【2006年4月10日〜4月16日】


■アフガニスタンの戦闘で少なくとも7人死亡[060416 AP]

米軍主導の同盟軍がアフガニスタン東部の民家や洞窟に立てこもっていた戦闘員の小グループを攻撃し、戦闘機や大砲を用いて少なくともアフガン人一般市民7人を殺害、3人を負傷させたと、軍が日曜日に発表した。

衝突は土曜日、クナール州のコランガル谷で発生した。米軍は約10人の戦闘員に小兵器やロケット推進手榴弾で襲撃されたあとに応戦したと、米軍報道官のマット・ハッカーソーン少佐が述べた。

米兵は地上軍や戦闘機、大砲を呼び寄せ、民家や近くの洞窟に隠れていた戦闘員を攻撃。戦闘員数人は殺害されたが、残りは一般市民が住む民家に逃げ込んだ。

「偵察した結果、洞窟のそばに民家があることがわかり、戦闘員たちは2つの間を行ったり来たりしていた。我々は現場を空爆や砲撃とともに、銃撃した」という。「しかし一般市民がいることが明らかになったために、すぐに攻撃を中止した」。

銃撃戦が終了したあと、村の長老たちが同盟軍に、7人が死亡し、3人が負傷したと報告したという。「我々の銃撃で死亡したのか、空爆で死亡したのか、または戦いに巻き込まれたのかは、今のところわかっていない。命が奪れてしまったことを、非常に申し訳なく思う」。

(中略)警察は戦闘のあと現場に入ろうとしたが、同盟軍とアフガン兵によって阻止されたと、警察官のムハンマド・ハッサンが述べた。またハッサンは、地元民7人が戦闘で死亡したが、負傷したのは3人ではなく、女性2人と子供2人を含む4人だったと言っている。(後略)

garrAfghanistan Fighting Kills at Least 7
PAUL GARWOOD、KABUL

■斬首された「アメリカのスパイ」、パキスタンの国境で発見される[060416 Reuters]

パキスタンの部族地帯の住民が、アメリカのスパイだというメモが残された、斬首された男の遺体を発見した。

遺体は土曜日、北ワジリスタンのバザールで発見された。「彼はアメリカのスパイだった。彼にならう者は、皆、同じ運命をたどるだろう」と、メモに書かれていたという。(後略)

hoonBeheaded "US spy" found on Pakistan border
MIRANSHAH

■タリバンに対する攻撃で、数十人死亡[060416 New York Times]

金曜日にカンダハルで、アフガン国軍が米軍のヘリコプターとカナダ軍に援護され、多数のタリバン抵抗勢力と戦った。今回の戦闘は最近のなかでは最大のもので、抵抗勢力数十人とアフガン警察官が6人死亡した。(中略)

村人たちによると、数日前、タリバン戦闘員の大きなグループが突然村にやってきたという。カンダハル空軍基地のホープ大佐によると、タリバンのグループは50〜60人からなり、警察は村をいまだに捜索しているという。このグループは、カンダハル西部に入ってきたタリバンゲリラの一部にすぎないと語った。

最初の大きなグループは、先月、隣のヘルマンド州に出現した。そのうちの1つのグループは先月、芥子栽培をしているサンギン地区にある同盟軍基地を襲撃し、米兵とカナダ兵を殺害している。数日前にカンダハルのパンジュワイとザーレ地区に現れたタリバンはこのグループだったと可能性があると、カンダハル州知事のハリッドが語った。

金曜日にサルタックで戦闘に巻き込まれた村人は、数日前、タリバン多数がやってきたことを認めたが、村自体に入ってきたわけではないという。村人たちは、警察や同盟軍がタリバンと戦うために村に入り、一般市民を巻き添えにしたり、家屋を破壊したと非難した。

農民で、9人の子供の父親であるムハンマド・ナジームによると、米軍ヘリコプターが自分の家畜小屋や周りの畑を攻撃したという。少なくともロケット弾4発が建物に当たり、家畜の一部が死んだ。幸い家族が非難していた部屋は攻撃されなかった。「私は貧乏な人間だ。この部屋も、やっと建てた。それなのにアメリカ人たちが壊してしまった」。「カルザイは開発を約束しているのに、我々を爆撃するのだ」。

別の村のハフィーズッラーによると、彼の子供2人を連れて小麦畑を逃げていた19歳の妹が、警察官に撃たれて死亡したという。

ザヒール・シャーは、村のモスクで祈っていたところ、腹を撃たれた。「タリバン数百人がうろうろしていた」。「ある日、30〜40人のタリバンを見た。機関銃や、新品の中国製カラシニコフを持っていた」。

ザヒールによると、自分の村ではないが、タリバンはこの地域のモスクを訪れ、万が一戦闘員たちが殺害された場合、「異教徒」たちが遺体を持ち去らないように埋葬してほしいと頼んだという。

hoonDozens Reported Killed in Attack on Taliban
RUHULLAH KHAPALWAK and CARLOTTA GALL、SARTAK

■タリバン、警察検問所を襲撃 [060416 AP]

タリバン戦闘員が、アフガニスタン南部のハイウェーに沿って設置された警察の検問所2ヵ所を襲撃し、その後の戦闘で戦闘員14人が死亡したと警察が発表した。

タリバン約30人が土曜日の夜遅く、ザーブル州のカラート地区の警察検問所を襲撃した。戦いは約30分に及び、タリバンは、死亡した仲間の遺体を持ち去ったという。

ザーブル警察長のグラム・ナビ・マラケールによると、警察側には死傷者はいないというが、タリバン報道官のカリ・ユーセフ・アーマディが犯行声明を出し、警察官少なくとも7人を殺害したと述べた。また、警察の検問所のうち1ヵ所に放火したという。(後略)

hoonTaliban Militants Raid Police Checkpoints
RAHIM FAIEZ、KANDAHAR

■タリバン、警察検問所を襲撃、14人死傷[060416 AFP]

タリバン戦闘員が深夜、警察の検問所3ヵ所を襲撃し、戦闘員14人が死亡、または負傷した。これとは別の衝突で、兵士が戦闘員4人を殺害した。

さらに警察は土曜日に、41人の戦闘員が死亡したカンダハルで、タリバン15人を逮捕したという。

土曜日の深夜、カンダハル〜カブールのハイウェーに数キロ間隔で設置された警察の検問所を、タリバンがほとんど同時に襲撃したと、警察が発表した。

「昨夜、約30分にわたってタリバンと戦った。タリバン14人が死亡、または負傷した」と、ザーブル州警察長のムハンマド・ナビ・モラケールが日曜日に述べた。

襲撃された検問所はどれもザーブルの首都のカラートに近く、通常それぞれ約10人の警察官が詰めていた。

タリバン報道官のユーセフ・アーマディが犯行声明を出したが、死亡したタリバンは2人だけで、警察官は9人死亡したと述べた。警察側の発表によると、死傷者はいないという。

さらにウルズガン州をパトロール中のアフガン軍と同盟軍が土曜日、タリバンに襲撃され、タリバン3人を殺害したと米軍が発表した。「抵抗勢力5人が、アフガン国軍と同盟軍を小兵器とロケット推進手榴弾で攻撃してきたために、戦闘になった」という。

金曜日の戦闘の現場となったカンダハルの南西部は、土曜日、平穏が戻った。「状況は回復した。カンダハルのメイワンドとザライ地区は、警察の支配下にある」と、内務省報道官のユーセフ・スタニザイが語った。「作戦は終了した」。

しかし日曜日、メイワンドのタリバンが、米軍に燃料を供給していたタンクローリー4台に放火したという。(後略)

hoonTaliban storm police posts in Afghanistan, 14 casualties
KANDAHAR

■インド、アフガニスタン経由でパキスタンに介入[060416 News]

パキスタン政府がバローチスタン州を鎮圧するために出した、バローチスタン解放軍(BLA)に対する禁止令は、ますます状況を混乱させる結果になっている。

ここ17ヵ月間、BLAは治安部隊と戦いを続け、大きな成果をあげている。BLA活動員たちは治安部隊の目をくらまして各地に出没し、橋や線路、電力供給源やガスパイプラインを爆破している。

ここ数ヵ月で向上したBLAの戦闘能力のため、外国の援助が疑われてきた。これまでも政府関係者たちは、インドがバローチスタンの混乱を煽動していると主張していたが、公には発表していなかった。

