たちに、新たに学んだ戦術を伝授。その結果彼らは、アフガニスタンでは新たな現象となった、自爆班を組織した。

《パキスタンで》

春の攻撃として、タリバンは、パキスタン軍を部族地帯に引きつけておくために、彼らを攻撃し続ける。その結果、タリバンたちは自由に国境を越えることができる。あるいは軍と取り引きをして、タリバンに介入しないようにさせる。情報源によると、部族地帯における作戦は、すでにタリバンの指令議会で承認された。

アフガニスタン内では、ヒズビ・イスラミ・アフガニスタンのカシミール・ハーン、ダドゥッラー師、Akhtar Usmani師、ジャラウッディン・ハッカーニ師の息子、シラージ・ハク・ハッカーニが、地元部族民たちがタリバン運動に協力するよう、工作している。

Shabname、つまり「夜のメッセージ」を記したビラが、外国人部隊に立ち向かうよう、人びとに呼びかけている。ビラには、外国人部隊は、ムハンマドを冒涜する国々の人間からなると、書かれている。

タリバンたちは、たとえ訓練を受けても、イラクの抵抗勢力には劣るだろう。しかしアフガン抵抗運動はこれまで以上に有能になり、装備も整い、米軍や同盟軍にとっては脅威となり、戦術を考え直さなければならなくなるだろう。

garrTaliban's Iraq-style spring is sprung
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■ミランシャーのタリバン事務所[060315 Daily Times]

南ワジリスタンの地元タリバンは、ワナに事務所を設立し、この地域に「法と秩序を回復するために協力」することになった。

『BBC』によると、前下院議員のMaulana Noorが運営するJamia-ul-Aloomマドラッサで会合が開かれ、決定したという。出席者によると、ワナでは殺人や強盗、麻薬密輸などの犯罪が、急増しているという。

地元の宗教指導者Maulvi Abassによると、タリバンの事務所は地域に平和をもたらすためにあり、シャリア法を施行するためではないという。地元民たちが問題を進言すれば、カジ(イスラーム裁判官)が相談にのる。治安回復が望まれるために、政府はこれに反対しなかったと語った。

昨年政府と和平協定を結ぶまで、Maulvi Abassは政府から指名手配になっていた。

火曜日に警察は、北ワジリスタンでアフガン難民22人を逮捕した。戦闘員を匿っているとして、アフガン難民のパキスタンからの退去を命じられた翌日である。アフガン難民たちは「国境の反対側から入ってくる仲間を匿い、問題を起こしている」と、地区の治安関係者Sikandar Qayyumが語った。

治安部隊はミランシャーに通じる道路に検問所を設置して、アフガン人たちの車を捜査しているという。

難民たちが、この地域の「状況悪化」に関係しているかどうかはっきりするまで、アフガニスタンに帰国するように命じられたと、ある諜報組織関係者が語った。その後アフガン人たちが帰還したかどうかは、明らかではない。

(中略)先月南ワジリスタンで行方不明になっていた準軍隊兵士3人が、火曜日に基地に戻った。兵士たちは誘拐されたといわれていたが、政府は、解放のために身代金を支払ったという報道を否定した。

hoonTaliban office in Miranshah
MIRANSHAH

■アフガニスタン政府関係者、銃殺される[060314 BBC]

タリバンが、パクティア州で政府関係者を殺害した。

Zurmat地区行政官のMohammed Zahirが、仕事場に向かう途中、銃を持った男たちに射殺されたと、警察が発表した。Zahirは死亡する前、犯人の1人を殺害した。

火曜日の事件は、米軍とアフガン軍の基地のすぐそばで発生した。Zurmatはヒズビ・イスラミの拠点となっているという。

garrGunmen kill Afghanistan official

■パキスタン、タリバンにミサイルパーツを協力[060314 Independent]

米軍とNATO軍は、タリバンが肩掛けスティンガー・ミサイルの重要な部品をパキスタン政府関係者から入手し、アフガニスタンのヘリコプター撃墜に協力しているという情報を捜査している。

