【2006年8月21日〜8月27日】


■抵抗勢力殺害で、パキスタンで大きなかけ[060827 BBC]

ナワーブ・ブグティは、パローチ運動の重要な人間だ。彼の死と、彼が殺害されその方法により、サルダル・アクバル・ブグティは反政府の反逆者や反抗的な部族民というようなイスラマバードが望んでいるような像ではなく、バローチ・ナショナリズムとパキスタンにいる他のナショナリストの英雄的な殉教者になるだろう。

20万人以上のブグティ族を率いる指導者(サルダル)だったブグティは、マルリ部族地域のバンボーレ山脈にある隠れ家をパキスタンの空軍に爆撃され、35人の部下たちとともに殺害された。

パキスタン政府関係者は、4人の幹部兵士を含む兵士16人が、バローチゲリラとの戦いで死亡したという。激しい戦闘となった。

79歳のブグティはリュウマチのために歩くことができず、隠れていた洞窟のなかで生き埋めとなった。

数ヵ月間、支配政党のメンバーを含むパキスタンの政治家たちは、ムシャラフの軍事政権にバローチのリーダーと話し合うよう求め、最近さらに拡大しつつある市民戦争を中止するように主張してきた。

ISIや諜報機関を含む何人かの治安機関やアドバイザーたちは、バローチのリーダーと話しあうように、ムシャラフに求めてきた。

しかし他のアドバイザーやタカ派の軍諜報機関は、3人の有名なサルダル、ブグティ、ヘイル・ブックス・マルリ、アタウッラー・メンガルを含むバローチ指導者たちをつぶすよう、進言していた。

政治家幹部たちは、ムシャラフはバローチ問題に理解を欠き、各地で生じている疎外感に気を配らなかったために、去年の12月彼の乗っていたヘリコプターがバローチ抵抗勢力に攻撃されると、すぐにブグティを殺害することを決めてしまったという。

《尽きない敵意》

ブグティは、パキスタンとイギリスでその活動を禁じられている、謎に包まれたバローチスタン解放軍の指導者ではない。しかし3年前にイスラマバードに対するバローチの抵抗運動が活発になると、最も目立ったスポークスマンになった。

軍は、政府を支持する部族リーダーたちに大きな利益を約束することで、バローチ族を分裂させようとし、サルダル制の廃止も主張した。

バローチ・ナショナリストたちは、自分たちの土地から発掘する膨大な量のガスや鉱物資源に対して、イスラマバードは十分な見返りをしていないと主張する。

去年、与党のパキスタン・ムスリム・リーグは、バローチにこれまで以上に大きな自治権を与えるという憲法改正を承認した。しかしムシャラフはこれを覆し、軍を用いて抵抗勢力を一掃することを誓った。

軍によると、開発のために多額の資金が用いられているというが、グワダール港建設や軍の駐屯地や道路の建設は、一般バローチ族の利益にはほとんどならない。

プロジェクトは軍や国家安全のために必要で、パローチ族ともバローチスタン州議会との話し合いもなく実行されてきた。さらにプロジェクトは外の会社が請け負い、バローチ族に仕事はあてがわれていない。

ブグティ殺害で、大統領は永遠の敵を作ってしまった。バローチ抵抗勢力だけでなく、武器を取ることはなくてもイスラマバードのやり方に不満を持つ、一般のバローチ族たちだ。

彼はパローチ・ナショナリズムの力を過小評価しているようで、これまで4度、パキスタン軍との戦争があった。

ナショナリズムは、ムシャラフだけでなく、軍事政権にとって、いつも大きな問題だった。

1979年に、スィンド出身のズルフィカル・アリ・ブットが絞首刑になったことで、スィンドの人間は軍に不快感を表し、常に野党のPakistan People's Partyに投票している。

