【2006年10月16日〜10月22日】


■タリバンスタイルの過激派、和平協定後部族地帯を闊歩[061022 Reuters]

パキスタンの過激派のモヒーブとアミールは、アフガニスタンの米軍主導軍と戦うために、ワジリスタンからアフガニスタンを出入りしていた。しかしワジリスタンの部族長たちがパキスタン政府と協定を結んでから、旅は中止になった。

2人によると、この協定によって、アフガニスタンでジハードを実施することができなくなったわけではなく、単に不便になっただけだという。「国境はワジリスタンだけではない」と、25歳のモヒーブが、ミランシャーのバザールで語った。「ワジリスタンからアフガニスタンに行けなくなったとしても、他から行ける。いくらでも行く方法がある」。

(中略)しかし和平協定後、アフガニスタンでの米軍主導NATO軍への攻撃は、3倍になった。特に北ワジリスタンとの国境沿いの戦闘が、激しい。

しかし、アメリカやアフガニスタンは現在のところ、成り行きを見守っている。

批判家たちは、ワジリスタンの和平協定のせいで、この地域がアルカイダやタリバンの温床となっていると主張する。しかしパキスタン政府は、部族の長老たちが過激派たちをコントロールしている、と反論する。

最近この地域では、パキスタン軍は見かけない。政府関係者たちも、鳴りを潜めている。

その代わりに、長髪で髭を生やし、AK-47ライフルを持つ部族民が、ミランシャーやミール・アリを闊歩する。「北ワジリスタン行政区のムジャヒディン、タリバン事務所により任命」と書かれたバッジをつけた者もいる。

(中略)ミランシャーのバザールの近くのマドラッサに戦闘員たちは事務所を構え、ここでパシュトゥン部族民間の問題解決にあたっている。

「我々はバザールの法と秩序を保っている」と、事務所の副責任者、イード・ニアーズが述べた。取り引きにより、部族民たちは部族民の法に従って人々を裁くことができる。(中略)

住民によると、戦闘員たちが治安を取り締まり始めてから、犯罪が激減した。とはいえ、「アメリカ人のスパイ」数人が、処刑されている。「彼らが、法と秩序を取り締まっていることに満足している。犯罪がなくなった」と、ある住民は述べる。状況は南ワジリスタンでも同様だ。

(中略)和平協定が締結される前、アフガニスタンのタリバン司令官が北ワジリスタンにいる仲間を訪れ、パキスタン軍と戦うのをやめて、アフガニスタンでジハードを戦うよう促したと、戦闘員の情報源が『ロイター』に語った。

シューラのメンバーであるモーラナ・アブドゥル・カリーク・ハッカーニは、部下たちは協定を守っているが、政府は約束に従い、戦闘で死亡した者の遺族を補償しなければならないと述べた。

宗教指導者であるハッカーニは、自分たちはアフガニスタンに戦闘員を送り込んではいないが、ジハードを戦う者たちに「道徳的サポート」を提供していると述べた。

「我々が異教徒と戦うジハード者たちに協力していることは、間違いない。アフガニスタンで圧力を受けている者たちに協力し、彼らが成功するように祈っている」。

hoonTaliban-style militants roam Pakistan region after pact
Zeeshan Haider、MIRANSHAH

■オマール師、タリバン攻撃強化を警告[061022 News]

オマール師がイードのメッセージとして、今後戦闘員たちの攻撃を強化すると述べ、NATO軍に、アメリカのために戦うのをやめ、アフガニスタンから撤退するよう要求した。

メッセージはパシュトウ語で書かれ、タリバン報道官のムハンマド・ハニーフ博士を通して、eメールで各メディアに送られてきた。英訳されたメッセージも送られた。(後略)

hoonMulla Omar threatens manifold increase in Taliban attacks
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタン、テロ関係者9人を釈放[061022 AP]

パキスタン当局は、タリバンやアルカイダと関係しているとして1年以上拘束していた部族民9人を釈放したと、部族民長老や住民が日曜日に発表した。

釈放されたのは、2005年5月にパジョール行政区で逮捕された、過激派リーダーのファキール・ムハンマドの親類が含まれている。

男たちは、政府とバジョールの長老との間の会談で、「友好の印」として土曜日に釈放されたと部族長会議のリーダー、マリック・アブドゥル・アジーズが述べた。(後略)

hoonPakistan Frees 9 Held for Terror Links
HABIBULLAH KHAN、KHAR

■過激派とムシャラフ、追いかけっこ[061021 Asia Times]