新品のバッテリー・パックを搭載したこのミサイルは、4ヵ月前にまで遡って、パキスタンのISIがタリバン側に提供しているという。

欧米の情報源によると、米国製のミサイルに必要なこれらの物資が、パキスタンの諜報組織内の一部の人間が供給しているのか、高官レベルの承認のもとで供給されているかはわからないという。

しかしストリンガー・ミサイルを再装備すれば、NATO機が危険にさらされることは確かだ。

これらのバッテリー・パックは18〜20基の赤外線誘導式ミサイルに用いられ、1万2000フィート上空の標的を撃墜できる。これらは、クエッタでタリバンに供給されているとされる。

米軍とNATO軍は、ミサイルを探し出すために、国境地帯を大々的に捜索している。この作戦に英軍は参加していない。スティンガーが見つかったかどうかは、報告されていない。

パキスタン政府は昨日この疑惑を、「根拠がない」と否定している。政府報道官は、「パキスタンは他のどの国家よりも、テロとの戦争で兵士を失っている。我々はこの戦いで、アルカイダとタリバンの区別をつけていない。これを覆す証拠もない。単なる噂や根拠のない疑惑、当てこすりだ」。

パキスタン政府は、ISIの一部の人間がこの疑惑に関わっている、という情報も否定した。「我々の軍と治安組織は、秩序ある部隊だ」という。

バッテリーがミサイルに搭載されたという報告は、去年の暮れ、アフガニスタンとパキスタンの国境付近から浮上した。対ロシア戦時代、アメリカがアフガン・ムジャヒディンに供給したスティンガーを買い戻そうとしている、アフガン政府関係者の地道な努力の結果である。

これまでタリバン戦士たちは、対空ミサイルを米軍やNATO軍に用いることに成功していない。しかし、カンダハル基地からトルネードを操縦する米軍・英軍パイロットは、たびたび地対空ミサイルで攻撃されたと報告している。

アフガニスタンとパキスタンの関係が、抵抗勢力がアフガニスタン内で攻撃していることに関して険悪な状態にあるため、欧米外交関係者たちは、このスティンガー疑惑を慎重に扱っている。(後略)

smellPakistanis accused of aiding Taliban with missile parts
Kim Sengupta、Kabul

■アフガン人、北ワジリスタンから退去を命じられる[060314 News]

北ワジリスタン行政が、北ワジリスタンに住んでいると思われる数千人のアフガン人は帰国しなければならない、と月曜日に発表した。

北ワジリスタン行政官のZaheerul Islamがラジオ放送で、アフガン人たちには去年3度帰国を命じたが、いまだにパキスタンにいると述べた。「現在彼らはアフガン難民ではなく、外国人だ。ただちに北ワジリスタンから出ていかなければならない」と、『ロイター』に語った。「帰らない者に対しては、厳格に処罰する」。

いっぽう当局はミランシャー近くで、戦闘員8人を逮捕したという。(中略)

バヌー辺境地域、またの名前をBakkakhelからの報告によると、長老たちが、政府が要求している聖職者を引き渡すことを拒否したという。この聖職者は、Bakkakhel氏族の長老のもとにかくまわれていると言われる。バヌー辺境地域の副行政官もBakkakhel氏族の長老のもとに出向き、聖職者の引き渡しを要求したという。長老たちは、この件に関してもう少し話し合うと述べた。ほとんどの者が、この聖職者を政府側に引き渡すことを拒んでいる。

hoonAfghans ordered to leave N Waziristan

■アフガン・パキスタンの緊張[060313 Asia Times]

カブールで起きたSibghatullah Mojaddidiに対する自爆事件の背景は、容易に想像できる。

Mojaddidiは、ヘクマチアルやサイヤーフなどの保守的なジハード主義者たちを、恐れてはいない。1980年代、彼はいわゆる「ペシャワールの7人」の1人で、現役ムジャヒディンではなかった。戦うよりも、説教に力を入れていた。ジハードをするよりは、パキスタンや欧米世界の居間でくつろぐことを選んだ。

