【2007年3月5日〜3月11日】


■あわや、何から救われたのか[070311 New York Times]

ワシントンでは、ムシャラフと仕事をすることに対するいらだちは、ムシャラフ無しで生きることに対する恐怖に匹敵する。

ワシントンと核を保有するムラーのグループの間の防御壁になっているのはムシャラフだ、という認識があるために、ホワイトハウスはパキスタンに、アルカイダとタリバンを掃討させるための圧力をかけられないでいる。

過激派の亡霊がムシャラフを失墜させる可能性があるために、ブッシュの政策は規制され、米軍がパキスタンの部族地帯を爆撃するなどという考えは実行できない。

しかしムシャラフの権力の座は、どの程度危ういのであろうか。アメリカは、自分たちが思っているほどパキスタンに影響力を発揮することができるのだろうか。

タリバン勢力がパキスタンに拡大しているという諜報情報が出回っている今、ムシャラフをどのように扱うかが、重要な問題だ。

ワシントン内に存在する、イスラーム過激派がパキスタンで大きな勢力になりつつあるという恐怖は、ムシャラフ自身によって植え付けられた。アナリストの中には、彼の警告は、アメリカからの援助を受け続けながら、民主主義的改革の問題をあやふやにするためのものだと考える者もいる。ムシャラフは、ワシントンやイスラマバードでアメリカ政府関係者に会うと、イスラーム過激派の危険性を強調し、ブッシュ大統領はムシャラフの権力の座が危ういことの例として、彼がこれまで2回、あわやというところで暗殺されそうになったことを引き合いに出す。

イスラーム主義者たちはもらろん力を持つが、彼らには国家を乗っ取るだけの力があるか、証拠はない。せいぜいパキスタンの一部をコントロールするくらいであろう。(中略)

軍は、パキスタンを何十年も支配してきた。もしムシャラフが暗殺されたとしたら、ラホールやカラチで暴動が発生し、タリバン勢力内の宗教リーダーが力を持つようになるだろうと、アメリカの外交関係者や諜報関係者が語る。

「過激派政府が権力の座について、核兵器を入手することは心配していない」と、2004年と2005年のCIA作戦次長のロバート・リチャーが語る。「ムシャラフに何かあったら、別の将軍が彼に取って代わるだけだ」。彼の公認として、アーサン・サリーン・ハヤット陸軍副参謀が陸軍の指導者となり、元銀行員のムハンマドミアン・スームロが大統領になる。

ハヤート将軍はムシャラフと同様世俗出身で、権力を握る。しかしムシャラフのように、軍内部のさまざまな勢力を統率することができるかは、明らかではない。アメリカの関係者は、ISIはパキスタン西部のタリバンに支援をし続け、軍幹部とイスラーム過激派の関係も心配されるという。イスラーム過激派とISIの関係は、数十年続いている。(中略)

ワシントンでは、ムシャラフがイスラーム過激派に対する脅威を有効利用していることでは意見が一致するが、彼の扱い方については、意見が分かれる。ペンタゴンの対テロ関係者は、ムシャラフ政府は、ワシントンと対立することでパキスタンに対する軍事援助の道が閉ざされることを心配する、パキスタン軍内部からの圧力を気にしているという。

アメリカから入ってくる資金と軍事的ハードウェアは、パキスタン陸軍が敵対するインドとの和平を保つためには、決定的である。この点から、ブッシュ政権はムシャラフに過激派たちを取り締まることを強いるだけの力がある。

いっぽうで国務省関係者によると、イスラーム過激派がムシャラフを失墜させないとしたら、誰がさいころを振るのだろうか。

ムシャラフと仕事をするのは大変かもしれない。しかし、彼には才覚がある。イラクをコントロールすることができず、イランがあちこちで画策している今、核を保有するムスリム国家までをもこの混乱に巻き込む必要はないではないか。(中略)

議会で主力になった民主党は、ブッシュ政権のパキスタンとの取り引きを妨害しようとしている。最近ムシャラフとイスラマバードで会見したチェイニー副大統領は、ホワイトハウスはパキスタンに対する援助を打ち切るつもりはないが、民主党は、部族地帯にいるイスラーム過激派を取り締まるという条件で援助を行なうべきだと脅迫している、と告げた。

議会は、パキスタンに対する援助を停止するつもりはないようだ。しかし議会をいらだたせれば、アメリカがインドとの関係を強化するという、パキスタンが最も恐れる事態を招くかもしれない。

hoonOne Bullet Away From What?
MARK MAZZETTI、WASHINGTON

■パキスタン軍、戦闘員3人を殺害[070310 Reuters]

パキスタンの治安部隊が、北ワジリスタンでイスラーム主義の戦闘員と衝突し、3人を殺害した。

(中略)戦闘員たちが車でアフガニスタンからパキスタンに入ろうとしたところ、国境検問所の近くで衝突が起きたと、軍報道官のワヒード・アルシャッド中将が発表した。「車に制止するよう求めたが、治安部隊員を銃撃してきた」という。

兵士1人が死亡した。戦闘員数人は逃走したために、治安部隊が現在捜索中である。(後略)

hoonPakistani forces killed three militants
ISLAMABAD

■タリバン司令官、イタリア人ジャーナリストを殺害すると脅迫[070310 AFP]

タリバン司令官が土曜日に、自分たちの報道官を釈放し、イタリア隊がアフガニスタンから撤退する期日を決めなければ、7日以内にイタリア人ジャーナリストを殺害すると脅迫した。