(前略)先週のムシャラフ大統領を狙ったクーデターに関係して、40人以上が逮捕された。中にはパキスタンのAir Weapon Complex(AWC)出身の、アルカイダ関係者もいた。その中の重要人物は、ムニール・マリックとアリ・アーマッド・ゴンダールという2人の男である。

その他にAWCのメンバー2人が逮捕された。シャキール・ラッバーニとサキーク・ザファール、さらに空軍関係者数人がいる。これらの逮捕は、一般には公表されていない。今後さらに空軍関係者が逮捕されるようだ。同時にパンジャーブ州では、過激派多数が逮捕された。

イスラマバード周辺では、大きな変化があった。つまり、イスラーム協会とそのいとこ関係にあるカシミール過激派、ヒズブル・ムジャヒディンが、突然政府の標的となっている。

この2つの組織の重要人物、ヒザール・ハヤットとワカヒル・アフマッド・ジャンジュアが、ヒズブルの居住地域のワーとラワルピンディで逮捕された。この他にも多数が逮捕されている。

これらの取り締まりは、突然のことだった。その結果イスラーム協会の副会長で国会議員のリウカート・バローチが、ISIの幹部と緊急会議を開いた。その後一時的に取り締まりが延期され、イスラーム協会にはいくつかの条件が提示された。

条件の内容はわからない。しかしイスラーム協会会長カジ・フセイン・アフマッドの言葉は、この会談後に明らかにトーンダウンし、イスラーム協会は政府に対するクーデターは望まないと、型通りに発言した。

イスラーム協会は、常にムシャラフ排除の政治運動を主導してきた。ラマダン後には、リベラルやイスラーム政党を結束させ、ムシャラフ排除運動を開始しようとしていた。

しかし最近パキスタンやアフガニスタンでは、政治キャンペーンは政治政党だけのものでなく、過激派や軍内部の不満分子をも巻き込んでいる。

現在過激派は、1つの目的だけを持つ。ムシャラフの対タリバン政策を阻止することだ。そのために過激派組織は活動し、政府内の支持者たちからも協力を得ている。

過激派は、ムシャラフに北ワジリスタンを軍事攻撃させたくない。これらの地域は、タリバンの冬の戦略拠点となる。次の春の攻撃のために再結成し、計画を練るのだ。

パキスタンとアフガニスタンの山岳地域の冬の訪れは、間近だ。つまり両者が動ける時間は、あと数日しかない。

hoonMilitants, Musharraf circling
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■中傷を信じてはならないと、パキスタン慈善団体のボス[061021 Reuters]

インドとアメリカは、180人が死亡した7月11日にインドで発生した爆弾事件の背後に、ハーフィズ・ムハンマド・サイードが率いるテロ組織のフロントである慈善団体が存在すると見ている。

しかし水曜日に自宅転勤から解放されたサイードは、インドの中傷攻撃の犠牲者になったと主張している。

サイードは、慈善団体であるジャマット・ウッダーワの会長で、パキスタン人7万3000人が犠牲になった地震の救援活動で活躍している。

しかしアメリカは4月に、彼の団体をテロ組織に指定した。「我々は慈善活動や社会活動をしているだけだ。パキスタンの子供たちでさえ、そんなことは知っている」と、サイードは2ヵ月に及ぶ自宅軟禁が解かれたあと、『ロイター』に語った。「我々は、そのようなプロジェクトに金を費やしている。テロリストだったらそんなことをするはずがない」。

サイードは、カシミールで戦うジハード組織、ラシュカレ・トイバ創設者として知られている。しかし彼によると、自分は慈善活動家であり、彼への疑惑はインドのプロパガンダだと主張する。しかし、パキスタンを含む諜報コミューニティーは、彼がラシュカレの黒幕だと見なしている。

サイードは8月に、彼が計画した抗議運動を妨害するために逮捕されたが、そのタイミングは、デリーを満足させるためのものだったようだ。インドは、ムンバイで発生した鉄道爆破事件の背後にラシュカルがいると見ている。

