【2006年4月24日〜4月30日】


■チトラルのFBIの存在に対して抗議[060430 Chitral Times]

チトラルで、FBIが事務所を設置したことに対して、抗議運動が実施された。デモは、MMAの呼びかけで実施された。

デモ隊はチュー橋から出発し、アタリク広場まで行進した。(中略)

街頭演説によると、チトラルのFBI事務所を閉鎖しなければ厳格に対処すると述べ、法や秩序が乱れた場合は、連邦政府の政策に責任があると主張した。チトラルは平和な町で、FBIやCIAの事務所は必要ではないと述べた。(後略)

hoonProtest against FBI presence in Chitral
CHITRAL

■アメリカ人、カブールで2年服役したあと釈放される[060430 AP]

テロリストを拷問していた罪でアフガニスタンで服役していたアメリカ人が、刑が終わる2ヵ月前に釈放され、厳戒に警備されて国外追放になった。

(中略)ニューヨーク出身のテレビカメラマンのエドワード・カルバーロは、釈放され、アメリカに帰国することをとても喜んでいると語った。アフガニスタンにおける彼の本当の使命は、自分たちが運営していた秘密刑務所の裏にある「真実」を記録したドキュメントを作ることだという。

カルバーロによると、米政府が秘密刑務所の存在を認めていたという。米当局は、これを否定している。

カルバーロを乗せた車列が、空港に向かった。カルバーロは集まったレボーターに手を振ったが、彼に同行していた米大使館員や治安警察は、インタビューを許可しなかった。(後略)

hoonAmerican Freed After 2 Years in Kabul
PAUL GARWOOD、KABUL

■パキスタンのジハードビデオ、処刑シーンを映し出す[060430 Reuters]

ムービー・セールスマンが、改宗者にジハードを売っていた。

パキスタンの首都で、スンナ派ムスリムが企画した集会に集まった群衆のが、彼が広げた露天の横を覗いていく。「これは首斬りの最新のビデオだ」と、顧客に言う。「イラクにいるアメリカ人の首斬り」「アフガニスタンの裏切り者の首斬り」「タリバンの祭典」などと題されたビデオだ。

アメリカのテロに対するグローバル戦争に参加を余儀なくされたパキスタンでは、欧米がムスリム世界を弾圧しているとして、怒りが爆発している。

しかし、これは話のほんの一部だ。パキスタンは自分たちの悪魔に対する戦いに、苦しんでいる。特に宗教抗争では、数千人の犠牲者を出している。

3週間前には、ムハンマドの誕生を祝う集会で自爆があり、57人が死亡した。

パキスタンの片隅のワジリスタンでは、治安部隊と親タリバン派・親アルカイダ派部族民の戦いで、犠牲者が300人に膨れ上がった。

ビデオのセールスマンは、ごく最近の戦いの映像は持っていなかったが、いずれにしても、どれもひどい映像だ。「これはワジリスタンとアフガニスタンのムジャヒディンの活動だ」。

12月の日付のあるビデオは、ミランシャーで撮られたものだった。影響力のある宗教指導者の命令で実施された、絞首刑の様子が納められている。(中略)

「ビデオでは、制作者については触れていないが、パキスタン人タリバンだ」と、International Crisis Group's South Asia projectのサミナ・アーマッドは語る。

1ドルにも満たないこれらのビデオCDは、アルカイダやタリバン戦士の行動を賛美し、自爆者には72人の天使を約束し、スパイを斬首するよう命令する。ゲリラ戦を戦うための、チェチェンのロシア軍と戦うイスラーム戦闘員の訓練映像もある。

(中略)「ジハードを推進する書物やカセット、ビデオCDはいまだに入手できるが、公然とは売れなくなった。ビジネスは地下に潜っている。知人や信頼のおける人間にだけ売られている」と、ある本屋の店主が語った。

こういう事実を念頭におけば、パキスタンで最も恐れられている過激派組織のリーダーを探し出すことは簡単だ。彼のイスラーム原理主義のメッセージは、有名なモスクの外で聞くことができる。

ジャイシェ・ムハンマドのリーダー、マウラナ・マンスール・アザールは、パキスタンの治安組織の圧力を受けて、鳴りを潜めている。しかしイスラマバードのラール・マスジッド、あるいは赤のモスクの外では、彼の声がスピーカーから大音量で流れている。金曜日の礼拝のあと、マスジッドの外には、香水や祈りのための帽子、宗教的な本、カセットやビデオを売る売店が並ぶ。

「アメリカに呪いあれ。オマール師やオサマは我々の光。この光を盗もうとする者から、彼らの平和を奪い取ろう」と、アザールは叫ぶ。「ジハードのメッセージを街頭に広めよ」。

ジハードを説くパキスタンの宗教者たちは、すべてが彼のような影の存在ではない。上院議会のメンバー、イスラーム政党の代表者の中にもいる。

「裏切り者」というタイトルがつけられたビデオに出演する、南ワジリスタン出身の議員、マウラナ・マイラージ・ウッディンは部族民たちに、武器を取って立ち上がれと呼びかける。

garrPakistani jihadi videos thrive on execution scenes
Arshad Sharif、ISLAMABAD

■戦闘員の嵐、パキスタン・アフガニスタン国境に吹き荒れる[060430 AFP]

「あんたの足はアフガニスタン側にあるよ」と、パキスタン人将軍が山の頂上でレボーターに注意した。半分冗談だが、部族地帯からアルカイダを一掃しようとしているイスラマバードの苦労が伺われる。

(中略)戦闘員や補給物資は、アフガニスタンの辺境地帯から入ってくると、パキスタンの政府関係者は語る。(中略)「ここには、アフガン国軍の検問所も同盟軍の検問所もない。だからあんたは十分やっていないと言われれば、ぐっすり眠ることはできなくなる」と、北ワジリスタンの軍事作戦の責任者、アクラム・サヒ少将が、クンディ・ガール国境検問所で語った。