タリバン化が顕著な北西辺境州では、パシュトゥンのナショナリズムにより、現在は政治的なイスラームが台頭している。

《強いサイン》

ブグティ殺害で、軍は他の地域のナショナリストに、必要があれば対処するという、強いメッセージを送った。

しかし小さな州では、軍事支配に対して憎しみが高まっている。(中略)さらに軍は、インドやアフガニスタンに強いサインを送っている。

軍は、インドがパローチ抵抗勢力を援助していると非難し、カルザイ大統領には、バローチ族がアフガニスタンで訓練することを黙認していると怒りをぶつける。

インドとアフガニスタンはこれを否定しているが、パキスタン政府は、インドはこれまでもずっとパローチ問題に介入しているし、逮捕された抵抗勢力から得た情報により、事実は確かだと語る。

インドとアフガニスタンとのパキスタンの代理戦争は、今後いっそう激しくなるだろ。

インドは、パキスタンがカシミールのイスラーム過激派に資金援助をしていると訴える。アフガニスタンはタリバンやそのリーダーたちを保護していると、パキスタンを訴える。

パキスタンは両方も否定している。

ブグティの死で、パキスタンの政治的危機はさらに大きくなるだけだ。ムシャラフは、来年予定されている選挙で、公正で自由な選挙を実施しようとしていないと、多数の人間が不満を表している。(中略)

ブグティの死は、国家の未来に対す不安、政治的敵対勢力と対話を持つのではなく殺害するという政策が持つ危険性に対する不安を、さらに高めるだけだ。

hoonRebel killing raises stakes in Pakistan
Ahmed Rashid

■英兵1人とタリバン10人、アフガニスタンの攻撃で死亡[060827 AFP]

アフガニスタンで英兵1人が死亡し、別のNATO軍兵士1人が負傷するいっぼう、地区本部を襲撃してきたタリバン10人を、警察が殺害した。

国際平和維持軍ISAF兵士1人がヘマルンド州で殺害されたと、ISAFが発表した。ロンドンの国防省が、兵士は英国人だったと述べた。

いっぽうヘルマンド州警察が、土曜日の夜遅く、タリバン40人ほどがムサ・カーラ地区本部を襲撃してきたために3時間に及ぶ銃撃戦となり、タリバン10人が殺害されたと発表した。

これとは別にカンダハルでは迫撃砲を用いた攻撃で、ISAF兵士1人とアフガン兵6人が負傷した。(後略)

hoonBritish soldier, 10 Taliban killed in Afghanistan attacks
KANDAHAR

■戦闘員、アメリカのために「スパイ」する長老を殺害すると脅迫[060827 Daily Times]

パキスタンの親タリバン派戦闘員が土曜日、「アフガニスタンにいる米軍のためにスパイを続ける」ならば、部族の長老約30人を斬首すると警告した。

「これは最終通告だ。アメリカのためにスパイ行為を続ければ首を切る」と書かれたビラが、南ワジリスタンのアンゴール・アッダで配られた。「これまでやってきたし、今後も続ける」と続き、いくつかの部族名が記載されていた。

アフガニスタンにいる米軍のためにスパイ行為をしたとして、またアルカイダなどの過激派に対するパキスタン軍の作戦に協力したとして、これまで部族民が多数射殺されたり斬首されている。(後略)

hoonMilitants threaten to kill tribal elders 'spying' for US
WANA

■パキスタンの抵抗勢力リーダー、戦いで死亡[060826 Reuters]

バローチスタン州におけるパキスタン軍とゲリラたちの間の戦いで、有名な抵抗勢力のリーダーが殺害されたと、日曜日に政府が発表した。

いっぽう軍は、パローチ族のベテランナショナリストで抵抗勢力のリーダー、ナワーブ・アクバル・ハーン・ブグティが死亡した可能性があるとしたが、死亡は確認されていない。

戦いにおける犠牲者数に関しては、さまざまな数字が出ている。政府関係者と州政府によると、治安部隊と抵抗勢力の合わせて50人以上が死亡したと発表している。

しかし軍は政府関係者4人と兵士1人が死亡しただけだと発表した。

「ナワーブ・ブグティを作戦で殺害したことが確認された」と、情報相のムハンマド・アリ・デュラニが『ロイター』に語った。シェルパオ内相も、ブグティが殺害されたと述べた。

