【2006年7月3日〜7月9日】


■カナダ兵とタリバン15人、アフガニスタンで死亡[060709 AP]

カナダ兵とアフガン兵数百人が南部の果樹園にあるタリバンの拠点を襲撃し、戦闘の結果戦闘員15人とカナダ兵1人が死亡した。カンダハルのザリュー地区で発生した激しいこの戦闘で、カナダ兵2人が負傷した。

ザリューのパスムホール村で、タリバンに対する「同盟軍とアフガン軍の合同作戦」で、カナダ兵のアンソニー・ボネカ兵長が死亡したと、軍報道官のマーク・セリオルト少佐が述べた。

数時間後に近くで「接近戦」となり、タリバン5人が死亡、カナダ兵2人が負傷したと、別の同盟軍関係者のマーク・マッキンタイアーが述べた。

これとは別に、隣のパンジャワイ地区の同盟軍の空爆で、戦闘員10人が殺害された。カナダ軍は土曜日にこの地域にあるタリバンの拠点を攻撃し、兵士2人が負傷している。「戦闘は2日におよび、非常に激しかった」という。戦いのほとんどが畑や果樹園で発生し、タリバン戦闘員たち少人数のグループになって隠れていた。

(中略)英政府は、近々数百人の兵士をヘルマンド州に増員させる予定である。(後略)

hoonCanadian, 15 Taliban killed in Afghanistan
NOOR KHAN、KANDAHAR

■アフガニスタンの死者の数は、成功の目安ではない[060709 AFP]

毎日のように発表される戦場の死者の数は、米軍主導のキャンペーンの成功の目安ではなく、逆に誤解を招き、アフガニスタンの本当の姿を見失わせると、専門家や関係者が述べた。

殺害された「敵」の公的な数は、パンジャワイで100人、ムサ・カーラで60人、そして毎日10人ずつ、ということになっている。

戦場に赴くことができず、ニュースに飢えた国際メディアは、これらの死者の数や「アフガニスタンの敵」の数を、確認することなしにそのまま流している。

タリバンもしばしば死者の数を発表するが、まだ信憑性のあるアフガン軍や同盟軍が発表する数とあまりにも大きな隔たりがあるために、ほとんど信用されていない。

アメリカ主導の同盟軍によると、メディアの質問を避けるために、重要な作戦後には死者の数を発表するという。

しかし同盟軍関係者も、これらの数は不正確であり、殺害した人間の数よりも、アフガン人一般の支持を得ることのほうが重要だと認める。

「いつも質問される」と、同盟軍報道官のトム・コリンズ大佐が語る。「作戦を実施した場合、何が起きたのか、結果を提供している」。

米軍は2001年以来、敵の死者の数の総計はとらない。米軍はベトナム戦争以後、「死者の数」を用いることをやめた。正確ではない情報が飛び交い、軍の信頼性が問われたからだ。

「敵を何人殺し、何人逮捕したかが重要なのではない。それ以上のことをしようと努力している」とコリンズが語った。

この努力とは、アフガン政府や治安部隊を有能にし、戦闘員や犯罪者の活動を阻止するだけの力をつけることだ。

カナダ人にとっては、タリバンと同盟軍・政府の間にいる一般アフガン人の心を勝ち取ることだと、マーク・マッキンタイア准将が述べた。「カナダ軍は、成功や進歩を測る手段として、死者を数えることはしない」という。「まず、正確ではないことが多い。次に、人を殺すことが我々の第一の目的ではない。必要に迫られれば戦うが、それは最後の手段だ」。

戦闘が長期にわたる場合、死者の数はプロパガンダ戦争の重要な要素となる。しかし、抵抗勢力側の死者の数が増えるということは、それだけ敵は人材を募集できることを意味し、ポスト・タリバン抵抗運動は、これまで以上に組織化されたような印象を与える。

情報源によると、ソ連時代のジハードでは、力に対する印象を与えるために死者の数は増やし、「大げさ」に宣伝されることがよくあったという。

「ロシア人がある地域を攻撃すると、その日のうちに、抵抗勢力200人を殺害したと発表された」と、政治アナリストのワヒード・ムジュダが語る。「私自身がジハードに参加していたが、これは真実ではない。軍隊において、また世界のどこでも、大げさなショーが重要だった。自分たちの被害を、正当化したいだけだ」。

この戦争では、ロシア軍約1万5000人が殺害され、アフガン人戦闘員数千人が命を落とした。ソ連はその火力を利用して、数百万人の一般市民とムジャヒディンを殺した。しかし、それでも負けたのだ。

今日の抵抗運動は、抵抗勢力や「テロリスト工場」であるマドラッサ、パキスタンが送り出す戦闘員の数が減少したとしても勝つことはできないと、アフガニスタンの国防省関係者は語る。

「タリバン戦闘員が死ねば死ぬほど、新たなタリバンが出てくる」。「タリバン戦士1人が死んでも、彼の兄弟や従兄弟、伯父が武器を取る」。「タリバンは戦いで排除することはできない。根本的なインフラや人々の生活の向上、汚職と戦うことで、はじめてアフガニスタンの暴力沙汰が一掃される」。

hoonAfghanistan's mounting body count no measure of success
Bronwen Roberts、KABUL

■アフガンと同盟軍、タリバンを捜索[060709 New York Times]

木曜日の夜遅く、アフガン警察がカンダハルにあるモスクの手入れを行ない、敷地内で就寝していた100人近くを逮捕したと、アフガン政府関係者が述べた。アフガニスタンでモスクの手入れが行なわれたのは初めてで、宗教リーダーからすぐに強く非難された。

カンダハルの宗教指導者2人が捜索を非難し、旅人がモスクで夜を過ごすというアフガンの伝統に従い、そこにいた無実な人間を逮捕する結果になったと述べた。

警察関係者によると、カンダハルのモスクで何者かが会合していたという、諜報情報を得たという。「何人かの怪しい人間が夜間、モスクに滞在していた」と、カンダハル警察庁のサイード・アジズ・アーマッド・ワルダックが述べた。

ワルダックによると、拘留された人間のうち7人以外は、金曜日に釈放されたという。また土曜日の午後、身分証明書を持たなかった7人も釈放されたと述べた。

ワルダックは、旅人がモスクに泊まることはアフガンの伝統ではないと述べ、地元の宗教指導者たちに、この習慣を廃止するようにと述べた。「これはカンダハルの伝統ではない。モスクはレストランではない」。

hoonAfghan and Coalition Forces Strike Taliban
ABDUL WAHEED WAFA

■ロンドン地下鉄爆弾犯とアルカイダの橋渡しをした、英国籍のアフガン人を捜索[060709 Sunday Telegraph]