(中略)「彼らは、我々をラシュカレやISI、さらにアルカイダとも関連づけようとしている」と、語る。サイードの要塞のような本部は、ラホールにある。ジャミア・カディサと呼ばれ、巨大なモスク、図書館、本屋で構成される。訪問者は身体検査をされ、屋根の上でカラシニコフを構える警備員を見ると、敵を警戒する慈善団体であることがわかる。

(中略)パキスタンはサイードの組織を監視しているが、国連がこの団体をテロ組織に指定するまでは、政府は取り締まるつもりはない。

この慈善団体は、ラシュカレのメンバーを募集し、資金を回しているといわれ、アメリカによれば、アルカイダとのつながりもあるという。ラシュカレは、ビンラディンの世界観を形成するワッハーブ派と同じ宗派に属する。

しかしパキスタンの治安専門家によると、9.11以前は、ラシュカレとアルカイダの関係は緩やかなものだったという。

ラシュカレ創始者と噂されているにもかかわらず、サイードは自分が組織の会長ではないと主張する。とはいえ2001年12月に記者会見を実施し、ラシュカレ司令官の役目をインド領カシミールを基地とする司令官に引き渡すと発表した。

サイードは、ニューデリーの国会議事堂攻撃の数日後、ラシャカレを脱退した。その後パキスタンはラシュカレの活動を禁じた。

サイードは、「私はラシュカレの会長だったことはない。会長だとか、創始者だと書かれることがよくあるが」と述べ、そのような噂を信じてはならないと警告した。

smellDon't believe slurs, says freed Pakistani charity boss
Kamran Haider、LAHORE

■パキスタンの爆発で6人死亡[061020 BBC]

北西辺境州のベシャワルで爆発があり、少なくとも6人が死亡した。混雑した町の繁華街で起きた爆発で、少なくとも21人が負傷した。

イードの準備で忙しい「繁華街の公園に設置された屋台に、爆弾が仕掛けられていた」と、地元の警察長官が述べた。

hoonSix killed in Pakistan bomb blast

■部族地帯へのロケット攻撃で、パキスタン兵2人死亡[061020 AFP]

イスラーム過激派が部族地帯の検問所にロケット弾を撃ち込み、パキスタン兵2人が死亡、3人が負傷した。

木曜日の夜遅く、南ワジリスタンのシャカイ谷のガンジ・テキル検問所にロケット弾40発を撃ち込んだ。兵士たちが応戦して、金曜日の夜明けまで衝突が続いたという。戦闘員側の死傷者はいない模様。(後略)

hoonTwo Pakistani soldiers die in tribal area rocket attack
WANA

■NATO軍、アフガン一般市民9人殺害[061018 AP]

人々が寝静まったアフガニスタン南部で、タリバンを探すNATO軍ヘリコプターが民家を爆撃し、女性や子供を含む一般市民9人が殺害された。

怒り狂ったアショゴ村の住民が攻撃を非難し、NATO軍が対テロ作戦のために住民の協力を得ることが難しくなっている。同じ頃に西部でもロケットが民家を直撃し、住民13人が死亡したといわれる。

(中略)カンダハル州知事のアサドゥッラー・ハリッドによると、空爆が実施された時期、村にはタリバンがいなかったという。

(中略)空爆が実施されたカンダハル州のザーリ地区は、9月の『メドゥーサ作戦』が実施された現場の近くである。NATO軍の声明によると、ザーリと隣接するパンジャワイ地区で発生する爆弾事件関係者を逮捕するために行なわれたという。

ハリッド知事によると、女性と子供を含む9人が殺害され、11人が負傷した。住民によると女性4人を含む13人が死亡し、15人が負傷したという。

(中略)これとは別にヘルマンド州のグリテュク地区タジカイ村で、タリバンとNATO軍との衝突でロケットが民家を直撃した。

住民によると、戦闘機がロケット弾を発射し、民家で寝ていた村人13人が死亡したという。火曜日の夜遅く発生した衝突で、アフガン軍がNATO空軍に援護を依頼したと、地区警察長のグラム・ナビ・マラヘールが述べた。「民家がロケットで攻撃された。攻撃したのがどちらかは明らかではない」。「一般市民の犠牲者が出た」。