パキスタンは国境地帯に8万兵を派遣し、そのうちの5000兵がシャーワルの国境地帯にいる。しかしアフガン軍やアメリカ主導の同盟軍は、このような検問所さえ設営せず、その数もまばらだという。

(中略)ジャーナリストに対して軍が計画した北ワジリスタン視察では、この地域の現実を見ることはほとんどできなかった。

ミランシャーでは、よく手当てされた芝生が広がる、大英帝国時代の軍の基地に連れて行かれただけだ。ヘリポートにはサンドバッグがうず高く積まれてバリケードを作り、アメリカ製のコブラ戦闘ヘリが守られていた。たびたびロケット弾攻撃を受けるからだ。

ジャーナリストが地域一帯を見て回っているあいだ、戦闘員たちがミランシャー近くで準軍隊の車列を襲撃した。負傷者はいなかったが、容疑者5人が逮捕された。

軍は、この地域が「タリバン化」していることを否定する。(中略)「状況は完全に平和というわけではないが、政府の支配下にはないという情報、また戦闘員の支配下にあるという情報は誤りだ」と、軍報道官のショーカット・スルタン中将は語る。

ミランシャーで実施された報告会で、軍はこの地域の開発プロジェクトを行なっていると語った。軍が子供たちを教育し、教材などを配布しているらしい。

ミランシャーにある小さな博物館に行くと、歴史的に見ても、この地域の軍事的解決は難しいように思える。辺境地帯のパシュトゥン族は、アレキサンダー大王時代から大英帝国時代に至るまで、外部の人間が入ることを拒んできたのだ。

ビクトリア朝時代の連隊や髭を生やした英国人司令官の隣に、新しいカラー写真が並ぶ。北ワジリスタンで最近死亡した、パキスタンの準軍隊兵士の写真だ。

hoonMilitant storm brews on Pakistan-Afghanistan border
KUNDI GHARH POST

■アフガン刑務所に収監されていたアメリカ人、釈放予定[060430 AP]

アフガン人を拷問したとして、2年の刑に処されていたアメリカ人ジャーナリストが日曜日、2ヵ月早く釈放される予定だと語った。

エドワード・カラバロがカブール刑務所から電話で、アメリカとアフガン政府関係者が、日曜日に彼を釈放する計画を立てていると語った。

米大使館報道官は、カラバロの釈放に関して語ることを拒否した。

「とてもうれしい。ここを去ったら、私に何か起こるのではないかとまだ心配だが、私は楽観的な男だ。無事家に帰ることができるだろう」と、カラバロが語った。(後略)

hoonU.S. Man Held in Afghan Prison to Be Freed
PAUL GARWOOD、KABUL

■アフガニスタンで拉致されたインド人、殺害される[060430 BBC]

アフガニスタンで、タリバン戦闘員に拉致されたインド人技師が、遺体で発見された。

斬首されたスルヤンラヤナの遺体が、アフガニスタン南部で発見されたと警察が発表した。

タリバンによると、捕虜が逃げようとしたために銃殺したという。タリバンは、インド人労働者をアフガニスタンから引き上げなければ、捕虜を殺すと脅迫していた。

(中略)ザーブル州警察長のグラム・ナビ・マラケイルによると、ハイウェイパトロール隊が、ザーブルのハッサン・カリエズ地区で男の遺体を発見したという。(後略)

garrIndian held in Afghanistan dead

■アフガン・同盟軍、戦闘員11人を殺害[060429 AP]

同盟軍に援護されたアフガン軍が、アフガニスタン南部でタリバンと戦った。戦闘員たちが警察官を襲撃して3人を殺害して1人を負傷させた後、戦闘員11人が殺害された。

金曜日から土曜日にかけて、カンダハルでタリバン戦闘員9人が殺害された。また司令官を含む12人が逮捕されたと、アサッドゥラー・ハリッド州知事が語った。

「タリバンとアルカイダが、パンジュワイを含むアフガニスタン南部で、我々の軍と戦っている」という。仲間が、負傷したタリバン7人を運び去った。

土曜日早朝、アフガン兵士と警察約50人が、ヘルマンド州都のラシュカル・ガー北部の山中にあったタリバンのキャンプを攻撃したと、地元アフガン軍司令官のラハマトゥッラー・ルーフィ将軍が語った。

1時間にわたった戦いのあと、タリバンが使用していた洞窟に入ると、2人の戦闘員の遺体と機関銃が発見された。残りの戦闘員たちは、山奥に逃げ込んだという。(後略)

hoonAfghan, Coalition Troops Kill 11 Militants
NOOR KHAN、KANDAHAR

■インドはアフガニスタンから撤退せよ、とタリバン[060429 Reuters]

土曜日にタリバン抵抗勢力が、インドがアフガニスタンから引き上げないかぎり、拉致したインド人通信技師を殺害すると脅迫した。

インド人とその運転手が、金曜日にザーブル州で誘拐され、タリバンが声明を発表した。

「明日の午後6時までに、アフガニスタンで働くインド人が引き上げなければ、彼を殺す」とタリバン報道官のカリ・ムハンマド・ユーセフが語った。ユーセフによると、インド人技師はスパイだという。

(中略)これとは別に土曜日、政府軍がヘルマンドでタリバンの隠れ家を攻撃し、タリバン2人が殺害された。(後略)

hoonTaliban demand Indians leave Afghanistan
Mirwais Afghan、KANDAHAR

■パキスタン軍、部族地帯を制圧することを誓う[060429 AFP]