軍報道官によると、抵抗勢力が立てこもっていたいくつかの洞窟を治安部隊が攻撃し、激しい銃撃戦になったという。その際に1つの洞窟が崩壊し、ブグティを含む、中にいた者たち全員が生き埋めになったと、ショーカット・スルタン中将が述べた。彼の遺体は回収されていないという。

これに先立ち内務省関係者が、治安部隊員27人と抵抗勢力37人が死亡したと述べた。バローチスタンの内相ノーシェルワニによると、死者は合計50人にのぼるという。

(中略)パローチ族独立主義者たちは、州が天然資源による収益を十分受け取っていないことを不満とし、独立を掲げて戦ってきた。

クエッタではブグティの死亡のニュースが流れたあと、何十人もの人々が街頭に繰り出した。タイヤを燃やしたり投石があったが、大きな被害はない模様だ。

軍は3日前に、ヘリコプターを用いて抵抗勢力を攻撃したと、治安部隊関係者が述べた。

ブグティは1927年生まれで、バローチスタン州の元大臣でもあった。(中略)強力な部族民リーダーだった彼は去年地下に潜り、数十年間抵抗運動を続けてきた抵抗勢力に加わった。

抵抗勢力たちはガスパイブラインなどを含む政府関係の施設や治安部隊の検問所などに対して、攻撃を繰り返していた。これに対して治安部隊は、繰り返し作戦を実施してきた。

パキスタンは州の問題にインドが関与していると、以前からのライバルを非難している。(後略)

ohPakistani rebel leader said killed in battle
Kamran Haider、ISLAMABAD

■北ワジリスタンの停戦延長[060826 Daily Times]

金曜日に部族民戦闘員たちが、北ワジリスタンの和平交渉が遅々として進まないことに不満を表明し、政府に問題集結のために努力するように要求した。

地元タリバン報道官のアブドゥッラー・ハルハッドが、大ジルガとの和平交渉の遅さに不満を表明した。「できる限り早く和平協定を結びたい」と『Daily Times』に述べた。タリバン幹部高官とジルガのメンバーが、和平協定の内容をミランシャーで話し合ったあと、このような発言を行なった。

(中略)ジルガとタリバン司令官との話し合いで、停戦の期限はあと15日間延長されることになったという。タリバン報道官が、9月10日まで停戦を延長すると述べた。

政府によると、金曜日にさらに10人の囚人が釈放されたという。これで6月25日以来、100人以上が釈放されたことになる。

hoonCeasefire extension in North Waziristan
Iqbal Khattak、PESHAWAR

■フランス兵2人、アフガニスタンで死亡[060825 AFP]

金曜日に発生したアフガニスタン東部におけるタリバン戦闘員との戦いで、フランスの特殊部隊兵士2人が死亡したと、パリの国防省が発表した。

国防省は、フランス兵が国際平和維持軍と対テロ作戦に従事するためにアフガニスタンに派遣されていることを、改めて認めた。仏軍は、米軍主導の対タリバン作戦と、NATO主導の国際平和維持軍に参加している。

死亡した兵士は、空軍兵士と海軍兵士だったという。このほかに空軍兵士2人が負傷した。

(中略)金曜日に軍が発表したことによると、2005年9月以来外国軍兵士数十人が死亡し、そのなかにはフランス兵7人が含まれているという。このうち7人はスピンボルダックで米軍とともにタリバンと戦った特殊部隊員で、1人は国際平和維持軍に参加していた。

hoonTWO FRENCH SOLDIERS KILLED IN AFGHANISTAN: DEFENSE MINISTRY
PARIS

■パキスタン、テロ容疑者の名前の公表を控える[060825 AP]

アメリカに向かう航空機爆破計画が明らかになってから2週間、パキスタン政府は捜査の状況を公表していない。

パキスタンとイギリスの両国籍を持つ「重要容疑者」ラシッド・ラウフに関して、謎がつきまとう。彼は、有名なパキスタンの過激派と親戚関係にある。パキスタン当局は、アフガニスタンにいるアルカイダ首謀者と、イギリスにいる計画者の間を取りもったとされている。