ダドゥッラー師が『AFP』に電話をかけてきて、要求に対して7日間の期限を設け、これが受け入れられなければ「この男を殺害する」と脅迫した。

「我々の報道官を釈放し、我々のニュースが規制を受けるようなことがあってはならない」と述べた。タリバンのウェブサイト(www.alemarah.org)が、先週妨害された。「我々はイタリア人に敵意はない。撤退の日を決めれば、我々はイタリア人を解放する」という。

(中略)ダドゥッラーは、一緒に拉致したアフガン人運転手が、ヘルマンド州の諜報官であることを告白したと述べた。彼らが捕まったヘルマンドにある、タリバンの拠点の写真を撮っていたという。

ダドゥッラーは、3人は、州都のラシュカル・ガーのすぐ外のボウラン村で拉致したと述べ、イタリア人はヘルマンド州にある我々の本部の1つにおり、元気だという。「しかし、我々の要求が7日のうちに受け入れられないのなら、男の首を切る」と脅迫した(後略)。

hoonTaliban commander threatens to kill Italian journalist
KANDAHAR

■パキスタンのアフガン課題に、大きな一歩[070310 Asia Times]

軍閥のグラブッディン・ヘクマチアルがタリバンとの関係を絶ち、カルザイ政権との話し合いを始めるという主張は、パキスタンにとってはタリバンの春の作戦に先立つ、重要な動きである。

ヘクマチアルはパキスタンが望む目的を達成するために役立つが、タリバンの計画には何も支障を来たさないだろう。タリバンはすでに、すべての準備を整えている。

たとえば数ヵ月前、ヒズビ・イスラミ・ アフガニスタン(HIA)のヘクマチアルはアフガニスタンの軍閥たちに、地域にあるHIAの事務所を解体してタリバンの指揮のもとに行動するように要求した。要は、帽子をかぶり直すだけだ。

ヘクマチアルの声明は、多くの者たちを驚かせた。しかし政治的野望を持つこのムジャーヒッドは、常に自分の思惑があることを忘れてはならない(中略)。

ヘクマチアルのこの動きは、パキスタンがアフガン抵抗運動に対して対話することを欧米に要求したことと、時を同じくする。パキスタンはワシントンに、権力の座に関してタリバンと話し合うよう求めている。ワシントンはタリバンを認めたくないために、ヘクマチアルがその候補者として浮上した(中略)。

《政治的対立》

2年以上前、HIAの一部はヘクマチアルと袂を分けたが、彼は排除されることはなかった。この一派は2005年の選挙に参加して、国会に40議席を獲得した。

元タリバンやアブドゥル・ラーブ・ラスール・サイヤーフ教授が率いるイスラーム主義者、親パキスタン勢力であるttahad Islami Afghanistanも当選した。

しかしこれらの勢力は、北部同盟が支配するカルザイ政権の主力になることはできなかった。アフガン国軍においても同様である。

しかし、タリバンが春の攻撃で成功した昨年以来、状況は変わった。彼らは南西部の部族指導者たちに迎え入れられ、重要な位置を占めるようになった。

その結果、欧米関係者は手を返したように、タリバンが武器を捨てた場合、彼らを権力の座に迎え入れる方法を模索し始めた。パキスタンはこの機を利用して、アフガニスタンに足がかりを作ろうとしている。ヘクマチアルだろうがタリバンだろうが、一度権力の座につけば、イスラーム主義のパシュトゥーン族として、彼らはインドではなく、パキスタンに近づいてくる。

「欧米は、アルカイダとタリバンが違うことに気づかなければならない」と、Institute of Regional Studies会長のジャムシェッド・アヤーズ・ハーン少将が語る。「アルカイダはテロ組織で、グローバルな目的を持つ。しかしタリバンは過激派であるかもしれないが、アフガン社会の一部であり、アフガン人の代表的な一派でもある」。「タリバンを考慮することは、重要だ。彼らと取り引きしなければ、アフガニスタンに平和はない」。

しかしパキスタンは、欧米がカブールの権力の座にオマール師を迎え入れることを嫌っていることを知っている。オマール師が権力の座を奪回するためには、戦い続け、欧米軍をアフガニスタンから撤退させなければならない。だからパキスタンは、ヘクマチアルに協力するというオブションを選んだのだ。

smellA big push for Pakistan's Afghan agenda
Syed Saleem Shahzad、ISLAMABAD

■戦闘員、ミランシャーで「アメリカ人スパイ」を殺害[070310 Daily Times]

パキスタンの親タリバン戦闘員が、アフガニスタンの米軍のためにスパイ行為をしていたとしてアフガン難民を射殺したと、関係者が金曜日に述べた。

アブドゥル・ラヒームが、ミランシャー南部のムハンマド・ヘール村で射殺された。遺体には「アメリカ人のスパイ」というメモが残されていた。

hoonMilitants kill 'US spy' in Miranshah
MIRANSHAH

■タリバン、3人の報道官の釈放を要求[0703010 Daily Times]

タリバンは、ヘルマンド州で誘拐したイタリア人ジャーナリストと引き換えに、アフガニスタン政府に拘束されている3人の報道官の釈放を要求している。

タリバンの情報源によると、3人の報道官の釈放は公にはしていないが、イタリア人ジャーナリストの関係者には個人的に伝えてあるという。(中略)

タリバンとイタリア人ジャーナリストの同僚は、2日前から衛星電話を通して連絡を取り合っている。これまで『La Repubblica』の特派員はスパイだと非難されていたが、もし本当のジャーナリストであれば、見解を変える用意があるという。カブール刑務所にいるタリバン報道官は、ラティフッラー・ハキーミとウスタッド・ヤシール、ドクター・ムハンマド・ハニーフであるが、タリバンたちは3人は戦闘員ではないために、釈放されるべきだと主張している。

hoonTaliban demand release of three spokesmen
PESHAWAR

■ヘクマチアル、カルザイと無条件に話し合うことを否定[070309 News]

