【2006年3月27日〜4月2日】


■宗教指導者の「スパイ」、殺害される[060402 AP]

イスラーム過激派がパキスタンの部族地帯で、アメリカとイギリスのスパイだという宗教指導者を殺害した。

マドラッサの校長のMaulana Zahir Shahが、武装した男たちに誘拐された5日後、遺体となって発見された。

Shahは政府に協力して、Tajoriにある自分のマドラッサから、過激派に批判的なFMラジオ番組を流していた。Shahの遺体には、彼がパキスタンの米大使館を訪れ、イギリスとアメリカのためにスパイ活動をしていたとするメモが残されていた。(中略)

いっぽう地元警察官のDar Ali Khattakによると、警察は村で毎年開催される祭典を妨害したとして、スンナ派過激派組織60人を逮捕した。

村人2人が、シパヘ・サハバの支持者たちと村人たちとの衝突で負傷したと、Khattakが述べた。デーラ・イスマイル・ハーンで開催される春の祭りは、数世紀前から実施されてきた。

3日に及ぶこの祭の最終日である日曜日、組織の支持者たちがテントに放火して、村人たちと衝突した。その後警察が到着して、事態を鎮圧したという。

組織は、非イスラーム的として、この祭典の開催を中止するよう、警告していた。

hoonPakistan: Cleric killed as 'spy'
DERA ISMAIL KHAN

■警察官5人、タリバンに殺害される[060402 AFP]

バイクに乗ったタリバンが、アフガニスタン南部のチェックポストで警察官に発砲し、警察官5人が死亡した。

4人の男たちが、カンダハル郊外のチェックポストにやってきて発砲し始めたと、目撃者が語った。警察官4人が即死し、1人は病院に運ばれる途中に死亡した。このほか3人が負傷した。

タリバン報道官だというYousuf Ahmadiが、殺害したのはタリバンだと述べた。「ゲリラ攻撃は、我々ムジャヒディンの4人のメンバーが実施した」と、電話で述べた。

hoonFive police killed in attack claimed by Afghanistan's Taliban
KANDAHAR

■パキスタンの僻地で、市民戦争[060402 New York Times]

僻地の砂漠地帯では、ガスパイプラインや鉄道の爆破は日常茶飯事だ。最近は道路脇の爆弾や大砲までが日常的になってきた。最近、市民100人以上が死亡し、政府の治安部隊数十人も犠牲になっている。

ここは、アメリカがイスラーム過激派と戦うアフガニスタンと国境を接する部族地帯ではなく、パキスタンのもうひとつの前線、抵抗運動が活発になっている、バローチスタン州である。

(中略)政府は否定しているが、ここでは大掛かりな軍事作戦が展開されている。抵抗勢力のリーダーによると、数千人が、2万3000人のパキスタン軍と戦っている。

3月初旬、24時間かけて、ラクダと馬、徒歩で現場に入ると、戦闘が行なわれていることは明らかだった。ジェット戦闘機や偵察機が現場の上空を飛行し、山の峰に沿って、長距離砲が空をオレンジ色に染めていた。

この戦いは、タリバンの抵抗運動でもシーア派とスンナ派の宗教抗争でもない。パキスタン人とは異なる、バローチ族の権利と自治の問題なのだ。彼らはペルシア語起源のバローチ語話者で、おそらくこの地域の先住民である。

ムシャラフがこの地域のガス油田開発に着手し、イランから石油を引くためのパイプライン建設を計画して、中国の協力で貿易を促進するために深海港建設を着手したことで、緊張が高まった。

ムシャラフはバローチ族に対する配慮に欠け、自分たちの持つ資源に対する採掘料を支払わないと、バローチ族は訴える。

政府は、部族民に対する支配を保持するために、経済開発を妨害しているとして、2人の抵抗勢力リーダー、80歳のナワーブ・ブグティ(Nawab Akbar Khan Bugti)と40歳のバラッチ・マルリ(Balach Marri)を指名手配にした。

岩の突き出た日陰で実施したインタビューで、ブグティ氏とマルリ氏は、政府の告発を否定する。自分たちは経済開発に反対しているのてはない。パキスタン政府が自分たちに圧力をかけるために実施している、軍事作戦に反対するのだ。

「軍事政府が軍事支配を実施しているので、バローチ族は自分たちの土地と資源を守るために、我々の領地に侵入してきたパキスタン軍と戦っている」とブグティ氏は語る。「この戦いは、バローチ族の国家主権の戦いだ」。「もし政府がこれらの主権を受け入れれば、戦いはない」。

ブグティ氏などによれば、政府はアメリカから得たジェット機や戦闘ヘリコプターを用いて、自分たちを攻撃している。「アメリカ製」の刻印が押された爆弾の破片が見つかるという。

事実、Mararar村の学校のそばには、アメリカ製のMK-82爆弾の破片や巨大なクレーターが残っていた。これは、3月から始まった爆撃の結果だという。

3月14日には別の爆撃があり、道路建設にあたっていたブルドーザー2台に命中した。部族民が回収した破片には、ArizのMesaで作られたガス・ジェネレーターの一部である、ニューヨーク製の“valve solenoid”があった。

去年パローチの政治リーダーが中央政府に、15条の提案を提出した。まず州の資源に対する規制、パローチ少数民の保護と軍事基地の建設中止である。

緊張は数年来続いてきたと、クエッタに住む歴史家Suret Khan Marriが語る。問題や暴力沙汰は、ブグティ族とマルリ族だけの問題ではなくなってきた。「いつも運動はある。もみ消されることも多い。今回は5度目の衝突で、バローチ地域全域に広まってしまった」。

バローチ・ナショナリストの抵抗運動は、パキスタンが建国された1947年に遡る。それまでイギリスの支配下では自治を認めれていた部族のリーダー、ブグティ氏は、パキスタンの一部に組み込まれることをいやいや認めた。

