【2006年5月1日〜5月7日】


■前タリバンリーダー、クエッタで射殺される[060507 Daily Times]

バイクに乗った銃を持った男たちが土曜日、前タリバン地方リーダーを射殺したと警察が発表した。

タリバン政権時代、ヘルマンド州の道徳省責任者のムッラー・サマンド・バラクザイが、クエッタのマドラッサの近くで射殺された。

バラクザイ、別名マウラビ・ヤール・ムハンマドは、カルザイ政府支持者に転向していた。「まだこの事件に関して逮捕者はいないう。タリバンの仕業のようだ」と、警察関係者のカジ・アブドゥル・ワヒッドが語った。

hoonFormer Taliban leader shot dead in Quetta
QUETTA

■「オサマ」のビラ、部族地帯に出回る[060506 Reuters]

ワジリスタンでパキスタン軍と戦っている戦闘員たちが土曜日、ビンラディンの名のもとに、ムシャラフ大統領暗殺を呼びかけるビラを配布した。

「偉大なるアッラーに、ブッシュやムシャラフとその軍に教訓を与え、イスラームの獅子たちに、パキスタンにいるブッシュの奴隷を殺害する機会を与えるよう祈る」と、ビラに書かれていた。

(中略)ウルドゥー語で印刷されたビラには、ワジリスタンでパキスタン軍に攻撃されている部族民たちを助けるように呼びかけた、アラビア語でかかれたビンラディンのメッセージで始まっていた。「アフガニスタン・イスラーム戦士首長国」とサインされていた。

ビラは、北ワジリスタンのミランシャーとミールアリにばらまかれた。(中略)

ここ数日間、戦闘は小康状態を保っている。ミランシャーでは、数千人のイスラーム宗教指導者や学者たちが集まって会議を開催しているために、来週中頃まで、非公式の停戦が続く予定である。

これは、ラホールを根拠地とする政治とは無関係の宣教団体、Tablighi Jamaatが主催しているものである。Tablighi Jamaatは、全世界にイスラームを普及させている団体である。

hoon"Osama" leaflets circulate in Pakistani tribal area
PESHAWAR

■パキスタン、テロリズムの対処に十分貢献していないとアメリカ[060506 Reuters]

パキスタンは、アフガニスタンとの国境に沿った部族地帯に潜んでいる、タリバンやアルカイダの掃討に十分貢献していないと、米治安組織関係者が土曜日に述べた。

アルカイダやタリバンのリーダーたちのほとんどがパキスタンにいるが、アメリカはまだビンラディンがどこに隠れいてるかは知らないという。恐らく国境を挟んでパキスタン側にいるだろうと、国務省の対テロコーディネーター、ヘンリー・クランプトンが語った。

(中略)「パキスタンは十分やっているか? 答えは『否』だと思う」と、クランプトンがカブールで開催された記者会見で述べた。「アルカイダだけでなく、タリバンのリーダーもパキスタンにいる。パキスタン人もそれを知っている」と付け加えた。

またクランプトンは、パキスタンの部族地帯にある戦闘員たちの隠れ家は致命的だ、と語った。「これに関して、我々はパキスタンに協力する必要がある。敵軍のための隠れ家であってはならない」。「現在、パキスタンの一部はその隠れ家になっている」という。

「アフガニスタン南部や東部で発生する暴力沙汰を、心配している」。「アルカイダとタリバン、さらにこれに麻薬密売人たちが加わって、協力しあっている。このことを、心配している」。(後略)

hoonPakistan not doing enough on terrorism, U.S. says
KABUL

■アフガニスタンで米軍ヘリ墜落、10人死亡[060506 Reuters]

米軍ヘリがアフガニスタン東部の作戦中に墜落し、搭乗していた米軍関係者10人が死亡したと、米軍が土曜日に発表した。

CH-47チヌークが、金曜日遅くにクナール州の首都アサダバード付近で墜落した。「10人の遺体が機体の中で発見された。全員死亡した」と、米軍報道官のタマラ・ローレンス中尉が語った。死亡したのは、全員アメリカ人である。

墜落の原因は現在調査中だというが、敵の攻撃であることを「示す証拠は全くない」という。

(中略)タリバン司令官のダッドゥーラ師が電話で、タリバン戦闘員たちが金曜日にヘリコプターを「新兵器」で撃墜したと語った。(後略)

hoon10 die in US helicopter crash in Afghanistan
Robert Birsel、KABUL

■イタリア兵2人とアフガン人5人、それぞれ殺害される[060506 AFP]