イギリス政府は、アルカイダの関与をまだ確認していないが、水曜日にラウフの弟のタイーブを釈放した。ロンドンの法務省は、パキスタンにラウフの引き渡しを要求しているかどうか、話すことを拒否している。

20代中頃と言われるラウフは、パキスタンで逮捕された容疑者のうち、唯一名前が公表された者だ。現在ラワルピンディのISI本部で、取り調べを受けている。彼を含め、容疑者たちが告訴されているかどうかは、はっきりしていない。

パキスタンでは、テロに関する事件はいつも不透明だ。(中略)現在イギリスでは、11人が起訴された。そのうち8人がテロを実行する準備をしていたとされるが、残りの3人の罪状はもう少し軽そうだ。

パキスタンの法律のもとでは、テロ容疑者は告訴されなくても、1年間拘束できる。そのためには、裁判官の許可が必要である。しかし現実的には、諜報機関に拘束されている容疑者は、法から隔離される。

(中略)「ラウフに関する情報以外は、ほとんど何もわかっていない。おそらく重要なジハードのリーダーと関係があり、それが明らかになってしまうからだ。この件を、隠して通すことはできない」と、南アジアの国際危機管理に関するシンクタンク会長のサミナ・アーマッドが述べた。

ラウフは、アルカイダと関係があるパキスタンの過激派、ジャイシェ・ムハンマドのリーダー、マスード・アザールと、婚姻により親戚関係にある。ラウフは8月9日に、パンジャーブのバハルワルブールで逮捕されたが、ここは、この過激派組織の拠点である。

あるパキスタン政府関係者によると、ラウフはアフガニスタンにいるアルカイダ首謀者とロンドンで計画を立てた者たちに「メッセージを運んでいた」という。今のところ、パキスタンの過激派との関係は明るみに出ていないようだ。

(中略)パキスタンの諜報機関関係者によると、ラウフは5〜6ヵ月間監視され、逮捕から2日の間に、計画の全貌を明らかにしたという。情報はイギリスとアメリカに伝達され、パキスタンは大きく賞賛された。

(中略)しかし、パキスタンにはいまだに危険な過激派が存在し、過激派を生み出す宗教学校の取り締まりにも失敗している。2005年の7月にロンドンで発生した自爆テロ犯も、事件の前にパキスタンを訪問している。

現在パキスタンは、過激派組織のラシュカレ・トイバの元リーダーだったムハンマド・サイードを自宅軟禁にしている。

政府によると、彼が8月10日に逮捕されたのは、12日にラホールで予定されていた集会を阻止するためだったという。しかし彼はいまだに釈放されず、その逮捕は謎に包まれている。

諜報機関は木曜日に彼を自宅から連れ出し、取り締まりのために、どこかに連れて行った。関係者はその理由を明らかにしていない。

smellPakistan Withholds Terror Suspects' Info
MATTHEW PENNINGTON、ISLAMABAD

■アフガンの戦闘における犠牲者に関して、論争[060824 BBC]

子供を含む8人が、アフガニスタン東部に対する米軍主導軍の攻撃で死亡したと、同盟軍とアフガン関係者が述べた。同盟軍によると、クナール州での攻撃で死亡した7人は、アルカイダのメンバーだったという。

しかし地元民の話によると、死亡したのは、地元の問題を解決するために集まっていた長老だったという。

(中略)米軍主導同盟軍によると、クナールのアスマール村の近くの家に集まっていたアルカイダ「要員」7人を、木曜日の朝に殺害した。「アフガン軍と同盟軍が家屋に近づくと、直接発砲されたために応戦した」と、声明を発表した。

声明によると、10〜12歳の子供も戦いに巻き込まれ、死亡したという。

「アルカイダ戦闘員たちは、故意に女性や子供を用いて、自分たちの盾にしている」と、トマス・コリンズ報道官が述べた。

しかし地元の人間は、死亡した男たちは部族の長老で、地元の問題を解決するために集まっていたという。家屋にいた別の4人が、軍に逮捕された(後略)。

hoonRow over Afghan clash casualties

■北西辺境州でアルカイダ容疑者6人逮捕[060824 Daily Times]

