【2006年5月15日〜5月21日】


■アフガンの戦闘でさらに死亡[060521 BBC]

アフガニスタン南部における過去2日間の抵抗勢力との激しい戦闘で、アフガン兵16人が死亡した。戦闘は、ヘルマンドとカンダハルで起きた。

アフガン政府関係者によると、土曜日にヘルマンド州で車列が襲撃され、兵士9人が殺害された。戦闘員20人が殺害され、負傷した。

これに先立ち、ヘルマンドとカンダハルでも戦闘があり、アフガン兵士7人が死亡した。

水曜日以来、劇的な激しい戦闘で、戦闘員200人が死亡しているという。

日曜日にアフガン外相のスパンターが、タリバンのリーダーたちはパキスタンの基地から攻撃を計画していると語った。「タリバンや他のテロ組織のリーダーたちがパキスタンに住んでいる」と、スパンターがカブールで述べた。アフガニスタンは、この件に関してとても不愉快に思っている、という。(後略)

hoonMore die in fresh Afghan fighting

■銃撃戦で兵士4人死亡 [060521 AP]

アフガニスタン南部における戦闘員との銃撃戦で、同盟軍1人とアフガン軍3人が死亡したと、米軍主導同盟軍が日曜日に発表した。この他に兵士26人が負傷した。

土曜日にカンダハル発生した戦闘で、戦闘員が何人死傷したかはわからない。

同盟軍兵士1人とアフガン兵士25人も負傷したと、同盟軍報道官のクリス・ミラー軍曹が発表した。死亡または負傷した同盟軍兵士の国籍は、明らかにしなかった。

同盟軍は、アフガン国軍の訓練を手伝っていたTask Force Phoenixの一部だったという。

戦闘は、カンダハルのスピンボルダックで発生した。(後略)

hoonFirefight Kills 4 Soldiers in Afghanistan
KABUL

■カブールで自爆攻撃[060521 BBC]

カブールの米軍基地のそばで、車を用いた自爆事件が発生した。今年カブールで自爆攻撃があったのは、初めてのことである。

同盟軍の車列が近くを通過していたために、早めに爆発したと考えられている。

店員と現場を通りかかった運転手と子供が死亡し、他にも負傷者が出た。(後略)

hoonSuicide car bomb attack in Kabul
Alastair Leithead

■パキスタンがタリバンを送り出し、英兵苦境[060521 Times]

パキスタンがタリバン戦闘員たちをアフガニスタンのヘルマンド州に送り出し、英軍を攻撃する準備をしていると、州知事が述べた。

エンジニア・ムハンマド・ダウード知事によると、この動きは、タリバンを訓練したり匿っていないというパキスタンの主張を、証明しようという意図のものだという。

「過去4年間パキスタンにいた数百人のタリバンがヘルマンドに流入し、山中に集まっている」と、ダウードが語った。「パキスタン人たちは彼らをアフガニスタンに送り出し、問題はパキスタンにあるのではなく反対側にあると、英軍や国際軍をだまそうとしている」。

ヘルマンドには既に英軍2000人が駐屯しており、週末には戦闘で200人以上が死亡している。

(中略)「タリバンの活動が激化している」とダウードが述べた。「ヘルマンド北部に、対ソ連戦争の際に使われた古いムジャヒディンの基地を再び築き、英軍を攻撃しようとしている」。

「夜間に彼らは、地元の住民を集めて、異教徒に対する聖戦に参加するよと呼びかけている。人びとは私に、安全の確保を求めにやってくる」。

アフガニスタンでは、ムサ・カラでアフガン警察が襲撃されたとき、なぜ英軍が援護に来なかったかが問題にあがっている。ヘルマンドにある2つの英軍キャンプは、120マイルも離れていなかった。

知事は、同盟軍が十分協力しないと激怒し、英軍と米軍に救援を懇願したのに、両者とも彼の報告を信じなかったことを暴露した。「戦闘機の音を聞けばタリバンが逃げるために、空軍の力を借りたかった。しかし英軍は、戦闘機は別の場所で使用され、規制により、自国軍が地上にいるときにしか出動できないと述べた」。

garrUK troops under threat as Pakistan forces Taliban out
Christina Lamb and Tim Albone、Kabul

■タリバンリーダー逮捕、疑問[060520 BBC]

タリバン幹部司令官のダドゥッラー師を逮捕したというアフガン政府関係者の主張に、疑問の声が上がっている。

金曜日に関係者が『BBC』に、カンダハルでダドゥッラーが逮捕されたと語った。しかしダドゥッラー師だと名乗る男が『BBC』に電話で、自分は自由な人間で、カンダハルの近くにいると主張した。

これとは別に、米兵士1人とフランス奇襲部隊兵士2人が、24時間の間に抵抗勢力との戦闘で殺害された。

米兵は金曜日にウルズガン州で、米軍と抵抗勢力との間で発生した銃撃戦で殺害されたと、米軍が声明を発表した。他に兵士6人が負傷した。

仏軍情報源が『AFP』に語ったところによると、土曜日に発生した戦闘で、フランスの奇襲部隊兵士2人が殺害され、1人が負傷したという。詳細はわからない。

ダドゥッラー師と名乗る男が衛星電話でさまざまな報道陣に電話をかけ、自由な身であると語った。男は自分はダドゥッラー師で、カンダハルとヘルマンドのタリバン勢力を指揮する、片足の司令官だと語った。今後も、アフガンと外国軍に対する攻撃を続けるという。当局は、地雷を踏んで足を失った、数千人の無実な人間の1人を誤って逮捕した可能性があると、語った。(後略)

hoonDoubts over Taleban chief seizure

■米兵1人、戦闘で死亡 [060520 AP]

土曜日に、戦闘員との戦いで米兵1人が死亡、6人が負傷した。

金曜日、同盟軍とアフガン軍がウルズガン州をパトロールしていた際に、戦闘となったという。

hoonU.S Soldier Killed in Afghan Firefight、KABUL

■タリバンの領土でアフガン兵士50人孤立[060520 AFP]

軍司令官によると、アフガニスタン南部でタリバンに攻撃されたアフガン兵士約50人が、仲間から取り残されて孤立しているという。多数の負傷者が出る恐れがある。

しかし米軍主導同盟軍は、ヘルマンド州の戦いでアフガン兵士4人が死亡したとだけ確認した。

土曜日、20台からなるアフガン軍車列が襲撃されたという。6台だけが逃げのび、約50人乗った残りの車が孤立した。兵士たちの消息はわからない。「多数の犠牲者が出た可能性がある。大惨事だ」。

米軍主導同盟軍は、この襲撃でアフガン兵4人が死亡したとのみ発表している。『土曜日に、同盟軍とアフガン国軍がヘルマンド州で敵の戦闘員と戦った。アフガン兵士4人が死亡し、12人が負傷した」と、米軍報道官のタマラ・ローレンスが語った。

これに先立ちアフガニスタン南部の軍司令官が、金曜日の夜遅く、兵士1人が死亡、4人が負傷し、タリバン6人も死亡したと発表した。土曜日に攻撃された部隊は、金曜日の戦闘の現場から移動している最中だった。

軍は、同盟軍の戦闘機の援護を依頼したと、ラフマットゥッラー・ラウフィ将軍が語った。補強部隊が、出動準備をしているという。

タリバン報道官は、仲間5人が死亡したことを認めたが、アフガン兵数十人を殺害したと発表した。

今回の戦闘現場は、水曜日に戦闘が発生したヘルマンド州のムラ・カラ地区から、そう離れていない。金曜日に同盟軍が発表した声明によると、この戦闘で「敵の戦闘員」60人と警察官16人が死亡したという。(後略)

hoonHeavy casualties feared as 50 Afghan soldiers caught in Taliban
territoryKANDAHAR

■ワジリスタンの地雷で3人死亡[060520 Reuters]

親タリバン派抵抗勢力が北ワジリスタンの準軍隊基地を手榴弾で攻撃し、兵士2人と、戦闘員1人が死亡した。

行政官関係者によると、ミールアリにある国境警察の基地に、戦闘員3人が手榴弾を投げ込んだ。兵士2人と戦闘員1人が死亡した。「戦闘員2人は逃走したが、1人を殺害した」という。

基地に対する攻撃を受けて、戦闘ヘリコプターがミールアリ上空を飛び、ロケット弾を発射したという。(後略)

hoonGrenade attack in Pakistan's Waziristan kills 3
PESHAWAR

■自由な人間だ、と「ダドゥッラー」[060520 News]

