【2007年2月12日〜2月18日】
●アフガニスタン南部の雪山にヘリコプターが墜落し、米兵8人が死亡、14人が負傷したと、米軍が日曜日に発表した。
●夜明け前にツイン・ローターのCh-47チヌークが突然制御不可能になり、墜落したという。
●最近の報告では、タリバンがこの地域で米軍主導同盟軍に対する作戦を強化しているといわれている。しかし米軍は、敵の攻撃や悪天候のために墜落した証拠はないと述べた。
●（中略）敵の攻撃を受けたかどうか同盟軍報道官のデビッド・アチェッタ中尉に尋ねたところ、「エンジンの問題だった可能性が強い」と答えた。
●（中略）タリバン司令官のハヤトゥッラー・ハーンが『ロイター』に電話で語ったところによると、ゲリラたちがヘリコプターを撃墜させたという。（後略）
U.S. chopper crash kills 8 in Afghanistan
●アフガニスタンの米軍主導軍のヘリコプターがエンジントラブルのために墜落したと同盟軍が発表したが、死傷者については明らかにされていない。現在捜索活動を行なっているという。
●ヘリコプターは南東部で墜落したと述べたが、機種や搭乗者の数などはわかっていない。
●住民によると、ザーブル集のジャー・ジョイ地区でヘリコプターが墜落したという。この地域ではタリバンの活動が盛んである。（後略）
U.S.-led coalition chopper crashes in Afghanistan
●クエッタで自爆攻撃があり、少なくとも15人が死亡した。
●地区裁判所で裁判が行なわれている最中に爆発があり、裁判官と弁護士数人、裁判関係者が死亡した。数十人が負傷したが、犯行声明は出ていない。
●（中略）警察によると、自爆犯の頭部が発見されたという。「犯人が法廷に入ってきて壁に寄りかかっていたところ、爆発が起きた」という。
Pakistani suicide bomb kills 15
●タリバンが、ヘルマンド州で外国軍のためにスパイ行為をしていたという5人を処刑したと、住民が述べた。
●クナール州のアンガム地区でも2人が処刑されたと、タリバン報道官のザビフッラー・ムジャヒッドが述べた。スパイ行為をしたために、有罪になったという。
●これに先立ちヘルマンド州のグリシュク地区ミルマンディ地域の住民が、木曜日にタリバンが3人を処刑し、金曜日にはさらに2人に処刑が言い渡されたと述べた。さらに金曜日に別の3人が、スパイ行為をしていたとしてタリバンに捕まったという。（中略）処刑されたのは全員ザーブル州の人間だった。
●いっぽうアルカイダが金曜日に、アフガニスタン南部の米軍とアフガン軍の前哨基地が襲撃される様子を映したビデオが、インターネットに発表された。
●24分からなるこのビデオには、アメリカ人アルカイダによるナレーションが入り、戦闘員たちが襲撃を計画して基地を偵察に行く様子から、夜間に実施された攻撃の一部始終、そして地元アフガン人が彼らを「解放者」として歓迎する様子までが映されている。
Taliban execute seven for spying
●金曜日にバジョール行政区のサラールザイ地区で、地域の保健を担当する医師、アブドゥル・ガーニ・ハーンの乗った車が即席爆弾により爆発し、ハーンが死亡、保健ワーカー3人も重傷を負った。
●医師の一行は、子供たちにポリオのワクチンを注射することを長老たちに説得するためにカールへ行き、そこから戻ってきたところだった。
●ガーニは子供たちにポリオワクチンを施し、住民たちの理解と協力に感謝を表明していた。バジョールを始め北西辺境州では、ポリオワクチンはムスリム世界でバースコントロールをするための陰謀だと、非難されている。
Bajaur surgeon killed as polio vaccine termed 'Western plot'
●タリバンが、アフガニスタンにおける外国軍との春の戦いに備えて戦闘員1万人の準備ができたと、金曜日にタリバン司令官が主張した。
●タリバンのヘルマンド州における作戦司令官のムッラー・アブドゥル・ラヒームが衛星電話で、「暖かくなり、木々の葉が青くなる頃、米軍主導の外国軍に対して激しい攻撃を開始する。戦闘準備は万端だ。指令が出れば、戦闘員1万人が銃を取り上げる」。
●（中略）アブドゥル・ラヒームによると、アフガニスタン南部が攻撃されるという。（後略）
'Taliban deploy 10,000 fighters'
●タリバンは、アフガニスタンのもっとも重要な再建計画を、たった14発の安物のロケット弾で中止させた。
●カジャキの王立海兵隊 （Royal Marines） が、抵抗勢力たちをダムの北部から追い払う劇的な作戦を終えて数時間後、ロケット弾が撃ち込まれたために、建築業者たちは避難を命じられた。
●人々が現場に戻った翌日の火曜日に、ダムの西部から107mmミサイルが発射され、海兵隊の基地の周囲に着弾した。被害はなかった。海兵隊や水力発電のために働くアフガン人エンジニアたちは、気にも留めなかった。