NATO報道官によると水曜日の朝2時頃、タリバンの位置に同盟軍戦闘機がロケットを発射し爆弾を投下したというが、民家に直撃したかどうかはわからないという。(後略)

hoonNATO strikes kill 9 Afghan civilians
KATHY GANNON、ASHOGHO

■ロケットでアフガン一般市民死亡[061018 AP]

アフガニスタン南部でNATO軍とアフガン治安軍がタリバンと衝突し、一般市民が犠牲になったと、警察が水曜日に発表した。

住民と犠牲者の親戚によると、一般市民13人が殺害されたという。

ヘルマンド州のタジカイ村で発生した4時間の戦闘で、タリバン1人と警察官3人も殺害されたと、州警察長官のグラム・ナビ・マラケールが述べた。一般市民数人も死亡したというが、その数は明らかにしなかった。

住民によると、戦闘機からロケットが発射され、民家に直撃して中にいた13人が死亡したという。家の主を含む、女性5人と子供5人、男性3人が死亡したという。(後略)

hoonRocket kills civilians in Afghanistan
NOOR KHAN、KANDAHAR

■NATO軍、アフガニスタンで抵抗勢力14人を殺害[061018 AFP]

アフガニスタン南東部で、戦闘員数十人が車列を襲撃したあと、NATO軍と戦闘機が抵抗勢力14人を殺害した。

これとは別にアフガン軍が、火曜日にパクティア州で発生した戦闘で殺害した24人の戦闘員の遺体を報道陣に見せ、チェチェン、パキスタン、トルコ、イエメン人が含まれていると述べた。

火曜日にNATO軍の車列が、ヌーリスタン州のカムデシュで襲撃された。戦闘機が呼ばれ、約30人の抵抗勢力を攻撃した。「ISAFの車1台が破壊され、戦闘員10〜14人を殺害した」とISAF報道官が述べた。ISAF側には、負傷者はいないという。

タリバン報道官が『Afghan Islamic Press』に、タリバンの攻撃で、外国軍兵士10人を殺害したと述べた。

ヌーリスタンでは抵抗勢力の攻撃が激しくなっており、とくに山岳地帯であるカムデシュでは攻撃が急増している。ヌーリスタンはチトラルの反対側にあるが、諜報情報のなかには、ビンラディンがここに隠れている可能性があるとするものもある。パキスタンはこのような報告を否定している。

アフガン軍とISAF軍が火曜日に、別の国境地帯で抵抗勢力24人以上を殺害した。

北ワジリスタンの反対側のパクティア州で、5時間に及ぶ戦いが発生した。水曜日、軍が報道陣に遺体を見せ、殺害された者や逃げ場を失い、自爆した者たちだと述べた。所持品や、3人の逮捕者の証言にから、24人はアフガン人、アラブ人、チェチェン人、パキスタン人、トルコ人、イエメン人が含まれているという。

逮捕された者のうち2人はパキスタン人で、1人はアフガン人である。

パクティア州では、自爆犯が警察パトロール隊を襲撃しようとしたが、自爆しただけで、他の被害者はいなかった。(後略)

hoonNATO forces kill up to 14 insurgents in Afghanistan

■アフガン誘拐犯、キリスト教改宗者を要求[061018 BBC]

イタリア人ジャーナリストの誘拐犯が、彼を解放するかわりにアフガニスタンから亡命したキリスト教徒改宗者の引き渡しを要求していると、救援機関が発表した。

誘拐犯たちは、ムスリムに改宗しているトルセロ氏の解放と引き換えに、イタリアに亡命したキリスト教徒改宗者、アブドゥル・レーマンの引き渡しを要求したという。

レーマン氏は、キリスト教徒に改宗したことで死刑を宣告されるところだった。イスラームを拒否したことで起訴されていたが、精神的に不安定だと判断され、釈放されていた。その後イタリアに亡命した。(後略)

hoonAfghan kidnappers demand convert

■パキスタン、ラシュカレ・トイバ創設者を釈放[061017 Reuters]