今回の問題は、バングラデシュがパキスタンから独立した1970年代の状況に匹敵すると、部族のリーダーたちは語る。「パキスタンが崩壊してもかまわないと思うほど敵意が大きくなれば、状況は最悪になっていることを意味する」と、抵抗リーダーのマルリ氏は語る。

(中略)パローチ解放軍は、1970年代に発足した3つの武装抵抗勢力の1つである。グワダール港で働く中国人技師3人を殺害した最近の攻撃など、さまざまな事件と関わっている。マルリ氏によると、この組織を率いるのは誰だかわからないが、ブグティ族でもマルリ族でもないという。

最近の暴力沙汰では、パンジャーブからの入植者たちの殺害もある。パローチナショナリストたちは、パンジャーブ人がパローチ族の仕事や土地を盗んでいると非難する。

政治家、学生、医師、部族リーダーなど数百人が、政府の治安部隊に拘束され、数ヵ月や数年間、正規の法廷に立つことなく、行方不明になっている。拘束中に拷問されたり死亡した者たちもいる。

バローチ族の医師Bari Langoveは、学生のリーダーであるAllah Nasar Baloch医師をクエッタの刑務所で診察した際、非常に衰弱していて話すことも歩くこともできなかったという。「精神的に衰弱していて、話すこともできなかった」(中略)。

デーラ・ブグティやコールーのような場所では、政府軍は村人たちにも報復しているという。人権団体の記録によると、村のそばで地雷が爆発して準軍隊兵士数人が死亡したあと、1月11日にPattar Nala村で、軍は12人の村人を殺害している。遺体を引き取りに村から基地に出向いた2人の老人も、殺害された。翌日14人の遺体が、村の女性に引き渡された。

地元の戦闘員たちによると、国境警察は過去3ヵ月間、このような報復殺人を42回実施した。最近では3月6日に、村人6人が殺害された。

政府の攻撃は、12月17日にコールーの軍事基地がオープンした際にこの地を訪れたムシャラフが、ロケット弾で攻撃されたことが引き金となった。政府によると、これはマルリ族の抵抗勢力、なかでもマルリ氏自身の仕業だという。

ブグティ氏によると、この直後に政府はデーラ・ブグティの町になだれ込み、いまだに店や民家に放火し、自分の家も焼かれたと語る。

政府は戦闘を否定し、パキスタン陸軍はバローチスタンに配備されてさえいないと主張する。単に地域の暴力沙汰を鎮圧するために、国境警察隊を派遣しているだけだという。

インタビューで警察長のChaudhry Muhammad Yakubは、抵抗勢力の数は1000人だという。州知事Owais Ahmed Ghaniは、国境警察3万6000兵がバローチスタンに配置され、その3分の2はアフガニスタンとの国境にいるという。両者ともバローチ族の抗争は、2ヵ月以内には鎮圧されると主張した。

ブグティ氏は、驚くべき経歴を持つ。地域の政治にか関わり続け、バローチスタン州知事を勤めていた。殺人に問われて拘束されていたこともある。イギリス支配下で教育を受けた、過ぎ去った時代の人間だ。1953年のロンドンでエリザベス女王の戴冠式にも、出席した。

今は家から追い出され、全く別の人生を歩む。忠実な部族民とともに夜空の下で生活し、カラシニコフとアルミニウムの杖を常に持つ。「いい、充実した人生だった」。「山で速やかに死ぬほうが、ベッドの上でゆっくり死ぬよりいい」。

政府が、部族の長老たちと話し合おうとしないのは、ばかげていると語る。「我々が現場から除外されても、若い世代の時代になったら、また同じことが繰り返さられるだろう。彼らはもっと過激だから、さんざんな目にあうことは確かだ」。

彼の孫の1人Brahamdaghが、ブグティ抵抗戦士たちを指揮している。2002年に、最初に50〜60人の男たちを連れて山に入った。今はデーラ・ブグティには2000人の戦士がおり、彼らに協力する一般市民は数千人いるという。マルリは、コールーに同じだけの戦士を抱えている。さらに各地域に、小さな戦闘員の組織が点在していると語った。

「多数のグループがある」。「3〜4人が集まり、何をするか決める。線路を狙うか、バスを狙うか。彼らに我々の敵意を見せつけている。我々はお前たちが嫌いだ、我々の土地から退去せよと、政府と戦っている」。

ある午後、数十人の武装戦士とともに歩いてやってきたマルリ氏も、若い世代の1人だ。マルリ族の族長の三男である。彼は、パキスタン国外で人生のほとんどを過ごしてきた。

2002年に国会に立候補するために帰国したが、政府の攻撃があって余儀なく逃走させられるまで、ほとんどをコールーで過ごした。「我々に圧力をかけることができると思うなら、我々を知らないということだ。バローチ族は、目覚めた」。

(中略)パローチ族の問題を解決するために去年発足した2つの国会委員会は失敗し、ムシャラフは、この地域に軍を用いるという彼の政策を変える意思はないようだ。

山のアジトで、ブルギ氏とマルリ氏は、3人目のリーダー、カラチに住むAtaullah Mengaとともに、政府との話し合いを非難する。

「彼らは話し合いをするに値しない」と、マルリ氏は語る。「我々の権利が問題になっているのに、ムシャラフはピーナツを提供してくる。話し合いに反対しているのではない。しかし、意味のある話し合いでなければならない」。「終わりが見えない」と、ブグティ氏は予見した。

garrIn Remote Pakistan Province, a Civil War Festers
CARLOTTA GALL、DERA BUGTI

■検問所で警察官4人、死亡 [060402 AP]

旅行者に扮したタリバンが、アフガニスタン南部の検問所で警察官と一緒に食事をして泊めてもらったあと、4人の警察官を射殺した。5人目の警察官が男を射殺した。

男は金曜日の夜遅くにヘルマンド州方面から歩いてきて、泊めてもらえるかどうか質問してきた。警察官たちが就寝したあと、男はライフルを奪って4人の警察官を射殺、起きてきた5人目の警察官に射殺された。

