【2006年8月14日〜8月20日】
●アフガニスタンでの戦闘で、英兵1人が死亡、3人が負傷したと、イギリスの国防省が発表した。
●(中略)「ヘルマンド州のサンギン地区で、落下傘部隊の英兵1人が死亡した」と、報道官が述べた。兵士はNATOの治安部隊に所属し、パトロールの最中に攻撃されたという。(後略)
British soldier killed in Afghanistan: defence ministry●アフガニスタン南部で、NATO軍機に援護されたアフガン警察が、タリバン戦闘員71人を殺害した。
●土曜日の夜遅く、戦闘員たちがカンダハル州のパンジャワイ地区の警察を攻撃。その後戦闘員71人が殺害されたと、地区行政官のニアズ・ムハンマド・サルハンディが述べた。
●NATO軍は砲撃や空爆を実施し、日曜日早朝まで戦いが続いたと、NATO軍報道官のトビー・ジャックマン少尉が述べた。
●警察官4人とアフガン兵1人も死亡したという。戦闘員たちの遺体が、武器とともに果樹園に散乱していた。(後略)
71 suspected Afghan militants killed●土曜日、同盟軍が2カ所で戦闘員と衝突して、米兵4人とアフガン兵2人が死亡、このほかに米兵6人が負傷した。
●(中略)クナール州でタリバンと衝突した米軍は、兵士3人を失い、3人が負傷したと米軍報道官のトム・コリンズが発表した。
●ウルズガン州では、米軍が100人以上の戦闘員と4時間以上にわたって戦い、米兵1人とアフガン兵2人が死亡、米兵3人が負傷した。軍は大砲を用い、空爆も行なった。(後略)
4 U.S. soldiers killed in Afghanistan●ザワヒリの義理の息子がロンドンの航空機爆破事計画を計画し、パキスタンとアフガニスタンとの国境付近に首謀者たちが集まって話し合ったと情報源が語った。
●(中略)ザワヒリの義理の息子の1人、アブドゥル・レーマン・アル・マグリビは2006年1月に、バジョールで米軍のミサイル攻撃で死亡したといわれる。
●今回話題になっているのがアル・マグリビなのかどうかは明らかではなく、またいつ話し合いが実施されたか、彼がミサイルで本当に殺害されたかも、わからない。
●しかし情報源によると、首謀者の何人かが、バジョールかその反対側のクナールで、ザワヒリの義理の息子と会ったという。
●(中略)情報源によると、ザワヒリの義理の息子は首謀者に前金を支払い、またイギリスで受け取れる小切手も渡したという。(後略)
Son-in-law of Zawahiri was mastermind?●『ABCニュース』が金曜日に、パキスタン関係者がアルカイダ幹部高官を逮捕し、彼が世界各地にいる過激派やビンラディンの居場所を知っている可能性があると報道した。
●報道によると、パキスタンの警察が、ロンドンの航空機爆破事件の捜査から逮捕したマティウル・ラーマンを逮捕したという。
●『ABC』は、パキスタンはアメリカ法関係者に、レーマンを逮捕したことを報告したと述べた。事実の確認はとれていない。レーマンは、アルカイダとパキスタン人過激派との間の橋渡しをしているらしい。
ABC News says Pakistanis arrest al Qaeda commander●アフガニスタンに、パキスタンで逮捕された約60人のタリバン容疑者が引き渡されたが、実際には一般市民であることがわかって釈放されたと、州知事が金曜日に述べた。
●しかし木曜日に引き渡された33人のほとんどは、カンダハルで戦っているタリバンと関係があるようだと、カンダハル州知事のアサドゥッラー・ハリッドが述べた。「先週引き渡されたあとで彼らを取り調べたところ、1人としてタリバンはいなかった」。男たちは、クエッタに住んでいた普通のアフガン難民だったため、全員が釈放された。パキスタン政府関係者が、彼らの一部から血液を採取したという。理由はわからない。
'Taliban' handed over to Kabul are commoners●同盟軍の爆撃機が投下した爆弾で、少なくともアフガニスタン人警察官12人が死亡した。カルザイ大統領は、パクティアで実施された作戦を非難した。