アフガン・ムジャヒディン指導者のグルブディン・ヘクマチアルが、カルザイ大統領と無条件に話し合う準備があると報道された主張が、否定された。

彼の報道官のハルーン・ザルグーンが、欧米のテレビなどの報道は、ヘクマチアルが自分の政治的立場を変更したような印象を与えるために、声明の一部だけを発表していると述べた。「ヒズビ・イスラミの指導者を、故意に中傷するためのものだ。このような誤った報道を強く非難する」と強調した。

(中略)ハルーン・ザルグーンは、ヘクマチアルがアフガニスタンの現在の状況に対して見解を変え、カルザイと握手をする準備を行ない、タリバンとの関係をすべて遮断したという報道を、直ちに否定した。

彼によるとヘクマチアルの主張は、カルザイがアフガニスタンにいる外国軍をすべて撤退することを要求して、これを実現させたら初めて彼と話し合うことができるというものだという。「テレビは、ヘクマチアルの答えの一部しか報道していない。ヘクマチアルがカルザイと話し合うつもりがあるという部分だけを流し、外国軍が撤退したあとに初めてこれが実現できると述べた他の部分は、削除されたという。(中略)

またタリバンとの関係については、これまで一緒に戦うために何度もタリバンにコンタクトをとったが、返事がない。したがってもうコンタクトをとるのは止めたのだ、という。(中略)

hoonHekmatyar denies offering unconditional talks to Karzai
Rahimullah Yusufzai、PESHAWAR

■アフガン軍閥、タリバンの分裂[070308 AP]

アフガニスタンの抵抗勢力指導者のグルブディン・ヘクマチアルが、自分の隊はタリバンへの協力をやめ、カルザイ大統領との話し合いに応じる可能性があることを示唆した。『AP』の出した質問状にビデオで答えたヘクマチアルによると、自分の組織は2003年にタリバンと話し合い、共にアメリカに対してジハードをすることを約束した。

「一致団結してジハードを行なったが、そのうちタリバン内部に、アメリカに対して一緒に戦うという考えを否定する者たちが出てきたために、下火になってきた」と、木曜日に入手したビデオでヘクマチアルが述べた。ヘクマチアルは眼鏡をかけ、黒いターバンを巻いていた。

どのように、いつ分裂したかは明らかにしなかったが、資金不足から、自分の軍隊は現在作戦を限定しているという。「タリバンが一緒に戦うことを拒否したことは、良策とは思えない」。「現在タリバンとコンタクトはない」という。

(中略)カルザイ大統領との話し合いに応じる可能性があるかどうか尋ねると、ヘクマチアルは、アフガニスタンの問題を解決するためには話し合いが最善策だと述べ、話し合いのあとに和平協定が結ばれるだろうという。しかし、アメリカが支持する政府が条件を受け入れるとすればだと、述べた

「圧政者が、カブール政府が戦いを止めてムジャヒディンと話し合い、カブールと抵抗勢力が決めたことを尊重することを許せば、話し合いは成功する」。「これはアフガン国家にとって、最優先するべき根本的な事柄だ。このような環境が与えられれば、カルザイと話し合うことができる」という。

ヘクマチアルは、戦闘員は何人もおり、戦いが長期化しても困ることはないと主張した。(中略)

ヘクマチアルは、部下たちがアルカイダの指導者たちに協力したのは、「彼らがアフガニスタンの客人だったから」で、自分の組織であるヒズビ・イスラミはアルカイダと組織的な関係はない、と述べた。

ヘクマチアルは、これまで米軍は2度自分のすぐそばまで来た、と述べた。一度は米特殊部隊が、自分が滞在していた家に通じる道路を進んでいたために、山中に逃げ込んだという。「彼らからたった200ヤードしか離れていなかった」。「彼らの動きを監視し、彼らの声も聞こえた。しかし去っていったので、何事もなく家に戻った」。

2度目は、米軍のパトロールを避けるために、2晩、林の中で野営したという。いつ、どこで米軍と会ったかは、明らかにしなかった。「それ以来、我々は戦える位置にいなかったことを残念に思う。我々は十分、人材も武器もある。彼らをやっつける絶好の機会だった。隊は全滅したはずだ」。

ohAfghan warlord splits with Taliban
ZARAR KHAN、KARACHI

■ドイツ人、アフガンで銃殺[070308 BBC]

銃を持った男たちがアフガニスタン北部で、ドイツの援助活動家を射殺した。

カブール北西部のサルエ・ポール州関係者によると、3人のアフガン人同僚と車で移動していた男性が襲撃されたという。アフガン人たちは無事だったが、ボンに本部があるアグロ・アクションのドイツ人が、射殺された。(中略)

内務省報道官によると、タリバンではなく、窃盗団の仕業だという。

サラエ・ポール州副知事のカムルゥッディン・シケーブが、2台の車に分乗していた4人の援助活動家が、ミルザ・ワラング村で銃を持った男たちに停められたと述べた。「車から連れ出すと、アフガン人たちの所持品を奪ってからドイツ人を近くに連れて行き、2発の銃弾で射殺した」。(後略)

hoonGerman killed in Afghan shooting

■兵士、地雷で死亡[070308 BBC]

