【2007年2月19日〜2月25日】


■「自爆犯」デーラ・イスマイル裁判所を攻撃か[070225 Daily Times]

8人の女性を含む20人ほどの自爆犯たちがデーラ・イスマイル・ハーンに侵入し、地方裁判所を攻撃する可能性があると、地区警察官が述べた。地区警察官のアブドゥル・ラシード・ハーンによると、犯人たちは15〜20日以内に攻撃を実施する予定だという。警察は地方裁判所に入る車や人間に対する検問を強化して、厳戒態勢を敷いているという。

またペシャワル警察は土曜日に、アボタバードの近くのハリブールで、乗り合いバスに乗っていた自爆志願者を逮捕した。警察がマルダンからアボタバードに向かう車を停め、乗客に車から出て逃げるように指示した。警察は爆発物をつけたジャケットを着用し、爆弾2発を所持していた男を逮捕した。

hoon'Suicide bombers' may hit DIK courts
DERA ISMAIL KHAN

■パキスタンでテロリスト3人死亡[070224 AP]

土曜日にパキスタン東部で、自転車に載せて運んでいた爆弾が誤って爆発し、3人のイスラーム過激派が死亡した。

男たちは、ムルタンから60マイルの場所にあるチーサャ・ワトニで開催されていた、家畜マーケットを警備していた警察官を狙っていたと、思われる。

当初爆発で通行人1人が巻き添えとなったと発表されたが、この男も自転車に乗っていたことがわかった。

(中略)現場の警察官によると、男の体に巻き付けられた爆発物が早く爆発し、男と仲間2人が死亡した。現場の近くでは、テロリストとの銃撃戦で死亡した警察官の葬儀も行なわれていた。男たちは、シパ・エ・サハバと関係のある、地元マドラッサの学生だったという(後略)。

hoon3 suspected terrorists die in Pakistan
KHALID TANVEER、CHEECHA WATN

■イランの山中にいる外国人悪魔[070224 Asia Times]

『テヘラン・タイムズ』が先週、イスラマバードとワシントンの一部のコネクションがアフガンの状況を巧みに操作していると、パキスタンを非難する異例の報道を行なった。イラン政府の考えを反映するこの記事は、一部では周知のことでありながらも、公の場で発言することを憚っていたことだ。

(中略)イランの非難は、イランのシスタン・バローチスタン州に対する、パキスタンによるテロ攻撃が引き金となった。10日前に、ジュンダッラーと呼ばれる過激派組織が、ザヘーダン中心の町を攻撃して、イランの革命警備隊員11人を殺害した。イランによるこの非難は、イラン国内に民族的・宗教的抗争を起こすためにアメリカが首謀した、と主張する。バローチ族はスンナ派で、シーア派が支配的なイランの人口7000万人のうちの、150万人を占める。

イランの内務大臣のムスタファ・ブール・ムハンマディは、アフガニスタンにいるアメリカの諜報工作員がイラン人過激派と共謀し、アフガニスタンからイランに麻薬を密輸することに協力しているという。アメリカの工作員たちは、イラン内でシーア・スンニの抗争を引き起こそうとしている。

アメリカのジャーナリストのセイモア・ハーシュは最近、イラン内で活動しているアメリカ秘密工作員について書いている。米軍や治安組織と関係のあるシンクタンクであるストラットフォーは、ザヘーダンの事件に関して、ジュンダッラーの過激派たちは欧米の諜報機関から「支援」されていると述べた。ストラットフォーによると、「アメリカとイランの関係は、非常に緊迫した状況になってきた。代理戦争が行なわれている。アメリカはイランの抑圧された少数派に協力して、イランがイラクに関する問題解決に向けて動き出すように、画策している」という。

イランは、パキスタンから越境してくる過激派たちの犠牲者として、インドやアフガニスタンに仲間入りした。テヘランもまた、これらのテロ行為がムシャラフの関知しない所で起きているのかどうかを疑い、さらにムシャラフがこのような状況を取り締まることができるかどうか、悩むことになる。