タリバン司令官ダドゥッラー師と名乗る男が『News』に電話をかけてきて、逮捕されたというアフガン政府の主張を否定した。

「私はまだ戦闘でタリバンを率いている。カンダハルからそう遠くない場所にいる」と、ある場所から衛星電話をかけてきた。ダドゥッラーはこれまでメディアに何度も電話をかけてきているが、本人なのか、確認はとれていない。

「信じてほしい、私はダドゥッラーだ。なぜ嘘をつく必要がある? 誰かかわいそうな片足の村人を見つけ、私だと思っているようだ」と、高らかに笑った。「アメリカ人とアフガンの操り人形たちに、私には100人のFidayeen(自殺隊)がついている。みんなロケット砲や銃火器で武装している、と言ってやってくれ。彼らは死ぬのも自爆するのも平気だが、私が生きたまま逮捕されることを許したりはしない。私も囚人になるよりは、殉教者になることを選ぶ」と主張した。

これに先立ち金曜日、アフガン国軍司令官のラーマットゥッラー・ラウフィ将軍が、ダドゥッラーがアフガニスタン南西部で逮捕されたと報告した。報道陣たちに、カンダハルで逮捕された片足の男がダドゥッラー師である「大きな可能性」がある、という。重傷を負い、カンダハルの病院で手当を受けているらしい。

カンダハル州知事のアサッドゥッラー・ハリッドも、片足のタリバン戦士について語った。ダドゥッラーの逮捕の報道を肯定しなかったが、彼である可能性があるとほのめかした。(中略)

カブールのアフガン政府も、ダドゥッラーの逮捕をほのめかしたが、米軍は逮捕の報道を確認していない。米軍報道官は、ダドゥッラー逮捕に関する情報はまだないと語った。

タリバン報道官のムハンマド・ハニーフ博士は、ダドゥッラーの逮捕を強く否定した。「彼とは金曜日の午後、衛星電話で話した。彼は自由の身だ。タリバン戦闘員たちを萎縮させる、プロパガンダだ」と『News』に語った。彼によると、ダドゥッラーはヘルマンドとカンダハルでタリバン攻撃を指揮していたという。

(中略)ダバトゥッラーは40歳前後で、米軍主導軍に対する攻撃を組織した、最初のタリバン司令官の1人である。またタリバン政権崩壊後、インタビューを実施したり電子メディアに登場した最初のタリバン司令官でもある。他のタリバンリーダーたちは宗教上や安全上の理由から、写真を撮られることを拒否する。しかしダドゥッラーは別だ。先日も、アラブのアルジャジーラテレビとのインタビューに応じた。

(中略)タリバンの情報源によると、ダドゥッラーは自分の安全を顧みず、常に前線で戦っていた。もし彼が死亡した場合、タリバン戦闘員たちの意気を保つことは、難しくなるだろう。

(中略)米政府も、ダドゥッラーが逮捕されたという主張から距離を置いている。報告によると、米軍のボール・フィッツパトリック報道官は、同盟軍関係者と調べたところ、ダドゥッラーは逮捕されていないと語った。「現在の情報によると、間違っている可能性もあるが、最上の情報によると、『否』である」という。(後略)

hoon'Dadullah' says he is free man
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■タリバンの新司令官、戦闘の準備万端[060520 Asia Times]

タリバンの軍事作戦は、アフガニスタン南部で激化している。(中略)最近のタリバンの抵抗運動の激化は、オマール師が伝説的なムジャヒディンリーダーのジャラウッディン・ハッカーニ師を、総野戦司令官に任命した結果である。

最新の作戦としては、ヘルマンド州で起きたタリバン政権崩壊後の最大の戦闘で、300〜400人のタリバンが僻地の村を襲撃した。アフガン警察官15人以上と、カナダ兵が死亡した。

(中略)オマール師はハッカーニ師に、資金や武器、爆発物、さらにイラクの抵抗勢力によってゲリラ戦法の訓練を受けた、数百人の若者を与えた。

オマール師は各地に、それぞれ司令官を置いている。しかし今ハッカーニ師が、総司令官となった。国内の自爆攻撃の責任者でもある。アフガニスタン国内、彼が望む場所どこででも、戦闘を実施する権限を持つ。

タリバン運動がザーブル州で出現した際に、ハッカーニ師はタリバンに参加していなかったが、1995年にはタリバンに無条件で降伏した、最初の、そして最大のアフガン抵抗運動司令官となった。彼の降伏で、タリバンは領土確保に成功し、最終的に勝利した。

ハッカーニ師は現在50代で、1989年のソ連撤退後の1991年に、当時の共産主義政権のナジッブラー大統領から、コーストを奪った。

アフガン人の両親は子供たちに、英雄ハッカーニについて語り継ぐ。小柄な痩せた男で、パキスタンのベシャワルに住むより、山中に住むことを好み、ソ連兵を誘拐して車列を襲撃した。ハッカーニは軍閥に属さず、他のムジャヒディンから孤立していた。またアフガニスタンの平和に、心底傾倒していた。

タリバン政権時代にハッカーニは鳴りを潜めていたが、オマール師には忠実だった。この時代、ビンラディンのために、いくつかのアルカイダ訓練所を運営していたという。ビンラディンとは、親しかったようだ。

9.11以後、ハッカーニはイスラマバードに招かれ、親密な関係のあったISIから、アフガニスタンの大統領座を提供された。しかしオマール師と縁を切り、「穏健派タリバン」を開拓するという条件が出された。(アメリカ国務省の極秘ドキュメントでは、ハッカーニは部族リーダーと説明され、「対ソ連戦争時代、ISIに好まれ、アラブ人傭兵の導入のために使われた」とある。)

ハッカーニ師はこの申し出を断わり、コーストと北ワジリスタンの間にある、グーラム・ハーン山脈に戻った。そこで、米軍主導軍に対する戦いに挑んだ。その後アメリカの標的となり、集中攻撃を受けた。

ハッカーニはアフガニスタン中で尊敬され、特にコースト、パクティア、パクティカ、ガルデズでは人気が高いが、タリバンの核、すなわちオマール師の「内輪」には属していなかった。彼はタリバン抵抗運動において、中心的な役割は与えられていなかった。

タリバンの中央司令官はアクター・オマリニ師とダドゥッラー師がだったが、先月タリバンの春の攻撃が開始したとき、大きな成果を出せなかった。こうしてハッカーニ師が昇格した。

新たな資金、人材、そしてソ連と戦ったハッカーニ師の問答無用の戦術により、抵抗運動は生気を取り戻した。サイフッラー・マンスールや有名な抵抗運動のリーダー、ナスルッラー・マンスールは、今までガルデズで様子をうかがっていたが、今やハッカーニと一緒に戦っている。

タリバンが狙っている地域や、作戦のパターンは、1990年代に用いられたものと似ている。(中略)しかし今、2つの点が違う。タリバンは1990年代に受けていたような、パキスタンの支持を受けていない。そしてさまざまな独立したグループが、タリバン傘下に集まった。

こうしてタリバン主導の運動は組織的な改革運動になり、ザーブル、ヘルマンド、カンダハルなどの南部の州に集まっている。忠実な部族民たちの協力を受け、標的は米軍主導の同盟軍とアフガン国軍だ。

情報源によると、激しい戦闘はアフガン国軍の報復能力を麻痺させてしまった。そして南部3州の村や地区は、タリバン支配下にある。したがってアフガン国軍は、アフガンの主要都市をなんとかカブール政権の権力下におくことに集中している。

「再び我々は、1990年代のような状況に直面している。当時各地に流血沙汰が発生し、状況は最悪になった。これらの状況のの中からタリバン運動が生まれ、政府を乗っ取った」と、アーマッド・シャー・アーマッドザイ元アフガン首相が語った。「カルザイ政権の権力は、どこにもない。アフガン国家は、再び宙ぶらりんだ」。

《準備》

ハッカーニが抵抗運動を活性化している一方で、数年かけた準備がなければ、成功しなかったはずだ。

タリバンは去年、大規模な人材募集を行なった。これはパキスタンが、インド領カシミールのジハード活動を取り締まった時期と一致する。

これがタリバンに有利になった。パキスタンのジハード組織、ラシュカレ・トイバやジャイシェ・ムハンマドのメンバーが、南北ワジリスタンに集まり、ここでタリバンはイスラーム国家を築いた。全員がオマール師に忠実を誓った。

情報源によると、2万7000人の戦闘員が北ワジリスタンだけに集まった。南ワジリスタンには、1万3000人以上がいる。タリバンのリーダーたちは、2月に100人ほどの自爆部隊を形成した。モットーは、「最後の人間まで、最後の弾丸が尽きるまで戦う」である。

