【2007年2月26日〜3月4日】


■アルカイダ、再浮上・その1[070304 Asia Times]

アルカイダは今年、指導者たちを再び呼び集め、資金調達ルートを確保したあと、グローバル作戦に向けて動き出す。アルカイダは、化学・生物学・核の弾頭を装着することが可能なミサイルやロケット技術を身につけた。

アルカイダはアフガニスタンとイラクでの活動を続行する傍ら、さらに攻撃を拡大して、ヨーロッバや自分たちに敵対するムスリム国家を、標的にしていくと思われる。(中略)

《悪魔との取り引き》

(中略)2003年にビンラディンがアルジャジーラにメッセージを送ったとき、彼はサウジ王家を腐敗していると非難した。そしてムジャヒディンたちは彼らと対戦する意志はないから、アルカイダがイラクにいるアメリカ人たちと戦うことを妨害しないでほしいと述べた。

このスピーチをきっかけに、アルカイダとサウジ王族は、ムスリム学者を通して対話し始めた。結局サウジはサウジにあるアルカイダの訓練所、マアスカル・アルバタールの存在を容認し、その見返りとして戦闘員たちはサウジでは活動ぜずに、直接イラクに入ることを約束した。(中略)

《戦闘の準備》

アルカイダはサウジのマアスカル・アルバタールで若者たちにゲリラ戦法やSA-7対空ミサイルの使用法を教える。(中略)さらに「アビール」ロケットに、核、または化学兵器を搭載する研究も行なっている。去年の10月、イラクのイスラーム軍が、射程距離120キロのロケット実験に成功したと主張した。米軍にレイプされて死亡した14歳のイラク人少女にちなんで、アビールと名付けられた。

オンラインで発表されたビデオによると、アビール・ロケットは20キロの弾頭を装着することができ、さらに改良が続いている。情報源によると、核・化学・生物学兵器を適当なミサイルに装着することが、現在の目標だという。(中略)

同時にマアスカル・アルバコール訓練所は、今年の中頃までには、若者1万人が訓練を終えて、イラクに派遣される。

時期を同じくして、アルカイダはイラクの抵抗運動をすべて傘下に入れようとしている。すでに「イラク・イスラーム首長国のエミール」を名乗り、バグダード、アンバー、ディヤーラ、キルクーク、サラー・アルディン、ニナワなどを支配したと主張している。アブ・オマル・アルバグダッディが、エミールを名乗った。

これらの動きを見ると、アルカイダはパキスタンの南北ワジリスタンからイラクとその周辺、サウジやヨルダン、シリアに移っていくと思われる。

さらに、以前ザルカウィが率いた「イラクのアルカイダ」は、機能しなくなることを意味する。

すでに2003年にアフガニスタンやパキスタンにいたアルカイダがイラクに流れたが、今、さらに多くの者が追随し始めた。その1人に、ワジリスタンから移った、アルカイダのアブドゥル・ハディ・アルイラキも含まれている。

タリバンがパキスタンと取り引きを行なったことに加えて、この動きにより、アルカイダとタリバンとの関係はさらに弱くなっていくだろう。情報源によると、アルカイダがパキスタンの部族地帯から撤退するのも、時間の問題だいう。

今彼らがまだ留まっているのは、兵站的な事情のためだ。以前イランは、アルカイダがイラクに行くために自国を通過することを許していた。しかしイラクで問題が発生しているために、テヘランはアルカイダに対して敵意を持ち始めた。

したがって、イランが親米政府であり、またイランとも親しいイラクのシーア派政府を崩壊させようとしているアルカイダに、道を与えるかどうかはまだわからない。

hoonAL-QAEDA'S RESURGENCE, Part 1
Syed Saleem Shahzad

■パキスタン、容疑者5人を逮捕。「タリバン、憂鬱」[070304 Reuters]

パキスタンの警察は、アフガン人戦闘員5人をクエッタで逮捕した。またタリバンは、幹部指導者が逮捕されたことを認めた。

5人の容疑者は、クエッタで逮捕された32人のアフガン人のなかに含まれている。「20〜25歳のアフガン人で、ワジリスタンからきた」と、クエッタ警察のカジ・アブドゥル・ワヒードが述べた。逮捕された5人がタリバンかどうかは、わからない。現在取り調べを受けているという。これとは別に、土曜日にさらに27人がクエッタで逮捕された。

(中略)タリバン報道官は当初アフンドの逮捕を否定したが、パキスタンの『News』紙によると、タリバン幹部司令官やタリバン関係者たちが、逮捕が本当である可能性があると、渋々認め始めたという。「逮捕が本当だということを示す証拠のひとつとして、我々の軍事司令官や報道官たちが、衛星電話の電源を切っていることだ」と、タリバン軍事司令官が『News』に述べた。

別のタリバン関係者が新聞に語ったところよると、「憂鬱な気分が広がっている。逮捕の衝撃を乗り越えるためには、少し時間がかかる」という。

クエッタでは政府関係の建物に治安部隊が派遣され、厳戒態勢が敷かれた。

これとは別に、土曜日にイランとの国境近くのトゥフタンで、5人の外国人戦闘員が逮捕された。5人はロシア人、トルコ人、キルギス人で、イランに越境しようとしていた。

hoonPakistanis arrest 5 suspects; "Taliban gloomy"
Gul Yousafzai

■爆弾犯米軍車列を攻撃、アフガン人8人死亡[070304 AP]