しかしアメリカがこの越境テロのスポンサーであり、パキスタンではないということから、インドやアフガニスタンよりもましな状況にある。アメリカがパキスタン国内で画策していることだとしたら、ムシャラフも、何ができるというのだろうか。イラン人たちは、ムシャラフを苦境に追い込んだようだ。

テヘランの外務省報道官は、先週の日曜日に駐イランのパキスタン大使を呼び、ザヘーダンの事件に関して説明を要求した。同時にパキスタン政府は、パキスタンとイランの国境を「かく乱」することを意図しているはずはないとイランは信じている、とも述べた。

イランは、アメリカの作戦に精通している。アメリカはこれまでも、イラン国内でテロ活動のスポンサーになってきたからだ。(中略)

去年ワシントンの会議で、イランのクルド、バローチ、オーヴァジ、トルクメン、アゼリの組織を集め、テヘランに対抗する同盟を組織することを画策した。アメリカの有力なシンクタンクのアメリカン・エンターブライス研究所(AEI)はさらに踏み込み、ネオコンが目指すイランにおけるユーゴスラビア的国家がどのようなものになるかについて、報告を提出している(後略)。

hoonForeign devils in the Iranian mountains
M K Bhadrakumar

■米外交官殺害の爆弾事件、アルカイダと関係[070224 New York Times]

3月にブッシュ大統領がパキスタンを訪問する直前に米外交官員が殺害された自爆事件は、パキスタンの部族地帯を拠点とするアルカイダ工作員が計画し、パキスタン人過激派によって実行されたと、パキスタンが発表した。

(中略)捜査官によると、アンワル・ウル・ハクとウスマン・ガーニは北西辺境州出身のパシュトゥーンで、カラチの労働者階級として育ち、その後アフガニスタンでタリバンとともに戦ったという。2人は木曜日に、カラチの中央刑務所の法廷に出廷して、検察官が彼らに対する起訴事実が読み上げるのを、聞いていた。

今回の裁判は、パキスタンのジハード組織とワジリスタンのアルカイダ工作員たちの間の関係が法廷で明らかになった、最初の事件と言える。(中略)

パキスタンの指導者たちは、部族地帯が過激派たちの温床になっている事実の重要性を曖昧にしようとしている。しかし、パキスタンの捜査官たちが明らかにした証拠から、ワジリスタンが大きな脅威であり、アフガニスタンだけでなくパキスタンにとってさえも、大きな問題になっていることがわかる。パキスタンではこの5週間で、6件の自爆事件が起きている。

2003年12月に起きたムシャラフ大統領暗殺未遂事件も、同じ地域のアルカイダや過激派の仕業とみられている。(中略)

「ほとんどが北部出身者だ」と、カラチなどで爆弾事件を起こした犯人たちに関して、スィンド州内務省の退役准将グーラム・モハテレムが述べた。「しかし、小さな地元の組織に援助される。組織は、できては消えていく」。

ハク氏の自白から引き出された結論によると、アルカイダと地元工作員たちは、いまだにワジリスタンで活動することができるという。

内務省のモータレム准将によると、カラチの警察はここ数ヵ月で、多数のテロ組織を摘発したという。これまでカラチでは多数のテロが発生しているが、アルカイダと関係のあるものは、去年の領事館の爆弾事件以来は起きていない。「彼らが活動しにくくなっているようで、少し自信がついてきた」という。しかし、まだ脅威は残っている。「まだ一掃されたとは言えない」と、ある警察幹部が語った。

容疑者の家族は、2人がアフガニスタンに行ったことや、やはりカラチ出身の自爆犯であるラジャ・タヒールと面識があったこと、またジバート組織と関係があったことを否定している。2人とも無罪を主張している。

しかし警察によると、外交官だったデビッド・フォイとその運転手の他3人が死亡した自爆事件は、ブッシュがパキスタンを訪問する2日前に起きたことから、アルカイダとの関連があったはずだと主張する。