アフガニスタンで地雷攻撃を受けて兵士1人が死亡したと、国防省が発表した。

兵士は王立砲撃隊の第29奇襲部隊に属し、ヘルマンド州のサンギンにある英軍基地が攻撃された際に負傷し、死亡した。

1週間のうちにヘクマンドでは、4人の英軍兵士が死亡している。(後略)

hoonSoldier killed in grenade attack

■ドイツ人「スパイ」、イスラマバードに移される[070308 News]

パキスタンの諜報組織が、ドイツ人スパイと思われる男をイスラマバードに移し、さらに取り調べを行なうっているという。

水曜日にドイツ大使館員が逮捕され、謎が深まっている。ドイツ大使館はこの件に関してこれまでと態度を変え、口を閉ざした。

『News』が、ドイツ国籍の男が逮捕されたという情報をドイツ大使館に問い合わせたところ、大使館はこれを認めたが、火曜日になって否定。水曜日には何も言えないと答えた。

情報源によると、ドイツ人は、他の組織との関係や、彼がワジリスタンで捜査した外国人戦闘員ネットワークとの関係に関して、取り調べを受けているという。つい最近、CIAがパキスタンに人材や整備を投入して、ビンラディンの捜索を開始していると報道されたばかりである。

ドイツ人は、外国人戦闘員の訓練所で1ヵ月半過ごし、部族地帯から帰ってくるところだった。ドイツ大使館は、ドイツ国籍のマイケル・ピューナがパキスタンから謎のように「消えてしまった」と見ているという。

パキスタンの外務省報道官が水曜日に、ドイツ領事館にマイケルに会う許可を求められていることを認めた。しかし、この名前のドイツ人が逮捕されたことは、否定している。

smellGerman 'spy' shifted to Islamabad
Umar Cheema、ISLAMABAD

■タヒール・ユルダシュの逮捕、確認できず[070308 News]

水曜日に少なくとも2つのテレビ局が、北ワジリスタンとアフガニスタンとの間でウズベクイスラーム運動の指導者、タヒール・ユルダシュの逮捕されたことを速報で流したが、事実は確認されていない。

ある報道によると、彼は北ワジリスタンのロワラ・マンディで逮捕されたという。欧米軍がコーストの国境で逮捕したと報道するものもあった。

しかし北ワジリスタンの戦闘員の情報源は、ユルダシュ、別名、タヒール・ユルダチェフの逮捕を否定した。彼の部下が逮捕された可能性もある、と考える者もいた。(中略)

火曜日のアザム・ワルサックの銃撃戦には、ユルダシュの仲間も関わっていた。少なくとも部下のウズベク人戦闘員11人と、マフスード族出身の地元部族民が殺された。ウズベク人たちは、ザリヘール枝族の親政府派の長老、マリーク・サイドゥッラー・ハーン・ダリヘールの部下がウズベク人司令官を誘拐したために、彼の村を攻撃した。ダリヘールの部族民たちが多数救援に駆けつけ、ウズベク人たちと戦った。後にワナの和平委員会が仲介に入った。(後略)

hoonNo confirmation of Tahir Yuldash's arrest
PESHAWAR

■ワジリスタンの部族民と戦闘員、話し合う。ウズベク人司令官、国境付近で逮捕[070308 News]

部族民とアルカイダと関係している戦闘員たちが、水曜日にアザム・ワルサックで話し合いを行なった。火曜日の衝突で、死者の数は19人になった。

衝突のあと、和平委員会が停戦を主張した。「問題を自分たちで解決しようとしている。ジルガが開催されているが、我々はそれに関わっていない」と、政府関係者が述べた。(中略)

ある諜報関係者によると、戦闘の際にウズベク人戦闘員が拘束した3人の部族民の解放に関して、話し合いが行なわれているという。

アフガン国境で、ウズベク人司令官が逮捕されたという。ウズベクイスラーム運動のタヒール・ユルダシュの可能性もあるというが、確認されていない。

hoonWaziristan tribals, militants open talks Uzbek commander arrested near Afghan border
TANK

■「タリバン司令官」、イタリア人はスパイと発言[070307 AFP]

タリバン司令官のダドゥッラー師だと主張する男が、抵抗勢力がイタリア人ジャーナリストを逮捕して、彼が英軍のスパイであることを告白したと告げるテープを発表した。

『AFP』特派員が受け取ったこのテープで男は、イタリア人の名前をダニエルと述べ、彼と一緒に逮捕された2人のアフガん人の身元を明らかにした。男たちはタリバンの隠れ家について英軍に報告していたと、非難している。タリバンは以前もスパイとして逮捕された者たちを処刑しているが、この3人についてどうするかは、まだ決めていないという。

『La Repubblica』の特派員のダニエーレ・マストロジャコモが、アフガニスタン南部で3日間行方不明になっており、カブールのイタリア大使館は、タリバンが主張したように、彼が捕まった恐れがあると述べている。

この録音は、ダドゥッーラと名乗る男から電話を受けたという、パキスタンにいる『AFP』特派員の同僚から、eメールで『AFP』に送られてきた。「彼らはイギリス人のために働いていた」と、男はパシュトゥ語で語った。「彼らは『イギリス人たちから、タリバンにインタビューしたら、彼らを爆撃できるようにその場所を教えてほしい』と言われていたと告白した」という。「彼らはジャーナリストという名目で、イギリスのためにスパイ活動をしていた」。

ダドゥッラーはジャーナリストの父親と母親の名前、一緒にいたアフガン人の名前と彼らの住所を語った。さらに以前逮捕されたタリバン報道官の逮捕に言及しながら、欧米がメディアにバイアスをかけていると非難した。「彼らはメディアに、一方的な自由しか与えていない。我々は一方的な自由しか与えることはない。メディアは完全に自由であるか、完全に禁止されるべきだ」。「タリバンのジャーナリストが逮捕され、自分たちのジャーナリストが解放されることを主張するなど、受け入れられない」。