火曜日の夜ハヤタバードで、パキスタンの諜報機関が外国人2人を含むアルカイダ容疑者6人を逮捕したと、情報源が述べた。

犯罪捜査局CIDを含む諜報機関とISIと警察が、乗り合いバスに乗っていたアルカイダ容疑者6人を逮捕した。あるCIDが語ったところによると、諜報情報により、CIDとISIが容疑者を逮捕したという。

あるCID高官が、ミラ・カチュリ出身のアルカイダ容疑者1人を逮捕したことを認めた。(後略)

hoon6 Qaeda suspects arrested in NWFP
PESHAWAR

■ワジリスタン問題、解決のきざし[060823 Dawn]

政府と北ワジリスタンの戦闘員たちが、金曜日に和平協定を結ぶことになりそうだと、信頼のおける情報源が語った。「8月25日が、運命の日になりそうだ。両側とも、金曜日に和平協定に調印しようとしている」。

部族地帯の戦闘員たちはこの新たな展開を認めたが、まだ解決すべき問題が残っているという。「金曜日に協定を結ぶことになりそうだ」と、匿名を希望した戦闘員が述べた。

北ワジリスタン行政官のフェクリ・アスラム博士と大ジルガのメンバーが、和平協定にサインすることになるようだ。ジルガのメンバーが、戦闘員の代わりにサインする。ちょうど金曜日に、戦闘員が表明していた停戦期間の期限が切れる。

和平協定の内容がまだ内密になっており、その内容を知るものは一握りの人間だけだいう。

戦闘員とジルガの間で交わされた話し合いの内容の全貌は明らかにされていないが、オラクザイ北西辺境州知事は、話し合いは進展したと楽観的な様子だった。外国人の存在やアフガニスタンに対する越境問題も、解決しそうだと語った。

8月7日にオラクザイは、部族地帯に留まることを希望する外国人は、土地の掟を守るという前提のもとで、地元の部族民が保証人となれば滞在を許すと述べた。これまで政府は、外国人に政府に登録するか立ち去るかのどちらかを要求していたために、政府の態度に大きな変化があったといえる。

情報源によると、戦闘員たちはまだ拘束されている仲間12人と、治安部隊に押収された武器の返還を求めているというが、政府がこれを受け入れる可能性は少ない。

さらに戦闘員たちは軍の撤退と検問所の廃止、ミランシャーとミラリの砦から引き上げることを要求している。

情報源によると、政府は部族地帯の平和を取り戻すために戦闘員たちとの話し合いに応じる構えだが、この地域から撤退するつもりはないようだという。

hoonBreakthrough in Waziristan
Ismail Khan、PESHAWAR

■カナダ兵を含む16人、アフガニスタンで死亡[060823 AFP]

アフガニスタン南部の自爆事件でカナダ兵1人が死亡し、NATO機の爆撃でタリバン11人が死亡した。

これとは別に火曜日、NATO軍を狙って仕掛けられた爆弾で、一般市民3人が死亡した。

カンダハルで発生したこの自爆事件で負傷したカナダ兵3人の状態は、安定しているという。

国際平和維持軍の戦闘機が、襲撃を仕掛けようとしていた15人の戦闘員たちが立てこもっていた建物に、誘導爆弾を投下した。タリバン11人が死亡し、2人が逃げていくのが目撃されたという。

攻撃が実施された現場は、カナダ軍がこれまで襲撃されてきたハイウェイ・ワンの近くで、パンジャワイ地区のそばでもある。

タリバンたちはハイウェイを占拠して、カンダハルとパンジャワイを遮断しようとしている。

(中略)火曜日の夜遅く、カンダハルの町のすぐ外で爆弾2発が爆発して、市民3人が死亡、1人が負傷した。爆弾はNATO軍の基地に通じる道路に、設置されていた。(後略)

hoonCanadian soldier among 16 killed in Afghanistan attacks
KANDAHAR

■カナダ兵6人負傷[060822 AP]