Mojaddidiは、タリバンにも協力しなかった。しかし、反タリバン運動にも参加していない。2001年のアメリカのアフガニスタン介入にも、旗を振らなかった。虚栄心が強い影の支配者と非難されることがあっても、「アメリカの引き立て役」と非難する者はいない。アルカイダがMojaddidiに憤慨するとは、考えられない。

しかし、タリバンにとっては別問題だ。Mojaddidiは、タリバンをかつてないほどいらだたせている。特にパキスタン内にいる親タリバン勢力を、確実に怒らせた。まずMojaddidiは、最近カルザイと同一視されることが多い。

Mojaddid(というよりは、彼の一族)は、カルザイ政権の恩恵を直接被っている。それと引き換え、カルザイ政権に、パシュトゥンにとって必要な一面を分け与えている。Mojaddidは近々政党を結成すると噂されており、これが実現すれば、カルザイに対するパシュトゥン族の支持が確保されよう。カルザイ自身もパシュトゥンだが、比較的弱小氏族の出自である。しかし、Mojaddidiは話が違う。彼はアフガン国王に仕える、精神的リーダーの出自だ。Mojaddidiは、カンダハルのパシュトゥン・ネットワークの主流にいる。

カルザイは、タリバン幹部との和解を望むとしたら、それをするのはMojaddidiだと見抜いた。したがって彼を、タリバンとの和解委員会の委員長に任命した。この仕事は今ひとつはかどっていないが、Mojaddidiのせいではない。タリバンは、派閥主義を受け入れないだけだ。とはいえ、Mojaddidiのカンダハルにおける影響力は大きく、バローチスタンの状況を考えると、彼の反タリバン活動は、タリバン(とパキスタン政府)を刺激しているといえる。

アフガニスタンに派遣されていた米前外交官の言葉を借りると、タリバンは「防衛的抵抗運動」をしている。「アフガニスタン南部の再建を妨害するに足る抵抗運動を行ない、住民を防御壁にしている」。

確かにタリバンの攻撃は最近激化した。しかしこれだけでは、カブールがパキスタンを強く非難し始めた理由にはならない。

(中略)カルザイにとって、パキスタンとの緊張を高めることは、国内の問題から人びとの関心を退けることに役立つ。アフガン国会が成立したあとの権力の動きは、カルザイが予測していたものとは違ったものになってきている。

国会は、カルザイが任命したすべての内閣大臣の信任状を批准する権利を主張している。しかしカルザイは、国会全体で内閣を承認することを望んでいた。こうなると、国会が現内閣大臣のうちの何人かを、承認しない可能性が出てくる。したがって、カルザイは威信と権威を失う恐れがある。

これに対する対策として、カルザイは国会議員たちに無記名ではなく、記名投票をすることを提案した。しかし議員たちは、無記名を主張している。

(中略)カルザイは孤立化し始めている。Mojaddidi以外の影響力のある人物たちとも、うまくいかなくなっている。

ブルハヌディン・ラッバーニ前大統領は、2004年の大統領選ではカルザイを支持したが、現在は彼と距離を置いている。ラッバーニは、自分自身に対する支持を画策しているようだ。(中略)彼は、カルザイを公に非難し始めた。(中略)ラッバーニはイスラーム主義、アフガンナショナリズム、政治的便宜主義を再び持ち出し、口には出さないが、タジークの民族アイデンティティを規範にしている。

(中略)地域のリーダーたちが、カルザイのリーダーシップを無視している兆候もある。軍長官のドスタム将軍も2週間前、興味ある提案をした。もしカルザイが彼に、カブールにおける軍の総司令官の権限を与えたなら、タリバンの隠れ家を攻撃して、彼らを全滅させるというのだ。

アフガニスタン北部は、再び混乱している。ドスタム将軍の支持者と彼のライバルAbdol Malekとの間で衝突が発生。ヘラートでも暴動があり、外国の力が介入している可能性もある。アメリカとイランの対立も、大きな障害となっている。

