【2006年7月10日〜7月16日】
●アフガニスタン南部の対タリバン戦闘に終わりは見えず、この地域から抵抗勢力を一掃して地元政府が支配力を持つまで戦いは続くと、米軍主導同盟軍が日曜日に述べた。
●南部の山岳地帯や砂漠地帯、アヘン畑地帯に1万兵以上が、タリバンを掃討するための「Mountain Thrust作戦」に参加している。2001年以来、アフガニスタンでの最大の戦いだ。
●「目的は、これまで数年間政府の力が及ばなかったこの地域に、その力を拡大できるようにすることだ」と、カブールの米軍報道官のトム・コリンズ大佐が述べた。「そのために、『Mountain Thrust』には終わりはない」。
●米軍・英軍・カナダ軍から、多数の負傷者が出ている。ヘルマンド州の戦闘では、24時間の間にタリバン70人が殺害されたという。道路脇に仕掛けられた爆弾や自爆攻撃で、アフガン兵と一般市民10人が死亡し、同盟軍兵士1人が襲撃されて死亡した。
●(中略)カルザイ大統領は、同盟軍が一般市民多数を巻き添えにして死亡させていると批判した。
●ザーブル州で日曜日、同盟軍兵士が戦闘で重傷を負ったと米軍が発表したが、兵士の国籍は明らかにされていない。
●日曜日にヘラートをパトロールしていたアフガン軍が、道路脇に仕掛けられた爆弾の被害を受け、6人が死亡し、3人が負傷した。
●パクティア州のガルデズの軍検問所の近くで、自爆犯がアフガン市民4人を殺害し、23人を負傷させた。
U.S. vows to continue anti-Taliban blitz●日曜日に自爆犯がアフガニスタンの政府関係建物の外で自爆し、一般市民3人とアフガン兵1人を殺害した。
●爆発物を身につけた犯人が、ガルデズの州政府関係の建物の外で自爆し、数十人を負傷させたと、州政府関係者が述べた。
●日曜日にヘルマンド州のナザドで、英軍とアフガン軍が激しい攻撃を受けた。数日前にこの地域は、タリバン200人に乗っ取られそうになった。
●英軍報道官のドリュー・ギブソン大尉が、「18日の間に、27回攻撃された」と述べた。「我が軍は病院から攻撃されている。病院を攻撃させようとしているようだ」。
●土曜日の夜遅く、ヘルマンド州のサンギン地区では2カ所で戦闘があり、同盟軍とアフガン軍が空爆に援護されて、タリバン35人を殺害したと、ヘルマンド警察長官が述べた。
●「同盟軍とアフガン軍が参加した戦闘の1つでは、タリバン27人が殺害された。別の戦いでタリバン8人が殺害された」と、ナビ・ムッラーヘイルが『ロイター』に述べた。同盟軍とアフガン軍の間には、負傷者はいない。
●同盟軍からコメントはなかったが、土曜日に、サンギンをタリバンから奪回したと発表している。同盟軍によると、同じ地域で発生した夜明け前の戦闘で、タリバン10人を殺害したという。(後略)
UK troops under fire in Afghanistan●土曜日に北西辺境州知事のアリ・ムハンマド・ジャン・オラクザイが、2004年7月にアルカイダと関係があるとして逮捕された南ワジリスタン行政区の長老2人の釈放を命じた。イッダ・ハーンとダワール・ハーンは、2004年6月にシャカイ谷で実施された軍事作戦の際、外国人アルカイダ戦闘員たちに協力した疑いで、逮捕された。
●「シャカイ和平委員会と南ワジリスタンのジルガの要求を受けて、長老たちが釈放された」という声明が、発表された。2人は条件づきで釈放されたという。「2人とも戦闘員に協力したり、匿ったりしない。政府関係者を攻撃したり、国家機関に危害を与えない。開発計画を促進するために政府に協力し、この地域に駐屯する治安機関に抵抗しない」という条件である。
●情報源によると、2人の長老は軍の「監視下」にあり、部族民たちの誠意に答えるために、知事が釈放に「影響力を及ぼした」という。2人とも、「この地域に大きな影響力を持っている」と付け加えた。