カブールで爆発があり、イタリア兵2人が殺害されるとともに、部族長を含むアフガン人5人がタリバンの攻撃で殺害された。

また金曜日にアフガン軍は、タリバン戦闘員4人を殺害したという。

カブール南東部をパトロールしていたNATO軍のイタリア軍車列に、爆弾が命中したという。「4人が負傷し、2人が死亡した」。

(中略)ヘルマンド州では、部族の長老ハッジ・ララが、その息子とボディーガードとともに、道路脇に仕掛けられた爆弾で車が爆発し、死亡した。この爆発が起きたGrishk地区では、前日警察官の首なし遺体が発見されている。タリバンによって誘拐されたあと、殺害されたと見られている。

ララは影響力のある部族の長老で、国会議員で前ヘルマンド州知事でもあった、シェール・ムハンマド・アフンザダの従兄弟である。

これとは別にタリバンがヘルマンド州で警察の車列を襲撃し、警察官2人が死亡し、2人が負傷した。(後略)

hoonTwo Italian soldiers, five Afghans killed in spate of violence
KABUL

■タリバン、英軍に血の川を約束[060505 The Times]

昨日英軍はタリバンから、アフガニスタン南部に治安を回復する使命は失敗するだろうと、警告された。(中略)「我々の活動は日に日に活発になる。我々には今、面と向かって戦う自信があり、必要な武器もそろっている」と、オマール師の報道官だというムハンマド・ハニフ・シェルザッドが語った。

シェルザッドは、「英軍のために、アフガニスタンを血の川に変える」と、『The Times』に衛星電話で語った。「以前も彼らをやっつけた。再びやっつける」。

(中略)Natoはその歴史において「最も挑戦的」な使命を開始したが、非常に手強い活動になりそうだ。「都市部の外や田舎の町は、すべてタリバンに支配されている」と、カンダハル出身の国会議員、ムッラー・サイード・ムハンマドが語った。

昨日、英軍が駐屯するヘルマンド州でタリバンが警察官を斬首して、自分たちに挑戦する者に対して、残虐なメッセージを発信した。隣のカンダハルは、もっと危険だ。先月、カナダ兵4人が道路脇の爆弾で殺害されている。また最近では、パンジュワイ地区でカナダ軍とタリバン200人が激しい戦闘を行なった。

オランダの使命は、なかでも最も危険だ。彼らが派遣されている南部のウルズガン州のほとんどが、タリバンの支配下にある。

英軍はカンダハルにハリヤー戦闘機8機を待機させているが、最近はひっきりなしに出動している。空軍大尉スコット・ウィリアムによると、今年は去年よりも戦闘が激しいという。

ウルズガン州のデ・ラウッドで2月13日に発生した事件が、その激しさを物語る。現場に飛行すると、すでに米軍特殊部隊員4人が、道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡していた。生存者たちは川辺に追い込まれ、数百人の敵にカラシニコフやロケット弾で攻撃されて、追いつめられていた。

「無線連絡のあいだじゅう、背後で銃撃音が聞こえていた」という。100フィート以下で飛行して、敵を威嚇して追い払おうとしたが失敗した。そのためにハリヤー戦闘機が、抵抗勢力にロケット弾を発射した。しかしこれも、よく訓練された敵には成功しなかった。

そこでハリヤーは245キロの爆弾を落とした。これは、フットボール競技場ほどの広さを破壊する威力を持つ。「これを落とすと、いやな気分がする。いやな結果になった」と、パイロットが語った。

hoonTaleban tell British to expect a river of blood
Tim Albone、Kandahar

■パキスタンの衰退[060505 Asia Times]

ジハード世界では、今年の終わりまでには、タリバンのリーダーオマール師がアフガニスタンで再び権力の座につくという強い確信が、広がりつつある。現実的には、勝利できたとしても、8ヵ月という期間はあまりにも短いように感じられる。しかし、アメリカの戦略の裏庭−−特にアフガニスタンとパキスタン−−で、タリバン運動が強力になっていることは明らかだ。

これに気づいているアメリカは、パキスタンが、南北ワジリスタンを拠点としているタリバンに対処することを当てにしている。アメリカが要求しているのは、トラボラで行なった爆撃と同様の空爆をこの地帯で実施することだ。