7月7日のロンドンの爆弾犯をアルカイダに紹介したとして、さらにアルカイダのリクルーターとして、英国籍の「仲介人」の行方が捜索されていることを『SundayTelegraph』はつかんだ。

パキスタンの諜報筋によると、アフガン生まれの裕福なイギリス籍パスポート所持者で、「アブドゥル・レーマン」という名前で通る男の行方を捜索しているという。

パキスタン当局によると、レーマンは爆弾犯のリーダー格のムハンマド・スィディーク・ハーンにイギリスのモスクで会い、その後彼をシャーザッド・タンウィールに紹介したという。

リクルート係としてのレーマンの役割を知ることで、ロンドンの爆弾事件とアルカイダの関わりが判明する可能性がある。レーマンは50代といわれ、アフガニスタンでロシア人と戦った経験がある。

「ロシア人と戦っていた頃、欧米の国々からムジャヒディンを一緒に連れて行った」と、パキスタン人関係者が述べた。ロシアがアフガニスタンから撤退すると、レーマンはムスリムを欧米から集め、ボスニアとチェチェンで戦わせたという。「彼は非常に金持ちで、9.11の前も後も、過激派組織に資金を調達していた」という。

彼はジハード志願者たちをアルカイダに紹介していたが、双方が会うときに、必ずしも立ち会ったわけではないという。これまで非常に注意を払い、できるだけ少人数で動いているために、操作の網をくぐり抜けてきた。「彼は、青年たちが本当のジハード志願者だという確信をもったあと、はじめてこれらの個人や小さなグループを紹介していた」と関係者は語る。

(中略)パキスタンの諜報筋によると、レーマンの役割は、アフガニスタンのテロ訓練所から帰ってきた3人の過激派の取り調べから、浮上したという。取り調べを受けた男の1人が、「レーマンはイギリスのどこかのモスクでハーンと会い、ハーンはイギリス国内でテロ攻撃を行ないたいと言った」と述べたという。

これまでハーンとタンウィールは、2004年11月と2005年2月にパキスタンを訪れたことがわかっている。少なくともハーンはパキスタンかアフガニスタンの部族地帯に行き、そこで爆発物訓練コースに参加したらしい。

諜報機関関係者によると、「このコースで10〜15日間、肉体的、精神的な訓練を受ける。爆発物や起爆装置についても学ぶ」という。「自爆ジャケットや、肥料のような簡単に入手できるものを爆発物に作り変えたり、車爆弾などの作り方を学ぶ」。

タンウィールの訓練所滞在期間は、もう少し短かったようだ。パキスタン関係者が語った。「スィディーク・ハーンは爆発物に関する訓練を受けてすごしたが、その間タンウィールはテレビ・メッセージを録画するためだけ、数日間合流したようだ」。

hoonBritish Afghan hunted as the link between Tube bombers and al-Qaeda
Massoud Ansari、Karachi

■破壊に情熱を注ぐタリバン3人組、捜索[060709 Guardian]

アフガニスタンにいる英兵の死者が増えている背後に、「ジュンタ」と呼ばれる怪しいグループが存在する。同盟軍たちは、彼らの動きに注目している。

この3人組は、「ジュンタ」として知られている。アフガニスタン南部の暗闇に住み、外国兵の存在を排除することを決意した戦士たちだ。

先週同盟軍の諜報関係者は、この3人の捜索のために緊急会議を開いた。最近の激化した戦闘の背後には、この3人がいるらしい。

アフガニスタン南部の暴力沙汰による被害増大してきたために、英軍、米軍、仏軍司令官たちは、タリバンのリーダーを追いつめ、逮捕あるいは殺害する方法を話し合った。3人とは、ベテラン部族リーダーでゲリラ戦士であるジャラウッディン・ハッカーニ、タリバンのリーダーであるムハンマド・オマール師、そして超残虐なメディア通の司令官、ムハンマド・ダドゥッラー・アーフンド師である。

『Observer』の得た情報によると、ヘルマンド州のムサ・カーラの爆撃は、ダドゥッラーを標的とした作戦だった。米軍関係者によると、「幹部」を含むタリバン35人を殺害したというが、ダドゥッラーはまた逃げてしまったようだ。

(中略)諜報情報やインタビューから、新たな「タリバン3頭政治」は、この春オマール師によって結成されたことがわかった。彼はハッカーニを東部の抵抗運動の司令官に、そしてダドゥッラーをヘルマンドの英軍に対する戦闘の指揮に当てた。

3人とも同じ背景を持つ。ハッカーニが最も年上で、地元では有名だ。全員ソ連と戦った経験がある。「彼らは良い人間、良いムスリム、良いムジャヒディンであることを、自分たち自身が証明している」と、タリバン支持者がラシュカル・ガーのバザールで語った。

ダドゥッラーとオマールの2人は宗教教育を少しだけ受けたことがあり、地雷で片足をなくしている。3人ともアメリカ人を憎むパシュトゥン族で、パキスタンの原理主義組織の支援を受けている。イスラーム学者であるハッカーニは尊敬を集め、湾岸地域の原理主義者たちの資金援助がある。情報源によると、ハッカーニの妻の1人はクエート人貴族のサウジ王族の一員であり、この筋から、多数の宗教学校を建設するための資金を得ているという。

ハッカーニは自分が経営するこれらの宗教学校から、同盟軍と戦う学生を多数集めている。ダドゥッラーのほうは、パキスタンのクエッタにあるチャマンで人材を集め、給料を払って、ヘルマンドにいる地元戦闘員たちとともに戦わせている。

パキスタン政府はタリバン支援を否定しているが、国境地帯の人間が宗教的過激運動にシンパシーを感じていることは、明らかだ。カンダハルで同盟軍と戦って死亡した地元の男、アブドゥル・バキの葬儀のために、パキスタンの小さな国境の町、マーモーダバードに100人近くが集まった。バキは宗教学校の学生で、今年タリバンに参加。パンジャワイ地区にあるタリバンの拠点を米軍が爆撃した際に、死亡した。「彼を誇りに思う」と、彼の兄はレポーターに語った。

同盟軍はダドゥッラーを殺害したと宣言したが、先月この40歳の戦闘員はアルジャジーラが放映したビデオに出現し、自動兵器を操り、自爆犯たちに命令を下している様子が映し出された。ダドゥッラーはタリバンのなかでも、最も残虐といわれる。スパイの容疑で、アフガン人6人が斬首される映像もあった。

ダドゥッラーは英兵6人が殺害されたヘルマンド州の抵抗運動の背後にいるとされるが、アメリカの諜報情報によると、宗教的な情熱だけでなく、ドラッグ産業も大きく関係しているという。

