【2006年9月25日〜10月1日】



■タリバン、事務所の閉鎖を強要される[061001 Daily Times]

政府が地元タリバンに、ミランシャーに設置した事務所を閉鎖するよう強要したと、FATA政府報道官が発表した。

部族民たちは、この事務所は行政区の「政府内政府」ではないと言明したにもかかわらず、メディアに誤って流れた。「事務所を閉鎖することにより、部族民たちが和平協定を守っていることを証明する」という。

もともとこの事務所は「地元民と行政との間で交わされた和平協定を守ることを確認するために、設置されたのだ」という。

hoonTaliban forced to shut office
PESHAWAR

■ジルガにより、カブールとイスラマバードの作戦は成功するか[061001 Daily Times]

ワシントンで行なわれた問題解決の話し合いで、アフガニスタンとパキスタン国内で、カルザイ大統領とムシャラフ大統領が参加するジルガを開催するという提案が、ムシャラフから提案された。おそらくムシャラフはワジリスタンで大ジルガを開催し、ここにカルザイを招く。同じようなことが、今度はアフガニスタン側で行なわれる。ただしアフガニスタン側では、アフガニスタン全体のロヤジルガ(大ジルガ)となる。

それぞれの大統領が、反対陣営のジルガに出席するとは、見ものである。ただ忘れてはならないのは、ロヤジルガは選挙の結果できた国会であるが、ワジリスタンのジルガは地元のものだ。ワジリスタンのジルガでは、サフラン色のターバン(イスラーム神学者協会のメンバー)があまりにも多かったために、数えることもできなかった。外国人タリバンを一掃するための和平協定も、ここで締結された。

カルザイがワジリスタンの長老の前に出れば、問題はすべて解決すると思うだろうか?(中略)おそらく彼は、問題解決を約束してくれることを期待できる人間が、ほとんど集まっていないことを知る。(中略)ワジリスタンで、別の政策を考えているイスラーム神学者協会の問題は? ワジリスタンがうまくいかない理由のひとつは、部族地帯を牛耳っている政治家たちが、ムシャラフに対立する野党に属していることだ。アフガン人パシュトゥンを北部同盟に売ったと見られているカルザイが、厳重な警備が敷かれたジルガに出席しても、顔を出さないだろう。

(中略)ムシャラフも、彼が期待しているような人物がロヤジルガにいないことに気づくはずだ。多数のパシュトゥンがパキスタンを嫌い、とくにムシャラフを嫌っている。もしデュランド・ラインにフェンスを作るなどと提案すれば、アフガン・ナショナリズムを逆なですることになる。タリバンがパキスタンからアフガニスタンに入っていることを否定しても、誰も彼を信じない。そして、もしロヤジルガがその本心を隠せば、せっかく計画された2国間ジルガの目的は果たせない。

2つのジルガ開催によって、ムシャラフとカルザイは他国の政策に「介入する」ことができると、ワシントンの関係者がコメントした。ムシャラフのアフガニスタンに関する知識は、カブールのパキスタン大使館が入手する諜報情報による。しかしこれは、タリバン政権崩壊後は困難になった。ムシャラフがアフガニスタンで開催されるジルガに出席した場合、この点を改善したいと思っているに違いない。パキスタン人は、バローチスタンで悪さをしているのは、インド領事館だと信じている。

いっぼうカルザイは、パキスタンを熟知している。パシュトゥンとしてクエッタに住んだことがあり、今でもこの地域に情報源を持っているはずだ。しかしカルザイが認識を改めなければならないのは、パキスタンがタリバンを支持したとしても排除することができない、パシュトゥンの反パキスタン感情だ。彼に入ってくるイスラマバードの支配者たちに関する悪意のこもった情報から、正しい情報を選び出さなければならない。

隣の大国のパキスタンは寛容になるべきだ。そして弱い復古的国家だったアフガニスタンは、妄想を捨てなければならない。

hoonWill the jirgas do the trick between Kabul and Islamabad?

■アフガニスタンの三角形[061001 New York Times]

アフガニスタンとパキスタンの国境のどこかで、タリバンのリーダーとアルカイダの協力者たちは、満足しているはずだ。

先週パキスタンとアフガニスタンのリーダーがアメリカを訪問すると、両者は激しくお互いを非難した。

(中略)米軍や軍閥だけの問題ではない。今日、3つの問題がある。まず弱いアフガン軍。麻薬密輸商売。パキスタンが国内のタリバンを無視していること。

この3つの問題が、4番目の問題と絡んでいる。米軍とNATO軍がアフガニスタンに留まることに対して、アフガン人とパキスタン人が懐疑的になっていることだ。米軍が撤退しようとすればするほど、村人たちがタリバンに協力し始める。農民たちは芥子栽培を放棄しない。そしてもっと重要なことは、パキスタンがアフガニスタンにいるインドの影響力と対抗するために、以前の仲間、タリバンに近づき始める。

アメリカは、このようなシナリオを否定する。アフガニスタンにおけるアメリカの努力は成功し、これからも成功すると主張する。現在の暴力沙汰はNATO軍の動きの結果であり、タリバン戦闘員や麻薬密売人の天国だった僻地に、強いアフガン中央政府が影響力を拡大しようとしているからだという。タリバンの攻撃は南部を中心としており、そのうち敗北するはずだ。

(中略)しかし、アフガニスタンで米軍とNATO軍が長期的に滞在することに対して、アメリカとヨーロッパの民衆の支持は低下している。最近の『CNN』のアフガニスタンの戦争支持に対する投票によると、支持するが50%、反対が48%だった。2001年にタリバン政権が崩壊したときには、80〜90%の支持者がいた。

タリバンの戦略が成功しているようだ。

hoonThe Afghanistan Triangle

■笑う9.11ハイジャック犯[061001 Sunday Times]

アフガニスタンのビンラディンの本部で9.11ハイジャック犯の首謀者が「殉教」の意志を読み上げる、ビデオが出現した。

アフガニスタンの訓練所に滞在しているムハンマド・アタのビデオが登場するのは、初めてのことである。

テープの日付によると、2000年1月18日に録画され、ベンシルバニアで墜落した、ユナイテッド航空機93を操縦したジアード・ジャラーと共に映っている。

『Sunday Times』はこのビデオを、以前も接触したことのあるルートから入手した。音は入っていないが、アメリカの関係者によると、口唇術の専門家はまだ会話を読み取ることができないという。

恐ろしい計画の直前に、男たちは上機嫌で笑い、カメラの前で微笑んでいる。壁にAK-47ライフルを立てかけたアタだけが、アラビア語で「意志」と書かれた書類を読みあげている。

この高画質の編集されていないビデオには、カンダハル付近の土塀に囲まれた建物の中でビンラディンが部下たちに語りかけている様子も映されている。9.11計画首謀者の1人のラムジ・ビナルシュブもいた。彼は、もしビンラディンが捕まりそうになった場合、彼を殺す役割を請け負っている。