タリバン報道官のQari Mohammed Yousafが『AP』に電話をかけてきて、犯行声明を出した。(中略)

ヘルマンド州では土曜日に、米軍基地に備品を届けたばかりのトラックの車列を襲撃した。戦闘員たちはトラックに放火したが、運転手は無事だった。

hoon4 Policemen Killed at Afghan Checkpoint
KANDAHAR

■戦闘員、パキスタンの基地を攻撃 [060401 AP]

戦闘員がパキスタンの部族地帯にある軍の基地を攻撃し、兵士1人が死亡、4人が負傷したと、諜報組織関係者が日曜日に述べた。

土曜日の夜、北ワジリスタンのDattakhelにある基地がロケット弾で攻撃されたあと、軍が砲撃を実施した。戦闘員に負傷者があるかどうかは、わからない。

基地のすぐそばにあるManzarkhel村の民家に軍の流れ弾があたり、3歳の少女と6歳の兄が負傷した。(後略)

garrMilitants Attack Pakistani Military Base
BASHIRULLAH KHAN

■爆弾で米兵5人負傷[060401 AP]

アフガニスタン東部で、道路脇に仕掛けられた爆弾が米軍車両を直撃し、米兵5人が負傷した。また米軍主導の同盟軍の車列が自爆攻撃を受けて自爆犯が死亡したが、負傷者はいなかった。

クナール州で、道路脇の爆発のあと、抵抗勢力が発砲した。負傷者した米兵たちはバグラム空港に移されたが、怪我の程度は明らかではない。

カンダハルのMaywand地区の幹線道路で、同盟軍の車列が通過した際に自爆攻撃が発生した。車列に被害はなかったという。現場からバイクで逃走しようとした自爆犯の仲間を、アフガン軍が射殺した。

タリバン報道官のMohammed Hanifが、2つの事件に対して犯行声明を発表した。(後略)

hoonBomb Wounds 5 U.S. Troops in Afghanistan
DANIEL COONEY、KABUL

■州議員、アフガニスタンで射殺される[060401 BBC]

Takhar州で、州議員が射殺された。Sayed Sadiqが、自宅で何者かに射殺された。彼は10月の国会選挙の後、州議会の議長を勤めていた。

カルザイ統領を支持していたSadiq氏は、国会の発足後に殺害された最初の議員となる。(中略)ヘクマチアルの前司令官で、これまで2度行政官を勤めたことのある、影響力の大きい人物だった。(後略)

garrLawmaker shot dead in Afghanistan

■パキスタン人たちの死、さらに謎[060331 BBC]

アフガン政府関係者によると、先週殺害された16人のパキスタン人は、地元司令官の命令で射殺されたという。

アフガン外務省は、死亡したのはタリバン戦士だと発表したが、パキスタンはこれを否定している。

カブールのあるアフガン政府関係者によると、パキスタン人たちは国境付近で殺害される前に、拉致されたという。動機は、数年来の部族間の不和だという。

(中略)アフガン中央政府関係者によると、パキスタン人16人は北部同盟の戦士と関係のある人物に招かれ、カブール滞在中に事件に巻き込まれたという。この男が、現金と引き換えにパキスタン人をRazak司令官に引き渡し、ランドクルーザー数台に分乗させられてスピンボルダックに連れて行かれた。後手に縛られた男たちは、数メートル間隔で射殺されていた。

関係者によると、数年前に自分の兄弟が殺害された事件に関係した者が今回パキスタン人たちのなかにいたために、Razakは殺害を目論んだという。

hoonMore doubts over Pakistani deaths

■アフガン警察司令官、16人殺害の罪で起訴[060331 AP]

アフガニスタン政府は、16人のパキスタン人を殺害したとして、国境警察司令官を逮捕したと州政府が発表した。

スピンボルダック地区の警察司令官のAbdul Razzakが、取り調べのために異動されたと、カンダハル州知事のAsadullah Khalidが述べた。解任されたかどうかは、わからない。

(中略)Razzakは、犠牲者はタリバン戦闘員だったと述べているが、チャマンのパキスタン政府関係者のSaqib Azizは、犠牲者はNoorzai族に属するパキスタン国籍で、Razzakの氏族との血讐のために殺害されたと主張していた。

hoonAfghan Police Chief Accused of Killing 16
RAHIM FAIEZ、KANDAHAR

■9.11法廷で、失敗とやりくりの話[060331 Washington Post]

ザカリアス・モーサウィに関する3週間の裁判で、9.11に先立つ、アルカイダとFBIの相反する不気味な行動の軌跡が明らかになった。

新たに明らかになったハリッド・シェイク・ムハンマド(Khalid Shaikh Mohammad)の証言によると、アルカイダは標的を定めるために、十分時間を費やしたという。工作員を選び出し、ビザの申請の仕方を指示し、喉の掻き切り方を羊や駱駝を練習台にして教えたという。不用心な部下や一貫性のないボスのビンラディンに変わって、ムハンマドは計画を実現に向けて進めていった。

パキスタン生まれでアメリカで訓練を受けたムハンマドは、「成功の秘訣は単純さだと思っていた」ことが、CIAの報告から明らかになった。

ムハンマドが単純さを主義としたのに対して、米政府はさまざまな潜在的脅威を探し出すことに専念していた。CIAは、2人のハイジャック犯、Nawaf al-HazmiとKhalid al-Midharに関して多数の情報を持っていた。しかしFBIは、2人がサンディエゴに住み、ムハンマドの指示で観光客を装い、「博物館やアミューズメント・パークで暇をつぶしていた」ことを知らなかった。

FBIが目標に接近していたことが後になって証明されるが、当時は対テロ幹部の関心を得ることに成功しなかった。ミネソタのFBI工作員のHarry M. Samitは、モーサウィが危険な過激派で、ボーイング747-400を操縦することを学んでいるという覚え書きを残している。(中略)