●しかし米軍関係者によると、爆撃したトラックは同盟軍を攻撃していたトラックと同じものだったという。
●(中略)国境警察隊長間のアブドゥル・レーマン将軍によると、同盟軍の爆撃機が、国境警察パトロール隊のトラック2台を爆撃したという。
●(中略)ポール・フィッツパトリック中佐が、ワザ・ハワ地区における過激派との戦いで、アフガン兵1人と同盟軍の車輛が爆破されたあと、攻撃を実施したと述べた。
(攻略) Afghan police killed by coalition●パキスタン軍が火曜日、アフガニスタンから入ってきたタリバン容疑者29人を、病院で逮捕した。
●クエッタのアル・ヘール病院で、アフガニスタン南部のカンダハルにおける戦いで負傷した男たちが、治療を受けていた。男たちは「最近」病院にやってきたという。
(後略) Pakistan arrests 29 Taliban suspects●(前略)イスラーム慈善団体ジャマット・ウッダワのヤハヤ・ムジャヒッドが、昨日『ニューヨークタイムズ』が報道したように、組織が地震の資金をイギリスの容疑者たちに流した疑いで捜査されているような事実はないと述べた。
●「我々は、イギリスの事件とは何の関係もない」。「アメリカがしていることに関して、何の根拠もない。我々はパキスタン国外では活動していない」という。ムジャヒッドによると、ジャマットは「救援活動にだけ関心がある」慈善団体だという。
●Charity Commissionは、パキスタンの地震のために寄付を募集した慈善団体が、資金を爆破計画のために使用したかどうか、捜査を開始する。ラシッド・バーマンガムの自宅で逮捕されたラウフの父親のアブドゥル・ラウフと弟のマルーフとタイーブは、ダーゲンハムのCrescent Reliefの会計責任者だったが、この慈善団体は、彼は「数年前」にやめていると述べた。アブドゥル・ラウフも慈善団体も、資金が流用されたことに関しては触れなかった。(後略)
15 held in Pakistan as scale and intricacy of threat is revealed●パキスタンの諜報機関とジハード組織は、先週航空機爆破計画容疑で逮捕されたパキスタン人たちか、昨年以来パキスタンの諜報機関に目を付けられていたことを認めている。しかし両者は、諜報機関の目的に関して意見がくいちがう。
●逮捕者のうち少なくとも7人は、先週ラホールとカラチで逮捕され、計画について詳しい情報を提供したといわれる。イギリスは24人を逮捕したが、そのうちの多数がパキスタン生まれである。
●パキスタンの治安機関関係者によると、「事の起こりは2005年のカシミールの地震だったという。このとき多数のイスラーム慈善団体がカシミールの人々のために活動を開始した。アメリカのCIAとイギリスのMI6がパキスタンに接触してきて、救援活動資金という名目で、パキスタンのテロ組織に資金が流れる可能性があることを警告した。
●「MI6とCIAとイギリス特殊諜報機関が、資金の流れに関して、協力して調査した。その過程で、何人かがパキスタンで逮捕された」。
●しかし、ここから意見がくいちがう。パキスタン政府はイギリス国籍のラシッド・ラウフをテロ計画の首謀者として逮捕し、アルカイダと関係があると発表した。
●しかしこの男をよく知る人間によると、逮捕者の誰1人としてアルカイダと関係がある者はいないという。むしろアル・ムハジローンとヒズブット・テヘリールに関係があると主張する。
●ヒズブット・テヘリール(解放運動)は、1950年代初頭にヨルダンで発足した、パレスチナ解放運動の非暴力組織である。目標はカリフ制の復活で、腐敗したイスラーム政府の排除である。
●イギリス生まれのパキスタン人がパキスタンに送り込まれたが、パキスタンはこの組織を厳しく取り締まった。彼らはムシャラフ政権の転覆をもくろみ、陸軍などの機関に入り込もうとしていた。
