【2007年1月29日〜2月4日】


■NATO軍、町の占拠を指揮したタリバン司令官を空爆[070204 AFP]

アフガニスタン南部の町の占拠を指揮したタリバン司令官がNATO軍の空爆で殺害され、米軍将軍が3万5000兵からなるNATO軍の指揮を引き継いだ。

タリバン報道官が、政府や外国軍が「再び爆撃しない」ことを約束すれば、金曜日に占拠したムサカーラを引き渡す準備があると述べた。

ムッラー・アブドゥル・ガファールと「部下何人か」が、ヘルマンド州の町の近くで空爆されて死亡したと、内務省が発表した。

国際治安維持部隊ISAFは、殺害された抵抗勢力の名前を出さなかったが、ムサカーラの「蜂起」に「直接関与」していたと述べた。

タリバン戦闘員たちが木曜日の夜遅くに町を攻撃し、日曜日もまだ留まっていると思われる。タリバンに町を占拠されてから身を隠した警察官も、死亡したのはこの地域のタリバン幹部司令官4人のうちの1人であるガファールだと述べた。

「ランドクルーザーに守られて、タリバンの位置する場所に到着したことろ狙われ、殺害された」という。彼と一緒に10人が殺害されたというが、その数は確認されていない。

ISAF司令官のデイブ・マーシュによると、戦闘員が「ムサカーラの村から離れた、孤立した場所を車に乗っていたところを、慎重に計画され、周到に実施された作戦で狙われた」と述べた。

タリバンの報道官は、戦闘員の何人かが攻撃されたことを認めたが、「有名で重要なタリバン司令官は空爆で殺害されていない」と述べた。「村の近くだったために、一般市民の犠牲者が出た」とユースフ・アフマディが述べたが、事実は確認されていない。

アフマディは、タリバンが町を部族の長老たちに「引き渡す」準備ができているというが、「アメリカ人や政府が、長老たちに今後ムサカーラを爆撃したり攻撃したりしないことを保証しなければならない」と述べた。

(中略)抵抗勢力たちは、タリバン戦闘員4人が先週殺害された空爆で、和平協定が侵害されたと主張している。警察によると、ガファールの弟がこの空爆で死亡したという。

ISAFは、空爆は協定外の地域で実施されたと述べた。しかし日曜日の空爆は、協定内地域で実施されたが、アフガン政府の許可を得て実施したと、報道官のトーマス・コリンズが発表している。

アフガン外務大臣のランギーン・ダドファー・スパンタは、この協定を「最初から」信頼していなかったと述べた。「原理主義者やテロリストの島を作ることは許せない。強力な政府を確立する利点にはならない」という。(後略)

hoonNATO strike kills Taliban commander behind Afghan town takeover
KANDAHAR

■タリバンによる町の占領で、アフガン政策がゆらぐ[070204 Observer]

NATO軍とアフガン国軍は昨日、先週タリバンによって再び占拠された町を奪回するために、大掛かりな攻撃をする準備を開始した。

(中略)NATO軍司令官のデビッド・リチャーズ将軍は、ムサカーラの和平協定を支持してきた。昨日彼は、カルザイ大統領と今回の件について話し合ったという。「長老たちに再びムサカーラの支配権を持たせ、タリバンを追い払い、敗北させる」と語った。アフガン国軍のザヒール・アジマイ将軍は、町を奪回する作戦は「近々に開始する」という。

木曜日に200〜300人の戦闘員が、畑の中や悪路をピックアップ・トラックやバイクに乗って町に押し寄せて来た。1時間ほどで町は乗っ取られ、地元の警察官から武器を取り上げ、長老たちを監禁したり、警察署や政府の建物をトラクターで壊した。政府の事務所からは、アフガニスタンの国旗が下ろされた。タリバンたちは昨日、NATO軍の空爆を避けるためにどこかに消えてしまったとはいえ、タリバンが戻り、地域の大部分を支配している。同盟軍司令官たちは、旗が交換されることは予測していなかった。