テープの日付から、アタとジャラーが「意志」を読み上げる10日前の、2000年8月に撮影されたようだ。

アメリカとドイツの捜査官たちは、アタがハンブルクから消えた2000年1月以後の彼の居場所を特定しようとしてきた。このビデオから、彼がアフガニスタンにいて、計画を実行するよう命令されていたことがわかる。数ヵ月後、2人はアメリカの飛行機操縦学校に入学した。

また捜査官たちは、教育を受けていないサウジ人だった他のハイジャック犯と違い、この2人は高学歴で、ドイツで勉強している間は欧米社会に溶け込んでいた事実を不思議に思っていた。このビデオを見ると、欧米人としてアイデンティティを持つ者が、いかに容易に原理主義者に転じるかがよくわかる。また2人は、これまでドイツとアメリカで、お互いを知らなかったと主張していたが、計画を見破られないための言い訳だった。

ohThe laughing 9/11 bombers
Yosri Fouda

■英軍、タリバンと秘密の取り引き[061001 Sunday Times]

タリバンと戦う英軍は、地元の人間と秘密の取り引きを交わし、アフガニスタンの最も危険な地域から撤退することになった。

ここ2ヵ月の間、英軍はアフガニスタン南部のムラ・カーラの僻地にある前哨基地を守るために、攻撃にさらされてきた。ここで英兵8人が殺害されている。

現在英兵はここから密かに撤退し、これと引き換えにタリバンも撤退することになった。ムサ・カーラは、ヘルマンド州の4つの地方政府の拠点の1つで、政府の建物を英軍が警備している。

地上兵たちはこの動き歓迎するだろうが、兵の派遣に関して、疑問の声があがることは間違いない。

(中略)英軍がアフガニスタンに派遣された際、国家再建に従事することが期待されていた。しかしカルザイ政府の圧力のもとで、ムラ・カーラ、サンギン、ノウワッド、カジャキにあるアフガン政府の「地方センター」を警備することを強要された。

この動きにより、英軍の4つの僻地の基地は、デビッド・リチャーズ中将の言葉を借りると、タリバンのための「磁石」になった。アフガニスタン南部で死亡した英兵16人は、全員ムサ・カーラ、サンギン、ノーワッドで死亡している。

(中略)ムサ・カーラの和平協定は、2000人ほどの町の住民の代表たちによって提案された。地域本部がある建物の周囲に住む400人が、戦闘のために避難せざるを得なくなった。

英軍特殊部隊司令官のエド・バトラー中将が18日前にムラ・カーラに飛び、町の長老たちのシューラ(族長会議)に出席して、撤退について話し合った。

バトラーは、ムサ・カラーの南東部の砂漠地帯で開催されたシューラに、車列で連れて行かれた。タリバンが撤退さえすれば、「戦闘を休止」する準備があると述べた。

この取り引き−−停戦という言葉を避けながら−−により、アフガン精神で重視されるお互いの面子を保ちながら、戦いを止めることができる。投票によって、住民の70%が、NATOかタリバンのどちらがこの地域の権力になるか、見守っていることがわかる。

通常、アフガニスタンの戦いは夏にあるために、この「戦闘の休止」をタリバンたちが来年再結成するために利用するのではないかと危ぶまれている。しかし取り引きに反対したあるタリブが、腹を立てた住民にリンチされたと言われ、ムサ・カーラの人間たちが前向きであることが伺われる。

「危険は常にある。しかしうまくいけば、ヘルマンドの他の地域でもうまくいくだろう。サンギンの人間も、同じような取り引きをしたいと言っている」とある関係者が述べた。

英軍兵士の中には、激しい戦闘のために再建に従事できないという不満が高い。週末に発表されたある関係者のEメールによると、「一般アフガン人に対して、何もしていない」という。「一般人から見れば、我々はタリバンと同じだ。我々がある場所に入っていき、すべてを爆破して帰っていく。これは、とても悲しいことだ」。(後略)

ohBritish troops in secret truce with the Taliban
Michael Smith

■私営収容所責任者、アフガニスタンで釈放[060930 AP]

個人的にテロリストを逮捕して私営刑務所に拘束していたとして、アフガニスタンの刑務所で2年以上服役していたアメリカ人が、土曜日に釈放された。金曜日にワシントンに提出された書類によると、アメリカ政府関係者はブレント・ベネットのバスポートと旅券を発行して、アフガニスタンから移送することを計画し、土曜日に『AP』のレポーターが、ベネットと確認された男がドバイに向かう飛行機に乗り込むのを見たという。

ベネットが釈放されたのか、アメリカに拘束されているのかは不明である。空港の特別室に入れられ、ジャーナリストは彼と接触できなかった。

2004年の7月に、元兵士のベネットとジャック・キース・イデマ、エドワード・カルバロが逮捕された。アフガン治安部隊がカブールの民家を捜索したところ、拷問を受けた8人のアフガン人が発見された。イデマが土曜日に刑務所から『AP』に電話して、アフガン人が拷問された証拠は何もなかったと述べた。

アフガン空港関係者が『AP』のレポーターに、飛行機に搭乗しているブレント・ベネットという名の人物のバスポートのコピーを見せた。

5年間の刑に服しているイデマも『AP』に、ベネットが土曜日に国外に出たと述べた。今週、夜間に刑務所で暴動が発生し、独房が放火されたり警備員からの発砲があったために、ベネットは強制的に別の独房に移されたという。

アメリカやアフガニスタン関係者はベネットに関して、コメントしなかった。ベネットが飛行機に搭乗したときには、手錠はかけられていなかった。(中略)ベネットは3年の刑を求刑され、ビデオジャーナリストと名乗るカルバロは4月に釈放されている。

hoonPrivate prison head freed in Afghanistan
JASON STRAZIUSO、KABUL

■NATO、アフガニスタン全土に兵を派遣することに合意[060930 Reuters]

木曜日にNATOは、アメリカが米軍1万2000兵をNATO軍に送ることを表明したために、来月からアフガニスタン全土で指揮を執ることに合意した。

ベンタゴンによると、現在アフガニスタン東部にいる米軍が、NATO軍支配下に入るという。これほど多数の米軍が外国軍の指揮下に入るのは、第二次世界大戦以来初めてのことだ。

(中略)EUがタリバン抵抗勢力と戦うための軍を集めることができなかったために、アメリカが1万4000兵を提供することになった。これでNATO軍約3万2000兵が、英軍の指揮下に入ることになる。すでに米兵2000人が、NATO軍に参加している。

(中略)タリバン抵抗運動により、アフガニスタンとパキスタンの関係がぎくしゃくしている。

2国は治安維持に協力し、戦闘員たちを監視するためにジルガを開催することに合意したと、ワシントンのアフガン大使が木曜日に述べた。

大使によると、水曜日に開催されたホワイトハウスの晩餐会で、パキスタンは、アフガンの諜報情報に基づいて戦闘員たちに対して行動することに合意したと述べた。「パキスタンは名前や標的などの確かな情報を提供すれば、対処することに合意した」という。(後略)

hoonNATO Agrees to Lead Allies in All Afghanistan
PORTOROZ

■ムンバイの爆発の背後にパキスタン[060930 Reuters]

