【2006年5月8日〜5月14日】


■戦闘員、兵士を殺害[060514 AP]

日曜日早朝パキスタンの北西部で、イスラーム過激派が警察官を殺害した。

事件は深夜、南ワジリスタンのジャンドーラで発生した。覆面をした5人の男たちが検問所にピックアップで押し寄せ、兵士たちを人質にしながら検問所の建物内に入って、中にいた警察官を射殺した。

兵士たちは後に解放され、犯人たちは逃走した。

戦闘員たちは、イスラーム宗教会議がミランシャーで無事終わるまでは、治安部隊を攻撃しないと発表していたが、日曜日の攻撃は11日間の停戦が終わったことを意味すると思われる。停戦の間は、暴力沙汰がなかった。

停戦が終結したことを示すもう一つの兆候として、戦闘員たちがダータ・ケールにある軍の基地に、ロケット弾8発を撃ち込んだ。ロケット弾は標的を外れたために、負傷者はいない。(後略)

hoonSuspected Militants in Pakistan Kill 1
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■このような友達を持ち……[060513 Newsweek]

ムハンマド・グーラブの心配は、タリバンからの脅迫ではない。『Newsweek』が4月15日に報道したように、このアフガン人は2005年6月以来、アルカイダの地元協力者に追われている。クナール州の山中で、負傷したアメリカの海兵隊兵士を匿ったからだ。ジハード組織の関係者が彼の商売用の木材を炎上させ、家族は体ひとつで逃げなければならなくなった。アメリカ人たちは、彼の家族を安全な場所に移すと約束したにもかかわらず、果たしてくれないため、グーラブは義理の兄とともに、アサダバードにある米軍基地のそばに引っ越した。しかし今度は米軍が彼を標的にしてくるとは、夢にも思っていなかった。

4月14日遅く(Newsweekの記事が掲載された日)、グーラブの電話が鳴った。明日朝11時に、米軍基地に来いという。グーラブはその日、ほとんど眠れなかった。アメリカ人たちがやっと自分たちを危険から救ってくれると、考えたからだ。翌日基地に行くと、2人の米軍兵士が待っていた。彼の名前を調べてから手錠をかけ、目隠しをして基地の隅にある暗い部屋に放り込んだ。そこで、立つことも横たわることもできないような、小さな檻に入れられた。

数時間後、2人のアメリカ人と通訳がやってきて、取り調べを開始した。ほとんどが彼の生活や家族に関することで、グーラブはなぜそのようなことを聞かれるのか、皆目見当がつかなかった。捜査官たちが、自分が誰であるかを知っていることは、明らかだったという。アルカイダとの関係も聞かれ、屈辱を感じた。米兵の命を救ったのではないか? そして捜査官たちは、『Newsweek』との関係を繰り返し聞いてきた。彼を捜索した結果、『Newsweek』のイスラマバードの住所が書かれたレポーターの名刺が出てきたという。自分はイスラマバードに行ったこともないと主張したにもかかわらず、捜査官は、彼がいつパキスタンに行き、どこに行ったのかと繰り返し尋ねた。

グーラブによると、捜査は1時間以上も続き、それは4日間に及んだ。そしてやっと解放された。小さな檻に綴じ込まれたために、ふらついた。捜査官は、なぜ彼が拘束されたか理由を説明しなかったが、解放ぎわに「レポーターに近づいてはいけない。あなたのためだ」と言われたという。

『Newsweek』は米軍にこの件に関して問い合わせたが、「グーラブ氏は同盟軍に拘束され、質問され、その後解放された。その理由はこれ以上は話せないが、『Newsweek』の記事とは関係ない」と言われた。ペンタゴンもコメントしていない。タリバンとその仲間たちは、違う。グーラブがアメリカ人に拘束されたという話が彼らに伝わると、彼の義理の兄の家に「天罰だ」というメッセージが残されていた。「最後の審判には、再びこれを味わうだろう」。グーラブは、正しいことをしたと、いまだに信じている。

hoonWith Friends Like These...
Sami Yousafzai

■国連運転手とアフガン医師、ロケット弾で死亡[060513 AFP]

アフガン人運転手とドイツの団体に所属する医師が、UNICEFの車がロケット弾で攻撃されて死亡した。

UNICEFのプロジェクト・マネージャーも、重傷を負った。事件はヘラートの郊外で起きた。

昨晩2人の遺体が改修された。運転手と、アフガニスタンの医療NGOである、マルテスターの医師が死亡したと、UNICEFの報道官が語った。(後略)

hoonUN driver, Afghan doctor killed in rocket attack
HERAT

■準軍隊兵士、殺害される[060513 Daily Times]