Orakzai orders release of two Waziristan elders●土曜日に、ヘリコプターで降下した数百人同盟軍部隊が砂漠の中のタリバンの町を奪回し、米軍がアフガニスタン各地で戦闘員と戦った。
●(中略)夜明け前、英軍パラシュート部隊員300人以上が、米軍とカナダ軍に援護されて、タリバン数百人が戦闘に備えて集まっていたサンギンを襲撃したと、同盟軍報道官のスコント・ランディーが述べた。
●「同盟軍はタリバン10人を殺害し、他を追い出した。まだ近くに仲間が潜んでいるかどうかは、わからない」という。(中略)同盟軍は、タリバンの脅威がなくなるまで、サンギンに留まり、再建計画を促進させるという。
●サンギン谷はタリバンやアフガニスタン南部の犯罪、さらに芥子栽培の「自然の回廊」になっている。(中略)
●また米軍はウルズガン州のチョーラ地区で、戦闘員31人を鵜殺害した。(後略)
Clashes in Afghanistan kill 40 militants●土曜日にアフガニスタン南部の各地で、同盟軍とアフガン軍が戦闘員40人以上を殺害したと、米軍が発表した。
●金曜日にウルズガン州で発生した戦いは土曜日に持ち越され、チョーラ地区で戦闘員31人が殺害されたという。
●金曜日にウルズガン州のディラウード地区で、アフガン軍と同盟軍がブルカを被っていた2人の「外国人」男性を殺害し、タリバン5人を逮捕したと、アフガン国防省が発表した。外国人の国籍はわからない。
●現場にいた兵士たちが、爆弾を装着したベストや道路脇に仕掛けられた爆弾16発をはじめ、爆発物の材料を発見したという。
●これとは別にウルズガン州で、同盟軍とアフガン軍がヘルマンド州のサンギン地区にいた戦闘員たちを攻撃し、戦闘員10人を「短い戦い」で殺害した。
●「タリバンをサンギンから一掃しようとしている」と、アフガニスタン南部の同盟軍司令官、デビッド・フレーザー准将が述べた。(後略)
Dozens of militants killed in Afghanistan●アフガニスタンの戦闘で、同盟軍兵士が死亡した。
●米軍は、死亡した兵士の国籍を述べることを拒否したが、カンダハルには、主にカナダ兵が派遣されている。
●また同盟軍のパトロール隊が、カンダハルの空爆で死亡した戦闘員10人の遺体を発見した。
Coalition soldier dies in Afghanistan●アフガニスタンにいる英軍が、ヘルマンド州の町にいたタリバン戦闘員に対して500ポンドの爆弾を投下したことに対する、正当性を主張した。
●目撃者によると、一般市民の犠牲者が多数出たというが、英軍は、証拠がないという。ナウザードの住民が語ったところによると、爆撃機が少なくとも爆弾3発を投下し、店や学校が破壊されたという。
●英軍は1ヵ月の間、この地区の政府関係の建物を守っている。
●英軍司令官によると、ここ2週間の間、たえずタリバンに攻撃され、米軍に爆撃を依頼した際には、タリバンに基地を乗っ取られそうな状態だったという。
●英軍は、タリバンが迫撃砲を発射するために、学校を利用していたという。
●現在のところ、25人から200人が死亡したといわれるが、正確なことはまったくわからない。
●ヘルマンドの司令官のチャーリー・ナッグスによると、一般市民に犠牲者がいたという証拠はなく、軍を守るためには武力が必要だったという。
UK defends strike on Afghan town●日曜日にアフガニスタンで、オランダのアパッチヘリコプターが地上から撃たれたために緊急着陸したと、国防省が発表した。
●ヘリコプターは小口径の武器で攻撃され、油圧装置と尾翼が破壊された。乗員2人は、無事タリン・コットにあるオランダ基地に戻った。
●水曜日にオランダのF-16ジェット機が、ヘルマンド州のムサ・カーレにいたタリバン戦闘員に攻撃された隊の援護に出動した。同機は発砲しなかったが、飛来したことで、同盟軍を助けたという。