日曜日に自爆犯がアフガニスタン東部で米軍の車列を攻撃し、その後に米軍が発砲したために、アフガン人8人が死亡して22人が負傷したと、関係者が述べた。

数百人のアフガン人が抗議のために集まり、道路を封鎖して警察に石を投げつけた。

自爆犯が、爆発物を搭載したミニバンで米軍車列に突撃したと、ナンガハル州知事報道官のザウォックが述べた。米兵たちが攻撃のあと発砲し、アフガン人を殺害、あるいは負傷させたために、憤慨した人々が抗議のために集結した。

米兵たちは『AP』のフリーランスカメラマンが撮った写真と、『APテレビニュース』の撮ったフリーランスのカメラマンのビデオを削除した。2人のカメラマンは自爆攻撃も銃撃戦も目撃してないために、なぜ米兵がこのような行為にでたのかは、明らかではない。

また土曜日にアフガニスタン南部で発生した戦闘で、NATO軍兵士2人が死亡した。兵士の国籍は明らかになっていないが、ヘルマンド州にいるのは、英軍である。

garrBomber hits U.S. convoy; 8 Afghans dead
AMIR SHAH、KABUL

■部族リーダー、アフガン政府関係者と会う[070304 Daily Times]

パキスタンの部族地帯のパシュトンの長老たち60人ほどが、火曜日にジャララバードでアフガン政府関係者と会い、国境地帯の治安の回復について話し合った。

アブドゥル・サドール・アフリディが率いる一団は、アフガニスタンのカルザイとNATO主導軍たちはパキスタンを信用しすぎている、と述べた。アフリディによると、カルザイとNATO関係者は、イスラマバードに頼るのではなく、一対一でパシュトゥーンの部族リーダーと交渉するべきだという。「国境地帯の人間は、これまでもカルザイ大統領をはじめとする指導者たちに、何回も意見を述べている」と、アフリディが述べた。「外国人たちの政策は、正しくない。軍事作戦では、問題は解決しない」。

アフリディは、パキスタンのパシュトゥーンがタリバンやアルカイダ戦闘員を匿っているという報告に、怒りを感じるという。「アフガニスタンや国際社会の敵を匿ってはいない」。「確かな証拠もある。そして、これらのテロリストたちがパキスタン軍や治安組織に援助され、訓練所を作っているという証拠もある。彼らを匿っているのだ。テロリストたちが国境地帯で活動していることは、確かだ。しかし彼らは、地元の人間と関係があるわけではない。武装した戦闘員グループか、ISIと関係している」。

「我々は、国際社会に守ってほしいと思っている。NATO軍兵士を送ってほしい。パキスタン軍から圧力をかけられているからだ。最終的に我々は、国際社会にNATO軍兵士を送ってもらうよう、頼むことになるだろう。パキスタン軍のせいで、いろいろな問題が生じている。我々の部族システムは壊れてしまった。我々の間に、武装勢力を作ってしまった。カイバル行政区では、流血沙汰が続いている。かつては安全な場所だった。ムスリムが殺害され、数百の家が破壊された」。

hoonTribal leaders meet Afghan officials、WASHINGTON
Khalid Hasan

■アメリカとパキスタンの工作員、タリバン指導者を尋問[070303 AFP]

アメリカとパキスタンの工作員が土曜日に、元タリバン国防大臣の取り調べを行ない、他のメンバーを逮捕しようとしている。

(中略)パキスタン政府関係者によると、オマール師の腹心のアフンドは、逮捕のあとにヘリコプターでイスラマバードに連れて行かれたという。

「イスラマバードで、パキスタンとアメリカの捜査官からなるジョイント・チームが取り調べを実施している」と、ある治安関係者が述べた。

(中略)アフンドは「非常に確かな諜報情報」を根拠に、クエッタのホテルで逮捕されたという。別の4人が滞在していたホテルに彼が到着したところ、私服の工作員たちによって逮捕された。一緒に逮捕されたタリバンの身元については、明らかにしなかった。

タリバン報道官が金曜日に、アフンドが逮捕されたことを否定し、まだアフガニスタンにいると述べた。パキスタン政府も、公的には逮捕を認めていない。(後略)

hoonUS, Pakistani agents interrogate Taliban leader
Rana Jawad

■和平委員会、バイトゥッラー・マフスードの司令官たちと会見[070303 Daily Times]

マフスード族の21人からなる和平委員会が、南ワジリスタンでバイトゥッラー・マフスードの幹部司令官たちと会い、タリバンの指導者たちと4つ点について話し合ったという。

南ワジリスタンのMMAの議員、サレー・シャーによると、バイトゥッラー・マフスード自身が出席しなかったために、モーラナ・ヌールと話し合ったと述べた。「委員会はこの地域にいる外国人たちの存在について、国家の財産に対する損害、秩序の維持と越境活動について話した」という。

政府関係者によると、政府はこれらの点をバイトゥッラーに伝えるように要求したという。なぜバイトゥッラーが出席しなかったかと理由を問うと彼は「忙しく」て出席できなかったと、シャー議員は述べた。バイトゥッラーの部下の司令官が和平委員会に伝えたことによると、外国人がいることを疑っているのなら、政府はその者がどこにいるか、明言するべきだという。「我々は外国人を匿っていない」と述べ、「同じ部族民が国境の両側に住んでいるのだから、越境を非難される理由はない」と司令官たちが述べたという。