土曜日にインドの警察が、7月11日に発生したムンバイの爆弾事件の背後にはパキスタンの諜報機関が存在し、パキスタンの過激派組織のラシュカレ・トイバによって実行された証拠を発見したと述べた。

「7月11日の爆弾事件を解決した。攻撃はパキスタンのISIが計画し、ラシュカレ・トイバとインドにいる工作員が実行した」と、ムンバイ警察長官のロイが記者会見で発表した。

これに対してパキスタンは、インドはパキスタンが攻撃に関与したという証拠を見せていないと述べた。「インドは証拠もないのに、いつもパキスタンのせいにする」と情報相のタリーク・アジーズ・ハーンが述べた。「証拠があるなら、提示してほしい。そうすれば捜査を行なう」。(後略)

hoonPakistan said behind Mumbai blasts
MUMBAI

■カブールで自爆[060930 BBC]

カブールの内務省の外で自爆があり、出勤途中の内務省関係者12人が死亡した。

内務省報道官によると、警察官2人を含む42人が負傷したという。自爆犯は内務省の建物の外で自爆した。

挙動不審の男がいたために、治安関係者が取り押さえようとしたところ、逃げ出して自爆したという。「男が現場に走ってきたために、警察官が銃を構えた。すべてが一瞬の出来事だった。その後男が自爆した」と、目撃者が語った。(後略)

hoonSuicide bomber strikes in Kabul

■カナダ兵、アフガンの爆発で死亡[060930 AP]

金曜日にアフガニスタン南部で発生した爆発で、カナダ兵が死亡した。いっぽう抵抗勢力が警察の検問所を攻撃して、3人が死亡した。

カンダハルで、パトロール中に道路脇の爆弾を踏みんでカナダ兵が死亡したと、カナダ軍報道官が発表した。

またザーブルの警察の検問所をタリバンが襲撃し、タリバン2人と警察官1人が死亡した。(後略)

hoonCanadian soldier dies in Afghan blast
JASON STRAZIUSO、KABUL

■アメリカの「スパイ」北ワジリスタンで殺害される[060929 News]

部族地帯で木曜日に、アメリカのスパイとしてアフガン人が誘拐され、殺害された。村人たちが木曜日に、銃で撃たれた遺体が道路脇に放置されているのを発見した。

遺体にはメモが残され、アフガニスタンのコースト出身のマランだという。マランは、水曜日にミール・アリで誘拐された。彼は武器商人だったと語る者もいる。「ワジリスタンの人々に告ぐ。スパイが入り込んでいる。アメリカのためにスパイ行為をしている」とメモには書かれていた。

hoonUS 'spy' killed in North Waziristan
MIRANSHAH

■部族地帯、不気味な静けさ[060928 Washington Post]

パキスタンのムシャラフ大統領が部族地帯にいるタリバンたちと和平協定を結んで以来3週間、以前は砲撃や爆発の音で揺れていたこの地域は、静けさに包まれているという。パキスタン軍が撤退して兵舎に引きこもったあと、宗教パトロール隊が、法と秩序を施行しているらしい。

いっぽうアフガニスタン側では武力闘争が激しくなり、3つの都市では自爆により22人が殺害されている。パキスタンの部族民戦闘員たちは、外国人戦闘員を追放するという約束に応じながらも、地元戦闘員や自爆犯たちをアフガニスタンに送り込んでいると言われる。

(中略)部族地帯の伝統は、パキスタン軍と戦った3年の間に崩壊してしまった。この間、200人以上の部族の長老たちが殺害されたといわれる。タリバンたちが、地元の長老たちが交わした政府との和平協定を守るつもりでいるのか、明らかではない。

2週間前、この和平協定が締結された北ワジリスタンで、1人の高齢のアフガン人が、アメリカのスパイだとして処刑された。今年の初めに殺害されたパキスタン人ジャーナリストの10代の弟も、遺体で発見された。ある情報源によると、最近、宗教的軍事的訓練を受けた10代の少年たちが、自爆を行なうためにアフガニスタンに向かったという噂もある。

タリバン幹部リーダーのダドゥッラー師が、パキスタンのレポーターとのインタビューで、地元タリバンにパキスタンで攻撃をするのはやめて、米軍と「外国」で戦うように助言したと言われる。

(中略)北ワジリスタンと接触しているパキスタン人ジャーナリストによると、和平協定が締結されたあと、地元のイスラーム戦闘員や宗教指導者たちがモスクのスピーカーで外国人たちに立ち去るように呼びかけ、約束を守っているという。地元の戦闘員と宗教政党が協力し、秩序の維持を強制している。

和平協定締結のために仲介役を果たした、北西部を支配する宗教政党関係者たちは、ワジリスタンにはタリバンや外国人戦闘員は1人もいないと主張する。協定は、アフガニスタン国内の攻撃と全く関係のない、地元部族民との間で交わされたと主張する。

バヌーのイスラーム神学者協会の宗教指導者、カリ・アブドッゥラーは火曜日に、自分の政党は平和と民主主義、開発をもたらすために、多大な努力をしたと主張する。

「欧米が我々を原理主義者やテロリストと呼ぶのなら、それは間違っている」と、自分のモスクの外で、インタビューに応じた。「もし我々が平和を回復させるために努力していなかったら、北ワジリスタンは今頃ベイルートになっていただろう」。アフガニスタン内における攻撃をタリバンのせいにするのは、間違っているという。「問題は、なぜ米軍が自国から1万5000キロも離れた他国で、無実の市民を爆撃しているかということだ」。

外国人ジャーナリストは部族地帯を訪れることはできないが、今週、問題の地域に最も近いバヌーを訪れたところ、急速な現代化とタリバンに対する強い支持が混じった、不思議な雰囲気に包まれていた。

インタビューした多くの人々が、アフガニスタンにイスラーム法と道徳的秩序をもたらしたとして、タリバンを賞賛する。部族地帯にタリバンやアルカイダ戦闘員がいることに対しては、恐れを全く感じていない。タリバンがバヌーのCD店2軒を最近爆撃したが、これも黙認していた。

ペシャワルとバヌーでインタビューした多数の人々が、アフガニスタンの問題を、部族間の敵対関係や歴史的抗争の結果と考えているようだった。パキスタンがイスラーム原理主義戦闘員たちを援助しているというアフガン政府の主張を、信じる者はほとんどいない。

「麻薬やテレビ、CDなどの罪深いものに対抗するから、タリバンが好きだ」と、穀物売りのアミヌッラーが語る。「ブッシュこそが本当の軍閥だ。国家を侵略するために、ムスリムがアメリカを憎むようになる」。

バヌーには建設や現代化が進み、新たな病院、学校、携帯電話の店などができてきた。同時に住民によると、この地域は宗教的に非常に保守的になりつつあり、マドラッサが数十校開設されたという。

「タリバンたちは部族地帯では鳴りを潜めているが、今度はここで問題を起こし始めている」と、携帯電話のオーナーのアマヌッラーが語る。「彼らの行ないは悪いが、考え方は正しい。彼らがここの政府になれば、いいことだ。映画や下品なものはなくなる。女性や子供たちにとって害になることは何もなくなる」。

hoonIn Tribal Pakistan, an Uneasy Quiet
Pamela Constable、PESHAWAR

■3人釈放、武器、マドラッサに返還[060928 Daily Times]