(中略)カルザイの信用が失墜しているのは、国家機関が機能していないからだ。政府のポストは身内や縁故で固められ、汚職や無能力、混乱を生み出す。カブール政権は、人びとの生活とは無縁だ。

最近起きたカブール刑務所の暴動に関して、アフガン紙の『Cheragh』は次のように書く。「数十人が殺害され、負傷した。このような刑務所の暴動は、2度目だ。真実は隠されている。政府側は囚人の訴えや苦しみを握りつぶしている。女性や子供たちは暴力を受け、放り出される。刑務所に行った女性や子供たちkうち、性的虐待を受けずに出てくる者は1人もいない」。

「政府はすべてをタリバンとアルカイダのせいにして、調査を受けないですむようにしている」。不思議なことに、カブール刑務所の暴徒化した囚人たちが和解の交渉相手として要求したのは、Sibghatullah Mojaddidiだった。

hoonThe facade of Afghan-Pakistani tensions
M K Bhadrakumar

■アメリカ、エネルギーに関してパキスタンに協力するが、核はだめ[060313 Reuters]

アメリカは、パキスタンにエネルギー源に関して協力するが、原子力とイランからのガスパイプラインは禁じると、米エネルギー相Samuel W. Bodmanが月曜日に述べた。

Bodmanは石炭やガスパイプライン−−イラン以外の−−から、セルロースから抽出されるエタノール、風力・太陽エネルギーに至まで、将来必要になるエネルギーに関して、あらゆる協力をすると述べた。(中略)しかし「原子力の民間使用は、リストには載っていない」という。

(中略)アメリカは、イランと契約する国を認めるわけにはいかないと述べ、代わりにトルクメニスタンやカタールとのガスパイプライン・プロジェクトを進めるべきだと述べた。(後略)

hoonUS wants to help Pakistan on energy, but not nuclear
Simon Cameron-Moore、ISLAMABAD

■タリバン、外国人4人を殺害と主張[060313 Reuters]

タリバン報道官が月曜日に、アフガニスタンで外国人4人を誘拐し、オマール師の指示に従って殺害したと述べた。

カブールのEcolog社の関係者によると、マケドニア出身の社員4人がアフガニスタン南部で行方不明になったという。当初4人はアルバニア人としていたが、後にマケドニア出身のアルバニア系だと訂正した。タリバンの主張に関して、コメントすることは避けた。

タリバンによると、アフガニスタン南部で4人を誘拐し、3人はアルバニア人で1人はドイツ人だという。4人は殺害され、遺体がカンダハルとヘルマンドの間に放置されたと語った。オマール師の指示だという。

(中略)Ecolog社はこれに先立ち、4人の釈放のために、身代金を支払う準備ができていると語っていた。(後略)

garrTaliban say kill four foreigners in Afghanistan
SPIN BOLDAK

■タリバン、「外国人捕虜を殺害」[060313 BBC]

タリバンが週末にアフガニスタン南部で、外国人捕虜4人を殺害したと発表した。

タリバン報道官Qari Mohammad Yousufが、アルバニア人3人とドイツ人1人の遺体を、「ヘルマンドとカンダハルの間」に放置したと述べた。

当局はまだこの主張を確認していていが、4人の外国人を雇用した会社によると、全員アルバニア人ムスリムだという。

最近アフガニスタンでは、外国人が何度か誘拐されている。去年9月に殺害されたイギリス人、11月に殺害されたインド人、先月殺害されたネパール人などがいるが、ほとんどが身代金を支払ったあと、釈放されている。

タリバン報道官によると、外国人4人が射殺されたという。「アメリカ人に協力する者たちは殺す」と、『BBC』に語った。

釈放されたアフガン人のうちの1人によると、ヘルマンドからカブールに向かう途中、警察の服装をした20人ほどの男たちに制止された。「手と足を縛られ、目隠しをされた」。「アルバニア人たちを別の場所に連れて行った。発砲する音がして、アルバニア人たちが叫んでいるのが聞こえた。目隠しをされていたので、何も見えなかった」という。