《従者でなく、パートナー》

春の作戦が重要な時期を迎えた今、対ソ連アフガン抵抗運動を戦った以前の番人たちが結集しはじめた。オマール師の従者としてではなく、タリバンのパートナーとしてである。

その1人が、ヒズビ・イスラミ・アフガニスタンのグルブッディン・ヘクマチアルである。彼はクナール谷とヌーリスタンで活躍する。この地域からの報告によると、彼の部下たちが、タリバンがアフガニスタン東部で行動を開始するに先立ち、戦うために再結集しているという。

ナンガーハル州のフギアニ地区では、ヒズビ・イスラミの派生組織の長、モウラビ・ユーヌス・ハリスと2人の息子、特にアヌワル・ハク・ムジャーヒッドが、カブール政権や外国軍に対して抵抗運動を開始した。

いくつかの情報によると、南部のパシュトゥン居住地域にいる小さな軍閥たちも、抵抗運動を開始する兆候がある。しかし現在のところ、統制がとれておらず、タリバンとも連帯していない。

彼らが組織化した場合、軍はあっという間にカブールに到達するだろう。

garrTaliban's new commander ready for a fight
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■戦闘員、タリバンのリーダーである可能性有り[060519 AP]

米軍主導の同盟軍が今週、戦闘で片足の戦闘員を逮捕したが、タリバンの幹部リーダーである可能性があると、アフガン将軍が金曜日に述べた。

戦闘員は水曜日に、カンダハルにおけるアフガン軍・同盟軍の合同作戦で逮捕されたと、アフガニスタン南部の責任者、レーマットゥラー・ラウフィ将軍が語った。

1990年中頃に戦闘で片足を失ったダドゥッラー師は、アフガニスタン東部と南東部の作戦の責任者で、タリバンの幹部司令官である。

米軍主導の同盟軍もカブール政府も、ダドゥッラーの逮捕を確認していない。「現在情報はないが、捜査中だ」と、米軍報道官のタマラ・ローレンス報道官が語った。「現在、証拠となる情報はない」。

ラウフィによると、同盟軍はカンダハルのパンジュワイ地区で、この戦闘員を逮捕した。この戦闘で、戦闘員18人とカナダ兵が死亡し、戦闘員約35人が逮捕された。

ラウフィによると、片足のない戦闘員は重傷で、意識不明のまま軍の病院に運ばれたという。この戦闘員がダドゥッラーである「大きな可能性」があるが、本当かどうかはわからないという。(後略)

ohMilitant May Be Taliban Leader
NOOR KHAN、KANDAHAR

■タリバン幹部司令官「逮捕」[060519 BBC]

タリバンの最重要リーダーの1人、ダドゥッラー師がアフガニスタンで逮捕されたと、アフガン政府関係者が『BBC』に語った。

この幹部司令官は、カンダハルで国際軍に逮捕されたという。ダドゥッラー師はタリバンの10議会のメンバーの1人である。

タリバンはダドゥッラー師の逮捕をもまだ認めておらず、アフガニスタン政府や米軍からも確認は入っていない。

《残虐》

ダドゥッラー師は、ヘルマンド州で発生した最近の暴力沙汰の責任者だといわれる。

へマルンド州の関係者によると、戦闘員数十人と警察官13人が今週の戦闘で死亡した。

『BBC』の特派員によると、ダドゥッラー師はオマール師の側近だという。これまでダドゥッラー師は数々の戦いを生き延び、片方の足を失っている。タリバンのなかでも、もっとも残虐な司令官だといわれる。

アフガン政府幹部が語ったところによると、ダドゥッラー派は同盟軍によって拘束されているという。どのようにして逮捕されたか、詳しいことはわからない。

タドゥッラー師は、「ユダヤ人とキリスト教徒、すべての外国人十字軍がアフガニスタンからいなくなるまで」戦うと語っていた。(後略)

ohTop Taleban commander 'arrested'

■バーチャル戦争の影のリーダー[060519 Guardian]

9.11以後5年もたっても、ビンラディンはアメリカの追跡者をかわしている。クナールで実施された大掛かりな『Mountain Lion』作戦は今週、大した成果もなく終結した。アルカイダのリーダーがそこにいたとしても、今はもういない。

それでもアメリカは、彼を探し続けるしかない。彼の逮捕はブッシュにとっては重要だ。殺害するほうがもっといいと、パキスタンにいる外交官が語った。「彼を生け捕りにしたことを想像したまえ。サダムのような裁判をやりたいか? 彼にあの舞台を提供したいか?」

しかし、ビンラディンを個人的に黙らせることは、二次的なことだという。メディア通のジハード布教者たちが増幅させている、ビンラディンの正式なメッセージを排除することのほうが、ムスリム世界に普及する思想との戦いに勝利するためには重要になってきた。

アルカイダのメディア戦術は、洗練されつつある。イラクやアフガニスタンのムジャヒディンの攻撃、「異教徒」の首斬りなどのビデオやDVDが、中東の市場に出回っている。最近ではアフガニスタン〜パキスタンの国境に、150のFMラジオ局が出現した。ペシャワルの情報源によると、「欧米に対する憎しみとジハードのメッセージを、流している」という。

しかしこれらは問題の氷山の一角でしかないと、国防副長官のピーター・ロッドマンが議会で述べた。ペンタゴンは、プロパガンダを発信したり、写真やボスター、訓練マニュアル、ブログなどを掲載する、世界の5000以上のインターネット・サイトを監視しているという。

アルカイダとその協力者たちは、欧米のマーケティング会社がするように、特定の国に照準を当てていると、ペンタゴン関係者は語る。ロシアやトルコに、インターネット製品を翻訳することだ。インターネットは、今や「テロリストの温床」となっている。「敵が、自身の宣伝メディアを作り、保持」することができる場所だ。

アルカイダは直接的な暴力行動に携っているが、その作戦能力は2001年よりも退化したと、諜報組織の情報源が語る。これと対照的に、「反十字軍抵抗運動」を世界に促進することに関しては、成功している。つまりビンラディンは、執行能力はないが、精神的、看板的な役割を果たしている。バーチャル戦争の影のリーダーである。

アラブ世界の専門家であるマーク・リンチ氏によると、アメリカは、ジハード組織のマルチメディア戦争に敗北していると語る。しかしもっと致命的なのは、アルカイダの最終目的がアメリカではないということを、アメリカが理解していないことだという。

アルカイダの目的は、原理主義や共通したイスラーム的アイデンティティの純粋概念に基づいて、「アラブ世界に1つの政治的ビジョン」を課することだと語る。このためにアルカイダは、穏健派イスラーム主義者、世俗的アラブナショナリスト、そしてアラブやムスリムメディアからも、抵抗を受けている。欧米の介入ではなく、彼らの抵抗運動が過激主義を一掃する最大の希望となる。(後略)

hoonThe hidden leader of a virtual war
Simon Tisdall

■モスクの爆発で、部族警察官3人負傷[060519 Daily Times]

水曜日遅くにバジョールの部族地帯にあるモスクの入り口で、数分おきに自家製爆弾2発が爆発し、部族民警察官3人が負傷した。

爆発は、地元の部族民警察が使用する、カールにあるモスクで発生した。爆弾はモスクの玄関にある靴を脱ぐ場所に仕掛けられ、約15分後に、数ヤード離れた場所で次の爆発が発生した。

hoon3 Khasadars injured in mosque explosion
Zakir Hassnain、PESHAWAR

■パキスタン、タリバンを匿っているとイギリス関係者[060519 Guardian]

イギリス政府関係者が、パキスタンは、タリバンがアフガニスタンで欧米軍を攻撃するために、パキスタンに「本部」を置くことを許していると非難した。

(中略)アフガニスタン南部の米軍長官のクリス・ヴァーノン大佐によると、タリバン首脳陣は、パキスタンのクエッタで作戦を指揮しているという。「タリバンの頭脳はクエッタにいる。クエッタがその本部だ」と語った。「アフガニスタンの組織に、ここから指令を出している」という。

カルザイ大統領も同じような発言をして、パキスタンは抵抗勢力に武器を与えていると非難した。「パキスタンの諜報組織が抵抗勢力に軍事訓練を施し、兵站学を与えてアフガニスタンに送り込んでいる」という。

ヴァーノン大佐によると、クエッタにいるリーダーたちが、アフガニスタンに点在する「約24人」ほどの中堅司令官を指揮しているという。そのうちの1人が先月逮捕された。

イギリスによるこの異例の批判に、パキスタン軍は強く抗議した。「このような発言があるとは、心外だ。タリバンのリーダーがクエッタにいたとしたら、彼らを逮捕しないなど、考えられない」と、ショーカット・スルタン報道官が語った。「我々が行動できるように、直接的な諜報情報を与えるべきだ」。