しかし12月、パキスタン軍がバローチスタンの人権問題を侵害していると、デリーがイスラマバードを非難すると、このような外交的な配慮は吹き飛んでしまった。イスラマバードはデリーに、自分たちの裏庭における抵抗運動を煽動しないでほしいと要求したばかりか、ムシャラフ自身がテレビに出演し、インドが悪さをするために、バローチスタンに資金を流していると非難した。

これに対してニューデリーは、沈黙を守った。

2月にカルザイ大統領がパキスタンを訪問した際にムシャラフは、バローチスタンやFATAで問題を起こすために、インドがアフガニスタンに基地を築いているという詳細な報告書を、カルザイに提出した。

現在にいたるまで、アフガニスタンはこれらの疑いに反論していない。

しかし抵抗勢力と戦うイスラマバードは、インドやアフガニスタンとの関係を改善するよう、アメリカに圧力をかけられている。

ある政府関係者によると、「状況は改善しており、我々はアフガン人やインド人とたびたび話し合っている。しかしインドとのさまざまな対話に障害をきたしたくないし、アフガン人たちを怒らせて、ニューデリーと結託する口実を作りたくない」。

このような政治的な理由によりパキスタン政府関係者たちは、証拠はないものの、インドがパキスタンを攪乱していることを公言できないでいる。

中には、BLAや族長のナワーブ・アクバル・ブグティが武力行為に走っているのは、単にインドに煽動され、武器を提供されているからではないと言う者もいる。BLAの要求は、自治権であり、州に眠る資源に対する収益金、開発プロジェクトの見直しである。(中略)

《雑誌『Outlook India』からの抜粋》

(中略)上院議員でパキスタン・ムスリム同盟のムシャヒッド・フセイン・サイードに話を聞いた。(中略)

パキスタンはなぜ、インドがアフガニスタンに領事館を持つことに抗議しているのか?

[ムシャヒッド]…インドは現在、アフガニスタンと強力な外交関係を持つ。カブールのインド大使館、カンダハル、ジャララバード、マバリシャリーフ、ヘラートに領事館を持つ。これらのインドの外交官たちは、アフガニスタンからパキスタンに対して、極秘作戦を実施している。特にカンダハルとジャララバードのインド領事館、カブールのインド大使館は、パキスタン全般、特にバローチスタンとFATAに介入している。

Indian Research and Analysis Wing(RAW)が関わっていると思うか?

[ムシャヒッド]…インドの外交官とRAWは、アフガン政府や部族問題に深くかかわり、その活動を隠そうとしている。インドの工作員たちは、部族長や二重国籍を持つアフガン人とジャララバードのインド領事館関係者を会わせ、適当な長老を雇っては、パキスタンの南北ワジリスタンに送り込んで、活動させている。

RAWはタリバン崩壊後、アフガニスタンに入り込んだと言うのか?

[ムシャヒッド]…RAWは北部同盟と協力して、アフガニスタン内部に訓練所を作っている。恐らく600人程度のパローチ族が、爆発物の取り扱い方、爆発物作り方、洗練された武器の取り扱い方を、これらの訓練所で教え込まれている。

インドは北部同盟のリーダーたちとの関係を復活させているのか?

[ムシャヒッド]…インドは、北部同盟のリーダーたちと以前から強い関係がある。アフガニスタンの国会内では、大きな権力を持つ。去年のアフガン選挙の前、インド大使が北部同盟のリーダーの自宅を訪れ、巨額の選挙資金を援助した。

インドがアフガニスタンに軍隊を配備しているという憶測は正しいか?

[ムシャヒッド]…インドはアフガニスタン内に、徐々に準軍隊関係者を送り込んでいる。ザランジ〜ディララム間の道路建設に携わっているBorder Roads Organizationの警備ということになっている。ある関係者によると、インド軍の存在は大きくなり、Black Cat奇襲隊もいるといわれる。

アフガン国家が、これらの作戦を支援しているのか?

[ムシャヒッド]…アフガン警察、国境警察隊、税関関係者たちが、インドの外交官や諜報官が国境地域に入れるよう、協力している。さらにこの地域にいる親アフガン派の反体制派や反国家的な長老たちと会合できるよう、便宜をはかっている。RAWの部族長との会見は、アフガニスタンの諜報組織Afghan intelligence agency(Riyast-i-Amniyat-i-Milli:RAM)が取り持つ。インドの工作員たちは、アフガン国境警備隊関係者の協力で、コーストなどの国境地帯やパキスタンのミランシャーで活動している。(後略)

smellHow India is fomenting trouble in Pakistan via Afghanistan
Mariana Baabar、ISLAMABAD


■パキスタン軍、襲撃者を殺害[060415 Reuters]

ミランシャーで、手榴弾を投げて少なくとも兵士2人を負傷させた戦闘員を、軍が射殺した。

(中略)軍の車列がミランシャー郊外で、手榴弾で攻撃された。付近の住民は、爆発音から、手榴弾よりも強力なものが爆発したようだったと述べた。「巨大な爆発があり、火が上がった。店は閉まっている」という。爆発の原因は明らかではない。(後略)

hoonPakistani troops kill attacker
MIRANSHAH

■アフガニスタンの戦闘でタリバン41人死亡[060415 Reuters]

アフガン軍と同盟軍のヘリコプターが、アフガニスタン南部のタリバンのアジトを攻撃し、激しい戦いの結果戦闘員41人が死亡したと、州知事が土曜日に発表した。

(中略)ある州政府関係者によると、政府軍がロケット弾数発を誤って発射したために、味方に大きな犠牲が出たという。

(中略)タリバン報道官のカリ・ムハンマド・ユーセフは、タリバン3人が死亡し、「アフガン軍と外国軍には多数の死傷者が出た」と述べた。

住民によると、一般市民4人も殺害されたという。

(中略)これとは別に、隣のヘルマンドでは、タリバンが行政官と警察官3人を射殺したと、州副知事のアミール・ムハンマドが述べた。タリバン報道官は警察官7人を殺害したと述べたが、ムハンマドはこれを否定した。

またウルズガン州のチョーラ地区では、小火器とロケット推進手榴弾を持った5人の戦闘員に攻撃されたあと、アフガン軍と同盟軍が戦闘員3人を殺害したと米軍が発表した。アフガン軍と同盟軍に負傷者はいない。

(後略) hoonBattle in Afghanistan kills 41 Taliban: governor
Mirwais Afghan、KANDAHAR

■アフガン人、衝突のあともタリバンを追う[060415 BBC]

アフガン政府軍は、南部で発生した戦闘のあともタリバン戦闘員たちの行方を追跡している。金曜日にカンダハルで発生した衝突は、最近の戦闘のなかでは、最大のものだった。

カンダハル州知事によると、警察官7人が死亡し、タリバンの遺体13体が発見されたという。ただし報告では、タリバン41人が死亡したといわれていた。

特派員によると、カンダハルで、これほど大勢のタリバンがアフガン国軍と対戦したのは久しぶりだという。これまでは、自爆攻撃や道路脇に仕掛けた爆弾で攻撃されていた。

金曜日の戦闘は、カンダハルから約45キロ離れた場所で、警察官がタリバン戦闘員約100人に遭遇したあとに発生した。タリバンたちはヘルマンド州で発生した戦闘から逃げてきたと、カンダハル州知事のアサッドゥッラー・ハリッドが語った。

《同盟軍の援護》

「タリバンが、カンダハルを攻撃するためにサンギサールに集結しているという諜報情報を受け、金曜日に作戦を開始した。戦闘は朝から夕方まで続いた」とハリッド氏が土曜日に語った。「夕方、アフガン軍と同盟軍が警察の援護に到着した」。

ハリッドによると、警察官9人と一般市民3人も負傷し、タリバン13人が逮捕されたという。生存者の捜索がまだ続いている。「今日の作戦は、彼らを捜し出すためのものだ」という。(後略)

hoonAfghans hunt Taleban after clash

■アフガン、タリバンのアジトを襲撃[060414 AP]

米軍主導の同盟軍のヘリコプターに援護された治安部隊が、アフガニスタン南東部にあるタリバンのアジトを攻撃し、抵抗勢力41人と警察官6人が死亡したと、土曜日に政府幹部高官が語った。