(中略)シャー議員によると、委員会は南ワジリスタンの行政関係者と会ってから、北西辺境州知事に報告するという。

hoonPeace committee meets Baitullah Mehsud's commanders
PESHAWAR

■タリバン幹部、パキスタンで逮捕[070302 Guardian]

国内に匿っている戦闘員を十分取り締まっていないと非難する欧米の圧力に屈して、パキスタンが初めてタリバンの幹部司令官を逮捕したことが今日判明した。

元タリバン国防大臣のオバイドゥッラー・アフンド師がクエッタで逮捕された。(中略)

欧米の外交関係者は、今回の逮捕はパキスタンの政策が変わったことを示すとして、歓迎している。「満足している」と、逮捕を確認したある欧米関係者が述べた。「ここのところパキスタンに圧力をかけていたが、我々が望んでいたことがやっと行なわれた」(中略)。

月曜日にクエッタでアフンドが逮捕された事実により、これまでパキスタン政府関係者は繰り返し否定してはいたが、この町がタリバンの拠点になっていることが明らかになった。ムシャラフ大統領は、オマールがアフガニスタン国内にいることは、500%確かだと明言していた。欧米関係者によると、オフンド師はしばらくの間クエッタで監視されていたが、パキスタンがなぜもっと早く彼を逮捕しなかったのか、「わからない」と述べた。クエッタの取り締まりにより、アフガニスタン南部にいる英軍は大きな恩恵を受けることになる。

パキスタン政府は、アフンドの逮捕のリークを予想していなかったようだ。シェルパオ内相は、アフガン人5人が逮捕されたと述べたが、アフンドがその中にいたことを認めていない。軍報道官も、「情報はない」と述べている(中略)。

アフンド逮捕のニュースをスクープした『ドーン』紙のコメンテイターのアヤーズ・アミールは、「我々は自分たちで用心しなければならない」と書いた。「一致団結し、分裂し、ほとんど戦争しているような国家であってはならない」。

元将軍でアナリストのタラート・マスードは、「パキスタン国内には、これではいけない、悪魔と深海の間で板挟みになっている、という恐怖が生まれつつある」と語った。

hoonSenior Taliban leader arrested in Pakistan
Declan Walsh、Islamabad

■オマール師の腹心、逮捕[070302 Dawn]

パキスタンの治安部隊が、クエッタでタリバンの指導者オマール師の腹心、オバイドゥッラー・アフンドを逮捕したと、連邦政府関係者が語った。

オバイドゥッラー師は、月曜日に逮捕されたという。

(中略)オバイドゥッラー師は、チェイニー米副大統領がパキスタンを訪問した日に逮捕されたが、関係者によると、彼の逮捕は諜報情報に基づき、以前から計画されていたという。関係者はこれ以上語らなかったが、オバイドゥッラー師と一緒に逮捕されたのは、ザーブルのタリバン司令官であるアミール・ハーン・ハッカーニと、元ヘルマンド州知事のアブドゥル・バリで「ある可能性」もあると述べた。

(中略)NATO関係者は、オバイドゥッラー師はオマール師に最も近い人間の1人とみている。他の2人は、アフタル・オスマーニ師とアフタル・ムハンマド・マンスール師である。オスマーニ師は去年の12月、ヘルマンドの空爆で米軍によって殺害された。(後略)

hoonMullah Omar's deputy Obaidullah captured
Ismail Khan、PESHAWAR

■元タリバン国防大臣、逮捕[070302 AP]

パキスタンが元タリバン国防大臣を逮捕したと、パキスタンの諜報関係者が金曜日に述べた。ムッラー・オバイドゥッラー・アフンドは、オマール師に直属する幹部高官だと言われている。

アフンドは週の初めのうちに、他の5人のタリバン容疑者とともにクエッタで逮捕されたという。パキスタン政府は、直接これを確認していない。内務省幹部のジャビッド・イクバル・チーマは木曜日に、タリバン幹部の逮捕を否定した。バローチスタン警察長官のタリーク・ホーサも、アフンドの逮捕については知らないと述べている。

(中略)諜報機関関係者によると、アフンドの逮捕はチェイニーのパキスタン訪問とは関係がないと述べ、パキスタンの治安関係者が、アメリカの諜報情報により家宅捜索を行なったという。その後、このほかにタリバン7人が、クエッタで逮捕されたと述べた。他の容疑者の身元については、わからない。

タリバンからの発表はない(後略)。

smellFormer Taliban defense minister arrested
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■元タリバン国防大臣、パキスタンで逮捕[070301 New York Times]

元タリバン国防大臣のムッラー・オバイドゥッラーが月曜日、クエッタで逮捕された。ディック・チェイニー副大統領がパキスタンを訪問した日のことである。

彼はタリバン政権のメンバーとしてパキスタンで逮捕された、最も重要な人物といえる。(中略)オバイドゥッラーはタリバンの指導者オマール師を中心とする、クエッタ議会と呼ばれる幹部の1人である。クエッタにある比較的安全な場所で、活動しているといわれている。

パキスタン政府関係者は、タリバンの幹部がパキスタンを拠点としていることを、これまでずっと否定してきた。しかしクエッタ議会の最高幹部4人のうちの1人であるオバイドゥッラーの逮捕により、欧米やアフガンの諜報情報が正しかったことが証明されたといえよう。

政府は彼の逮捕を正式に発表していないが、2人の関係者が逮捕を確認した。アフガニスタンのNATO報道官のトム・コリンズは、オバイドゥッラーの逮捕については知らないと述べた。