火曜日に裁判所が、パキスタンの過激派組織、ラシュカレ・トイバ創設者の釈放を命じた。

ラシュカレ・トイバの元リーダーで、ハーフィズ・ムハンマド・サイードが、8月にラホールでの抗議運動に出席する直前に自宅軟禁になった。

サイードは8月28日にラホール最高裁判所の命令で釈放されたが、直後に再逮捕された。

しかし火曜日に裁判所が、彼の逮捕は不法と命じた。「釈放された」と、サイードの部下のヤハ・ムジャヒッドが語った。

(中略)パキスタンは、2002年にラシュカレ・トイバの活動を禁じた。その後、慈善団体ジャマット・ウッダーワの会長となったが、アメリカは4月にこれをテロ組織に指定した。パキスタンはこの慈善団体をテロ組織のリストに入れているが、活動は禁じていない。

(中略)「ハーフィズ・サイードは、インドの圧力で拘束された」と、ジャマット・ウッダーワ報道官のアブドゥル・モンタジールが語った。「政府は我々に対して行動するのではなく、我々がインドの非難に反論する機会を与えるべきだ」。

hoonPakistan frees Lashkar-e-Taiba founder
LAHORE

■アメリカ、パキスタンで活動とチェニー[061017 AFP]

ディック・チェイニーが、アメリカがパキスタンで対テロ作戦に従事していると述べ、「他のどこよりも」アルカイダメンバーが逮捕されているという。

「我々はグローバルに作戦を実施している。アフガニスタンでは活発に活動している。パキスタンでも活動を続けている。我々は他のどこよりもパキスタンで、アルカイダを逮捕して殺害した」と、ラジオのインタビューで語った。

米軍関係者がすぐに、チェイニーは米軍の単独の行動について言っているのではないと強調し、「副大統領は、パキスタン政府と協力して行なっている対テロ作戦について語っている」と述べた。「パキスタンでは、単独行動はない。副大統領は、テロに対する協力について言及していた」という。(後略)

hoonCheney says US active in Pakistan
WASHINGTON

■英軍、アフガニスタンの町から撤退[061017 BBC]

英軍が、タリバンの抵抗運動の中心だった町から撤退した。

ここのところヘルマンド州のムサ・カーラは、激しい戦闘の中心となっていた。部隊は、町の外に撤退した。地元の人間はこれを「停戦」と呼んでいるが、軍はこのような言葉を使っていてい。

『BBC』のアラスター・ライトヘッドによると、軍の行動は「重要な一歩」だという。戦闘は35日間停止していた。

英軍は、地元の長老たちが自分たちの警察を用いて町の中心の治安を維持することを、許可したという。

英軍は数ヵ月間、ムサ・カーラを守っていた。

hoonUK troops pull out of Afghan town

■アフガン戦略の変更で平和がもたらされるか[061017 BBC]

アフガニスタン南部の英軍は、戦略を変えざるを得なかった。

ヘルマンド州の僻地の町に派遣されて以来、彼らは攻撃され続け、面目を保ちながら撤退する方法を模索し続けていた。

サンギン、ナウザード、ムサカーラに派遣された小部隊は、ロケット推進手榴弾、小火器、迫撃砲などによる攻撃から、自分たちを守り続けなければならなかった。

敵の意志は固く、頑固で、彼らが予測していた以上に勇敢で怖い者知らずだった。「次から次に攻撃を仕掛けてきた」とある司令官がの述べる。別の司令官は、朝鮮戦争以来、あるいは第二次世界大戦よりも激しい戦いだったと述べる。

英軍は政府から圧力をかけられたために、そしてタリバンに屈するはずはないと目論んだために、まだ十分準備が整わないうちに僻地に出かけていった。

《和平協定》

しかしこれらの僻地に補給物資や人力を補給し、さらに重要なことは空からの攻撃で作戦を実行せざるを得なくなり、この目的のために当初の計画とは別に、英軍を束縛してしまう結果になった。

目的とは、ヘルマンド谷に沿って位置する州都のラシュカル・ガーからゲルシェイクまでの間に焦点を当てることだった。ここを確保し、人々の協力を勝ち取り、政府の権限が及ぶようにして開発計画を遂行する。