今日、リチャーズ将軍はアフガニスタンにいる3万1000人のNATO軍の指令を、アメリカ人のダン・マクニール将軍に引き渡す。(中略)最小限の軍備で、リチャーズは少なくとも抵抗運動が拡大しないように、押さえることができた。しかしタリバンが町に戻って来たことで、彼の去り際に汚点が残ってしまった。

ムサカーラ自体は、戦略的にそれほど重要な町ではない。しかし去年の夏、到着したばかりのパラシュート部隊がここに篭城させられた。夜ごとタリバンの攻撃で、英軍6人が殺害された。(中略)その後、州知事と地元の長老と話し合った結果和平協定が結ばれ、英軍はムラカーラから撤退(中略)。アメリカはこの協定を強く非難し、英軍に戦闘意欲がないのではとさえささやかれた。

空爆の力を好むために「ボンバー」というあだ名がつけられている米軍のマクニール将軍は、協定を快く思っていない。アメリカ政府関係者も先週、「どうみても良いものとは思えない」と語った。(中略)ムサカーラの協定で、NATOの間での戦略の違いが明らかになったといえる(中略)。

ムサカーラの協定により、3ヵ月の間は比較的安定していたが、その後少しずつ怪しくなった。新たな州知事がタリバンを厳しく取り締まる姿勢を見せたため、恐らくアフガン政府によって武器を供給されていたムサカーラの長老たちが、地元の重要なタリバン司令官であったムッラー・ガフールから武器を取り上げ、町から追い出した。その後NATO軍が、アメリカのB-1Bジェット戦闘機を用いて町から5キロ離れた地域を空爆した。ガフールはあわやの所で難を逃れたが、彼の弟と部下20人がこの空爆で殺された。長老たちが自分の隠れ家を密告したと思ったガフールは、部下を集め始めた。パシュトゥーン社会では、人間の名誉は復讐にある。ガフールには、仲間がいた。

ムサカーラの致命的な欠点は、部族の問題であった。アフガン社会は、いまだに部族制が残る。(中略)ヘルマンド州の主流な部族はアロザイ族である。このアロザイ族は数十の枝族に分かれるが、2001年のタリバン崩壊後の混乱で権力の座を多数獲得したのは、この部族である。

話し合いが失敗したり、アフガニスタンの選挙で議席が獲得できなかった枝族は、武力に頼ることになる。ヘルマンド北部のように麻薬密輸が盛んで、貧困に喘ぐ労働者や農民、そしてすでに武装して準備万端のムラー・ガフールのような原理主義戦闘員が多数いる場所では、部族民の軍隊は簡単に結成される。

アフガニスタンの血気盛んな部族民、宗教、現金が全部ひとつにまとまったことで、ムサカーラの合意は崩れ、イギリスのアフガニスタン戦略の根幹も失われてしまった。そしてこれからどうなるだろう。(後略)

hoonTaliban town seizure throws Afghan policy into disarray
Jason Burke、Kandahar

■自爆犯、パキスタン兵士2人を殺害[070203 BBC]

パキスタン北西部で車を用いた自爆があり、パキスタン兵2人が死亡した。自爆犯が、デーラ・イスマイル・ハーンの西50キロにあるタンク近くの路上で、軍の車列に車を激突させた。

車列は南ワジリスタンに向かっていたという。

現場にいた『ロイター』の記者によると、自爆犯の車は爆発の威力で大破したという。(後略)

hoonBomber kills Pakistani soldiers

■「アメリカのスパイ」というアフガン人、北ワジリスタンで殺害される[070203 Daily Times]