(中略)イギリスやカナダの外交関係者たちはパキスタンに、タリバンに対してもっと強く取り締まるように、要求している。パキスタンはアルカイダ容疑者数百人を逮捕しているが、タリバンは、ほんの数人しか捕らえていない。最近では携帯電話から逆探知された、タリバン報道官のアブドゥル・ラティフ・ハキーミが最大の獲物だ。

「タリバンはバローチスタンにおり、クエッタで活動していることは確かだ。それが、最大の心配事だ」と、イスラマバードのイギリス外交関係者は語る。「タリバンの活動に関する明白な証拠はない。しかしアフガン難民キャンプに隠れることは簡単だ」。(中略)ショーカット情報官によると、パキスタン政府関係者にとって、一般のアフガン人とタリバンとの区別をつけることは、不可能だという。

ヴァーノン大佐は、オマール師がクエッタに潜んでいるかどうかには、触れなかった。アフガニスタンとパキスタンの関係は、3月にアフガニスタンが、オマール師やビンラディンを始め、タリバンのリーダー100人以上がパキスタンに隠れていると非難して以来、急速に悪化した。

タリバンの戦いは、プロパガンダ戦争になってきた。抵抗勢力たちは夜ごと村の塀や扉に「夜間通告」を張り付け、「協力者」を脅迫する。ヘルマンド州では、タリバンのラジオ局が開始した。NATO司令官たちは報復として、地元のメディアに自分たちの手柄を発表させている。国内の圧力を考えると、欧米のジャーナリストたちも監視されていることを意味する。

hoonPakistan sheltering Taliban, says British officer
Declan Walsh、Kandahar

■パール殺人犯、警備のためにカラチ刑務所に移送[060518 AFP]

ダニエル・パール誘拐殺人犯として、死刑を宣告されているイギリス生まれの過激派が、警備上の理由のために、カラチの刑務所に移された。

アーマッド・サイード・シェイク、別名シェイク・オマールが、ハイデラバード刑務所から移送されたという。ハイデラバード刑務所には、ラシュカレ・ジャングウィ軍団の長であるアクラム・ラホーリをはじめとする危険な囚人が2〜3人に収監されているために、治安組織がオマールを移すことを要求したという。(後略)

hoonPearl's killer shifted to Karachi prison for security reasons
KARACHI

■アフガニスタンで暴力沙汰拡大[060518 BBC]

2001年に米軍がタリバンを一掃して以来、アフガニスタンでは最も激しい戦闘があり、100人以上が死亡した。

タリバン戦闘員がヘルマンド州で警察と戦い、戦闘員50人と警察官13人が死亡した。

さらに同盟軍とアフガン軍がカンダハルで作戦を実施し、2つの戦闘で戦闘員が少なくとも25人死亡した。

ヘラートではアメリカ国籍の人間が、自爆犯に殺害された。

ガズニにあるアフガン軍基地で、別の自爆犯が米軍の車列が通過した際に自爆した。犯人と一般市民が死亡した。

今年になって、自爆攻撃が少なくとも20件発生している。2005年には17件、2004年には5件だった。

《最大の攻撃》

カルザイ大統領はこれらの戦いの責任をパキスタンに転嫁して、戦闘員たちの攻撃を煽動していると非難した。

パキスタンと国境を接するクナール州でカルザイ大統領は、パキスタンのISIがアフガン人の若者を訓練して、学校を炎上させたり建設事業に携わっている技師を攻撃していると非難した。

パキスタンは、もはやアフガニスタンの未来をコントロールすることはできないことを自覚するべきだ、と述べた。

パキスタンは、アフガニスタンにおける戦闘員たちの活動に関わってはいないと、強く否定している。

ヘルマンドの戦いは、水曜日にタリバンがムサ・カーラを襲撃したことで勃発した。少なくともアフガン警察官13人とタリバン戦闘員50人が死亡したという。「タリバン崩壊後、ヘルマンドの最大の戦いだった」と、州知事が語った。

木曜日にもサール・ベシャで戦いが続き、同盟軍が空から戦闘員たちを追い払っているという。

いっぼう米軍主導の同盟軍が、カンダハルで作戦を続けている。「タリバン7人が殺害され、さらに空爆で、15〜20人が殺害された。同盟軍兵士1人が負傷した」という。

カナダ軍によると、カンダハルの別な場所でも、戦闘員18人が死亡したという。カナダ兵女性兵士も死亡した。第二次世界大戦後、戦闘で死亡した初めてカナダ人女性兵士である。(後略)

hoonAfghanistan sees violence upsurge

■オサマの王座の背後に、新たな力[060518 Asia Times]

ジハード組織の生きた神話であろうと、悪名高いテロリストであろうと、ビンラディンの名前を指摘するだけで、大きな威力を持つ。そしてプロパガンダ戦争には、不可欠のツールである。

ヒンドゥークシュ山脈の中では、ビンラディンは反欧米戦争の象徴ではあるが、もはや彼はアルカイダの作戦を指令してないと見られているのが現実だ。そういう意味で、タリバンのリーダー、オマール師のほうが、彼の上にいることが、『AsiaTimes』の調査やインタビューから判明した。

9.11以後のアルカイダは、イラクとアフガニスタンでジハードを実施する、ムジャヒディンの緩やかな(さまざまなイデオロギーを持つ)組織となった。

「アルカイダが蒸発したと考えることは間違えだ」と、ワジリスタン出身のある男が語った。「組織はまだ活動している。しかし周りの状況により組織は新たな形になり、主流であるジハード活動の一部となった。ジハード組織の最終的な目標は、ホラーサン(アフガニスタン)からイスラエルにジハードを実施することだ」。

ナジールと名乗る男は、この地域におけるタリバンとアルカイダの活動に詳しいと主張する。「オサマの活動について、話を聞かなくなって久しい。しかしザワヒリはあちこちで活動しており、アフガニスタン国外を含めた、さまざまな地域での活動の原動力となっている」と、ナジールは主張する。

アフガニスタンとパキスタンの間の山中で会った別の男によると、「9.11当時のアルカイダの指令系統は、今、ほとんど機能していない。それは9.11直後、新しくなった」という。「今、アラブ人たちはアフガニスタンに直接入り、タリバン司令官に合流する。同時にパキスタン人タリバンは、南北ワジリスタンに基地を築いた。全員、オマール師に忠誠を誓っている」。

「今のところ、グローバルな活動は中断している。ビンラディンは動いていない。現実的に、ビンラディンはすでに金がなくなっている」と、アブドゥッラーと名乗る、別の男が語った。彼はヌーリスタンの出身で、アラブ・アフガン人を匿っているという。

「ビンラディンは移動し続け、金をずいぶん使った。金は次第になくなった」という。「それで奇妙な状況になった。アラブ・アフガンたちはなんとか生き延びようとしていたが、ビンラディンの金がなくなると、散り散りになった」と説明する。

その結果アルカイダの活動は、ジハード、特にアフガニスタンとイラクの同盟軍に対する攻撃に変化していった。しかしこの変更には、アルカイダや他のムスリム国家にとっては、特有の危険性を伴う。

《イラクからの訪問》

タリバンや一部のアルカイダは、北ワジリスタンにイスラーム国家を築いた。ここには、イスラマバードの影響力は及ばない。本記者は、北ワジリスタンに行くことにしたが、達成できなかったため、北ワジリスタンから数人の人間が、インタビューに応じるためにベシャワルにやってきた。

彼らによると、約2週間前、イラクのリーダーであるザルカウィの代理という3人の男が、南ワジリスタンに招聘された。男たちが南ワジリスタンでザワヒリと会ったところ、「イラクにいるシーア派を攻撃してはならない」と単刀直入に言われた。そして「イラクのスンニとシーアを和解させ」、「イラクのシーア派と協力して、反米戦略を展開」するよう、命じられた。

この展開は、ビンラディンの影響力が低下し、現在アルカイダ内部に空白が存在していることを考えると、非常に重要だ。本質的に、現在3つの力が動いている。オマール師に応えるパキスタンとアフガニスタンのジハード組織。イラクのザルカウィの下にいるジハード組織。そしてザワヒリ(あるいはビンラディン)を代表とする、「伝統的」なアルカイダである。