(中略)金曜日にカンダハルで衝突が発生する数日前、村人が50〜60人の戦闘員たちに、村から出て行ってほしいと懇願したという。「このままではアメリカ人のヘリコプターがやってきて爆弾を落とすことになると確信していたので、村から出て行ってほしいと長老たちがタリバンに懇願した」と、サルタック村のファイズゥッラーが『AP』に語った。サルタックには芥子畑がいたるところにあり、今回の戦闘の中心地である。

アサッドゥッラー・ハリッド州知事が、戦闘員がカンダハルを攻撃しようとしているという諜報情報にもとづいて今回の攻撃は実施された、と語った。

土曜日、戦闘は一段落して状況は安定したようだったが、治安部隊が逃走したタリバンを追っているという。「戦闘が終結した際、41人のタリバンの遺体があったが、11遺体を回収しただけだ」とハリッドが語った。警察官6人も死亡したという。

(中略)ファイズゥッラーによると、金曜日にアフガン警察がサルタック村を包囲して、村人たちに別の場所に避難するように呼びかけたという。しかし中には、戦闘が開始しても家に留まっていた者たちがいた。

ある村人によると、サルタックでは戦闘員2人と警察官4人が死んでいるのを見たが、近くの村で、他のタリバンが殺害された可能性もあるという。さらにアフガン軍と銃撃戦に巻き込まれ、19歳の妹が殺害され、10歳の女の子を含む村人2人が負傷したという。

土曜日、村人たちは家に戻った。3軒の家が大きく被害を受け、ある農民は、畑に大きなクレーターができてしまい、芥子が台無しになったと嘆いていた。(中略)

これとは別にヘルマンドで土曜日に、車で出勤中の行政官のアブドゥル・マジットをタリバンが射殺、警備員2人を負傷させた。

タリバン報道官のカリ・ユーセフ・アーマディが犯行声明を出し、マジッドと警備員7人を殺害したと発表した。(後略)

hoonAfghans Raid Taliban Hideout; Dozens Die
RAHIM FAIEZ、SARTAK

■「タリバン戦闘員」戦闘で死亡[060414 BBC]

アフガニスタン南部で、タリバン戦闘員41人と警察官6人が戦闘で死亡した。

カンダハルで起きた、タリバン対米軍に援護されたアフガン軍との間の戦いは、金曜日中続いたという。

金曜日にパキスタンとの国境付近で、少なくとも警察官3人が道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡した。

ヘルマンド州における攻撃から逃げてきたタリバンを警察官が包囲したために戦闘が勃発したと、カンダハル州知事のアサッドゥッラー・ハリッドが語った。

《軍事作戦》

「タリバンが、カンダハルで攻撃するためにサンギサールに集結しているという諜報情報をもとに、我々は金曜日に作戦を開始し、朝から夕方まで戦いは続いた」とハリッドが記者会見で述べた。

「夕方になってアフガン軍と同盟軍が、警察の援護に到着した」という。警察官9人と一般市民3人が負傷、タリバン13人が逮捕されたと語った。外国軍には、死傷者はいない模様。

サンギサールは、タリバンのリーダーのオマール師の故郷である。

(後略) hoon'Taleban fighters' die in battle

■タリバンの攻撃で、アフガン兵3人死亡[060414 AP]

金曜日にタリバンの攻撃が各地であり、アフガン兵3人が道路脇の爆発で死亡し、英兵3人が自爆攻撃で負傷した。

同盟軍のヘリコプターに援護されたアフガン軍が、カンダハルで戦闘員と戦った。カンダハルでは木曜日、タリバンと関係のある戦闘員が、モスクから出てきた親政府派のイスラーム議会(ザーリ・ウレマ議会)の議員を射殺した。

木曜日遅く、ウルズガン州における作戦で、米軍とアフガン軍が戦闘員2人を殺害し、2人を逮捕した。戦闘員たちは、同盟軍とアフガン軍を攻撃する自爆志願者を募集していたらしい。

コースト州では、タリバン戦闘員たちが道路脇の爆弾を爆発させ、アフガン人警察官3人を殺害、2人を負傷させた。

これに数時間先立ち、タリバンが英軍の車列に車ごと突っ込み、英兵3人を負傷させた。

さらにアフガン治安部隊が金曜日に、カンダハルのサンギサールで、タリバンと戦った。カンダハルの軍報道官、カナダのクエンティン・インニス少佐によると、同盟軍のヘリコプターが出動したという。

サンギサールにいた『AP』のレポーターによると、ヘリコプターがミサイル攻撃を実施したというが、死傷者がいたかどうかは、明らかになっていない。

木曜日、米軍戦闘機に援護された同盟軍とアフガン軍が、ウルズガン州で自爆者を集めていた抵抗勢力2人を殺害、2人を逮捕した。

木曜日にカンダハルのザーリで起きた、親政府派宗教指導者、サイード・マスード・シャーの暗殺事件は、タリバンの仕業と疑われている。(後略)

hoonTaliban Attacks Kill 3 Afghan Soldiers
AMIR SHAH、KABUL

■アメリカ、盗難データを買い戻す [060414 AP]

現金が「詰まった箱」で武装したアメリカ人捜査官たちが、極秘情報が入った、盗難コンピュータドライブを買い戻そうとしていると、米軍基地の外にあるバザール店員が金曜日に述べた。

しかしいまだに数十が売買され、米軍の報告書から去年アフガニスタンを訪問したブッシュ大統領のエア・フォース・ワンの写真までが売られている。

(中略)ある店員によると、木曜日に兵士たちが「アフガニ(アフガン貨幣)が詰まった箱」を抱えてやってきて、ドライブを見つけ次第、買い戻したという。

店員によると、1個50〜2000ドルで売ったが、前の日までは、その半分の値段で売っていたという。「全部ほしい、値段は問題じゃないと言っていた」と語った。

まだ多数のフラッシュドライブが売買されていたにもかかわらず、兵士たちは、金曜日の午後には戻ってこなかったという。(後略)

hoonU.S. Buys Back Stolen Data by Afghan Base
DANIEL COONEY、BAGRAM

■ドライブで、戦略暴かれる[060414 Los Angels Times]

アフガンのバザールで売られているコンピュータ機器で、抵抗勢力たちがいかにしてパキスタンの基地を使用しているか、その詳細が明らかになった。

米軍基地から盗まれたコンピュータドライブの中の地図やチャート、諜報報告から、いかにタリバンやアルカイダがパキスタンの南西部でアフガニスタン攻撃計画をたて、訓練基地として使用しているかが明らかになる。

「極秘」印のあるドキュメントは、アフガン人インフォーマントとの会話や、米軍幹部高官の声明などにもとづく、生の諜報情報のようだ。これらから、米軍がタリバンやアルカイダメンバーを、いかにして国境を挟んだアフガニスタンとパキスタンから探し出しているかが、明らかになる。

フラッシュメモリー・ドライブの情報によると、アメリカ人の担当者が、アメリカがパキスタン国内にいるタリバンを逮捕、あるいは殺害する可能性を2人のアフガン人スパイと話し合ったという。

(中略)パキスタンはタリバンを匿ってない、あるいはタリバンの訓練基地は存在しないと繰り返してきたが、バザールで売買されているメモリードライブから、パキスタン軍は北西部の部族地帯で外国人アルカイダ戦闘員の掃討をしてはいるものの、タリバンあるいはアラブ人戦闘員たちは、バローチスタンのクエッタで、アフガニスタン攻撃に備える訓練や攻撃を指揮して用いていることがわかる。

(中略)米軍関係者は木曜日に、盗難ドライブは安全上、大きな問題となりうることを認めた。「アフガニスタンにいる米軍にとって打撃になる」と、米軍報道官のトム・コリンズが語った。(中略)

ドライブには、米軍特殊部隊のためにスパイ活動をするアフガン人の身元や、米軍関係者の身元も含まれている。(中略)

パキスタン関係者は木曜日に、これらの諜報情報を否定した。パキスタン軍報道官のショーカット・スルタン中将は、軍はアメリカから提供される情報を常にチェックしているが、時には間違っていることもあると語った。

「パキスタンにある訓練所に人びとが連れてこられて、再びアフガニスタンに帰って行くというような話は、全く根拠のないことだ。この情報を否定する」と、スルタン報道官は語った。

これまでアメリカの諜報組織や対テロ関係者は、パキスタンのISIがタリバンやアルカイダと関係を持っていることを心配してきた。

対テロ関係者は、ISI関係者は、アルカイダやタリバンがパキスタンの部族地帯で軍事活動していることを、見て見ぬふりをしている、あるいは協力さえしていると疑っている。(中略)