オバイドゥッラーがチェイニーのパキスタン訪問以前に逮捕されたのか、滞在中に逮捕されたのかははっきりしない。しかしこのタイミングは注目される。(中略)

オバイドゥッラーは、カンダハルのパンジャワイ地区の出身である。タリバン時代には国防大臣を勤め、最近『ロイター』のインタビューに応じ、タリバンは強力になり、アフガニスタンにいる外国軍に対する攻撃を強化していくと話していた。

既に逮捕されている元タリバン報道官のアブドゥル・ラティーフ・ハキーミは、オバイドゥッラーはオマールと直接会うことができる2人の人間のうちの1人だと語っていた。ハキーミによると、オバイドゥッラーは個人的に軍事作戦を命令し、2005年3月にカブールの外国の援助関係者の殺害などを指示していたという。

これとは別に火曜日、アフガニスタン南西部の繁華街のくず箱に設置された爆弾が爆発し、一般市民3人が死亡、54人が負傷した。(後略)

ohFormer defense minister of Taliban is arrested in Pakistan
Carlotta Gall、ISLAMABAD

■パキスタン、タリバンと取り引き[060301 Asia Times]

パキスタン政府はタリバン司令官を通してタリバンと取り引きを行ない、イスラマバードの影響力をアフガニスタン南西部に及ぼし、タリバン抵抗運動がカブールを奪回することができるよう、その力を強化させるという。

ダドッゥラー師がパキスタンの駒となって、アフガニスタンのザーブル、ウルズガン、カンダハル、ヘルマンドの回廊を管轄すると、タリバンとアルカイダ関係者が語った。パキスタンの国土を用い、イスラマバードの協力を得ることで、タリバンは戦闘員や武器、物資をアフガニスタン南西部に安全に送ることができるようになる。

ダドゥッラー師との取り引きにより、パキスタンはアフガニスタンのカブールに拠点を築くことができるようになる。また、タリバンとアルカイダの関係も、緩和される。

去年の春の作戦は、2001年以来最大のものだったが、タリバンは「完全なる勝利」を得るためには、国家規模の協力が必要であることに気づいた。アルカイダはイスラマバード政府とは関係がないために、タリバンが自身でがんばらなければならない(中略)。

《袂を分かつ》

タリバンは、アルカイダと5年間行動を共にしたが、これ以上発展がないことに気づいた。力は得た。(中略)しかし、カンダハルを陥落させたり、南部のムサヤーブ谷と北部のタガーブ谷からカブールを攻撃するなど、その目標を達成することはできなかった。

今年の計画を練っているタリバン司令官たちは、独立した組織や民兵としてだけでは、国家に援助されている戦いに勝つことはできないと気づいた。(中略)その結果、元パトロンであるパキスタンに目が向いた。

パキスタンを巻き込む計画には、アルカイダは向いていない。アルカイダの指導陣とタリバンは、互いに尊敬し合っているが、イデオローギー上の違いがあり、お互いが袂を分つのは時間の問題だとアルカイダは考えているようだった。

《パキスタンは喜んで協力》

(中略)パキスタンはダドゥッラー師の申し出に、喜んで応じた。タリバンとの関係を復活させ、春の攻撃に協力する絶好の機会だ。十分協力すれば、NATO軍が和平交渉を望んでくるようになる。次のテスップは、カブールに親イスラマバード政権を確立することだ。同時にインドに対抗する戦略を確立する(中略)。

《無敵のダドゥッラー》

ダドゥッラーはアフガニスタン南西部出身である。ということは「オリジナル・タリバン」であり、重大局面を迎えたときには、彼はいつもその指導力を発揮してきた。

ダドゥッラーはソ連占領時代から頭角を表し、このときに片足を失った。カブールが1998年にカブールを北部同盟から奪い取ったとき、敵をアフガニスタンの隅に追いやった。そのために初日から、パキスタンのお気に入りになった。

去年の春の攻撃が開始する前、彼はオマール師の特使となって南北ワジリスタンを訪れた。ここでパキスタン軍とパキスタン人タリバンとの間を、とりもった。パキスタン軍は、パキスタン人タリバンとアルカイダとの戦いで800人の兵士を失ったために、面目を保ちながら撤退したがっていた。

ダドゥッラーの和平協定は、好都合だった。軍は部族地帯から「名誉ある」撤退を行なった。停戦が侵害された場合、ダドゥッラー師が物事を解決した。

2006年の春の攻撃は、ムジャヒディン戦士、ジャラウッディン・ハッカーニのショーだった。しかし主に成功を収めたのは、ハッカーニが牛耳っている地域、例えばコースト、パクティア、パクティカではなかった。タリバンは南西部にある故郷、ヘルマンド、ザーブル、ウルズガン、カンダハルで勝利した。そして彼らの指導者はダドゥッラーだった。彼の部下は12の地域を乗っ取り、いまだに押さえている。

パキスタンの戦略家たちは、軍事司令官としてダドゥッラー師はこの春奇跡的な仕事を行ない、タリバンがカブール政権とNATOの同盟軍を追いつめると確信している。

パキスタンはカブールにおいて、再び影響力を発することを望んでいる。そしてイスラマバードは、ダドゥッラーの外交力により、親パキスタンの立場をとるアフガン軍閥と交渉する能力があると見ている。

オマール師がこのような計画に反対したとしても、ダドゥッラーのNATO軍に対する攻撃があまりにも激しいために、彼の意見を受け入れざるをえなくなるだろうと、イスラマバードは見ているのだ。