銃を持った何者かが、金曜日北ワジリスタンで部族警察官を射殺した。

地元行政側によると、ミランシャーのラズマック・アッダで、ハムザ・アリが射殺されたという。

個人的な恨みで殺されたのか、テロなのかを捜査中だという。

hoonParamilitary soldier killed
PESHAWAR

■タリバン、自爆攻撃のDVDを配布[060512 AFP]

タリバンが、自爆攻撃を実施する直前の犯人が、アメリカやイギリスなどの同盟軍を攻撃するよう呼びかけるDVDを販売した。この映像は「殉教希望者のコンボイ」と名付けられ、パキスタン北西部やアフガニスタン東部で販売されている。

映像には、パシュトゥ語の文字が書かれた白いはちまきをした3人の男が、爆発物や起爆装置を前に、声明を読み上げる様子が映っていた。「アメリカやイギリスの占領をやめさせる、唯一の方法だ。アフガニスタンにイスラーム政府を確立できる、唯一の方法だ」と、犯人の1人が読み上げた。

男の1人はサイフッラーと名乗り、アフガニスタンのパクティア州出身だという。1月14日にヘルマンド州のグリシュク地区で米軍を攻撃したらしい。警察によると、グリシュクで車による自爆があったが、アメリカの車両をわずかに損傷させただけで、兵士は無事だったという。しかし映像では、米兵7人が死亡して、戦車2台を破壊したと主張されていた。

別の2人の自爆犯は、ムッラー・ムハンマド・ユースフとムッラー・アマヌウラーで、2人ともコースト出身だという。2人は1月1日にカンダハルで、米軍に対して自爆攻撃を行なった。しかし同日に攻撃があったという報告はなく、映像にも爆発の様子は映されていない。破壊され、炎上した車両が映し出されていただけだった。

hoonTaliban release DVD showing suicide bombers before attacks

■タリバンと戦うには、存在を見せることと音を聞かせること[060512 AFP]

カナダ軍の無人偵察機、スパーワーは、家庭用芝刈り機のような音がするが、アフガニスタンにいるタリバンを恐れさせるだけの効果はある。

「夜間しんとしているとき、2サイクルエンジンのこの偵察機が飛べば、その存在がわかる」と、カンダハルの同盟軍基地でフランス製の偵察機を用いるジョン・ケイシー少佐が語った。

この音がタリバンに与える効果は、カンダハル西部でアフガン治安部隊がタリバンと戦っていたときに、証明された。

抵抗勢力たちが包囲されたタリバンを逃がさないように、カナダ軍はスパーワーを飛ばし、閃光で辺り一帯を照らし出した。

抵抗勢力たちは、フランス製のこの偵察機が日中であろうが夜間であろうが、リアルタイムで映像を送ることができることを知っている。偵察機の音が聞こえてくると男たちは行動を放棄し、気づかれないよう固まっていた。結局14人が逮捕された。「音が聞こえてくると、小さくなっている」という。

この偵察機は、タリバンの動きを制止させることに役立つ。また諜報収集機関にデータを送り、スパイ行為を行ない、目標に関する正確な情報を与える。(中略)

この3メートルの偵察機は、トラックに積んだ折りたたみ式の発射台から発射する。大きなアメリカモデルであるブリデーターと比べると、滑走路もいらないし、どこからでも発射できる。天候によるが、約5時間、飛行できる。

スパーワー作戦の責任者はヘリコプターのパイロットで、機体自身は砲兵が操縦する。またカメラを担当する人間、諜報収集の専門家である兵士もいて、偵察機が収集するデータを判断する。

地上に帰るとき、偵察機はパラシュートで降下する。(後略)

hoonTo be seen as well as heard is useful to fight Taliban
Christophe Vogt

■タリバン、アフガニスタンで再結成[060512 UPI]

タリバンはアフガニスタン南部の山岳地帯で再結成していると、アフガニスタンの米軍司令官幹部が水曜日に語った。「我々は勝ちつつあるが、まだ勝ってはいない」と、カール・エイケンベリー中佐が語った。

「カンダハル、ヘルマンド北部、ウルズガン州では、去年よりもタリバンの影響が強力であることは明らかである」という。

水曜日にペンタゴンで行なわれた記者会見でエイケンベリーは、抵抗運動はタリバンの力や影響力の結果ではなく、アフガニスタン政府が彼らと対戦する能力がないためだ、と語った。