ドラッグ密輸とタリバンのリーダーたち、さらにアフガン政府幹部内にいる汚職に手を染めた役人たちが、協力し合っているらしい。パキスタンにはアフガン産のアヘンを生産する、移動ヘロイン工場もある。ドラッグはイランに密輸され、そこからトルコ経由でヨーロッパに入る。

英軍は、激しい戦闘にもかかわらず、国家再建により、人々の心を勝ち取ることができると、期待している。アフガニスタンの英軍司令官のエド・バトラー准将は、技術者たちに建設プロジェクトの協力を要請した。しかし再建計画全体は、はかどっていない。(中略)

オブザーバーたちは、英国政府は自分たちの使命が与えるインパクトを、過大評価していると述べる。(中略)「100パーセントうまくいったとしても、他の場所で多大な努力をしない限り、答えは出ないだろう」と、カブールの欧米外交関係者が語った。

ハッカーニ、オマール、ダドゥッラーは、彼らが送り出す多数のタリバンたちとともに、まだしばらくは捕まらないだろう。

garrHunt for the Taliban trio intent on destruction
Jason Burke

■アフガニスタンの爆弾でベルー人兵士死亡[060708 AP]

アフガニスタン西部をパトロールしていたNATO軍が道路脇に仕掛けられた爆弾の被害を受け、ペルー人兵士1人が死亡、4人が負傷したと、スペイン国防省が発表した。

兵士たちは日没後、ファラの近くを装甲車でパトロールしていたところ、車のそばで爆発があったと、NATO報道官のイアン・クルーニーが述べた。

クルーニーは兵士の国籍を特定しなかったが、スペイン国防省によると、死亡した兵士はペルー人だという。ペルー政府との合意のもとで、スペインの出自を持つペルー人がスペイン隊に参加している。

hoonAfghanistan bomb kills Peruvian soldier
KABUL

■ポロ・フェスティバルを攻撃しようと計画した過激派6人逮捕[060708 AFP]

パキスタンは、欧米外交関係者も参加予定の、ヒンドゥークシュの山中で行なわれるポロの祭典を攻撃しようと計画していた、イスラーム過激派6人を逮捕した。

木曜日、ポロ競技が開催される3日前の木曜日、容疑者たちがシャンドゥールで逮捕された。ムシャラフ大統領も、祭典に参加予定である。

関係者によると過激派は、ラシュカレ・ジャングヴィのメンバーだったという。「逮捕されたのはラシュカレ・ジャングヴィの副リーダーのムハンマド・シャキールとその仲間5人」という。「祭典の最中に攻撃を計画していた」。(後略)

garrPakistan nabs six militants plotting attacks on elite polo festival
ISLAMABAD

■タリバン戦闘員10人「殺害」[060708 BBC]

アフガニスタンの米軍主導軍によると、アフガニスタン南部でタリバン10人を殺害したという。

同盟軍報道官によると、同盟軍兵士8人とアフガン軍兵士1人がカンダハルの戦いで負傷したという。(中略)隊は、カンダハルのパンジャワイ地区で、タリバン戦闘員と激しく戦っているという。土曜日の朝の戦闘で、戦闘員1人も負傷した。

同盟軍は負傷した兵士の国籍を明らかにしなかったが、この地域にいるのは、カナダ軍と米軍である。(後略)

hoonTen Taleban fighters 'killed'

■反米抵抗運動の中[060708 Asia Times]

ビンラディンは病気で隠れているが、9.11から5年経った今、アルカイダの運動はアメリカに対する、グローバルなイスラーム抵抗運動に広がっていった。

アルカイダの幹部に近い工作員によると、ビンラディンは人工透析を受けながら衰弱しているという。「父が最後に会ったとき、オサマは健康を非常に害していた」と、アブドゥッラーと呼ばれる工作員が語った。アブドゥッラーの父親はシェイク・イブラヒムと呼ばれ、ウズベキスタン・イスラーム運動のタヒール・ユルダシェフの腹心である。

シェイク・イブラヒムはビンラディンに「数週間前」に会ったと、6月の末に行なったインタビューの際にアブドゥッラーが語った。アブドゥッラーはインタビューのために、北ワジリスタンからパキスタン北部の町にやってきた。

「ビンラディンは我々に、自分の健康のために祈ってほしいと言っていた。ここ数ヵ月間、透析機に頼っており、動けない。父は彼と会った場所については、言わなかった。しかし彼の健康について、とても心配していた」。

それでもアルカイダのリーダーはまだアフガニスタンにおり、組織の核になっているという。

「ザワヒリはアフガニスタンで勢力的に行動し、指揮している。米軍がイラクに侵攻してから、アラブ人戦士の多くはアフガニスタンからイラクに移った。しかしアルカイダのリーダーは、まだアフガニスタンにいる」とアブドゥッラーは語る。

「(中略)2003年の終わりまで、カラチがアルカイダの拠点となっていた。しかしその後我々は南ワジリスタンに移り、そこで私の父は、シェイク・エサ(エジプト人)とタヒール・ユルダシェフに協力している」。

アブドッゥラーは、ビンラディンは資金難に陥っていると報告した『Asia Times』のレポートを認めたが、困難があっても、リーダーたちはアフガニスタンにとどまるだろうと主張する。アフガニスタンはBilad-i-Khurasan−−ムスリム軍が、無神論(ダジャール)から「アブラハムの国」を解放するために集まる土地−−であると信じているからだ。

「この考えは、アブ・ハーフス(2001年に米軍の攻撃によりカブールで死亡した、アルカイダのナンバー3)が生きていた頃から、聞かされていた。彼はこのことを、よく話題にしていた」。

さらに海外の戦闘員たちが、グローバルイスラーム同盟を結んでアルカイダとタリバンに協力して、米軍と戦っているという。

「現在、金はタヒール・ユルダシェフが持っている。彼は南ワジリスタンで、ウズベク人の若者たちを統括している。金がどこから入るのかは、謎だ。しかし数年前、トルコ人とサウジ人から援助金を受け取るところを、目撃したことがある。2人とも1個人だった。そのとき私はタヒールと一緒で、彼自身がメディナで金を受け取ったのを見た」とアブドゥッラーは語る。

「数ヵ月前ロシアから、イスラームの若者たちの使節団がオマール師のもとを訪れ、ロシア製のミサイルや洗練された武器、現金を提供したいと申し出た。オマール師は、この申し出を断わった」。