《タリバンの弓に新しい弦》

さらにタリバンは対空ミサイルを入手した。ソビエト製の、ポータブルSAM−7である。

タリバンはこのミサイルを2005年に入手したが、当時はまだ使い方がわからなかった。しかしアラブ人アルカイダが、急遽彼らを訓練した。しかしSAM-7はヘリコプターに対して使えても、戦闘機や爆撃機には効果がない。

タリバンに必要なのは、自分たちのミサイルに搭載するセンサーである。航空機から発射されるミサイルを、誤誘導するために作られたものだ。そしてたまたま、パキスタンはこの装置を持っていた。間接的に、アメリカから入手したものだ。1998年にビンラディンを狙ってアフガニスタンに撃ち込まれた巡航ミサイルの不発弾を、パキスタン人が回収したのだ。それを真似て、SAMを含む別のミサイルに取り付けた。

タリバンとパキスタンは取り引きをして、タリバンはこれらのミサイルが使えるようになる。対ソ連時代にスティンガーが威力を発したように、SAMによってダドゥッラーがは、自分の思うがままに状況を変えることができるようになるだろう。タリバンとパキスタンの思うがままに。

smellPakistan makes a deal with the Taliban
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■ビンラディンは生きているとタリバン幹部[070301 AP]

イギリスで放映されたテレビ番組で、ビンラディンは生存しており、アフガニスタンのタリバン抵抗運動のリーダーたちのコンタクトをとっていると、タリバン幹部司令官が述べた。

ダドゥッラーは、タリバン政権が崩壊した秋以来、ビンラディンには会っていないと述べたが、「彼が生きていることはわかっている」と述べた。

「まだ殉教していない。そのような情報はすぐに伝わる。彼の仲間は我々と肩を組んでいる」と、ダドゥッラーが『Channel 4 News』で語った。『Channel 4』は、どこで映像を入手したか語らなかった。

「彼の部下だけが彼と会う。我々は計画を共有するために、メッセージのやりとりをしている」とダドゥッラーが述べた。「一緒に戦場に行く。でもほとんど会うことはない。重要な協議事項があるときだけだ。ビンラディンに会うことは、とても難しくなっている。しかし彼が生きていることは、わかっている」。

またダドゥッラー師は、さらに数百人の自爆志願者が、アフガニスタンのNATO軍を攻撃する準備を整えた、と語った。

hoonTaliban official: Bin Laden is alive
LONDON

■米軍、タリバンをパキスタン領内まで追跡[070301 AP]

アフガニスタン東部にいる米軍は、定期的にタリバンをパキスタン領内まで追跡して銃撃していると、国防省関係者が木曜日に発言し、この地域にいる米軍について詳述した。

タリバンは数年前よりも強力になり、パキスタン政府は国境付近にいる彼らを取り締まるためにもっと多くのことができるし、しなければならないと語った。

「我々は国境を越えて彼らを追跡し、地上からの砲撃や銃撃を行なう権限がある」と、ダグラス・ルートが上院軍事委員会で発言した。ルートによると、直接的な脅威があった場合、兵士たちは応戦することができるという。しかし、パキスタン国内にある爆発物製造所を取り締まるためには、パキスタンの許可を得て越境しなければならないと述べた。

(中略)今後パキスタンがこれ以上のことをしなかった場合、どうしたらいいかが話し合われた。「彼らと協力していくしかない。彼らにもっと多くのことをさせるよう、説得していくしかない」と、国防副次官のエーデルマンが述べた。「彼は国内で難しい局面を迎える覚悟をして、我々は難しい立場に立った彼に協力しなければならない」。

いっぽうのルートは、米軍がどのような場合にパキスタン領内を銃撃し、抵抗勢力を追跡できるかについて説明した。彼によると、攻撃されたり「攻撃的な意図を表す」ことがあった場合、いつでも応戦できるという。しかしパキスタン国内にどの程度侵入できるかは、語らなかった。距離の問題ではなく、どの脅威の度合いによるという。

「単に国境の向こ側ということであれば、偵察機により、タリバンが西に向かってロケット弾攻撃をする準備をしているのを察知できる。攻撃してくるまで待つ必要はない。彼らは攻撃的な意図を表わしているために、彼らを捕らえることができる」とルートが語った。

さらに、もし米軍がパキスタン国内に爆発物の製造所があることを知った場合、情報を政府と共有しなければならず、建物を攻撃する許可を得なければならない。パキスタンがこのような要求を却下したことがあるかどうかという問いに対しては、その件に関しては極秘だという。

アフガニスタンで発生する道路脇の爆弾にイランが関与しているかについてエーデルマンは、イラクとは状況が違うと述べた。(中略)「イラクで見られるような直接的な証拠は、アフガニスタンにはない。したがって爆発物の洗練性は、違った種類のものだということだ」と、エーデルマンが語った。

hoonU.S. forces pursue Taliban into Pakistan
LOLITA C. BALDOR、WASHINGTON

■イラン警察、パキスタンとの国境における衝突で誘拐される[070228 AFP]

関係者が水曜日に語ったところによると、夜中に国境付近で衝突があり、戦闘員たちがイラン人警察官を2人殺害して4人を誘拐したあと、パキスタン国内に向かって逃走したという。