水曜日に北ワジリスタン行政が、アフガニスタンで米軍と戦ったとして逮捕されていた部族民3人を釈放した。9月19日にクラム行政区で、アフガニスタンのコーストの米軍基地を攻撃したとして、ヌール・ハッサン、ラビール・ハーン、ムハンマド・ユーサフが逮捕された。しかし、政府と北ワジリスタン行政との間で交わされた和平協定に従い、証拠がないとして釈放された。

また水曜日にパキスタン軍は、1年半前に北ワジリスタンのマドラッサから押収した武器を返還した。軍がダンデイ・ダルパヘールのMunb-e-Uloomを手入れして、武器を押収していた。

hoonThree freed, arms returned to seminary
MIRANSHAH

■パキスタンの部族民自衛団、北ワジリスタンに設立[060927 Reuters]

北ワジリスタンに、部族民自衛団の事務所が設立された。(中略)

住民によると、2日前にムジャヒディンと名乗る自衛団たちがミランシャーにビラを配り、町の中心にあるマーケットに、武装した男たちに警備された事務所を開設したことを表明した。

ビラによると、犯罪人から人々を守るための資金を宗教指導者たちが集めるという。

『ロイター』がビラに記載された電話番号に電話をかけると、モーラビ・ニザムッディン・ボラヘールが、「覆面をした犯罪人たちに対処するために事務所を開設した」と述べた。

(中略)住民たちは、この自衛団がどういう集団なのかわからないと語った。しかしこの集団は、9月5日の和平協定に反して、独自の政府を作っているように思える。親タリバン部族民がすでに南ワジリスタンで、独自の行政体制を敷いている。

ボラヘールは、自分たちは反政府派ではないと主張した。「我々は政府との約束を守りたいが、悪人が悪さをしている」と述べた。

ビラは住民に、問題があった場合は事務所に連絡するように呼びかけ、覆面をした男に襲われた場合は、いつでもその者を射殺してもよいと書かれていた。

政府関係者によると、自衛団たちは部族地帯のFMラジオ局を通して、その存在を宣伝しているという。

「自分たちの力を誇示したい、おろかな若者たちがそのようなことをしている」と、ペシャワルの部族民問題部門を担当しているシャー・ザマン・ハーンが述べた。

hoonPakistani tribal vigilantes set up in N.Waziristan
Kamran Haide、ISLAMABAD

■ガンマン、戦闘員2人を殺害[060927 AP]

水曜日に銃を持った男たちが車の中から別の車を攻撃し、戦闘員2人を殺害して、3人を負傷させた。

犯行声明は出ていないが、親タリバン派戦闘員とウズベク人戦闘員との間の闘争と考えられている。

攻撃された戦闘員は、ハナンという名前の親タリバン派部族民で、シャカイに住むウズベク人戦闘員たちを一掃するキャンペーンを開始していたと、諜報関係者が述べた。日曜日にハナンと部下の戦闘員2人がシャカイで、道路脇に仕掛けられた爆弾によって乗っていた車が破壊され、負傷したという。

治安関係者によると、アラブ人、中央アジア人、アフガン人の戦闘員たちが、シャカイに自分たちの基地を設けていたという。

hoonGunmen kill 2 militants in Pakistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■アフガンの攻撃、和平協定締結後3倍に[060927 AP]

アフガニスタン東部の国境地帯における攻撃は、パキスタン軍と親タリバン派部族民の間で和平協定を締結した時期から、3倍になったと米軍関係者が述べた。

パキスタン外務省はアメリカの主張を退け、アフガニスタン内にいる戦闘員たちが武力衝突の背後にいると述べた。水曜日の戦闘では、少なくとも戦闘員25人が死亡している。

パキスタン人政治家が、タリバンのリーダー、オマール師がこの協定を承認したと発言したことにより、今回の和平協定に新たな疑問が浮上している。カルザイ大統領とムシャラフ大統領が水曜日に、ブッシュ大統領主催の晩餐会に出席する予定である。

米軍関係者によると、9月5日に締結された和平協定により、アフガニスタンにいるタリバン抵抗運動が有利になっているという。パシュトゥン人抵抗勢力はもはやパキスタン軍とは戦ってはおらず、北ワジリスタンをアフガニスタンを攻撃するための拠点として、自由に用いているという。

パキスタン人部族民長老たちが仲介して、ムシャラフ政府と戦闘員たちの間に和平協定を締結させた。しかしこの協定によりタリバンの攻撃が激化して、7月31日以来、アフガニスタン東部ではその攻撃が3倍になったという。関係者によると、「隠れる場所があるから、休んでから体勢を立て直すことができるようになったからだ」と語る。

(中略)「そのような主張には同意しかねる。単なる言い訳だ」と、外務省報道官のタスニム・アスラームが述べた。「問題はアフガニスタン内部にあり、パキスタンのせいではない」。和平協定締結後、パキスタンはタリバン戦闘員数人をアフガニスタン政府に引き渡しているとも語った。

アメリカ政府関係者は、パクティア、コースト、パクティカで発生しているタリバンの攻撃が激化しているのは、協定にだけに原因があるわけではないと認めた。米軍の第10山岳部隊が自身の作戦を展開しており、そのために戦闘や爆撃が続いているという。

いっぽうパキスタンのAwami National Partyの政府高官ラティフ・アフリディが、北ワジリスタンの和平協定を承認したという、タリバンリーダーのオマール師から手紙を受け取ったと語った。

北ワジリスタンにいるタリバンを支持するパキスタン人戦闘員たちは、タリバンの前線司令官、ジャラウッディン・ハッカーニ師の指令のもとで今後行動する、とも書かれていたという。

政府報道官のシャー・ザマンは、アフリディの主張を「根拠がない」と述べた。

(中略)アメリカ政府関係者によると、タリバンとパキスタンの関係は深く、負傷した戦闘員たちはパキスタン側で治療を受け、遺体をパキスタンに運び、埋葬することさえあると述べた。またアフガニスタンで攻撃する自爆犯はパキスタンで募集され、今月カブールで米軍車列を攻撃して通行人1人を殺害米兵3人を負傷させた自爆犯は、17歳のパキスタン人少年だったという。

hoonU.S.: Afghan attacks triple since truce
JIM KRANE、KABUL

■アフガニスタンで抵抗勢力数十人殺害、爆発でイタリア兵3人負傷[060927 AFP]

アフガニスタンの治安部隊によると、戦闘員30人を殺害し、爆発によりイタリア兵3人と通訳1人が負傷したという。

また南部では、カナダ軍の車列を狙った自爆が発生したが、あわやのところで目標が外れた。

「警察によると、ヘルマンドのガルムサール地区で敵が25人殺害あるいは負傷した」と、警察報道官が述べた。国際平和維持軍も、戦闘員たちがガルムサールの警察検問所を攻撃して、戦闘員25人が殺害されたと発表した。