北ワジリスタンで首のない死体が発見され、「アメリカのためにスパイをしていた」というメモが残されていた。

昨日はミランシャーの近くで、政府関係者3人が射殺された。残されたメモから、スパイ容疑をかけられたのは、コースト州のタニ村の住民ガフールであることがわかった。

斬首された遺体が、グーラム・ハーンの近くの道路脇の溝に放置されていた。「アメリカのスパイは、同じ運命に遭う」というパシュトウ語のメモが残されていた。

hoonAfghan 'US spy' killed in North Waziristan
MIRANSHAH

■タリバンが町を乗っ取り、和平協定が無効に[070203 Guardian]

和平協定が結ばれたヘルマンド州北部の町をタリバンが乗っ取り、アフガニスタンにおけるイギリスの戦略が大きな打撃を受けた。

木曜日に数百人の抵抗勢力がムサカーラになだれ込み、地元の警察の武器を取り上げ、政府の建物に放火して長老たちを脅迫したと、政府関係者や住民が述べた。NATO軍における指揮系統が英軍からアメリカのダン・マクニール将軍に移る2日前の出来事で、不意をつかれた形になった。「タリバンが昨晩町に入った。現在の状況は明らかではない」と、カブールのNATO軍報道官のマーク・ライティが発表した。

英軍司令官は、ムサカーラの和平協定は非常にデリケートなものだと、繰り返し主張してきた。(中略)

200〜300人の戦闘員たちが木曜日の夜に町に入ったと、住民が述べた。ヘルマンド州知事のアサドゥッラー・ワファが、戦闘員たちが新たに派遣された警察の補強部隊−−アメリカ資本の武器を最近受け取った−−から武器を取り上げ、政府関係者の宿舎の一部を破壊したという。住民たちは、NATO軍戦闘機の攻撃を恐れて、町から避難を始めた。

「人々は店を閉め、現場近くに住む人々は逃げ出した」とワファが述べた。和平協定に調印した長老たちが捕虜になっている、という情報もある。

英軍は詳しい状況はわからないと述べ、調査中だという。

先週NATO軍がムサカーラの近くを空爆したが、これがタリバンを刺激した可能性がある。英軍がムサカーラを奪回するために活動を始めるかどうかは、まだわからない。国防省報道官によると、アフガン政府と話し合って決めるという。

hoonTaliban overrun town as peace deal fails
Declan Walsh、Islamabad

■タリバン、アフガンの町を奪還[070202 BBC]

地元の長老と和平協定を結んだ後に英軍が撤退した町を、タリバンが再び支配した。

地元の人間によると、NATO軍がタリバンを空爆することを恐れて、ムサカーラから避難し始めたという。

(中略)英軍報道官によると、142日間和平協定が続いたようだが、無効になってしまったと述べた。

ヘルマンド州知事と地元の人間が語ったところによると、タリバンが深夜のうちに町に入り、自分たちに対抗する長老たち何人かを逮捕し、政府の建物の一部を破壊したという。英軍が夏の間、敵の攻撃から死守した建物だという。

hoonTaleban forces retake Afghan town

■アフガニスタンの空爆で7人死亡[070202 AFP]

アフガニスタン東部で英軍主導軍と空軍が、ロケット砲攻撃の準備をしていた戦闘員グループを襲撃し、戦闘員7人を殺害した。

パクティア州のベルメル地区で、攻撃が実施された。「同盟軍が、ロケット砲攻撃の準備をしているグループを発見し、攻撃した。同盟軍機が現場に爆弾2発を投下し、谷に逃げ込もうとしていた一団にも爆弾を投下して5人を殺害した」という。「地上パトロール隊が現場に向かい、2人の死亡を確認し、別の5人も死亡したと思われる」。

これとは別に木曜日の夜遅くクナール州で、道路脇に爆弾を仕掛けていた戦闘員1人を殺害、もう1人を負傷させたと、警察関係者が述べた。(後略)

hoonAirstrike kills up to seven in Afghanistan
KABUL

■パキスタン、アフガニスタンとの国境に塀を設置する予定[070202 AP]