パザールから入手したドライブのなかの、「極秘」印があるアフガン人からの情報には、2005年秋に米軍特殊部隊がパキスタン国内のタリバン抵抗勢力の隠れ家を特定し、その攻撃計画を練った経緯が記されている。クエッタに住み、アフガニスタンのカンダハル周辺で誘拐や爆弾事件を指揮しているタリバン幹部に、焦点が当てられていた。

「極秘」印のついた、2005年10月にバグラム基地の司令官に送られた通信には、タリバンのリーダーたちがアフガニスタン総選挙の前日の9月25日にシューラ(長老会議)を開いたことを、諜報提供者が報告したと書いてある。この会議で長老たちは、選挙当日の攻撃はやめ、その後に政府関係の建物や当選者を攻撃することにした、と明らかにしている。

「アルカイダは、アフガニスタン南部のアルカイダを担当するタリバンで、会計係のムラー・マティンを通して、これらすべての活動の資金援助をする」と、去年付けの「極秘」印のついた諜報データが語る。

またアフガニスタン南部にいる米軍特殊部隊関係者が11月に、アフガン人情報提供者とクエッタ出身の工作員と会い、米軍がパキスタンにいるタリバンのリーダーを逮捕する方法を話し合った。

情報提供者が米軍特殊部隊に、クエッタにいる工作員がタリバンの「重要幹部」または略称「TB HVT」たちに会えるよう取りはからうと、ドキュメントに記されている。

クエッタの工作員は、「アメリカ人をパキスタンのクエッタにいるTB HVTの隠れ家に案内し、地上偵察/監視を行ない、その結果タリバンリーダーを逮捕/殺害を可能にする」ことに協力すると、ドキュメントに書かれている。アフガン人情報提供者は米軍特殊部隊員に、「HVTを逮捕しても、たとえ遺体であろうと、それをアフガニスタンに運ぶことは非常に難しい」と警告している。アメリカ人はこの情報提供者に、クエッタにいる工作員が「米軍のために、パキスタンで直接作戦を手配することは可能か」、尋ねている。

またアフガン情報提供者は、去年、主にイエメン人とシリア人などのアラブ人が、アフガニスタンで自爆を実施するためにクエッタを通過していると報告している。「自爆者たちは、イラクの抵抗勢力の訓練を受け、その後イランを通過してクエッタに入り、そこからアフガニスタンに入る」とドライブの中で報告されている。

つい最近の、「極秘」印のついたコンピュータのスライド・プレゼンテーションには、パキスタンからアフガニスタン東部と南部に入る、アルカイダとタリバンの8つの「主な侵入ルート」地図がある。

情報提供者との会話にもとづくドキュメントから、英語の身分証明書を持つアフガン国軍新兵が、国境検問所を通過してパキスタンに入り、アフガニスタン南部で自爆を実施する特訓を受けていることが記録されている。

パキスタンでは、新兵たちは目隠しをされ、「武装した警備員にトラックに乗せられ、その後山の中に運ばれて行く」。そこで8日間訓練を受け、約10ポンド分の「釘、ボルトなどの入手できる鉄くず」を石けんで固め、爆発物がつまった丸いコンテナの上に取りつけて、爆発威力を高める方法などを学ぶ。

米軍は去年の暮れと今年の初めに、パキスタンを攻撃した。1月13日にはバジョール行政区でザワヒリが狙われ、村人約18人が殺害された。あとで、ザワヒリは当時ここにはいなかったことが判明した。

その1週間前、地元の住民によると、米軍がコースト州から北ワジリスタンに越境して、米軍ヘリで攻撃された村人8人が死亡したと述べた。パキスタン軍は米軍の越境を否定したが、米軍が国境を越えてパキスタン側に発砲したことを非難した。米軍関係者は、この件に関しての情報はないと、攻撃を否定している。

12月1日には、謎めいた爆発が北ワジリスタンであり、アルカイダの爆弾製造工作員を殺害した。パキスタン政府関係者は事故として報道したが、地元の新聞によると、無人偵察機からミサイルが発射され、爆弾製造者の他5人が殺害されたという。

この地域は、抵抗勢力とパキスタン軍の戦場となっている。木曜日にも空爆があり、アフガン国境のそばで戦闘員数人が殺害された。アルカイダ工作員がこの地域に隠れているという諜報情報にもとづいた作戦だったと、パキスタン関係者が語った。

ohDrives Outline Military Tactics
BAGRAM

■カラチ、再び平穏[060414 AP]

数十人を殺害した自爆事件に抗議してカラチでは暴動が起きたが、金曜日には再び平穏が戻り、警備にあたっていた軍は街から引き上げた。

ムハンマドの誕生日を祝うために穏健派のスンニ・テヘリークが企画した集会で56人が死亡した事件に抗議して、スンナ派ムスリムがストライキを実施した。

この事件で、テヘリークの幹部3人が殺害された。今のところ犯行声明は出されていないが、警察は事件と関係があるとして2人の男を逮捕した。しかしその後、2人は釈放された。

そのうちの1人はシーア派ムスリムで、別のシーア派の男と一緒に集会に参加したという。

(中略)政府関係者によると今回の事件は、最近台頭してきているスンナ派ムスリム政治団体であるテヘリークの幹部を、抹殺しようとしたものだという。(後略)

hoonCalm Returns to Karachi, Pakistan
ZARAR KHAN、KARACHI

■「アルカイダ幹部」ミランシャーの作戦で殺害[060414 News]

軍によると、深夜近く、ミランシャーのそばのアンガール・キルレイにあった建物をコブラ戦闘ヘリコプターが攻撃し、外国人を含む戦闘員が死亡したという。

ショーカット・スルタン軍報道官によると、「確かな諜報情報」のもとで作戦が実施されたというが、死亡者の身元や国籍については言及しなかった。作戦は、シャーワル・ライフル部隊に所属する5人の国境警察隊員が、北ワジリスタンのラムザック付近にあるダンカン検問所から誘拐された日と同日に実施された。

(中略)部族民戦闘員たちが誘拐に関わっていると見られるが、犯人側からの要求は今のところない。

アンガール・キルレイを訪れたところ、現場に集まっていたタリバン戦闘員たちが、攻撃で死亡したのは外国人ではないと主張した。

タリバン司令官のワリ・ムハンマドによると、アンガール・キルレイとラムザック近くにあるドスサリ地区出身の6人の地元部族民と、生後40日の幼児が攻撃で死亡したという。「外国人はいない。政府がそのような主張をするのなら、証拠を見せてほしい」と、強調した。

男と幼児の遺体が、アンガール・キルレイの破壊された2つの建物の外に横たえられていた。残りの5人の遺体は、損傷が激しかったために、夜の間に埋葬したと地元の武装したタリバンたちが語った。

午後になると、攻撃で死亡した外国人のなかに、Mohsin Musa Mutawwali Atwa、別名アブドゥル・ラーマン・モハジールがいるという噂が流れた。FBIの指名手配者14人のなかに入っている、人物である。

(中略)しかし、ショーカット・スルタン中将も北ワジリスタン行政関係者も、これを認めていない。軍や行政府も遺体を入手していないので、DNAテストができないという。

(中略)これに先立ち、ミランシャーの諜報関係者は、アンガール・キルレイから8人の遺体を回収したと述べていた。そのうちの5人は外国人だったという。

地元の部族民、ジャランダールとラバールが、攻撃で破壊された2軒の家を所有していた。ジャランダールの家は形を留めていない。2軒目も被害を受けたが、死傷者はいないようだった。

アンガール・キルレイの部族民たちや集まったタリバンは、爆弾による攻撃ではなく、ミサイル攻撃だったと語った。レーザー誘導ミサイルを用いた、アメリカの無人偵察機による攻撃だったと主張する者もいる。パキスタンのコブラ戦闘ヘリコプターが村を爆撃したと述べる住民は、ほとんどいなかった。

hoon'Top al-Qaeda man' killed in Miranshah operation
MIRANSHAH

■アフガン基地から、データ流出[060413 Los Angels Times]