これまでも、9.11に関するアルカイダ側とFBI側の行動は明らかにされてきたが、今回の裁判で、さらに詳細がわかってきた。(中略)9.11以前のNational Security Agencyの極秘通信やCIA監査官の報告は、いまだに極秘になっている。FBIのEメールやメモもある。しかし58ページからなるハリッド・シェイク・ムハンマドの証言と、彼が書いた2ページからなる供述書から、その直接的な概要が明らかになる。

「欧米の唯物論的な思考では私たちの考えを理解できないはずだし、アルカイダ幹部が工作員の行動を把握していないなどということは、信じられないだろうと思う。でも、そうやって進めてきたのだ」と、ムハンマドは供述書に書いている。「上司には、文章で報告しない。私は9.11の作戦を、すべて口頭で進めた」。

ムハンマドは、仲介者として働いてきた。例えばカラチで購入したサンディエゴの電話帳から、英語学校や飛行学校を探し出す。

しかし、できることはできるだけ、他の者に託した。ヨルダン出身のAbu Turab alJordaniを、洗練さに欠ける「手足となる」ハイジャック犯たちの教育に当て、動物を使ってナイフの使用方法を教え、ジェット機のキャビンへの突入の仕方などを教えさせた。ムハンマド・アタには最終的な采配を委ね、攻撃の目標や時期を決定させた。

ビンラディンはムハンマドに、ハイジャック計画を早く実行するように繰り返し催促したという。例えば2000年のコール戦攻撃のきっかり7ヵ月後の6月12日に、作戦を実行するように促した。しかし現実主義者のムハンマドは、これを退けた。「何度もビンラディンの命令に背き、ビンラディンからあてがわれた工作員を、自分がいいと思うように使った」という。

計画に関する制約の一つは、アメリカに入国するビザを取得できたアルカイダが少なかったことだった。MidharとHazmはそれほど英語が上手くなく、教養に欠けていたが、2人ともビザを持っていたので使うことにした。

モーサウィに関しては、彼は欧米に長く滞在していたために、信頼できないと見ていた。ムハンマドは、「欧米の人間は自由であるために、自分たちとは違う考え方をすると語っている」と、報告書にある。(中略)

9.11の攻撃のあと、その破壊力の大きさにムハンマド自身がびっくりした。報告によると、彼は「最初の攻撃の破壊力が、これほど大きいとは思ってもみなかった」と言ったという。

hoonAt Sept. 11 Trial, Tale of Missteps and Management
SCOTT SHANE and NEIL A. LEWIS、WASHINGTON

■「南ワジリスタン、タリバンが支配」[060331 Daily Times]

南ワジリスタンは、バイトゥッラー・マフスードとアブドゥッラー・マフスードの配下の者たちに「制圧」され、「タリバン式」政府が施行されていると、木曜日にペシャワル大学で開催された大会で、退役軍人Yakub Mahsudが語った。

Yakub Mahsudは、2004年10月に中国人技師が誘拐された際、政府側の人間として、解放のための交渉にあたった。

「アブドゥッラーとバイトゥッラーが、行政官の代わりに南ワジリスタンを支配している」。戦闘員たちがタリバン式政府を強制し、タンクにもこの影響が出ているという。

「アブドゥッラーやバイトゥッラーは、欧米は力だけを信じていると思っている。私は、彼らの言い分も理解できる。欧米はムスリム国家を信用せず、ムスリムを救おうとはしない」と語った。

部族地帯で軍が活動することは、パキスタンの利益にはならないと発言し、イスラマバードがワジリスタン問題を平和的に解決しようとしないことを非難した。「アブドッゥラーは平和的な解決に向けて、話し合う準備をしている。彼は政府と異なり、約束を守る」と、Yakub Mahsudが述べた。

hoon'South Waziristan run by Taliban'
Iqbal Khattak

■タリバン、アフガニスタンで攻撃を続ける[060330 AP]

木曜日、タリバン戦闘員がアフガニスタン東部で襲撃を行ない、行政官と3人のスタッフを殺害、いっぽう南部では警察司令官とその兄弟を殺害した。

これとは別にカンダハルで、アメリカ主導の同盟軍の車列を狙って自爆があり、6人のアフガン人が死亡した。

(中略)ラグマン州Dawlat Shah地区の行政官Qadeer Khanが、車で自宅に戻る途中にロケット弾とライフルで襲撃され、スタッフ3人とともに殺害された。

ヘルマンド州Musa Qalaの警察司令官と兄弟が、車に乗っていた所を襲撃され、殺害された。

「ヘルマンド州では、最近タリバンが攻撃を強化している。しかし我々はアフガン軍と警察を全地域に配置し、このような攻撃を防いでいる。同盟軍も協力している」と、ヘルマンド州副知事のAkhandzadaが語った。

カンダハルでは自爆犯が外国軍の車列のそばで車を爆発させ、本人が死亡、アフガン人通行人6人が負傷した。(後略)

hoonTaliban Continue Attacks in Afghanistan
RAHIM FAIEZ、KANDAHAR

■部族地帯の戦闘員との衝突で2人死亡[060330 AFP]

パキスタンの北西部の部族地帯で、パキスタンの治安部隊と戦闘員との間で衝突があり、2人が死亡、8人が負傷した。

水曜日の夜遅く、親タリバン派戦闘員がミールアリ付近の検問所にロケット弾を撃ち込み、兵士2人が負傷。衝突はその後発生した。

軍の発砲で近くの民家2軒に流れ弾があたり、男女が死亡し、子供を含む8人が負傷したと住民が述べた。(後略)

hoonTwo killed in clash with militants in Pakistani tribal area
MIRANSHAH

■アフガニスタンの恐怖のハイウェー[060329 BBC]

カブールとカンダハルを結ぶ道路は、アフガニスタンの主要ハイウェーだ。『BBC』のBilal Sarwaryが、アメリカによって建設されたこのハイウェーを旅して、さまざまな危険に遭遇した。

カンダハルからカブールに行かなければならなかったので、タクシーをつかまえた。(中略)「誰よりも早く連れてってやるよ。3500アフガニ(70ドル)だ。

(中略)運転手は、さまざまな経験をしていた。若い頃にはソ連軍と戦い、家族は投獄されたり、殺害された。しかし、ソ連撤退後はムジャヒディンに失望してパキスタンに逃げ、「いい連中だったから」タリバンの味方になったという。その後カンダハルに戻り、タクシーを購入した。「もう10年運転している」と、Abdul Bariが語った。

カブールに向かい始めると、さまざまな不平を言い出した。「警察が金を取るし、タリバンは音楽カセットを壊すんだ」。なぜ警察が金を取るかと聞くと、「すぐわかるよ」と言う.

