【2006年6月19日〜6月25日】
●北ワジリスタンにいる戦闘員たちが、1ヵ月間の和平協定を発表した。
●戦闘員の報道官が『BBC』に電話で、和平協定を発表した。政府との対話を促進し、軍がこの地域から撤退することを要求するという。
●政府はこの協定を、前向きに捉えている。
●タリバンは、政府に4つの条件を出している。まず1ヵ月以内に軍を撤退させること、北ワジリスタンにある新設されたすべての検問所をなくすことだと、戦闘員の報道官のアブドゥッラー・ファルハードが語った。
●また地元の人間の給料を上げて仕事などを与えること、これまで逮捕された部族民たちを釈放することである。
●北西辺境州知事のアリ・ムハンマド・オラカザイは、今後この条件を戦闘員たちと話し合うと述べ、戦闘員たちの前向きの姿勢に答えることを約束した。
'Taleban truce' in tribal region●同盟軍はアフガニスタンの危機を解決する知恵を持っていない、とタリバンリーダーのオマール師が語るテープが、日曜日にパキスタンのテレビで放送された。
●パキスタンの『Geo TV』が入手したテープは、ヘルマンド州でタリバンのリーダーたちが集まった会合で録音されたという。
●「彼らは自分たちの知恵や思考で、アフガニスタンの問題を解決することができない」と、『Geo TV』でオマールだと述べる人物が述べた。タリバンがアフガニスタンの大きな部分を支配している、とも語っていたという。
Taliban tape criticizes Afghan government●同盟軍兵士2人と抵抗勢力48人が、アフガニスタン南部の戦闘で殺害された。
●戦闘は土曜日に、タリバンの拠点であるカンダハルのバンジュワイ地区で発生して夜まで続いたと、アフガン司令官が述べた。
●アフガン軍によると、抵抗勢力48人が殺害され、5人が逮捕された。同盟軍によると、死者の数は45人だという。
●2週間の間に、抵抗勢力の死者の数は200人近くにのぼる。アフガン国防省は土曜日に、死者の数は149人と発表した。
●米軍主導同盟軍兵士2人が戦闘で重傷を追い、後に病院で死亡した。このほかに負傷者が1人いるという。死亡者の国籍は発表されていない。
●(中略)土曜日の戦闘は、アフガン軍と同盟軍が「敵の過激派」10人と戦ったあとに発生した。「敵の戦闘員が現場から逃走しようとしてが、その後仲間が近くの建物からやってきた」。「アフガン軍と同盟軍が一緒に攻撃し、銃撃戦で過激派45人を殺害したと思われる」と、同盟軍が発表した。(後略)
Two coalition soldiers, 48 rebels killed in Afghanistan battle●タリバンが土曜日に、殺害された部族地帯のジャーナリスト、ハヤットゥッラーの「復讐」を誓った。北ワジリスタンの戦闘員の報道官だというカリ・アブドゥル・レーマンがペシャワルの外国のラジオ局特派員に、ハヤットゥッラーの殺人の捜査していると語った。「ハヤットゥッラーの死に報いるために10人の命を奪い、彼の殺人者を明らかにするビデオを発表する」という。
Taliban vow 'revenge' for Hayat's murder●アフガン軍と同盟軍が、アフガニスタン南部で発生した2つの銃撃戦で戦闘員65人を殺害したと、軍が土曜日に発表した。
●金曜日、ウルズガン州の州都ミラバードの近くの村で、戦闘員40人に攻撃された。果樹園に隠れて銃撃してきた戦闘員のほとんどが、殺害されたという。同盟軍兵士や一般市民に死者はいない。
●これとは別にアフガン軍と同盟軍は、カンダハルのザリエ地区で戦闘員多数と戦い、3時間に及んだ戦闘で25人を殺害した。
●「過激派数人が、アフガン一般市民を盾に、近くの村に逃げ込んだ」という。
Afghan, coalition forces kill 65 militants●アルカイダの宣伝係が、アフガニスタンの隠れ家に呼ばれてザワヒリのビデオを撮影することを依頼された様子を説明し、テロ組織のメディア部門の内部事情を暴露した。
●カメラマンのカリ・ムハンマド・ユースフが『AP』とのインタピューで、使者が呼び出し状を持ってきた様子を語った。「エミールがメッセージを送りたい」と、書いてあった。
●エミールとはザワヒリのことで、自分が米軍の空爆を免れたというメッセージを放送したがっていた。
●ユースフ(30)によると、使者の指示に従って1月にザワヒリの隠れ家に行ったという。「すべて準備ができていた」。「私とエミールだけがいた。小さなソニーのカメラを使い、30分撮った」という。
●「彼らが場所を選び、お膳立てをして、私に来るように言った。私の仕事は、録画するだけだ。決まり事はこれだけ。誰も質問しない」。
●このビデオは1月30日に、アルジャジーラで放映された。米軍がパキスタンの部族地帯で彼を殺害しようとして、村人13人を殺害した事件があった3週間後のことだ。
●アフガン人であるユーセフによると、自分はザワヒリが使う6人のカメラマンの1人にすぎないという。お互いの顔は知らない。自分は数年来ザワヒリに仕える忠実な僕だと述べ、彼の居場所については何も語らなかった。
●しかしアルカイダの技術者たちが、コンピュータを搭載した「移動スタジオ」に改造した車で編集作業をしたり、ペシャワルやラホールなどの町のバザールでビデオを生産し、アラブのテレビ局に送られて行く様子などを語った。
●欧米司令官たちは、タリバンやアルカイダがアフガニスタンの出来事に対応する速さや、プロパガンダを広める様子にいらだっている。「タリバンはプロパガンダ戦争に勝ちつつある」と、ある米軍関係者が語った。
Cameraman reveals secrets of al-Qa'eda propaganda war●ヘルマンド州では、タリバンの抵抗運動が非常に活発になっているために、アフガン警察たちは麻薬王たちの民兵に警護を依頼している。
●警察が、州都のラシュカル・ガーから30分の距離にあるチャンガーにある砂漠の中の村に一般市民をエスコートした際、元ソ連時代の軍事基地だった麻薬王の前哨基地に、車列が止まった。
●カラシニコフで武装した警察官数人が周囲を警備する間、神経質な警察官が木陰で休んでいた民兵を起こした。一緒に来てくれないかと依頼すると、AK-47ライフルと古いロケット発射砲を持った6人の若者たちが、さびついたトヨタ・カローラに乗り込んだ。
●近くには、外国軍はいない。村人によると、ラシャカル・ガー郊外のほとんどは、タリバンの支配下にあという。
●タリバン政権崩壊後4年たった今、戦闘員たちは再結成した。ヘロイン商売のもととなるケシ栽培で収入を得て、拠点であるヘルマンド州から各地に躍り出た。外国人たちは、州都の外には決して出ようとしない。
●麻薬王、抵抗勢力、貧しい住民たちが織りなす複雑な綾のために、ヘルマンドはアフガニスタンの戦場の中心地になってしまった。
●米軍主導同盟軍は、ヘルマンドを含むアフガニスタン南部4州で、抵抗勢力に対する新たな戦闘を開始したと主張する。しかし、アフガニスタン南部を制圧することは、難しいようだ。
