【2007年1月1日〜1月7日】


■イギリス、「NATO同盟軍と歩調が合わず」[070106 Daily Telegraph]

アフガニスタンにおけるイギリスの政策は、タリバンと戦っている欧米の努力を水の泡にしていると、同盟国が警告した。

NATOのアメリカやヨーロッパの関係者が語ったところによると、イギリスはタリバンと和平協定を結んで、パートナーである同盟国と別行動をしているという。さらにイギリスは、タリバンを匿わないようにパキスタンに圧力をかけることも、拒否している。

カブールとイスラマバードの外交関係者によると、イギリスの「孤立した政策」のせいで、来月予定されているタリバンに対する軍事作戦が難しくなっているという。

欧米関係者は、英軍がヘルマンドのムサ・カーラで結んだ和平協定を、強く非難している。英軍司令官は、協定は部族の長老との間で交わしたと述べているが、実際には町を支配していたタリバンと交わされたと言われる。英軍関係者は、これを否定している。

多数の重武装したタリバンがムサ・カーラに戻って来たために、この協定は成り立たなくなってきた。英軍はさらに協定を結びたがっているが、アメリカやNATO同盟国はこれに反対している。

NATO軍を指揮する英軍司令官デビッド・リチャーズ中将は、今年アメリカ人のダン・マクニール中将と交代する予定で、マクニールはこれらの和平協定をすべて破棄すると見られている。

「我々はタリバンと戦わざるを得ない。協定を結ぶ必要性はない」と、国務省副長官のリチャード・パウチャーが述べた。

ヨーロッパは、パキスタンのムシャラフ大統領とイギリスの関係にも、不満を表している。

NATOは、パキスタンの諜報機関のタリバンに対する援助を止めさせるように、ムシャラフに圧力をかけようとしている。しかしイギリスはこのような圧力をかけることを、拒否している。ブレア首相も11月にイスラマバードを訪問した際に、ムシャラフを賞賛した。

外交関係者はその理由として、MI6とパキスタンのISIが、パキスタン系のイギリス生まれの過激派に関して協力し合っているからだと語る。「ヘルマンドにいる英軍は、パキスタンを拠点としているタリバンに攻撃されているにもかかわらず、ロンドンは、イギリスで活動するテロリストの問題でISIに協力してもらっているために、この件を犠牲にしているのだ」と、ヨーロッパの関係者が語った。

hoonBritain 'out of step with Nato allies'
Ahmed Rashid、Islamabad

■オマール、戦闘を強化すると脅迫[070104 Dawn]

タリバン指導者のオマール師が、アフガニスタンの米軍に援助されたカルザイ政権と話し合う意図はないと述べ、「戦争」は非常に激しくなり、外国軍は撤退せざるを得なくなって、彼らによって作られた政府は崩壊すると脅迫した。

「外国軍は直ちにアフガニスタンを去り、彼らが築いた政府は解体するべきだ。このことが実現するまで、戦争はますます激しくなる。終わることはない」と、オマール師はメディア報道官を通じて、彼に送られた質問状に答えた。

報道官の語るところによると、2001年以来、パキスタンの新聞に応じた初めてのインタビューで、オマール師はタリバンの原理主義支配に対する批判に反論するとともに、カルザイ政権との話し合いを拒否すること、ビンラディンを匿うこと、そしてその結果引き渡すこと拒否すること、女子教育の否定、自分の居場所やパキスタンから支援されていることに関する疑惑について語った。

パキスタンの対タリバン政策を批判しないように配慮しながら、オマール師は、タリバン抵抗運動はパシュトゥーンの反乱ではないと語った。

アルカイダとタリバンでは、目標が明確に違うという。彼によると、アルカイダの目標はジハードである。しかしタリバンは、米軍をアフガニスタンから追い払おうとしている。タリバンは、アルカイダとずっと関係を持ち続ける必要性を感じていないと語った。

またタリバンは、カブールとイスラマバードが計画しているジルガに、反対しているという。政府関係者しか、そのようなジルガには参加しないと述べた。

Eメールによるインタビューを実現することに協力してくれた、タリバン報道官のムハンマド・ハニーフによると、オマール師は質問を読み、個人的に答えを出したという。質問状は特別なルートを通じて、彼に渡された。以下が、その質問と答えである。

問……振り返ってみると、タリバン政権時代のタリバンの失敗は何だと思うか。今後、繰り返してはならない失敗とは。

答……タリバンは内戦状態のときに、権力の座についた。タリバンは自分たちが征服した地域を支配していたが、他の地域ではまだ北部同盟軍と戦っていた。国家全体を支配できていたら、本当の政府を築くことができたはずだ。事実、シャリーアやイスラーム法を用いて、組織的に機能する政府を設立していた。もし問題があったとしたら、異教徒や外国人の敵の謀略のせいだ。たとえば、タリバンに対する制裁、反タリバン軍の強化、ムジャヒディンと戦わせるための協力などの妨害がなければ、我々は問題を克服していた。我々のように平和的な政府を作り上げることは誰にもできなかったはずだと、自信を持っている。