パキスタン軍は、ワジリスタンの部族地帯を完全に支配下に置いていると、政府関係者が語った。この9ヵ月で、戦闘員324人を殺害したという。

外国人ジャーナリストをミランシャーに案内しながら、軍がこのような声明を発表した。

ジャーナリストたちがこの地域を案内されている間、ミランシャーの郊外で戦闘員たちが準軍隊の車列を襲撃したと、軍の情報源が語った。

軍は応戦し、コブラ戦闘ヘリコプターが出動したが、攻撃はしなかった。容疑者5人が逮捕されたが、負傷者はいない模様である。

(中略)軍報道官のショーカット・スルタン中将によると、ミランシャーではこの3月、外国人23人を含む戦闘員145人を殺害したという。

4月にはアルカイダ幹部、ムシン・ムサ・マタワリ・アトゥワ、別名アブドゥル・レーマン・アル・ムハジールを殺害したというが、遺体は発見されていない。2005年7月以来、この地域では外国人戦闘員76人を殺害するいっぽう、軍兵士56人を失ったという。

部族地帯での作戦の責任者のアクラム・サヒ少将によると、軍は北ワジリスタンを制覇し、タリバン支配に関する情報は「真実ではない」という。また軍の車両を爆破した者には、外国人戦闘員たちが30万ルピーを提供していると語った。

スルタンによると、アフガニスタンにいる抵抗勢力たちが国境を越えてパキスタン内に入り、北ワジリスタンの戦闘員たちに協力するとともに、アフガニスタン南東部にいる同盟軍を攻撃するための基地として利用しているという。(後略)

hoonPakistan military vows full control in tribal region
MIRANSHAH

■KRLのファルーク博士、釈放される[060429 Daily Times]

政府は木曜日に、アブドゥル・カディール・カーン博士に協力して核テクノロジーを外国に密輸したとしたとして、2年前に拘束されたファルーク博士を釈放した。

ファルーク博士の息子のアシムが、父親が釈放されたことを認めた。父の健康状態は良いと言いながらも、それ以上のことは語らなかった。

ファルーク博士はカーン博士の腹心で、同僚12人とともに逮捕された。現在、カーン博士以外、すべてが釈放された。情報源によると、ファルーク博士の家は厳重に警備され、誰も彼に会うことができないという。「電話も盗聴されている」と付け加えた。(後略)

hoonDr Farooq of KRL released
Shahzad Raza、ISLAMABAD

■「タリバンに登録すれば、首が守られる」[060429 Daily Times]

南ワジリスタンにある戦闘員の人材募集事務所で、「アフガニスタンジハード」に登録すればタリバンの処刑命令を受けても救われると、ある部族民が語った。

「生き延びたければ、登録しなければならない。タリバンににらまれたとき、役に立つ」と、ある長老が語った。

タリバンは、自分たちの仲間以外は自分たちに対立していると考える。だから彼らの仲間に登録し、静かにしていれば安全だという。

南ワジリスタンでは軍事活動は制限され、長老たちは危険を冒して行政府を訪問しなければならない。「我々の電話も盗聴されているのではないかと、恐れている」。

2004年に、政府が南ワジリスタンで前戦闘員たちと和平協定を結んだことで、タリバンの存在が強化されたという。「タリバンはワナ、マキン、バルウェンド地区に人材募集事務所を開いた。行政府が行なわないような救援物資を住民に提供しているために、影響力が大きい」と語った。南ワジリスタンでは、長老に代わって宗教指導者たちが権力を持つようになり、政府は「この状況に満足しているようだ」という。

hoon'Registering with Taliban can save your neck'
Iqbal Khattak、PESHAWAR


■聖職者、チトラルにCIAの存在を疑う[060428 Chitral Times]

金曜日にチトラルの聖職者や祈祷リーダーたちが金曜日の説教で、チトラルにCIA工作員が事務所を設置した疑惑があると述べた。

チトラルは平和な地域で、アルカイダとは何の関係がない。CIAが事務所をチトラルに持つことは、平和なこの地域の「パンドラの箱」を空けることになると述べた。

この疑惑は先日、下院議員の記者会見で暴露された。

ohClerics allege CIA presence in Chitral
CHITRAL

■アメリカのスパイ、標的に[060428 Los Angels Times]

タリバン戦闘員とその仲間が、パキスタンの部族地帯で卑怯な戦争を戦っている。アフガニスタン側にいる米軍のためにスパイをしたとして、人びとを拉致し、処刑している。

戦闘員たちは過去2年間、スパイとされる人間や親政府派長老53人を殺害したと、パキスタンの人権団体が報告している。遺体からは、アフガニスタンの米軍基地を訪問していた、などと書かれた紙が発見されている。地元の住民によると、死亡者数は150人に登るという。

(中略)これらの犠牲者たちが、本当に米軍のインフォーマントで、スパイ行為をしていたかどうかは、明らかではない。

しかしバグラム空軍基地から盗み出されたメモリー・ドライブの極秘ドキュメントから、米軍がパキスタンやアフガニスタンでインフォーマントたちを利用していたことがわかる。これらのファイルには、インフォーマントの身元やその家族も記載されている。

しかし今のところ、パキスタンで殺害された者たちは、バグラムのパザールで売りに出されていたドライブに記載されていた者たちではないようだ。犠牲者の多くは、これらのファイルの記録よりも以前に殺されている。

アメリカのためにスパイ行為をしたり、パキスタン政府を支持したとして拉致されたり処刑される現象は、2004年6月にパキスタン軍が部族地帯で作戦を実施した頃から始まった。

アフガニスタンの抵抗運動が活発になるとともに、犠牲者が増えた。パキスタンからアフガニスタン南部や東部につながるルートに犠牲者が多い。犠牲者の85%が、南ワジリスタン出身者だ。

(中略)以前戦闘員たちは、その場で捕虜を殺害していた。しかし最近は数日間取り調べ、その後に斬首されるという。遺体にはスパイだと非難するメモが残されている。

2004年12月25日には、駐カタールパキスタン大使の兄弟で、カルザイ大統領の親友のシャー・アラム・カーンが、南ワジリスタンのワナで銃殺された。

3月30日には、タリバンに対立する穏健派ムスリムの宗教指導者、ザヒール・シャー・ビタニの家に、5人の男が押し掛けた。カーンは、ペシャワル南部のラキ・マルワットにあるマドラッサの校長でもある。

