【2006年10月23日〜10月29日】


■NATO軍、アフガン戦闘員70人を殺害[061029 BBC]

アフガニスタンのNATO軍によると、アフガニスタン南部のウルズガン州で、戦闘員70人を殺害したという。

約150人の戦闘員がタリン・コートで、NATO主導の国際平和維持軍を攻撃した。数時間に及んだ戦いで、NATO軍は戦闘機ジェット機や戦闘ヘリコプターを呼び寄せ、反撃したという。

これとは別にウルズガン州では、道路脇に設置された爆弾で、NATO軍兵士が殺害された。死亡した兵士の国籍は明らかにされていない。ウルズガン州に派遣されているのは、オランダ軍とオーストラリア軍である。(後略)

hoonNato 'kills 70 Afghan militants'

■部族民戦闘員、バジョールの和平に協力することに合意[061029 News]

土曜日にタリバン戦闘員とモーマンド部族平和委員会の代表が、バジョール行政区に平和を取り戻すために協力することに合意した。バジョール行政区のモーマンド地区タニ・ハワルで開催された会合で、これらの合意に至った。

戦闘員と部族の長老たちを始め、多数の部族民がこの会合に出席した。

ムハンマド・ファキール・マハンマドとモーラナ・リウカット、モーラナ・イナヤトゥル・レーマン、モーラナ・シェール・バハドゥルを含むタンジィム・ニニファーズ・シャリアティ・ムハンマド(TNSM)のリーダーと、マリック・アブドゥル・アジズを含むモーマンド部族平和委員会の代表が、話し合いに参加した。

バジョール行政区の長老たちは部族民たちと話し合いを行ない、政府との和平協定にサインするよう、説得した。

部族民戦闘員たちによると、バジョール行政区ではテロ活動はしていないと述べ、パキスタン国内ではそのような行為は絶対にしないと約束した。

モーラナ・ファキール・モーマンドは、地元の長老や政府と協力し、パジョール行政区の平和のために努力するつもりだと述べた。さらに最近地元のカサダール軍が攻撃したことに触れ、「兄弟を殺害するなど、考えたこともない」と、関与を否定した。

またバジョール内に政府との関係に亀裂を生じさせようと目論んでいる人々がいると述べ、そのようなことは許さないと語った。モーラナはバジョールにシャリア法が施行されるまで、努力するつもりだという。

さらにムハンマド・オマール師をリーダーに、反イスラーム要員に対するジハードを続けると述べた。(後略)

hoonTribal militants agree to work for peace in Bajaur
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■オマール師、カルザイの申し出を却下[061029 News]

タリバン指導者のオマール師が、カルザイからの和平に対する申し出を却下したと、報道官か土曜日に述べた。逆にアフガニスタン人たちを「虐殺」しているカルザイを、イスラーム法に従って処刑すると脅迫した。

「世界の異教徒たちがアフガニスタンに集まり、アフガン人は捕虜となっている」と、ある場所からタヤーブ・アガが語った。「外国の占領軍がいる限り、アフガン操り人形政府との話し合いはない。カルザイとその仲間はまず、外国人異教徒の奴隷になることをやめ、その後初めて我々を話し合いの場に招くべきだ」。

カルザイは金曜日、タリバンの指導者に話し合いに応じるよう、再三要求した。ただ、パキスタンからの援助を絶ち、外国人戦闘員を引き込まないことを条件とした。

「タリバンは外国軍が存在するかぎり、話し合いには応じない。外国軍を一掃するために、オマール師のもとでジハードを戦う」と、アガが述べた。

別のタリバン報道官のムハンマド・ハニーフによると、タリバンは金曜日にカルザイの話し合いに対する申し出を断わったという。『AP』に対するメールで、「国家が占領されている状態では、話し合いの可能性はない」。「圧政者との話し合いは、国家を売ることになる」と述べた。

hoonMulla Omar rejects Karzai's talks offer
KABUL

■一般市民、NATOの攻撃で死亡[061026 BBC]

アフガニスタン南部に対するNATO軍の攻撃で、一般市民数十人が死亡したと、地元政府関係者と一般市民が述べた。

NATO軍は、アフガン国防省関係者がカンダハルのパンジャワイ地区からの報告を調査することに、協力しているという。

同盟軍は、一般市民が死亡したという「確かな情報」は得ているが、60人死亡したかどうかはわからないと述べた。戦闘員48人が死亡したと発表している。

NATO軍は9月に、この地域からタリバンを一掃したと主張した。

《すみませんではすまない》

パンジャワイからの報告によると、ラマダン明けを祝うイード祭の火曜日から襲撃が開始し、夜まで続いたという。民家数軒が攻撃され、一般市民が死亡したといわれる。

村人によると、地元民の遺体が廃墟から掘り出され、埋葬された。

アフガン内務省報道官のツマライ・バシリーが語るところによると、村人40人以上が死亡したという。死者の数はもっと多かったという報告もある。

パンジャワイ地区の行政官のニザ・ムハンマド・サルハディが語ったところによると、一般市民60人が空爆で死亡したという。カンダハル州議会メンバーのビスミッラー・アフガンマルは、80人が死亡したと語った。「政府や同盟軍は、この地域にはもうタリバンはいないと語っていた」。「タリバンがいないなら、なぜ爆撃をするのだろう」。

先月同盟軍はパンジャワイ地区で、タリバン500人以上を殺害している。

《人間の盾》

NATO主導の国際平和維持軍ISAF報道官のルーク・ニティングは、多数の死亡者がいたかどうかは、確認できていないと述べた。(中略)NATO報道官のマーク・レイティは、タリバンはしばしば地元民を「人間の盾」にすると述べ、NATO軍はできるだけ市民の巻き添えがないよう、気をつけているという。