●夜中にばらまかれる「夜間ビラ」で、タリバンは政府の協力者は殺害すると脅迫する。これまで耳を傾けなかった人間多数が、処刑された。
●同盟軍はここ数週間、空爆を中心とした作戦で戦闘員たちを殺害したと主張しているが、タリバンとその仲間たちは新たな戦闘員をリクルートし続けていると、国防省報道官のザヒール・アゼミ将軍が語る。
●カブールからたった2時間の場所にある、ガズニの砂漠周辺の村人たちによると、戦闘員たちは警察のチェックポストを定期的に攻撃し、道路脇に爆弾を設置し、政府関係者を攻撃し、学校に放火するという。この地域の治安は、1年前までは良かった。
●タリバンたちは、残虐な攻撃で村人に恐怖を植え込んだあと、今度は遺族や隣人たちに救済の手を差し伸べるのだと、アゼミが語る。「まず人びとを殺害し、斬首することで、恐怖を植えつける」。「ナイフで首を切り落とし、それから人びとを説得し、『一緒に天国に行こう』と言うのだ」。
●数ヵ月前、外国人兵士がチャンガール地区の道路を改修したあと、すべてがうまくいかなくなった。米軍が雇ったアフガン人請負会社が、自分たちの利益を多くするために粗悪な材料を使ったと、アフガン人関係者が抗議した。
●最近、この道路を用いる者はほとんどいない。しかし利用せざるを得ないときには、高い土塀に囲まれた、要塞のような土とレンガでできた家の間を、くねくねと曲る穴だらけの道を揺られていかなければならない。命を守るためには、最徐行するしかない。
●先週、ラシュカル・ガーから20マイルほどの場所にあるギルシュクの近くで、ピックアップに乗っていたアフガン真警察官4人が道路脇に仕掛けられた爆弾で死亡した。
●爆弾や襲撃のために、警察官たちは出歩きたがらない。仕方のないときには、手っ取り早く用をすませる。
●タリバンが教師を処刑して教室を放火した村で取材しようとすると、「5分だけだ」と言われた。
●警察官も兵士も少ないために、抵抗勢力たちは一般市民を攻撃し、援助活動家たちをこわがらせて追い出す。その後、タリバンたちは村人に、外国人たちに裏切られたと言うのだ。
●「タリバンたちがやってきて言うんだ。『ほら、彼らはアフガニスタンの友人たちじゃない。何もしないから、政府やアフガン国民の友人でではない』」と、放火された学校を警備していた治安関係者が語った。
●元州知事のシェール・ムハンマド・アフンザダは、ヘルマンドの最も強力な守護者だ。それには、ビジネス上の理由がある。
●アメリカの麻薬捜査官が、当時知事だったアフンザダが事務所から10トンのアヘンを発見して現行犯逮捕をしたために、カルザイ大統領は去年、彼を異動せざるを得なくなった。
●カルザイは彼を、アフガニスタンの上院議会である長老議会に移した。アフンザダの兄のアミールが、ヘルマンド副州知事として、一家を監視することになった。
●アフンザダは、麻薬密売人ではないと主張する。しかし民兵を持ち、有名な麻薬王たちの戦士たちと一緒に、タリバンとその仲間に対抗する、唯一の常設武装団を組織する。
●「南部では、政府を信じる者、信頼する者は誰もいない」と、元知事は語る。「だから政府の面倒を見なければ、政府は崩壊し、タリバンがカブールにやってくるだろう」。
●国防省は、軍隊の設置や国家再建に失敗したために抵抗勢力たちが再結成し、南部の大部分をコントロールしてしまったことを認める。(中略)
●アフンザダは、最近の南部での作戦は、茶番だと思っている。
●日曜日にタリバン戦闘員たちが、サンギンにある米軍基地のそばにあるヘルマンド州の前諜報機関長官で、その後国会議員になったダード・ムハンマド・ハーンの家を攻撃した。抵抗勢力とハーンの民兵や警察との間の戦いは、サンギンのバザールで12時間も続いた。
●しかし米軍は介入しなかったと、アフンザダは語る。殺害された32人の中には、ハーンの16歳の息子と兄弟2人が含まれていた。17歳の息子は、いまだに行方不明だ。
●「もしアメリカ人たちがバザールで起きている戦いを助けられないなら、いったいどんな軍事作戦をしているというんだ。彼らの基地は、現場から1マイルしか離れていなかったのに」と、アフンザダは語る。「多くの者たちが悲しみに浸っている。橋を作ったところで、どうなるというのだ。死亡した30人の命よりも、大事なことだというのか?」
Where Taliban Rules Again●(前略)カルザイ大統領は、アフガニスタン南部で支持を失いつつあり、タリバンはイラクの戦闘員が用いるような洗練されたプロパガンダ・キャンペーンを展開している。
●現在タリバンには3つの地域をカバーするために、3人の報道官がいる。今年の夏カンダハルでタリバンは、これまでなかったようなDVDや雑誌を大量にばらまいている。彼らの焦点は、カルザイ大統領の「操り人形」政府と、アフガンの一般市民に対する欧米軍の迫害である。
●「何度も何度も繰り返されるために、プロパガンダは効果的だ」と、政治アナリストのハミッドゥッラー・タルジが語る。「プロパガンダが真実か嘘かは、関係ない。繰り返されれば、人びとは信じてしまう」。
●アフガン人の多数は文字が読めない。しかし政府や外国人を批判し、タリバンの殉教者たちを讃える多数の歌のテープが、バザールに氾濫している。「ショワリコットの殉教」や、「異教徒ブッシュ」などののタイトルがつけられたものだ。
●「最近の戦いが納められたテープの購入者は多い」と、テープ売りの店主が語る。「政府はこれらを禁じているが、いくらでも出てくる」。
●タリバンは「シャリアの声」という名前のラジオ局も作り、南部2州の移動中継点から電波を送ってくる。インターネットには、洗練されたウェブサイト、www.alemarah.orgがある。アラビア語とパシュトゥ語でオマール師からのニュースや詩、メッセージが掲載され、タリバン自爆者たちの最期のメッセージテープがアップデートされる。
●イスラームのライオンという名前のDVDが、出回っている。パキスタンの部族地帯で撮影され、アメリカのスパイだというアフガン人が斬首さたり、タリバンのシャリア法に基づいて犯罪者が処刑される。
●これに対抗して欧米軍は、軍が資金を出して南部の反政府プロパガンダに対抗するために、Radio Peaceと名付けられた番組を流している。「これまで、あまり気を配っていなかったことだ」と、NATO軍報道官のルーク・ニッテッグ少佐が語った。
●アフガン政府は月曜日に、タリバンをインタピューしたり撮影することを、アフガン人ジャーナリストに禁じた。また「アフガニスタン軍の士気が低いことに着眼」した報道も禁じた。さらに「テロ活動」の見出しで、記事を書かないように言われた。
(中略)
●最近『Independent』は、2人の歌手がカルザイ大統領とオマール師になりすまし、アメリカのラップ調のスタイルで言い合うテープを購入した。