Dutch helicopter hit in Afghanistan●木曜日に、指名手配になっているタリバンのリーダーのマウラナ・ファキール・ムハンマドが、部族民戦闘員の釈放と引き換えに、政府との和平を申し出た。
●ファキール・ムハンマドが主催した、マムーンド・タナリで開催された公聴会で、この申し出が発表された。部族長たちはこの動きを歓迎し、政府にこの申し出を受け入れるように促した。
●指名手配になっているテヘリーク・イ・ナイファーズ・シャリア・ムハンマド(TNSM) のリーダーは、今年の初めに米軍のミサイル攻撃で部族民13人が死亡した事件を、生き延びた。「我々の目的は、国際テロリストのアメリカと戦うことだ。母国の流血は望まない」という。
●政府が彼の申し出を受け入れるのなら、和平を話し合うという。「長老や準軍隊は我々の兄弟だ。彼らと敵対したくない」。「平和のために、いかなる話し合いにも応じる」という。
●この公聴会に先立ち水曜日に、行政関係者と秘密機関関係者が彼の家を訪ねたと、ある情報源が述べた。(後略)
Tribal militant offers peace for prisoner release●カルザイ大統領が木曜日、今週実施された空爆犠牲者の中に一般市民がいたかどうか調査するよう、要求した。米軍は、この空爆で40人以上のタリバンを殺害したと、主張している。
●カルザイ大統領の宗教問題アドバイザーであるマウラビ・ムハユッディン・バルーチによると、自分は5人のメンバーからなる調査チームの1人で、月曜日に発生したウルズガン州の州都のティリン・コットの衝突で、子供を含む市民が少なくとも4人が死亡した件を調査しているという。少なくとも住民6人が負傷した。
●(中略)米軍によると、月曜日の作戦で一般市民の死傷者に関する報告はないというが、報告を調査しているという。
●月曜日に米軍は、B-1B爆撃機がティリン・コットに「精密誘導兵器」4発を投下したと述べた。同盟軍の声明によると、アフガン軍と同盟軍が小火器も用いて戦い、戦闘員40人以上が死亡したという。(後略)
Karzai orders probe into airstrike deaths●カシミールのアルカイダを代表していると主張する男が、カシミールに支部を設立したと述べ、インド人ムスリムたちにジハードに参加するように呼びかけたと、木曜日にインドが報道した。関係者によると、政府はこの主張を「深刻に」受け止めているという。
●アブ・アル・ハディードと名乗る男がカシミールのKashmir's Current News Serviceに、「ボンベイの攻撃を実施した人間に、我々の感謝と喜びを表明したい」と述べた。
●カシミールの諜報機関関係者によると、電話は地元の電話線を使用していたために、発信元を追跡しようとしているという。
●(中略)アル・ハディードは、カシミールのアルカイダのリーダーはアブ・アブドゥル・レーマン・アル・アンサリだと述べた。どちらの名前もアラビア語で、ウルドゥー語ではない。
al-Qaida claims it has Kashmir network●タリバンがアフガニスタン南部の町の警察本部を攻撃した翌日の木曜日、英軍とアフガン軍がタリバンと戦って少なくとも19人を殺害したと、地元関係者が述べた。
●これとは別に、同盟軍がアフガニスタン南部で地元タリバン司令官を殺害し、2人を逮捕した。
●水曜日に四輪駆動車に乗った200人ほどのタリバンが、ヘルマンド州のナウザード地区になだれこみ、同盟軍とともにアフガン兵士と警察官が拠点としている警察の敷地内を包囲したと、グラーム・ムヒディン報道官が述べた。
●「タリバンが近くのバザールを含む地域一帯を包囲し、店員たちに避難を促してから、警察の敷地を小火気やロケット推進手榴弾で攻撃した」と、ムヒディンが述べた。
●兵士とアフガン軍たちが応戦したと、同盟軍報道官のジュリー・ロベルジが述べた。同盟軍の戦闘機が戦闘員を爆撃し、車に乗っていた戦闘員12人と、敷地のそばにいた7人を殺害したという。