パキスタンは、アフガニスタンとの国境を強化するために塀を設置する予定だとムシャラフ大統領が述べ、パキスタンの国境警察兵士のなかには、戦闘員の越境を容認している者がいることを初めて認めた。

しかしムシャラフは、パキスタン軍や諜報機関がタリバン戦闘員に協力していることを否定した。

「煽動している者がいないことは確かだが、見て見ぬふりをしている戦術計画レベルの人間がいるようだ。これは正す必要がある」と、ムシャラフが陸軍本部で記者団に述べた。

(中略)第一段階では、7〜8ヵ所、合計22マイルに塀が設置され、作業が完了するまでには数ヵ月かかるという。(中略)地雷は設置されない。(後略)

hoonPakistan to fence border with Afghanistan
MATTHEW PENNINGTON、RAWALPINDI

■あるアフガン人、仲間から麻薬密輸容疑者へ[070202 New York Times]

2005年4月に連邦法執行機関が、アフガン人麻薬王で、タリバンの協力者だった男の逮捕を発表するために、マンハッタンで記者会見を行なった。男の逮捕は、コロンビアの伝説的な麻薬王、パブロ・エスコバールに匹敵する重要な捕り物であることが強調されたが、いくつか不思議な点があった。なぜハッジ・バシール・ヌールザイが、わざわざニューヨークに出かける危険を犯したか、という点である。

今年中にヌールザイは裁判に懸けられる予定であるが、彼とアメリカ政府との関係が今、明らかになりつつある。

2001年のアフガニスタン侵攻の直後、ヌールザイはアメリカ政府関係者と協力して、タリバンの武器庫や指導者たちを探し出すことになっていたという。両者の関係は気まずくなりつつあったが、アメリカ政府関係者は、2004年に、再びお互いの関係修復を計った。1年後、ヌールザイは密かに起訴され、ニューヨークにおびき出され、約2週間にわたって法関係者や対テロ組織関係者の尋問を受けたあと、逮捕された。

テロとの戦争において、政府関係者は情報提供者と取り引きして、役立つ情報の入手に努めてきた。ヌールザイの場合は、果たして支払った犠牲以上に有益な情報を得ることができたかどうかは、明らかではない。

政府のヌールザイに対する態度の変化、つまり協力者から世界を股にかけた有名な犯罪者として告訴することに至った経緯は、アフガニスタンのヘロイン商売と大きく関係している。

アメリカがアフガニスタンに侵略した2001年、軍や諜報関係者は麻薬生産を無視し、逆にタリバンやアルカイダに関する情報提供を約束した軍閥や麻薬密輸業者と取り引きしていた。しかし、最近になってケシ栽培は驚異的に増加し、それがタリバンの資金源になりつつあるため、アメリカはこれらに対処せざるを得なくなった。

「アフガニスタンにおいて、テロリストを探し出すことはのほうが、麻薬密輸業者を探し出すことよりも簡単だった」と、国務省の対麻薬機関に所属するボビー・チャールズが語る。

アメリカは無法地帯に秩序をもたらすために、部族の指導者たちに頼らざるを得なかった。しかしチャールズはブッシュ政権に、長期的な治安を確立するためには、ヌールザイのような麻薬の密輸王を取り締まる必要があると主張した。

(中略)ニューヨークの刑務所に2年間勾留されているヌールザイ氏は、ヘロインをニューヨークに密輸しようとしたことを否定し、麻薬密輸業には一切関与していないと主張する。彼の弁護士のイヴァン・フィッシャーは、ヌールザイ氏の逮捕により、政府はタリバン抵抗運動に関する情報を、受けられなくなったと述べる。「ハッジ・バシールは1990年代から、アフガニスタンにいたアメリカ人に協力してきた」という。

諜報機関や対テロ機関、法機関関係者は、アフリカ政府がヌールザイ氏と数年来関係を持ち続けてきたことを、認めている。しかし彼の協力がどの程度重要だったかは、明らかにされていない。情報に対して礼金は支払われず、その関係は公的なものではなかったという。