「敵が強いのではない。国家組織が弱いからだ。この空白のなかにタリバンの影響力が入り込み、その影響力を拡大していく」という。

またアフガニスタン南部の暴力沙汰は去年と比較すると増加しているが、それはすべてがタリバンの仕業ではないという。一部は単なる犯罪であり、部族民同士の対立や、麻薬密輸に関連したものもあるという。

(中略)アルカイダは主にパキスタンで活動し、タリバンを訓練したり、技術的支援を与えていはいるが、彼らが戦闘の中心にいるわけではないという。「アフガニスタン内に、重要な外国人戦闘員の存在はない」と語った。(後略)

hoonTaliban Regrouping In Southern Afghanistan
Pamela Hess、Washington

■パジョール行政区で、首なし死体[060512 Daily Times]

水曜日にパジョール行政区で、首なし死体が発見された。パジョール行政区の中心地のカールから12キロ離れた、マーマンド地区の壕の中で発見されたという。

関係者によると、アフガン人である可能性があるという。ワジリスタンでは、政府やアメリカのスパイと言われる人間が、斬首されている。

hoonHeadless body found in Bajaur Agency
Zakir Hassnain、PESHAWAR

■ロンドンの爆発とアルカイダの関係、証拠なし[060512 Washington Post]

木曜日に発表された2つのレポートによると、7月7日のロンドンで起きた自爆事件の犯人4人のうちの2人は、パキスタンを訪れた際にアルカイダ工作員と接触したが、アルカイダが事件を計画したり、直接支援した証拠はないという。

イギリス人ムスリムだった爆弾犯人たちは、アルカイダに影響された可能性はあるが、自分たち自身で行動したという。

爆弾犯たちは、パキスタンにいる少なくとも1人の人間とたびたび接触していたと、ジョン・リード内務大臣が発表した。

hoonNo Proof of Al-Qaeda in '05 London Transit Blasts
Kevin Sullivan、LONDON

■爆弾のとパキスタン人との関係、迷宮に[060511 BBC]

2005年7月7日に起きたロンドンの爆弾事件から約1週間後に、爆弾犯とパキスタンとの関係が浮上した。4人の爆弾犯のうち2人、ムハンマド・スィディーク・カーンとシャーザッド・タンウィールが、パキスタンを訪れていたことが、記録からわかった。

パキスタンでは、矛先がパキスタンに向かっても、誰も驚きはしなかった。リベラルや保守派からは、予測通りの反応があった。

リベラルは、長く続いたアフガン戦争にパキスタンが関わった結果だと論じた。保守は、自国の失敗をごまかすために、ムスリム世界にスケープゴートを探そうとしていると言った。

しかし両者とも、イギリスの捜査官やメディアがどんなにパキスタンを追跡しても、そこから何も出てこないことは確信していた。

《忘れられた話》

すでに1年近くたつというのに、この皮肉な事実を否定する物的証拠はない。

今日パキスタンでは、シャーザッド・タンウィールは忘れられた存在だ。パンジャーブ州のファイサラバードの近くにあるサムンダリで開催された、この22歳の青年の葬儀には約100人が訪れたが、その後、彼の墓を訪れる者はほとんどいない。

パキスタン当局にとっては、これはすでに終わった話だ。パキスタン政府関係者は、彼を追跡しても何も出てこないのは、シャーザッド・タンウィールがしたことと、2004年11月に彼がパキスタンを訪れたこととの間に、関係がないからだと主張する。

物的証拠や、具体的な関係がないために、この主張を否定することは難しい。

しかしパキスタンが約25年間にわたって、イスラーム原理主義を教えていることを考えれば、この関係者の意見に同意することも難しい。

《冷戦時代の前線》

マドラッサ(宗教学校)は、1979年にソ連がアフガニスタンに侵略したあと、急増した。当時アメリカに支援されたジアウル・ハク大統領は、パキスタンをソ連と戦う、前線国家にすることを選択した。

マドラッサを奨励し、支援する背景には、国境の向こうでソ連軍と戦うジハード戦士たちに協力する人びとを育てることがあった。

1980年代に数千校のマドラッサが生まれ、1990年代に入っても、まだ数千校が生まれ続けたが、パキスタンの都市部を含め、世界はこの事実をちゃんと把握していない。

欧米ではマドラッサを、「軍事訓練キャンプ」、あるいは「テロを生み出す土壌」と考える。このような説明で見落としがちなのは、これらのマドラッサが生み出した多数の宗教指導者たちの存在、そしてソ連と欧米・アラブ世界か戦っている間に、彼らが獲得した合法性である。