火曜日に自爆犯が爆発物を搭載した車をカナダのパトロール隊に激突させ、兵士を負傷させた。またパキスタンとの国境付近では、抵抗勢力が警察の車を襲撃して、警察関係者5人を殺害した。

(中略)カンダハルで自爆犯がカナダ軍の車例に車を激突させ、兵士4人と一般市民1人を負傷、子供1人が死亡した。カナダ軍の車輛2台が炎上した。

タリバン報道官のカリ・ユーサフ・アーマディによると、自爆犯はカンダハル出身のアフガン人だったという。

カンダハルではこれとは別の月曜日、カナダ兵2人が負傷した。

また戦闘員たちがパキスタンとの国境付近のパクティアで、警察の車を襲撃して警察官5人を殺害した。(後略)

hoon6 Canadian troops wounded in Afghanistan
FISNIK ABRASHI、KABUL

■新たな勢力、同じアフガニスタン[060822 Asia Times]

2週間前に、NATOがアメリカに代わってアフガニスタン南部での指揮を開始し、必要があれば、タリバン戦闘員たちを「無慈悲に攻撃する」と警告した。

英軍のデビッド・リチャード中将が、NATO軍配下にある国際平和維持軍ISAFは、戦闘員の攻撃に対して、最近採用し始めた重火器の使用を続けると述べた。

しかし、これが戦闘員たちを一掃するための方策だろうか? 先週パクティアで、2台のトラックに乗っていた幹部高官を含むアフガン警察官12人が、同盟軍機の爆撃で死亡した。

同盟軍報道官のボール・フィッツパトリック中佐は、2台のトラックは逃走しようとしていたタリバンのトラックだったと主張した。

事件直後の金曜日、「同盟軍が破壊したトラックは、同盟軍を攻撃した現場から逃走しようとしていたトラックと同一であると確信している」と述べ、アフガン当局の捜査に協力することを約束した。

しかし、州関係者は捜索を待たなかった。土曜日にパクティア州知事のアクラム・ハバルワックが、捜索は完了したと発表し、すでに結果はカルザイ大統領に伝えたという。殺害された警察官の家族は、補償金として5万アフガニ(994ドル)を受け取ったという。大統領はさらに補助を出すよう、要求した。

カルザイ大統領は事件のあとすぐに反応し、「このような悲劇に落胆している。(中略)同盟軍には、作戦を最大限の注意を払って作戦を実施するよう、繰り返し要求している」と述べた。

3年前に アフガニスタン北部と西部に派遣されてから、ISAFは次第にその存在を拡大している。アフガニスタン南部での新たな使命は、これまでのうちでもっとも危険とされる。

NATOの主目的は治安を維持することで、中央政府の権力を拡大して、国家再建計画を押し進めることだ。すべての活動はアフガン政府と国際社会との話し合い、協力をしながら行なわれ、毎月その戦略を再検討する。

米軍主導同盟軍は、この点で失敗している。NATOのこの決議は、アフガン政府や一般民衆に受け入れられるはずだ。

NATO関係者は、対テロ作戦には従事しないと宣言したが、国家再建計画に協力し、これを妨害するものに対しては強く反応するという。しかしアフガン人たちの疑問は、果たしてNATO諸国は、抵抗勢力と地元や外国人支持者との戦いに勝つだけの能力と意思が十分あるかということだ。

これにはドラッグ・マフィアや隣国の一部、政府内に存在する汚職なども含まれる。しかしNATOにとってもっとも難しいのは、外国が戦闘員を援助することをやめさせることだ。

欧米の同盟軍は、アフガニスタンの村のなかで彼らを追っても、戦いに勝てそうもない。デュランド・ラインを越えて、多数の戦闘員が入ってきている。タリバンを援助する外国勢力の排除は、アフガニスタン国内の治安改善のために必至だ。(中略)

もうひとつ重要なのは、アフガン軍や国際軍にアフガニスタンの民衆の信頼を勝ち取ることである。(中略)これまで外国軍もアフガン治安部隊も、アフガニスタン南部では組織的に活動していない。国家再建運動は、比較的安定した北部や西部だけで行なわれてきた。