問……ビンラディンを匿ったことは、間違っていたと思うか。それを後悔しているか。

答……ビンラディンを匿うことは、我々の主義に基づく。彼を匿った我々に反対する人がいるなら、その理由や論理を明らかにするべきだ。脅迫だけしてもしょうがない。

問……ビンラディンを引き渡すことにより、あなたの同盟国であったパキスタンとサウジアラビアと、距離を置くことになった。その判断は正しかったのだろうか。

答……ビンラディンをアメリカに引き渡すことに、同意したことはない。引き渡すと言ったという者がいるなら、その者は夢を見ていたにちがいない。我々が彼を引き渡すことを望んでいたとしたら、これほどまでに大きな犠牲を払うはずはない。

問……タリバンはバーミアンの大仏を破壊したり、女子校を閉鎖したり、厳格なシャリーア法を施行して非難された。顧みて、正しい判断だったと思うか。

答……シャリーア法はシャリーア法だ。ムスリムの多数が他の文明の影響を受けているから、イスラーム法を厳しいと感じるのだ。我々が政権の座についた時代、女子校はほとんどなかった。我々は、シャリーア法に基づいた女子教育を考えている最中だった。バーミアンの大仏の破壊に関しては、外の世界にとっては考古学の保存の問題だ。政治や外交問題とは、関係ない。

問……ウレマがビンラディンにアフガニスタンから出て行くように要求したとき、彼はなぜ去らなかったのか。彼が去らなかったから、結局タリバン政権が崩壊に至った。

答……これはメディアの誤解である。真実ではない。ちゃんと調べれば、ウレマは彼に去るように命令したのではなく、自主的に帰ってほしいと言ったことがわかるはずだ。そしてウレマは、彼がアメリカ人に降伏することに反対して、アメリカに対してジハードを宣言したのだ。

問……自爆に関して、どう考えている。イスラームがそれを許すと考えているか。

答……ムジャヒディンたちは、ファトワなくして行動しない。

問……タリバンとアルカイダの関係は。

答……現在の状況のなかで、永久的な関係を必要とは感じていない。彼らはジハードを最終目的としており、我々はアフガニスタンから米軍を追い払うことを目的としている。これは、ムスリム全体の共通の目標でもある。

問……2001年にタリバンが失脚してから、ビンラディンに会ったか。

答……彼には会っていないし、会う努力もしていない。しかし彼の健康や安全のためには、祈っている。

問……アフガニスタン政府は、あなたやタリバン指導者がパキスタンに隠れ、イスラマバードに支援されていると言っている。パキスタンの現政府やタリバン支援を、どう考えているか。

答……我々はこれまで、支援を受けていない。支援されていることを証明できる者は、いないはずだ。欧米メディアのプロパガンダは、いつも証拠がなく無意味だ。彼らはメディアをラウドスピーカーとして用いて、戦争を有利にしようとしている。タリバンのリーダーシップ、抵抗運動やシューラは、すべてここ、アフガニスタンにある。

問……パキスタンとアフガニスタンは、戦闘の終結のためにジルガを開催しようとしている。これをどう思うか。

問……ジルガは本来、中立的な立場の人間によって開催されるべきだ。アメリカの陰謀によって開催されるこのようなジルガは、認めることはできない。政府関係者しか、ジルガに参加しないだろう。そのような問いは、問題外だ。

問……アフガニスタンの武力抗争を終結させるためには、どのような解決策があるだろう。

答……まず、外国軍がアフガニスタンから立ち去るべきだ。そして彼らが作った政府機関を解体する。これが実現しなければ、戦闘はさらに激化する。我々は譲らない。

問……現在の抵抗運動における、タリバンの動機は? パシュトゥーン・ナショナリストが、外国軍の撤退を求める運動なのか? それともタリバンが外国軍を撤退させて、「イスラーム首長国連邦」を作ろうとしているのか。

答……アフガニスタンの国民が、アメリカ人と戦うために決起した。強欲な、信頼できない人間の独裁を受けいることはできない。(後略)

hoonOmar threatens to intensify war: Talks with Karzai govt ruled out
Ismail Khan、PESHAWAR

■タリバン司令官、流血の2007年を誓う[070102 Reuters]

タリバンは今年もアフガニスタンにいる外国軍を攻撃し、政府と和解しようとするものは殺害すると、幹部司令官が火曜日に述べた。

タリバン戦闘員は、去年再び強力になって人々を驚かせた。(中略)タリバン幹部司令官のダドゥッラー師が、新たな年には、NATO軍や米軍に対して攻撃を増加させると述べた。