男たちは夜中にカーンの家にやってきて、病人のために祈ってほしいと言ったという。彼をビックアッブ・トラックに押し込んでどこかに連れ去り、その2日後、彼の遺体が南ワジリスタンのサラゴーラ地区で発見された。遺体には、「宗教指導者を装って敵の味方になり、ジハードとイスラームに反するプロパガンダを実施し、無実なムスリムを裏切り、人びとを誤った道に導く者は、サヒール・シャーと同じ運命をたどる」と書かれた紙が残されていた。

シャーは「イギリス人とともにイスラマバード大使館を訪問して、援助を得ていた。また何らかの指示を受けていた」という。

戦闘員たちは、斬首される前にアメリカのスパイであることを告白する犠牲者のビデオを、CD化している。

最近ミランシャーに出回ったCDで、スパイと言われる男が、タリバンに対立するように地元の人間に働きかけるようにアメリカ人に指示され、3300ドル相当の金額をもらったことを告白している。この録音のあと、覆面をした男たちが「神は偉大なり」と叫び、男を殺害する様子が映し出される。

『Los Angels Times』は4月10日に、バグラム基地の外で、米軍の極秘ドキュメントを含むドライブが売買されることを報告した。(中略)これらの売買は、水曜日になっても、いまだに続いている。(後略)

garrSuspected U.S. Spies Targeted
Paul Watson and Zulfiqar Ali、KABUL

■タリバン、アフガニスタン南部でインド人技師を誘拐[060428 AFP]

金曜日、タリバンがアフガニスタン転部でインド人技師を誘拐したと、タリバン報道官が発表した。

誘拐されたのは、アフガニスタンの携帯電話ネットワークの請負会社、ロシャンに所属する技師だという。「今日5時頃、インド人技師をカブール〜カンダハルのハイウェイで拉致した。彼は元気で、危害は受けていない」という。

技師はザーブル州のシャルジョイ地区で拉致された。(後略)

hoonTaliban kidnap Indian engineer in southern Afghanistan
KABUL

■アメリカ、原理主義慈善団体をテロ組織と指名[060428 Reuters]

金曜日にアメリカは、パキスタンの2つの慈善団体をテロリストと指定した。最も過激なラシュカレ・トイバのフロントとして、活動しているという。

米国務省は、アメリカにおけるジャマット・ウッダーワとその派生組織、IdaraKhidmat-e-Khalqの銀行口座を凍結すると、表明した。ジャマット・ウッダーワは、カシミールで発生した地震で救援活動をしていることで、有名である。(中略)

慈善団体のスポークスマンのムハンマド・ヤハイ・ムジャヒッドが、「組織に対する不当な、非合法的な決議だ。我々は世界中の人びとのために、救援活動をしている」と語った。

(中略)ブリュッセルのInternational Crisis Group(ICG) は今年の3月、ジャマット・ウッダーワを始め、アル・ラシッド・トラスト、アル・サファ・トラスト、アル・レーマット・トラスト、・アル・カーイル・トラスト、アル・アキタル・トラストを名指しし、パキスタン政府は、有名なジハード組織が地震の救援活動をすることを黙認していると非難した。

「活動を禁止されているジハード組織が人道支援をすることを認めることで、政府は、イスラーム原理主義組織が地震の被害を受けた地域に影響力を与えることを認めている」という。(後略)

hoonUS puts Pakistani Islamist charity on terror list
Simon Cameron-Moore、ISLAMABAD

■アルカイダのナンバー2、新たなビデオに登場[060428 BBC]

アルカイダのナンバー2のザワヒリが、イラクの抵抗勢力たちが米軍の「背骨を折った」と、ビデオで語った。

イスラーム原理主義のウェブサイトで、イラクにいるアルカイダの「殉教作戦」を讃えるビデオが掲載された。またパキスタンの国民とパキスタン軍に、ムシャラフ政権と戦うように呼びかけた。

1週間の間に、アルカイダの著名幹部から3つのメッセージが送られている。4月23日にはビンラディンから、その2日後にはイラクのザルカウィのメッセージが発表された。

(中略)「パキスタン国民へのメッセージ」と題された約16分のビデオの中心は、ムシャラフ大統領に焦点が当てられていた。

「ムシャラフはアメリカから得ている賄賂の返礼として、パキスタン国内に市民戦争を起こそうとしているということを、パキスタン軍のすべての兵士や関係者は認識しなければならない」という。

「パキスタンとアフガニスタンにいるムスリムを殺害する」司令官の命令に従わないよう、兵士たちに呼びかけた。(後略)

hoonAl-Qaeda number two in new video

■ムシャラフ、ブッシュのご機嫌取りではないと主張[060428 Guardian]

国内の反米感情に押され気味のムシャラフ大統領は昨日、パキスタン国内に対する米軍の空爆は、国家の主権を犯していると警告した。

自分の人気が落ちていることを認めながらも大統領は、自分はブッシュの「ご機嫌取り」ではないと主張し、軍による独裁政権を行なっているという批判をはねつけた。

国内から大きく批判された、ブッシュ大統領のパキスタン訪問の数週間後、『Guardian』とラワルピンディの陸軍本部でのインタビューに応じたムシャラフは、自分は誰の言いなりにもなっていないと主張した。

「私は、アメリカやイギリスのためにテロや過激派と戦っているのではない」。「ご機嫌取りをしているなど、とんでもない。私は誰の機嫌もとらない。自分の指針を決めるだけの力を持っている」という。

(中略)アメリカの無人偵察機がバジョール行政区に、ヘルファイアー・ミサイルを撃ち込み、18人の犠牲者を出しながら、標的だったザワヒリを殺害することはできなかった。アフガン国境の近くで起きたこの攻撃で、アメリカの操り人形だと、国民から強く非難された。