●「平和や安定をもたらした。アルカイダやテロリストを負かした」と、カルザイ役の歌手が歌う。「あなたはユダヤ人や異教徒を満足させるために、ムスリムの兄弟を殺害した」と、オマール役が歌い返す。「自由で公正な選挙で、大統領に選ばれた」と、カルザイ。「アメリカ人やイギリスの戦車や異教徒の兵士たちがそこいら中にいる選挙とは、どういう意味があるのか。異教徒は、戦車や大砲や空軍を持つ。でも我々には神の支援がある」とオマール。
●約30分続いたあげく、カルザイは敗北を認める。
Karzai questions Nato campaign as Taliban takes to hi-tech propaganda●米軍は金曜日に、パキスタンにあるザワヒリの隠れ家を知っているというメディアの矛堂について言及することを拒否したが、これは古い情報に基づいたものだと語った。
●(中略)米軍によると、コンピュータ・ドライブにあったこの情報は、18ヵ月も前のものだという。
●(中略)また『ABC』によると、カルザイ大統領の弟が、麻薬王たちから賄賂を受け取っていたと報道したが、大統領の報道官のカリム・ラヒーミはこれを否定した。「証拠がなければ、そのような疑いや批判をしてはならない」という。
●カルザイの弟のワリ・カルザイは、根拠のない報道と述べ、「家訓」のために麻薬は扱わないという。「兄の評判を落とそうとしているのだ」と、カンダハルの地方議会員であるワリ・カルザイが語った。「麻薬密輸は大嫌いだ。そのようなことはしたことがない」。(後略)
Military says ABC report based on old infoAMIR SHAH、KABUL●アメリカのテレビ局が入手した米軍の記録によると、カルザイ大統領の弟が、麻薬の密売に関わっていたという。
●『ABCニュース』によると、バグラム基地の外、極秘の印が押されたコンピュータ・フラッシュ・ドライブから、ドキュメントを入手したという。このドキュメントには、パキスタンにいるアルカイダの居場所も記されていた。
●軍事ドキュメントによると、カルザイ大統領の弟のワリ・カルザイは、「麻薬の売買を行なう軍閥から賄賂を受けて、彼らの商売に便宜をはかっている」と、『ABC』が報告した。
●ワリ・カルザイはこのような疑惑を否定した。「私は麻薬密売に関わっていないし、利益を得たこともない。仲介をしたこともないし、密輸に協力したことはない」と、カンダハルで語った。
●「本物」だというこの米軍のドキュメントには、パキスタンにあるアルカイダの訓練所の位置や、ザワヒリの居場所に関する記述もあった。
●『ABC』によると、これらのドキュメントを含んだフラッシュ・ドライブは、バグラム基地の正面玄関に近いバザールで、購入したという。
Documents link Karzai brother to drugs -- US television●国防省によると6月21日に、重傷を負った別の兵士を救助しようとした、メリーランド出身の兵士が死亡したという。救助しようとした兵士も死亡した。
●戦闘の最中、ヒース・N.クレイグ軍曹が、ブライアン・ブラッドベリーを救助しようとしたところ、U-H-60ヘリコプターが上昇せずに墜落し、死亡した。
●ブラッドベリーは敵に遭遇して重傷を負った。ヘリコプターの事故原因は、現在捜査中である。
Soldier from Md. dies in Afghanistan●アフガン抵抗勢力のリーダーのヘクマチアルが、米軍はアフガニスタン、イラク、ソマリアから追い出されだろうと、警告した。
●ペシャワルの『AP』が入手したこの声明で、ヘクマチアルはイラクで殺害されたザルカウィを賞賛した。
●声明によると、「ザルカウィの殉教によって抵抗運動が弱まることはない。アメリカ人はソマリアから追放されたように、アフガニスタンとイラクからも追放されるだろう」という。(後略)
US troops warned over Afghanistan●抵抗運動の成功は、戦術を変える能力があるか否に左右される。(中略)
●アフガニスタン南部のタリバンは、大人数による組織的な戦術を繰り広げて成功してきた。犠牲者の数は多いながらも、慎重に攻撃を計画し、伝統的なゲリラ作戦を再組織化している。
●イラクでもアフガニスタンでも、新たなリーダーが指揮し始めている。イラクではアブ・ハムザ・アルムハジール。アフガニスタンではジャラウッディン・ハッカーにである。
●アルカイダは他の地域でも、例えば武器の選択や目標の設定などで、うまく順応している。ある情報源によるにと、アルカイダは電磁波爆弾(e爆弾または高性能電磁波武器)で、アメリカを攻撃しようとしている。理論的に、これらを用いることでテレコミュニケーション・システムに打撃を与え、電力供給を遮断し、コンピュータや電子機器を使用不能にする。
●元諜報機関リーダーのハリッド・ハワジャが語るには、「e爆弾の話は本当で、アメリカの衛星が機能しなくなるよう方法を模索している。アラブ人戦闘員たちが、この計画に従事している」という。「アフガニスタンのアラブ人戦闘員たちと活動していた人間が、これらの話をしているのを実際に聞いた」。ハワジャはかつてISIで働き、ビンラディンの友人だった。
●「ビンラディンやザワヒリが、アメリカを核で攻撃することを話題にしたことはない。私にとって、核攻撃は、ばかばかしく思える。またガスを用いてアメリカを攻撃するという話も、聞いたことがない」。
●「しかし反米抵抗勢力の一部が、人間の命を奪うことなく、アメリカを石器時代に戻すプロジェクトを計画しようとしていたことは知っている」。(中略)
●ハッカーニが指揮をし始めると、タリバンはこれまでで最大の攻撃を開始した。先月、600人以上が−−ほとんどが戦闘員−−南部での戦闘で死亡した。タリバンは、100人以上の大きなグループで攻撃している。これらの攻撃に加えて、改良爆弾や自爆が各地で実施されている。
●同時にタリバンは、地方政府を乗っ取るように、大衆に呼びかけている。タリバンが一部の地域を支配しているクナール、パクティア、パクティカに加えて、ウルズガン、ヘルマンド、ザーブル、カンダハルでこれが起きている。
●ザワヒリも、水曜日に新たに発表したビデオで、大衆に呼びかけた。「カブール大学の若者たちに、決起して、アフガニスタンのムスリムを侵略者から解放するかめに、ムジャヒディン軍に協力する」ことを呼びかけた。
●抵抗運動に近い情報源によると、今後タリバンは大規模な攻撃を縮小し、改良爆弾や自爆を実施しながら、標的を絞った正確な攻撃や待ち伏せ攻撃に、戦術を変えていくという。
●戦術を絶えず変えて、同盟軍を疲労させることが目的だという。同盟軍が大人数による攻撃に対処し始めた矢先に、タリバンは山中に撤退した。いたちごっこである。
●元パキスタン軍中将でISI元長官のハミッド・グルは、「アフガニスタンとイラクの抵抗運動は、1987年の反ソ抵抗勢力と同じレベルに達した。抵抗勢力は四方八方からソ連を包囲し、1987年になると、ソ連はこれまで注いでいた最大限の力を失い始め、制御できなくなり、結局撤退していった」。