水曜日にカブールの近くのラグマン地区で発生した別の戦いでは、アフガン治安部隊がタリバン6人を殺害し、2人を逮捕したという。

いっぽうアフガン国防省によると、東部で実施されている戦闘で、火曜日にアフガン軍と同盟軍がタリバン8人を殺害し、16人を逮捕したと述べた。

さらに西部では、学校建設プロジェクトから帰る途中のイタリア軍車列がへラート付近で、「路肩脇簡易爆弾らしきもの」で攻撃され、兵士3人と通訳1人が負傷した。「イタリア兵3人とアフガン人通訳が負傷した。兵士のうち1人は重傷を負った」という。前日カブールでもイタリア兵1人が、リモートコントロール爆弾で死亡している。この攻撃でイタリア兵5人が負傷し、そのうち2人が重傷を負った。

水曜日にカンダハルでは、カナダ軍車列を狙った車爆弾が爆発した。爆発で通行人1人が負傷したという。爆発は非常に強力で、爆発物を搭載していた車が粉々になり、犯人の遺体があたり一面に散らばった。

火曜日にはラシュカル・ガーで、18人を殺害する自爆事件が発生したばかりである。この攻撃に対しては、タリバンが犯行声明を出している。

garrDozens of rebels killed in Afghanistan, blast hurts three Italians
KANDAHAR

■殺人犯、ムシャラフの回顧録で無罪が証明されたと主張[060927 Times]

ダニエル・パールを殺害したとして死刑を宣告されているイギリス人過激派が、ムシャラフの回顧録によって自分の無罪が証明されると述べた。

ムシャラフは回顧録のなかで、オマール・シェイクを無罪と考えているようだ。

ムシャラフはイギリス人の罪に関して考えを変えたようで、パールを殺害したのはハリッド・シェイク・ムハンマドだったと述べている。政府関係者は、大統領がアルカイダに関する捜査の秘密を暴露したと、驚きを表している。シェイクの弁護士のライ・バシールが昨日、予定されている公聴会でムシャラフの回顧録を証拠として使うつもりだと述べた。

当初オマールは、パール殺害を用意周到に計画していたと言われていたが、ムシャラフは「オマールは、状況がコントロールできなくなったのでパニックに陥ったことがわかった」と書いている。(後略)

hoonKiller claims his innocence is proved by Musharraf's memoir
Daniel McGrory

■マフムード、9.11計画を知っていた[060927 Daily Times]

2001年にパキスタンのISI長官だったマフムード・アーマッド准将は、ビンラディンがどこにいるか、「常に」その正確な居場所を知っており、9.11計画についても事前に知っていたと、火曜日に発行された『Washington Times』が報道した。

同紙のコラムで、アルノー・ボルシュグラーヴは、アーマッド准将はイギリス生まれのパキスタン人テロリスト、アーマッド・オマール・サイード・シェイクに、10万ドルを9.11ハイジャック犯人のリーダーだったムハンマド・アタに送金するよう命じたと書いた。

オマール・シェイクはパール記者誘拐殺人事件の首謀者として死刑を宣告されているが、「ISIとの関係で、絞首刑を免れている。ISIの一部の人間がアメリカに対する計画を知っていたことは確かで、その計画は9.11調査委員会の報告が出版された3日後に判明したために、一般に公開されていない」という。

ビンラディンがペシャワルに住んでいるなど、いつも「興味深い」理論を発表するボルシュグラーヴは、「アーマッド将軍は、アルカイダのテロ攻撃が実施される週にワシントンにいるように計画した。おそらくブッシュ政権の様子を見て、対応を考えようとした」。アーミテージに会ったあとでイスラマバードにいたムシャラフ将軍に電話して、「我々の味方になるか敵になるか」というアーミテージの脅迫を、ブッシュが「パキスタンを爆撃して石器時代に返す」と言っていると脚色して伝えたという。

ボルシュグラーヴは、アーマッド将軍は明らかに計算違いをしたと書く。ムシャラフはアメリカの要求を受け入れただけでなく、アーマッドをカンダハルに派遣して、ビンラディンを引き渡すよう、オマール師に交渉させた。使節団は6人の宗教指導者と、6人のISI関係者で構成された。アーマッドは命令を無視してオマール師に「できるかぎりビンラディンを引き渡さないよう」、助言したという。ムシャラフには、タリバンを説得できなかったと伝えた。アメリカは翌日、アフガニスタンに侵攻した。

「タリバンとアルカイダは今や南北ワジリスタンに隠れており、今後はパキスタン人兵士がいても隠れなる必要もなくなった。2001年12月にトラボラから逃走してきた数千人の外国人ゲリラ、ウズベク人、タジーク人、アラブ人たちは、地元の女性と結婚して、自由の身だ。ワジリスタンを訪れた1年前、自爆や道路脇に仕掛ける爆弾の専門家たちが、イラクから到着していたという。今日アフガニスタンにおける自爆攻撃は、イラクと同じように日常的になった」。

hoonMahmood allegedly had knowledge of 9/11 planning: WT
Khalid Hasan、WASHINGTON

■パキスタンで、アメリカの大事な協力者の慎重なダンス[060926 Christian Science Monitor]

ムシャラフの回顧録『In the Line of Fire』が月曜日に出版された。(中略)

アメリカにとって、ムシャラフはテロとの戦争において、世界の中でも最も重要な協力者だ。ムシャラフは彼の立場を強化するために、最近原理主義正当と取り引きをしたために、対テロ戦争に大きな影響が出る可能性があると、アナリストたちが語る。

9月初旬に交わされたタリバン抵抗勢力たちとの和平協定により、戦闘員たちは国境地帯で自由に活動できるようになった。

これまで公にされたことはなかったが、彼と彼の同士、イスラーム神学者協会 (JUI)にとっては、この協定を結んだことで政治的に有利になった。この原理主義政党が北ワジリスタンを支配し、この協定を取り持ったのだ。

JUIはパキスタンにあるほとんどの宗教学校を運営し、タリバンたちを育てた。そして今日ムシャラフの新たな政治的武器となりつつある。

JUIはタリバンとの直接的な関係があることを否定しているが、イデオロギー的には支持しているという。「共鳴していることは事実だ」と、北西辺境州のJUI会長のシャーザダ・ハリッド・アーマッド・バヌーリが語る。「JUIは国会の一部だ。つまり政府の一部ということだ。国家にとって益になることには、全面的に協力する」。

《代償?》

選挙が近づくにつれ、JUIはムシャラフにとっては信頼のおける協力者になりつつある。しかしこのような同盟が結ばれれば、パキスタンにとっても国際社会にとっても、大きな被害が生じる。JUIがムシャラフの政治的生存にとって重要になればなるほど、彼はタリバンに対して力がなくなるからだ。

「ムシャラフがタリバンと対戦する能力は、彼がJUIと協力している限り、あてにならない」と、International Crisis Groupのサミナ・アーマッドが語る。しかし「JUI以外、ムシャラフのためにバローチスタンの安定を保つことができる者はいない」。