ミサイル攻撃がアメリカによるものだったことを示す残骸の写真を撮った、地元ジャーナリスト、ハヤトゥッラー・カーンは、事件の4日後に行方不明になり、その後いまだに消息がわからない。欧米外交筋によると、パキスタンの諜報組織に拉致され、拷問を受けている可能性があるという。

パキスタン国内に対するミサイル攻撃で、パキスタンとアメリカの対テロ協力に亀裂が生じ始めた。これまでもワシントンが結んだインドとの核取り引きや、バローチスタン問題にアメリカが介入していることでも、両国の間に溝が深まっている。「攻撃は我々の主権に対する侵略で、これを非難する」と、ムシャラフは語った。

パキスタンはアメリカやアフガニスタンから、部族地帯における過激派対策を十分行なっていないと非難されている。ブッシュがイスラマバードを訪問した際、「大統領が以前と同じように、テロリストたちを裁こうとしているかどうか、見極めにきた」と語った。

ムシャラフは昨日、パキスタンがアメリカの査察を受けるなど問題外だと語り、ワシントンの言いなりになっているという国民の批判は根拠のないものだと語った。「調べる必要など、ない。これが現実だ」という。

ムシャラフ将軍は、バローチスタンで抵抗運動にてこずっていることを認めた。またワジリスタンの「タリバン化」が問題になっていると、付け加えた。

ワジリスタンにおけるアルカイダとの戦いはほとんど勝利したと言う。「なぜなら、約600〜700人を都市部で捕まえ、今度は山岳部で彼らの隠れ家を制圧したために、彼らは現在逃走中だ」。

しかしワジリスタンでは、新たな種類の地元の原理主義が台頭しているという。「タリバン式の過激派に、人びとが傾倒している。オマール師やタリバンがワジリスタンに影響を与え、今や居住区にまでそれが広まってきた」。

戦闘員たちは今週、ワジリスタンの中心であるミランシャーのバザールを、数時間占拠した。またアメリカのスパイだというタクシー運転手2人の首なし死体が、発見されている。親政府派の長老、150人以上が暗殺された。

ムシャラフ将軍は、話し合いではなく、軍事力を使用していることについて、弁解した。「あらゆる諜報情報を集め、標的を100%確認して攻撃している。一般市民の巻き添えは、最小にとどめている。ときおり、女性や子供を殺害してしまう。でも標的の隣にいたのだ。攻撃が不正確だったためではない。たまたま彼らがそこにいたのだ。つまり彼らは全員、戦闘員たちの協力者なのだ。だから犠牲はしかたない。運が悪かったのだ」。(後略)

hoonMusharraf insists: I'm not George Bush's poodle
Declan Walsh and Simon Tisdall、Rawalpindi

■タリバンのリーダー、アメリカとイギリスにジハードを誓う[060428 Daily Times]

パキスタンのタリバンが木曜日に、アフガニスタンにいる米軍と英軍に対して容赦のないジハードを行なうことを誓った。

南ワジリスタンから電話でハジ・オマールは、アルカイダを匿ってはいないと述べたが、アフガニスタン内部における攻撃を指揮していると語った。「ここにはアルカイダはいない。ワジリスタンのタリバンがいるだけだ」という。

「アフガニスタンにムジャヒディンを送っていることは、事実だ。米軍や英軍がいるところに、ムジャヒディンを送っている。彼らに対するジハードを続ける。これは宗教的な使命だ」。(ロイター)

hoonTaliban leader vows jihad against US, UK
ISLAMABAD

■パキスタンの親タリバン部族、軍に対抗するために団結[060427 BBC]

パキスタンの北西部にいる親タリバン派部族民たちは、代々続いていた部族間の対立を水に流して、軍と戦うために力を合わせ始めた。ムシャラフの対過激派対策に、大きな障害をきたすことになりそうだ。

約5000人の部族民たちが部族地帯で、毎日のように軍の基地や車列を攻撃している。いっぽうアメリカのスパイと言われる者たちの首なし死体が、路上に放置されている。

宗教心やワシントンに協力するムシャラフへの憎しみで団結した部族民たちは、外国人アルカイダを一掃しようとしている軍の動きを妨害するために協力し始めたと、アナリストや当局筋が語る。

「いつ終わるともしれない流血により、タリバンやアルカイダに共鳴するパシュトゥン族たちが団結している」と、2003〜2004年にかけて南ワジリスタンの対抗勢力に対する作戦を指揮していた、マフムード・シャー元准将が語る。

(中略)地元の情報源によると、長引く軍事作戦により、ワジール族たちは代々対立していたライバルのダワール族と、ワジリスタンの独立を守るために協力し始めたという。

これまで部族民たちは、代々続いてきた血の復讐のために、対ソ連時代以来出回っている豊富な武器のせいもあり、骨肉の争いを続けてきた。「この部族民の結託は、北ワジリスタン政府にとっては良い兆候とはいえない。なぜなら、南ワジリスタンの騒乱時には、団結した部族民たちの抵抗に遭うことはなかったからだ」と、この地域出身の前治安組織関係者が語った。

2人の過激な聖職者、アブドゥル・カリークとサディーク・ヌールが、現在の対抗運動の背後にいるといわれる。2人はダワール族の出身で、対立するワジール族たちを指揮する。

治安組織関係者は、地元のタリバン運動に参加している人間は、3000〜5000人にのぼるという。

さらに住民によると、部族地帯にいる軍はほとんど基地の内部に留まり、目と鼻の先にある抵抗勢力の基地を見て見ぬ振りをして、攻撃されたときにだけ行動しているという。その結果、この地域はますます「タリバン化」し、厳格なシャリア法が施行された。

軍報道官のショーカット・スルタン中将は、軍は最後の手段として武力を用いていると語る。「軍の犠牲は多くなってしまうが、武力の駆使を避けることで、巻き添えの被害を防ごうとしている」という。