最初の2つは、アルカイダの核から遠ざかりつつある。特にタクフィリ(ワッハーブ派以外を異教徒とする教え)に関する問題で、離反しつつある。

ビンラディンはこの概念に関して反対しており、アルカイダは他のムスリムを攻撃してはならないという信念をもつ。しかしタクフィリは、自分たちと同じ信仰を持たない者、全てを標的とする。したがって、ザワヒリのアドバイスとなる。ザルカウィの部下たちに、イラクにおけるシーア派を攻撃してはならず、「本当」の異教徒である米軍主導軍の追放に従事するべき、というアドバイスだ。

パキスタンやアフガニスタンでは、ウズベクイスラーム運動のタヒール・ユルダシェフのような強力な人間は、アルカイダのリーダーシップの尊敬を受けている。しかし彼らは、ワジリスタンにタクフィリを普及させた、張本人たちである。

彼らはモウラビ・サディーク・ヌールやアブドゥル・ハリークのような仲間を見いだし、パキスタン政府を代表とするパキスタン軍に対して、「本当」のジハードを戦うことに従事している。

アルカイダの負傷した体から、地下組織のほとんどが放棄され、今は開かれたジハードに取って代わった。このジハードは、特にパキスタンにとっては、恐ろしいねじれを持つ。ムスリムであるにもかかわらず、標的となっているのだ。

hoonThe new power behind Osama's throne
Syed Saleem Shahzad、PAKISTAN-AFGHANISTAN

■アフガニスタンの銭湯で、40人以上死亡[060518 AP]

アフガニスタン南部で、数百人のタリバンとアフガン・同盟軍が戦い、警察官数十人とカナダ兵、戦闘員30人以上が死亡したと、関係者が木曜日に語った。

アフガニスタン南部では車に乗った自爆犯が2台の車両に激突し、反麻薬プロジェクトに従事していたアメリカ人を殺害、2人を負傷させた。

カンダハルとヘルマンドにおけるタリバンとの戦闘は、水曜日夜遅くに発生し、木曜日の朝まで続いた。

最初の攻撃では、ヘルマンドのムサ・カーラ地区にある警察と政府本部を、数百人の戦闘員たちが襲撃したと、カンダハル副知事のアミール・ムハンマド・アフンザパが語った。8時間にわたった戦いで警察官9人が死亡し、5人が負傷した。戦闘員たちは、14人の遺体を放置して逃げたという。

内務省報道官のムハンマド・ヤースフ・スタネザイによると、警察官13人と戦闘員40が死亡したという。戦闘員は遺体をすべて持ち去った、と語った。

水曜日に発生したカンダハルの攻撃では、カナダ兵1人とタリバン18人が殺害された。アフガン兵3人も負傷し、戦闘員35人が逮捕されたという。

カンダハルから35マイルの地点にあるパンジュワイ地区で、カナダ兵に援護されたアフガン警察と兵士が戦闘員に攻撃されたと、カナダ軍報道官のスコット・ルンディ少佐が語った。英軍が空から援護し、タリバンを爆撃したという。

死亡した兵士は、アフガニスタンで殺害された最初のカナダ人女性兵士である。カナダ軍は、2009年2月まで、アフガニスタンに軍を駐屯させることを決めた。(後略)

hoonBattles in Afghanistan Leave Over 40 Dead
NOOR KHAN、KANDAHAR

■アメリカ政府関係者とアフガン人、2件の自爆攻撃で死亡[060518 AFP]

タリバンがアフガニスタンで2件の自爆事件を起こし、アメリカ人対麻薬アドバイザーと別のアフガン人を殺害した。

2件の攻撃ともタリバンが犯行声明を出し、今後も政府や外国人同盟軍に対して自爆攻撃を続けることを誓った。

最初の攻撃は木曜日に、ヘラートで発生した。犯人が朝、爆弾を搭載した車をSUV車輌に激突させた。警察官訓練プログラムに従事していた、米国務省の対麻薬部門の関係者だった。アフガン人通訳も、負傷した。

「当初は、車輌が改良爆弾の被害を受けたということだった」と、米大使館関係者が語った。

目撃者によると、標的となった焼けこげたSUVと、爆弾を搭載していたと思われる小さな車輌の残骸が散らばっていた。また車の残骸のそばには、大腿部などを含む人肉が散乱していたという。

次の攻撃は、数時間後、ガズニで発生した。自爆犯が首都近くにある軍の検問所の近くで自爆し、一般市民を殺害した。「一般市民1人が死亡し、もう1人が負傷した。車による自爆のようだ」という。

犯人は爆弾を搭載した車をアフガン軍の車列に激突させようとしたが、早く爆発してしまったようだ。(中略)

今年になって、すでに22件の自爆事件が発生している。(後略)

garrUS official, Afghan killed in two suicide attacks
HERAT

■アフガニスタンでカナダ女性兵士死亡[060517 Reuters]

水曜日にアフガニスタンで、カナダ人女性兵士が殺害された。カナダは来年以降も兵を派遣するか、国会で議論することになっている。

ニコラ・コッダード大尉がアフガン軍とともに、カンダハルのバンジャワイ地区でタリバン掃討にあたっていたところ、殺害された。「多数のタリバンが動いているという報告があったために、作戦が計画された」と、カナダ人司令官の話としてカナダ軍報道官が語った。タリバン多数が殺害されたとも言われる。

9.11以後、カナダ兵19人がアフガニスタンで死亡している。(中略)

《国連車列襲撃される》

これに先立ち水曜日に米軍は、敵に大きな打撃を与えたクナール州の作戦を終結したと発表した。5週間にわたる作戦に、アフガン兵と米兵2500人以上が参加した。5月5日には米軍ヘリコプターが墜落し、搭乗していた米兵10人が全員死亡している。

またカンダハルでは、国連の車列が車を用いた自爆攻撃を受けたが、犯人が死亡するほか、国連の運転手が軽傷を負っただけだった。

hoonCanadian woman soldier killed in Afghanistan
KANDAHAR

■パキスタン軍、戦闘員18人殺害[060517 Los Angels Times]

火曜日に北ワジリスタンで発生した銃撃戦で、パキスタン治安軍が少なくとも親タリバン派戦闘員18人を殺害した。

これに先立ちラムザック〜ミランシャー間に位置するナリワラ地区にある治安部隊の検問所を戦闘員が襲撃し、準軍隊兵士1人を殺害、3人を負傷させた。その後、銃撃戦となった。

軍が、検問所を襲撃するために用いたと思われる車とピックアップ・トラックを攻撃したという。「ビックアップは横転したために、車を狙った」。軍基地からは戦闘機が呼ばれ、犯人たちを攻撃した。

住民によると、4時間以上激しい銃撃戦が続き、現場は封鎖されたという。戦闘員18人が殺害され、多数の武器が押収された。9人の遺体がミランシャーの基地に運ばれた。

同じ日に政府は、部族地帯の抵抗運動の終結を模索するために、大ジルガを開催すると発表している。

これとは別に、ミランシャーでは月曜日、治安当局関係者2人が射殺された。

hoon18 Militants Slain by Pakistani Forces
Zulfiqar Ali、PESHAWAR

■オサマ、再びアメリカの照準に[060517 Asia Times]

「我々の知る限り、オサマはアフガニスタンとの国境近くのパキスタンに住んでいる。我々の隣人は彼を捕まえ、裁判にかけることができるのに、その気がないようだ」。パキスタン政府は、アフガニスタンのスパンター外相のこの言葉を否定し、問題はアフガニスタン側にあり、ビンラディンが隠れているのもアフガニスタンだという。

(中略)『Asia Times』は、ヒンドゥークシュ山脈の険しい地形の中を旅した結果、アメリカとパキスタン軍がビンラディンを捕まえるための準備を開始したことを確認した。こうして「テロとの戦争」は、北西辺境州の端にあるチトラルからアフガニスタンのヌーリスタンとクナールの間の山々や川に、焦点が移った。

国境戦であるデュランド・ラインは名目ばかりで、この地域を熟知する者は、両国間を自由に行き来できる。

《FBI 町の噂》

チトラルにFBIがいることが、最近話題になっている。チトラルでもっぱらの話題は、アメリカ人たちがチトラルにFBIのセンターを作ったということだ。この地域にいるアルカイダの活動に関する情報を「正確」に把握するためだ。

アメリカからは、FBIの存在について公式な発表はない。しかし情報源によると、最近アメリカ人が頻繁にチトラルを出入りしているという。同時に、国境地域沿いに、多数のパキスタン治安部隊員たちが派遣されている。特にアランドゥーには、完全武装した兵士たちが多い。