●英軍報道官のデリュー・ギブソン大尉によると、同盟軍機は500ボンド爆弾を投下したという。(中略)
●隣のムサ・カーラでは、抵抗勢力たちが同盟軍をロケット弾や機関銃を用いて攻撃し、応戦した同盟軍は地元タリバン司令官のムッラー・サイーフを殺害したという。このほかに抵抗勢力2人を逮捕した。
●クナール州のピーチ川谷で同盟軍が襲撃され、2人が軽症を負った。(中略)
●ザーブル州では水曜日、パキスタンから入ってきた武装した部族民たちとアフガン国境警察が衝突し、3人の国境警察隊員が死亡した。
●ナサール族のメンバー200人ほどを乗せた車列が、パキスタンからシャマールザイ地区に入り、車に乗っていた武装した男たちが制止を求めた国境警察隊に発砲した。部族民に負傷者がいるかどうかは、わからない。
●これとは別にマザリ・シャリーフで、身障者用の人力三輪車に搭載された爆弾が爆発し、4人が負傷した。
U.K., Afghan troops fight Taliban holdouts●対タリバン作戦に従事しているアフガン軍と同盟軍がタリバン30人を殺害するとともに、米国防省長官のラムズフェルドがアフガニスタンを訪問した。
●ラムズフェルドは、カルザイ大統領と抵抗勢力の掃討作戦に関して話し合うと思われる。(中略)
●同盟軍は早朝ヘルマンド州のサンギン地区で、タリバン戦闘員を少なくとも30人殺害した。「作戦の目的は、ヘルマンドとカンダハルにいるアフガン軍と同盟軍に対して、攻撃を計画し、勢力的に実施していたタリバン司令官とその部下を逮捕、あるいは殺害するものだった」という。現場から、膨大な量の武器を発見して、破壊したという。
●現場を離れる際、同盟軍のヘリコプターに技術的な欠陥が生じ、緊急着陸した。「ヘリコプターの修理ができないことがわかったので、同盟軍が爆撃により破壊した」とジュリー・ロバージュ少尉が述べた。
●軍は、最近逮捕されたタリバンから得た情報に基づいて、サンギンの隠れ家を襲撃したという。(後略)
30 Taliban killed as Rumsfeld visits Afghanistan●月曜日に北ワジリスタンにいるタリバン戦闘員たちが、この1ヵ月間の期限を設けた停戦の最中の政府の対応に「不満」を表明し、申し出に対して前向きに対処するようにと、促した。
●北ワジリスタンの部族民タリバン報道官、アブドッゥラー・ファルハードが、停戦が始まった最初の15日間の政府の行動は、「我々の期待以下」だったと述べた。
●「軍事作戦の際に逮捕された部族民たちの一部は、確かに釈放された。しかしそれ以後、具体的な出来事は何もない」という。「政府は、もっと迅速に行動してほしい」。
●政府は次の15日間に、行政区内にあるすべての検問所を撤去し、残りの部族民を釈放するべきだと、述べた。
●タリバンの「不満」は、ミール・アリで発生した軍の車列に対する爆弾攻撃と、時期が一致する。この爆発での負傷者はいない。ファルハードは、タリバンはこの事件にかかわっていないと、述べた。
●軍はこの爆発を受けて発砲し、宗教学校の学生1人を殺害、2人を負傷させたと、政府関係者が述べた。
Taliban dissatisfied with govt response●米軍主導同盟軍とアフガン治安部隊が、アフガニスタン南部にあった「過激派のアジト」を全滅させ、戦闘員40人以上を殺害したと、同盟軍が発表した。このウルズガン州の戦いでアフガン兵1人が死亡、同盟軍兵士3にが負傷した。
●「アフガン治安部隊と同盟軍が、ウルズガン州のタリン・コート地区にあった有名な過激派のアジトを襲撃し、過激派40人以上を殺害した」という。
●タリバン報道官もこの戦闘を認めたが、死亡者数は5人だけだという。タリバン報道官のユースフ・アーマディが、一般市民50人が同盟軍の爆撃で死亡したと述べた。
(後略) Afghan, coalition forces kill 40 'extremists' in Afghanistan