スルタンは、状況は「悪い」ことを認めたが、問題は、地元民もいるとはいえ、悪いのはアフガニスタンから入ってくる戦闘員たちだと語る。彼らは、宗教を盾に、国境の反対側にいる同盟軍を攻撃するために「パキスタンの国土を利用しているという。

アナリストたちによると、北ワジリスタンの軍事作戦により、この地域で機能しているのは軍と戦闘員だけ、という状況になってしまったという。

「時間とともに、部族の長老たちの権力は弱体化し、3年に及ぶ軍事作戦により、それがますます顕著になってしまった」と、国防アナリスト、ハサン・アスカリが語る。「今部族地帯の政策の中心はムッラーで、部族の長老、パキスタン軍、アメリカに挑戦しようとしている」。

garrPakistan's pro-Taliban tribes unite against army
ISLAMABAD

■軍、部族民が戦闘員を追放したら撤退、とムシャラフ[060427 News]

ムシャラフ大統領が、部族民たちがテロリストを追放してタリバンの支配を排除したら、全軍隊を部族地帯から撤退させると語った。

「部族民たちはテロリストを掃討しようとしている政府に協力し、部族地帯からテロリストを追放することに協力しなければならない。部族民たちがテロリストを取り締まり、タリバン支配を一掃したら、部族地帯から全軍隊を撤退させる」と、7つの行政区の長老が出席したジルガで述べた。今後Levies force(治安部隊)を設置し、数千人部族民で法と秩序の維持に勤めることになると語った。(中略)

「部族地帯にいる外国人たちはあなたがたの仲間ではなく、自分たちの使命を達成するために行動している。それはイスラームとは関係のないことだ」と語った。バジョール行政区の出来事(アメリカのミサイル攻撃)に関しては、国家主権の侵害に相当すると述べたが、テロを行なうためにパキスタンを利用し、国家の主権を犯している外国人の存在を強調することで、部族民たちの関心をそらせた。(中略)

今後部族地帯に平和が維持されるようになれば、FATAに対する年間開発費を50億ルピーから100億ルピーに引き上げることを約束した。また部族民たちの商売を活性化するために関税をかけないなど、さまざまな開発プロジェクトを約束した。(中略)

長老たちは、政府に協力することを約束した。

hoonArmy to pull out if tribesmen expel militants: president
PESHAWAR

■パキスタン人部族民、斬首される [060426 AP]

アメリカのスパイで、たびたびアフガニスタンの米軍基地を訪問していたというタクシー運転手が、パキスタンの北西部で、イスラーム主義の戦闘員と思われる者たちに斬首されたと、諜報組織の人間が水曜日に語った。

火曜日に南ワジリスタンのアンゴール・アッダで、男の遺体が発見されたと政府関係者が語った。

男はカーン・マティで、4月17日以来、行方不明になっていた。アフガニスタンをしばしば訪れ、アフガニスタン東部のビルマルにある米軍基地に出入りしていたと疑われていた。

米軍スパイとして殺害されたタクシー運転手は、1週間ちょっとの間で、これで2人目である。

(中略)いっぽうパキスタン南西部ではアフガン難民の家が爆発し、本人と母親、妻と息子2人が死亡したと、水曜日に警察官のカジ・アブドゥル・ワヒッドが語った。

月曜日の爆発でこの難民は両手を失っていたために、「爆弾を扱っていたようだ」という。家の残骸から、自家製爆弾とタイマーが発見された。男がバローチスタンで発生する爆弾事件と関係があるか、現在捜査中である。(後略)

garrPakistani Tribesman Decapitated
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■米国人、「アルカイダとの関係で有罪」[060426 BBC]

25歳のパキスタン生まれのアメリカ人が、パキスタンのアルカイダ訓練所に参加してテロを支持したとして、有罪になった。

ハミッド・ハヤットはFBIに虚偽の発言をしたとして、カリフォルニアの裁判所でも起訴されている。6月に判決を受けた場合、39年の刑に処される。

数時間前に別の法廷で、息子の訪問に関してFBIに嘘をついた罪を問われていた父親のウマルの裁判は、無効となった。5月5日に、もう一度裁判がやり直される。

ロディのアイスクリーム売りのウマル・ハヤットと息子は、去年の6月に逮捕された。ハミッド・ハヤットは2003年3月〜2005年6月まで、テロ行為に協力していたとされる。(後略)

hoonUS man 'guilty of al-Qaeda links'

■米軍主導同盟軍、タリバンのキャンプを爆撃[060425 AP]

米軍主導の同盟軍の戦闘機が、アフガニスタン南部のタリバンキャンプを爆撃し、抵抗勢力3人を殺害。さらに戦闘員5人と警察官1人が激しい銃撃戦で死亡したと、政府関係者が火曜日に述べた。

爆撃機が月曜日夜、ヘルマンド州のラシュカル・ガー地区にあったキャンプにヘルファイア・ミサイルを2発を発射し、爆弾を落とした。この攻撃でタリバン戦闘員3人が死亡し、1人が逃走したという。

「殺害された男たちは、アフガニスタン政府と同盟軍に対して数々の攻撃を実施するとともに、テロ活動のために資金を流していた」という声明が出された。

これとは別に、タリバン約50人が月曜日の夜、カンダハル北部のミアナ・シェン地区の警察検問所を襲撃した。

銃撃戦は火曜日まで続き、タリバン5人と警察官1人が死亡した。この他に警察官2人が負傷し、戦闘員たちは山中に逃走していった。(後略)

hoonU.S.-Led Coalition Bombs Taliban Camp
NOOR KHAN、KANDAHAR

■兵士2人と戦闘員3人、パキスタンの衝突で死亡[060425AFP]

アフガニスタンとの国境付近で、パキスタン兵2人と戦闘員3人が衝突で死亡した。

親タリバン戦闘員が、ミランシャーから15キロ離れたダータケール村の近くで軍の車列を襲撃した。「戦闘員たちが月曜日の夜、治安部隊の車列を襲撃した。死傷者が出た」と、軍報道官のショーカット・スルタン中将が火曜日に語った。