カンダハルから出ようとすると、Daman地区にある警察の検問所で止められた。私服警察官がやってきて、100アフガニを要求。給料をもらっていないという。金をやると、丁寧に礼を言った。「政府は我々を守るために、泥棒を雇っているんだ」とAbdulが怒る。

ザーブルを過ぎると、タリバンの話題になった。Abdulによると、さまざまな時間帯に出現するという。「早朝だったり、夕方遅くが多い」。でも金や物を奪ったりはしないという。「カセットを壊し、乗客を殴る。我々は仲介に入って、叩かないでくれと頼むんだ」。

警察の制服を来た盗賊もいる。「まず携帯電話を持ってるか聞く。私は取り上げられなかったが、もし外国人を乗せたら、電話するように言われた」。

今や時速140キロで飛ばしていた。こんなに飛ばしたことがなかったので、気持ちがいい。なぜシートベルトをしないのかと聞くと、驚くことを言った。「神が望むときに死ぬんだ。順番が来れば死ぬんだ」。「ばかな外国人だけがシートベルトをする。弱虫だからね」。

途中、警察のパトロールはなかった。交通事故現場にいただけだ。運転手はとても速く運転し、競争し合う。ほとんど毎日事故がある。犠牲者はほとんど死亡する。病院まで、距離がありすぎるからだ。

突然車が4台止まっているのが見えた。近くの検問所で警察に止められた。検問所が、周囲の山から攻撃されたようだ。警察が銃で応戦していた。しばらくすると、何事もなかったように、再び動き始めた。私はびっくりしたが、他の人たちにとっては、日常茶飯事のようだった。

ザーブルを通過して、Shah Joyに着いた。この地域はタリバンが多い地域で、バイクに乗っているのをよく見かける。昼食をとっていると、バイクにのった男たちが、無線で会話を交わしながら車の周りを回っていた。

「タリバンだ」と、Abdulが言う。「車や乗車している者を調べて、無線で仲間と連絡し合っている。外国人やアフガニスタン政府関係者を探しているんだ」。

カブールまでの5時間、道路の脇には1軒の人家も村もなかった。燃えたり壊れた廃屋から、南部の治安が問題なのは明らかだ。別れ際にAbdulが言った。「物事を正してほしいから、カルザイに票を入れたんだ。私のような貧乏人の問題に気づかないのなら、2度と彼には投票しない」。

hoonAfghanistan's hair-rising highway

■アフガンの戦闘、最悪[060329 AP]

タリバンが水曜日、同盟軍の基地に対して大掛かりな攻撃を行ない、米兵とカナダ兵が1人ずつ死亡、タリバン戦闘員が32人死亡した。

(中略)「ここ5〜6週間、主に夜間、タリバンが基地を襲撃してくる。おそらく、これまでで最大の襲撃といえるだろう」と、英軍報道官のChris Vernon大佐が述べた。

戦闘は、前線基地に帰って行く供給物資を運ぶアフガン軍車列を火曜日にタリバンが襲撃して、勃発した。アフガン兵8人が死亡したという。

米軍・英軍の戦闘機や戦闘ヘリコプターが飛来し、カンダハルからはカナダ軍の緊急部隊が、ヘルマンド州のSangin地区の米軍・カナダ軍・アフガン軍からなる小さな基地に派遣された。

水曜日早朝、基地はタリバンに攻撃され、カナダ兵と米兵が殺害された。

タリバンに報復するために、同盟軍の戦闘機と大砲が用いられ、荒野の暗闇に逃げ込むタリバン20人を殺害、タリバンのアジト2ヵ所を破壊した。

「2つのアジトを確保したことで、諜報情報を入手し、今後敵に対して圧力をかける」と、米軍のAnthony J. Tataが述べた。

大量の武器や爆弾がアジトから発見され、すべてが爆破された。

(中略)水曜日の暴力沙汰は、麻薬密輸と関係があるかどうかは、まだ明らかではない。(後略)

garrAfghanistan Fighting Deadliest in Months
RAHIM FAIEZ、KANDAHAR

■パキスタン、サウジの核に協力したという報道を否定[060329 AFP]

パキスタンは、パキスタンの協力でサウジが密かに核開発計画を進めているという、ドイツの雑誌の記事を否定した。ドイツの雑誌『Cicero』が、2003〜2005年に、メッカの巡礼者に扮したパキスタン人が、サウジの航空機でサウジに招聘され、ホテルから数週間『行方不明になった」と報道した。サウジの科学者は1990年代から、核エネルギーに関する研究をパキスタンで行なっていたという。(中略)

「悪意をもって作られたでたらめ」だという。(後略)

hoonPakistan rejects report on secret nuclear help to Saudi Arabia
ISLAMABAD

■パキスタンの過激派リーダー、誘拐犯に殴打される[060329 Reuters]

水曜日に銃を持った何者かが、アルカイダと関係があるパキスタンの過激派組織のリーダーを拉致し、頭に重傷を負わせた。

ジャミアット・ウル・アンサール(前ハラカットゥル・ムジャヒディン)の会長Maulana Fazal-ur-Rehman Khalilが火曜日に、イスラマバード近辺の路上で襲撃された。

Khalilと運転手がイスラマバードから5キロの地点にあるTarnolのモスクにいたところ、武装した8人の男に拉致された。

Khalilと運転手は約5時間人質となり、その後激しく殴打されてから路上に放置された。「ライフルの銃床で殴られ、頭に重傷を負った」と、ある政府関係者が語った。「現在面会謝絶になっている」という。

