【2006年11月20日〜11月26日】


■タリバン、パキスタン人記者2人を解放[051126 AFP]

タリバンによると、許可なくして自分たちの拠点に入り込んだパキスタン人記者2人を、5日間拘束したあと解放したという。

タリバン報道官のムハンマド・ハニーフが、「今朝2人の記者をパキスタンの国境近くで解放した」と述べた。2人がタリバンの許可なくしてヘルマンド州のバグラム地区に入ったために、逮捕された。「ジャーナリストがタリバンの地域に入るときには、タリバンの許可を得なければならない」。ハニーフによると、2人は「旅行許可書」を持っていなかったから、逮捕したという。

記者の1人シャーザッドの妻によると、「朝の10時半までに解放すると言っていたか、まだ何も連絡がない」という。(後略)

hoonTaliban release two Pakistani reporters held in Afghanistan
KABUL

■NATO兵と戦闘員55人、アフガニスタンで死亡[061126 AFP]

週末にかけて戦闘員たちがアフガニスタン南部各地で攻撃を実施し、NATO軍兵士1人と戦闘員55人が死亡した。

金曜日と土曜日にウルズガン州とカンダハルで戦闘があった。オランダとオーストラリア軍がいるウルズガン州における戦闘が、最も激しかった。

NATO軍の国際平和維持軍ISAFが「多数の戦闘員」に攻撃され、これに対してISAFは応戦し、戦闘機の援護も依頼したという。

「戦闘員約50人が殺害された。不幸なことに、ISAFの兵士1人がこの攻撃で死亡した」とISAFが声明を発表した。

金曜日にカンダハルのパンジャワイ地区の数カ所でも戦闘があり、アフガン軍とISAF軍が攻撃された。「空からの援護があり、戦闘員約5人を殺害した。ISAFの兵士3人も負傷した」という。

hoonNATO soldier, about 55 insurgents killed in Afghanistan clashes
KABUL

■タリバン、パキスタン記者2人を拉致[061125 AP]

タリバンがアフガニスタン南部でパキスタン人ジャーナリスト2人を拉致したと、タリバン報道官と行方不明になっている男たちの妻の1人が金曜日に述べた。タリバンによると、男たちは無事で、近々解放されるという。

カラチの英字紙『The Star』のサイード・サリーム・シャーザッドとクエッタの新聞記者のクマール・ユーサフザイが、10月19日にカンダハルに出かけて以来、行方不明になっていると、シャーザッドの妻のアニタ・サリームが語った。

『The Star』によると、2人は11月21日にヘルマンド州で、タリバンに拉致されたという。

タリバン報道官のムハンマド・ハニーフは、パキスタン人記者2人は「書類を持たずにアフガニスタンに入ったために」拘束したと述べたが、2人は無事で、日曜日に解放されるという。

hoonTaliban kidnap 2 Pakistani reporters
KARACHI

■パキスタン人ジャーナリスト2人、アフガニスタンでタリバンにより拘束[061125 AFP]

パキスタン人ジャーナリスト2人が、ヘルマンド州でタリバンに拘束され、何らかの理由で裁判にかけれらているという。

家族の話として地元の夕刊紙『The Star』が、同紙記者のサリーム・シャーザッドと別のジャーナリスト、カマール・ユーサフザイが、タリバン司令官のマティウッラーに拘束されたという。

今朝家族が受け取った電話によると、11月21日にシャーザッドはタリバンに逮捕されて裁判にかけられたと、同紙が報告した。シャーザッドはタリバンに逮捕され、何らかの理由と何らかの罪状で裁判にかけられた。シャーザッドは11月19日にチャマン経由でヘルマンドに入ったという。サリームは、アフガニスタン内部におけるタリバンの活動を取材しようとしていたようだ。

シャーザッドの妻は、シャーザッドはこれまで犯罪には関係せず、公平な専門的なジャーナリストであるとして、タリバン最高司令官に夫の解放を訴えた。シャーザッドは、香港を拠点とする『Asia Times Online』の記者である。