彼らのほとんどは鳴りを潜め、彼らが過激主義を煽動していることを証明することは、不可能に近い。

《学者の助言》

しかし原理主義的な教えを受けた若者たちは、9.11以後、自分の宗教的使命が何であるかを問うとき、このような宗教指導者たちの意見を求める。

宗教指導者たちの指針を簡単に得ることができるために、人びとは自然とパキスタンに向かうようになる。

宗教指導者たちは、イスラーム史やコラーンを引用して、敵と協力するものは敵であると説く。欧米の民主主義に適用すれば、ブッシュを大統領に再選したために、すべてのアメリカ人がブッシュの協力者になる。すべてのイギリス人は、トニー・ブレアに票を入れたために、敵となる。

こうして学者のなかには、一般市民を標的に定める者も出てくる。また、天国への近道だと説く者たちもいる。

《個人ではなく、イデオロギー》

パキスタンのリベラルは、宗教的に保護された原理主義のイデオロギーが問題なのであり、それを説く者が問題なのではないと論議してきた。

この論争を受け継いで、シャーザッド・タンウィールは、軍事訓練を受けるためにパキスタンに来たとは限らないと指摘する。彼は、自分が正しい宗教の道を歩んでいるという、確信を得ることを望んでいただけだと語る。

パキスタンは、地元マドラッサから外国人学生を追放し、宗教学校の登録を命令した。宗教省は、マドラッサ1万校が登録し、外国人学生の90%が帰国したと主張する。

政府の主張が正しかったとしても、これが解決策なのかどうか、疑問が残る。

危険は、過激主義そのものではない。彼らを時限爆弾に変えてしまう思想や、組織の問題だ。

シャーザッド・タンウィールの手がかりが、迷宮に入ってしまったのも当然だ。

hoonBomb trail goes cold on Pakistani ties

■アルカイダ3人、逮捕[060511Daily Times]

パキスタンの治安部隊が、チュニジア人と思われるアルカイダ工作員を国境地帯で逮捕したと、水曜日に諜報組織関係者が語った。

アブドゥル・レーマンと名乗るチュニジア人が、パキスタン人とアフガン人と一緒にいたところを、バヌーで逮捕された。

「火曜日、チュニジア人が車に乗っているところを、治安部隊関係者がつきとめた。男は抵抗しなかった」という。

(中略)これとは別に、タリバンと関係があるとして治安部隊が、北ワジリスタンでアフガン人とパキスタン人3人を逮捕した。(後略)(AFP)

hoonThree Al Qaeda suspects arrested
PESHAWAR

■パキスタン、戦闘員3人逮捕[060510 Reuters]

パキスタンの治安部隊が、アルカイダの一味と思われるチュニジア人を含む過激派3人を北ワジリスタンで逮捕したと、治安組織関係者が語った。

政府や軍からの発表はない。

ある関係者によると、チュニジア人はアブドゥル・レーマン・サイーフッディンで、アフガン人とパキスタン人の仲間とともに、火曜日に逮捕された。チュニジア人はアルカイダ工作員だというが、幹部クラスの人間ではないらしい。(後略)

hoonPakistan arrests three suspected militants
ISLAMABAD

■部族地帯で警察官、地雷で死亡[0605010 AFP]

パキスタンの部族地帯で地雷が爆発し、警察官が死亡した。

部族民警察官が、バジョール行政区の中心の町カールから15キロの場所で地雷を踏み、死亡した。誰が地雷を埋めたかは、明らかではない。タリバンがこの地域で同じような攻撃を行なっているが、対立する部族民同士も、地雷を用いることがある。

いっぼう日曜日の夜、何者かがカールの治安部隊のキャンプにロケット弾2発を撃ち込んだ。空き地に着弾したために、被害はなかった。

これとは別に、何者かが日曜日の夜遅く、イナヤット・キリの検問所にロケット弾5発を撃ち込んだが、被害があったという報告はない。

先週、武装した男たちがバジョールの検問所を襲撃して、警察官3人を殺害している。(後略)

hoonPoliceman killed in Pakistani tribal area landmine blast
PESHAWAR

■パキスタンのタリバン、定着[060509 BBC]