●しかし建設を監督している2人の外国人請負人、アメリカ人とオーストラリア人は、使用できる最初のヘリコプターで避難した。彼らが戻るまでは、カジャキの再建活動は休止する。
●カジャキの計画に出資しているアメリカの援助関係者は昨日、請負者たちを避難させたことをなんとかごまかそうとしていた。「カジャクの施設を訪れた2人の専門家は、エアコンと配管系統が壊れていることに気づいた」と、ある関係者が述べた。「これらを直す方法を考えるために帰ってきた。話を複雑にしたのは、ロケット攻撃を受けて、施設の窓が吹き飛んだからだ」。
●2週間にわたってタリバンと戦い、ダムがある地域から彼らを追い払った王室海兵隊は、請負人たちがあわただしく帰ってしまったために落胆している。
●「使用されたロケットは、8キロ以上飛ぶ。タリバンをそれ以上の距離までに追い払えば、次に砲撃してくる。だから何だというのだ」。
●アメリカの援助団体は、中国人技師50人を派遣する前に、まず海兵隊がダムの周囲6キロの安全が確保するよう、条件を出した。（中略）中国人たちを守るために雇われたアメリカの会社USPIが先週、カジャキに向かう途中に襲撃された。2人が負傷した。アメリカの援助関係者は、中国人たちはカジャキに2月下旬までに到着すると自信を持って語っていたが、今になってスケジュールが変更されたことを認めた。
●カジャキがロケット弾で攻撃される数時間前まで、第42奇襲隊司令官のマット・ホームズ中佐は、ダム建設に関して楽観的な意見を述べ、この地域に派遣された自分たちの意義について語っていた。しかし参加者たちが、ある程度勇気を持たなければならないとも語った。（中略）
●2人の請け負い人たちが泊まっていた、もともと1970年代にドイツ人技師のために建てられた、比較的贅沢な2階建ての建物の近くにミサイル1発が爆発したが、窓が3つ壊れ、水道管が損傷しただけだった。
●「彼らはきまり悪そうに、帰ると言った」と、水力発電所のアフガン人技術責任者であるサイード・サスールが語った。「彼らが決めたことではない。でも、私の部下は仕事を止めてはいない。我々はロケットなど、怖くない」。
Missiles drive US staff from dam that Royal Marines fought to save
●カルザイ大統領のイギリス訪問と時期を同じくして、アフガニスタンのタリバンに対する戦争に関して、関係者の間で見解の相違が生じている。
●大きな相違のひとつは、ケシ栽培の許可に関するものだ。
●国際シンクタンクのSenlis Councilは、薬として使用するケシ栽培を許可することなど、いくつかの政策変更を提案した。British Medical Associationも、同じような見解を発表している。
●しかし米政府の対テロ戦略家たちは、アフガニスタンにおける戦略と対麻薬政策は正しいと主張している。
●187ページからなるSenlis Councilの対タリバン戦略を批判するドキュメントは、「友人を失い、敵を作る」と題され、研究者たちの結論がまとめられている。
●主任研究員であるカナダ人弁護士、ノーライン・マクドナルドが会議で、「我々は戦闘に勝利しているが、戦争には敗北している」と語った。
●国際社会はアフガニスタンで、「転換期」を迎えたという。「軍はすばらしい仕事をしている。しかし彼らが善かれとしてやっていることが、悪い影響をもたらした」。戦闘を主導しているNATOは、「現実的な見直しと、率直な訂正」を必要としているという。「国際社会は地元の人間たちに、自信をもたせることに失敗している。特に南部では、何の援助もない」（中略）。
●アメリカがトルコやインドにケシ栽培の許可を与えて、モルヒネやコカインを製造していることを挙げ、アフガニスタンにも同じような許可を与えるべきだと述べた。そうしなければタリバンは支持されてしまうという（中略）。我々の政策により、カルザイは失敗してしまう。
●いっぽう、オーストラリア軍の医師であるキルクーレンは、対テロ思想に大きな影響力を与えている。彼によると、「アフガニスタンには、今の状況の母体となる原理主義が、まだ根強く残る」と語る。「まだやらなければならないことが残っており、困難な道が続くが、成功への展望は良好だ」。
●彼によると、去年のタリバンの作戦は失敗し、アフガン人の多数がカルザイ政権を支持しているという。タリバンは「最も手強い敵であり、彼らを近くで見て来た。彼らは軍隊と同様の専門家で、破壊部隊でもある」。
●さらに彼は、麻薬生産に許可を与えることを否定した。「心を勝ち取る」政策は、一般市民に親切にすることではない。「彼らの心に、我々が勝利することが彼らのためになり、我々が勝利することを彼らに認識させる必要がある。アフガニスタンでは、感謝の気持ちというものは意味がない。彼らに選択させなければならない」。「タリバンは、政府から人々を切り離すために、ケシ畑を守るという政策をとっている。我々はそれに対抗しなければいけない」。（後略）
Afghanistan: Winning or losing?