いっぼう『The Star』を所有するドーン・グループ会長のハミッド・ハルーンが、国際機関に2人の解放のために仲介することを訴えた。「2人は、ヘルマンドのタリバン法廷で裁判を受けている。国際機関が仲介しない限り、2人の命が危ない」と、Eメールで『AFP』に訴えた。

ohTwo Pakistani journalists held by Taliban in Afghanistan
KARACHI

■タリバン再来、汚職と関係[061124 AP]

タリバン政権が崩壊するまで、ムラー・エシャヌッラーは原理主義を強制していた。

その5年後、彼は再びタリバンとしての活動を再開し、アフガニスタンの荒野やパキスタンの部族地帯にある秘密のゲリラ訓練所を拠点に、メンバー集めに忙しい。

彼によると、新たな世代は自爆や遠隔操作爆弾の使用方法を訓練されているという。このような新たな戦術は、アフガニスタンで大きな成果を上げている。

新たなメンバーたちは今年になって、政府関係者やNATO軍と米軍、そしてアフガン国軍や警察に対して、毎月平均600回の攻撃を実施している。

この原理主義の軍隊は、外国に支持された政府に対するアフガン一般市民の怒りや欲求不満により、ふくれあがっている。政府は腐敗し、地方部の開発は進まず、安全に暮らすことさえできないようだ。

「当初人々は、『ああ、やっと戦いが終わった。安全がほしい。平和の時代だ。やっと戦争が終わった』と言っていた」と、エサヌッラーは語る。

しかし政府の援助は、国民の大半に及んでいない。そして国家は、タリバンが台頭してきた1990年代の無政府状態に戻っている。

タリバン戦闘員たちは、政府と関係する犯罪団から村人たちを守っているという。彼らは欧米軍が行なうように、独断的に逮捕したり、家宅捜索を実施しない。欧米軍による空爆で一般市民が犠牲になっているために、タリバン支持がさらに高くなっている。

「外国軍は、我々を殺すことしかしないなら、出て行くべきだ」と、カンダハルのアショゴ村出身のグーラブ・シャーが叫ぶ。就寝中の隣人9人が、NATO軍の空爆で殺害された。

カンダハル州知事のアサッドゥッラー・ハーンも、同じような意見だ。「このようなことが起きるのであれば、どのようにして国家を安全にできるのだろう」。政府は壊れた家を建て直すことはできるだろう。「しかし住む人が死んでしまったなら、誰のための家を建てるというのだろう」。

タリバンが敗北すると、彼らの厳しい支配に対する反動で、新政府に対して期待が高まった。ザーブルからは約2000人の若者が、警察やアフガン国軍に志願するためにカーブルに出向いた。

しかし、全員が戻ってきた。低い給料や新政府内の民族差別に、嫌気がさしたからだ。そのうちの4人以外は、タリバンに参加した。

そして一般民衆にとっては、警察や軍にそそのかされた犯罪団が、タリバンと同様に大きな脅威となっている。

「タリバンがハイウェイの車を襲撃したと報道されても、実際にそれを行なったのは盗賊であり、時には警察にそそのかされた者たちだ」と、ザーブルの州都カラートの政府関係者パクティンが語る。

(中略)パクティンによると、汚職を排除しようと努力したが、政府の職員は毎月60ドルしかもらえず、ここ3ヵ月はそれさえもらっていないと訴える。給料はどうなっているのか、内務省に問う手紙を書いたが、返事はいまだに来ない。

汚職がはびこっているために、村人のなかには問題を解決するために、正規の方法ではなくタリバン会議に頼る者もいるという。

(中略)汚職問題は、麻薬密売問題と深く関わっている。「なんとか、麻薬密売を摘発しようとしている。しかし政府内で、問題が発生している。麻薬マフィアは、政府内に大きなパイプを持っている」。

(中略)今日ザーブル州の大部分は、タリバンの支配下にある。カンダハルとヘルマンド州では、政府は州都をはじめ、いくつかの地域を支配しているにすぎない。(中略)

英軍とアフガン軍はヘルマンド州のムサ・カーラを守るのをやめ、撤退してしまった。村人にライフル200丁を手渡し、幸運を祈って出て行った。「ムサ・カーラでは、政府は名実だけだ」と、警察官のナジブッラーが語る。