バザールで売買されている、米軍空軍基地から流出したコンピュータードライブには、アメリカの機密情報が含まれている。

(中略)中には、合衆国内にいる7人のアルカイダ工作員を逮捕するに至った、非常に重要な情報もある。あるドキュメントによると、11のアフガンの町で「彼のために働いてくれる人」がいるという。「これらの連絡員たちとの接触による成果は、無限大だ」。

これらの連絡員たちの妻や子供の名前さえ記述されているため、これが流出した場合、米軍のためにスパイ活動をしていた者たちが処刑されていることを考えると、抵抗勢力たちからの報復が危ぶまれる。

ドライブには、タリバン司令官たちが隣のパキスタンで会合を開いたり、アフガニスタンの国境に沿って存在する、戦闘員たちの逃走ルートの地図などもあった。

別のフォルダーの中には、オマール師がパキスタンで滞在していたといわれるマドラッサの図面があった。

別のドキュメントには、パキスタンのISIのメンバーが、月500ドルでアメリカをスパイ活動するアフガン人を募集しようとした、その経緯が詳しく報告されている。

パスワードなくして開けないドキュメントもあるが、ほとんどがそのまま読める状態だった。

(中略)アフガニスタン南西部にある、特殊部隊の「目立たない作戦基地」のレイアウトを説明する「概観図」や、攻撃された場合、基地を守るための対処法なども説明されていた。

アメリカ人関係者が接触しているアフガン人情報員の名前や、その数が記述され、情報員の写真が添付されている場合もあった。

暗号名のついた作戦に関わったスパイからの報告によると、アフガン人が「国境間の作戦」に使用されたという。しかしアメリカ人関係者に、「この工作員は、当初期待したほど安全に気を配っていない可能性もある」と、警告している。

このレポートでは、「闘争を平和的に解決/終結することを望んでいる、現・元タリバンとアルカイダ関係者/工作員を連れてきた」と報告する重要な「下級情報提供者」について語る。この男は1980年代にISIの工作員だった者で、CIAにアルカイダの組織構造についての情報を提供しているという。さらにこの男の妻や子供の名前、携帯電話番号なども記載されていた。この男は時間に正確で、ユーモアのセンスがあると説明。政治的には「アメリカの共和党員と似ている」と付け加えられている。

コンピューター・ファイルは、米軍がいかにアフガン人スパイと接触して謝礼を払うか、サインを交わした英語の契約書なども明らかにしていた。

2ページに及ぶ「極秘」と書かれ、2005年1月28日の日付のある「記録と口頭の契約」では、ある情報提供者が、アルカイダ、タリバン、これらと関係がある民兵、ヘクマチアルが率いるヒズビ・イスラミに関する情報を、米軍に提供するために働くことに合意している。

「情報提供者は、彼が達成した、有効とされる情報が含まれる各任務に対して、15ドルを支払う」とある。「1ヵ月の間にその合計は300ドルを越えない。1ヵ月後、「非常に重要な情報と見られれば」その最高額は500ドルまで上がる。

さらに契約違反があった場合、例えばテロリスト組織の情報を暴くことができなかったり、各月2回、予定されていた会合に来なかった場合、厳罰が課される。「彼の技能を」反米あるいは反アフガン政府と「受け止められる行為に用いた場合、特権は剥離される」という。

別のドキュメントでは、米軍のために働くアフガン人インフォーマントにパキスタン大使館関係者がいかに接触してきて、ISIのスパイになるよう依頼されたかが記述されている。あるISI幹部がこのアフガン人に月500ドルと、その他の特権を提供することを申し出た。

さらにこのレポートによると、ISI関係者が「彼が計画している大使館爆発を実行するための協力者として、米大使館職員を探していると言っていた」という。このISI関係者はカブールにある大使館を破壊した場合、10万ドルをこのアフガン人に約束していた。

レポートは、「このパキスタン人が情報提供者に語ったことすべてが作り話と思われ、情報提供者を信じ込ませ、興奮させようとするものだった」と結論づけている。情報提供者に、ISIと契約させるためだったかもしれない。しかし私の「直感」ではそうではなく、この男は私の情報源を寝返りさせようとしていたのだ」。

ohData Leaks Persist From Afghan Base
Paul Watson、BAGRAM

■アルカイダ専門家、ミランシャーで殺害される[060413 Daily Times]

北ワジリスタンで実施された水曜日の攻撃で死亡したテロリスト12人のなかに、アルカイダ幹部が含まれていたという。

ミランシャーの地元行政府関係者が、戦闘員12人が「死亡したことを確認した」という。

しかし地元住民やタリバン司令官は、空爆で7人が死亡したと述べた。

軍の情報源によると、建物の中にいた客人のなかに、アルカイダ幹部がいるという報告を受けて、攻撃が計画されたという。4月4日にシャーワルの作戦で逮捕された戦闘員から入手した情報に基づいて、作戦が実施された。

治安関係者によると、エジプト生まれの爆弾専門家アブドゥル・レーマン・アル・モハジールが殺害されたテロリストの中にいたという証拠は、空爆のあと、5人の「遺体が直ちに埋葬されたから」だという。アルカイダやタリバンは、証拠隠滅のために、遺体をすぐに埋葬すると、軍や部族の情報源は語る。

「なぜ残りの2遺体はすぐに埋葬されなかったのだろう。アルカイダの爆弾専門家が死者の中にいたと確信するのは、そのためだ」と、治安関係者が語った。ラシッド情報相が後になって、Muhsin Musa Matwalli Atwah、別名アブドゥル・レーマンが死亡したことを確認した。

(中略)地元タリバン司令官のワリ・ムハンマド・カーンが、攻撃で外国人戦闘員は殺害されていないと述べたが、「急いで」5人の遺体を埋葬したことは認めた。

住民によると、タリバン戦闘員が破壊された建物を管理していて、地元の人間は現場を見ることができないという。死亡者のなかには、生後40日の赤ん坊もいたという。

(後略) hoonQaeda expert killed in Miranshah
qbal Khattak、PESHAWAR

■タリバンの呼びかけに殺到[060413 Asia Times]

タリバンの春の攻撃が盛んになり、ほとんど毎日、自爆を含む攻撃が実施されている。今年になって、米兵14人を含む200人以上が、タリバンの攻撃で死亡している。

(中略)数千人の新たなタリバン志願者がパキスタンとアフガニスタンの国境の山岳地帯に集結し、一方ではパキスタン軍と、他方では米軍主導の同盟軍と戦おうとしている。これらの志願者のなかには、南北ワジリスタンの地元ワジール族、アフガン人、そして少数だが中央アジアの戦闘員もいる。しかしその大半が北西辺境州、パンジャーブ、カラチの出身者である。

これらの戦闘員たちは、通常だったら、インド領カシミールで戦っていたはずの戦闘員だ。

2001年にアメリカがアフガニスタンに侵略する以前、北部同盟と戦っていた、タリバンと肩を並べてきた数千人のジハード志願者たちは、その後カシミールで戦うために、ジャイシェ・ムハンマドやハラカトゥル・ムジャヒディンに合流した。しかしインドがカシミールの国境に柵を張り巡らし、アメリカがイスラマバードに圧力をかけてから、ジハード者たちの行き場所がなくなっていた。

今年の夏の攻撃を計画しているタリバンが、これらのジハード志願者たちに白羽の矢をたて、その多数が説得されて、南北ワジリスタンでタリバンに合流した。ジャイシェ・ムハンマドやハラカトゥル・ムジャヒディンのほかに、ラシュカレ・トイバと関係のある戦闘員たちも、数千人規模でタリバンに協力し始めた。

タリバンは、アフガニスタンのタリバン政権崩壊後にパキスタンで生まれた反体制派の戦闘員、約5万人にも接近した。これらの者たちは、アフガニスタンでタリバンのもとで訓練を受け、それぞれ20〜2000人でひとつのグループを形成している。

《基地(アルカイダ)からの戦い》

今年、タリバンが同盟軍に敗北するしないは別として、ビンラディンの国際イスラーム戦線は、その新たな基地−−北ワジリスタンの「ワジリスタンイスラーム国家」−−から、新たな戦いを開始した。

戦略は、基地をアフガニスタンのパクティア、コースト、ヘルマンド、ザーブルにまで拡大することである。各地でタリバンは、北ワジリスタンでのように、アフガン政府の機能を麻痺させて自身の行政を形成し、タリバンの司法、警察、税金体系を確立した。