「しかし最近、別の出来事があって、国際社会が我々を注目していることがわかった」。

「この出来事は、ウズベク人の間の亀裂から生じた。私が属するウズベクのグループは、タヒール・ユルダシェフの専制的な態度を嫌い、彼から離れた。我々は南ワジリスタンを出て、北ワジリスタンのミール・アリに移った。彼の専制的な態度のほかにも、彼に関してはさまざまな噂がある。どれもタヒールの誠実性に、疑問を投げかけるものだ」。(当時ユルダシェフは南ワジリスタンにいて、地元司令官のアブドゥッラー・マフスードと同盟した。ユルダシェフは、前線で活動していなかった。)

「タヒールのアメリカ人と関係が、ロシアのメディアをにぎわせていた。我々はこれを信じたわけではないが、タヒールがアルカイダやタリバンに対して高飛車な態度をとっていたために、疑問が湧いた」という。

「その後ユルダシェフはCDを通してメッセージを発し、ロシアが彼を陥れようとしていると主張した。タヒールによると、ロシア人たちが彼に接触してきて、南ワジリスタンで彼らと会ってみると、もしウズベキスタンでの抵抗運動をやめれば、アフガニスタンにいるアメリカ人と戦うための資金や武器、爆発物を提供するという申し出をしてきたという」。

「タヒールがCDで語るところによると、彼はこの申し出をその場で断わった。すると、CIAと関係しているという、彼を陥れるためのキャンベーンが始まったのだという」。

これまで『Asia Times』が報告したように、最近南北ワジリスタンでは、これまで以上に結束が固くなってきた。ユルダシェフは以前の横柄な態度を改め、ハッジ・オマルやパイトゥッラー・マフスードなどのタリバン司令官と協力し、アフガニスタンから米軍主導軍を追い払おうとしている。

ohInside the anti-US resistance
Syed Saleem Shahzad

■砂漠における死、窮地に追いやられた隊に重くのしかかる[060708 Guardian]

地元の人間は「死の砂漠」と呼んでいる。ヘルマンド州に広がる、熱い、平な、砂嵐の広がる地形。しかし英軍の基地であるキャンプ・ベイションの周囲に与えられたこのあだ名は、さらに邪悪な意味を持ち始めた。

木曜日の夜明けにチヌーク・ヘリコプターは、数時間前に死亡した19歳のパラシュート隊員、デイミエン・ジャクソンを連れ帰った。仲間はキャンプの衛星インターネット・システムを遮断して、彼の死が、両親が知るよりも前に広まることを防ごうとした。

(中略)1月、イギリスの官僚や将軍たちが3000人以上の兵士を派遣することに同意した際に思い浮かべたヘルマンドの筋書きは、思いどおりに進んでいない。

開発プロジェクトで村人たちの気持ちを勝ち取ろうとした計画は、ヘルマンド最大の2つの町、ラシャカル・ガーとゴレシュク以外のほとんどの町がタリバンの支配下にあるために、手つかずのままだ。州北部の4つの地域、サンギン、カジャキ、ムサ・カーラ、ナウ・ザードに派遣されたパラシュート隊は、抵抗勢力の銃撃で迎えられた。今週タリバンは、同時に3つの小さな基地を攻撃してきた。

しかし敵意は、地元の村人からも感じられる。パトロール隊は村人の仏頂面で迎えられ、車は密かに尾行され、通行人は指で喉を斬る動作をしてみせる。

いま敵は、キャンプ・ベイションにやってきた。ここでの最大の戦いは、暑さだ。温度は50度にのぼり、エアコンがあっても汗が吹き出す。

パラシュート隊の雰囲気は、入り乱れている。イラクの平和なメイサン州からやってきたこの隊は、ここで活躍することを心待ちにしていた。「イラクでの負傷者は、ジムで怪我した奴らだけだった」とバックレイ兵長が語る。

しかしアフガニスタンは、彼らが思っていたよりももっと挑戦的だった。「まるで地獄だ。最悪の状態。それ以上の言葉はない」と、ある兵士が述べた。

(中略)アフガン人通訳も、落ち着かない。仲間の1人が先週戦闘で殺された。暗殺や襲撃を免れるために、公に出るときには、顔を隠す。「やりたくないけど、金のためには仕方ない」と、通訳のスィディークが語る。月600ドルという給料は、公務員である兄の12倍だ。

幹部高官は、アパッチ戦闘ヘリコプター8機の威力に感銘を受けている。各機3800万ボンドの維持費がかかるアパッチは、アフガニスタンで初めての戦闘に参加して、タリバンを多数殺害した。「本当にすごい」と、スチュアート・トゥートル中佐が語る。

しかし地上軍は、仲間のアフガン警察についての不平がつのる。訓練に欠け、汚職がはびこる警察官たちは、戦闘を目の前にすると逃げてしまう。夜になると、タリバンの味方になる者もいる。

さらに、武力を使うことで自分たちの使命−−心をから取る−−を達成することができるのか、迷うものもいる。「ひとつ言えることがある。我々の使命はいったい何なのかを決めなければならない。人々の心を勝ち取ることと戦闘を、同時にすることはできない。そんなこと、あり得ない」と、ある兵士が語った。(後略)

hoonDesert of death takes its toll on beleaguered troops
Declan Walsh、Camp Bastion

■アルジェリア人、アメリカが用いる闇の手を語る[060707 New York Times]

2年前、アフガニスタンの暗くて汚い収容所で囚人たちは、夜ごと自分たちの電話番号を繰り返して教え合った。外に出た者は家族に電話をかけて、まだ彼らが生きていることを知らせることになっていた。

少なくともそのうち2人が釈放され、暗記した電話番号のおかげで、再びお互いコンタクトがとれた。

そのうちの1人のドイツ国籍のハリッド・エル・マスーリが、アメリカの対テロ引き渡しプログラムで拘束されたてんまつは、去年明らかになった。彼がアメリカによっ誤認逮捕されたことは、ドイツとアメリカの関係者が認めている。しかしもう1人のアルジェリア人、レイド・サイディの話は、今回初めて明らかにされ、アメリカの秘密収容所に対する疑惑が新たに浮上した。

2003年5月にサイディ氏は、タンザニアから国外追放となった。ワッハーブ派を支援していたイスラームの慈善団体である、アル・ハラマインを運営していた疑惑がかけられたためだ。タンザニアでは当時、彼の逮捕が報じられたが、その後彼がどこに行ったかは、わからなかった。

最近のインタビューでサイディ氏は、国外追放になったあとでアメリカの工作員に引き渡され、アフガニスタンに連れて行かれて、16ヵ月間拘束されたと語った。その後、罪状も拘束され理由も明らかにされないまま、アルジェリアに帰らされた。逮捕されたときに偽パスポートを持っていたことは認めたが、テロリズムとは関わったことはないと、彼は語る。