これを実行するためには、タリバンを追い払うこと必要があり、それにはアフガン治安軍や英軍の機動部隊が必要になる。

作戦が成功する見通しが立てば、すぐに引き上げなければならないが、タリバンのせいで撤退させられたと思われてはならない。

ムラ・カーラの長老たちとの取り引きにより、やっと撤退する第一段階に至った。

30日前に、和平協定を結んだ。長老たちは英軍とタリバン戦闘員の間に、停戦をとりもった。

《戦術的敗北》

さらに協議を進め、部族の長老たちは行政の建物を警備するために地元の警察団を提供し、英軍が安全に撤退する道を築いた。ヘリコプターに迎えに来てもらわなくてもよいように、トラックで安全に送り出してもらいさえした。

迫撃砲や砲撃隊、ヘリコプターはそれほど遠くにあるわけではなかったが、作戦は成功し、一発の銃声さえ発射されなかった。

しかし、問題は残る。平和は続くのだろうか。タリバンがすぐに戻って来ないだろうか。行政の建物に、「黒い旗」がすぐに立たないだろうか。

もっと重要なことは、話し合いを取り持った長老とはいったい誰なのだろう、ということだ。当然代表者たちの中には、さまざまな意見があるだろう。しかし、彼らはタリバンとどの程度関係があるのだろうか。

英軍が到着する前に存在していたこう着状態に戻ることなのか、それとも本当に平和が訪れたのか? 換言すれば、ヘルマンドは6ヵ月前の状態に戻っただけなのか?

もし停戦が続き、タリバンが戻ってこなければ、ムサ・カーラに平和が続く。もし、これが実現するのであれば、夏の戦闘で疲れきった他の地区の長老にとっては、理想的なモデルである。

過去数週間、一時的な静けさが続いている。毎日のように事件はある。しかし7月や8月の状態ではない。

司令官たちによると、これはタリバンが「戦略的に敗北」したからだと言う。皮肉家たちは、芥子栽培の季節だ、ラマダンだ、再結成中だ、などと言う。

平和が続くか、あるいは冬の到来までに再び戦闘があるかにより、実際にNATO軍がヘルマンドでどの程度成功したかが、わかるだろう。しかもそれは戦闘をやめさせることに成功したにすぎず、複雑な使命を達成したことにはならない。

hoonCan change in Afghan tactics bring peace?
Alastair Leithead

■誘拐されたイタリア人、元気と語る[061016 AFP]

今週アフガニスタンで誘拐されたイタリア人フォトジャーナリストが緊急救助機関に、「元気にやっている」と電話で語ったと、イタリアの『PeaceReporter』がウェブサイトで発表した。

「元気にやっている。場所を移動した」と、ガブリエル・トルセロが月曜日の夜、ヘルマンド州のラシャカル・ガーにある救援機関の関係者に語ったという。(後略)

hoonKidnapped Italian in Afghanistan calls to say he's OK
ROME

■パキスタン8人、アメリカの収容所から釈放[061016 AP]

パキスタン人8人が、アフガニスタンとグアンタナモ収容所から釈放され、月曜日に帰国した。

2人はグアンタナモ収容所に、6人はバグラム収容所で拘束されていたと、シェルパオ内相が語った。

シェルパオによると、8人は9.11以後にアフガニスタンで拘束され、テロリストである疑いがかけられたために逮捕されたという。

8人はラワルピンディの刑務所に送られ、自宅に帰る前に取り調べを受ける。

バグラム収容所には14人、グアンタナモにも5人のパキスタン人がいまだに拘束されている。これに先立ち68人がグアンタナモから釈放され、その後起訴されることもなく、釈放された。

hoon8 Pakistanis freed from U.S. detention
SADAQAT JAN、ISLAMABAD

■ハーフィズ・サイードの拘束は有効[061016 BBC]

イスラーム過激派組織、ラシュカレ・トイバの元会長の行動は、インドとの関係に障害をきたすかもしれないと、パキスタン政府関係者が語った。

8月にハーフィズ・ムハンマド・サイードが、パンジャーブ政府によって自宅軟禁となった。彼を拘束することが法に反するかどうか、ラホール最高裁判所で争われている。

サイード氏は現在、イスラーム慈善団体のジャマット・ウッダーワを率いる。法秩序に反する恐れがあるとして、現在拘束されている。

最初8月初旬に逮捕されたが、その後8月29日にラホール裁判所が彼の釈放を命じた数時間後、彼が法と秩序にとっては危険人物でないことを十分示せなかったとして、政府は再逮捕した。