捜査官たちによると、事件をワジリスタンにつなげる、別の証拠を発見したという。攻撃に使用された盗難車はワジリスタンで爆弾を搭載され、カラチまで運転されたという。

容疑者全員が、アフガニスタンでタリバンとともに北部同盟と戦い、パキスタンのジハード組織であるジャイシェ・ムハンマドと関係していたと疑われている。

事件の首謀者であるカラチ出身の男、カリ・ムハンマド・ザファールはアルカイダと関係があり、いまだにワジリスタンで逃走中だという。「彼が誰かの差し金で動いているとしたら、背後に誰がいるのかわからない」という。

ザファール氏は、パキスタンの過激派組織であるラシュカレ・ジャングヴィの地元指導者だった。彼は、クルアーンを暗唱した者に与えられる、カリという宗教的な称号を持つ。1990年代にタリバンとともにアフガニスタンで戦い、アルカイダとの関係を築いたという。

タリバン政権崩壊後は南ワジリスタンに逃げ、時折スィンド州の郊外に出没したと、モハータレム准将が語る。今週カラチで逮捕された、武器と自爆ベストを持った3人は、ザファール氏によって送り込まれた派生組織の人間だったらしい。

ザファール氏は、領事館爆弾事件の実行犯3人を仲間に入れたことで、告訴されている。タヒール氏が外交官の車列に、車をバックさせて突っ込んで爆発させ、防弾加工された外交官の車を大破させ、外交官とその運転手が即死した。

後ろに追随した3人の警備官も道路に投げ出され、1人は75ヤードも吹き飛ばされたが、3人とも無事だった。道路に立っていた警察官1人と、警備員2人が死亡した。ハク氏は、計画首謀者として告訴されている。爆発があった日に、彼はタヒール氏とともに車に乗ってやってきて、見張りとして近くに立ち、車列が近づいたことを携帯電話でタヒール氏に知らせた。

タヒール氏が駐車場に車を停める様子と、近くの駐車場を横切る様子が監視カメラに映っている。疑われないように、ジーンズの上にパキスタンの長いシャツを着るという、最近の流行の服装をしていた。彼が乗っていた2年前のモデルのトヨタ・カローラは盗難車だったが、金持ちの雰囲気を演出していた。

ハク氏は現場の近くにいたことは認めたが、爆弾と関係があることを否定している。彼の弟のイマンウッラーも、兄が事件に関わっていたことも、自爆犯と面識があったことも否定している。

ハク氏の弁護士は、タヒールに自爆攻撃をするようにそそのかし、その家族に謝礼を払ったことで告訴されていると述べた。「脅迫と拷問により自白させられたが、そのことを法廷で明らかにすると言っている」という。

さらに法廷ではガーニ氏も告訴されているが、彼の役割は明らかにされていない。ガーニ氏の父親によると、自分たち家族はハク氏を知っており、彼に店を貸していたという。しかし息子が過激派組織と関係があることや、事件当日に現場の近くにいたことを否定している。さらに息子が自爆犯と面識があり、アフガニスタンに行ったことがあるという点も否定した。

しかし警察によると、2人は友人で、2001年にアフガニスタン北部で他のタリバン兵士とともに逮捕され、投獄されたという。ドスタム将軍によって運営されていた悪名高いシベルガン刑務所に収監されたために、この若者たちはさらに原理主義に傾倒していったようだと、モハサラム准将は語る。

逮捕時にタヒール氏はまだ18歳で、ガーニ氏は21歳だった。1年後にタヒール氏は刑務所で結核をわずらい釈放されたが、ガーニ氏が釈放されたのは、もっと後である。

爆弾攻撃の背後の動機は明らかではない。「アメリカに対する憎しみだ」と、モヘタレム准将は語った。

hoonBlast That Killed U.S. Diplomat Tied to Qaeda
By CARLOTTA GALL、KARACHI

■タリバン、自爆攻撃をパキスタンで計画[070222 Daily Times]