タリバン報道官のムハンマド・ハニーフが1月に、別の報道官のアブドゥル・ラティーフ・ハキーミが2005年10月に、パキスタンで逮捕されている。(後略)

hoon'Taliban commander' says Italian journalist a spy
KABUL

■NATOと欧米に対して団結[070307 BBC]

パキスタンの部族地帯にいるタリバンとアルカイダは、非常に連帯が取れた、巨大な軍隊になっている。

しかし戦闘員たちをよく見ると、共通の目標−−つまりアフガニスタンから負う米軍を追い払う−−を持った、それぞれさまざまなグループであることがわかる。イスラーム神学者教会と関係がある部族の宗教指導者たちは、この一致した使命を利用して、イデオロギー的な統一を与えている。

これとは正反対に、パキスタン政府は、組織を分裂させることができずにいるし、またそのことにあまり積極的ではない。

《提案》

ミランシャー最大の宗教学校のダルゥル・ウルーム・アシュラフィアの事務所で、イスラーム神学者教会のモーラナ・グル・ラマザーンは、驚くべき提案をしている。

「ウレマと部族の長老たちは、ワジリスタンのすべての車のスモークガラスを取り除くことに合意した」という。誰も口にはしないが、ミールアリに拠点を持つアルカイダ戦闘員たちは、これに抵抗するだろうと見られている。

モーラナ・グル・ラマザーンと仲間の宗教指導者、ハーフィズ・ヌールゥッラー・シャーは、政府と北ワジリスタンの戦闘員たちの間で交わされた和平協定の草案を作った張本人である。この和平協定のもとで、戦闘員たちはこの地域にいるパキスタン軍を攻撃しないことを約束した。

しかし2007年1月16日に、南ワジリスタンのザマゾーラでミライル攻撃があった1週間後、ミールアリではパキスタンの軍車列を狙った自爆事件があった。兵士3人を含む8人が死亡したが、明らかに報復だ。

ミランシャーのタリバングループは、ミールアリの外国人戦闘員の犯行と見ており、彼らに対処するよう、政府から圧力がかけられている。

しかし車のスモークガラスを取り除いたところで、問題は解決するだろうか。

モーラナ・グル・ラマザーンは、注意深く言葉を選んだ。「この決議は、ムジャヒディン(アルカイダ戦闘員)たちに危害を与えるためではない。犯罪人が、自由に動き回らないようにするためだ」。

《イラク人》

しかし、ペシャワルにいるFATAの責任者であるジャヴィッド・イクバルは、もっと自信ありげだ。「ミールアリでは、外国人に対立する人々が多数おり、彼らを追い出したがっている」。

現実は、その中間にあるようだ。

ミランシャーのタリバングループのいくつかは、ミールアリのアルカイダ戦闘員たちの力や影響力を、快く思っていないことは確かだ。しかし、ミールアリにいるタリバンのグループは、彼らに忠実だ。

ミールアリには、流暢なパシュトゥを用い、地元の部族民と同じような出で立ちの外国人戦闘員の拠点となっている。明らかにウズベク人の顔をした中央アジア出身者は目立つ。しかしアラブ人、チェチェン人、タジーク人を、地元のパシュトゥーンと識別することは難しい。

ミールアリの住民によると、町の問題を解決するタリバン議会は、アブ・オカーシュという名前のイラク人が取り仕切っているという。これらの人間は、南ワジリスタンのワナにある、もっと大きなアルカイダの拠点とつながっている。ミランシャーを迂回する道路が、直接ワナにつながる。

この道路は、アラブ人たちと親しい、別のタリバンによって守られている。南ワジリスタンのタリバンリーダー、バイトゥッラー・マフスードのグループである。

「もし、政府がミールアリの戦闘員たちを一掃したいのなら、この地域の人々に任せるのではなく、もっと積極的な方策を用いなければならない」と、政治アナリストでナショナリストのアフラシアブ・ハタックが語る。

ミールアリで話を聞いた住民によると、外国人たちはホストたちに巨大な金額を前払いして家を借りているために、もし彼らを追い出したりしたら、報復されるだろうと述べる。外国人戦闘員たちは、敵を排除するためにターゲット殺人を行なう。

2004年に南ワジリスタンで和平協定が締結された際、パキスタン政府は南ワジリスタンの4人の戦闘員司令官に、アルカイダに負っている借金の返済のために、320万ルピー(53万ドル)を支払った。しかし、効果は逆だった。

その2年後、地元の住民150人が暗殺され、数百人が北西辺境州の都市部に逃げ出した。さらに地域のグループの間に派閥もあり、武力抗争が行なわれる。「大英帝国時代、武力は効果がなかった。今でも同じだ。話し合いでしか、問題は解決できない」と、北ワジリスタン出身のイスラーム神学者教会の国会議員、モーラビ・ネック・ザマーンが述べる。

南ワジリスタンのマフスード族には4つのグループがあり、それぞれが抗争を繰り返している。北西辺境州のタンクには、少なくとも3つのグループがあり、マフスードの土地で地元犯罪者シンジゲートの拠点でもあるワナの、さまざまなグループと関係している。

《大災害》

パキスタン政府はグループ間の違いに、興味を示さない。またアフガニスタンにいるタリバン幹部はこれらのグループを連結させているが、これを妨害することもできない。

2006年11月に、この地域のタリバン責任者を選出するために、ワナ地域の9つのグループが話し合い、2つに分裂してしまった。目撃者によると、アフガニスタン南部のタリバン地域司令官のダドゥッラー師が直接間に入り、問題を解決したという。