地元の住民によると、ソ連がアフガニスタンを占領していた1980年代に、パキスタン軍は多数の塹壕をアランドゥーに作った。ソ連撤退後これらは放置されたが、現在はチトラル・スカウト(準軍隊)が、重火器とともに、ここに駐屯している。

《東の前線は静か?》

「アフガニスタンの南部と比べて、東部は静かだ。クナールとヌーリスタンでは、抵抗運動が実施されているアフガニスタン南部とは、比べものにはならない。おそらく定期的な戦闘を行なうよりは、ここに隠れていたほうが都合が良い」と、あるイスラーム戦士が語った。

この発言の裏付けとして彼は、ヘクマチアルがクナール谷に隠れていたことを引き合いに出した。

ビンラディンの居場所については、さまざまな憶測が飛んでいる。しかしこのイスラーム戦士は、次のように語る。「ヌーリスタンやクナールは、確かに他の場所よりは隠れるのに適している。しかしこの地域にいるアフガン人サラフィー派(人口の80%)は、タリバンの味方ではない」。

「タリバン政権時代、オサマはアフガン人サラフィー派に、タリバンのリーダーのオマール師に忠実になるよう説得しようとした。その結果、アフガン人サラフィーとオサマの間には、亀裂が生じた。したがってヌーリスタンは、オサマにとって安全な場所ではない」。

とはいえ、中堅のベテランたち、例えばヒズビ・イスラミ・アフガニスタンのファキールッラー司令官などは、ヌーリスタンやクナールで活動し、米軍主導軍に対して、よく組織されたゲリラ戦を戦っている。

同時にタリバン抵抗運動は、戦略的な地域を少しずつ手中に納めつつある。タリバンが地元の利害関係と、うまく折り合いをつけ始めたのだ。

《アヘンで火がつく》

ジャララバード東部からヌーリスタンにかけての、クナール州のピーチダラ地区が、問題の場所だ。この地域は、タリバンの拠点となっている。特にコランガル谷には、チェチェン人、中国人、アラブ人、ウズベク人たちが潜み、抵抗運動を実施している。

クナール谷はアフガニスタンの他の場所と異なり、ピーチダラ以外には芥子畑はない。ピーチダラには密売人たちが毎日のように、芥子を買いにやってくる。1キロあたり、233ドルで取り引きされる。

タリバンはこの地に大きな拠点を築いているが、ピーチダラにいる軍閥は非タリバンで、カブールと関係が深い。例えば以前はヘクマチアルのヒズビ・イスラミ・アフガニスタンの党員だったナジャムッディン司令官、クナール前州知事のジャハンダード、タジーク族の伝説的な英雄、アーマッド・シャー・マスードの腹心だったマリーク・ザリン・ハーンなどがいる。

これらの人物たちは当初、同盟軍に協力して、タリバンに対する作戦を実施していた。しかし今はタリバンと取り引きを交わしたために、タリバンは彼らに嫌がらせをしなくなった。ピーチダラは比較的平和になり、軍閥たちは芥子を栽培し、タリバンと儲けを山分けしている。

上述したように、アフガニスタン南部と比べてクナールは比較的静かだ。

ソ連占領時代、この地域は戦略的に重要な拠点で、パンシール谷の抵抗運動の補給ラインだった。ヌーリスタンは非常に手強い地域で、ムジャヒディンたちは完全にこの地域をコントロールし、ソ連の侵入を許さなかった。

「しかし現在はそうではない。ソ連人は残虐だった。クナールやヌーリスタンでは、家族のうち少なくとも1人が、ロシア人に惨殺されている」と、『アッラーの僕』と名乗るある男が語った。「アメリカ人はそうではない」。「ロシア人のような、暴君ではない。逆にアメリカ人は地元の人間を買収し、協力させるように仕向けた。その結果、反抗的な状況ではない」。

「しかし、抵抗運動はヌーリスタン全域に広がっている」。「例えば、2005年9月18日、アメリカの車列がヌーリスタンのムダガールで襲撃された。我々はロケット弾で車列を襲撃し、四方八方を包囲し、銃弾の嵐をくれてやった。現場から逃走する前、8人の遺体を確認した。次の日メディアには、2人死亡としか掲載されなかった」と男は主張する。

「同様にヌーリスタン近くのバズガールで、改良爆弾によって車2台を爆破した。兵士10人が死亡したのが確認された。2005年12月のことだ。メディアは、数人負傷と報道していた」と『アッラーの僕』は語る。

『Asia Times』が入手した情報によると、地元民たちはしばらく中立的立場を保っていたが、今はタリバンとアルカイダに肩入れしている。この地域には隠れる場所が豊富で、攻撃するにも都合がいい。

アメリカは、すべてを信頼ができないアフガン軍のせいにしている。

2年前に米軍は、ヌーリスタンのバズガールにアルカイダ幹部とアフガン人工作員がいることを突き止め、写真も撮った。この山中を米軍だけで入って行くには危険すぎたため、アフガン国軍に協力を求めた。

数時間後、軍が現場に到着してみると、容疑者たちは全員逃走していた。現場の状況から、アメリカがアフガン国軍に情報を与えた直後、逃走したようだった。

この状況を改善するために、アメリカは特別な「平和軍」を作った。これは軍事能力ではなく、反タリバン的思想を強く持つかどうかが、人材を募集の基準となる。そのために前共産主義者や地元の無法者が、月500〜1000ドルの給料に惹かれて、集まっている。

東部は現在、このようなバランス関係の中にある。タリバンとアルカイダ工作員たちは地元民に溶け込み、今は鳴りを潜めている。

ビンラディン捜索のような大掛かりな作戦を行なえば、一気に火がつき、新たな前線が生まれて、南部と同じようになるだろう。すでにすべて、お膳立てがそろっている。

smellOsama back in the US crosshairs
Syed Saleem Shahzad

■パキスタン、ビンラディンに関する憶測を否定[060516 AP]

当局は、ビンラディンが、イスラーム原理主義よりもその美しい風景で名高いパキスタン北部の山岳地帯に隠れているという憶測を、否定した。

最近チトラルを訪れた、少なくとも1人のアメリカ人のせいで、地元の原理主義政治家が、アルカイダのリーダーを捜索するためにFBIかCIAが事務所を設置した疑惑があると、指摘した。

「このような話は頻繁に浮上する」と、シェルパオ内相がイスラマバードで記者会見を開いて発言し、アメリカ人工作員がチトラルに拠点を置いていることを否定した。「ビンラディンの居場所については、何もわからない」という。

チトラルはアフガニスタン南西部の国境と接し、ヒンドゥークシュ山脈を見にくるトレッカーや登山家が訪れる。これまでビンラディンが隠れていると疑われていた部族地帯の、北部に位置する。

チトラル警察長官のファザル・エラヒは、ビンラディンのような外部の者がチトラルに隠れることは不可能だと述べた。最近アメリカ人がチトラルに滞在したが、警察は安全のために警察官を付き添わせたという。この訪問者についての詳細は語らなかったが、工作員とは聞いていないという。

アメリカの工作員の存在に抗議するために、原理主義政権の政治家アブドゥル・アクバル・チトラリが金曜日、街頭に出て抗議した。(後略)

hoonPakistan Dismisses bin Laden Speculation
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■ビンラディンの到着は誇張されていると、パキスタンの僻地の町[060516 New York Times]

住民の怒りや当惑にもかかわらず、ポロやトレッキングで有名な静かな町は、最近ビンラディン捜索の焦点になっている。

チトラルは、北西辺境州の隅にある。この地域は鷹やユキヒョウの住処で、1年の半分は雪のために、他の地域から隔離される。

このチトラルの中心の町である、同じ名前のチトラルに、去年の秋、米大使館員4人が家を借りた。長期滞在の準備をしているようだと、4人が滞在したヒンドゥー・クシュ・ハイツ・ホテルのオーナーで、元王族の1人であるシラージュ・ウル・ムルクが語る。

借家は、2週間前まで空き家だったが、アメリカ人たちが家具などを車に満載して到着したために、地元の政治家たちがアメリカの「秘密諜報部員」の存在を国会に訴え、デモ行進を行なった。アメリカ人たちはデモが計画された前日にいなくなったと、警察関係者は語る。

この春、借家にアメリカ人が1人以上やってきたという証拠はないが、地元の政治家のアブドゥル・アクバル・チトラリは、4人がいたと主張する。よくないことを企んでいるという。「アメリカの諜報組織だ。FBIかCIAだ」と述べ、大使館の車に乗ってチトラルに向かっているのが目撃されたが、ディールで普通のSUVに乗り換えたという。