ヌールザイとの関係を今後どうするか、政府内では議論があったようだ。2002年に、ヌールザイとアフガニスタンにいるアメリカ政府関係者との間に接触があった最中、CIAは彼を容疑者リストに入れようとしていたという。

しかしCIAのチームの目論みは、妨害された。元関係者によると、米軍司令官や国防省関係者はアフガニスタンにおける対麻薬活動は、テロとの戦争を妨害するものと捉えられていたという。

裕福な部族民指導者だったヌールザイ氏は40代半ばで、3人の妻と13人の子供とともに、クエッタに住んでいた。アフガニスタンとアラブ首長国連邦にも家を持ち、タリバンが生まれ育った土地の出身者である。カンダハル生まれで、1980年代にはソ連と戦った。彼は、CIAがこの時代に提供したスティンガー・ミサイルを探し出すことに協力することを約束した。

同時にヌールザイはアフガニスタンの麻薬密輸に、大きく関わっていた。また当初は、タリバンに協力もしていた。自分のケシやヘロイン工場、密輸ルートや部下たちの保護と引き換えに、爆発物や武器、マンパワーを彼らに提供していた。

9.11が起きた時期に、ヌールザイはクエッタにいた。弁護士のフィッシャーによると、その後すぐにアフガニスタンに戻ったという。2001年11月にスビンボルダックで、米軍関係者だという男たちに会った。当時アフガニスタンにいた米特殊部隊のチームと諜報機関関係者は、部族のリーダーたちの協力を求めていた。

ヌールザイはカンダハルに連れて行かれ、タリバンとその活動に関して、6日間にわたってアメリカ人の取り調べを受けた。アメリカ人との協力に合意すると、釈放された。そして2002年の1月に、彼が所属する部族地帯にタリバンが隠していた対ミサイル砲400を含むトラック15台分の武器をアメリカに引き渡したと、フィッシャーは語る。

さらにヌールザイは、タリバン指導者とアメリカ人たちの仲介役を果たしていたという。ヌールザイはタリバンの元外務大臣、ワキ・アフマッド・ムタワキルに、アメリカ人と会うように説得した。ムタワキルは、彼の故郷にいるムッラーの息子だった。2002年2月にこのタリバン高官は降伏した。和解ブログラムの一環だったという。取り調べのあと、彼はグアンタナモに送られ、2005年に釈放された。

ヌールザイは、地元の部族民有力者、ハッジ・ビルケットに、パキスタンからアフガニスタンに帰るように説得したという。しかしビルケット氏は危険人物で、ヌールザイとともに米軍を攻撃しようとしているという偽りの情報のために、アメリカ人に家宅捜索された際に殺され、家族も怪我をしたという。

政府は、ヌールザイがこれらの交渉に関わっていたかどうか、明言していない。彼がアメリカに出国した理由のきっかけとなりうる、別の話もある。2002年5月に、彼の部族出身の司令官が、タリバンが使用している麻薬密輸ルートが捜査された際に、殺害された。そのためにヌールザイは、自分の安全を危ぶみ始めたようだ。

その2年後の2004年1月に、国防省のチャールズが、彼をブッシュ大統領の麻薬密輸王リストに入れるように提案した。(中略)その2ヵ月後、FBIのために働いていたアメリカのチームが、パキスタンとドバイでヌールザイと会った。彼の信頼を勝ち取り、アルカイダの資金ルートやオマール師の行方を教えてもらおうとしたようだ。アメリカ人たちはヌールザイと会ったが、合流する予定だったFBI工作員が参加できなかったために、失敗に終わった。

2005年に、今度は国防省のチームがヌールザイと再び接触して、ドバイで彼と会った。この時は、目的がこれまでと違っていた。ヌールザイは2005年1月に、麻薬密輸容疑でニューヨークの連邦大審問に密かに告訴されていた。ヌールザイをアメリカに行くよう説得する必要ができた。