男たちが雇用されていたEcologは、ドイツの会社で、米軍とアフガン軍の基地の汚水を処理している。

garrTaleban 'kill foreign hostages'

■カブールの爆弾事件でタリバンとの対話に障害か[060313 Washington Post]

昨日カブールで起きた車による自爆事件で、一般市民2人が死亡し、Sibghatullah Mujaddedi元大統領が軽い怪我をした。この事件のために、タリバンとの和解に障害をきたし、テロリストに関するパキスタンとの言葉の戦争に、拍車がかかることが予測される。

上院議会と、タリバンを一般生活に迎え入れようとする和解委員会を率いる80歳のMujaddediは、パキスタンの諜報組織が今回の攻撃の背後にいると、強く非難した。事件の数時間後、カブールで記者会見を開き、包帯を巻いた両手を振りかざして、怒りを表明した。

「私の何が悪いというのか? アフガニスタンの平和と繁栄のために働いている」と語り、パキスタンの工作員が彼を殺すための「計画を実行」し、ムシャラフ大統領はアフガニスタンが「安全で安定」することを望んでいないと語った。

パキスタンの外務省報道官はすぐに、このような非難を「根拠がない」として却下した。しかしこの事件で、ムシャラフとカルザイ大統領の間の亀裂は、さらに大きくなったといえる。

この2人のリーダーには、共通点が多い。2人とも穏健派ムスリムの価値観を掲げ、疲弊した国を現代化しようとしている。2人ともイスラーム原理主義や暴力を強く非難する。2人とも、暗殺の標的となっている。両国とも長い国境線を共有し、部族民たちは国境の両側に住む。テロとの戦争においては、同盟国であるはずだ。

しかし不審感と画策の長い歴史のために、両国の関係は混乱し、部族地帯のタリバンや戦闘員たちによる暴力沙汰で、さらに敵対関係になってしまった。

「両国の政府は、共にテロとの戦争を戦っているはずなのに、それぞれお互いをスケープゴートにしようとしている」と、パキスタンの退役将軍Talat Masoodが語る。「軍は敵を攻撃するだけだ。必要なのは、国境地帯に開発や法と秩序をもたらすことができる包括的な政策だ」。

先月カルザイはムシャラフに、パキスタンにいるタリバンなどのお尋ね者の名前や住所を手渡した。しかしムシラャフはこの情報を「めちゃくちゃ」と批判し、「パキスタンの印象を悪くしようとするもの」と反論した。いっぼうカルザイの報道官は、情報は正しく、パキスタン内で「テロリストたちが自由に行動している」証拠だと応戦した。

(中略)Mujaddediに対する自爆攻撃は、タリバンたちを日常生活に戻そうとする彼の努力に対する攻撃と思われる。タリバン幹部数人が政府に参加し、和解プログラムが進んだ。いっぽうでタリバンたちは、欧米の支持を受けたカルザイ政権の転覆を目論む。

(中略)パキスタンの南北ワジリスタンでは、タリバン戦士や外国人の原理主義戦闘員たちが、権力の座についているといわれる。「彼らは地元司令官を任命したり」、民間会議を行なっていると、人権団体のAfrasiab Khattakが語る。(中略)

最近のパキスタン軍による取り締まりは、いかにそれが裏目に出るかを物語る。3月1日に軍やヘリコプターが、ミランシャー近くにある戦闘員の隠れ家を攻撃した。しかし地元の住民たちは、死亡したのは一般住民だと抗議し、ムスリムの聖職者に煽動されて、武器を持って立ち上がった。それ以来、100人近くが殺害され、数千人が町を避難。今も断続的に戦闘が続いている。

政府支持者たちは、ムシャラフは国際的な圧力と国内のイスラーム組織の圧力の板挟みになっていると見る。しかし政府を非難する者たちは、ムシャラフ政権は部族地帯の経済改革を行なわず、弱いカルザイの中央政府と対抗するために、タリバンを戦略的に利用していると見ている。