●ムハジローンはヒズブット・テヘリールの分派である。昨年のロンドンのテロを賞賛したために、イギリスによって活動を禁じられた。
●ジハード組織関係者の話によると、「アル・ムハジローンやヒズブット・テヘリールのような組織の若者がイギリスからパキスタンに来たが、彼らはアルカイダとはまったく関係がない。イギリス生まれのパキスタン人は、パキスタンでクーデターを起こすことに関心がある。ビラを配っていたとして以前もイスラマバードで逮捕されたが、その後釈放されている。最近パキスタンで逮捕された青年たちは、これまでもパキスタン当局に監視されていたことは確かだ」。
●「彼らがパキスタンの陸軍関係者と接触したことで、彼らの運命が決まってしまった。彼らはクーデターを起こすために、陸軍に侵入することに熱心だった。したがって、何人かの関係者に接近した。陸軍に入り込めたことに有頂天になっていたが、実は軍と関係しているパキスタンの諜報機関が、彼らの内部に入り込んでいたのだ」と、このジハード関係者が語る。
●「20代のこれらの青年たちは、パキスタン社会に詳しくない。だから成功に興奮した彼らは陸軍関係者多数がクーデターに同意したことを、イスラマバードで話して回った。我々は彼らに、陸軍関係者は仕事に忠実なだけで、クーデターには協力するはずはないと忠告してやった」。
●「しかし、ムハジローンの若者たちは耳を傾けず、陸軍関係者だと信じて疑わなかった諜報機関関係者と会い続けていたのだ」。パキスタンの諜報機関とムハジローンの青年たちとの関係は、誰もが知ることだった。しかしそれがいつ『ロンドンのテロ計画』に変わったのか、我々にはまったくわからない」。
●「ただ言えることは、意気盛んな若者たちが、工作員たちの謀略にはまってしまたことだ。20代の宗教心の深いムスリムの青年は、アメリカに対する憎しみでいっぱいだ。アメリカを攻撃するように誰かに仕向けけられれば、それを実行に移す可能性は大いにある」。
●「こうして事件は起きた。パキスタン政府は、ムハジローンやヒズブット・テヘリールのような組織をパキスタンから、またイギリスから追い出そうとしている。両組織とも反体制的で、パキスタンでクーデターを引き起こすことに熱心だ。ラホールやイスラマバードの若者を、味方につけようとしている。だから彼らは囮にはまったのだ」。
●ヒズブット・テヘリールとムハジローンは、2001年の9.11以後、パキスタンでの活動を禁じられ、これまでもパキスタン当局は両組織の人間を逮捕しているが、証拠不十分で釈放されている。
Pakistan's double win over terror●パキスタン政府関係者によると、航空機爆破計画の首謀者がアルカイダと関係を持っていた事を認めたと述べたという。内相のアフタブ・シェルパオによると、ラシッド・ラウフが捜査官に「この計画がアフガニスタン、特にアルカイダと関係しているというたくさんの手がかりを提供した」と述べたという。
●(中略)外務省報道官のタスニーム・アスラムによると、ラウフが提供した情報にもとづいてイギリスで逮捕が実行され、彼の弟のタイーブも逮捕されたという。そして計画が、「アフガニスタンにいるアルカイダ」によるものだったと述べた。
●諜報機関の情報源によると、ラウフはラホールにある過激派組織のアル・ムハジローンと関係していたという。この組織は、現在イギリスでき活動を禁じられている。
●カシミールの救援活動をしていた組織のメンバーがイギリス国民であることがわかると、彼らは帰国を命じられた。昨日『The Nation』紙が、ラウフはムシャラフ大統領暗殺未遂事件に関して指名手配になっている、マティウル・レーマンと接触しようとしていたと報道した。イギリスはレーマン氏を容疑者の可能性があるとしていたものの、昨日両国の治安関係者がその可能性を否定した。
●(中略)外務省報道官は、今回の計画が地震の慈善団体によって資金を受け取っていたという報道は「事実無根の想像上の話」と主張した。
●昨日のパキスタンの新聞報道によると、パキスタンの人権団体が、ラウフが拷問の末に「告白を強要された」と主張した。