「自爆やゲリラ攻撃は続き、さらに増えるだろう。タリバンはNATO軍や米軍や同盟軍に、大きな打撃を与える」と、ダドゥッラー師が『ロイター』に、ある場所から衛星電話で語った。

ダドゥッラー師は、先月アフタル・ムハンマド・オスマニが死亡したことに関しては触れなかった。

(中略)ダドゥッラー師は、抵抗勢力は外国軍がアフガニスタンにいる限り話し合うつもりはない述べ、話し合いに応じる者は殺害すると主張した。「タリバンの名の下で話し合いに応じる者は、殺害される」という。

hoonTaliban commander vows bloody 2007 in Afghanistan
Saeed Ali Achakzai、SPIN BOLDAK

■アフガニスタンの軍隊、タリバン指導者に焦点を当てる[070102 AFP]

タリバンと戦っている軍隊は、タリバンの歩兵たちに戦闘をやめるよう説得できるとみて、組織の幹部指導者たちに焦点を当てて攻撃している。

NATO主導の国際平和維持軍(ISAF)は、パンジャワイ地区で新たな作戦を開始して以来、この方針を貫いている。

ISAF関係者は、12月19日にタリバン幹部司令官のアフタル・ムハンマド・オスマニ司令官を殺害したことを、大きな成果と主張している。

この夏ISAFは空爆を繰り返し、戦闘員数十人を一度に殺害している。民間人犠牲者もでた。しかし「タリバンを多数殺害しても解決策にならない」と、NATOのある将軍が語った。

タリバン戦闘員の数は明らかではないが、数千人がいるといわれる。

ISAF報道官のドミニック・ホワイト中尉によると、新たな作戦は「二股作戦」だという。「タリバンのなかには、タリバン政権を望み、話し合いを拒んでいる者たちがいる。彼らは話し合いには応じず、殺害されるか逮捕されるまで戦う」。

しかし強硬派が彼らに「未来を与えない」ということを明らかにすれば、歩兵たちには戦闘をやめるよう説得できる、と信じている。金で買収できる者もいるという。報道によると、タリバンは1日12ドルを志願者たちに支払い、戦わせている。

ホワイトによると、ここ3週間にわたって、幹部司令官を狙った作戦が5回実施され、すべて成功したという。そのうちの1回は、ヘルマンドでオスマニを殺害した作戦だったと思われる。(後略)

hoonForces in Afghanistan shift focus to Taliban leaders
Sardar Ahmad、KANDAHAR

■アルカイダとジャングヴィ軍団、テロ攻撃で協力[070101 Daily Times]

2006年にカラチで起きた3つの爆弾事件の捜査から、警察は、異なった組織の人間が協力し合っているという結論に達した。ジャングヴィ軍団とアルカイダ、アフガニスタンのアブドゥッラー・マフスードが率いる組織が特に危険として、注目されている。

3月3日に起きた米領事館の自爆事件で、アンワルウル・ハクとウスマン・ガーニが起訴されている。自爆したのはカラチの住民のラジャ・ムハンマド・タヒールだといわれる。彼はアフガニスタンとワナで活動し、アルカイダと関係があったと疑われている。攻撃に用いられた車は、ワナで製造された爆発物が搭載されていた。

次の自爆は4月11日にニシュタル・パークで起き、スンナ派テヘリーク(バーレビ派)の幹部聖職者が狙われた。「今のところ、この事件は解決されていない」と、ある捜査官が語る。「ただ、宗教抗争だと思われる」という。

3番目の自爆事件は7月14日に起き、アラマ・ハサン・トゥルバニが甥とともに、グルシャネ・イクバルにある彼の自宅の外で殺害された。捜査でカラチの組織が摘発され、自爆犯は16歳のベンガル出身でカラチの住人、アブドゥル・カリームであることが判明した。警察は彼らがワナと関係があることを突き止め、ジャングヴィ軍団とアルカイダ、アフガニスタンのアブドゥッラー・マフスードが率いる組織が背後にいると見ているという。

カラチと関係があるジャングヴィ軍団の人間がワナに行き、そこでアブドゥッラー・マフスードの組織と接触した。その後アブドゥッラー・マフスードの従兄弟のアビッド・マフスードと親しくなった。アビッドを通じてカラチでアルカイダとの絆を深め、アビッドの勧めに従ってデオランギ町出身の若者たちと関係を持った。

ドゥルバイの自爆事件で用いられた自爆ジャケットは、ハザラット・アリという男により、デーラ・アダム・ヘールで作られた。アザラット・アリは、家屋が爆発した際に遺体で見つかった。

ジャングヴィ軍団とアルカイダが宗教抗争で協力していることが、初めて明らかになった。しかしトゥルビを殺害したカリームは、ジャングヴィともアルカイダとも関係がなかったといわれ、単に洗脳された男にすぎなかったという。

hoonQaeda-LJ link in terror attacks
Abbas Naqvi

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.