ISAFは水曜日の夜、パンジャワイの3カ所で空爆を実施し、戦闘員48人が死亡したと発表していた。

タリバンの声明によると、パンジャワイ地区で戦闘員は死亡しておらず、犠牲者がいたとしたら一般市民だと述べている。

先週はカンダハルとヘルマンドで、NATO軍の攻撃で一般市民21人が死亡した。

garr'Civilians killed' in Nato raids

■変幻自在のパキスタン過激派の運命[061024 BBC]

パキスタンの過激派組織、ラシュカレ・トイバ創始者は、パキスタン政府がなんとか拘束し続けようとしたにもかかわらず、ラホールの最高裁判所の命令により釈放された。

慈善団体であるジャマット・ウッダーワを率いるハーフィズ・ムハンマド・サイードは『BBC』に、裁判所は「圧力に屈することを拒否」し、「真実を貫いた」と語った。

オブザーバーにらると、政府は彼に対して訴訟の申し立てができなかったという。

「問題には2つの局面がある。まず、サイードは不埒な目的のために献金していた。そして彼の行動は、隣国との関係に支障をきたしていた」と、『Dawn』紙の記者、ワヒーム・アフマッド・シャーが語る。

《アメリカの圧力》

いずれにしても、政府は十分証拠を提出できなかったという。

サイード氏の活動に対して国際社会からの圧力がかかり、彼は8月10日に逮捕された。特定の罪状なしで拘束できる、公衆秩序維持法(MPO)のもとで逮捕された。

弁護士によると、MPOは将来犯罪を犯す可能性がある者に対して適応されるという。したがって、彼が過激派活動に関わっていたためではないと指摘する。

パキスタンは2002年に、ラシュカレの活動を禁じた。しかしアメリカがジャマット・ウッダーワをテロ組織に指定しているにもかかわらず、過激派との関係はないとして、アメリカに追従していない。パキスタンでは、過激派と慈善団体の関係が曖昧である。

《聖戦》

当局は改称した過激派を、見て見ぬ振りをしてきた。ラシャカレ・トイパとジャマット・ウッダーワの関係もそうだ。

ラシュカレ・トイパは、1985年のアフガニスタンにおける聖戦のために、ハーフィズ・サイードが立ち上げた、宣教・出版・広報ネットワーク、ジャマット・ウッダーワ・ワル・イルシャッドから生まれた。

パレスチナ人学者で、アフガニスタンのジハードを支持したアラブの理論家、アブドゥッラー・アッザームが協力者だった。

サイード氏は、ラシュカレをこの組織の武装部門として、1990年代に設立した。ちょうどこの時期、過激派はアフガニスタンからカシミールに移動し始めている時期だった。

したがってカシミールで活動するジハード組織となったラシュカレにより、サイード氏はパキスタン軍や諜報部と強い関係を持つようになった。

組織は、中東のモスクや国内各地から献金を受けた。9.11以後、インド領カシミールやインドの都市部で活動したために、国際的圧力がかけられ始めた。インドは、ムンパイやデリーの爆弾事件や、2000年12月に発生したインド国会に対する襲撃などを、ラシュカレの仕業としている。

《改称》

2002年にムシャラフがラシュカレをテロ組織に指定する数日前、ハーフィズ・サイードはラシュカレの母体組織、ジャマット・ウッダーワ・ワル・イルシャッドを復活させ、改称した。

ラシュカレ・トイバという名前はジャマット・ウッダーワに変わり、全国の本部やリクルート・センターの看板が書き換えられた。

しかし、その活動に変化はない。

本部は変わらず戦闘員を募集し、パキスタン領カシミールの訓練所に送り込む。

これらのキャンプに戦闘員たちがいたために、2005年10月の地震のときに、大活躍した。それ以後、ウッダーワは人気を獲得し、パキスタン軍や国連とともに活動している。

ラシャカレ・トイパは活動を禁じられたために、インドとの関係を改善しようとしているパキスタン政府の方針に不服の者がいる。

これらの要員たちは、ハーフィズ・サイードがムシャラフの政策に従い、カシミールにおけるインド支配を終わらせることに熱心でないと、不満のようだ。

オブザーバーの中には、カシミールで戦うほかの過激派と比べて、ラシュカレはイスラマバードに忠実だと見る者もいる。パキスタンとインドとの関係が悪くなっていることをサイードのせいにして、インドのご機嫌をとっていると主張する。

しかし彼を釈放しても、そう大きな問題でもないはずだ。

smellPakistani militant's fluctuating fate
M Ilyas Khan

■親タリバン派戦闘員、税を徴収[061023 BBC]

北ワジリスタンの親タリバン派戦闘員たちが、独自の税を徴収すると発表した。日曜日にミランシャーでビラが配布され、新たな計画が発表されたという。

(中略)日曜日に、部族の長老の代理と主張する地元タリバン会議が、トラックや商売に関税をかけることを表明したという。

目撃者によると、税の徴収はイード後に開始するという。またビラには、犯罪に与えられる処罰が詳述されたという。殺人者は死刑に処され、窃盗には50万ルピーが課される。

(中略)南ワジリスタンでは、2004年4月と2005年2月に、政府と戦闘員の間で和平協定が締結された。その後南ワジリスタンでは地元のタリバン組織が行政を牛耳っている。(中略)北ワジリスタンも同じような状況になるのではないかと、案じられている。

(中略)アフガニスタンのヘルマンドのムサ・カーラでも、英軍が地元の部族民と同じような協定を結んだ。

hoonPro-Taleban militants in tax move

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.