諜報機関によると、タリバン司令官はパキスタン各地で12の自爆攻撃を計画しているという。

諜報機関が内務省に提出した報告によると、バイトゥッラー・マフスード、アブドゥッラー・マフスード、シェイク・ハリッド・マフスード、ナジール・ワジールなどのタリバン司令官により、攻撃が計画されているという。

さらに自爆者12人の名前と、標的も明らかにされた。アフガニスタンのガズニ地区出身のユーラニが、イスラマバードかサルゴーラで自爆攻撃をする予定だという。また南ワジリスタンのマフスード族出身のグル・ジャンがデーラ・イスマイル・ハーンで、シャンド領地の住民のジアウル・ハクがバハラワルブール地域で、ワジリスタンの住民ムハンマド・ザマーンが、ラホールかラワルピンディを攻撃する計画を立てている。

パキスタンにおける自爆攻撃は、バイトゥッラーを含む、ワジリスタンの部族地帯にいるタリバンと関係のある過激派の仕業と見られている。

(中略)さらに内務省に提出されたレポートによると、テロリストたちはムシャラフの「啓蒙的穏健主義」政策を支持する治安関係者や政治家を標的にしているという。火曜日には、ムシャラフの穏健派政策を支持しているとして、パンジャーブ州社会福祉大臣のジレ・フーマが、グジャランワラで暗殺された。(後略)

hoonTaliban plan more suicide attacks in Pakistan
Shahzad Malik、ISLAMABAD

■パキスタン、アメリカの協力でテロリストのキャンプを一掃と、デュラニ[070222 Daily Times]

アメリカ駐在のパキスタン大使が水曜日に語ったところによると、パキスタンは部族地帯にあったテロリストの隠れ家と訓練所2ヵ所は、アメリカによって提供された諜報情報により一掃されたという。

テレビチャンネル「C-Span」に出演したデュラニ大使が、アメリカは人工衛星やその他の設備によって、このような諜報情報を提供する能力を持つと述べた。両国はテロとの戦争に協力しており、パキスタンは自分たちのためにこの戦争に従事していることを強調した。「我々にとっては、国の将来を含む、死活に関わる問題だ」という。

(中略)パキスタン大使は、パキスタン国内にはアルカイダが運営する訓練所は存在しないと断言した。このような施設があれば、政府はすぐに「排除する」という。ビンラディンもパキスタンにはいないと答えた。(後略)

hoonPakistan took out terrorist camps with US help: Durrani
WASHINGTON

■英兵、アフガニスタンで死亡[070221 AFP]

英国防省によると、水曜日にアフガニスタンで殺害された2人のNATO軍兵士のうち、1人は英兵だったという。「ヘルマンド州の一部であるサンギン地区をパトロールしていた際に、対人地雷で殺害された」と述べた。これで、2001年以来アフガニスタンで殺害された英兵の数は、47人になった。

これに先立ち、水曜日にNATO軍が、スペイン兵が死亡したと発表した。ヘラート州でISAF軍とアフガン警察の車列を狙った地雷が爆発し、スペイン兵1人が死亡、2人が負傷した。(後略)

hoonBritish soldier killed in Afghanistan: defence ministry
LONDON

■アフガン軍、タリバンが短時間占拠した地区を奪回[070220 AFP]

アフガン軍と多国籍軍が、アフガニスタン南西部の地区の中心地を24時間にわたって占拠していたタリバンを追い出したと、政府が発表した。

ファラ州のバクワは、再び政府の支配下に入ったと、内務省が発表した。治安部隊が入ってきて、「朝の5時半にバクワを奪回した。タリバンは追い払われた」と、報道官のゼマライ・バシャーレイが述べた。

月曜日の夜、タリバン約300人が町に入り込み、警察官たちが町から逃げ出していた。

ムサカーラでは、タリバンがまだ町を占拠している(後略)。

hoonAfghan forces retake district briefly held by Taliban
KABUL

■米兵、アフガニスタンで死亡[070220 BBC]