地元の政府関係者によると、火曜日の衝突で、兵士2人と戦闘員3人が死亡し、戦闘ヘリコプターが戦闘員たちの基地となっていたピーケール村を攻撃したという。

さらに月曜日遅く、戦闘員が準軍隊の検問所にロケット弾数発を撃ち込んだあと、ミランシャーの治安部隊が戦闘員たちを攻撃した。

軍のこの攻撃で、部族民1人が死亡した。この男は、町でフットボールの試合を観戦していた地元の人間だったという。(後略)

hoonTwo soldiers, three militants killed in Pakistan clash
MIRANSHAH

■パキスタン、戦闘員をヘリコプターで攻撃[060425 AP]

戦闘員3人と兵人2人が死亡する衝突が発生したあと、パキスタン軍が火曜日、アフガニスタンとの国境近くのイスラーム戦闘員の隠れ家を攻撃した。

月曜日の夜、北ワジリスタンのイマルケール村近くで、道路脇で爆発のために軍の車列が止まったところを、戦闘員たちがロケット弾で攻撃を開始した。兵士1人が死亡し、6人が負傷したと、軍関係者が語った。

軍が報復し、月曜日の夜遅く、戦闘員3人を殺害した。火曜日早朝、コブラ戦闘ヘリコプター3機が戦闘員の隠れ家を攻撃したと、諜報組織関係者が語った。

諜報組織関係者によると、月曜日の夜のロケット弾攻撃で、兵士2人が死亡し、11人が負傷したという。2人の情報源による死傷者の数が食い違っているが、正確なことは明らかではない。

地元の人間によると、軍のトラック4台が、ロケット弾で攻撃されたという。

月曜日には、ミランシャー近くの検問所にいた兵士が、通りがかった車から発砲されて死亡した。

(中略)南ワジリスタンでは月曜日、戦闘員たちが検問所を襲撃し、軍との間で銃撃戦が発生。戦闘員1人が死亡し、2人が負傷したという。(後略)

hoonPakistanis Use Copters to Attack Militants
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■タリバン、ジャーナリストを脅迫[060425 Daily Times]

月曜日に北ワジリスタンの親タリバン派戦闘員が新聞の束に火を放ち、自分たちのことを「テロリスト」または「抵抗勢力」と言及した新聞を脅迫したと、目撃者が語った。

ミールアリにウルドゥー語紙と英字紙を運んでいたトラックが到着すると、覆面をしたタリバンが新聞に火を放ったと、部族のジャーナリストが語った。その後バザールにビラが残され、「我々をテロリストとか抵抗勢力と呼ぶ新聞は、北ワジリスタンにいる特派員に責任を取ってもらう」と書いてあったという。

hoonTaliban threaten journalists
PESHAWAR



■ワジリスタンにあるワジリスタンの砦[060424 BBC]

(前略)

今日、ワジリスタンを訪れると、指名手配になっている戦闘員、アブドゥッラー・マフスードが中国人捕虜を誘拐して軟禁した家に案内される。ネック・ムハンマドが米軍に攻撃されて死亡した家にも、連れて行ってもらえるかもしれない。南ワジリスタンで唯一舗装された道路に沿って、治安部隊、あるいは「何者か」と戦って死亡した部族民たちのまだ新しい墓が、点々としている。

しかし現在、アメリカのテロとの戦争と戦っていると公言しているこの地域を説明するためには、このような光景だけで不十分だ。アメリカはワジリスタンを、この世で一番危険な場所と説明する。

「ここに住む者は、自分はパキスタン人だと言う」と、『BBC』のウルドゥー語放送の特派員、ディルワル・カーン・ワジールは語る。「実際、自分たちをパキスタン人だと思っている」。しかし彼らのアイデンティティは別だ。

「パキスタンの政権は次々と変わっていくが、ワジリスタンではそんなことは話題にならない」とワジールが語る。「それと比べてアフガニスタンでは、何かが少しでも変わると、部族地帯全体に影響がでてしまう」。

アフガニスタンにおける、アメリカが支援するカルザイ政権とタリバン政権の残党との戦いがワジリスタンに波及することは、阻止できなかっただろう。ここ数年、パキスタンでは地元タリバン司令官が出現し、アラブや中央アジアの戦闘員を国内に招き入れてしまった。

タリバンについてのベストセラーを持つアーマッド・ラシッドは、ワジリスタンを「アルカイダのセンター」と呼ぶ。パキスタン政府以外は、みんながこのように考えている。

《城塞》

ワジリスタンに入ると、昔に戻ったような錯覚に陥る。まばらな人家、荒れ果てた丘には、今が現代であるという見て取れる証拠はないひとつない。ときおり風景のなかに出没する城塞のような家は、さらにそのイメージを強くする。

これらの家は周囲を、厚さ1メートル、高さ6メートルの塀に囲まれている。ほとんどの場合、5〜20エーカーの土地の周りに張り巡らされる。もともとは、侵略してくるアフガン人部族民たちから地元の人間を守るために作られていたが、今は戦闘員たちのアジトとなっている。

部族地帯では、これらの城塞のような家の中に入ることはできず、侵入すれば、殺人以上の犯罪となる。

部族地帯に詳しいある軍幹部が語ったところによると、政府が南ワジリスタンで軍事作戦を中止したことには、どうにもならない理由があったからだという。したがって、タリバン側が主張する和平を受け入れることになることになってしまった。

「この地域を絨毯爆撃して男・女・子供をすべて殺害することもできないし、外国人戦闘員を追い出すために、各家の外で面と向かって戦う危険も冒せなかった」という。

どちらにしても、軍の側にも一般市民の側にも、大きな犠牲者が出る。「そして死んだ人間の数だけ、新たな部族民が復讐を誓い、戦いは永遠に続いてしまう」。

《方策なし》

ワジリスタンの状況を考えれば、いい分は論理的だ。政府がタリバン側のいいなりになり、政策を変更してしまった理由もうなずける。今や、完全武装したタリバン戦闘員が小さなグループを形成して、幹線道路をパトロールしている。デーラ・イスマイル・ハーンからワナの間の3時間の旅路に、政府軍兵士は1人としていなかった。