当局は、シスタン・バローチスタン州における衝突は、アメリカの陰謀と、パキスタンが国境をコントロールすることができないために生じていると非難している。

火曜日の夜遅く、「抵抗勢力の襲撃で警察官7人が犠牲になった。警察官2人が殺害され、4人が捕虜になったと、通信社の『IRNA』が発表した。

抵抗勢力は2台の車に分乗して、パキスタンの方角に逃走した。7人目の警察官の運命に関しては、語らなかった。

(中略)シスタン・バローチスタンでは緊張が続き、トルコと接する西アゼルバジアン州のイラン軍とクルドの抵抗勢力との間でも、衝突が続いている。

革命警備隊のヤハ・ラヒーム・サファヴィ将軍によると、ここ数日間で抵抗勢力30人以上が南西部で殺害され、イラン軍は他の戦闘員を包囲しているという。またもしバグダッドが国境地帯から戦闘員たちを追放しなければ、イランはイラク領内に侵入して襲撃を実施する権利がある、とも警告した。(中略)

これとは別に火曜日にシスタン・バローチスタンで、イランの治安部隊がパキスタン側から越境して来た戦闘員たちと衝突したという。「イラン領内のシスタン・バローチスタン州に入って来たテロ関係者たちを、押し戻した」とメヘル・エージェンシーが発表した。

hoonIran police abducted in deadly Pakistan border clash
Siavosh Ghazi、TEHRAN

■「アメリカのスパイ」、アフガン国境で殺害される[070228 BBC]

パキスタンの部族地帯にいる親タリバン派戦闘員が、アフガニスタンにいる米軍のためにスパイ行為をしていたという聖職者を殺害した。

水曜日にワジリスタンで、道路わきに放置された袋の中から首なし死体が発見された。(中略)

殺害されたのは、30歳の地元の聖職者、アフタル・ウスマーニだという。遺体はジャンドーラの近くで発見された。

「体は大きな袋に入れられ、首が外に放置されていた」と、行政関係者が『ロイター』に語った。

ウスマーニ氏はこれまで数回、部族地帯の過激行為に関して批判的な意見を述べてきた。

タリバン報道官が『ロイター』に語ったところによると、ウスマーニは、地元の過激派やタリバンを批判したので殺害されたという。

いっぼうタリバン戦闘員たちが、バヌーにあるビデオ店を襲撃した。(後略)

hoon'US spy' killed by Afghan border

■CIAの「暗黒」収容所をかいま見る[070228 Washinton Post]

CIAに拘束されていた際に、アルカイダの資金調達人といわれるマルワン・ジャボールは裸で椅子に座らされ、関係者によってビデオを撮られた。後手に手錠をかけられ、目隠しをされ、ヘッドホーンで耳を塞がれ、意識がもうろうとなる薬を注射された。車に積み込まれて別の囚人と一緒に、飛行場に連れて行かれた。

2006年6月に、アフガニスタンにあった秘密の収容所から釈放されたことは、彼にとっても驚きだった。彼のような囚人に対してはジュネーブ協定は適応されないというブッシュ政権の主張が、最高裁判所で却下された数日後のことである。

ジャボールは、CIAの「暗黒収容所」に2年間拘束された。ブッシュ大統領は、9月にCIAの収容所から14人の男たちを移送したと主張しているが、ジャボールが『ワシントンポスト』による3回のインタビューで語った事実により、実際にはさらに多数の男たちがいることや、彼らの生活の一部が明らかになった。

(中略)「もはやCIAのプログラムには、テロリストはいない」と、大統領は語り、拘束されていた囚人たちは諜報情報にとって「重要ではない」ことが判明したために、母国に送還され、そこで捜査を受けているという。

しかしジャボールの体験は、ブッシュ政権がCIAのプログラムについて語っていること以上のものを明らかにしている。一般的には14人がCIAの収容所からグアンタナモ収容所に移されたと言われているが、その他にも数十人がおり、その居場所は明らかにされていない。またブッシュ政権は、ジャボールのように、危険で重要な人物と思われたために極秘に拘束していた人物が釈放されたことも、伏せている。

「アメリカ人を含む無実な人間に危害を与える恐れがあるジハード志願者で、ハードコア・テロニスト」といわれるジャボールは、28ヵ月間拘束されたあと、8ヵ月前に釈放された。アメリカの諜報関係者や対テロ組織関係者は、彼がパキスタンとアフガニスタンで拘束されていたことを認めた。しかしその間の彼の扱われ方については、語っていない。

《イスラマバードの家》

ジャボールやアメリカ人諜報関係者の話によると、彼は2004年5月に暗黒収容所プログラムに加わった。パキスタンのイスラマバードにある、ある家のゲートに車が到着すると、車の中から引っ張り出された。

ここに来る前はラホールにあった収容所に入れられ、パキスタンの諜報関係者に殴打され、虐待され、やけどを負わされたという。2人のアメリカ人女性の捜査官の尋問も受け、もし協力すれば金持ちになり、拒否すればどこかに消されるだろうと言われたという。その後目隠しをされ、車で4時間運ばれ、高級住宅街に連れて行かれた。

イスラマバードの家は、CIAとパキスタンの諜報機関が運営し、収容所になっていたという。到着時に彼は、エジプト人シェイクの16歳の息子をはじめ、20人の男たちが拘束されているのを見た。9.11以後逮捕された数十人のアルカイダ容疑者たちがこの家に連れてこられたと、元囚人やアメリカの諜報機関関係者が述べている。

ジャボールは5週間ここにいた。壁に鎖でつながれ、数時間以上眠ることを許されなかった。アメリカの捜査官の取り調べを数時間受けた後、パキスタンの警備員に夜ごと叩かれたという。その後仲間たちは、別のCIAの収容所に移された。東ヨーロッパにも収容所があったが、ジャボールはアフガニスタンに連れて行かれた。