(中略)Khalilは2年前、数ヵ月政府に拘束されていたが、その間に組織の会長に就任した。過激派活動の中心人物と見られている。

hoonPakistani militant leader beaten up by kidnappers
ISLAMABAD

■アフガン抵抗運動続行とタリバン、22人死亡[060329 Reuters]

アフガニスタンの抵抗勢力が水曜日に軍の基地を襲撃し、米兵とカナダ兵の他、抵抗勢力12人が死亡した。タリバン報道官によると、春の攻撃を開始したという。

タリバンによると、戦闘員がヘルマンド州で外国軍を攻撃した。

これとは別に火曜日、ヘルマンド州のSangin地区の道路脇で爆発があり、アフガン兵6人が死亡、カンダハルでは警察の検問所が襲撃され、警察官2人が死亡した。

米軍によると、前進基地が抵抗勢力に攻撃され、米兵1人が死亡した。カナダ軍報道官によると、カナダ兵1人が死亡し、3人が負傷した。

(中略)タリバンは、今後さらに攻撃を行なうことを誓い、春の攻撃を開始したと述べた。「暖かくなり、同盟軍とアフガン軍に対するタリバンの攻撃が開始した」と、タリバン報道官のMullah Mohammad Hanifが電話でどこかからか語った。

hoonTaliban say Afghan offensive is on, 22 dead
KABUL

■アフガニスタンの戦闘で「14人死亡」[050329 BBC]

米軍によると、外国人兵士2人と戦闘員12人が、アフガニスタン南部の戦闘で死亡したという。

ヘルマンド州における攻撃で死亡した兵士1人は米兵だが、もう1人の兵士の国籍は明らかになっていない。

水曜日早朝のこの攻撃で、米兵1人を含む5人の兵士が負傷した。

(中略)同盟軍は空からの援護を含むさまざまな兵器を用いて、戦闘員12人を殺害したと、米軍が声明を発表した。

負傷した兵士は、外国人兵士4人とアフガン兵1人である。(後略)

hoonAfghan fighting leaves '14 dead'

■錯覚[060328 Guardian]

ビンラディンに懸かった懸賞金、2500万ドルをもらった者は、いまだにいない。いっぽうアメリカは、自分たち自身でビンラディンの腹心を暗殺しようと、パキスタンの部族地帯で行動している。

12月に、北ワジリスタンのHaisoriにある民家にミサイルが撃ち込まれ、5人が殺害された。標的はアルカイダのナンバー3といわれる、爆弾製造専門家のAbu Hamza Rabiaだった。数分後、ウルドゥー紙『Ausaf』の記者、Hayatullah Khanが現場の家に駆けつけた。

煙と残骸のなかで、アメリカの印がついたミサイルの部品の写真を撮り、European Pressphoto Agencyに送った。写真は、政府の発表と異なった事実を映し出していた。

パキスタン軍は、Rabiaは誤って爆発をおこして死亡したと主張した。しかし地元の住民は、家に向かって空からミサイルが飛んでくるのを目撃した、と述べている。『Guardian』の欧米情報源も、同じ話を提供している。

Rabiaの家は、上空を旋回していた無人偵察機から発射された、アメリカのヘルファイアー・ミサイルに攻撃された。その数日後、Khanは行方不明になった。

ジャーリストが12月5日に、抗議運動を取材しようとして家を出たところ、銃を持った男たちに車の中に引きずり込まれた。5ヵ月たった今も、行方がわからない。

親戚や仲間のジャーナリストが、パキスタンやアメリカ政府に何度も抗議した。ジャーナリスト保護委員会(International Committee to Protect Journalists)も、行方不明のジャーナリスト23人のなかに、彼の名前を付け加えた。

Khanの行方については、さまざまな説がある。パキスタンのISIに誘拐されたという説。死亡または拷問されているという説。

彼の親戚は、アメリカに引き渡されたと信じている。「アメリカ人たちは、Hamza Rabiaの死を確認するために、Hayatullahを取り調べている」と彼の弟のIhsanullahは主張する。誰も確信を持っていない。

「これは非常に問題のあるケースです」と、Union of Tribal Journalists会長のSailab Mahsudは語る。「彼が生存していて、元気であることさえ確認できれば」。

個人にふりかかった悲劇としてだけでなく、4人の子供を持つKhanの蒸発は、アメリカのイスラーム過激派に対する戦争の、秘密の部分を露出させた。

部族地帯からアルカイダを一掃することが遅々としてはかどらないアメリカは、ついに業を煮やし、この2年間、自身でアルカイダのアジトを攻撃し始めた。

偵察機を用いたミサイル攻撃は、非常にデリケートだ。戦闘員よりも女性や子供たちを殺害することが多いこの攻撃を、アメリカは認めようとしない。

ムシャラフ大統領は、彼の同盟であるアメリカの人気が非常に低いことを承知し、アメリカがパキスタン国内で軍事活動をしていることを、頑なに否定している。

地元ジャーナリストは、このような攻撃は6回実施されたと信じているが、アメリカはそのうちの1回だけを認めた。1月13日のバジョール行政区で、ザワヒリを狙った攻撃だ。

ということは、Hayatullah Khanはいかにして、この問題のキャンペーンに巻き込まれたのか? ひとつ考えられることは、政府側の誰かが、彼が撮ったミサイルの破片の写真に激怒して、彼を黙らせたということだ。

もうひとつは、地元のタリバン戦闘員に攻撃された説。そのほかに、もっと複雑な某略説もある。

Rabiaが住んでいた家は、Khanの叔父のものだった。Khanは事前にミサイル攻撃を知り、彼の意思で逃げ出したと考えられるだろうか? カナダかアメリカに自ら亡命したという説もある。