そしてムシャラフの政治的生存は、バローチスタンと北西辺境州に関わっている。

アナリストたちは、彼のためにこの2地域で票を集め、万が一彼が勝利した場合、彼が作る政府を支持してもらうために、JUIが必要だと見ている。

JUIは、ムシャラフに協力することを公言してはいない。「国家にとって良いことは、全面的に協力する」と、バヌーリ氏は語る。ムシャラフの政策が良ければ、JUIは支持すると付け加えた。

しかし、現在バローチスタンと北西辺境州は、ムシャラフの味方になってくれそうもない。8月にムシャラフの軍が、部族民リーダーのナワーブ・ムハンマド・アクバル・ハーン・ブグティを暗殺したために、バローチスタンでは一連の暴動が発生した。現在バローチの政治家で、ムシャラフを支持する者はいない。パキスタン軍がアルカイダとタリバンに対する作戦を実施し、数百人の一般市民が死亡した北西辺境州も同じことだ。

ムシャラフはこの2つの窮地から脱するために、JUIに目を向けたのだ。

北ワジリスタンでは、JUIのリーダーたちが彼らの政治的影響力を駆使して対応した。地元のパキスタン人タリバンを集め、停戦にこぎつけた。今のところ、危うい平和が戻ったようだ。しかし、政府とタリバンの仲介をJUIに任せることは、ファウスト的な取り引きであり、国内におけるムシャラフの政治的弱さが露になった。この取り引きでJUIは、地元タリバンに有利になるように働き、数百人の戦闘員たちの釈放が実現した。

JUIのメンバーは、取り引きは平和のための現実的な解決策だったと語る。「北ワジリスタンの取り引きは、人々の益になる。だから協力した」と、バヌーリ氏は語る。

同様にJUIは、バローチスタンの重要な仲介者でもある。この夏、ブグティの死のあと、バローチスタンは政治的に混乱した。パローチ・ナショナリストたちが州議会から辞職すると脅迫し、イスラマバードの国会のイスラーム政党が、これを承認した。ムシャラフは危機に直面した。しかし、そこでJUIが介入した。イスラーム政党のなかで、唯一JUIだけがバローチスタンで議席を持つ。JUIのリーダーたちは、パローチナショナリストの辞職を支持しなかった。したがって彼らの気勢をくじき、保守党の怒りをかった。

《ムシャラフの門番》

皮肉にも、今日のムシャラフの政治的未来の門番は、かつてタリバンのために道を築いた者たちだ。JUIのイデオロギー上のルーツ、あるいはそのイデオロギーそのもののために、JUIはパキスタンの政策のデリケートな綾のなかで台頭し、権力となった。2002年の選挙の際、JUIはバローチスタンと北西辺境州の政治力の中心となった。JUIとそのムスリム同盟のパートナーたちが一つになり、ムスリム連合(MMA)として国会で63議席を獲得した。

「JUIは、過去にそれだけ多くの議席を勝ち取ることができた」と、ペシャワルのジャーナリスト、ラヒムッラー・ユースフザイが語る。「しかし今、前回の選挙以来、彼らの未来は輝かしいものになった。現在はバローチスタンと北西辺境州を支配している」。

ムシャラフは、これまで常にイスラーム政治政党と協力してきた。しかしワシントンとの協力のために、最近はほとんどのイスラーム主義者たちが彼から離れていった。政治的危機に直面すると、イスラーム主義者たちが中心となってムシャラフの辞任を要求する。しかし、JUIはちがう。彼らは原理主義政党ではあるが、非常にブラグマティックで、政治的決議に関してはイデオロギー的傾向が強くない。ムシャラフと同等、失うものが多いからだ。2005年の2月にJUIは他の宗教政党と袂を分ち、ムシャラフを支持し始め、MMAに亀裂が生じた。

「JUIは他の宗教政党と異なり、このシステムを持続させることに賭けている」と、イスラマバードのシンクタンクInstitute of Policy Studiesのエルシャッド・マフムードが語る。「JUIは、現政府に協力しようと意図している」。

今日、ムシャラフは都合上の結婚をすることで、お互いに恩恵を受けようとしている。JUIがムシャラフを必要としていると同様に、ムシャラフも2007年の選挙のためには、JUIが必要だ。

「ムシャラフは、野党すべてを敵にまわしたくない。JUIを味方につけておくことができれば、この動きを防ぐことができる」と、ラホールの政治アナリスト、ハッサン・アスカリ・リズビが語った。

■ビンラディンの友人が、彼はまだ生存していると語る、とタリバン[060926 AFP]

アフガニスタンのタリバンによると、ビンラディンはまだ生存していると、ビンラディンの友人が語ったと述べた。ビンラディンは腸チフスで死亡したという報道が、週末に流れたばかりである。

「現在の戦闘状況から、我々はアルカイダと直接コンタクトは取っていない」と、タリバン報道官のムハンマド・ハニーフが語った。「しかしオサマの友人たちと接触したところ、まだ元気だという」。(後略)

hoonBin Laden's friends say he is alive: Afghanistan's Taliban
KANDAHAR

■いかにパールが10つの部分で埋葬されているのを発見したか[060926 Times]

(ムシャラフ大統領がTimesに連載している回想記「Line of Fire」より)

2002年、世界中のメディアが、ジャーナリストのダニエル・パールが誘拐されたというメールを受け取った。「ムスリム国家のパキスタンで、アメリカ人たちの安全は今後保証されない。我々の要求が受け入れられなければ、同じようなことが再び繰り返される」とも書かれていた。

(中略)すぐに諜報機関が、メールの発信者がオマール・サイード・シェイクという男であることをつかんだ。

パール記者は、靴爆弾犯人といわれるイギリス人のリチャード・リードと関連して、ピール・ムバラク・アリ・シャー・ジラーニを取材しようとしていた。警察がジラーニを逮捕したところ、オマール・シェイクがパールに会いたがっていたということがわかった。彼の名前が出るのはこれで2回目だ。何らかの関わりがあることは、確かと思われた。

オマール・シェイクは、ロンドンに住むパキスタン人の両親を持つ、イギリス生まれの男だ。イギリスで教育され、London School of Economics(LSE)に入学したが、後にドロップアウトした。

オマールがLSEに在学中に、MI6が彼を工作員に迎えた思われている。MI6はボスニアにおけるセルビア人の抵抗運動に参加するよう彼を説得し、ジハードに参加するためにコソボに送り込んだ。しかしその後彼は裏切ったか、二重スパイになったようだ。

ボスニアからパキスタンに戻ると、アフガニスタンのコーストでゲリラとしての訓練を受けた。欧米観光客4人を誘拐したとして、1994年にインドで逮捕されたが、1999年にハイジャックされたインド航空機の乗客と引き換えに、釈放された。

釈放されたあとオマール・シェイクはラホールに住み、アフガニスタンを4度訪問して、訓練所でゲリラたちを訓練していた。その間に、ビンラディンとオマール師に会ったと言っている。自分はアルカイダのメンバーではなかったが、誘拐の身代金として得た金を、彼らに流していたという。

2002年1月に、パールがラワルピンディとイスラマバードにある、過激派組織の事務所を訪れたことを知った。そこでパールと会う段取りを作り、電話番号とメールアドレスを交換した。