2月、ムシャラフ大統領は、ダドゥッラー師がパキスタン国内を3回訪れたことを認めた。しかしワナの目撃者によると、彼はこの地域を定期的に訪問しているという。

ohUnited against Nato and the west
M Ilyas Khan、North Waziristan

■NATOの攻撃で最初の犠牲者を発表[070307 AFP]

NATO軍最大の対タリバン作戦で、抵抗勢力4人と英兵1人がアフガニスタン南部で死亡した。

火曜日にヘルマンド州のカジャキで、タリバン4人が殺害された。また英国防省の発表によると、ヘルマンド州のカジャキ地区で、王立海兵隊員が死亡したjいう。

アキレス作戦ではまず、カジャキの安全を確保して、技師たちが水力発電用のダムで働けるようにするという。(中略)2ヵ所で非常線が張られている。まずはカジャキの周囲とヘルマンド北部をつなぐ地区、そして隣のカンダハルとウルズガンを含む地域である。こうしてヘルマンド北部の安全を確保することが目的である。(後略)

hoonNATO offensive claims first casualties
KABUL

■パキスタンの戦闘犠牲者、19人に[070307 AFP]

ウズベク人戦闘員と新政府派の部族民の間で発生した激しい銃撃戦で19人が死亡し、パキスタンの部族民の長老たちが問題解決のために話し合い行なっている。

ウズベク人と地元の支持者たちがパキスタン人部族民長老を攻撃し、その後、南ワジリスタンのアザム・ワルサック村で戦いが発生した。「死者の数は15人から19人に増えた。死亡者には、ウズベク人戦闘員12人と地元支持者3人、地元の和平委員会のメンバー3人とアフガン人の店主が含まれている」という。

和平委員会の責任者であるマリーク・サアドゥッラーが、治安部隊とタリバンを支持する戦闘員の間で、和平協定を結ぼうとしている。

「戦闘員たちが火曜日の夜に再び集まり、マリーク・サアドゥッラーが所有する2つの住居に放火し、サアドゥッラーの部下6人を誘拐した。そのうちの3人が数時間後に解放されたと、関係者が述べた。(後略)

hoonPakistan militant battle toll rises to 19
WANA

■NATO、南部のタリバンに対する最大の攻撃開始[070307 New York Times]

NATOが火曜日に、ヘルマンド州のタリバンや外国人戦闘員数百人に対して最大の作戦を開始したと、軍関係者が述べた。

NATO軍によると、作戦の目的は、麻薬密売人たちと結託してヘルマンドを無法地帯にすることを企んでいる、タリバン抵抗運動に対抗するものだという。米軍の空挺作戦部隊を含むNATO軍4500人と、アフガン兵1000人から構成されるという。

ここ8日の間に、NATO軍兵士4人が死亡している。そのうちの2人は、隊がヘルマンド州北部に移動を開始してから死亡した。

またヘルマンドの麻薬密輸地域と、アメリカの開発計画が実施されているカジャキダムの間にあるサンギンでは、ここ数日間激しい戦闘が続いている。タリバン約1000人が町におり、英軍と砲撃やロケット攻撃を交わしているために、住民たちは避難したという。

日曜日にサンギンでは、英兵2人がロケット砲攻撃で死亡した。別のNATO軍が、火曜日にアフガニスタン南部の戦闘で死亡している。

(中略)ヘルマンド州知事のアサッドゥッラー・ワフダが火曜日に、最近ワジリスタンから、パキスタン人タリバン司令官のアブドゥッラー・マフスードに率いられて、数百人の外国人戦闘員が入って来たと警告した。(中略)

「敵の活動が活発な地域である」と、ヘルマンドについてコリンズ大佐が述べた。「難しい作戦であることはわかっている。しかしこれに力を注ぎ、失敗することはない」。(後略)

hoonNATO Mounts Largest Attack on Taliban in the South
CARLOTTA GALL、KABUL

■NATO軍とアフガン軍、最大の作戦開始[070306 AFP]

火曜日にNATO軍とアフガン軍が約5500兵を率いて、タリバンや外国人戦闘員、麻薬密売人が占拠するヘルマンド州各地の安全を確保するために、最大の作戦を開始した。(中略)

英軍、カナダ軍、オランダ軍、米軍を巻き込んだアキレス作戦は、タリバンの春の攻撃に対抗して開始された。

火曜日にアフガニスタン南部でNATO軍兵士が戦闘で死亡したが、今回の新たな作戦と関係があるかどうかは、明らかになっていない。

「アフガン国軍とISAFの最大の作戦であり、ヘルマンド北部の治安を確保するためのものである」と、ISAF司令官のトン・ヴァン・ルーン少佐が語った。「まず、タリバンや麻薬密売人、外国人テロリストが活動している地域の安全を確保する」と、コリンズが述べた。

アフガニスタンには数百人の外国人戦闘員がおり、外国軍に対してジハードを行なっていると述べ、外国人は中央アジア、中東、北アフリカの出身者だと付け加えた。またタリバンは「麻薬の密罰と関係しているために、誰が何をしているか正確に把握することが難しい」という。

作戦はまず、これまで英軍がタリバンを一掃しようとしていたカジャキ地区の安全を確保して、水力発電所の作業を復活させるという。これらの地域のいくつかには、タリバンが動かしている「影の政府」があり、作戦ではこれらの地域を再びカブール政府下に戻す。