フィッシャーによると、アメリカ人たちはタリバンやアルカイダにどのように金が流れて行くかを知るために、ヌールザイの協力を必要としていた。オマール師やタリバン関係者についての情報もほしい。アメリカ人たちはヌールザイに、アメリカに来て自分たちの上司に会ってほしいと頼んだ。

ヌールザイは、自分を逮捕しないと約束するという条件で、アメリカに行くことに同意した。

ヌールザイは2005年4月にアメリカに飛び、逮捕される前、ホテルで13日間に渡って尋問された。

ヌールザイはアフガニスタンやパキスタンからアメリカなどの国々に、5000万ドル相当のヘロインを密輸した罪で告訴されている。1990年代にヘロインをニューヨークに密輸し、さらに2001年と2002年にも、仲間が密輸を行なったという。

hoonAn Afghan's Path From Ally of U.S. to Drug Suspect
JAMES RISEN、WASHINGTON

■パキスタンの武力抗争で5人死亡[070201 AFP]

パキスタンの部族地帯で戦闘員たちが車を襲撃し、地元の警察官を含む3人の政府関係者を射殺した。

木曜日に銃を持った男たちが、ミランシャーからミールアリへ、部族の警察官たちのために給料を運んでいた車輛を襲撃した。政府のエンジニアと部族の警察官が殺害されて3人が負傷したと、関係者が述べた。「犯人たちは車に乗って逃走した」という。

hoonFive killed in Pakistan violence
MIRANSHAH

■自爆事件、タリバンと関係ありと政府[070201 News]

一連の自爆事件を捜査している捜査官たちによると、事件がタリバンと関係がある証拠を見つけたという。週末に逮捕された6人の男たちが、タリバン幹部司令官と関係がある、国内各地で自爆事件を計画している過激派組織について語ったという。

(中略)「捜査により、ワジリスタンを拠点とした過激派の仕業であることがわかった」と、ある警備関係者が述べた。

(中略)「彼らによると、バイトゥッラー・マフスードはタリバンやアルカイダに対する軍の行動を不満に思い、復讐を計画した」という。

hoonGovt links suicide blasts to Taliban、ISLAMABAD

■アフガン軍とNATO軍、タリバン30人を殺害[070131 AFP]

NATO軍の戦闘機がアフガニスタン南部のタリバンの隠れ家を空爆し、戦闘員30人を殺害したと、警察が発表した。

アフガン軍と国際平和維持軍ISAFが火曜日、ヘルマンド州のカジャキ地区にあるタリバンの隠れ家を襲撃した。ISAFに従軍している英軍が作戦に参加したことを認めたが、死亡者の数についてはわからないと述べた。

「軍がタリバンの隠れ家を発見し、NATO軍が空爆した。その結果タリバン30人が死亡し、10〜15人が負傷した」と、ヘルマンド警察長官のムハンマド・ナビ・ムラーヘールが述べた。

死者の中には、タリバンの地域レベルの司令官、シール・アガが含まれているという。「爆撃のあと、地上軍が現場に向かった。遺体が数体残されていたが、負傷者や遺体の一部は、運び去られていた」とムラーヘールが述べた。(後略)

hoonAfghan, NATO operation kills 30 Taliban: police
KANDAHAR

■アフガン指導者、援助金の半分を横取り[070129 Sunday Telegraph]

腐敗した警察や部族の指導者たちが、一般のアフガン人たちの生活を向上させるための援助金を横取りしている。

地域のために提供された援助金全てが、間違った者の手に渡ってしまった例もある。アメリカとイギリスの国防省関係者によると、アフガニスタンに与えられる援助金の半分が、本当に必要している人々の手に渡っていないと見られている。

アフガニスタン南部のNATO軍によると、アフガン警察の中には援助金を横取りする者がいるという。部族の指導者やモスクの長老たちも、物資を横取りしている。建築資材や燃料などが、バザールに横流しされている。アフガン警察のために送られた数千台のトラックや乗用車が、売り払われている。