タリバンはデーラ・イスマイル・ハーンやタンクにも進出し、音楽センターを閉鎖させたりしているが、北西辺境州全体を支配するかどうか、まだ決めきれていない。

タリバンが支配する地域では、部族の長老や宗教指導者たちは口を挟むことができない。同様にMMAさえ、影響力を失ってしまった。ここまでは、パキスタンの内務省も認めている。

北ワジリスタンの情報源によると、この地域に約2万7000人の戦士たちがいる。指令系統が確立され、重要な人間はすべて背後に隠れている。新たな野戦司令官は、これまでは知られていなかったアフガン人、マウラナ・サギーン・カーン・ザルダン(41)である。戦闘員のうち、約3500人がパンジャーブとカラチ出身者で、1万人が北西辺境州各地から来ている。残りが地元の部族民やアフガン難民である。

南ワジリスタンの野戦司令官は、バイトゥッラー・マフスードである。南ワジリスタンの戦闘員の正確な数はわからないが、数千人はいるようだ。

「これらは、号令を待っている数千人のムジャヒディンのごく一部にすぎない。彼らは7つの部族地帯全部と、その他のパキスタン各地にいる。さらに、数千人のタリバンが、アフガニスタンにもいる。タリバン運動の機が熟したら、北ワジリスタンのように、パクティア、コースト、ヘルマンド、ザーブルなど、それぞれの地域で、再結成されるだろう」と、情報源が語った。(中略)

《「テロとの戦争」のねじれ》

9.11以来、アメリカ主導の「テロとの戦争」は、さまざまな局面を通過してきた。そして今、大きな変化が生まれつつある。

アメリカの政策は、中東であれ、南アジアであれ、アフリカであれ、テロの温床である戦争現場を閉ざすことだった。したがってアフガニスタンとイラクに侵略したあと、アメリカはパキスタンに外交的圧力をかけて私的な民兵を禁止させ、インドとの対話を開始させ、パキスタン領カシミールから攻撃する戦闘員を取り締まらせ、カシミールにいるイスラーム過激派たちを放棄させた。

しかしその結果は、アメリカが望むものではなかった。カシミールの戦闘はかなり沈静化したが、焦点はワジリスタンとアフガニスタンに移行してしまった。

ハリッド・ハワジャは、パキスタン空軍の退役空軍少佐で、1980年代にはISIに属していた。彼は故ジアウル・ハク大統領を偽善者と呼び、批判的な手紙を書いた。ジアは彼をISIから解任し、パキスタン空軍からも除隊した。ハワジャは1987年にアフガニスタンに直行し、ムジャヒディンとともにソ連と戦った。

アフガニスタンにいる最中、彼はビンラディンと親しくなった。ハワジャの名前は、ダニエル・パール誘拐殺人事件の際に浮上した。

『Asia Times』はハワジャに、なぜ人びとはカシミールで戦うことを止めて、ワジリスタンに行くのか聞いてみた。

「9.11の直後、ムジャヒディンの間で不平があがった。ハラカトゥル・ムジャヒディンの会長のマウラナ・ファズル・レーマン・カリルのような人間でさえ、なぜムジャヒディンはカシミールのために戦い続けなければならないのか、個人的に聞かれたことがある。9.11以後の状況の進展の仕方を見ると、カシミールで戦う理論的根拠がなくなってしまった。インド軍がカシミールにいるムスリムにどんなひどいことをしようと、パキスタン軍はパキスタンにいるムスリムに、もっとひどいことをしているからだ」とハワジャは語る。

「ジハードは、土地のために戦うのではない。ジハードは信仰がかかわるとき、敵が信仰を攻撃してくるときに戦うものだ。9.11以後、アメリカ人は我々の信仰を攻撃した。ソ連と戦ったのも、同じ理由からだ。今、アメリカがソ連にとってかわった」。

「信仰が攻撃されると、カーストや信念の違いは問題ではなくなる。パキスタンであろうと、他国であろうと、協力者たちは同等に罰される。これがムジャヒディンの普遍的な約束事であり、イラクであれ、アフガニスタンであれ、パキスタンであれ、明白な宗教的な理由で裏付けされる。ブッシュが、あなたは我々の味方だとか敵だとか言うなら、ムジャヒディンも同じことを言ってもいいはずだ」と、ハワジャは語る。

地元最大のカシミール解放運動、ヒズブル・ムジャヒディンの報道官サリーム・ハシミは、ヒズブルの戦略的マンパワーのために、インド領カシミールを攻撃目標にしていると語る。

しかし地上の状況はちがう。タリバンは春の作戦のために、信頼のおける志願者たちを新たに得たことは確かだ。

hoonA rush to the Taliban's call
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■アルカイダ幹部、パキスタンで殺害か[060413 AFP]

1998年のアフリカの米大使館爆破事件で指名手配になっていたアルカイダ幹部工作員が、パキスタン軍による空襲で殺害されたと思われると、治安部隊関係者が語った。

水曜日の夜の空襲の標的は、エジプト生まれの爆弾専門家のアブ・ラーマン・アル・モハジールで、おそらく死亡したと思われると、幹部高官が木曜日に語った。

アル・モハジールは、Muhsin Musa Matwalli Atwahの別名で、アメリカにより、500万ドルの賞金が懸けられていた。

「アル・モハジールが空襲の標的だった」と、ある関係者が述べ、空襲で死亡した11人の戦闘員の中にいたと思われているという。

アメリカの諜報情報によると、ラーマンの本名はMuhsin Musa Matwalli Atwahで、さまざまな別名を持つ。(中略)CIAの容疑者リストによると、さまざまな作戦に関わっていたと思われ、CBRN(化学・生物・放射性あるいは核)攻撃に詳しいという。パキスタンにいると言われていた。

(中略)ミランシャーにいる諜報組織関係者によると、破壊された地元部族民のMuhammed Akbar所有の建物の瓦礫の中から、8遺体が回収された。住民によると、地元の部族民は襲撃による死者のために、少なくとも11の墓穴を掘ったという。(後略)

hoonTop Al-Qaeda operative believed killed in Pakistan
MIRANSHAH

■パキスタンの襲撃で戦闘員7人死亡[060413 Reuters]

パキスタン軍が、アフガニスタンとの国境近くにあったイスラーム戦闘員の隠れ家を襲撃し、少なくとも7人が死亡したと、諜報組織関係者が木曜日に語った。

コブラ戦闘ヘリコプターが、北ワジリスタンのナガールにある建物を襲撃した。外国人戦闘員が隠れているという情報を軍が入手したためだと、ショーカット・スルタン軍報道官が語った。

「少なくとも戦闘員7人を殺害した」と、諜報組織の幹部高官が語った。そのうちの5人が外国人で、攻撃直後に埋葬されたといわれる。

殺害された外国人のうちの1人は、アブドゥル・レーマン、別名、アブ・モハジールで、地元の戦闘員たちに武器を供給していたという。

しかし地元戦闘員の司令官、ワリ・ムハンマド・カーンは、攻撃があったとき、外国人が建物に隠れてはいなかったと語った。「全員地元の部族民で、そのうちの5人は遺体の損傷が激しかったので、すぐに埋葬された」と語った。残りの2人の葬儀は、翌日行なわれるという。

ある諜報組織関係者によると、先月逮捕された戦闘員から入手した情報をもとに、襲撃が実施されたという。(後略)

hoonSeven militants killed in Pakistan raid
NAGAR

■パキスタン、「戦闘員の隠れ家」を攻撃[060413 BBC]

パキスタンの戦闘ヘリコプターの攻撃で、アフガニスタンとの国境地帯で少なくとも7人が殺害されたと、軍が発表した。

未確認情報によると、死亡者のなかにはアルカイダ幹部容疑者もいたという。(中略)未確認情報によると、アブドゥル・ラーマン・アルミスリという名前で通っているエジプト人のMohsin Musa Matwalli Atwahが標的だったという。1998年のタンザニアとケニア大使館爆破事件で、アメリカに指名手配になっている。

「アブドゥル・ラーマン・アルミスリがそこに隠れているという情報を得て、襲撃した」と、パキスタンのラシッド情報相が『ロイター』に語った。「彼が殺害されたかどうかは、わからない」。AtwahはCIAによると「爆弾の専門家」で、FBIにより、指名手配者になっている。(後略)

hoonPakistan hits 'militant hideout'

■マラカンドの誘拐[060413 Daily Times]