(中略)隣のカンダハル州では、タリバンがマイワンドを奪回しようとしたのを防いだと、政府が発表した。2日に及んだ戦いで、タリバン裁判官と警察官が死亡し、「敵は敗北した」と、内務省が発表した。

hoonNATO, Afghan forces launch biggest offensive
Bronwen Roberts、KABUL

■ウズベク人アルカイダとパキスタン部族民衝突、17人死亡[070306 Reuters]

火曜日に部族地帯で、アルカイダと関係があるウズベク人を含む17人が、戦闘員と部族民の間の衝突で死亡した。

南ワジリスタンのアザム・ワルサックで発生した戦いで、パキスタン部族民3人とアフガン難民2人も死亡したと、諜報関係者が述べた。「両方ともAK-47カラシニコフを使用した」という。

戦闘員が親政府部族民リーダーのマリック・サイードゥッラー・ハーンを暗殺しようとしたために、バザールで銃撃戦となった。ハーンは無事だったが、ハーンの弟が殺された。

ワジリスタンには、ウズベク人、チェチェン人、アラブ人などの外国人戦闘員数百人が隠れている。これまで南北ワジリスタンでは、政府関係者やパキスタン政府を支持する部族の長老たち、米軍のスパイと疑われた人間数十人が暗殺されている。多数が戦闘員に殺害されているが、今回は戦闘員とこの地域のパシュトゥーンとの間の戦いだった。

政府が支援する和平委員会の責任者であるハーンがバザールを通過した際に、戦闘員が発砲した。ハーンは無事だったが、後に部族民約250人が集まり、戦闘員たちと銃撃戦になった。「まだ単発的な戦いが続いている。憤慨した住民たちが、アザム・ワルザック〜ワナの道路を封鎖した」と、別の諜報関係者が述べた。

3日の間に、ハーンは2回ウズベク人たちに狙われている。ウズベク人はウズベク・イスラーム運動のメンバーだと、別の諜報関係者が述べた。(後略)

hoonAl Qaeda Uzbeks, Pakistani tribesmen clash; 17 dead
WANA

■タリバン、イタリア紙の英国人記者を誘拐[070306 AFP]

アフガニスタンのタリバンが火曜日に、イタリア紙のために働く英国人記者を誘拐した。

イギリス大使館とアフガン政府は、2人のアフガン人とともに誘拐された英国人ジャーナリストに関する情報を捜査し、イタリア大使館は、行方不明の記者に関するニュースを調べていると述べた。

月曜日にヘルマンドで、イギリス人とアフガン人2人を「逮捕した」と、タリバン報道官のユースフ・アフマディが述べた。アフガン人のうち1人は通訳で、もう1人はガイドだという。

「ジャーナリストだと言っているが、スパイだと考えている」と、報道官が電話で語った。「捜査中だ。結果次第でその後どうするか考える」。

これまで戦闘員たちは、欧米軍のためにスパイ活動をしたとして、外国人とアフガン人両方を処刑している。

アフマディは後に、外国人の名前はダニー・ケルで、「ここ2年間、アフガニスタンにいる英軍と活動していた」と述べた。「イギリス人で、イタリアの『La Repubblica』のために働いてた」という。

新聞社とイタリア外務省は火曜日に、アフガニスタンにいる 『La Repubblica』の記者、ダニエル・マストロジャコモがここ2日間消息不明になっていると述べた。「危機対策本部がカブールのイタリア大使館と連絡を取っている」と、外務省報道官が述べた。新聞社のエジオ・マウロによると、マストロジャコモはカンダハル南部で活動していたという。53歳で、英国国籍を持っていることは聞いていないと述べた。

hoonTaliban claim kidnap of Briton working for Italian newspaper
KANDAHAR

■CIA、ビンラディン捜索のために活動[070305 ABC]

新たな諜報情報をもとに、CIAはパキスタンに新たな人材と装備を投入してビンラディンとザワヒリの捜索をしていると、アメリカ人関係者が述べた。

2人の「痕跡がなくなったという報道は、正しくない」。「あそこで新たな活動を行なっている」と、ある関係者が語った。

CIAの活動について詳しい関係者によると、訓練を受けた秘密工作員が、パキスタンと、さらに国境を越えてアフガニスタンに入ったという。

パキスタンは正式には発表していないが、CIAが国内で活動することを認めている。パキスタン関係者によると、パキスタンが戦闘員と和平協定を結んだあと、北ワジリスタンにいるCIA工作員が増やされたことを知っていると述べた。(後略)

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Brian Ross

■アフガン軍と米軍、パキスタンの検問所を攻撃[070305 News]

アフガン軍と米軍が、パキスタン軍と準軍隊からなる北ワジリスタンのロワラ・マンディ検問所を攻撃し、さらに米軍戦闘ヘリコプターがパキスタン上空を2日にわたって侵害した。

また、米軍は日曜日にパキスタン国内に侵入し、地元の牧童を連れ帰った。パキスタン政府関係者は、このような攻撃があったことを否定している。ここ1週間のうちにアフガン軍と同盟軍がパキスタンの検問所を攻撃したのは2回目だと、関係者や部族の情報源が語った。

クナール検問所と呼ばれるこの検問所が土曜日の夜、12.7マシンガンで攻撃された。負傷者はいない。パキスタン軍は応戦しなかったが、アフガニスタンのパクティア州か北ワジリスタンに入っていく戦闘員たちを狙ったものと思われる。

目撃者が語ったところによると、アフガン軍と米軍関係者が地元の牧童、シェール・アリをパクティアにある米軍基地に連れ去った。「4台の車に分乗して、米兵16人とアフガン兵数人がやってきた。シェール・アリを車に乗せると、アフガニスタンに連れて行った」と地元の部族民が語った。