このときに、オマールはパール誘拐により、米政府に圧力をかけてグアンタナモ政策を変更させる計画を思いついたという。

我々はメールを通してオマール・シェイクを探していたが、見つけることができなかった。しかし警察は、彼の友人や親戚を逮捕した。

最終的に2002年2月5日に、オマール・シェイクは降伏した。家族が逮捕されたことを知って、絶望的になったのだという。フセインという名前のカラチにいる仲間に電話して、パールを釈放するように指示したが、そのときすでにパールが殺されたことを知ったという。

オマール・シェイクは誘拐を計画したことを告白しているが、パール殺害は指示していないと主張している。

オマール・シェイクがなぜ警察に出頭したのか、最初その理由がわからなかった。なぜ逃げなかったのか? オマール・シェイクは周りの状況をコントロールしきれなくなったために、パニックに陥ったようだ。パール誘拐に誘い込んだ人間が極悪犯罪人で、自分の指示を必要としていなかったことに、やっと気づいたのだ。そこで自分を守るために、出頭を決めた。

smellIn Pakistan, the delicate dance of a key US ally
David Montero、ISLAMABAD

2002年2月21日に、パール殺害の恐ろしいビデオが流れた。彼の殺害者の顔は、映されなかった。

2002年5月に、我々はファザル・カリームという過激派を逮捕した。彼を取り調べたところ、パール殺人に加わっていたことがわかった。パールの埋葬場所も知っているという。

どうして知っているか聞くと、実際に彼はパールの殺人に加わり、殺害するときに彼の足を押さえていたと語った。しかしパールの首を切った男の名前は知らず、単に「アラブ人のようだった」という。

我々は、カラチてパールが監禁されていた場所の近くの、ある小さな家に連れて行かれ、その敷地内から、パールが10つの部分に切り刻まれて埋葬されているのを発見した。遺体は激しく損傷していたが、医師ができる限り縫合した。

結局パールを実際に殺害した人間は、ハリッド・シェイク・ムハンマドであることが、あとになって判明した。彼が逮捕されたときに尋問したら、彼が関わったことを認めたのだ。

2002年7月にオマールは死刑を宣告された。現在控訴中だ。(後略)

ohHow we found Pearl buried in ten pieces

■「カーン博士、娘に核の秘密を暴露するよう要求」[060926 Dawn]

カーン博士が現在ロンドンに住む娘に、パキスタンの核の秘密をイギリスのメディアに暴露するよう要求したと、ムシャラフか自著の『The Line of Fire』の中で述べた。

大統領によると、カーンが書いた2通の手紙をパキスタンの治安機関が入手したあと、2003年11月にカーンの核拡散を調べ始めたという。

メッセンジャーに託した最初の手紙には、カーンがイランにいる友人に、どのようなことがあっても自分の名前を国際原子力委員会に漏らしてはならないと、忠告していた。また自分がしていると同様、既に死亡している人間の名前を挙げるよう、助言した。

(中略)娘に宛てた次の手紙では、「あるイギリスのジャーナリストを通して、パキスタンの核の秘密を一般に漏洩するよう、詳しく指示していた」と、大統領は書いている。

大統領によると、カーン博士は1987年から核拡散に関わり、金を支払う者であれば、誰にでも技術を提供していたという。

「あるとき北朝鮮に向けてチャーターされた飛行機が、カーンのために『特別の』の荷物を運ぶことになっているという情報を入手した。すぐに手入れをしたが、何も見つからなかった。事前に情報が漏れ、荷物が積まれなかったようだった」。

また、あるとき第三国から「イランのザヘーダンを経由して(弾薬を)イスラマバードに運ぶ貨物機をチャーターする許可をカーン博士が申請した、という情報を得た。「私はイランに寄る許可を出さなかった。数日後、結局チャーター機はパキスタンに来なかったことを知った。おそらく弾薬とは表向きで、何か別のものを搭載するはだったに違いない」。

ムシャラフによると、2003年の国連サミットのときに、大事な話があるから翌朝CIA長官のテネットに会うようにと、ブッシュ大統領から言われたという。(中略)「テネットがホテルにやってきて、書類を出した。すぐにそれがパキスタンの遠心分離機の図面であることがわかった」。(中略)

ムシャラフはこの図面を持ち帰り、カーン博士に見せると、「彼は観念し、認めた。私に許しを乞うた。私はパキスタンの国民に謝罪するべきだと言った」(後略)

hoon'Dr Khan asked daughter to leak N-secrets'
Anwar Iqbal、WASHINGTON

■ワジリスタンの協定、オマール師の介入なし[060926 Dawn]

パキスタンは月曜日に、北ワジリスタンの和平協定は、タリバンのリーダー・オマール師の承認のもとで締結されたという報告を強く否定した。

「事実無根だ」と、外務省報道官が述べた。(中略)またビンラディンが腸チフスで死亡したというフランスの報道に関しても、そのような情報はないと述べた。

(中略)9月6日に締結された北ワジリスタンの和平協定にオマール師が関わったという報告は、彼の最高司令官のダドゥッラー師が、ペシャワルのジャーナリストに、3ヵ月前に南北ワジリスタンを訪問し、パキスタン軍と戦わないように戦闘員たちに助言したと電話で語ったことから浮上した。その後ロンドン『Telegraph』紙も、オマール師がこの協定を支持する手紙にサインをし、腹心のダドゥッラー師を部族地帯に派遣して、地元戦闘員たちに協定を受け入れるよう助言させたと報告している。(後略)

hoonWaziristan accord: Omar's role denied
Raja Asghar、ISLAMABAD

■カルザイ、FATAの長老に俸給を再開[060926 Daily Times]

カルザイ政府が、パキスタンの部族地帯の長老たちに俸給の支給を再開した。イスラマバードはこれを「古いカブールの政策の再開」と見ている。

毎月の支払われる俸給により、パキスタンの7つの行政区にカブールの影響が及ぶようになるという。

「ある部族地帯では、俸給を受ける長老の数は2倍に増え、額は長老の影響力によって異なる」と、情報源が述べた。俸給の額は1000〜40000ルピーだという。俸給は、1992年のナジブラー政権のが崩壊したあと、途絶えていた。

カイバル行政区では、カブールから俸給をもらう長老の数は100人から250人に増え、南北ワジリスタンでも、約2000人が受け取ることになている。「カブールは、部族民たちの心を勝ち取るために、俸給を支払うことにしたようだ」と、情報源が語った。誰に支払うかは、カブールの辺境・部族問題省が決めるという。パキスタンは同省を、反パキスタン活動の拠点であるKHAD(アフガン諜報機関) ととらえている。

北西辺境州政府は長老たちの動きを監視し、反国家的な動きが会った場合はすぐに対処するという。

hoonKarzai restores monthly stipend to FATA elders
Iqbal Khattak、MIRANSHAH

■アフガン自爆犯、18人を殺害[060926 BBC]