●「アメリカ人の場合も同じだ。11月頃までは、最大限の力を注ぐだろう。共和党が議会選挙に勝つためだ。それ以後はソ連と同じようになっていく。次第に力を失い、そして出口を模索し始めるのだ」。
The changing face of resistance●タリバンが、アフガニスタン南部の米軍のスパイだというアフガン人4人を斬首したと、地元政府と抵抗勢力が発表した。
●斬首された男の遺体が水曜日、ザーブル州のシャジャイ地区で発見されたと、関係者が金曜日に述べた。
●男たちは木曜日に自宅から誘拐されたと、地元行政報道官のグーラブ・シャー・アリキールが語った。2人は1つの村で、残りの2人は別の村で発見された。
●タリバン報道官のユーセフ・アーマディが衛星電話で語ったところによると、男たちは「米軍のカルザイ政府のため」にスパイ活動をしていたから殺害したという。
●これとは別にヘルマンド州のグリシュク地区で、休暇中の警察官が、道路脇に設置された爆弾で車が爆発し、死亡した。(後略)
Taliban behead four Afghans accused of being US spies●治安部隊がパキスタン南西部で、アフガン人11人を逮捕した。前日にはアルカイダ組織と関係があるとして外国人容疑者5人を逮捕したと、治安関係者が語った。
●11人は、クエッタでの捜索で逮捕された。木曜日に、同地域で逮捕された4人のトルコ人の取り調べから、情報を得たという。
●「トルコ人たちは、アルカイダ組織との関連で取り調べを受けている」と、ある関係者が語った。
●トルコ人はワジリスタンと接するゾブ地区のサンバザ検問所で、バスに乗っていたところを逮捕された。
●アフガン人たちは、アフガニスタン側の抵抗勢力の活動と、関係があるという。
●これとは別に金曜日に、治安部隊がアフガン人を含む4人を逮捕した。4人はバローチスタン解放軍と関係があるという。(後略)
Pakistan arrests four Turkish, 12 Afghan terror suspects●北ワジリスタンのタリバンが、水曜日に兵士4人が死亡したヘリコプター事故は、自分たちが撃墜したと主張した。
●地元のタリバン報道官のアブドゥッラー・ファルハードが『BBC』に電話で、これまでも軍のヘリコプター攻撃しようとしたが成功しなかったが、今回はうまくいったと語った。
●また地元タリバンは、準軍隊の車輛が地雷で爆発して兵士3人が死亡した事件に対しても、犯行を認めた。水曜日の夜バヌーで警察官3人が死亡したが、これに対しては何も知らないという。
Taliban claim shooting down Army’copter●アフガニスタン南部では、ここ数週間で数百人の人間が死亡しているために、カルザイ大統領はいらだち始めている。
●彼は1週間中国に滞在し、経済関係や協力を話し合ってきたが、帰国するや否や、最近の増加している暴力沙汰についてのいらだちを表明した。
●NATOの幹部は最初から困難な活動が開始することを予測し、タリバン崩壊後、これまで政府や同盟軍が入ってことがなかった地域に、新たな軍隊を押し進めている。
●彼らが何を期待し、予測していたかはともかく、タリバンは「予想以上に激しく、執拗に、大人数で戦って」いることを、同盟軍は十分認識しているようだ。
●「血なまぐさい夏」を予測しているが、秋になればさらに多数の兵力が派遣されてくるために、タリバンは大きな打撃を受けるだろうと予測する。
●結果は待たなければならないが、カルザイ大統領の国際社会に対する批判は、「すでに言ったはず」というような意味のことだった。
●カルザイは、「今後戦闘が活発になることは予測していた」と、記者会見で語った。「過去2年にわたって、組織的に、一貫して、そして毎日のように、アフガニスタンで起きていること、そしてこれに関して、対応の仕方を変える必要性があることを、国際社会に主張してきた」。
●カルザイは、警察や軍の改革や増強、資金援助や設備の拡大、地方政府を向上させるための協力を呼びかけてきたが、戦略の変更の重要性を何よりも強調してきた。
●そして「国際社会の利益になるように、テロとの戦争が行なわれている方法を再考察する必要性」を繰り返してきた。
●カルザイは今回、直接パキスタンを批判しなかったが、彼がパキスタンを暗示していたことは明らかだ。
●国際社会に、「テロとの戦争」からアフガニスタンにおける「テロリズム」の源に焦点を当てることを促すことで、彼は東側の隣人を指差していた。
●英語での記者会見では、外交的な発言に留まった。しかしダリ語では、「国際社会がテロリズムを阻止する戦略を持たないことに不満」を表した。
●「戦略とは、世界が、テロリズムが訓練され、資金が与えられ、イデオロギーが与えられ、奨励されている場所をはっきりさせることだ」と、語った。彼が誰を指しているかは、誰もが知っているはずだ。
●今週はさらに、政府が防衛的になっていることを表わす、別の動きが見られた。カブールでは、メディアに対する制限が話題になった。
●アフガニスタンの諜報機関が、ソ連の報道規制のハンドブックから抜粋したと思われるようなリストを報道関係者や出版社に配った。
●非公式のものともいえるが、諜報関係者の思いつきでないことは確かだ。明らかに上からの命令である。
●感触を探っているのか、あるいは報道の自由を規制しようとしているのかはともかく、政府はここのところ南部で発生している死傷者の数に面食らっていることは確かだ。
●ニュースでタリバン司令官たちがインタビューされ、爆弾や遺体などの暴力沙汰の映像が、毎日のようにニュースで流される。これは「国家的士気」に影響を与えていると、メディアに忠告する。
●「テロリストの行為を、ニュースの見出しにしてはならない」。そして軍が弱いと報じてはならない、という。
●カルザイは報道規制を否定し、民主主義の柱として言論の自由を支持したが、メディアには、国家の安全を第一に考えるべきだと付け加えた。
●タリバンと戦う『Mountain Thrust作戦』は続き、状況はさらにひどくなっている。大統領の対処の仕方で、彼の大統領としての地位が確保されるか、あるいは失墜するか、帰路に立つことになる。
Frustrated Karzai toughens stance●木曜日、アルカイダのナンバー2が新たなビデオを発表し、アフガニスタンにいる米軍主導軍に対して決起するよう、呼びかけた。カルザイ大統領はテロのリーダーを「アフガン人の敵」と非難した。またアフガニスタン東部の戦闘で、米軍4人が殺害された。
●カルザイは国際社会に向けて、テロとの戦争を再考するように求め、タリバン戦闘員を含めて、アフガン人数百人が米軍主導軍との戦いで死亡していることは「受け入れがたい」と述べた。
●同盟軍が水曜日に、今後アフガニスタンでは「激しい激しい暴力沙汰」が続くと警告したのに続き、ザワヒリのビデオテープがイスラームのウェブサイトに掲載された。
●ザワヒリのメッセージは、今年に入ってから6度目で、アルカイダなどの抵抗勢力の声明を発表することで有名なウェブサイトに掲載された。