また地元の部族民たちは、米軍戦闘ヘリコプターがここ数日間、パキスタン領内を飛んでたと述べた。いっぱう日曜日にアフガン軍と米軍が、コースト州のクーラム・ハーン国境地点に新たな検問所を設営し、兵器を大量に運びこんだ。

パキスタン政府関係者が語ったところによると、アフガン軍や米軍が同じような検問所を他にも設営し、テロリストたちの動きを監視するように要求したという。

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Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■NATO空爆、アフガニスタンで9人殺害[070305 AP]

アフガン関係者によると、月曜日に欧米軍と戦闘員の間の戦闘でNATO軍が民家を空爆し、内部にいたアフガン人9人が死亡した。

戦闘員たちがカピス州にあるNATO軍基地を攻撃したと、州副知事のサイヤード・ムハンマド・ダウードが述べた。兵士たちは応戦して民家が空爆され、中にいた女性5人と少年3人、それに男性が殺されたという。

内務省副報道官が、一般市民9人が殺されたと述べた。米軍報道官によると、現在この出来事を捜査中だという。

昨日もナンガハル州で、米海兵隊員たちが自爆攻撃の難をあわや免れた後、一般市民の車に発砲したばかりである。日曜日の事件でアフガン人10人が死亡し、34人が負傷した。(中略)

目撃者によると、米軍はアフガニスタン東部の最も混雑したハイウェイを、約6マイルにわたって発砲したという。「あたり構わず発砲していた。ハイウェイには、14〜15台の車が通行していた」。「誰構わず、発砲していた。車に乗った者、歩いている者」。(後略)

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AMIR SHAH、KABUL

■「アメリカのスパイ」、部族地帯で銃殺[070305 AFP]

パキスタンの部族地帯の戦闘員が、アフガニスタンで活動する米軍のためにスパイをしていたという部族民を射殺したと、関係者が月曜日に述べた。

月曜日に30歳のカユーム・シャーミリの死体が北ワジリスタンのミランシャーで発見された。シャーミリは頭と胸を撃たれ、体には「アメリカのスパイ」と書かれたメモが残されていた。(後略)

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MIRANSHA

■タリバン、パキスタンで翼を広げる[070605 BBC]

春になるとともに、ワジリスタンにいるタリバン戦闘員たちの姿が、目立ってきた。これは、アフガニスタンにいる同盟軍にとっては悪い知らせだ。

パキスタン政府の問題も、深刻だ。すで北西辺境州には、2カ所にタリバンの拠点が作られた。南北ワジリスタンで、和平協定が結ばれてからのことである。

この協定により、タリバン内にさまざまな組織が結成されて、それぞれ北西辺境州の都市部に広がり始め、地元の行政に取って代わりつつある。(中略)

去年、戦闘員たちは南ワジリスタンと隣接するタンク地区に進出し、文民政府を完全に追い出してしまった。警察は5つの主要な検問所を放棄し、警察署は閉まったままだ。タンクにある9つの銀行の支店は、自分たちで警備を行なうように忠告された。

裁判所はまだ機能しているが、この地域で活動するタリバンが、裁判を行なっている。

さらに隣のバヌーとラキ・マルワットもタリバンが支配している。ペシャシャワルでは先月末に、脅迫を受けたインターナショナル・スクールが、4日間休校になった。「戦闘員たちは、アフガニスタンにいる外国軍と戦うことを望んでいるのだと思ったが、我々を攻撃しようとしているようだ」と、北西辺境州のメディア大臣のバハラマンド・ジャンが述べた。

問題は、なぜパキスタンに侵入してくるタリバンが、そのまま放置されているかだ。

《無能》

北西辺境州の人々によると、パキスタン軍は、タリバンがこの地域に侵入してくるのを、故意に許しているという。タリバン現象は自発的なものであり、パキスタンやアフガニスタンにはそれをコントロールできないという、政府の考えもある。北西辺境州知事のアリ・ムハンマド・ジャン・オラクザイは、このような意見だ。タリバン運動は「ナショナリストの運動に発展しており、同盟軍に対する解放戦争になりつつある」という。

しかしペシャワルの政府関係者は、政府はタリバンと共謀しているのではないという。タリバンと対戦する能力がないだけなのだ。(中略)「警察は人力、武器、兵站的に不足しており、北西辺境州の町を危険にさらしている」と、北西辺境州政府のイジリーズ・アフマド・クレイシイが述べた。

辺境地域は、伝統的に部族民からなる準国境警官が守ってきたが、力の空白があるために、もろい。「この隊の3分の2は国境地帯の外に配置されているために、この地域の安全確保が難しい」と、国境警官司令官のマリック・ナヴィードが語る。

これとは別に、国境警察隊がある。これも部族民からなるが、指揮をするのは軍関係者だ。この隊は、南北ワジリスタンに派遣されている。

《軍の犠牲》

軍は両ワジリスタンで、戦闘員たちを取り締まる気がないようだ。北ワジリスタンのミランシャーにいるあるタリバン戦闘員が、アフガニスタンから入ってくるタリバン戦闘員たちは、国境警察隊員たちが守る国境の検問所で休憩していると語る。

これらの検問所でタリバン戦闘員と対決すれば戦いになり、軍にはコントロールできなくなってしまうという。2003年以来、700人以上のパキスタン軍兵士が、戦闘員に殺された。(中略)

関係者によると、多数の犠牲者を出してしまったために、ワジリスタンの部族民たちと和平協定を締結せざるを得なくなったという。しかし、アフガニスタンに平和を取り戻すどころか、パキスタン自身も危険にさらされている。

garrTaleban spread wings in Pakistan
M Ilyas Khan、North Waziristan

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.