タリバンは地元の人間の中にとけ込んでいるために、一般市民の犠牲者が多数発生することが予測される。これは受け入れがたい。

ある政府幹部高官によると、パキスタン軍はこのような攻撃を近々実行する計画を、すでに立てているという。

これに応じて、タリバンはアルカイダとともに対抗策を立てている。抵抗運動を続け、パキスタンの体制側を攻撃することに的を絞った、広範囲なネットワークが組織されたのだ。

タリバン政権崩壊以後、アルカイダのリーダーシップがパキスタンのジハード組織を動かし、国の内外で活動するのは初めてのことだ。

この計画の影響は、最近のカンダハルの出来事に反映されている。最近、カンダハルで、技術的な問題のために自爆できなかった、3人の自爆犯が逮捕された。3人ともカラチ出身だった。

この事件を取り調べたFBIは、ことの始まりはカラチの本屋に遡り、さらにクエッタ、そしてチャマンに広がっていったことをつかんだ。この3人の男たちは、チャマンからカンダハルで攻撃をするために出発したのだ。

今回の逮捕は、パキスタン国内に、ジハード活動を行なうための強力なネットワークが存在することを証明する、1つの例にすぎない。このような規模の組織は、これまで存在しなかった。

この事実は、パキスタン人にムシャラフを転覆させることを呼びかけた、最近出現したザワヒリのテープでも証明される。

ザワヒリは同じような放送を2003年にも行なっているが、状況は当時とはずいぶん変わっている。当時、タリバンは弱体化していた。アルカイダも逃走中だった。ビンラディンとザワヒリが登場したビデオの目的は、ただ1つ。ジハードの気勢を保ち、敵に不安を植えつけることだった。(中略)そしてどちらの目的も達成されたのだ。

同時にアルカイダは「ネット戦争」戦略を開始した。これは、複数の組織やグループからなる、複合組織だ。そしてザワヒリは声明を発表し続け、ビンラディンは表舞台から消えた。

パキスタンで眠っていたジハード志願者たち数千人をアルカイダ組織に引き込むために、さまざまな方策がとられた。訓練マニュエル、気勢を上げるためのコンパクト・ディスク、アフガニスタンにおけるタリバンの活動のビデオクリップなど。

同時にアルカイダとタリバンは北ワジリスタンに拠点を築き、これを「北ワジリスタン・イスラーム国家」と名付けた。ジハード志願者たちは基地に招き入れられ、南ワジリスタンやアフガニスタン側の村々にもこれが広がっていった。

これは、タリバンの春の攻撃の準備段階だった。そして今、カブールとイスラマバードで、攻撃が開始された。

今月になってビンラディンは突然出現し、ジハード運動を呼びかけるグローバルメッセージを発信した。これは「新たな」戦争が始まったために、基地(ワジリスタン)に集まるように呼びかけるものだった。

さらにザワヒリが、ムシャラフと戦うようにと声明を発表した。現在ジハード志願者たちは、2003年当時よりも、パキスタン政府を攻撃する準備が整っている。

状況は危険になってきた。ムシャラフはアメリカの圧力のもとで、タリバンとアルカイダに対して全力で戦う準備を開始している。同時に、軍支配者たちはジハード団たちの新たな力を認識しており、あらゆる力を用いて「最終的な解決策」を投じようとしている。

情報源によると、このような危険な状況において、以前同様、なんらかの和解策がとられる可能性があるという。とりあえず両陣営が一時的に、引き下がるための方策だ。この場合、勝利するのはタリバンとアルカイダだ。彼らは急成長するだけで、カブールとイスラマバード政府転覆という彼らの目的を、決して諦めることはないだろう。

《ザワヒリのメッセージの全訳》後略
garrIt's showdown time in Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■ジルガ、話し合いの前に条件を提示[060505 Daily Times]

FATAの代表からなるジルガは、部族地帯における外国人過激派の存在に関して、平和的解決を話し合う前に条件を提示し、その期限を5月12日とした。

4月26日にムシャラフ大統領がペシャワルでジルガに出席した際、北ワジリスタン出身のマリック・カーン・ゼッブが「問題を解決するために部族のシステムを用いる機会を与えてほしい」と要求し、大統領はこれに同意していた。この後、28人からなるジルガが組織された。