●(中略)政治と治安アナリストのタラット・マスードによると、パキスタンの治安機関が爆破計画を立てていた組織の内部に入り込めたのは、パキスタンとアメリカの治安機関が、アフガニスタンの対ソ連戦争時代から彼らを追跡していたからだという。
●「これまで彼らを利用してきた。密接な関係を築いてきた」という。パキスタンで一般的な見解と同様、中東問題が解決しない限り、このような計画は今後も出てくるはずだ。「これらの問題はすべてイラク、アフガニスタン、レバノンと関係している。これらの問題が解決しなければ、何も変わらない」。(後略)
Pakistan says 'ringleader' admits link with al-Qaida●イギリスとパキスタンの関係者が、航空機爆破計画を立てていたイギリス人のグループが、イスラーム過激派の隠れ蓑であるパキスタンの慈善団体から、地震のための救援活動として集めた資金を受け取っていたかどうかを調べている。
●イギリスの都市部のモスクを拠点とする慈善団体のジャマット・ウッダワは、去年カシミールで発生した地震の救援活動に、大きく貢献している。
●この組織はインド領カシミールで戦っている過激派組織の1つで、アメリカによって、テロ組織に指名されている。
●イギリスとパキスタンの捜査官たちは、この組織が、イギリスのモスクで地震の救援活動資金として献金された資金を、容疑者グループに流した可能性があるとみていると、捜査に詳しい2人の人間が述べた。
●パキスタン政府関係者が、ジャマット・ウッダワは容疑者たちに航空券購入資金や、予行練習や攻撃そのもののための資金を与えていたと語った。資金は、この組織のイギリス支部からパキスタンに、直接送られたという。
●「イギリスに、ジャマット・ウッダワと容疑者との間の関係を調査するように言われた」と、前パキスタン諜報機関関係者が述べた。
●前イギリス治安機関関係者によると、イギリスのモスクで集めた資金が、インド領カシミールで活動する組織の過激派にも流れているという。
●パキスタンは水曜日、この組織の責任者であるハーフィズ・ムハンマド・サイードを逮捕した。
●日曜日にアメリカの法関係者が、イギリス警察と諜報機関関係者が、容疑者たちに協力していたイギリスの国外にいる容疑者数人を特定したという。新たな容疑者たちは、すでに逮捕された男たちのコンピューターを調べた結果判明したという。
●カシミールの地震後にジャマット・ウッダワは、ロンドン、バーミンガム、マンチェスターのイギリスのパキスタン人居住区で、救援資金を集めた。
●逮捕された23人の容疑者のうち、まだ拘束されている数人は、去年パキスタンを訪れて地震のための救援活動をしていたと、貴族院のメンバーでイギリス系パキスタン人のリーダーであるナジール・アーマッドが述べた。
●アーマッド氏によると、容疑者のうち救援活動のためにカシミールを訪れた者が何人いるかはわからないが、中にはロンドン西部のハイ・ワイコンで逮捕された者が含まれているという。前パキスタン政府関係者は、地震後、容疑者のうち数人がパキスタンを訪れたと語った。
●アーマッド氏は、パキスタンに行った者たちが、救援活動をしていた過激派組織と接触を持った可能性があると語る。事実ジャマット・ウッダワは、パキスタン政府の救援の手が届かなかった地域に入り、住民に歓迎され、最も熱心に活動した組織として、賞賛されている。
●「地震直後は、被災地で犠牲者を助け出し、救援物資を配った唯一の宗教団体兼過激派組織だった。イギリスからパキスタンに行った若者多数が、ジャマット・ウッダワのような組織に引き込まれた可能性がある」。
●(中略)事件が発覚する前日の水曜日、パキスタンの警察はイギリス生まれの、アルカイダと関係のある男を逮捕した。別のイギリス人1人も逮捕し、このほかあと1人の容疑者を捜査中だという。
●アメリカとパキスタン政府関係者は、ジャマット・ウッダワは2002年に活動を禁じられているラシュカレ・トイバの新団体と断定している。(後略)
Pakistani Charity Under Scrutiny in Plot