弁護士の事務所で白い服と白い縁なし帽を被った彼は、2004年8月に釈放される前に渡されたという、白い靴を持っていた。彼が拘束されていた唯一の肉体的証拠は、手首についた消えかけた傷跡だ。5日間、天井から吊るされていたという。

(中略)アメリカ、タンザニア、アルジェリア当局は、サイディ氏の疑惑についてコメントすることを拒否したが、マスーリ氏は、彼がアフガニスタンの収容所にいたときに、サイディ氏に会ったと言っている。(中略)

アメリカの諜報機関は、アル・ハラマインがテロリズムに資金を流していると疑ってきた。2003年までに、ハルマイン支部がいくつか閉鎖され、翌年、サウジはこの慈善団体を解散させた。アル・ハラマインの取り締まりでサイディ氏が拘束されたかどうかは明らかではないが、彼が仕事に出ようとしたところを、タンザニア警察に取り囲まれたという。その夜、彼はダルエス・サラームの刑務所に入れられた。「偽パスボートを持っていたから逮捕されたと思ったが、そのことは黙っていた」。

3日後にマラウィの国境に連れて行かれ、マラウィに引き渡された。そのころから、様子がおかしいと感じたという。(中略)その後飛行機に乗せられた。

(中略)長い旅で、飛行機が着陸すると、大音響の西洋音楽がかかった「暗い拘置所」に入れられた。電気がつけられることは、ほとんどなかった。窓かない独房に入れられて壁に縛られた。

ある晩、3番目の拘置所に移されたときに、看守にアフガニスタンにいることを告げられた。カブールの郊外だという。(中略)そこでアル・マスーリに会った。(後略)

garrAlgerian Tells of Dark Term in U.S. Hands
CRAIG S. SMITH and SOUAD MEKHENNET、ALGIERS

■ロンドン自爆テロ犯の2人は、アルカイダの訓練を受けた[060707 AP]

去年ロンドンを攻撃した4人の自爆犯のうちの2人は、自爆攻撃の準備のためにアルカイダのキャンプで訓練を受けたと、組織の副リーダーであるザワヒリが金曜日にビデオで主張した。

イギリス当局は以前、シャーザッド・タンウィールとスィディーク・ハーンがパキスタンを訪問したことを知っていると述べていたが、ザワヒリは彼らがアルカイダの基地にいたことを、初めて主張した。「2人とも殉教を追求し、殉教を実施することを望んでいた」という。

さらにビデオには、英語を話すアルカイダのメンバーが、中東やアジアにイギリスやアメリカが介入していることを非難し、アルカイダの攻撃で死亡した欧米人に対して、ムスリムは「涙を流す」必要はないと述べた。

話者はアラビア語のニックネーム「アザム・アル・アムリキ」(アメリカ人のアザム)と名乗った。この名前はアダム・ガダーンと特定されたが、以前アルカイダのビデオに出演した時に用いた名前と同じである。アダム・ガダーンはカルフォルニア出身のイスラーム教徒改宗者で、パキスタンにあるアルカイダの訓練所に参加した疑いで、2004年以来、FBIによって指名手配になっている。

ザワヒリは、2人のロンドンの爆弾犯がいつアルカイダの訓練所を訪れたかについては、言及しなかった。

ザワヒリによると、タンウィールとハーンは訓練所にいる間、自爆攻撃に関係のない話題をしていた戦闘員たちには、関心を持たなかったという。「彼らがアルカイダのジハード基地に来た目的は、殉教作戦を実施するためだったから」である。

(中略)31分に及ぶこのビデオは、過激派のメッセージを掲載することで有名な、イスラームのウェブサイトに登場した。ロンドンの爆弾テロの1周年に合わせて、掲載されたようだ。かなり短く編集されたビデオが、木曜日、アルジャジーラで放映された。

ビデオの一部は最近録画されたようで、十代のイラク人の女性が米軍によってレイプされた後に殺害されたことが明らかになった6月30日のニュースに、英語を話す男が言及していた。

(中略)ニューヨークのテロ組織コンサルタントのエヴァン・コールマンによると、この男は、1990年代に十代の時にカリフォルニアでイスラームに改宗した、ガダーンだという。FBA関係者によると、2年前にガダーンはアルカイダの訓練所に行き、テロ組織の通訳をしていた。「アルカイダ幹部に属する、唯一のイギリスあるいはアメリカ人だ」という。

ビデオはロンドンの爆弾犯、タンウィールの長い告白を含み、攻撃を決意した動機を説明し、今後さらに攻撃があることを警告した。(後略)

hoon2 London bombers al-Qaida trained
JASPER MORTIMER and OMAR SINAN、CAIRO

■アフガニスタン南部の戦闘で6人死亡[060707 AP]

同盟軍兵士1人と戦闘員5人がアフガニスタン南部の戦闘で死亡したと、同盟軍が金曜日に発表した。

木曜日、戦闘員たちがヘルマンド州のバグラム谷で車列を襲撃し、兵士1人を殺害、1人を負傷させた。同盟軍が応戦し、戦闘員5人が死亡したと、同盟軍報道官のクリス・ミラー軍曹が語った。死亡した同盟軍兵士の国籍については、明らかにされていない。

別の外国人軍関係者によると、死亡したとはアメリカ人だという。

hoon6 killed in clash in southern Afghanistan
KANDAHAR

■「アフガン一般民15人、米軍の爆撃で死亡」[060707 News]

水曜日にヘルマンド州のカジャキ地区を米軍主導同盟軍が爆撃し、アフガン人の一般市民が死亡した。遺族や目撃者によると、女性や子供を含む一般市民15人が、同盟軍機の爆撃で死亡したという。

これに先立ち同盟軍は7月5〜6日の間に、ヘルマンド州の「有名なタリバンの敷地」を空爆し、タリバン戦闘員35人を殺害したと発表していた。同盟軍は、一般市民が死亡したことを否定している。

しかし村人によると、カジャキ地区のゲッチ・ザール村にあった民家2軒を同盟軍が爆撃し、少なくとも11〜15人の一般市民が死亡したという。(後略)

garr'15 Afghan civilians killed in US strike'
PESHAWAR

■6人目の英兵死亡で、不満が高まる[060706 Guardian]

ヘルマンドの砂漠の上を、敵の攻撃を警戒しながらヘリコプターが旋回する。その中でパラシュート隊が武器を握りしめて、サンギンに降り立つのを待っている。

しかし投下地点の5マイル先では、すでに戦闘が始まっていた。落下地点の安全を確保するために派遣された先発パラシュート隊を、タリバンが襲撃していた。戦闘が激しくなったため、4機、兵士を運ぶチヌーク2機と先導機であるアパッチ2機が、南部に向かった。『Guardian』記者もこれに同乗した。35マイル離れたキャンプ・ベイションにいる司令官と連絡をとる。着陸するべきだろうか。