「軍は、いくらでも派遣できるだろう。しかし、政治的な意思の問題だ」と、Khattakは語る。「これらの地域をもっと大事に考え、南アジアと中央アジアの架け橋にするべきだ。今はブラックホールになっている」。

hoonKabul Bombing Could Set Back Talks With Taliban
Pamela Constable

■アフガニスタンで戦闘員11人逮捕[060313 AP]

月曜日にヘリコプターと戦闘機に援護された同盟軍がアフガニスタン東部の谷を襲撃して、米軍兵士4人を殺害した爆弾を仕掛けたと思われる戦闘員11人を逮捕した。

(中略)米軍が発表した声明によると、砲撃隊やヘリコプター、AC-130戦闘機に援護された海兵隊員や兵士たちが、クナール州のピーチ谷を攻撃した。

クナール州の警察長官のAbdul Ghaffar Khanによると、アフガン警察と米軍が、日曜日に米軍車列が攻撃された現場を捜索した。道路は封鎖され、一般車両は通行止めになった。

米軍は、「同盟軍は、日曜日の攻撃を行なったと思われる、11人の戦闘員を逮捕した」という声明を発表した。(後略)

hoon11 Suspected Militants Held in Afghanistan
AMIR SHAH、KABUL

■バヌー駐屯地にロケット弾5発が撃ち込まれる[060313 News]

日曜日、バヌー各地にロケット弾5発が撃ち込まれたが、負傷者はいないという。

(中略)

また北ワジリスタンでは、アメリカのスパイだという男の遺体が、ミールアリとミランシャーを結ぶ道路上で発見された。殺害されたのは、ミランシャーのAnghar村出身のHafiz Jamilだという。Borakhel族に属し、Hafiz-e-Qur'aank(クルアーンを全部暗唱できる者)だった。

目撃者によると、遺体のそばにはアメリカのスパイは同じ運命をたどると記されたメモが残され、「ワジリスタンのムジャヒディン」よりとなっていた。

(中略)戦闘員の報道官だというTariq Jamilが『News』に、軍によるKhattay Killayに対する作戦で、外国人は1人も殺害されていないと語った。戦闘ヘリコプターと砲撃により8人が殺害されたが、全員地元の住民だったという。軍が最近ミランシャーのバザールで精神病の男と幼児と店員を殺害したと、非難した。「我々はパキスタンに忠実で、パキスタン軍とは戦いたくない。しかし軍は我々の村を爆撃し、住民を殺害している。部族民たちは武器を取り上げて、自分たちを守らなければならなくなった」と、Jamilが強調した。

《AFP追記》

日曜日に、アフガン軍と関係があると見られている別の男の遺体が、ミランシャー近くにあるMadakhel村で発見された。

また日曜日に戦闘員たちが、南ワジリスタンに駐屯する軍のために物資を運んでいた一般車両3台を強奪した。行政関係者が運転していた別の車も、Laddah村付近で強奪された。運転手は、無事だった。

hoonFive rockets hit Bannu garrison
BANNU

■ブッシュ、リスクを計算。パキスタンの面目を保つ[060313 New York Times]

ブッシュ大統領はすでに1週間以上前に、アジア訪問を終えて帰ってきたが、ひとつの大きな疑問が残る。ビンラディンが潜んでいるといわれる、世界でも最も危険な国のひとつであるパキスタンで、なぜ一晩過ごしたか。

簡単な答えは、ムシャラフが主張したから。長く答えると、秘密警察の悪夢の台本と、大統領の旅に関するリスクの計算という、物語になってしまう。

ブッシュにとって−−カブールに寄って秘密警察を翻弄させた−−この物語は、1月に、パキスタンのアジズ首相が訪米したときに遡る。このときブッシュは、一晩パキスタンで過ごすことに個人的に同意したようだ。この会談後ブッシュは、3月にパキスタンとインドを訪問すると発表したが、ホワイトハウス関係者は、パキスタン訪問の日程については明らかにしなかった。何度聞いても、いつ、何日間滞在するか、答えることを拒否した。