ペシャワルの米領事館関係者は、この出来事に関してコメントすることを避けた。パミール・リバーサイド・ホテルのレジスターによると、ペシャワル領事館員のアメリカ人、ボール・オードリックが、パキスタン人の同僚のムハンマド・イクバルと一緒に、4月27日に3晩、宿泊している。

アメリカ人が借りた家の管理人によると、アメリカ人は家には滞在しなかったが、滞在に備えて準備をしているようだと語った。土曜日に、フィットネス機器や家具、テレビの衛星受信機などがベランダに積まれて、ピックアップが裏庭に止めてあった。

チトラル氏によると、アメリカ人たちはビンラディンを探しているという。「アラブ人たちがジープに乗って山から下りてきて、バザールにやってきたという作り話を根拠に、やって来たのだ」。「そのため、ビンラディンがこの地域に隠れている可能性があるとして、FBIが事務所を設置した」という。

彼はアメリカ人一般には、何の恨みもないと明言する。ただこれらのアメリカ人たちが問題なのだと言う。「チトラルに彼らの居場所はないし、滞在させない」。「外国人に文句はない。しかしこのような人間の存在は、チトラル渓谷の平和な雰囲気を台無しにする」。

地元警察の副指揮官のファザル・エラヒは、アメリカ人は自分に、休暇を過ごすための家を準備しているだけだと述べたという。問題が起きたために、夜間は警備のために、アメリカ人が泊まっていたホテルの部屋の外に警察官2人が配置された。彼の行く先には警察の車がエスコートし、帰るときも同行したという。

「チトラルは平和な地域だ。しかしこのような活動が始まれば、タリバンがアメリカ人を攻撃にやってくるだろう。そうすれば爆弾事件など起こり、問題を抱えることになる」と彼は語る。

チトラルは実際に平和な地域で、南部の部族地帯とは異なり、原理主義や武装戦闘員たちの侵入を防いできた。1980年代にはアフガニスタンでソ連と戦うムジャヒディンの拠点となり、武器流入ルートともなっていたが、それ以降は平和が続いている。

しかしパキスタンにいる欧米外交官によると、これまでもチトラルにはアルカイダや外国人戦闘員がいるという「噂が絶えず」あり、アメリカ人が、「この地域を足がかりにしようとする第一歩である可能性」を正当化しているという。

最近のインタビューで、アフガン人諜報組織関係者も、ビンラディンの隠れ家としてチトラルを挙げている。ワジリスタンやバジョールなど、これまで噂されていた地域ではパキスタン軍が作戦を強化し、アメリカのミサイル攻撃も受けているからだ。

去年ワジリスタンで働いていたパキスタン人関係者が、当時「重要なリーダー」を守っていた大勢の側近の動きについて語った。

このグループはリーダーを3重に警備し、お互い認識し合えるように、服装に目印がついていたという。彼らは遊牧民の服装をして、ペシャワル南部のパラチナールから北部のチトラルに向かっていたという。

チトラル政府関係者は、一般に知られることなく、長期間この地域に住むことはできないと述べた。「彼らはここにはいない」と、警察のエラヒ氏が述べた。

チトラル氏は、この地域に隠れている人間を守るためにアメリカ人を追い払ったのではない、と語る。「オサマは死んでるか、アメリカ人が自分たちの利益のために、彼を生かしていると思う」と語る。

アメリカ人の存在やビンラディンの話は、観光にもってこいだと考える者たちも多い。地元の経済は、2001年から急激に下降している。

ohRemote Pakistan Town Believes Rumors of bin Laden's Arrival Are
Greatly ExaggeratedCARLOTTA GALL、CHITRAL

■パキスタンの部族地帯の銃撃戦で、8人死亡[060516 AP]

イスラーム過激派がパキスタンの南西部で治安部隊の車列を襲撃し、その後銃撃戦となり、戦闘員少なくとも7人が死亡し、治安部隊関係者1人が死亡した。

銃撃戦は、北ワジリスタンのミランシャーの近くで発生した。

地元の諜報組織関係者によると、銃撃されたあと、治安部隊が報復したという。「戦闘員7人の遺体を回収したことを確認した」と、語った。現場一帯を、ヘリコプターに援護された軍が捜索しているという。

これに先立ち、銃を持った男たちが、ミランシャーのバザールで地元の警察官2人を射殺した。部族の長老、ハク・ナワーズによると、犯人たちは近くの山に逃走したという。(後略)

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BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■戦闘員9人と兵士1人、部族地帯の銃撃戦で死亡[060516 AFP]

少なくともタリバン戦闘員9人と兵士1人が、パキスタンの部族地帯で発生した銃撃戦で死亡した。

戦闘員たちが、北ワジリスタンのタール検問所の近くで治安部隊の車列を襲撃し、その後の銃撃戦で戦闘員9人が死亡したと、治安関係者が述べた。死者のうちの3人は、中央アジア出身者だったようだ。

戦闘員が軍の車列を襲撃して兵士1人を殺害、2人を負傷させたあと、銃撃戦となった。

パキスタン軍の報復で戦闘員の車が破壊され、戦闘員8人が死亡した。負傷した戦闘員1人が逮捕されたが、後に病院で死亡した。攻撃のあと、戦闘機が容疑者たちの隠れ家を爆撃したが、死傷者の報告はないという。

これに先立ち、銃を持った男たちが、夜間、ミランシャーのバザールをパトロールしていた警察官2人を射殺した。

「部族民の警察官1人が即死し、1人が後に病院で死亡した」という。犯人たちは警察官の銃を奪って、逃走した。(後略)

garrNine militants, one soldier killed in Pakistani tribal area shoot-out
MIRANSHAH

■パキスタンのタリバンギャンブル[060516 BBC]

ムシャラフ大統領によると、部族地帯におけるアルカイダとの戦いは、ほとんど勝利しているという。彼によると、アルカイダよりもワジリスタンに出現したタリバン風過激派のほうが、心配だという。

しかし、最近のワジリスタンの問題を観察している者たちは、アルカイダとタリバンを分けることはできないと語る。この2つはお互い象徴的に関係し合い、政府がアルカイダに対して取り締まりを行なったことで、タリバンが浮上する結果となったのだ。

《開いた国境》

しかしパキスタンにとっては、テロとの戦争のためには、タリバンとアルカイダを明確に区別する必然性がある。「アメリカがアフガニスタンのタリバン政権を爆撃したときの我々のセキュリティの基準は、明らかだった」と、部族地域について詳しい軍幹部関係者が語る。「タリバンに、タリバンはこの地域固有の政治的存在としての未来があるが、アルカイダには未来がないと、言い聞かせてきた」。

このような見解のせいで、アメリカがトラボラを爆撃した際、アフガン・タリバンとその仲間のアルカイダ戦闘員たちは、ワジリスタンに入ってきた。

当時パキスタンは、トラボラに隠れている戦闘員たちがパキスタン側に入らないように、国境を封鎖したと主張していた。

しかし地元民は、別の物語を語る。「当時、タリバンと外国人戦闘員数百人が、ワジリスタンのワナやミランシャーなどにある銭湯(ハママ)で入浴するために、行列しているのが目撃されている」と、ペシャワル大学のズベール・マフスード教授が語る。

法学教授であるマフスード氏は、ワジリスタンの戦争がいかにして国際人道法に反するものになったかを、論文にまとめあげている。「彼らは泥まみれで、負傷し、飢えていた」。「身を清め、地元民に保護され、田舎の町に消えて行なった」という。

ワナの地元民によると、これらの難民となった戦闘員は、アフガン人タリバン、中央アジア出身者、アラブ人だったという。

《アラブ人から絞り出す》

これまでワジリスタンの経済は、パキスタンとアフガニスタンの間の密輸に頼ってきた。9.11以前、外国人戦闘員の動向はかなりコントロールされたもので、「監視され、たびたびパキスタン軍に統制されていた」。「ところがトラボラの爆撃後、突然、彼らは完全に自由になったのだ」と、ワナの部族民が語る。

「仕事がなかった地元民たち、これまでアフガニスタンの過激派組織とは全く関係がなかったような人間たちが、突然、外国人戦闘員を匿うという非常に儲かる商売があることに気づいたのだ」。

ワナやミランシャーの食料店に、ツナやマッシュルームなどの缶詰があふれた。これまで部族民たちが見たこともないような品物だった。

パキスタン軍関係者もこれらの事実を認めるが、解釈の仕方が異なる。

「ワジリスタン地域に沿う、パキスタンとアフガニスタンの国境を完全に封鎖することは不可能だ」と、部族地帯に数年従事していた軍幹部関係者が語る。「だからトラボラで爆撃が始まってワジリスタンに戦闘員たちが入ってくると、地元の密売人や犯罪者たちが、儲ける好機ととらえ、彼らを保護し、物資を提供し始めた」という。「当時、10ドル相当の砂糖20キロが、アラブ人たちに100ドルで売られていた」。「これは対ソ連戦争時代に見られた歓待の文化とは、異なる現象だ。当時戦闘員たちは、誇り高い部族民たちに、客人として迎えられていた」。