アフガニスタン東部の戦闘で米兵1人が死亡したと、米軍が発表した。兵士はクナール州のナレイ近くの「戦闘」で、殺害されたという。

これとは別に、アフガン軍と米軍主導同盟軍がウルズガン州で、タリバン戦闘員たちと戦った。

(中略)同盟軍の声明によると、同盟軍はタリバンが「撤退」したウルズガン州の洞窟に、2000ポンド爆弾を落としたという。一般市民やアフガン軍、同盟軍には、死傷者はない。タリバン側の死傷者もわからない。

月曜日にタリバン戦闘員たちはカンダハルで、カナダ軍車列に対して激しい攻撃を行なった。NATO軍に死傷者はいないが、カナダ軍によると、アフガン人警察官1人と一般市民1人がその後の戦闘で殺害されたという。

《残骸を破壊》

またこれとは別に米軍主導軍が、ヘリコプターが墜落したアフガニスタン南東部の現場での捜索を完了したと述べた。

サーブルでヘリコプターがエンジントラブルのために墜落し、米兵8人が死亡、14人が負傷した。同盟軍は月曜日にヘリコプターの残骸を破壊したという(後略)。

hoonUS soldier killed in Afghanistan

■パキスタンの戦闘員、「アメリカのスパイ」を斬首[070220 AFP]

親タリバン派戦闘員たちがパキスタンの国境地帯で、アフガニスタンにいるアメリカのためにスパイ行為をしたと男を斬首し、手足を切り取ったと関係者が述べた。

北ワジリスタンの政府関係者が、アフガン国籍の男の遺体が捨てられているのを発見した。「アメリカのスパイ、ネック・アマル」というメモが残されていた。

男の頭部と手足が切り取られ、遺体のそばに放置されていたという(後略)。

hoonPakistani militants behead, mutilate 'US spy'
MIRANSHAH

■アルカイダ指導者たち、再び統率力を発揮[060219 New York Times]

パキスタンで活動しているアルカイダの幹部指導者は、再び統率力を持ち始め、アフガニスタンとの国境近くに訓練所をいくつも作り始めたと、アメリカの諜報機関や対テロ機関関係者が述べた。

アメリカの関係者によると、ビンラディンとザワヒリが北ワジリスタンの山中で、着々と拠点を築いているという。つい最近までブッシュ大統領は、ビンラディンとザワヒリは部下たちから孤立し、アルカイダの作戦指令から遠ざかっていると発言した。

アメリカは北ワジリスタンに、新しいアルカイダの拠点があることを突き止めた。そのうちのひとつでは、アフガニスタン以外の場所でも攻撃を実施する工作員たちを訓練している可能性があるという。

アメリカのアナリストによると、最近の諜報情報から、これらの拠点は比較的緩やかな指令系統のもとで機能し、アルカイダに協力するアラブ人、パキスタン人、アフガン人戦闘員からなるという。司令官やザワヒリから、命令を受けるが、ビンラディンは直接これには関わっていないらしい。

関係者によると、訓練所は、タリバン政権時代にアフガニスタンにあった訓練所のように洗練され、大きさもそれに匹敵するようになるまでには、まだ時間がかかるようだという。しかし10〜20人が訓練され、この地域のアルカイダ機構は成熟しつつある。

この新たな警告は、タリバンが力を強化しつつあるという、これまでの警告とは異なるものである。アメリカの関係者によると、新たな諜報情報はアルカイダに焦点を当てたもので、テロリスト組織はアメリカによって打撃を受けたにもかかわらず、再び力を得ているという。

(中略)2005年の段階では、アメリカの諜報情報に基づくと、アルカイダの幹部指導者たちは現場の戦闘員たちから隔絶し、将来の攻撃に対してインスピレーションしか与えることができないとしていた。しかし最近の諜報情報では、アルカイダの上層部はいまだに健在で、さらに力が増しているという。「指令系統が再び確立した」と、ある米政府関係者が述べた。アルカイダの「指導鵜者の指令系統や支配は健全だ」。