警察の士気は低く、給料は支払われていない。部下の350人中70人は、辞めてしまった。「なぜ私は戦っているのか? 職業軍人だからだ。政府を守らなければならない。しかし大臣から歩兵まで、全員が盗人だということはわかっている」。

同盟軍が車に発砲して、女性2人と子供2人が死亡するのを目撃したという。しかしこのことを報告するのを、妨害された。この件に関してNATO軍報道官のルーク・ニティングは、「調べることは難しいが、やってみる」とは述べたが、情報の提供はなかった。

「外国軍の間違いは、彼らが空爆したり人を殺害していることだ。そうすれば人間は、みんなタリバンの味方になってしまう。日に日に政府は弱体化している。そして一刻ごとに状況は悪化している」。

欧米軍とアフガン人との間の関係も、緊迫している。ジャララバードの部族リーダーのムハンマド・シャリーフは、今年拘束された親戚を探すために、同盟軍に協力を依頼した。しかし、逆に屈辱的な扱いを受けたという。

「5回も身体検査をされたが、私は何も持っていなかった」。「しかし彼らは私と話すとき、ピストルを握りしめていた。つまり我々を友人と見ず、敵としか思っていないということだ。信頼しようとしない人間が、どうやって我々の国を再建できるのだろう」。

タリバンは貧困層を味方につけている。アフガニスタンや、パキスタンのバローチスタン州のカリ・ジャンゲル難民キャンプのような場所から無職の若者を集めていると、アフガニスタンの国連副代表のクリストファー・アレクサンダーが語る。

(中略)パキスタン政府は4月にこのキャンプの閉鎖を命じたが、いまだに存在している。地元関係者によると、アメリカが閉鎖を命じたが、政府はこれを施行することを拒否しているという。アレクサンダーによると、タリバンに対するパキスタン側の支持は「非常に強い」と語る。

アフガニスタン南部で、タリバンや外国人ジハード者たちと関係がある戦闘員は、ごくわずかしかいないという。ほとんどが、部族の名誉、いらだち、あるいは職のためにタリバン運動に参加する、アフガンの一般的な村人だ。

hoonTaliban comeback traced to corruption
KATHY GANNON、QALAT

■パキスタン、タリバン容疑者をアフガニスタンに引き渡す[061124 Reuters]

パキスタンは南西部でイスラーム過激派の捜索を行ない、タリバン戦闘員250人をアフガニスタンに引き渡したと、警察が金曜日に発表した。

クエッタ警察のサルマン・サイードによると、今週、タリバン容疑者240人以上がアフガン当局に引き渡されたという。「本当のタリバン戦闘員だった。ウルドゥーを話すことができず、この地域のことを何も知らなかった」という。病院で治療を受けている者もいたと語った。

hoonPakistan hands over Taliban suspects to Afghanistan
CHAMAN

■NATO軍兵士、アフガニスタンで死亡[061123 AP]

木曜日にアフガニスタン中央部で、パトロール中のNATO軍兵士がロケット攻撃を受け、1人が死亡して別の1人が負傷した。

NATO軍と戦闘員が小火器を用いて交戦し、戦闘員を攻撃するために空軍が呼ばれたという。兵士たちの国籍は明らかにされていない。

山岳部では雪が降り始めたために、最近は攻撃が激減している。

hoonNATO soldier killed in Afghanistan
KABUL

■タリバン容疑者39人、パキスタンで勾留[061121 AP]

警察がクエッタで、タリバン戦闘員と見られるアフガン人39人を逮捕したと政府関係者が発表したが、イスラーム主義者のグループは、逮捕されたのは学生たちにすぎないと主張した。

月曜日の夜から火曜日早朝にかけて、アフガン難民多数が住む地域の借家数軒が家宅捜索され、容疑者たちが逮捕された。(中略)逮捕者のなかに重要なタリバン戦闘員がいるかどうか現在捜査中であると、警察が発表した。

親タリバン派のイスラーム組織の報道官が、逮捕されたのは戦闘員ではなく、学生だと抗議した。「学ぶために来ているにすぎない。戦闘には関わっていない」と、イスラーム神学者協会のアブドゥル・サタール・チスティが述べた。

hoon39 suspected Taliban jailed in Pakistan
ABDUL SATTAR、QUETTA

■拉致されたBBC記者、解放[061121 BBC]