●「カブールの、そしてアフガニスタン全土のムスリムに呼びかける。神の御前で正直になり、ムスリムの国家に侵略している異教徒たちに立ち向かうよう、呼びかける」。ザワヒリは白いターバンを巻き、自動ライフルを傍らに、黒い暗幕の前に座っていた。
●(中略)「カブールにおけるアメリカ人の犯罪」と題された3分半のテープは、米軍トラック追突事故を起こし、5人が死亡した5月29日以降に作られたようだった。(後略)
Al-Qaida second-in-command issues video●アフガニスタン北東部で、米兵4人が殺害されて1人が負傷したと、木曜日に同盟軍が発表した。
●新たな戦闘は、水曜日にヌーリスタンで発生した。「同盟軍は、ヌーリスタンにおける敵の活動を阻止するために作戦を実施し、カムデッシュ地区で過激派たちを攻撃した」と木曜日に述べた。「この作戦の最中に、米兵4人が殺害された」。
●同盟軍の戦闘機も加わったが、抵抗勢力側の死者の数はわからないという。
●タリバン報道官のムハンマド・ハニーフが電話で、この戦闘でタリバン2人が死亡したと述べた。
●カルザイ大統領は木曜日、アフガニスタンで活発になっている抵抗勢力の攻撃に関して憂慮を示し、国境の反対側でも戦闘員に対する戦闘を広げるよう、世界に促した。
●「原因はわかっている。我々のシステムは至らず、能力もない。国家のあらゆる所に、弱点がある」。「しかし外国からの介入のために、テロリズムや計画的・組織的な攻撃が大きな原因になっていることは、明らかだ」。
●カルザイは介入している外国を名指ししなかったが、アフガン政府関係者は、隣のパキスタンがタリバンやアルカイダの取り締まりを十分していていないと、繰り返し非難している。
(後略) Four US soldiers killed in Afghanistan●北ワジリスタンで何者かが、警察官3人を射殺した。事件は水曜日の夜、バヌーとミランシャーの間の道路で発生した。
●武装した数十人が、車の横で祈っていた警察官に発砲したという。犯人たちは警察の車輛を奪って逃走した。「警部と警察官2人を射殺して、車を奪った」と、警察関係者のムハンマド・イクバルが語った。
'Policemen killed' in Waziristan●水曜日に北ワジリスタンの道路脇の爆弾で、準軍隊兵士3人が死亡し、3人が負傷した。
●これに先立ち水曜日、軍のヘリコプターが墜落し、兵士3人は救出されたが、4人が死亡した。
●ミールアリ近くでパトロール中の準軍隊の車列が爆発したと、北ワジリスタン行政官のフィダ・ムハンマド・ハーンが述べた。「兵士3人の死亡が確認された」という。
●バヌー近くで墜落したヘリコプターの墜落原因は明らかではないが、技術的な問題だと、軍報道官が語った。
Bomb kills 3 Pakistani troops, 4 die in crash●今後アフガニスタン南部では、さらに激しい戦闘が起こるだろうと、米軍主導同盟軍が述べた。最新の情報では、新たな戦闘で50人近くの人間−−ほとんどがタリバン−−が死亡した。
●(中略)敵は同盟軍とアフガン国軍に抵抗し、これまで活動していなかった地域に入り込もうとしている」と、同盟軍報道官のトム・コリンズ大佐が述べた。「敵は今まで以上に大人数で動いており、激しく戦っている。我々が特定な地域に入り込まないように、妨害しようとしている」。
●水曜日の夜遅く、自爆犯が同盟軍車列のそばで車を爆発させ、アフガン軍兵士1人を殺害、7人を負傷させた。そのうちの1人は重傷である。「警察官1人を含む7人が負傷した。一般市民1人が死亡した」と、カンダハル州知事の報道官が述べた。
●アフガン軍司令官によると、火曜日の午後にアフガン軍と同盟軍が、ここのところさまざまな動きがあるヘルマンド州のムサ・カーラ地区で、タリバン20人を殺害したと述べた。「遺体と武器が、現場に放置されていた」とラフマットゥッラー・ラウフィ司令官が述べた。アフガン軍兵士1人も負傷したという。
●同盟軍は抵抗勢力の死傷者の数を確認していないが、米兵1人が負傷したと述べた。
●いっぽう火曜日に、ウルズガン州でアフガン軍と同盟軍が「過激派」と対戦して、10人を殺害したと、同盟軍が発表した
●別の出来事としては、米軍のために燃料を運んでいたタンクローリーが、パキスタンからナンガハール州に入ったところで、ローリーに設置された爆弾が爆発し、6人が死亡、トラック10台がつぎつぎと炎上した。
●またクナール州では同盟軍が、私服警官が乗った車に発砲して、警察官3人を殺害した。警察官はロケット推進手榴弾を持ち、検問所で停止しなかったという。「同盟軍兵士たちは身の危険を感じたために、車に発砲した」と、コリンズが語った。
●カンダハルでは装甲車が改良爆弾で爆発し、カナダ兵4人が負傷。そのうちの1人は重傷である。
50 dead in fresh Afghan violence●ジャーナリストのハヤットッラー・ハーンは、パキスタン政府がそこにはないとしていたものの写真を撮った。その数日後、覆面をした男たちに連れて行かれ、彼の形跡は跡形もなくなった。
●6ヵ月後、北ワジリスタンで遺体が発見された。手錠をされ、後ろから撃たれていた。
●この悲劇はパキスタンを驚かし、抗議運動が広がっている。ワジタスタンに関しての報道がいかに危険かという、警告にもなった。
●ハーン氏の写真は多くを語り、彼の死も、同じく多くを語っている。12月、アルカイダ司令官のアブ・ハムザ・ラビアが爆発で死亡した数分後に、彼の家に急行した。
●政府は、ラビアが爆弾製造中に誤って爆弾を爆発させて死亡したと発表した。ハーンはアメリカのヘルファイアー・ミサイルの破片の写真を発表した。パキスタン政府は、最後まで自説を曲げていない。しかしハーンは、ラビアはCIAの無人偵察機から発射されたミサイルで殺害された、と報道した。
●この報道のためにハーンは命を落とし、いまだに犯人はわからない。
●ジャーナリストとハーンの家族は、政府の諜報機関の仕業だと主張する。しかし軍報道官のショーカット・スルタン中将は、これを否定。「もし政府がやったとしたら、遺体が発見されるようなことはないはずだ。諜報機関や政府の仕業のように見せかけた、何者かの仕業だ」。
●最も不思議なことは、ハーンの遺体が発見されたことだ。ジャーナリストたちが彼の謎に包まれた死から受け取ったメッセージは、ワジリスタンに関わるな、ということだ。
●「立ち入るべきではない場所に関わり、部族地帯に入ろうとすれば、命にかかわることになる」と、メディア監視組織のアドナン・レーマットが語る。
●ワジリスタンは危険だ。ワジリスタンでの戦いが激しくなるにつれ、情報が入ってこなくなった。ハーンは過去2年間で殺害された、5人目のジャーナリストだ。しかも、最も著名なジャーナリストである。最近、記者はほとんど入ってこない。あえて入ってくれば、軍のいやがらせを受け、タリバンから脅迫されるという。