数分後ヘリコプターは基地に戻った。戦闘が行なわれている基地に援護に向かいながら中止されたのは、これで4度目だ。

しかし兵士のうち1人は、帰ることはなかった。後に関係者が、パラシュート隊員1人が落下地点での襲撃で殺害されたと語った。3週間で、6人目の死者である。

昨日の襲撃は、ヘルマンド州に派遣される英軍3150人が、全員そろって1週間経った時点で発生した。戦火の洗礼を受ける羽目になってしまった。司令官たちは、戦闘を予測していたというが、これほど激しいものとは思っていなかったようだ。

40日の間に、サンギンは危険な地域になった。警察の敷地内に派遣された150人の英軍パラシュート対が7晩のうち6晩、襲撃された。昨日1人、先週の土曜日の夜、2人の兵士が死亡した。

タリバンが入って来たために、サンギンから市民は消えてしまった。タリバンはしぶとく、戦術にたけた、洗練された敵だ。毎晩ロケット弾やマシンガン、AK-47が、警察本部の壁や砂袋に撃ち込まれる。

兵士たちによると、基地から300メートルほどのところで、抵抗勢力は近くの屋根や木々の後ろから様子を伺っているという。「我々は日中は防御壁を作り、夜は戦闘に従事する。ここはディズニーランドではない」と、月曜日に帰ったケリー・ブルは語る。

双方に言い分がある。英軍は、抵抗勢力たちをコントロールできることを見せつけ、数百万ポンド分の開発を実現させるための道を開きたい。タリバンはたとえ大量の死者が出たとしても、その正反対のことを望んでいる。彼らは大胆だ。最初の攻撃は暗闇の中で始まり、昨日は午後3時に襲撃してきた。

(中略)武装した農民や他の州から入ってきた傭兵、さらに麻薬密輸と関連した民兵がタリバンを取り囲む。(後略)

hoonFrustration in the air as sixth British soldier dies
Declan Walsh、Camp Bastion

■同盟軍兵士とタリバン8人、新たなアフガニスタンの戦闘で死亡[060706 AFP]

アフガニスタンで同盟軍兵士1人と抵抗勢力8人が、新たな戦闘で死亡した。

国籍が明らかになっていない兵士が水曜日、パクティア州で「過激派」の攻撃を受けて死亡したと、米軍主導同盟軍が発表した。

アフガン軍司令官によると、同じパクティア州のガヤンで、2時間にわたる銃撃戦でタリバン2人が死亡したという。抵抗勢力5人も逮捕されたという。

今年になってからアフガニスタンでは同盟軍兵士50人が死亡している。そのうち30人以上が米兵である。

(中略)これとは別に水曜日にザーブルで、戦闘員6人が殺害され、6人が逮捕された。(後略)

hoonCoalition soldier, eight Taliban killed in new Afghan clashes
KANDAHAR

■カブールで爆発、英兵と抵抗勢力40人死亡[060705 AFP]

カブールで政府のバス2台が爆発し、1人が死亡、50人ほどが負傷するいっぽう、南部では英兵1人とアフガン兵1人と、タリバン40人近くが死亡した。

火曜日に発生した、手押し車に爆発物を搭載して爆発させた2件の事件に先立ち、比較的平穏だったカブールでは5人が負傷した2件の爆発事件があったばかりである。

(中略)爆発は最小限の被害を与えるように作られていたが、町には大きな衝撃が走った。

最初の爆発は朝のラッシュアワー時に、ハイール・ハナで働く政府職員を乗せたバスで発生し、1人が死亡、4人が負傷した。1時間前には、アフガン国軍関係者を乗せたバスが爆発した。約40人が負傷した。

(中略)タリバン報道官のムハンマド・ハニーフが、3つ目の爆発が軍訓練所のそばで発生したと発表した。警察もこれを確認したが、負傷者はいない模様である。爆弾ではなく、古い迫撃砲が暴発しただけだという。

(中略)ヘルマンド州のサンギン地区で、抵抗勢力を捜索していた英兵が死亡した。

火曜日に米軍主導同盟軍が同じヘルマンドにあった有名なタリバンの拠点となっていた敷地内で、抵抗勢力35人を殺害している。

さらに水曜日にザーブルの戦いで、タリバン3人とアフガン兵1人が殺害された。

hoonBombs hit Afghan capital while British soldier and 40 rebels killed
KABUL

■部族民100人、釈放される[060705 News]

南ワジリスタンの作戦の際に逮捕された長老100人が火曜日、北西辺境州知事アリ・ムハンマド・ジャン・オラクザイの指示で釈放された。

これを受けて、平和委員会のカニ・ガラム会長とタリバン司令官のアブドゥル・ラシード・ブルキはジルガで、「この動きは部族民1000万人の心を勝ち取った」と述べた。「FATAの部族民は、問題を解決するために、このような知事を歓迎する」。

部族民と政府の架け橋は、オラクザイによって達成されたと述べ、そのためにタリバンは1ヵ月の停戦を決めたのだという。(中略)

hoon100 tribesmen released
WANA

■CIA、ビンラディン逮捕のための部門を閉鎖[060704 New York Times]

CIAが、ビンラディンとザワヒリを捜索するために活動していた部門を閉鎖したことを、月曜日に諜報機関関係者が確認した。

Alec Stationと呼ばれる捜査部門が去年閉鎖され、CIA内にいた部門のアナリストたちが辞職したという。

今回の動きは、アルカイダは以前のような階級的な組織ではなくなり、ビンラディンやザワヒリとは関係がない、アルカイダ系の組織が成長し始めていることに起因するという。

組織関係者によると、ビンラディンの仲間を逮捕することはいまだに最重要事項であり、部門の閉鎖は、逮捕に力を入れなくなったからではないという。特定の組織や個人ではなく、地域的傾向に焦点をあてることのほうが、重要だと考えたからだという。

部門の閉鎖は、月曜日に『National Public Radio』で告知された。

ビンラディン捜索部門のトップだったCIA前幹部、マイケル・ショーアーは、今回の動きは、ビンラディンがもはや脅威ではなくなった結果だと述べる。しかしこれは間違いだと指摘する。「アルカイダに対する作戦に、支障をきたす」。「最近ビンラディンとアルカイダは、その他多数の1つとしか見られていない」。

イラクでの戦争のために、諜報機関やペンタゴンの人材が、最近は新たな使命に従事している。たとえば軍の対テロ部隊であるDelta Forceは、ビンラディンの捜索から先月殺害されたザルカウィの捜索のために、移動していった。