『BBC』の記者、ディルワール・ハーン・ワジールが、拉致された翌日に解放された。ハーン氏は疲れている様子だが無事で、火曜日にイスラマバードの『BBC』の事務所に現れた。

犯人たちには目隠しをされ、取材や情報源について聞かれたという。誰に拉致されたかはわからない、と語った。

(中略)ハーンによると、月曜日の午後、イスラマバード郊外で乗っていたタクシーから引きずりおろされ、目隠しをされて別の車でどこかに連れて行かれたという。

「何者かに目隠しをされ、タクシーに乗せられた。叩かれたり蹴られたりして、どこかに連れて行かれた。暗い場所に閉じ込められ、目隠しをされたままだった」。「さまざまな質問をされた。どうやってここにきたのか、どのような取材をしているのかなど」。

ハーンは24時間拘束され、その後イスラマバード郊外の林に置き去りにされたために、タクシーで戻ってきたという。『BBC』の事務所から、車で25分離れたところだった。

《脅迫》

ハーンは、弟のズルフィカール・アリに会うために、イスラマバードを訪問していた。

月曜日にハーンの携帯電話に別の男が応答し、彼が重傷を負って病院にいると語ったために、安全が危ぶまれていた。『BBC』が調べたところ、病院には入院していないことがわかった。

8月には、15歳の別の弟、ティムールが殺害されている。ハーンとその家族は、これまで何度も命を狙われている。家族には、個人的、部族的な敵はいないという。

2005年2月にワナで、ハーンと同じ車に乗っていたジャーナリスト2人が銃撃されて、死亡した。この時ハーンは 無事だった。一行は、政府と戦闘員たちの間で交わされた和平協定を取材していた。

戦闘員たちに脅迫されたために、ハーンは去年実家があるワナからデーラ・イスマイル・ハーンに移っている。

smellAbducted BBC journalist released

■BBCのパキスタン人特派員、行方不明[061120 BBC]

『BBC』の南ワジリスタンにいるウルドゥー語放送特派員ディラワール・ハーンが、行方不明になっている。

ハーンは月曜日の朝、イスラマバードから北西辺境州に向かって以来、行方がわからない。彼の携帯電話に出た男が、ハーンは重傷を負い病院にいると語ったために、安否が気遣われている。『BBC』が調べたところ、彼の居場所はわからなかった。

パキスタンでは報道関係者の安全は保証されておらず、これまでもハーン氏は脅迫されていた。8月には、彼の弟が殺害されている。

ハーン氏が襲撃されたのは、ジャーナリストとしての彼の仕事が原因かどうかは、明らかになっていない。

ハーンは、ワジリスタンにおけるパキスタン軍と親タリバン派戦闘員との間の戦いについて報告している、数少ないジャーナリストの1人である。

戦闘員と軍の間のデリケートな問題を扱ったジャーナリスト多数が行方不明になり、中には殺害されたものもある。

《重傷》

ハーンは日曜日に、イスラマバードにあるイスラーム大学にいる別の弟、ザリフィカール・アリに会った。その後月曜日にデーラ・イスマイル・ハーンの自宅に戻る予定だったが、帰っていない。

家族によると、大学の寮に素性がわからない男たちがやってきて、ディラワールが負傷したと告げたという。弟は、これらの男たちに同行することを拒否した。

garrFears for BBC Pakistan reporter

■アフガニスタン南部では、助けを求める錯綜したサイン[061120 Washington Post]

神経質にスカーフで顔を隠しながら、女性たちがヘルマンド州で最近起きているタリバンの行為について語った。ずだずだに切り刻まれた通訳の遺体が、袋の中に詰められていた。視力を奪われて針金でぐるぐる巻きにされた、捕虜となった警察官。射殺され、親指から吊るされた女性。

「我々はみんな危険にさらされている。学校は閉まり、政府のために働く人々は、異教徒というレッテルを押される」と、20人の女性とともにカブールに出て来た、ヘルマンド州のグルシェイク出身の女性教師、マ・グルが語った。彼女たちは保護と、弱い州政府関係者の異動を求めた。グルの訴えは、アフガニスタン南部の4つの州の声を代表する。(中略)