●NATO軍機がアフガニスタン南部の建物を空爆し、タリバン司令官とその部下7人を殺害した。いっぽう住民によると、一般市民も死亡したという。
●ISAF軍によると、夜明け前に実施された作戦では、「正確な誘導兵器」を用いて、ヘルマンド州でタリバンが2週間に渡って占拠している町の近くの建物を空爆したという。
●「一般市民を巻き添えせずに、住居群にある1軒の建物を全壊させた」と、ISAFが水曜日に声明を発表した。
●ヘルマンド州警察長のムハンマド・ナビ・ムッラーヘールによると、この空爆で、ムサカーラの占拠に関わっていたタリバン司令官のムッラー・マナンと部下7人を殺害したという。一般市民が死亡したという住民の話については、コメントしなかった。
●ある男によると、司令官と抵抗勢力11人が、泊まり込んでいた建物が攻撃されて死亡したという。タリバン司令官だというムッラー・ナザムッディンが、一般市民13人が死亡したと述べた。（後略）
NATO strike kills Taliban commander in Afghan hotspot
●NATO軍とアフガン軍がアフガニスタン南部で、戦闘員によって占拠されたダムと町で発生した戦闘で、タリバン抵抗勢力22人を殺害した。
●月曜日に、ヘリコプターとアフガン軍に援助された英軍が、ヘルマンド州のカジャキ地区にある水力発電所周辺の抵抗勢力の拠点を攻撃して戦闘員15人を殺害したと、警察が発表した。
●NATOが率いるISAF軍によると、火曜日に再び同じ地域を攻撃し、「正確な空爆」を実施したという。抵抗勢力が何人死亡したかは、明らかにされていない。
●さらに2週間前にタリバンによって占拠されたムサカーラの町の近くで、戦闘員7人が殺害されたと、州警察長間のムハンマド・ナド・ムッラーヘールが述べた。
●ここ数日間カジャキでは、水力発動所でエンジニアたちが働くための安全を確保しようとしていた英軍と抵抗勢力の間で、激しい戦いが続いていた。
●2ヵ月以上、今回戦闘があった現場を「敵が迫撃砲で攻撃していた」という。ロイヤル・マリンとアフガン軍は、「強化されて高い塀で囲まれた」建物を取り壊そうとしたところ、重・小兵器やロケット推進手榴弾で攻撃されたという。ヘリコプターによる空の援護を受け、12時間に及ぶ戦いが続いた。
●「カジャキ地区で、タリバン15人を殺害した」と、ムッラーヘールが述べた。
●再び火曜日に軍が攻撃されたために、空からの援護を要請し、建物にいる「敵の陣地」を空爆したという。「敵が建物から引き上げた所、ISAF軍との戦いになった。正確な空爆が行なわれた」。
●ムッラーヘールによると、火曜日にムサカーラの近くでNATO軍とアフガン軍がタリバン7人を殺害し、地元の司令官も殺されたという。
●ムサカーラの住民によると、町に運び込まれた遺体の中には、司令官であるトール・ジャンの遺体もあったという。（後略）
NATO forces kill 22 Taliban in southern Afghanistan