ジルガの要求には、検問所の廃止と停戦が含まれている。ジルガが「自由な環境」で動ける「完全に独立した地位」を確保を要求した。

(中略)「平和は、部族の慣習によってのみ、保証される。銃を突き付けて物事を解決することはできない。政府が、我々の要求にどう対応するか。その結果次第で、ワジリスタンで両者が話し合うことになるだろう」と、ある長老が語った。

hoonJirga lays demands before talks
Iqbal Khattak、PESHAWAR

■パキスタン、米大使館攻撃を「計画」した2人、逮捕[060504 Reuters]

パキスタンの警察は、3月に発生した米領事館員を殺害した自爆攻撃の計画者、2人を逮捕したという。

「2人から、多数の情報を得た。ジハード組織に所属し、領事館攻撃の首謀者だった」と、スィンド州知事の報道官、サラフッディン・ハイダルが語った。捜査の性格上、身元は明かせないという。

(中略)ある警察関係者によると捜査の結果、逮捕された過激派と、ワジリスタンで活動しているアルカイダ系の過激派組織との関係が浮上したという。

別の関係者は、逮捕者はラシャカレ・ジャングヴィの人間だと語った。

hoonPakistan arrests 2 "planners" in US consulate attack
Aamir Ashraf、KARACHI

■アフガン抵抗勢力、アルカイダに忠誠を誓う[060504 BBC]

アフガニスタンの軍閥のヘクマチアルが、アルカイダの旗のもとで戦う準備があると、アルジャジーラ・テレビが放映したビデオで語った。

「彼らが率いる戦いに参加するつもりだ。彼らが旗を持ち、我々は協力者として、ともに戦う」という。

(中略)ビデオの中でヘクマチアルは黒いターバンを巻き、機関銃を背後の壁に立てかけていた

「アメリカ人とその友人たち、ヨーロッパ人たちは、ムスリムに対する戦いを宣言し、パレスチナ、アフガニスタン、イラクに火を放った」。「ムスリム国家を直接的に、あるいは子分を通じて支配しようとしている」。

hoonAfghan rebel's pledge to al-Qaeda

■銃を持った男たち、パキスタンの警官を殺害[060504 AP]

パキスタンの北西部で、銃を持った男たちが警察の検問所を襲撃し、警察官3人を殺害した。

水曜日にバジョール行政区のコイカイで発生した襲撃の背後関係は明らかになっていないと、副行政官のアブドゥル・カユームが語った。

hoonGunmen Kill 3 Pakistani Policemen
BAJUR

■部族民長老、ワジリスタンで殺害される[060503 Daily Times]

北ワジリスタンのミールアリで、9日前に誘拐された宗教指導者幹部、マウラナ・ジャナット・ミールの銃撃された遺体が発見された。

親政府派の宗教指導者のミールは6ヵ月前にもタリバンに脅迫され、ミールをはじめとする27人が政府のためにスパイ行為を働いているとして、タリバンの暗殺リストに入れられていたという。

「月曜日に、彼の遺体がミールアリが発見された」と、地元の住民が電話で語った。ミールが軍幹幹部の将軍と会っている写真が彼の胸の上に置かれ、「反タリバン勢力と接触していた」証拠だという。

「我々が、無実な年老いた宗教指導者を殺害したと思ってはならない。彼の罪を証明し、犯罪を告白するCDを近々発表する」というメッセージが残されていた。

またダワール族の親政府派長老のマリク・ミール・シャロフが、ミールアリからハイダル・ケール村の自宅に戻る途中で誘拐されたが、数時間後に無事解放された。

garrTribal elder killed in Waziristan
PESHAWAR

■パキスタンとアメリカの険しい関係[060502 BBC]

アメリカとムシャラフ大統領の関係は、9.11以後、最も芳しくない状況に陥っている。

(中略)ムシャラフは今アメリカと新たな取り引きを行ない、2012年まで権力の座につくことを支持してもらいたがっている。

3月4日にブッシュ大統領がイスラマバードを訪問したが、アメリカ人たちはムシャラフに満足していない様子で、彼に詰め寄った。4月5日に国務省のリチャード・バウチャーが、2007年には自由で公正な選挙が必要であることを強調したことで、これが明らかになった。

さらにバウチャーは一歩踏み出し、アメリカは文民支配を望み、軍に対しても文民がコントロールすることを望んでいると語った。そしてムシャラフが大統領でありながら軍の長官を兼任することは、民主主義に反すると述べた。