アフガニスタン南部の知事の事務所とモスクのそばで爆発があり、少なくとも18人が死亡したと、アフガン政府関係者が述べた。

自爆犯が、ヘルマンド州のラシュカル・ガーの検問所で検問を受けた際に自爆した。

これとは別にカブールで、橋の下に仕掛けられた爆弾がNATO軍の車列を直撃し、イタリア兵と思われるNATO軍兵士とアフガン人の子供が殺害された。

爆発で、兵士5人とアフガン人一般市民5人も負傷した。

ラシュカル・ガーでの攻撃は、ヘルマンド州知事、ムハンマド・ダウード・サフィの自宅のそばで発生した。知事は家の中にいて無事だった。

「自爆事件だった。体に爆発物を巻き付けた男が検問所で制止されると、自爆した」とムハンマド・ナビ・ムラーヘール将軍が述べた。死亡した3人は警察官だったという。このほかに一般市民12人が死亡した。(後略)

hoonAfghan suicide bomber 'kills 18'

■アルカイダ容疑者の引き渡しに、アメリカ、金を支払う[060925 The Times]

ムシャラフ大統領が、アルカイダ容疑者の引き渡しに対して、CIAが極秘にパキスタンに数百万ドルを支払ったと述べた。

アメリカ政府は、テロとの戦争に関わる外国の権力に対して、このような報奨金を支払うことを禁じている。ムシャラフは引き渡しに対して支払われた正確な金額は、語らなかった。

アメリカ国防省は、「そのようなことは知らない。あってはならないことだ。これらの報奨金はFBIのテロリストリストに載っているテロリストの追跡に協力してくれる個人に支払われるもので、外国政府に支払われるものではない」と語った。

これらの事実は、今日から『The Times』に連載されるムシャラフの備忘録『In the Line of Fire』の中で暴露された。現在アメリカとパキスタンの関係が、ぎくしゃくし始めている最中のことである。

ブッシュ大統領がはタリバンと戦う方法について、ムシャラフとカルザイと話し合うことになっているが、このことはホワイトハウスにとって、大きな屈辱となる。

またパキスタン国内にも、波紋が広がっている。ムシャラフ内閣や外交関係者は、彼が本を執筆していることを知らなかったために、本の内容から、パキスタンの同盟国や諜報組織との関係がぎくしゃくするのではないかと、懸念している。

CIAは、パキスタンに支払った報奨金の金額を明らかにしていない。「海外のリーダーとの関係については、まだ話す準備ができていない」と、あるCIA関係者が述べた。「海外のリーダーたちが、そのようなことをするとは思っていない」。

パキスタンがアメリカに引き渡したアルカイダ容疑者のなかには、ハリッド・シェイク・ムハンマドがいる。

ムシャラフは、ムハンマドがパキスタン国内で発生した多数の攻撃に関わり、またビンラディンのネットワーク内の幹部の素性について知っていたにもかかわらず、国内の諜報機関は彼をたった3日取り調べただけですぐにアメリカに引き渡してしまった理由については、語っていない。

ムシャラフは、ムハンマドが計画した2002年ヒースロー空港攻撃で、セキュリティーが甘い、チェコ共和国、クロアチア、ポーランド、ルーマニア、スロベニア共和国、マルタの航空会社の飛行機を狙おうとしていたと語った。ハイジャック犯が飛行機を乗っ取る際の合図は、ヒースロー空港に着陸する前に「シートベルトをしてください」のサインが点灯したときだったという。アルカイダは、白人の改宗者を含むヨーロッパ人ムスリムを選び、飛行機をターミナルや燃料庫に突撃させようとした。

テロリストと起訴されている人物が、一時MI6の情報員だったとムシャラフが主張したために、パキスタンの諜報機関は、イギリスの諜報機関との関係が危うくなることを危惧している。

大統領は、ダニエル・パール誘拐殺人事件の主犯で、イギリス国籍のオマール・シェイクが果たした役割を暴露した。

ムシャラフによると、シェイクは、彼がイギリスのLondon School of Economicsの学生だった頃に、MI6に情報員として雇われ、ジハードに参加するためにバルカンに送られたと語った。「ある時点で彼は裏切ったか、二重スパイになった」と語る。シェイクは2002年2月に逮捕され、死刑を宣告されている。現在カラチの刑務所にいるが、イギリスの捜査官は彼に面会することを拒否されている。

ムシャラフによると、これらの秘密を暴露したのは、パキスタンがアルカイダ逮捕に十分な動きをしていないと非難されているからだという。

彼が引き渡したアルカイダ工作員たちは、秘密収容所に拘束された。ブッシュはイスラマバードとワシントンの間に亀裂があるという報告を否定しようとしているが、ムシャラフの発言で、これらは台無しになる恐れがある。

著作のなかでムシャラフは、ワシントンに協力させようとアメリカがあまりにもパキスタンをいじめたために憤慨し、万が一米軍がパキスタン国内に許可なくして入り込んだ場合に彼らに対処できるよう、司令官たちに「戦争ゲーム」を学ばせたと語った。アメリカに協力したのは脅迫のためではなく、国家のためを考えてのことだという。

9.11以後のワシントンの要求を「ばかばかしい」と形容し、パキスタン国内における反米運動に圧力をかけるべきだという要求を含めて、アメリカを強く批判した。

インドの軍隊が無力だと発言したことで、インドとの関係にも亀裂をもたらすおそれがある。

パキスタン国内では、今回の本の出版は、2007年10月に予定されている選挙に向けて、有利になるように出版されるものだと言われている。またこの本の出版で得ることになっている、6桁の印税を彼がどうするつもりかが、話題になっている。

oh'America paid us to hand over al-Qaeda suspects'
Daniel McGrory

■アフガン女性活動家、射殺される[060925 BBC]

アフガン女性の権利のために活動していたアフガン人女性が、カンダハルで射殺された。

ヘルマンドの女性部門の責任者だったサイファ・アマジャンが、家から事務所に向かっていたところ、バイクに乗った男たちに襲撃されて射殺された。アマジャンは、女性の扱いについて、タリバンを公然と非難していた。(後略)

hoonAfghan women's official shot dead

■戦闘員幹部、「イラクで殺害」[060925 BBC]

英軍がイラクのバサラの民家でアルカイダ幹部を殺害したと、治安関係者が述べた。

殺害されたのは、ビンラディンの東南アジアの幹部工作員、オマール・ファルークだという。ファルークは2002年にインドネシアで逮捕されたが、去年アフガニスタンにある米軍収容所から脱走していた。

治安関係者によると、彼はバサラに隠れていたが、アルカイダはこの地域で活動していないと思われている。

英軍報道官によると、隊が攻撃され、逮捕しようとしていた男は銃撃戦で死亡したという。民家には、他には誰もいなかった。英軍は、死亡した男はテロ組織の人間としか発表しなかったが、後にバサラの治安関係者が、死亡したのはオマール・ファルークだったと発表した。

ファルークはクエート生まれのイラク人で、1990年にアルカイダに参加し、アフガニスタンで訓練された。ビンラディンの腹心の部下となり、東南アジアで活動していた。去年カブールのバグラム収容所から他の3人とともに脱走し、後にアルジャジーラテレビに出演し、脱走を自慢していた。(後略)

hoonSenior militant 'killed in Iraq'
Jim Muir、Baghdad

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.