人権団体は、CIAに拘束され、いまだに消息が不明になっている38人の名前を明らかにしている。ある関係者が語ったところによると、このような収容所に拘束され、いまだに行方不明になっている人間は、60人以上いるという。

(中略)両親が住むガザでインタビューに応じたジャボールは、アフガニスタンから逃走したアルカイダやタリバン戦闘員に協力したことを認めている。パレスチナ人の両親を持つジャボールは、ヨルダンで生まれた。1988年に、チェチェンのムスリムたちの苦悩に心を奪われたという。アフガニスタンに入り、そこでジハード訓練所で訓練を受けてから、チェチェンの独立運動に加わることにした。

「アフガニスタンで、自分たちの望む国家を建設しようとしている人々と出会った。他のアラブ人たちと仲良くなった。しかし3ヵ月後、チェチェンには行くとこはできないと言われた」。そこで1999年にジャボールは、パキスタンに帰った。2年後、以前一緒に生活し、訓練を受けた者たちが、協力を呼びかけて来た。「子供や女性が負傷していた。我々の家にやってきたので、我々は彼らを助けてやった」。

アルカイダから資金を受け取り、食料や薬を与え、数十人のために旅券を取得した。アルカイダのために戦っていたアフリカ人2人を始め、彼らがパキスタンから出国できるよう、便宜を計った。戦うためにアフガニスタンには帰らなかったし、アメリカを攻撃することにも関心はなかったという。

ジャボールについて語ったあるアメリカ対テロ関係者は、彼がアルカイダのメンバーであるとは言わなかった。しかしパキスタンでジャボールは、「アルカイダ幹部と直接コンタクトを取っていた」という。その中には、2005年10月にCIAの無人偵察機によるミサイル攻撃で死亡した、ハムザ・ラビアがいる。インタビューでジャボールは、ハムザに2度会ったと語った。

関係者によるとジャボールは、「アフガニスタンからパキスタンにジハード志願者たちが移るための資金と手段を提供」し、アルカイダが武器を購入するための資金を流したという。「何でもする悪い奴」だという。しかしジャボールに対する告訴状はなく、なぜ今になって釈放されたかも、わからない。

《アフガニスタンに連れて行かれる》

イスラマバードで数週間過ごした2004年6月14日に、ジャボールは注射をされ、目隠しをされ、飛行機に乗せられた。対テロ関係者は、彼がアフガニスタンに連れて行かれたことを認めていないが、ジャボールによると、アフガニスタンの秘密収容所だったという。平服を着たアメリカ人によりこの収容所は運営され、黒い制服と手袋をつけ、マスクを覆った男たちによって、警備されていた。

(中略)毎日取り調べを受け、2年間で、約45人ほどの捜査官や医師、精神科医の取り調べを受けたという。拷問の脅迫を受けたが、叩かれることはなかった(中略)。

《移送と釈放》

2004年12月18日、ジャボールはもっと大きな部屋に移された。洗面台の下に、「Majid Khan 2004年12月15日 パキスタン系アメリカ人」と書かれた落書きを発見した。バルティモール郊外に家族が住むハーンは、2003年3月にカラチで逮捕され、5ヵ月後にグアンタナモに移された。アメリカ政府は、ハーンが最初どこで拘束されていたかを、明らかにしていない。

当時ジャボールは、1人の囚人にしか会っていない。アルジェリア人のヤシール・アル・ジャジーラで、2003年3月にパキスタンで逮捕されたアルカイダ工作員である。模範的な態度だったための見返りとして、ジャボールはこの男に会わせてもらった。

取り調べでは、数百人の写真を見せられた。中には、パキスタン系イギリス人のムハンマド・ナイーム・ヌール・ハーンがいた。彼は2004年7月に、パキスタンで逮捕されている。

ヌール・ハーンはアルカイダ工作員とされ、2004年に暴かれたイギリスとアメリカの金融機関に対する攻撃に関わっていたといわれる。ヌールの弁護士によると、ヌール・ハーンの居場所は現在明らかにされていない。

CIAがジャボールやアル・ジャジーラ、ヌール・ハーンを拘束しているという記録は、明らかにされていない。

ジャボールはその後アンマンに連れて行かれて、彼の旅は終わった。「なぜ釈放されたかわからない。しかし、知っていることは何もかも話した」。「真実を言わなければならない。彼らは頭がいい奴らだ」と、アメリカ人に関して語った。(後略)

hoonNew Light Shed on CIA's 'Black Site' Prisons
Dafna Linzer and Julie Tate

■アメリカ、パキスタン内におけるアルカイダ成長を憂慮[070226 AFP]

月曜日に副大統領のディック・チェイニーがムシャラフ大統領に、パキスタンの部族地帯で再結成しているアルカイダに関して、「不安」を表明した。

チェイニーはまた、アフガニスタンにいる欧米軍に対するタリバンの春の攻撃に関する諜報情報について、「アメリカは真剣に憂慮している」と述べた。同時に「テロとの戦争に対するパキスタンの役割を十分評価している」とも述べ、2国間の関係強化を主張した。

月曜日にチェイニーは、国境を越えた武力沙汰に関してイスラマバードと話し合うために急にパキスタンを訪れて、関係者を驚かせた。会談は2時間に及んだといたという。(後略)

hoonUS concerned by Al-Qaeda build-up in Pakistan
ISLAMABAD

■ブッシュ、テロに関して行動するよう忠告[070226 New York Times]