●ワジリスタンからの情報は、パキスタン軍からの情報や、ペシャワルにいるレポーターが怯えた住民に電話をかけて、話を聞き出す。
●「我々は報道管制がないところで、仕事をしている。パキスタンの部族地帯は、この惑星の中でいくつかしかない、孤立した地域だ」と、レーマット氏は語る。
●ワジリスタンに焦点を与え、問題を明らかにし、解決策を模索し、そこで動いている人間を明るみに出すことで、初めて問題は解決するはずだと語る。
●(中略)『BBC』のレポーターのハルーン・ラシッドは、報道陣はほとんどワジリスタンに行かないと語る。「我々には、なす術がない。少なくとも1人だけでも、私たちの安全を約束してくれる人間がほしいのに、ジャーナリストを助けてくれようとする人間は皆無だ」。「非常に不思議だ。いったい政府は何を隠そうとしているのか」。
●多くの者たちが、同じ気持ちだ。特にハーンの死が明るみに出てきた今、さらに疑問がわく。
●ジャーナリストたちは、パキスタン軍が意図的に自分たちの活動を妨害していると語る。ラシッドが最後にワジリスタンに出かけたとき、軍の検問所で4時間拘束されたという。陸軍は、単なる安全の問題だと語る。
●「ジャーナリストは、どこにでも自由に行って構わない。しかし安全の問題がある」と、軍報道官のショーカット・スルタン中将が語る。「陸軍は、この地域に入るすべての人間を検問する権利がある」。
●このようなメディアの空白地帯では、情報源は陸軍しかない。戦争の広報は、ただ1人の男、ショーカット中将に頼るしかないと語る者さえいる。「すべての情報はショーカット・スルタンから出てくる。彼の携帯電話の電源が入っていなければ、全く暗がりの中だ」。
●スルタンは、これを否定する。彼は、メディアの要望に応えて仕事をしているにすぎないと語る。情報省も、ワジリスタンに入って報道する自由があると語る。「部族地帯から、個人による情報が数々入ってくる。開かれた場所だ」と、情報相のムハンマド・アリ・デュラニに語った。
●「我々の家が戦闘に巻き込まれれば、現場にいることが人道的な任務だ」と、南ワジリスタンの住民でTribal Union of Journalists会長のサイラーブ・マフスードが語る。「以前は、遠隔操作爆弾や、地雷による攻撃などなかった。状況が悪くなっていることを示している」。
Killing scares media away from Waziristan●火曜日、米軍が山頂に設置したキャンプからタリバンと戦い、また同じ南部でルーマニア兵が、道路に設置された爆弾で死亡した。
●米軍はヘルマンド州のバグラム谷で、敵に応戦するために銃や迫撃砲を用いた。また戦闘員の隠れ家を爆破するために、戦闘機が呼ばれた。戦闘員数人が死亡した可能性があるという。
●地元の住民によると、空爆で年老いた夫婦が殺害されたという。
●タリバンの補給ルートを遮断するために、週末に落下傘で降下した第87連隊にとっては、これまでで最も激しい戦闘となった。
●これに先立ち月曜日の夜、同盟軍のヘリコプターが同地域のタリバンのキャンプを襲撃し、戦闘員5人を殺害、8人を負傷させた。
●タリバンは火曜日の朝、約60人ほどで迫撃砲やロケット推進手榴弾を用いて米軍と戦うために、バグラム谷の奥に入ってきたと、ジェアード・ウヤルソン少尉が語った。
●米軍は機関銃や迫撃砲を用いて応戦し、夜空が銃火で明るくなった。米軍に負傷者はいない。戦闘員「数人」が死亡、あるいは負傷した可能性があるが、遺体はなかったという。「戦闘員たちは、戦場から遺体を持ち去ることに長けている」という。
●米軍の近くに集まった戦闘員の拠点2ヵ所を攻撃するために、空軍が呼ばれた。A-10Warthog爆撃機が機銃掃射したあと、B-1爆撃機が2000ポンド爆弾を投下し、夜空に巨大な煙が上がった。
●明け方、兵士たちは現場に向かい、状況を検分した。民家の持ち主のアフガン人のグル・アーマッドによると、タリバンが建物を占拠し、高齢のために逃げることができなかった両親を捕虜にしたという。2人は空爆で死亡した。
●「私の家は台無しだ。家族は瓦礫の下に埋もれ、家畜も死んでしまった」。「タリバンを家の中に入れざるを得なかった」という。
●兵士たちは、周囲の建物にいた数十人の男たちを質問した。土塀にチョークで、米軍の位置を記した大雑把な地図が描かれているのが、発見された。
●米軍少尉のウィルソンは村の長老たちに、米軍の使命はアフガン政府を助けることだと説明した。「アーマッドの家族が失われたことはとても残念だが、タリバンがここにいなければ、このようなことはしないということをわかってほしい」と、通訳を通して語った。(後略)
U.S. troops fight off Taliban attack●火曜日にアフガニスタン南部の爆発で同盟軍の戦車が炸裂し、ルーマニア兵1人が死亡、4人が負傷した。
●カンダハル郊外で、基地に戻ろうとしていたルーマニアの車列が狙われたと、ルーマニア国防相が述べた。車が爆発物の上を通過したために、38歳の下士官が即死し、3人が負傷した。そのうちの1人は重傷である。
●破壊された車を助けようと他のルーマニアの車列が停止したあと、4人目の兵士が爆発物を踏み、足を負傷した。
●爆発は非常に強力で、戦車はまっぷたつになり、炎上したという。
●(中略)月曜日遅く、同盟軍のヘリコプターがヘルマンド州のバグラム地区を爆撃し、戦闘員5人を殺害、8人を負傷させたと、州報道官のハッジ・ムヒディンが語った。
●これとは別に月曜日に、アフガニスタン西部のファラ州で、戦闘員たちがトルコの建設会社を襲撃し、トルコ人運転手1人とアフガン人警備員3人を殺害した。このほかに、アフガン人の警備員2人が負傷した。
●さらに月曜日遅く、パクティア州のコッシャルマンド地区で、戦闘員が治安部隊と3時間にわたって戦闘を繰り広げ、戦闘員6人が死亡したと、州知事のムハンマド・アキラーム・アフバルワックが語った。この他に戦闘員15人と警察官1人が負傷したという。(後略)
Romanian soldier killed in Afghan blast●北ワジリスタンでは、床屋は髭をそってはならず、強盗はすばやく斬首される。スワートでは、テレビやVCRが公衆の面前で焼かれた。ディールでは宗教グループが、アフガニスタンにいる米軍と戦わせるために、十代の少年たちを募集する。カイバル地区では武装した男たちが下宿屋になだれ込み、イスラーム法に従うことを人びとに強制する。
●イスラーム過激主義が、パキスタンの北西部の部族地帯を越えて、広がりつつある。
●ペシャワルの軍の幹部高官たちは、部族地帯はゆっくり平常に戻りつつあり、宗教過激派たちをコントロールしていると主張する。「彼らは今や防衛体勢にある」と、第11陸軍連隊司令官のムハンマド・ハミッド・ハーン中将が語る。「中心人物たちは地下に潜ってしまい、状況は非常に良くなっている」という。軍は諜報情報にもとづいた「素早い作戦」を行ない、以前戦闘員たちが支配していた主要な町の支配権を、取り戻したという。