北西辺境州の6地区の住民たちが、マルダンで行なわれた和平ジルガが設置した期限(明日)までに、州政府がマラカンド行政区の犯罪者を取り締まらなければ、犯罪者のアジトに対して自爆攻撃を行なうと誓った。

「12〜13のグジャールの家族がこの地域全体を捕虜にして、さらに身代金のための誘拐を計画している」と、ラフィーク・シャーが語った。

ラフィークによると、マルダン出身のラール・バッドシャー・ムハンマドがマラカンド行政区のSakhakot地区から誘拐され、500万ルピーを要求されているという。ノーシェラ地区出身のハリーム・ハタックとプリベーズ・ハタックの居場所は、いまだにわからないと付け加えた。

チャールサッダから誘拐された9歳のシャーザッドは、父親が身代金60万ルピーを払えないために、Sakhakotに9ヵ月間も監禁されている。6つの地区から数千人が集まり、Sakhakotにいるグジャールに対して行動しようとしているという。(後略)

hoonKidnappings in Malakand
Javed Afridi、PESHAWAR

■バヌーで爆発、ミュージック・ショップ被害[060413 Daily Times]

水曜日にバヌーで、イスラーム過激派と思われる者がバザールで爆弾を爆発させ、音楽CDやビデオを売る店、約10軒が破壊された。負傷者はいない模様。

hoonBomb explosion in Bannu damages music shops
DERA ISMAIL KHAN

■アフガン国境から、ミサイル2発、発射される[060413 Daily Times]

火曜日にアフガニスタン側から、パキスタンのバジョール行政区のマムンド地区Ghatghai村に、ミサイル2発が撃ち込まれた。モスクが被害にあったが、負傷者はいない模様。

地元民が水曜日に語ったところによると、ミサイルの破片はロシア製だった。

hoon2 missiles fired from across Afghan border
Mukarram Khan、GHALANAI

■戦闘機による作戦で、外国人戦闘員死亡とパキスタン[060412 AfP]

アフガニスタンとの国境地帯にある、戦闘員が隠れていた建物をパキスタンの戦闘ヘリコプターが攻撃し、外国人多数を殺害したと、軍が発表した。

「確実な諜報情報」に基づいて実施された作戦は、ミランシャーから6キロ離れたナガール村が標的となったと、ショーカット・スルタン中将が語った。

(中略)「コブラ戦闘ヘリコプターを用いて作戦を実施し、戦闘員の隠れ家を撲滅した」という。「外国人数人が殺害された」と、付け加えた。(中略)

「この地域に外国人がいるという確実な諜報情報をもとに、作戦を実施した」と述べたが、戦闘員が何人殺害されたか、その身元や国籍については言及しなかった。(後略)

hoonPakistan says foreign militants killed in gunship raid
ISLAMABAD

■アフガニスタンの店舗を、盗難ファイルを捜査[060412 AP]

水曜日、アフガニスタンの米軍基地の外の店舗で、基地内から盗まれた機密事項を含むコンピュータメモリーが売り出されていた。メモリーには、アメリカ人将校4人の社会保障番号などが含まれていた。

このようなファイルを含むハードウェアやソフトウェアを現金と交換していたのは、この店だけではない。

盗難コンピューター機器の存在により、アメリカの警備問題が浮上した。個人的な手紙や兵士の履歴、核・生物化学兵器の訓練を終了した軍隊のリストなどが、20〜50ドルで売りに出されたことで、米軍が調査に乗り出した。

5人の軍捜査官が、私服の武装米兵に警護され、基地の周りにある約24軒の店舗を捜査した。ディスクが発見されたかどうか尋ねると、「現在捜査中だとしか言えない」と答えた。

ある店主によると、メモリースティックのデータには興味はなく、ハードを売ることが目的だという。「すべて基地内で働くアフガン人たちが、盗んだものだ」という。「常に入荷する」。

バグラム基地では、アフガン人約2000人が掃除夫、事務手伝い、使役人として雇われている。基地を出入りする際には身体検査を受けるが、指の大きさのフラッシュドライブは、簡単に隠すことができる。

ある店主は、約17のメモリーを見せて、これをラップトップコンピュータに入れて見せてくれた。データが入っていたのは、そのうちの4つだけで、他は消去されていた。

この盗難に関しては、月曜日に『Los Angels Times』が最初に報道した。報道によると、標的とする敵や汚職をしているアフガン人政府関係者、アメリカの国防に関する軍の機密事項を含んでいたという。

軍報道官のマイク・コーディーは、軍は、「地元のバザールで軍の機密アイテムが売られていることに関して、調査を開始した」と述べた。「同盟軍関係者は定期的にバザールを回って、極秘のアイテムが売られていないか調査している。今のところ、それらは発見されていない」。(後略)

hoonAfghan Shops Searched for Stolen Files
DANIEL COONEY、BAGRAM

■アフガニスタンでの新たな作戦で、戦闘員6人殺害[0660412 AFP]

アフガン軍と同盟軍がアフガニスタン東部で、2500兵を動員して新たな作戦を開始し、夜明け前に空爆と地上からの攻撃で戦闘員6人を殺害した。

クナール州で実施された「Operation Mountain Lion」作戦の一環として、戦闘員が火曜日に殺害された。クナール州では、タリバンが学校にロケット弾を撃ち込み、子供7人が殺害されている。

「作戦は夜明け前に、テロリストの活動が活発なピーチ谷で開始した」と、米軍主導の同盟軍が声明を発表した。戦闘員たちはパキスタンと接する、隣の地区で殺害された。

火曜日にクナール州の首都、アサダバードの学校にロケット弾が撃ち込まれ、子供7人が死亡し、教師等33人が負傷した。ロケット弾が国境の反対側から、学校を狙って撃ち込まれたのかどうかは、明らかではないという。学校はアフガン軍と同盟軍の基地のそばの、モスクに設置されていた。

(中略)ヘルマンド州で水曜日に、道路脇で爆発があり、警察の車両が大破して警察官1人が死亡、2人が負傷した。

カンダハルでは火曜日、「アフガン政府関係者や同盟軍を殺害することを企てていた、タリバンの武器庫」が発見された。ロケット推進手榴弾や、自家製爆弾を製造するための材料があったという。

ガズニ州では政府関係者が同盟軍に、250以上の地雷と、地雷のヒューズ9、手榴弾4、TNT火薬を70キロ引き渡したという。(後略)

hoonSix insurgents killed in Afghanistan as troops launch new operation
KABUL

■米軍、アフガニスタンでデータの売買を捜査[060412 Los Angeles Times]

密売人たちは、遠くから、気配を感じとる。米軍が火曜日に捜査に来たときには、店員たちは軍事関係のコンピュータードライブ(メモリースティック)を、隠し棚にしまっていた。

米軍は火曜日に、「極秘」の印のついた軍事データを含むコンピュータドライブが、たったの20ドルでバザールで売買されているという報告を捜査していると語った。兵士たちはバザールを回って捜査しているが、彼らがいなくなると、少なくとも2つの店舗が、再びメモリードライブを売り出した。

「米軍の諜報情報だ」と、4つのドライブが入ったプラスチックの袋を、隠し棚から引っぱりだした。「彼らには、何もできないさ」。

基地で働くアフガン人が、火曜日の朝のシフトのあとに届けてくれたという、別の2つのメモリードライブも展示されていた。さらに4つのドライブが今日のうちに届くので、もう一度来るよう、買い物客に話していた。

火曜日にアフガニスタンの米軍報道官のマイク・コーディー大佐が、バグラム基地の司令官たちは「作戦の安全を厳重に考えている」と述べた。

「これらの報告について、詳しくはコメントしない。しかし状況は捜査中だ」という。「情報が入り次第、報告する」。

『Times』は月曜日に、バザールで売りに出されているドライブには、「極秘」の刻印が押され、約700人の米軍関係者の名前と社会保障番号が記載されていたと報告した。さらに、軍が「問題を起こしている」と考えるアフガン政府関係者を、「移動」あるいは「除外」するよう働きかけるための協議が含まれていた。

バグラム空軍基地は、アフガニスタン最大の米軍基地で、抵抗勢力と戦うために戦闘機や爆撃機が離着陸する。またここからテロリストたちが、秘密の収容所に運ばれて行く。

アフガン人数百人が、ここで働いている。全員基地に入る前に検査され、退出する際も身体検査を受ける。しかし店主によると、基地で働く者がドライブを盗み出し、警備員の目をごまかしているという。