ブッシュ大統領はパキスタンのムシャラフ大統領に、アルカイダ工作員たちの捜索にさらに積極的にならなければ、パキスタンに対する援助を削減する可能性があるという、厳しいメッセージを送ることにしているという。

ホワイトハウスは、ムシャラフが9月にブッシュを訪問した際の約束を果たしていないとの結論に達し、新たな警告を発するという。当時ムシャラフは、部族地帯で締結した和平協定は、アルカイダやタリバンの掃討作戦に影響を与えないと主張していた。

アメリカの諜報関係者は、テロリストの拠点が再びできつつあり、パキスタンはその訓練施設を数回攻撃しているとはいえ、十分な努力をしていないという結論に達した。

「彼はここ数ヵ月間、何度も大丈夫だと主張していたが、彼らがしていることは成功していない」と、ある政府関係者が述べた。「彼には、結果が重要だというメッセージを送る」。

(中略)今のところホワイトハウスは、アメリカの偵察衛星が監視している、北ワジリスタンの軍事訓練所を攻撃することはないと述べている。このような攻撃を実施すれば、ムシャラフ政権の「安定に大きな打撃となる」からだ。

ムシャラフ大統領は、ブッシュ政権は自分に圧力をかけすぎることはない、と見ている。彼の政権が崩壊した場合、誰が彼を引き継ぐかは明らかではない。

しかし部族地帯にアルカイダが広がりつつあるという事実は、テロとの戦争に成功しているというブッシュの主張に、大きな打撃を与える。(中略)

ムシャラフ大統領はアメリカ政府関係者に、パキスタン軍が部族地帯で作戦を実施したために、住民が政府から離れてしまい、イスラーム過激派幹部に関する質の高い諜報情報が提供されなくなってしまったと述べている。

民主党員たちは、アルカイダに対して積極的な攻撃を行なわない限り、パキスタンに対する軍事協力などの援助を中止すると警告している(中略)。「パキスタンに対する援助が、今問題になっている」と、ある関係者が述べた。

ここ数週間の間に、ブッシュ政権は新国防省長官のロバート・ゲイツを始め、何人もの特使を派遣している(中略)。ムシャラフとブッシュの関係は、常に緊張している。ムシャラフは、アメリカからの協力と保護、そしてパキスタンの国民や諜報機関がアルカイダやタリバンに共感しているという事実の間で、板挟みになっしている(中略)。

ムシャラフは、部族民たちとの間で締結した和平協定により、彼らにこの地域の自治権をこれまで以上に与えたが、これには「3つの根本的な合意があった」と、去年の秋にワシントンを訪問した際に述べた。まず「部族地帯やアフガニスタンとの国境で、アルカイダが活動しないこと」。次に、同地域で「タリバンが活動しないこと」。そして「反啓蒙主義的な思想や生活」と説明される「タリバン化がないこと」だという。

しかし、アメリカの諜報機関関係者は、パキスタンのアルカイダ指導者たちによるグローバル・ネットワークが再び活発になり、欧米を攻撃するために訓練所で工作員たちを訓練している、と主張している。

あるアメリカ人関係者は、諜報組織は、アルカイダの訓練所と去年の8月に暴かれた航空機爆発未遂事件の間に、「確固たる証拠」を見いだしたと述べた。イギリスで裁判が行なわれて、テロ容疑者たちのうちの何人かはパキスタンで訓練を受けていたはずだという。

アメリカ政府関係者によると、ムシャラフが北ワジリスタンから軍を撤退させて、長老たちに地域の安全に対する支配権を与えた理由の1つには、自分の諜報ネットワークを部族地帯に作り直すためだったという。

hoonBush to Warn Pakistan to Act on Terror
DAVID E. SANGER and MARK MAZZETTI、WASHINGTON

■トラボラにちなんで新たなタリバン組織、命名される[070226 News]

トラボラにちなんで命名された新たなタリバングループが、故ムジャヒディン司令官のモーラビ・ユーニス・ハリスの息子により組織され、アフガニスタン東部にいる米軍主導軍に対する抵抗運動を開始するという。

新たなタリバン組織の報道官のカリ・サジャードが語ったところによると、戦闘員たちはナンガハールをはじめとしたアフガニスタン各地で活動しているという。アフガン「ジハード」時代からトラボラを拠点としていたために、組織はトラボラと命名されたという。

9.11後にアメリカがトラボラを攻撃するために雇ったアフガン戦闘員の大多数が、かつてはモーラビ・ハリスが率いるヒズビ・イスラミのメンバーだった。

モーラビ・ハリスの長男であるアンワルウル・ハク・ムジャーヒッドが、トラボラ・ニザミ・マハーズあるいはトラボラ軍事戦線の責任者だという。ムジャーヒッドはかつてのタリバン司令官で、現在ヒズビ・イスラミ(ハリス派)指導者でもある。

タリバン政権崩壊後、ムジャーヒッドは地下に潜っていた。後に病に冒された父親に合流して、アフガニスタンにいる外国軍に対して「ジハード」を宣言した。

彼は父親が死ぬまで匿うことができたが、ジャララバードで開催された葬儀に出席することはできなかった。葬儀の際には爆発があり、参列者やタリバン数人が死亡した。爆弾は、ナンガハル知事のグル・アガ・シェルゾイをはじめとする、政府関係者を狙ったものだったといわれる。

hoonNew Taliban group named after Tora Bora
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.