これらの女性使節団がタリバンの虐待を語ったが、ヘルマンド州から来た別の長老のグループたちは、タリバン戦闘員を「兄弟」と呼び、自分たちの最大の問題は外国軍の爆撃による破壊だと訴えた。もし政府が、部族民リーダーたちに地域を治める権限を与えれば、今後タリバンが攻撃しないことを保証するという。

「爆撃で数百件の店が破壊され、ブドウ畑も全滅した。しかしタリバンはいまだにいる」と、ヘルマンド州のナウ・ザード地区出身の農民が語る。「我々は、地元のタリバンを知っている。彼らは、汚職や不正と戦っている。我々が自治権を持ち、爆撃がなくなれば、タリバンは我々や中央政府に従うはずだ」。

このような犠牲者の相反するメッセージから、また爆撃による一般民の犠牲者が急増していることから、NATO軍とアフガン軍関係者は、戦略的な問題を考えざるを得なくなっている。タリバンを敗北させるまで今後も戦うのか、それとも長老たちがタリバンたちを制御すると約束する地域では、彼らが留まることを許すのか。

南部は、まだ戦争状態だ。カンダハル、ザーブル、ウルズガンでは、毎日のように戦闘が続く。しかしヘルマンドのムラ・カーラでは、NATO軍は部族民の様子を見ることにした。州知事の介入で9月に締結された協定で、英軍はムサ・カーラから撤退し、長老たちはタリバンに戦いを中止させることを約束した。

今のところ、麻薬密輸の中心でもあるこの孤立した地域からの報告は、混乱している。ある住民たちによると、この地域を支配するのはタリバンだという。最近『BBC』は、武装した戦闘員たちがピックアップトラックに乗ってムサ・カーラをパトロールしている映像を流した。2001年のタリバン支配時代と同じ光景だ。

しかしNATO軍もアフガン軍関係者も、この協定に満足していると表明し、協定締結により戦闘が終わり、外国軍はヘルマンド州都の周囲の安全を確保して、開発計画を開始させることに集中できるようになったという。

(中略)カルザイ大統領は、この協定はタリバンに譲歩するものだという批判に対して、反論した。彼によると、ムサ・カーラに「サボタージュ」要員を許さないという長老たちの言葉を信じているという。しかし地元のイスラーム聖職者がタリバン戦闘員に辱められ、部族のリーダー格の人間が行方不明になったという報告に対しては、憂慮を表した。

カルザイが和平協定を受け入れたことは、彼やアフガン政府関係者が、パキスタンが同じような協定を結んだことに対して示した疑心と対照的だ。(中略)

オブザーバーのなかには、ムラ・カーラの取り引きは抵抗運動に譲歩しているだけではなく、カルザイと外国軍は、アフガニスタンの部族システムであるジルガに後戻りし、民主主義的な機関を犠牲にしていると憂慮する。

「これは誤った解決法だ」と、国会メンバーで治安と防衛委員会の議長を勤めるヌールハク・オレミが語る。「我々の問題は弱い政府だ。もっとましな国軍や警察が必要だ。人間との和解が必要なのであり、テロリストとの和解ではない。昔の部族のシステムやジルガに戻ってしまったら、国家はばらばらになる」。

ヘルマンドの住民はタリバンと取り引きすることに反対するが、行政府に対する失望も隠さない。グレシュクの女性もナウ・ザードの長老も、ヘルマンドの警察や行政官が腐敗しているから、地元の人間はタリバンを支持するのだという。

(中略)「タリバンと取り引きしたと言う者もいるが、それは間違っている」と、ナウ・ザード出身の国会議員が語る。「外国人タリバンは、テロリストだ。しかし地元タリバンは、アフガニスタンの子供たちだ。彼らは我々と話し合い、我々とともに生活する。もし政府が治安を回復できず、このおそろしい爆撃を止めさせられないなら、長老たちにやらせてほしい」。

hoonIn Afghanistan's South, Mixed Signals for Help
Pamela Constable、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2006.