その結果、基地の正面ゲートからたった200ヤード離れた所で、ドライブ購入者は、作戦の情報やスタッフやその他の事項を入手できる。データには、ジムで汗を流したり、クリスマスに子供たちにキスする兵士のビデオクリッブや、テロリストの基地に関する情報など、「極秘」と刻印されたドキュメントもある。

さらにレイプされたために辞職したという、軍の警察官の悲しい手紙などが、バザールで入手されたドライブで明らかになる。

チューイング・ガムからライターまでの大きさのフラッシュドライブは、20〜80ドルで売られている。

商売人たちの中には、このドライブが何のために用いられているか、また何が入っているかも知らないと、呑気に認める。

しかし中には、大きな興味を示す者たちもいる。最近の、モデム、フラッシュドライブ、コンピュータ機器を買った男は、40代の男で、よく日焼けした、長い髭を生やした男だった。

ある店主によると、まずドライブを「洗う」。つまり、米軍兵士が捜査に来た場合に備えて、内容を消去する。しかし消去したファイルは、インターネットから無料ダウンロードできるドイツのソフトで、再現できる。

ドライブには、数十の個人的な写真や、米軍ヘリとC-130スペクター戦闘機による空爆の様子を、コックピットから映したビデオが含まれていた。あるシーンでは、爆撃されている人間の様子が、暗視イメージで捉えられていた。このヘリコプターからの画像はテレビのニュースで放映され、戦闘機のビデオはインターネットで入手できる。

別のドライブには、アーティストの音楽ファイルや、自己啓発法や、記者会見におけるアメリカ関係者の席順などが入っていた。

(中略)心理作戦に対する軍の略称「psyops」と書かれたものもあり、その中には、改良爆弾を製造する人間を「辱める」ための、出版物やラジオキャンペーンもある。

(中略)

軍の望遠鏡、時計、ナイフ、戦闘ブーツなどの米軍アイテムで、買い物客の興味を引くことができなかった店主は、数週間後にまた来るように言った。

米兵多数が、もうじき帰国する。兵士たちが帰り支度を始めるころ、いつもいい物が入手できるという。「バグラムからじきに、いろんな物が入ってくるよ」と、約束した。

hoonU.S. Military Looks Into Data Sales in Afghanistan
Paul Watson、BAGRAM

■パキスタン、「二重」爆弾を捜査[060412 BBC]

パキスタンの警察は、預言者ムハンマドの誕生を祝うために集まった祭礼で起きた、57人の死者を出した二重自爆事件を捜査している。

宗教指導者たちが座っていた木製ステージで起きた爆発は、ここ最近の事件のなかでは、最悪の死者を出した。当時カラチのニシュタル公園で、スンナ派ムスリム数千人が、午後の礼拝に参加していた。

(中略)捜査により、少なくとも2件の自爆があったようだ。犯人と思われる人間の頭部を含む遺体の一部が発見されたと、スィンド州政府報道官のサラウッディン・ハイダルが語った。

「明らかに良く練られた攻撃のようで、犯人は訓練を受けていたと思われる」と、付け加えた。

(中略)攻撃に抗議して暴徒化した群衆が、街頭にくりだした。警備にあたっていた治安部隊に石を投げたり、ガゾリンスタンドや車が放火された。儀式に参加していたスンナ派宗教指導者たちの中にも、死者が出たと思われる。

今のところ、犯行声明は出されていない。(中略)祭典は、スンナ派組織のJamaat-e-Ahle Sunnatが計画したものである。(後略)

hoonPakistan probes 'double' bombing

■57人が死亡した自爆事件後、パキスタン軍警戒[060412 AFP]

パキスタン政府は、スンナ派ムスリムの宗教指導者の葬儀に備えて、厳戒態勢を敷いて軍を配置した。今回の事件は、この20年間に起きた最悪の爆弾事件となり、57人の死者を出した。

火曜日にカラチで起きた事件は、2人の自爆犯人が犯行を実行したと思われる。今のところ犯行声明は出されていていが、これをきっかけにスンナ派と少数のシーア派社会の報復合戦が加熱するのではないかと、警戒される。

(中略)関係者によると、今回の爆弾事件で死亡した、影響力が大きい、比較的穏健派のスンニ・テヘリーク派の宗教指導者 アバス・カルディの葬儀に、約2万人が参加すると予測されている。

彼の部下のアクラム・カルディと、組織の報道官イフティカール・バハーティも殺害された。この他、2つの穏健派スンナ派の指導者、ムハンマド・タキとハラフ・ビーロも死亡した模様だ。これらの指導者の葬儀は、同時に開催される予定である。

2001年にカラチで、スンナ派のリーダーの前任者、サリム・カルディが射殺されている。

(中略)カラチ警察長のニアーズ・スィディーキによると、スンナ派の随行者と同じ服装をした自爆犯が、攻撃を実施したという。しかし、もう1人自爆犯がいた可能性もあるという。「胴体部分がない、2つの頭部がある」と付け加えた。(後略)

hoonPakistan army on alert after suicide blast kills 57
KARACHI

■ミールアリのジルガ、政府との対話を求める[060411 News]

部族民たちが月曜日に、治安部隊との対立を解決するために、政府との話し合いを求めた。

約1万人の部族民が集まり、ジルガで「イスラームに永遠を」「ジハードに永遠を」「打倒アメリカ」と叫んだ。宗教指導者が、ジルガからムシャラフ政府に提出される、話し合いを望む手紙が読み上げられた。

「いつでもムシャラフと話し合う」と、Maulvi Abdul Rehmanが手紙を読み上げた。話し合いには、MMAのリーダーのマウラナ・ファズール・レーマンと、北西辺境州大臣のAkram Khan Durraniが参加することが条件だという。部族民たちは、武器を所持してはならないという政府の禁止令を拒否し、逆に兵を部族地帯から撤退させるよう、イスラマバードに要求した。集まった部族民のほとんどが、武装していた。

「軍や国境警察に国境地帯から撤退してほしい。彼らの存在のために状況が悪化し、生活しにくくなっている」と、部族の長老Malik Khan Umar Janが述べた。また軍事作戦を実施する前に部族の長老に知らせるよう、政府に要求した。

また部族民たちに、イスラーム法を守るように警告した。「シャリア法に従えば問題はない。もしそれを無視したなら、責任をとってもらう」という。

(中略)月曜日の朝早く、銃を持った男たちがミランシャーの軍に物資を補給していた、トラックに乗った男2人を射殺した。親タリバン派の戦闘員たちが、Thabi村のタンカーを襲撃して、運転手と助手を殺害した。

hoonMir Ali Jirga offers govt talks
MIR ALI

■タリバン、「戦うのは難しい」 [060410 AP]

米軍は月曜日に、アフガニスタンにおける抵抗勢力の活動と「戦うのは非常に困難」と述べた。アフガニスタン南部では、警察官2人と同盟軍に食料を運んでいたトラック運転手が殺害された。

さらに銃を持った男たちが日曜日、普段は平穏な南西部で、診療所の医療活動家5人を殺害し、建物に放火した。

(中略)米軍のヨーンツ報道官が、タリバンは最近攻撃を激化し、治安軍と対戦せずに、国家に恐怖を植えつける戦術を用い始めたと述べた。道路脇に仕掛けられた爆弾や自爆攻撃を防ぐことは、「非常に難しい」という。「効果的だから、このような作戦を用い始めた。戦術を変更し、効果的な戦術を用いている」という。

(中略)日曜日に南西部のBadghisで、銃を持った男たちが診療所に押しかけ、中にいた医者や看護婦全員を殺害してから、放火した。患者は診療所にはいなかったという。

(中略)月曜日、警察官がヘルマンド州で芥子栽培の撲滅パトロールをしていたところに爆発があり、警察官2人が死亡、2人が負傷した。さらにヘルマンド州では、タリバンが同盟軍に食料を運んでいたトラック2台を制止し、そのうちの運転手1人を殺害した。

これとは別にヌーリスタンのワイガル地区で、タリバン40人が政府関係の建物を襲撃した。この襲撃で、戦闘員3人が負傷したという。タリバンの中にはアフガン国軍の制服を着た者もいた。アフガン軍に負傷者はいなかった。(後略)

hoonU.S. Military: Taliban 'Hard to Combat'
AMIR SHAH、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.