またアメリカとインドが結んだ核協力に関して、パキスタンに歩み寄ることを拒否し、パキスタンがカブドゥル・カーン博士に関して、もっと多くの協力をするよう、要求した。

そしてボシャーは、バローチスタン解放軍(BLA)をテロリスト組織に指定しないと主張したのだ。これに先立ち、エネルギー省のサミュエル・ボッドマンが政府に、バローチスタンの状況はパキスタンにとっては大きな「障害」だと語っていた。

《驚き》

軍と政府は、9.11以後、軍支配を支持していたアメリカの態度の変化に驚愕した。怒ったイスラマバードは、4月9日にBLAをテロ組織に指定。ワシントンはアメリカとインドの核取り引きについて、詳しい報告をしていないと批判した。さらにもうひとつのアメリカの同盟国であるアフガニスタンは、現在パキスタン軍がパキスタン人タリバンとアフガン人タリバンと戦っているバローチスタンとワジリスタンに介入していると、非難した。

同時にイスラマバードは、35億ドル相当のアメリカ製F-16戦闘機77機注文。このような巨大な注文は、議会を通さなければならない。

アメリカはここ18ヵ月間、パキスタンがクエッタを含む国境沿いにいるタリバンをコントロールしていないことに、いらだちを表している。(中略)

さらにワジリスタンの問題にもいらいらしている。アフガニスタン南部に軍を派遣し始めたNATOもムシャラフに、国境地帯のタリバンをもっと厳しく取り締まるよう、要求した。米軍の使命はアルカイダとビンラディン逮捕にあるが、自分たちはタリバンの脅威と戦っているというのだ。

(中略)欧米の大使やパキスタンの政治家たちは、軍とISIが再び2002年の総選挙を繰り返そうとしていると危ぶんでいる。このときは世俗政党リーダーの立候補が禁じられ、選挙は軍寄りの政治家や原理主義者に有利だった。

現在野党は、選挙前に現政府と軍は解散することを主張している。公正な選挙委員会や、政治家の全員参加を求めている。

アメリカ人や多数のパキスタン人は、ムシャラフがベナジール・ブットと取り引きし、ムシャラフが引き続き大統領の座に着くことを支持する代わりに、彼女が率いる反ムッラー政党、Pakistan Peoples Partyを選挙に自由に参戦させることを望んでいる。しかし、ムシャラフはこれを拒否している。

アメリカはムシャラフを失墜させようとしていると、誰もが見ている。

ワシントンは、ムシラャフは他の政治家よりましとは思っているが、原理主義政党に頼る政権ではなく、世俗政党に頼る従来の政治家になってほしいのだ。

アメリカの支持が必要ならば、ムシャラフは新しい取り引きを考えなければならない。ブット女史と新たな取り引きを行ない、クエッタにいるタリバンを一掃し、バローチ国民主義者との対話を開始し、ワジリスタンの戦闘員たちを煽動しているイスラーム政党を取り締まらなければならないだろう。

hoonPakistan's rocky relationship with US
Ahmed Rashid

■アルカイダ幹部、パキスタンで逮捕[060502AP]

ビンラディンの軍事訓練所からヨーロッパの過激派組織にまで影響力を持つアルカイダ幹部がパキスタンで逮捕されたことを、アメリカ司法関係者が認めた。

パキスタン政府関係者も、シリアとスペインの二重国籍を持ち、500万ドルの賞金が懸かっていたムスタファ・セトマリアン・ナサールが逮捕され、国外に連れて行かれたことを認めた。

ナサールは去年の11月にクエッタで逮捕されたと、アメリカ人関係者が語った。この逮捕の際、1人が死亡している。

(中略)パキスタンの治安組織関係者によると、ナサールは「しばらく前に」、飛行機に乗せられてパキスタン国外のどこかに連れて行かれたという。「彼がもうここにはいないということしか、わかっていない。シリア政府が、彼の引き渡しを要求したかどうかも知らない」という。

ナサールが担っていた役割について、パキスタン人関係者もアメリカ人関係者も黙秘している。アメリカ法務省によると、アフガニスタンにおけるビンラディンのテロ訓練所の訓練士で、毒物や化学物の取り扱いを教えていたという。

別のパキスタン人関係者は、ナサールがクエッタで逮捕されたことを認めたが、居場所については知らないと語った。「我々やアメリカ人の取り調べを受けていた」という。シリアもアメリカも、彼の引き渡しを要求していたという。