●しかしオブザーバーたちは、2004年以来の軍の攻撃的な努力は裏目に出ており、武力を用いたことで住民たちから敬遠され、長老や政府関係者たちの権威は失墜したと語る。地元のタリバン運動は新たな支持者を得て、新たな権力の座を切り開いてしまった。
●「物事は、コントロールできない状態になってきた」と、イスラマバードの欧米外交官が語った。「地域によっては、政府内政府が存在しているようだ」。
●ジャーナリストを含む外国人は、部族地帯に入れない。軍が許可した、短時間のヘリコプターによる視察が許されるだけだ。しかしこの地域の状況について詳しい者たちによると、原理主義的な影響や威嚇が、部族地帯から都市部に広がりつつあると語る。
●「南北ワジリスタンは、タリバンの支配下にある」。そして7つのFATAの行政区も、「タリバンの支配下に入る可能性がある」と、人権活動家のアフラシアブ・ハタックが語った。「軍は一生懸命やった。でも失敗した。政府も失敗した。伝統的な政治制度は効果がなくなり、タリバンが空白に入り込んだ」。
●南ワジリスタン出身のある大学講師によると、1年前に南ワジリスタンを訪れたときには、軍がいたるところにいたという。しかし数ヵ月前に葬儀に参加するために再び訪れると、制服を着た兵士は1人としていなかったという。代わりにタリバン式のターバンをまいた武装した男たちが、トラックに乗ってパトロールしていた。
●「状況は、政府の言葉通りではない」。「タリバンが完全に支配している。人びとは彼らを歓迎し、若者は彼らを偶像視している。政府は存在しない。一般市民を殺害する治安部隊がいるだけだ。タリバンが問題を解決し、その場で裁く。部族地帯はタリバンの温床となり、軍はそれを食い止めることができない」。
●先週、北ワジリスタンでジャーナリストが暗殺されて遺体で発見された事件は、大きな波紋を及ぼした。政府関係者は宗教過激派の仕業だというが、ジャーナリストの家族は、パキスタンの諜報機関の仕業だと述べる。
●政府に批判的な者たちは、パキスタンがコントロールしやすいようにアフガニスタンをかく乱しようと、諜報機関が部族地帯の宗教過激主義を煽動していると非難する。カルザイ大統領を含むアフガン政府関係者も同じように非難するが、パキスタンはこれを否定。
●「私の見解では、パキスタンにとって、アフガニスタンの安定は望ましい」と、軍司令官のハミッド・ハーンは語る。「あそこで起きる問題は、すべて我々に影響を与える。難民、犯罪者、麻薬、武器が入ってくる。抵抗勢力たちも、パキスタン側よりもアフガニスタン側のほうが隠れやすい。戦略的には、不安定な状況よりも、良い関係を持ったほうがいい」。
●(中略)これまで宗教的な暴力は南北ワジリスタンに限られていた。南ワジリスタンで一応和平協定が結ばれ、見かけ上は平穏になったが、原理主義は他の地域に広がったように見える。
●スワートでは、聖職者たちがテレビを没収し、公衆の前で焼いた。カイバル行政区では、武装したイスラーム指導者たちが店舗や下宿になだれ込み、銃をつきつけてイスラーム法に従うことを強制した。さらに他の宗教過激派とも衝突し、数十人が死亡した。
●「タリバンの土地を広げ、他の部族地帯を『ワジリスタン化』しようとしている人びとがいる」と、人権活動家のハタックは語る。「政府は対処していると言うが、何もしていない。問題はアフガニスタンではなく、ここにある。カイバルでこんなことが起きるなら、他のどこで起きてもおかしくない」。
●ペシャワルでさえ、モスクの学生や礼拝者たちの中に、タリバン運動支持者が増えてきた。世俗政党の政治家たちは、イスラーム政党員たちが過激主義を煽動していると語る。(後略)
In Tribal Pakistan, a Tide of Militancy●兵士たちが夜明け一番に、村人たちを集めた。タリバンが、ザーブルのアルガンダーブ谷ガザ基地のアフガン国軍を襲撃したために、誰が彼らを匿っているか、知りたがったためだ。
●32歳のブドウ作りの農民が朝の礼拝に出かけたところ、兵士たちに連れて行かれ、他の50人とともに殴打された。「タリバンがどこにいるか、教えろ」と言われたという。
●兵士たちらは彼から金を奪い取り、許可なくして家宅捜索した。パシュトゥン族にとっては、屈辱だ。
●別の村出身のミルザも、兵士たちに脅迫されたために、首都のカラートに家族とともに、逃げた。彼は、自分はタリバンを助けたことがあると認めた。
●「他に選択肢がなかった。5〜10人、あるいは20人でやってくる。ウルドゥー語やアラビア語をしゃべる人間もいる。食料を要求され、断わることはできない。銃を持った男たちに、抵抗はできない」。
●今や、抵抗勢力と中央政府との間の板挟みになっていると感じている。「正直言って、誰とも戦えない。どちらもいやだ」。
●他に4人の男たちも、アフガン国軍による殴打や強奪、強制的な家宅捜索について証言した。
●この出来事は、米軍のMountain Thrust作戦のようなタリバン掃討作戦が、いかに一般市民を巻き込んでいるかを物語る。
●同盟軍司令官たちは、Mountain Thrust作戦を実施している地域のひとつであるザーブルを、成功例としてあげる。アメリカはこの地域に、開発資金として、数百万ポンドを費やしている。汚職がはびこった地元政府は、潔白な政府と置き換わった。そして警察や軍は再訓練され、装備も行き届いた。
●「同盟軍、警察、軍が協力し、成功している」と、州知事のジャン・アーマンが語る。新たに建設された25マイルの道路や、部族の長老との合議などを引き合いに出す。
●しかし州知事の影響力は、彼の事務所の数マイル先には、もう及ばない。45分は慣れたシャージョイ地区では、31校あるうちの1校の学校だけが開校している。夜間、脅迫の手紙がばらまかれ、恐れをなした教師たちは逃げてしまった。「両親たちは子供の教育を望んでいるが、政府は各村に拠点を置くことはできないのだ。どうしたらいいのか」。
●シャージョイを、カブール〜カンダハルのハイウェイが通る。舗装された道路は、一時は欧米による国家再建の象徴だった。今は道路の両脇に広がる果樹園や川原、砂漠をタリバンがうろうろし、外国人たちはほとんど国連の飛行機を利用する。
●アフガン人たちも、恐れをなしている。カラートの現代的な病院は、陰気くさい。3ヵ月前に、アラブの援助により、110万ポンドを費やして建設されたこの病院には、26人の医師が必要なのに、7人しかいない。「金が問題なのではない。女性には2倍の給料、男性には50%増しの給料を払っている」と、病院長のサイフール・レーマンは語る。「問題は安全だ。人びとは、ここで働くことを恐れている」。
●カラート郊外にある米軍基地は、ある程度の安全を確保している。しかし米兵1000人で1万800平方マイルを守らなければならず、たびたび目に見えない、強力な敵と対戦することになる。
●先週はタリバンが基地を標的に、珍しい自爆を試みた。ロバに地雷や爆発物を搭載したのだ。基地にいた警備員たちは、ゲートに着く前にロバを射殺した。