米政府関係者やアナリストによると、パキスタンのさまざまな要因のために、「アルカイダの核」−−ビンラディンとその直属の部下−−が再び力の一部を回復することができた。北ワジリスタンやその周囲に隠れ家ができたために、メッセンジャーやインターネットを用いて、幹部たちが外の世界と接触できるようになったという。

去年のロンドンで発生した航空機爆破未遂事件の捜索から、事件の首謀者とパキスタンにいるアルカイダ幹部工作員たちの間に「明らかなつながり」があることが判明したという。アメリカ人アナリストによると、イギリスにいるテロ容疑者の裁判から、犯人たちがパキスタンで訓練を受けていたことが明らかになったという。

去年発表されたビデオでザワヒリは、2001年のロンドンのテロに関して犯行声明を出した。同じテープの中でロンドンの自爆犯が、声明を発表した。4人の自爆犯のうち2人が、攻撃に先立ちパキスタンを訪れている。

ジョージタウン大学のテロ専門家のブルース・ホフマンが先週、アルカイダは「健全だ」と述べた。「アルカイダは、その創始者で指導者であるビンラディンが頭に描いたとおりに、今、機能している」。なぜなら、アルカイダの指導者は世界中を攻撃することを計画し、戦闘員たちにそれを実行するよう、啓蒙している。

パキスタンがどの程度テロとの戦争に従事する気があるのかどうか、疑問があがっている。パキスタン軍の要員には、タリバンをいまだに支持している者がいると疑われている。

《過激派たちの協力》

2001年以来、パキスタンの過激派メンバーは部族地帯で互いに協力していると、アメリカ人アナリストは語る。

アナリストによると、ムシャラフが和平協定を結んでから、北ワジリスタンは過激派の温床になってしまった。(中略)

ブッシュ大統領は去年の選挙の数日前に、アルカイダとの戦いに「明らかに勝利している。アルカイダは逃走中だ」と述べた。しかし数日前のスピーチでは、アルカイダの現在の力、特にパキスタン内部にいる者の力について、もっと謙虚な言い方をした。

「タリバンとアルカイダはパキスタンの僻地に隠れている」。「荒れた国だ。フロンティア時代の西部よりも、荒れている。やつらは隠れて、仲間を集め、攻撃を実施している」。

関係者によると、アメリカと外国の諜報機関は、パキスタンにある訓練所の少なくとも1つで、欧米を攻撃することができる工作員を訓練している可能性があるという。イギリスのパスポートを持ってパキスタンを訪れるパキスタン生まれのイギリス国民が、たびたびこの訓練所を訪れている。

イギリスのM!5長官のデイム・エリザ・ムニンガム・ブュラーが11月のスピーチで、イギリスのテロリストたちの計画は「パキスタンのアルカイダと関係していることが多い」と述べた。「このリンクを通じて、アルカイダはイギリスの兵卒たちに指針や訓練を与え、それが非常に増えている」。

《指導者たちは安全な場所に》

関係者によると、ビンラディンとザワヒリがどこにいるかは、全くわからないという。しかし現在2人は、訓練所がある北ワジリスタンにはいないはずだという。アルカイダが身の安全を感じているひとつの証拠として、2006年にビンラディンとザワヒリが出した、21という声明の数からもわかるという。前年の2倍の数だ。

ビンラディンやザワヒリが以前出した声明は、数週間前の出来事に言及することがあった。ということは、テープを配布するための安全を確保するのに、時間がかかったということだ。今、声明はもっと新しく、数日前の出来事に言及するようになった。

アメリカの諜報機関や対テロ機関関係者によると、パキスタンで訓練を受けた男たちのほとんどがアフガニスタンで攻撃を実施しているが、アルカイダはさらに、ビンラディンに忠誠を誓っているイラクの戦闘員たちとも、関係を強化しているとという。熟練した戦闘員たちがパキスタンとイラクの間を行き来して、アメリカ軍を攻撃する「最善の方策」を交換し合っている。