しかしどの噂にも疑問が残り、パキスタンの警備関係者の作り事だと主張する。唯一の事実は、真実を知っている者が黙秘している−−少なくとも当座は−−ということだ。

この事件は、部族地帯のジャーナリストが直面する危険を露にしたにすぎない。外国人報道員は、許可なくして部族地帯に入ることを禁じられている。その許可も得られることはほとんどなく、地元のジャーナリストさえ、そこに行くことをはばかっている。

Khanのようなレポーターが、アルカイダに関するインフォーマントの話を提供していた。たとえば、7.7ロンドン爆弾犯は、ワジリスタンで訓練を受けていた。しかし取材には大きな危険が伴い。部族のジャーナリスト数人が、これまで殺害されている。

各方面−−戦闘員、パキスタン軍、地元の長老たちさえも−−から圧力を受け、ジャーナリストたちはこの地域から立ち退き始めた。「ワジリスタンで仕事をすることは不可能だ」と、Journalists' UnionのMahsudは語る。

彼らの恐れには、多いに納得できる。特にKhanが行方不明になってからは、なおさらだ。しかし、このような重要な地域について、我々は理解できなくなるという、大きな犠牲を払うことになる。

smellSmoke and mirrors
Declan Walsh

■爆弾で外国人2人、アフガン人9人死亡[060328 AFP]

アフガニスタンでタリバンと関係のある爆発があり、外国人2人とアフガン人9人が死亡。いっぽう自爆犯が自爆し、本人とその仲間が死亡した。

ニムローズ州で爆発があり、米警備会社USPIの車両に乗っていた外国人とアフガン人3人が死亡した。

地元の警察官によると、外国人は南アフリカの出身だというが、はっきりしたことはわからない。ある報道によると、死亡者の1人はナミビア人だったという。警察関係者によると、男たちはトルコの建設会社を警備していた。

「外国人2人とアフガン人ボディーガードと運転手が、遠隔操作された爆弾で死亡した」と、ニムローズ州知事のGhulam Dastageer Azadが述べた。(中略)

これとは別にヘルマンド州でも爆発があり、アフガン兵6人が死亡した。道路脇に仕掛けられた爆弾が、ヘルマンド州のSangin地区で、アフガン警察と兵士が乗った車列を襲った。(中略)

またカンダハルでは逃げようとした自爆犯が自爆し、本人と、一緒にいた地元のガイドが死亡した。(中略)

クナール州では月曜日、タリバンが女子校に放火した。(後略)

garrBomb blasts kill two foreign nationals, nine Afghans
KANDAHAR

■サウジ、パキスタンの協力を得て、核計画進行[060328 AFP]

パキスタンの専門家の協力を得て、サウジアラビアが密かに核兵器計画を進めていると、ドイツの雑誌が報告した。

ドイツの雑誌『Cicero』によると、2003〜2005年のハッジの巡礼の際、巡礼者に扮したパキスタン人科学者たちが、サウジが用意した航空機でサウジに入ったという。

2004年10月〜2005年1月の間にホテルの部屋から「消え」、長期の場合は3週間も行方をくらましていたと、ドイツの警備専門家Udo Ulfkotteの話を引用した。

欧米の警備関係者によると、サウジの科学者たちは1990年代中庸にパキスタンで働いていたという。

また米軍アナリストJohn Pikeの話として、パキスタンの核兵器の半分には、サウジのバーコードがついているという。「なぜなら、サウジはパキスタンの核計画に、資金を与えていた」からである。

また衛星画像から、サウジはリヤドの南のAl-Sulaiyilに、秘密の地下都市を建設し、ミサイルのための数十の地下サイロがあるという。欧米の警備関係者によると、パキスタン製のガウリ型長距離ミサイルが、このサイロの中に格納されている。

ohSaudis, with Pakistani help, working on nuclear programme
BERLIN

■ペシャワルで爆発、米領事館閉鎖[060328 Reuters]

火曜日、ペシャワルの米領事館が脅迫を受けて閉鎖された数時間後に爆発があり、少なくとも男性1人が死亡、15人が負傷した。爆弾は、町の中心部にあるバザールに置いてあったバイクに仕掛けられていた。

これに先立ち火曜日、イスラマバードの大使館報道官が、ペシャワル領事館が脅迫を受け、一時的に閉鎖したと述べた。「特定の、信憑性のある脅迫を受けた」という。領事館は、「再び通知するまで閉鎖される」と述べ、安全面でパキスタン政府と協力しているという。

「爆破の脅迫を受けた。しかし、そのような大それたことが起こるほど、深刻な脅迫ではなかった」と、法務省のMalik Zafar Azamが語った。

hoonDeadly blast in Pakistan's Peshawar, US mission shut
PESHAWAR

■南ワジリスタンで有罪にされた男、タリバンが処刑[060328 Dawn]

南ワジリスタンの地元のタリバンが、タクシードライバーを殺害したとされる男に死刑を宣告し、遺族の父親によって処刑された。

情報源によると、タリバンのシューラが、タクシー運転手のBilalを殺害したとしてHayatullahを有罪とし、シャリア法に基づいて死刑が宣告された。

処刑は日曜日の夕方、マフスード族の居住区であるTiarzaで、タリバンの監視のもとで実施された。Bilalの父親にカラシニコフが手渡され、息子の死に対する報復として、Hayatullahを射殺した。Hayatullahは月曜日に埋葬された。(後略)

ohMan convicted by禅aliban executed in S. Waziristan
PESHAWAR

■パキスタン、北ワジリスタンで逮捕したアフガン人69人を追放[060328 Daily Times]

北ワジリスタンで行なわれた戦闘員の取り締まりで逮捕された69人のアフガン人が、月曜日に釈放され、アフガニスタンに帰国した。

政府関係者によると、北ワジリスタンで150人のアフガン人が地元の戦闘員たちと一緒に戦ったとして、逮捕された。

(中略)月曜日に、逮捕された者のうち69人が無実となり、釈放された。トラックで国境のGhulam Khanまで運ばれ、アフガニスタン国内で釈放された。

月曜日には、帰国命令に背いたとして、さらに13人のアフガン人が逮捕され、所有していた店舗が封鎖された。(後略)

hoonPakistan deports 69 Afghans arrested in North Waziristan
MIRANSHAH

■タリバン、祭りを阻止[060328 Daily Times]