●ちょうど『Guardian』が到着すると、米軍車列が大きな音をたてて止まり、目隠しされ、縛られた3人の男が連れてこられた。数時間前にタリバンがアフガン軍・米軍の合同パトロールを襲撃し、警察官4人を殺害、米兵2人を負傷させ、四輪駆動車を破壊した。
●「まるで、ネコとネズミの追いかけっこだ。我々が彼らの先にいくと、新たな戦術が出てくる」と、基地司令官のフランク・スチューレック中佐が語る。抵抗勢力は国境を越えてやってくると、アフガン軍関係者と同じ発言をする。「激しく撃ってくるやつは、パキスタンのマドラッサから直行してくる奴らだ」。
●アフガン国軍内の規律の乱れも、南部では問題になっている。アルガンダープ村の住人によると、アフガン軍たちは殴打しながら、民族的な中傷を叫んでいたという。「ジョマリ平原の庭は、我々の銃でめちゃくちゃにしたと言っていた」と、羊の世話をするイザトゥッラーが語った。1990年代に、タリバンが残虐な行為を行なった現場のことだ。
●カンダハルの住民も、同じように訴える。最近国連スタッフ2人が、アフガン国軍の検問所で襲撃された。
●アフガン国軍司令官のラマットゥッラー・ラウフィ中将は、自分か知る限り、民族的な対立はないと語った。しかし虐待があったかどうか、調べてみると約束した。
Beaten, robbed and exiled: life on the frontline of someone else's●アルカイダ容疑者の殺害について報道したパキスタン人ジャーナリストの殺人により、部族地帯におけるメディアが直面する危険性に焦点が当たった。
●6ヵ月以上前に何者かに誘拐されたハヤットゥッラー・ハーンの遺体が金曜日、北ワジリスタンで発見された。家族は、治安機関の仕業だと訴えている。
●当局は、治安部隊はハーン氏の誘拐とは関係がないと、主張している。(中略)
●ハーンの弟のエサヌッラーが最近語ったところによると、ハヤットゥッラーは12月に自分の車を止められたときに、相手が誰かわかっていたようだったと述べる。「車にいた護衛や仲間に、相手に抵抗しないようにと語った」という。「すぐに戻るから、と言っていた」。
●ハヤットゥッラーは、北ワジリスタンのダウール族に属する。
●大掛かりな捜索が開始されたが、何の鍵も出てこなかった。「治安機関は3回も主張を変えてきた」。「まず、彼が誰かから借金があったために問題が発生して、誘拐されたと語った。その1週間後、彼の妻がアルカイダのアブ・ハムザ・ラビアの妻の親友だったために、アメリカ人に連れて行かれたと述べた。さらにその後、タリバンの仕業だと言った」。
●その間エサヌッラーは、さまざまなメディアとコンタクトをとっていた。パキスタン政府は彼の誘拐を捜査をすることを強いられ、パキスタン軍統合参謀会議に委ねられた。
●その結果、3月にハヤットゥッラーは、治安機関に拉致されたのではないと報告した。おそらくタリバンが、アフガニスタンのどこかに連れて行ったのだという。
●しかしハヤットゥッラーの家族は、タリバンが拉致することはないと、この報告を却下。タリバンの仕業だとしたら、釈放されるか、数日後には殺害されるのが常だという。「数ヵ月間、彼について何も情報がないということは、当局に拉致されたということだ」。
●エサヌッラーは、以前兄が行方不明になったときの状況と、比較する。2年ほど前、ハヤットゥッラーはアフガニスタンのアメリカ人に逮捕された。タリバンの仲間と疑われ、約2ヵ月間、バグラム空軍基地で尋問された。「自分が単なるジャーナリストだということを、なんとかアメリカ人に納得させたために、釈放された」という。土産として持ち帰った、当時使われたフードと手錠を持ち帰った。
●妻のメルニサによると、夫はパキスタンの治安機関の陰謀に巻き込まれたという。「12月2日に、治安機関関係者から20回も電話がかかってきた」。「この関係者たちのことは、私も知っている。アブ・ハムザ・ラビアがアメリカのミサイルで殺害されたということを、ハヤットゥッラーに報道させたがっていた」。「私は、何か裏があるような気がするから注意してほしいと言ったけど、耳を傾けてくれなかった」という。
●家族は、司法制度には期待しているという。「政府は彼がどこにいて、誰に拉致されたか、ずっと知っていたはずだ」という。
●エサンウッラーは地元関係者に、6月15日から20日の間に、兄についての情報が入るだろうと言われていたという。「彼を釈放することが決まったのだと思い、彼を歓迎する準備をしていた」と語る。「まさか彼の遺体を引き取るように言われるとは、思いもしなかった」。
●ジャーナリストたちは、部族地帯にいるジャーナリストたちによる報道を政府が守れないでいると、抗議している。「この場合、政府がまず最初に非難される」とパキスタンのジャーナリスト連合会長が語る。「ハヤットゥッラーの殺害者を探し出し、逮捕することができない限り、彼らがジャーナリストを殺害したという容疑は晴れない」。
Mystery of murdered tribal journalist●月曜日に、アフガン政府と密接な関係があったパキスタン人部族民が、抵抗勢力に射殺された。
●南ワジリスタンで、ナジムッディン・ガンギケールが車を運転していたところ、銃を持った男たちが車の中から発砲してきた。ワナの近くで襲撃されたガンギケールは、アンゴル・アッダ村の中心人物でだった。
●ガンギケールはたびたびカブールに赴き、米軍支援のアフガン政府関係者と会っていた。(後略)
Pakistani with ties to Afghan gov't killed●タリバンがアフガニスタン南部で、影響力のある政治家の友人や親戚32人を殺害し、10人がいまだに行方不明になっていると、国会議員が語った。
●国会議員のダード・ムハンマド・ハーンによると、ヘルマンド州で殺害された27人は、別の5人が射殺された現場に向かったところを殺害されたのだという。
●「昨日の朝、タリバンが私の親戚と友人32人を殺害した」と、ヘルマンド州の元諜報機関長官のハーンが述べた。「いまだに10人の親戚が行方不明で、5人が負傷した」という。これに先立って殺害された5人の男のうちの1人は、ヘルマンド州サンギン地区の元行政官だった。
●一行は、カンダハル州のゴラック地区から帰る途中だった。「タリバンが車を襲撃して、私の弟、息子の他、3人を殺害した」と、ハーンが語った。「弟のグマ・ムハンマドが殺害されたというニュースを聞いて、他の親戚たちが現場にかけつけた。すると再びタリバンに襲われた。何人かはその場で殺害され、他の者たちは、どこか別の場所で殺害された」。「今日、32人の遺体を回収した」という。
●自称タリバン報道官が日曜日に、最初の攻撃に対する犯行声明を出した。
●州副知事のムッラー・アミール・アクフンドもこの事件を確認した。「昨日サンギン地区における襲撃で、30人が殺害された。死亡者の中には、国会議員ダード・ムハンマドの2人の兄弟と息子1人が含まれ、他のほとんども親戚だった」という。(後略)
Taliban kill 32 in Afghanistan, MP says