ここ数年、イラクの戦略がアフガニスタンに入り、自爆攻撃や道路脇に仕掛けられた爆弾などが急増した。

(中略)関係者によると、アルカイダはさらに国際的に活動している。例えばアルジェリアのSalafist Group for Preaching and Combatとも同盟を結んだ。

去年アルジェリアの組織が、Al Qaeda of the Islamic Maghrebと改称した。ワシントンの関係者によると、この組織は、去年の12月に発生したハリーブルトンの社員を乗せていたバスに対する攻撃など、アルジェリア内で起きた洗練された爆弾事件と関係がある。

hoonAl Qaeda Chiefs Are Seen to Regain Power
MARK MAZZETTI and DAVID ROHDE、WASHINGTON

■パキスタン、国境沿いに塀を建設予定[070219 AP]

パキスタン兵が、アフガニスタンとの国境沿いの山中で、震える。雪が溶ければ、仕事はもっと大変になる。タリバン戦闘員たちが戻り、反対側のアフガン軍と外国軍を攻撃するために、越境しようとするだろう。

アフガニスタンとパキスタンは、この国境の何ヵ所かに塀を建設する予定だ。(中略)「国境を越えるのは簡単だ」と、ムハンマド・ファジ少尉が語る。「隠れる所はたくさんある。谷にいれば、識別することもできない。地元の人間だから、土地をよく知っている」。

国際社会の非難を浴びたために、ムシャラフ大統領は1470マイルに及ぶ国境のうちの22マイルに、塀を建設することを表明した。週末にパキスタン軍はジャーナリストたちを北ワジリスタンに招き、塀が建設される場所を見せて回った。

アサール・アリ・シャー少将によると、塀を建設することで戦闘員を止めることはできるが、国境の封鎖は保証できないという。「発見されずに国境を越えることができる場所は残るだろうが、難しくなるだろう」。

塀を作ることで、900ある検問所から監視できない場所を、安全にできるという。仕掛け線や仕掛け爆弾、パトロールにより、塀に穴を開けられなくする。

第二弾として、バローチスタンの南部の150マイルにも、塀や地雷を設置するという。(後略)

hoonPakistan to build fence along border
STEPHEN GRAHAM, ALWARA MANDI

■アフガン爆弾攻撃の後、警察官逃走[070219 AP]

ケシ撲滅計画に関わる関係者4人が道路脇に仕掛けられた爆弾で殺害されたあと、アフガン警察は月曜日に西部の地区から引き上げた。

アフガン軍の西部警察司令官のアブドゥル・アッハーブ・ワリザダ将軍によると、月曜日にファラ州のパクワ地区から警察がいなくなったと述べた。タリバンがこの地域を占拠したかどうかは、わからない。

ファラ警察長官報道官のバルヤラージ・ハーンによると、朝の11時半からバクワ地区の警察と音信が途絶えているという。

日曜日に、州警察長官がケシ畑を一掃して帰る途中、車が爆破された。警察はこのあと、いなくなったという。警察長官は無事だったが、車に乗っていた他の4人の関係者が死亡し、2人が負傷した。ハーンは、麻薬商売に関わるタリバンの仕業だと非難したが、証拠はない。

いっぽうゴール州では、ケシ栽培をする農民と警察官との間で衝突があり、一般市民1人が死亡、2人が負傷した。約500人が、政府のケシ撲滅運動に抗議した。

(中略)政府は、農薬でケシを一掃するというアメリカの申し出を断わり、トラクターや人力を用いることにしている。

南部では、戦闘員たちがカナダ軍の装甲車をロケット弾で攻撃したが、負傷者はいなかった。応戦したカナダ軍が、戦闘員1人を殺害した。銃撃戦となり、警察官1人も死亡したという。

hoonPolice flee after Afghan bomb attack
AMIR SHAH、KABUL

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.