パキスタンの治安部隊と戦っているタリバン戦闘員たちは、先週ワジリスタンのミランシャーで宗教会議が開催されたために、非公式の停戦を宣言した。

停戦は5月2日に開始され、パキスタンを拠点とするTablighi Jamaat主催の恒例の宗教会議に、数千人の信者たちが各地から出席した。

この集会は5月11日に終わる予定である。このあと何が起こるか、誰にもわからない。

しかしミランシャーに1日滞在しただけでも、主催者たちや地元の人間がこの10日の停戦の間に、その後の日々に備えていることがわかる。

バヌー〜ミランシャーの道路に沿って、パキスタン軍が避難用の塹壕を強化しているのが見て取れる。これまで基地の外には出てこなかった準軍隊兵士たちは、タリバン戦闘員の攻撃からの身を守るために、新たに砂袋を積み上げている。

《笑み》

北ワジリスタンに入って最初の町であるミラリでは、タリバン戦闘員たちがバザールをパトロールしていた。停戦のために、軍の検問所の前を堂々と歩ける。タリバンたちは、停戦を楽しんでいるようだ。いつもは緊張した顔つきをしているが、笑顔を浮かべている。

集会が開催される場所はタブリギ・マルカズ(宣教センター)と呼ばれ、ミランシャーのバザールから2キロほどのところにある。

外部の人間がこの地域に入ったのは、数週間前、パキスタン軍がこの地域を制圧していることを示すために、軍のヘリコプターで外国人ジャーナリストたちを連れてきたときだ。

アクラム・サヒ司令官が外国人ジャーナリストたちに、政府が北ワジリスタンを制御できないでいるというメディアの報道を読んで「傷ついた」と語った。自分の部下が「あらゆる場所」にいるという。

ミランシャーの集会の周辺でサヒ将軍の部下を探し出すことは難しく、「あらゆる場所」にいる者たちは、完全武装した数百人のタリバン戦闘員たちだった。

集会場所から200メートルも離れない場所に、タリバン司令官が拠点を構える、青いテントが張られていた。

《恐れられている司令官》

タリバンのリーダー、ハッジ・オマールと数人の地域司令官が座るテントに、招き入れられた。彼はちょうど、モーラビ・サディーク・ヌールに別れを告げているところだった。北ワジリスタンで、もっとも恐れられている司令官である。

テントを警備しているタリバン戦闘員たちは、自分たちの体重以上の武器と爆発物を持っているようだった。15歳にも満たない少年が、カモフラージュ・ベストから、4つの弾倉と手榴弾4発をぶら下げていた。

華奢な少年は、彼の仲間の半分の弾薬しか持っていないようだった。ほとんどの者たちは簡易アンテナ付きの低周波無線を持っている。

「インタピューもだめ、写真もだめ」と戦闘員が厳しい顔つきで言った。「停戦中はだめだ」。

タリバン戦闘員に囲まれてテントに座ると、アメリカの無人偵察機にミサイルで攻撃されるのではないかという恐怖に襲われた。しかしこのような恐怖は、タリバンには無関係のようだ。

彼らは、数万人の信者たちを守っているという、自分たちのイデオロギーを確信しているようだった。

歴史的にTablighi Jamaatは、集会の政治的な性格を排除してきた。しかし今、北ワジリスタンではそうではない。

《憤慨》

ムスリムの啓蒙のための全体祈祷で集会が終わると、数百人の信者たちがヘクマチアル司令官のボスターを買っているのが見受けられた。ヘクマチアルは最近、アフガニスタンにおける米軍と戦うために、アルカイダに協力することを宣言した。

バザールは活気づいていた。停戦は、治安部隊が課した戒厳令が一時的に排除されたことを意味する。地元の人びとの政府に対する恨みは、政府による爆撃で被害を受けたバザールの瓦礫で証明されるだけではない。地元民たちは、自分たちの見解を言明する。

「ここに住んでいても、もうおもしろくない」と、ある店主が語る。「バザールは日の出とともに開き、日没とともに閉まった。今はお昼時、人びとがうろうろして、数時間商売をしたら帰って行くだけだ」。

しかし、これはタリバンのせいではないのかと聞いてみた。

「いいや。彼らはアメリカ人とジハードをするムジャヒディンだ。彼らがいても、ワジリスタンの平和を妨害したりはしない」。

ミランシャーには、新聞は1紙もなかった。「テロリストや抵抗勢力」と言われることに憤慨したタリバンが、ミラリで新聞を焼いた。その後部族地帯に、誰も新聞を持ってこなくなった。