ある諜報機関関係者によると、ビンラディン捜索部戦の閉鎖は、組織の実態が明らかになってきたからだという。「アルカイダに対する認識は、1990年代後半とは明らかに違う」と語る。「朝起きると、ビンラディンの捜索をしている人間が、いまだにいる」と付け加えた。(後略)

hoonC.I.A. Closes Unit Focused on Capture of bin Laden
MARK MAZZETTI、WASHINGTON

■戦闘員、アフガン市民を殺害[060704 BBC]

タリバンが、アフガニスタン東部の米軍基地で働くアフガン人5人を射殺した。また1人が月曜日、クナール州のコランガール地区で発生した襲撃で、負傷した。

これとは別に、カブールで爆破があり、少なくとも7人が負傷した。

警察によると、男たちはクナール州で仕事から帰る途中に武装した男たちに車を制止され、発砲されたという。

カブールでは2件の爆発があり、そのうちの1つは大統領宮殿のそばで発生した。手押し車か自動車の中に、爆発物が隠されていた。意図的な爆発かどうかは、わからない。

NATO報道官によると、大人2人と子供2人、手押し車を弾いていた男が負傷したという。

またこれに先立ち、カブール東部でリモートコントロール爆弾が爆発し、警察官2人が負傷した。これまでカブールでこのような事件が起こることは稀だったが、最近自爆攻撃が3件も発生している。(後略)

hoon'Militants' kill Afghan civilians

■タリバン、米軍のアフガン人通訳、殺害[060704 New York Times]

先月、同盟軍のために働くアフガン人通訳が少なくとも10人殺害されたために、同盟軍は警備方法を考え直している。

殺害された通訳のうちの何人かは、外国軍に同行した際に殺害されているが、他は同盟軍のために働いているということでタリバンに狙われていると、他の通訳が述べた。ほとんどが若いアフガン人で、アフガニスタンで英語を学んだ者たちだ。

(中略)同盟軍報道官であるカナダのクエンティン・イニス少佐によると、通訳たちがはその職種のために殺害されているかどうかは、わからないと語る。「しかしどんな場合でも、アフガン人が殺害されれば問題だ。いかにして警備を強化できるか、検討中だ」という。

6月15日にはカンダハルの米軍基地に向かっていたアフガン人5人が、バスの爆発で死亡した。これまでアフガニスタン南部の戦闘で、2人が死亡した。1人は土曜日に、ヘルマンド州で英軍のために働いていた男で、もう1人は1ヵ月前に、ザーブルで米軍のために働いていた。

このほか3人が、今週カンダハル西部を移動中、タリバンの検問所を通過した際に殺害されたと、イニス少佐が述べた。通訳たちは武装し、銃撃戦に加わったという。4人は、なんとか逃げ延びた。4人は、カンダハルの米軍特殊部隊基地で働いていた。

電話でインタビューしたある通訳は、タリバンに警告されたために、土曜日に辞職したという。外国軍のために働く人びとに対する警告のビラが、出回っている。先週殺害された、仲間のことを語った。

その仲間の1人であるアーマッド・シャーは、先週カンダハル西部のサンゲサールに友人たちとピクニックに出かけたところを、タリバンに射殺された。タリバンに見つかると、シャーが米軍のために働いていることをとがめられたという。すぐに辞めると言うと、「遅すぎる」と言って、友人の目の前で射殺されたらしい。

別の通訳も、以前カンダハル北部のロヤ・ワラの路上で射殺されたと付け加えた。被害者はタリバンから何度も警告されていたが、仕事を辞めなかったという。

土曜日に辞めた通訳によると、常に脅迫されていたために、カンダハルの米軍基地に入るときには、顔を隠していたという。タリバンのスパイと思われるバイクに乗った男たちが、基地に入って行く人間を監視していたと語った。

『New York Times』のために働く通訳も、タリバンに近い人間から、間接的に脅迫された。カンダハルの基地に車を運転して入っていく所を目撃され、彼の車種やナンバー・プレートが記録されていたという。「アメリカ人のために働かないよう、彼に言え」という警告が、タリバンから彼の親戚に渡された。

月曜日にカンダハルにある政府のゲストハウスの外で、自爆事件があり、警察官1人が死亡、3人が負傷した。また月曜日にヘラートで、ヘラート大学の女子学生の教室で爆発があり、学生1人が死亡、6人が負傷した。爆弾は、ゴミ箱の中にあったという。幸い、授業が終わったあとに爆発したために、学生はほとんど教室に残っていなかった。

garrTaliban Kill Afghan Interpreters Working for U.S. and Its Allies

■パキスタン兵6人、爆発で死亡[060704 News]

月曜日、建設中のディール〜チトラル道路で改良爆弾が爆発して、車に乗っていたディール・スカウトの兵士6人が死亡、3人が重傷を負った。

政府関係者と地元住民によると、事件はロワー(下)・ディールのタィメルガナから4キロ離れた、アフガン難民キャンプのそばで起きた。ディール・スカウトが、クエッタの軍大学の軍関係者を乗せた2台の車をエスコートしていた。チトラルで開催されるポロ競技の警備をするために、シャンドゥール峠に向かうところだったという。

爆発は非常に強力で、目撃者によると、兵士1人の遺体は近くのパンジュコルハ川に飛ばされ、車は粉々になった。

garrSix Pak troops killed in blast
Mohabat Shah、TIMERGARA

■パキスタン兵、爆発で死亡[060703 BBC]

パキスタンの北西辺境州で道路脇で爆発があり、パキスタン兵6人が死亡した。

ディールで兵士たちが乗った車が爆発し、兵士7人が負傷したと、ショーカット・スルタン軍報道官が述べた。地元警察関係者によると、爆弾は自家製のようだという。

宗教的に保守的なディールでこのような爆発があったのは、初めてのことである。

現在の報告によると、道路脇で起きた爆発のようだ。地雷の可能性もあると、スルタン中将が述べた。

軍によると、隊はチトラルに向かう途中で、チトラルで計画されていたポロ・トーナメントの警備を担当することになっていた。ディールはイスラーム過激派の温床になっているといわれている。(後略)

ohPakistan soldiers killed in blast

■アフガニスタンで戦闘員「殺害」[060703 BBC]

アフガニスタンにいる米軍主導同盟軍によると、アフガニスタン南部の戦闘で、戦闘員20人を殺害したという。軍によると、戦闘員が日曜日に、ヘルマンド州でパトロールをしていた同盟軍を襲撃した。