(中略)ナサールは、スペインのアルカイダ組織と関係のある人物35人の中に入っていた。マドリッドやロンドンのテロとの関係は、わかっていない。(中略)

hoonTop al-Qaida Leader Captured in Pakistan
PAUL GARWOOD、KABUL

■アフガン裁判官、「銃殺」される[060502 BBC]

アフガン人裁判官がファラ州で銃殺されたと、関係者が述べた。

シェイク・ムハンマド裁判官が火曜日に銃を持った何者かに殺害されたと、州知事のエザトゥッラー・ワシフィが語った。タリバンの仕業だという。モスクから帰るところを、バイクに乗った男に発砲された。

これとは別に、ナンガハール州知事の事務所の外で車が爆発した。負傷者はいない模様。

カブールでは自爆犯が爆破し、通行人1人が巻き添えになって死亡した。米主導の同盟軍の車列を狙ったと思われるが、同盟軍兵士に負傷者はいなかった。

garrSenior Afghan judge 'shot dead'

■パキスタン、アメリカがテロリストと使命した慈善団体の活動を許可[060502 Reuters]

パキスタンは、先週アメリカがテロ組織に指名した2つの慈善団体に対して、何からかの措置をはかる計画はないと、外務省が発表した。

米国務省は先週土曜日、ジャマット・ウッダーワとその派生組織、Idara Khidmat-e-Khalqをテロ組織に指定した。国務省は、この2つの慈善団体の全ての銀行口座を凍結したという。

しかしパキスタン外務省報道官のタスリーム・アスランは、パキスタンはアメリカの決議に従う義務はないと語った。(後略)

hoonPakistan permits charities US calls terrorist
ISLAMABAD

■パキスタン、アメリカが釈放された科学者を取り調べることを拒否[060502 Reuters]

核の拡散を調査しているアメリカの捜査官は、最近釈放されたパキスタン人科学者を取り調べることはできないと、関係者が火曜日に語った。

先月当局は、アブドゥル・カーン博士の部下のムハンマド・ファルーク博士を釈放した。(中略)外務省報道官のタスリム・アスランによると、ファルーク博士の釈放で、カーン博士の取り調べが実質的に終わったことを示すという。「ファルーク博士の釈放で、この件は終わったことになると思う」と、記者会見で述べた。

パキスタンはどのような取り調べにも協力するが、アメリカが科学者を取り調べることは許されないという。「質問は何でも政府にしてほしい。我々が答えを取得し、情報を伝達する」。「直接取り調べることは許されない。これまで何度もこのように語っている」。(後略)

hoonPakistan won't let US question freed scientist
ISLAMABAD

■アルカイダ、カラチの米大使館爆破に対する声明を発表[060501 Daily Times]

土曜日にアルカイダが、3月2日にカラチで発生した自爆事件に対して、犯行声明を出した。この事件で米外交官を含む5人が死亡した。

インターネットに掲載された声明で、アルカイダはアフガニスタンにいる米軍に「地獄の夏」が訪れることを約束した。声明の信憑性は明らかではない。(後略)

hoonQaeda claims US consulate blast in Karachi
PARIS

■親タリバンリーダー、タンクで負傷[060501 Daily Times]

日曜日に南ワジリスタンのタンクの近くで、有名な部族民戦闘員アスマットゥッラー・シャヒーンを乗せたピックアップトラックが襲撃され、彼とボディーガード2人に重傷を負わせた。

他の戦闘員たちが、親タリバン派のシャヒーンとボディーガード2人を、ワナにある秘密の病院に連れて行ったという。シャヒーンが誰に攻撃されたかは、明らかではない。シャヒーンは頭部に銃撃を受け、重傷だという。

シャヒーンは、ジャンドーラの戦闘員のリーダーである。1週間前に数百人の部族民たちの前で、男は髭を生やさなければならないと警告していた。また宗教指導者たちに、髭を生やしていない男たちの結婚式や葬式に参加してはならないと述べていた。

hoonPro-Taliban leader injured near Tank
DERA ISMAIL KHAN

■パキスタンとイラン、インド抜きでもパイプライン着工に合意[060501Daily Times]

パキスタンとイランは、インドがプロジェクトに参加しなくても、2国間でガスパイプラインを引くことを決定したと、関係者が日曜日に発表した。

パキスタン側の代表のエネルギー省大臣のアーマッド・ワカールが記者会見を開き、インドの参加がなくてもパキスタンとイランとの間でパイプライン計画を進めると述べた。(後略)

hoonPakistan and Iran agree to build pipeline without India
Fida Hussain、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.