(中略)NATO軍の存在が南部に拡大することで、この点が期待される。

hoonNew fighting force, same Afghanistan
Dad Noorani、KABUL

■パキスタン、ロンドンのテロ計画未遂事件でアフガニスタンを注視[060821 Christian Science Monitor]

ロンドンのテロ計画が暴露されて1週間たった今、パキスタンの捜査員たちによると、主犯といわれるラシッド・ラウフを逮捕したあと、焦点はアフガニスタンに移ったという。ラウフは、アフガニスタンのクナール州にあるといわれる、アルカイダの基地と関係を持っていた可能性がある。

「今のところ、アルカイダのフロントマンとして動いているアフガン人の特定はできていない」と、諜報機関関係者が述べた。ラウフは2002年以来、アフガニスタンを数回訪れ、アルカイダの指令を与えていたとされる工作員に会っていたという。

(中略)取り調べで、ラウフはアフガン国籍のアルカイダ仲介者と接触していたことを認めたという。このアルカイダ幹部は、裕福なビジネスマンでもあるらしい。別の報道によると、この工作員は、現在米軍がタリバンと戦っているクナール州に潜んでいるアラブ人だと、諜報機関の情報源の言葉を引用している。ザワヒリの配下の者といわれるが、ラウフはこの工作員の素性を、なかなか明かさない。

パキスタン内務省は、これらの報道について確認も否定もしていない。「アフガニスタンのアルカイダと関係があると言ってきている」と、シェルパオ内相は述べている。

アフガニスタン政府関係者は、これらの報道を否定している。(中略)

ロンドンの捜査陣も、これまで出てきた物的証拠に対して、懐疑的だ。『BBC』の報道によると、ある警察関係者からの情報として、殉教テープとともにラップトップコンピュータや爆弾キットが発見されたという。しかし、警察はコメントすることを避けている。

ラシッド・ラウフが逮捕された経緯もはっきりしない。シェルパオ内相は、ラウフはバハワルブールで逮捕されたという。彼の故郷で、ジャイシェ・ムハンマド本部がある場所だ。しかし諜報機関の情報源によると、ラウフはアフガン国境に近いゾーブで逮捕されたという。シャルワーズ・カミーズを着たラウフは、インターネット・カフェで5時間過ごし、イギリスに2度電話をかけたという。この電話を怪しく思った店の人間が、警察に通報した。

逮捕後『ロイター』は、ラウフを過激派組織のジャイシェ・ムハンマドのメンバーと特定した。しかし、組織はこれを否定している。しかしラウフ自身は、この組織のリーダーの関係者と結婚していることを認めている。彼の家族によると、「婚姻によって関係があることは認める」という。「しかし、彼は組織と関係はない」。

これらの事実が出てくるとともに、再びパキスタンで育っている過激派組織に、アナリストたちは注目する。(中略)アナリストたちは、過激派の取り締まりはとりあえずは効果があったとしても、軍主導の政府が一般民衆の支持を得られずにいるという事実を覆い隠しているという。

(中略)強い国家が存在していないことが、過激派組織の台頭を許している。

hoonPakistan eyes Afghan link in foiled London plot
David Montero、LAHORE

■パキスタン、アルカイダ戦闘員の逮捕を否定[060821 AFP]

パキスタンが、指名手配になっているアルカイダ戦闘員のマティウル・レーマンが逮捕されたという報道を、否定した。

先週『ABCニュース』が諜報機関関係者からの情報として、ムシャラフ大統領暗殺未遂事件で指名手配になっているレーマンを逮捕したと、報道していた。レーマンはイギリスの航空機爆破計画の首謀者であると、一部で報道されている。

「根拠のないことだ」と、外務省報道官のタスニム・アスラムが述べた。「作り話だ。レーマンは逮捕されていない。まだ捜査中だ」。また、航空機爆破計画と「関係していない」という。(後略)

hoonPakistan denies arrest of Al-Qaeda militant
ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.