これとは別に、カンダハルでヘリコプターが墜落し、同盟軍兵士1人が死亡した。AH-62戦闘ヘリコプターの墜落原因は、敵の攻撃のためではないという。

カンダハル空軍離着陸場に対してロケット弾攻撃があったために、ヘリコプターが対応しようとしていた。日曜日に墜落したヘリコプター事故で、同盟軍兵士1人も負傷した。死亡した兵士と負傷した兵士の国籍はわからない。ロケット弾攻撃で、負傷したものはいない。

hoonMilitants 'killed' in Afghanistan

■対抵抗勢力の作戦で、米軍とアフガン軍の間に亀裂[060703 New York Times]

国防相によると、3月20日にカブールで実施された米軍とアフガンによる家宅捜査において、抵抗勢力に対する手入れ−−特にカブールにおける手入れ−−で、米軍とアフガン国防省の間に亀裂が生じたという。

この手入れは、覆面をした米軍特殊部隊とアフガン国軍兵士8人で行なわれ、6人の男が逮捕された。アフガン軍兵士がこの家宅捜査に加わったが、国防相のアブドゥル・ラヒーム・ワルダック将軍によると、事前に何も知らせれていなかったという。そのために、今後民家に対する家宅捜査にアフガン軍が参加してとならないと、命じた。

「我々は、このような警察活動に関わらないようにしている。関われば、軍に打撃を与える」と、ワルダック将軍は先週語った。「我々は警察に協力したいが、警察の仕事はしない」。

これまで米軍は、アフガン政府が抵抗勢力の手入れに対して主導権をもつことに抵抗してきたが、手入れの際にアフガン軍を用いようとしている。「入手した諜報情報や、作戦が迅速に行なわれなければならないことを考えると、合同軍はすみやかに行動し、利用できる人材を使わなければならない」と、カブールの米軍報道官のジョン・パルディスが語った。

「チームは、信頼のおける情報をもとに動いていた。ある人間が、改良爆弾の用い方を含む、反アフガン活動と関係しているという情報を得て行動した」と、パラディス将軍が述べた。

逮捕された男のうちの5人は、一家の長、ハッジ・アミンウッラーの息子だった。兄弟たちは有名なスポーツ選手たちで、1人はボクシングのチャンピオン兼トレーナー、もう1人はバレーボールのナショナル・チームの選手で、これまで抵抗運動はもちろん、政治に関わったことがないと父親は語る。「私の息子たちは、麻薬やテロに関わるような子供たちではない」という。一家の隣人によると、隣人の末息子も逮捕されたが、2日後に釈放されたという。

アフガニスタンの人権団体が米軍に、この兄弟の件を追求している。男たちはバグラム空軍基地に拘束されている。

パグラム収容所が持つ悪いイメージや米軍が行なう手入れのために、アフガン一般市民は政府に反感を持つようになた。これを解消しようとしているのだと、ワルダック将軍は語った。

(中略)暴力沙汰が続くなか、アフガン政府によると、米軍による一般市民の手入れや拘束、襲撃のために、民衆は政府を信用しなくなっているという。「まずは正確な諜報情報を得なければならない。誤った情報のために、誤った逮捕をしたケースが多々ある」とワルダック将軍は語る。「まず警察が捜査をするべきだ。外国軍ではない」。家宅捜索や逮捕をする場合、まずアフガン政府に知らせるべきだ」と、付け加えた。「このことに関してずっと話し合っている」。「少しずつ、改善してきてはいる」。

来年国防省は、カブールにあるプーリ・チャルキ刑務所の警備も担当する。グアンタナモからは、アフガン人100人が帰還する予定だ。彼らには裁判を受ける権利が与えられるという。

アフガン兵は、戦場で戦闘員を追跡している場合と、捜索の場に警察官がいない場合に限って家宅捜索を許されると、ワルダック将軍は語る。

家宅捜査に参加したアフガン兵司令官、シェール・アーマッド少佐によると、アフガン兵は今後家宅捜索に参加してはならないと、命じられたという。「家宅捜査をするのは今回が初めてで、最後にしなければならないと命じられた」と述べた。

カブールの第3連隊に属するムハンマド・ナビ少尉が、家宅捜査に加わった。当日、彼の隊は米軍と一緒に、ロガール地区をパトロールしていた。カブールに戻る際にヘイール・ハーナ地区に寄り、民家を包囲した。

手入れからは、何も出てこなかった。自分が知っている限り、怪しいものは何も発見されなかった。家の所有者のアミヌッラーによると、午後7時半に夜の祈りのためにモスクに行ったところ、兵士たちが11時まで帰らせてくれなかったという。

家に帰ると、5人の息子が連行されるところだった。「1人は靴もはいていなかった。だから私のを与えたんだ」という。兵士たちはかなりの額の金が家にあるのを発見したが、アミヌッラー氏は自分の金だと言って、奪い返したという。

息子のサベールの友人で、一緒にいた隣の家のハミッドゥッラーも逮捕された。「誰かが門を蹴り始めたので、強盗だと思った」。「伏せるように命令これた」とサベールは語る。その後、質問された。「『麻薬を持っているな。ヘロインはどこにある』。『ヘロインを私の家で見つけたなら、私を撃っていい』と、答えた」という。「我々は15年間も隣人だった。この家も、また周辺の家でも政治的問題に巻き込まれたことはない、と言ってやった」。

米兵たちは、兄弟の携帯電話とビジネス・パートナーからもらった4900ドル、欧米の映画やスポーツ番組のビデオテープ30本以上、スポーツの道具が入った大きなバッグを持ち去ったと、ハミッドゥッラー氏は語る。6人はダルラマンにある軍の基地に連れて行かれた。目隠しをされ、ひとりひとり質問された。そこにいる間、アフガン兵には会わなかったという。

翌日ハミッドゥッラーは兄弟について質問された。アメリカ人捜査官は、彼らの釈放を許す事実は何も見つかっていないと述べた。しかし2晩後、アフガン人通訳によって目隠しをされ、車に乗せられて幹線道路で降りるようにいわれた。兄弟たちはバグラム収容所に連れて行かれた。国防省は、5人がいまだにそこにいることを、確認した。

アミヌッラーによると、息子たちの前ビジネスパートナのアブドゥッラー・シェキーブ・サタリが、兄弟たちが、共同で営んでいたスポーツ店から手を引いたあと、借金返済に困って嘘の情報を流したと疑っている。

サタリ氏はアフガニスタンのボクシング協会会長で、去年の国会議員選挙に落選した。彼は兄弟の逮捕と関わっていないと語っている。「彼らは私の親友だ。協力したい」。「彼らに敵はいない」と語った。

hoonU.S.-Afghan Foray Reveals Friction on Antirebel Raids
CARLOTTA GALL、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.