目的は、車の移動のタイミングやエア・フォース・ワンの到着時間を曖昧にして、テロリストたちを惑わすことにあった。秘密警察をあわてさせた2000年のクリントン元大統領のパキスタン訪問以来、伝授された方策だ。

6年たった今、クリントンの訪問は、当時知られていた以上に混乱していたことが、記録からわかる。クリントンの国家安全委員会National Security Council(NSC)の2人の対テロ担当者Daniel BenjaminとSteven Simonの著書によると、秘密警察はこの訪問に強く反対したという。

「2000年の訪問の準備をする際、NSCの恐ろしい台本を目の前に、秘密警察の立場を主張した」。「エア・フォース・ワンが、地上から攻撃される恐れがある。パキスタン軍が飛行ルートを極秘にしたり、安全を確保することは期待できない。秘密警察は、そのような任務は無理だと主張した。つまり大統領を守れないということだ。クリントンと会った際、大統領担当のLarry Cockellが、彼に直接そう言った」。

しかしクリントンは、秘密警察を説得した。ただ、同伴予定だった娘のチェルシーは、インドからパキスタンには行かないことになった。結局クリントンはCIA所有の小さな軍のジェット機でインドを発ち、攻撃に備えて、エア・フォース・ワンはおとりとなった。イスラマバードには、6時間もいなかっただろう。劇的な滞在ではあったが、クリントンがインドで5日間も過ごしたことを考えれば、ムシャラフにとっては屈辱的な違いだった。

パキスタン人によると、ブッシュ訪問に関して、ムシャラフは最初からインドと差をつけられることを承知していたという。「ムシャラフは、鼻であしらわれたクリントン訪問の屈辱を晴らすために、ブッシュに1晩はいてほしかった」と、パキスタンの元首相のアドバイザーだったHussain Haqqaniが語る。「今回はその時によりも、ましである必要があった。もしブッシュが1晩滞在すれば、それは彼がムシャラフとパキスタンを、これまで以上に信頼しているという意味になる」。

ブッシュもクリントン同様、パキスタンに寄らないでインドを訪問できないと、政治的に計算した。特にインドと核に関する取り引きをするのであれば、ムシャラフにも同様の申し出をしなければならない。さらに問題国家であったとしても、テロとの戦争の中心地であるからには、良好な関係を保っている必要がある。「理にかなった訪問であり、勇気ある訪問だった」と、クリントン政権時代の副国務大臣だったStrobeTalbottが語る。

ブッシュがパキスタン訪問に関して秘密警察を説得したのか、あるいは秘密警察に行くなと言われたかどうか、ホワイトハウスは語らない。しかしブッシュのイスラマバード滞在中、秘密警察は奔走していたことは確かだ。ブッシュがパキスタンで1晩過ごすということは、24時間前まで記者には発表されなかった。同日、カラチで、アメリカ総領事館員が自爆攻撃で死亡した。

イスラマバードで、エア・フォース・ワンはすべての電気を消して暗闇の中で到着し、離陸した。ミサイル攻撃を避けるためだ。そして大統領が地上に立つと、車に乗り込んだのか、おとりとなって走る車の上を飛ぶブラック・ホーク・ヘリコプターに乗り込んだのか、見分けることはできなかった。どちらにしても、要塞のような米大使館に向かうこのルートで、ムシャラフは2度も暗殺されかかっている。秘密警察にとっては、心配の種だ。(中略)

帰路イスラマバード空港に向かうブッシュは、今度はおとりを使わず、ブラック・ホークを利用した。ヘリから降りるブッシュと夫人を、秘密警察官12人が取り巻き、その後2人はエア・フォース・ワンに乗り込んだ。機体は滑走路の端まで移動し、その後完全な闇に囲まれて離陸した。(後略)

hoonBush's calculated risk: Saving face for Pakistan
Elisabeth Bumiller、WASHINGTON

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.