先週アメリカとヨーロッパ連合は、アフガニスタンの援助のために、さらに70億ポンドを与える計画を発表した。そのうち15億ポンドは、国家再建のために使用される予定である。

アフガニスタン南部のNATO軍は汚職を非常に心配しているが、人々の心を勝ち取るためには、再建プロジェクトを進めざるを得ないと見ている。

最近カンダハルであった話として、横流しの恐れがささやかれていたにもかかわらず、援助品の分配が行なわれた。パシュムル地区にカナダ軍の援助品を分配する責任者、デニス・トンドロー軍曹によると、ある村のアフガン警察が、汚職や強奪で有名だったという。「パサーブに援助品を持ってくれば、警察が盗んでしまうと言われた」。「強奪、汚職、麻薬などで、腐敗している」。

しかしこの地域の人々は、部族やモスクの長老たちも援助品を盗んでいる、と語る。近くのパンジャワイ地区の労働者たちによると、NATOの地域再建チームが分配する援助品は、一般市民の手に届いていないと言う。

20歳のアブドゥル・ガニは、「兵士がここに来ると、物資を裕福な人々に与えた。長老たちが物資を全部せしめて、我々は何ももらっていない」と語った。

隣のザレイ地区の諜報警察官のヌール・ウッラーは、部族の指導者たちに、援助物資は彼らだけのために与えられたのではないことを、わからせなければならなかったと言う。白熱した論争の場で「備品は自分たちの家を立て直すものではなく、モスクや村全体のものだ。個人のためのものではない。共同体のものであり、それを売ってはならない」と、念を押したという。

(中略)ペンタゴンとアメリカ国務省の報告によると、アフガン警察は完全に腐敗しており、全く役に立たないという。あるペンタゴン関係者が語ったところによると、数千台の車やトラックを含んだアメリカの援助物資の少なくとも半分が、警察関係者によって売却されてしまったという(後略)。

hoonUS military: Afghan leaders steal half of all aid
Gethin Chamberlain

■パキスタン、さらに武力行為を誓う[070129 BBC]

地元の親タリバン戦闘員たちが、南ワジリスタンでパキスタン軍が実施した空爆の現場にジャーナリストたち連れて行った。爆撃現場を訪れたあと、私はタリバンのリーダーであるバイトゥッラー・マフスードに会えないか、聞いてみた。

「そのためには、ここに泊まる必要がある。まず彼の居場所を探さなければ。彼は最近非常に忙しいんだ」と戦闘員の1人、ザフィルカール・マフスードが語った。彼は強力な無線機を持ち歩いている。

ミールアリまでの帰路は、何も起こらなかった。ズルフィカールは、四輪駆動車を猛スピードで運転した。時速100キロで走るのが、普通だという。このトヨタトラックのくたびれ方からして、いったいどのくらいもつのか聞いてみたところ、8〜9ヵ月だけだという。

夜中に検問所に近づくと、準軍隊兵士は我々をちらっと見ただけで、すぐに通してくれた。タリバンも、これらの検問所や兵士たち、上空を飛ぶ無人偵察機にさえ、関心を持っていなかった。和平協定が結ばれてから、自分たちは自由に動き回れるという。

ミールアリで、我々は他のジャーナリストたちと別れた。バイトゥッラーとの会見は、『BBC』だけに許された。

約10人の戦闘員と一晩すごしたあと、南ワジリスタンのどこかにある基地に、バイトゥッラーに会いにでかけた。2年前にも、彼と会ったことがある。2005年に行なわれた、サラローガでの和平協定調印式の時だ。今回会うのは、この協定が危うくなっいる時期である。

《ジハード》

バイトゥッラー・マフスードとタリバンの最高司令官であるオマール師は、何度か会っているといわれる。2人ともソ連と対戦した経験がある。2人とも写真を撮られることを嫌う。2人ともジハードを誓い、転々と隠れ家を変えている。