地元のタリバンがデーラ・イスマイル・ハーンの村人たちに、春の祭を中止するように求め、代わりにムジャヒディンを讃えるための集会を開くと表明した。

この祭りは毎年4月1日から、DurabinのShah Alam村で開催される。住民によるとち、「弓やカバディなどのスポーツを行なう3日に及ぶ祭りだ」という。

しかしタリバンが、祭りは「非イスラーム的」だと言ったという。

Ahl-e-Sunnat-wal-Jamaatが、祭りの代わりにAzmat-e-Muajhid Conferenceを開き、過激派組織のシパ・イ・サハバのリーダーが招かれるという。

hoonTaliban stop festival
DERA ISMAIL KHAN

■タリバンによるシャリア法下の処刑[060328 Daily Times]

南ワジリスタンで地元のタリバンが、タクシー運転手を殺害したとして、25歳の男をシャリア法のもとで処刑した。部族地帯でシャリア法による処刑が用いられたのは、初めてのことである。

日曜日にHayat GulがLadah地区で処刑された。「被告は月曜日に埋葬された」と、Ladahバザールの店主のInayatullah Mehsudが語った。「車を盗むプロで、悪い男だった」という。

Gulは1ヵ月前に、タクシー運転手のBilalをワナで殺害した。Bilalの家族はシューラ(部族の法廷)で裁きを求めていた。「Gulは有罪に問われ、遺族の許しを乞うことを許されたが、家族は拒否した」とシューラが発表した。

宗教指導者たちが3月10日に、南ワジリスタンにシャリア法が施行されたことを表明した。北西辺境州知事のFATA担当報道官が3月17日に、タリバンがこの地域を支配していることを否定し、ワジリスタンの平和を守るために、平和委員会が設置されたと述べていた。

シェルパオ内相も2日前に、部族地帯にタリバンが存在することを否定したばかりである。

ohExecution by Taliban under Sharia
LADAH

■爆発でスクールバスに乗った子供6人、負傷[060327 AFP]

アフガニスタンとの国境近くで、スクールバスが地雷を踏んで爆発し、子供6人が負傷した。

5〜8歳の犠牲者2人が重傷を負い、シャカイの病院で治療を受けている。

抵抗勢力の仕業だと述べ、おそらく治安部隊の車を狙って爆発物が仕掛けられたようだと、ある地元の関係者が述べた。

(中略)日曜日の夜遅く、戦闘員たちはミランシャーの空港にロケット弾を撃ち込んだが、被害はなかった。

hoonSix Pakistani children injured in school bus blast
WANA

■パキスタンの取り締まりで過激派急増[060327 AFP]

ムシャラフ大統領は外国人戦闘員たちに、パキスタンの部族地帯から去るか、さもなければ死ぬことになるだろうと警告したが、取り締まりが成功する可能性はなく、地元の人間をさらに過激主義に走らせることになるだろうと、アナリストたちは見ている。

(中略)ムシャラフは、ワシントンとカブールから、パキスタンの北西辺境州を基地としている戦闘員たちを取り締まるよう、圧力をかけられている。

金曜日には、兵士1人を失ったあと、ヘリコプターで援護された軍が戦闘員のアジトを攻撃した。政府は、外国人を含む地元民戦闘員20人を殺害したと発表した。

ショーカット・スルタン軍報道官は、地元の2〜3人の親タリバン派の宗教指導者たちが問題を起こしている、と語る。「彼らが掃討されれば、北ワジリスタンはトランプのように、一気に崩れるだろう」。「住民の約80%が、様子を見守っている状態だ。こちらがちょっと押せば、全員が団結してこちら側に味方するようになる」と語る。

しかしアナリストたちは、状況はもって深く歴史的で、部族地帯の半自治制と関係しているという。ほとんどが無法地帯で、数世紀にわたって、支配されることを拒んできた。

「軍は一時的に部族地帯を制圧するかもしれない。しかし、完全制覇することは不可能だ」と、ジャーナリストのラヒムッラー・ユースフザイは語る。取り締まりは「大きな過ち」だと言う。「パキスタン軍による、血みどろの戦いだ。アメリカの圧力のせいだ。彼らは国家を不安定にすることを望んでいる」。

軍はこの地域を完全に支配することはできないだろうと、MMAのInayatullah Khanも語る。「アレキサンダーから英軍に至るまで、この地域を制圧できた者はいない」。「アフガニスタンとの長い国境線がある。両側に同じ部族民が住む。政府がこのような政策を取り続ければ、パシュトゥン族は反旗を翻すだろう。唯一の解決法は、ジルガを通しての交渉だ」。

最近、親政府派の部族の長老たちが戦闘員に暗殺されているために、権力の空白ができ、過激派たちがこの空白を埋めるていると、アナリストは心配する。

パキスタン人の情報源や政府関係者たちは先月、ワジリスタンの一部は親タリバン派の過激派が実質的に支配していると語った。厳格なイスラーム法を施行し、残虐な方法で人びとを裁いている。

「ある者は恐怖のため、またある者は共感をもって、彼らを支持している」と、政治専門家のSufi Juma Khanが語る。

先週ムシャラフは、国家の政情不安から人びとの目をそらせるために、外国人戦闘員たちをそれとなくほのめかしたと、見る者たちもいる。「ムシャラフは部族地帯の混乱を、外国人のせいにしようとしている。この状況に対処すれば、多くのパキスタン人の命が危険にさらされることになるからだ」と、政治アナリストのAfzal Niaziが語る。

防衛アナリストのHasan Askariは、ムシャラフの行動は「部族地帯に関する政策がうまくいかないためのいらだちと、失敗を表している。状況を改善することができず、さらに悪化している」。

hoonPakistan crackdown could fuel militancy: analysts
ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.