それだけでなく地元のジャーナリストの多くは、ペシャワルやバヌーにある出版社に、タリバンをテロリストや抵抗勢力と呼ばせないようにできなかったために、ジャーナリズムを放棄してしまった。

ミランシャーでは、新聞がないことを誰も気にしていない。住民たちは、再び自由に出歩いている。彼らの自由が、タリバンが停戦を主張した期限の5月11日までだということも、全然気にしていないようだ。

ohPakistan Taleban settles in
Aamer Ahmed Khan、North Waziristan

■ワジリスタンの米軍攻撃で、3人負傷[060509 Daily Times]

月曜日、南ワジリスタンにいるタリバン戦闘員を米軍戦闘機がミサイル攻撃し、パキスタン人労働者3人が負傷した。

近くの山で鉱物の採掘をして負傷した3人は、アンゴール・アッダに運ばれた。しかしこの他8人が、行方不明になっているという。

米軍は後に、空爆でタリバンかアルカイダ戦闘員4人を殺害し、地上軍がゲリラの遺体を発見し、5人目を逮捕したと発表した。

(中略)軍報道官のショーカット・スルタン中将は、国境が侵害されたことを否定した。「パキスタン軍は負傷した男3人をパキスタンの検問所近くで逮捕した。アフガニスタンからやってきた可能性もある」という。現在治療を受けながら、取り調べられているという。(後略)

smellUS airstrike injures 3 in Waziristan
ISLAMABAD

■アルカイダのビデオ、攻撃の様子を見せる[060508 AP]

月曜日にアラブのテレビが、アフガン国境地帯で米軍とアフガン軍を道路脇にしかけた爆弾で攻撃する、アルカイダのビデオを放映した。

ビデオは、戦闘員が攻撃のために地雷を準備する様子を映していた。戦闘員の隣には、ピストルを持って弾薬帯を肩にかけて覆面をした、5歳ぐらいの少年がベンチに座っていた。少年は、男が透明のテープで地雷を巻く作業を見守っている。

ビデオを放映したアルジャジーラの司会者によると、このビデオはアルカイダとタリバンが先月クナール州で米軍とアフガン軍の車両を爆破し、米軍兵士2人が殺害されたときのものだという。

(中略)3回の攻撃が映されていた。どの攻撃も、軍のジーブが山から降りてくる様子が映され、その後爆発でジープが吹き飛ぶ。次のビデオには、ヘリコプターが着陸する様子が映り、犠牲者を運んでいると解説されたが、負傷者は映っていなかった。

ビデオは、ヘクマチアルがビンラディンを支持する声明を発表したビデオが放映された4日後に出現した。ビンラディンやザワヒリも、ムスリムにアメリカやその同盟国と戦うことを呼びかけるメッセージを、相次いで発表している。(後略)

hoonAl-Qaida Video Purports to Show Attacks
OMAR SINAN、CAIRO

■アフガン国境の空爆で戦闘員4人死亡[060508 Reuters]

アフガニスタンとパキスタンの国境近くで、タリバンかアルカイダ戦闘員4人を殺害したと、米軍が発表した。

米軍地上軍がその後死亡したゲラリ4人を発見し、5人目を逮捕したと、バグラム基地のポール・フィッツパトリックが述べた。

米軍とアフガン軍が、パクティア州のベルヘル地区の洞窟に備蓄されていたロケット弾をトラックに移そうとしていた戦闘員を発見して、攻撃したという。南ワジリスタンの反対側である。

これに先立ちアメリカ高官が、パキスタンが、アフガニスタンに入ってくるタリバンを十分取り締まっていないと発言していた。

「空軍を呼び、トラックを攻撃した」とフィッツパトリックが語った。「洞窟に地上軍を派遣したところ、死亡した敵4人を発見し、1人を逮捕した」。

パキスタンの治安部隊関係者は、攻撃はパキスタン国内で起きたと述べたが、米軍によると、衛星を用いて場所を確認してから、攻撃したという。

「国境に非常に近かったが、アフガニスタンにの数キロ内入っていた。明らかにアフガニスタン国内だった」という。「この作戦の間、我々は国境の反対側にいたパキスタン軍と連絡を取り合っていた」と付け加えた。

しかしこの攻撃で負傷した男3人が、治療のためにパキスタン側のアンゴールアッダに運ばれたという。男たちは近くの山で鉱物の採掘をしていたらしい。(後略)

hoonUS says strike near Afghan border kills 4 militants
ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.