我々がバイトゥッラーのもとに行こうとしている時、男がやってきて、戦闘員に青いビニールの袋を渡した。「こうやってアラーは我々に必要なものを与えてくれる。カネだ。50万ルピー入っている」と、ザルフィカールが言った。誰にもらったのか、ときくと、「誰か」と答えた。

バイトゥッラーの民兵は、厳しいシャリア法を北ワジリスタンと南ワジリスタンの一部に施行している。ここでは、平行政府が支配する。音楽やビデオは禁じられ、問題調停も司る。

黒く髭を染めた34歳のバイトゥッラーは、武装した男たちを従えて、大きな部屋で我々と会見した。我々は床に広げられた、新品のキルトに座った。

バイトゥッラーは、ジハードだけに集中しているような男だった。インタビューの最中、クルアーンからの説をいくつも引用して、外国軍がイスラーム教国家から一掃されなければならない理由を挙げた。

「アラーは聖なるクルアーンにおいて480回、ジハードを説いている。我々は神の命令に従っている。ジハードによってのみ、世界に平和がもたらされる」。

戦闘員の指導者はこれまでも、外国軍と戦うためにアフガニスタンに越境していることを公言している。「外国軍が一掃されるまで、戦いを続ける。そのあとはアメリカやイギリスで彼らと戦い、彼らをイスラームに改宗させるか、ジャジア(イスラーム国家に住む非ムスリムが支払うイスラーム税)を払わせる」。

《自爆者》

バイトゥッラーは、アフガニスタンにいる外国軍に対する戦いは、さらに激しくなるだろうと予告した。「ムジャヒディンはさらに攻撃をする。欧米に空爆があるというなら、我々にはフィダイーン(自爆者)がいる。欧米軍は辱められ、撤退する」。

肺を患っている戦闘指導者は、ジャラウッズィン・ハッカーニが部族地帯にいて、アフガニスタンでの攻撃を指揮しているというアメリカの主張を否定した。「全部嘘だ。証拠があるはずはない」。

戦闘員たちは、パキスタン軍と戦うことは望んでいないという。アメリカ人たちにとって、都合が良くなるだけだという。「パキスタン軍報道官のショーカット・スルタンが、この件についての鍵を握っている」と、パキスタンが彼らに対する爆撃を続けた場合について問うと、答えた。

1時間ほど話し合い、お茶を飲んでから、我々はペシャワルに向かった。

別れ際にバイトゥッラーは、香水と「なぜジハードが必要か」というウルドゥー語の本をくれた。帰路、道路脇に新しい墓が並ぶのを見た。

白いタリバンの旗が、いくつかはためいていた。「アフガニスタンの殉教者たちの墓だ」と、ザフィカールが言った。

hoonPakistan Taleban vow more violence
Haroon Rashid

■パキスタンで自爆、警察官2人が死亡[070129 AP]

月曜日にパキスタンの北西部で、警察官がシーア派の行進に近づこうとした男を制止しようとしたところ、男が自爆した。警察官2人が死亡した。

デーラ・イスマイル・ハーンで起きたこの自爆事件で、このほかに別の警察官2人と一般市民5人が負傷した。

警察官が行進に近づけないように道路を封鎖したところ、男が中に入ろうとした。身体検査を拒否して、そのまま自爆した。

hoonAttack bomber kills 2 police in Pakistan
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■パキスタンのモスクにロケット弾、11人負傷[070129 AP]

パキスタンの北西部のバヌーで、シーア派のモスクにロケット弾2発が撃ち込まれ、2人の重傷者を含む11人が負傷した。

シーア派のアシュラの祭りのために人々が集まっていたモスクのホールのそばに、ロケット弾が撃ち込まれた。当時モスクの中には、数十人の人間がいた。(後略)

hoon11 hurt as rockets hit Pakistan mosque
PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.