軍関係者によると、2002〜2004年の2年間、ワジリスタンにおける軍の政策が諜報情報収集に限られていた時代、この新たな「部族民企業家」たちは、かつてないほどの富と名声を得た。

「悲しいことにこれらの人間が、去年10月、パキスタンのタリバン台頭を引き起こしてしまった」と関係者は語る。「彼らは無法状態や犯罪人たちに対する地元民の怒りを利用して、タリバンがリーダーシップを取るように導いていった」。

これらの人間は今、反米イデオロギーを掲げて、アラブ人から搾取して富を築いている。

《タリバンの復帰》

新たな状況に対処するために、パキスタンに2つの政策上のオブションがあった。すべのて外国人戦闘員と地元の保護者たちに戦争を宣言すること。または、地元民と外国人を分けることだ。

政府は後者を選んだ。

パキスタンの治安組織には、いつかアメリカがいなくなったとき、タリバンが再びアフガニスタンで力を回復すると見る者たちが多い。したがって、パキスタンの西部を確保するために、タリバンと良い関係を保つことが大事だと主張する。

このような政策のニュアンスを理解する者は少ないが、地元の部族民にとってはわかりやすいことだ。「アルカイダとタリバンを区別すること、あるいは良いタリバンと悪いタリバンの区別をつけることは、髭の中から白髪を抜くような作業だ」と、ワナの住民は語る。「どんなに一生懸命にやったところで、白髪は結局勝ってしまう」。

hoonPakistan's Taleban gamble
Aamer Ahmed Khan

■アフガニスタンにタリバン法再来[060515 ABC News]

タリバン政権が崩壊した2001年12月以後初めて、タリバンが殺人犯に対して公開処刑を行なった。タリバン報道官が『ABC News』に、ウルズガン州のギザーブで、殺人犯が衆人の前で公開処刑されたと述べた。犯人は、犠牲者の親戚によって銃殺された。

犠牲者の遺族たちは、殺人犯の家族から再三、慰謝料のを支払う申し出を受けたが、犯人を許すことを拒否していた。「シャリア法のメンバーが許可を出し、イスラーム法により犯人を処刑する権利を認めた」と報道官が語った。

報道官によると、今回の処刑は、タリバンがウルズガンを支配していることを証明するという。ウルズガンではタリバンが罪人を逮捕し、シャリア法に従って処刑する権力を持っているという。

hoonTaliban Justice Returns to Afghanistan

■ISIがアフガニスタンで技師殺害を命令と、批判[060515 Gulf Tims]

アフガニスタンのカルザイ大統領がパキスタンに、先月アフガニスタンでインド人技師が斬首された事件に、パキスタンの諜報組織が関係したかどうか明らかにするよう、依頼した。

カルザイの報道官のジャワッド・ルディンが今週、アフガニスタンの『Toluテレビ』による、パキスタンのISIがインド人技師の殺害を命令したというウェブサイトの報道に関して、カブールはイスラマバードの答えを待っていると語った。

タリバン司令官がテレビに、ザーブル州のタリバン司令官だというアミール・ハーン・ハッカーニが、先月4月28日にザーブル州でタリバンによって拉致されたスルヤンラヤナ技師殺害に反対したと語ったと、ウェブサイトafgha.comで報じられた。

情報源によると、スルヤンラヤナは、ISIの指令を受けたモーラヴィ・ムハンマド・アラム・アンダルの命令で、ムッラー・ラティーフによって殺害されたという。ルディン報道官は「ISIが事件に関わっていたという報告は重大だ」と語り、カブールはイスラマバードに「この件に関する立場を明確にする」よう、依頼したという。(後略)

hoonISI accused of ordering killing of engineer in Afghanistan
Qatar

■脱走タリバン4人、再逮捕 [060515 AP]

今年初めにアフガニスタンの刑務所から脱走したタリバン4人が、ブルガリアとウズベキスタンで再逮捕されたと、月曜日にインターポルが発表した。

1月に、面会人に扮したタリバン7人が、カブールのポリチャルキ刑務所から脱走した。そのうちの4人が先月逮捕されたと、アフガニスタンのインターポール警察長官のアリ・シャー・パクティワル将軍が発表した。

2人がブルガリアで、2人がウズベキスタンで逮捕され、アフガニスタンに送還される予定だという。2国の政府からは、逮捕についての発表はない。

脱走後、刑務所の警察官4人が責任を問われて有罪となり、4〜5年の刑を宣告されたと、警察のサイヤード・ファゼル・カリム・サダットが語った。当初11人の警察官が逮捕されたが、そのうちの7人は釈放された。

サダットによると、脱走の1週間後に7人の脱走犯のうちの1人と思われる男から電話があり、刑務所関係者に20万ドルの賄賂を払い、脱走に協力させたと語ったという。「男は、『我々は脱走のために20万ドルを支払ったが、あなたは無実の人間を逮捕した』と語った」と、サダットが述べた。

サダットによると警察官4人が有罪となったが、外部の人間が囚人に協力した証拠は何もなかったという。「誰が金を受け取ったのか、本当に金が支払われたかもわからない。すべてが謎だ」。

脱走当初に関係者は、戦闘員7人は面会人が用いるスタンプと似たスタンプを手に押して、ごった返した刑務所から警備員たちをだまして脱走したと発表していた。当時囚人たちは制服を着用しておらず、囚人と面会人を区別するのは、手に押されたスタンプだけだった。

この脱走のあと2月になって、囚人たちは制服を着用することを強制され、その後これに反対する囚人たちが、4日にわたって刑務所内で暴動を起こした。(後略)

oh4 Taliban Escapees Are Recaptured
JASON STRAZIUSO、KABUL

■アフガニスタンの暴力沙汰で「16人死亡」[060515 BBC]

アフガニスタンの警察によると、カンダハル州でタリバン11人を射殺したという。

銃撃戦で警察官5人も死亡、タリバン8人と警察官5人が負傷した。1時間にわたったこの銃撃戦で、タリバン司令官とその部下も死亡したという。

警察によると、タリバンが隠れているという報告を受け、カンダハルのパンジャワイ地区で戦闘が始まった。「不幸なことに仲間5人を失ったが、非常に危険なタリバンを全滅させた。警察にとっては、大きな勝利だ」と、カンダハル州報道官のムハンマド・ダウード・アーマディが語った。

彼によると、タリバンの州レベルの司令官、ムッラー・アブドゥル・マンマンが死亡者の中にいたという。

アフガニスタン政府によると、マンマンは政府を標的とした自爆やロケット弾を用いた攻撃を指揮していた。(後略)

hoonAfghan violence 'leaves 16 dead'

■パキスタンに、「民主主義憲章」[060515 BBC]

元パキスタン首相のベナジール・ブットとナワーズ・シャリーフが、2007年の選挙に先立ち、「民主主義憲章」に調印した。

2人とも選挙戦に参加するために帰国し、ムシャラフ大統領の統治に終止符を打つという。

2人は、帰国の日取りについては、言及しなかった。

シャリーフ氏は1999年以来亡命しており、ブット女史は帰国した際、告訴される恐れがある。

2人の元首相は、ロンドンで憲章に調印した。パキスタンの将来のためのさまざまな政策が織り込まれ、憲法に関することも含まれているという。

2月には、サウジのジェッダで、同じような合意に達している。

(中略)カラチのBBC特派員、アーマー・アーマッド・カーンによると、民主主義憲章には、彼らの帰国に関する具体的な日取りは含まれていなという。

党首がパキスタンにいないことで、それぞれの政党はムシャラフに対抗できないまま苦戦している。しかし逆に彼らが協力すれば、ムシャラフにとっては大きな脅威となる。

(中略)「我々の政党は、これまでお互い大きな違いがあったことは事実だ」。「しかし我々は、軍の独裁政治の犠牲になってきた。したがって、我々はもっと大きな目的を持つことで、協力し合うことにした」と、ブット女史が述べた。

もしシャリーフ氏が政府の許可なくして帰国すれば、クーデター後は亡命生活を送るという、ムシャラフと交わした合意に反することになる。ブット女史は帰国した場合、即時に汚職の疑いで逮捕されことになる。

hoon'Democracy charter' for Pakistan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.