『BBC』のイリアス・ハーンによると、サイード氏の行動がパキスタンのインドとの関係に支障をきたすかもしれないという政府関係者の言葉は、彼が率いるジャマット・ウッダーワがパキスタン国外の過激派活動に関わっていることを認めた、最初のものだという。

アメリカはジャマット・ウッダーワをテロ組織に指定し、アメリカのテロ組織リストに入っている別の組織である、ラシュカレ・トイパのフロントとして活動していると見ている。

パキスタンはラシュカレ・トイバの活動を禁じているが、ジャマット・ウッダーワに関しては、カシミールの地震救援活動に従事する慈善団体としていた。

hoonHafiz Saeed's detention justified

■アルカイダに脅迫されパキスタン行動[061016 Asia Times]

ムシャラフ大統領とイスラーム過激派との間の堪忍袋が、切れつつある。

(中略)最近発覚したムシャラフ政権に対するクーデターは、背後にアルカイダが存在し、軍関係者をも巻き込んで計画されていた。この事実で、ムシャラフがいかに国難に直面しているかが、明らかになる。

情報源によると、計画はワジリスタンの部族地帯にあるアルカイダ本部で練られたという。大統領官邸を狙ったロケットにつながれた携帯電話から、ある空軍関係者が浮かび上がった。その結果、軍内外の40人以上の人間が逮捕された。

パキスタン当局が驚いたのは、逮捕者に空軍関係者が含まれていたということだけでなく、アルカイダがデリケートで重要な機関にまでも浸透していたとこだ。

今回の事件で逮捕された者のなかに、パキスタンのAir Weapon Complex(AWC) と関係のある空軍技師がいた。これは空中兵器やシステムの分野における、重要な機関である。関係者は厳密な身元調査を経て、信頼のおける者だけが採用される。

逮捕された者は、AWCの重要な調査や開発事業に関わっていた。このような人間がアルカイダと関係があり、ワジリスタンから指令を受けて攻撃に備えていたという事実は、パキスタンの治安のもろさを浮き彫りにする。同時に、パキスタンの「テロとの戦争」の役割を否定する社会が根強く存在していることも、明らかになった。

パキスタンの治安関係者は、ムシャラフ暗殺がアルカイダと関係があったことを認めている。記者会見でシェルパオ首相が、アルカイダ関係者8人が逮捕されたと発表した。

しかし当局は、軍関係者が関わっていたということは、公的に認めていない。これまでムシャラフ暗殺を狙った2回の事件でも、同様だ。

ムシャラフを支持する者は、パキスタン軍関係者だ。軍関係者の大半は、パンジャーブ州の農村かパシュトゥンの部族地帯出身者である。その伝統的な背景のために、彼らは原理主義的である。9.11以後、兵士から幹部高官に至るまで、さらに原理主義的傾向が強くなった。

ムシャラフが部族地帯からシャリア法を払拭し、軍を配置しようとしたときに、大きな抵抗を受けた。したがって、「2歩前進して1歩戻る」政策を取らざるを得なかった。それにもかかわらず、パキスタンは今後、重要な役割を果たさなければならない。

第1に、パキスタンに存在するアフガニスタンのタリバン抵抗運動の司令塔を排除する。数日の間に、軍は北西辺境州とバローチスタンで新たな作戦を実施するという噂がある。

北西辺境州といえば、南北ワジリスタンが隣接する。パキスタンのタリバンはここを拠点としており、最近イスラマバードとは和平協定を結んだ。イスラマバードは軍を撤退させることに合意しているが、今後この協定が足かせとなる。

「今回の計画がクーデターだったのかどうかはわからないが、イスラームのシャリア法に対するものであるなら、どんなクーデターであれ支持する」と、ハリッド・ハジャワ元ISI幹部が語った。彼はビンラディンの友人でもある。(後略)

hoonAl-Qaeda scare jolts Pakistan into action
By Syed Saleem Shahzad、KARACHI

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.