ワナに着くまでに設置された5つの検問所には、ワジリスタン・スカウト(準軍隊兵士)が待機している。しかしこれらの兵士は、車の検問をできるだけしないようにしている。武装した部族民たちと、関わり合いたくないからだ。

南ワジリスタンに配置された数千人の正規軍は、ワナの中心にあるバザールから見える城壁の中に、立てこもっている。

バザールは、タリバン戦士であふれている。彼らのトレードマークは長髪と髭、ふてぶてしい表情だ。AK-47は彼らの服の一部だ。ジャケットから手榴弾をじゃらつかせる者もいる。政府はワジリスタンで武器を所持することを禁じているが、それに対するあてつけだ。

現在のこの状況は、南ワジリスタンにおいて、比較的平和な時間であるということを認識しなければならない。「比較的」というのは、この無法地帯では、現代世界の基準による平和は存在しないからだ。

garrThe Taleban stronghold of Waziristan
Aamer Ahmed Khan

■パキスタン兵2人、戦闘員の攻撃で死亡[060424 AP]

月曜日にパキスタンの北西部で発生した2つの事件で、イスラーム戦闘員が軍の車列にロケット弾を発射し、道路脇に設置された検問所に向けて発砲した。兵士2人が死亡し、12人が負傷した。

北ワジリスタンの道路脇で爆発があり、車列が止まったところ、戦闘員たちがロケット弾を発射した。爆発では負傷者はいなかったが、ロケット弾の攻撃で兵士1人が死亡、12人が負傷した。そのうちの2人は重傷である。

これとは別に、戦闘員たちが走行車から発砲し、ミランシャー近くの検問所にいた兵士を殺害した。

(中略)これに先立ち月曜日、戦闘員たちが南ワジリスタンの検問所に向かって、ロケット弾や迫撃砲を発射した。その後戦闘となり、戦闘員1人が死亡、2人が負傷したという。

軍は砲撃や軽火器の銃火を用いて報復し、南ワジリスタンのフムラング村で約1時間銃撃戦が続いたあと、近くの丘に逃げ込んだ。

この衝突で負傷した地元部族民が月曜日、ワナの病院に運ばれたあとに死亡したと、彼の仲間の戦闘員が語った。(後略)

hoon2 Pakistani Troops Die in Militant Attacks
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■タリバン、英軍を脅迫[060424 BBC]

タリバンの代表という男が『BBC』に、アフガニスタンで活動を開始する英軍を殺害することを計画していると述べた。

タリバン司令官だと名乗る男が、英軍は「アフガニスタンの古い敵」だと語った。

イギリスの国防相ジョン・リードが、ヘルマンド州の英軍を訪問した。駐屯している3300兵には、「大きな危険」にさらされていることを認識していると語った。(中略)

《抵抗勢力のDVD》

(中略)ヘルマンド州にいる英軍は、道路脇の爆弾や車による自爆の危険にさらされているという。

抵抗勢力はパキスタン側でDVDを配布して、アフガニスタンで攻撃に向かう人材を募集している。

ヘルマンド州にいるタリバン戦士たちが、特に英軍の脅威となっている。地元タリバン司令官だと名乗る男が『BBC』に、「英軍は過去に敗退した。アフガン人は、死を恐れていない」と語った。「イギリスはアフガニスタンの古い敵だ。我々の資金は日に日に増しているし、ゲリラ戦を戦う技術に長けている」。(後略)

hoon'Taleban' make UK troops threat

■パキスタン、海洋の「テロとの戦争」を指揮[060424 AFP]

パキスタンが非NATO国家として、米軍主導の「テロとの戦争」で海軍を指揮する、最初のイスラーム国家となる。

パキスタン海軍はバーレーンで予定されている式典で、オランダに引き継いで、多国籍のCoalition Task Force 150を指揮することになると、海軍報道官のサルマン・アリが月曜日に語った。

「テロとの戦争で同盟国を指揮することは、国家とパキスタン海軍にとっては大きな名誉だ」と語った。(後略)

hoonPakistan takes command of naval 'war on terror'
KARACHI

■ワジリスタンの部族民、武器を捨てることを拒否して4人死亡[060424 Daily Times]

日曜日にミランシャーのチェックポストで、部族民たちが武器を引き渡すことを拒否したあとに銃撃戦となって、部族民3人と国境警察官1人が死亡した。

警察官が、ミラリからミランシャーに入ってきた車を捜索した際に、事件が発生した。警察官たちが乗員に武器を引き渡すように要求したが、部族民はこれを拒否し、口論が発生。その後乗員が銃をし、警察官1人が死亡、乗員1人が負傷した。この後銃撃戦となった。乗員3人が死亡し、3人が負傷した。

この事件のあと、戦闘ヘリコプターが現場上空を旋回した。

土曜日の夜、ミランシャーで反政府ビラがばらまかれ、武器を引き渡さないよう、部族民たちに呼びかけた.北ワジリスタンのムジャヒディンと署名されたこのビラは、民兵や部族民警察に「異教徒」アメリカとの戦いに参加するよう、呼びかけた。「家にたてこもるか、ムジャヒディンとともにジハードをしよう」と書かれていた。別のビラには、「ユダヤ教徒、キリスト教徒とその工作員たち」は、部族民の奴隷化を望んでいる。「我々はユダヤ教徒とキリスト教徒と戦っている。もし我々の道を妨害するなら、あなたの終わりは近いことを覚悟せよ」。

《AFP追記》

戦闘員たちがラムザックの近くで、部族警察の車を襲撃したと、行政府関係者が語った。

hoonFour killed after tribesmen refuse to surrender arms in Waziristan
MIRANSHAH

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.