【2007年4月16日〜4月22日】


■パキスタンのミュージックショップ、爆破される[070422 AFP]

自家製の爆弾が爆発し、パキスタン北西部のビデオ・ミュージックショップ3軒が被害を受けた。

事件はパキスタンペシャワル北東部のスワビで起きた。「1店舗が完全に破壊され、他の2店も被害を受けた。店は閉まっていたために、負傷者はいない」と、地元の警察のファザル・エラヒ・バッドシャーが語った(後略)。

hoonPakistan music shops blown up
PESHAWAR

■アフガンの爆発と襲撃で17人死亡[070422 AFP]

アフガニスタン東部のコーストで2件の爆発があり、11人が死亡した。いっぽう別の衝突で、抵抗勢力5人と警察官が死亡した。

警察の制服を着てバイクに乗った自爆犯が、コーストの混雑した繁華街で自爆した。少なくとも一般市民10人が死亡し、40人以上が負傷したという。

(中略)自爆事件の数時間前に、カメラ店で大きな爆発があり、男1人が死亡、7人が負傷した。負傷者が語ったところによると、タリバンの犯行ではなく、個人的な恨みが原因だという。

(中略)隣のパクティアでは、タリバンの一団が警察のパトロール隊と衝突し、3時間にわたって戦った。「5人の敵が死亡した。遺体はまだ放置されている。警察官1人も殉教し、1人が負傷した」と、政府報道官が述べた。米軍のサレノ基地にも5発のロケット弾が撃ち込まれたが、被害はない模様である。

hoonAfghan blasts, ambush kill 17
KHOST

■タリバン指導者、さらなる自爆攻撃を促す[070421 Reuters]

タリバン指導者のムハンマド・オマール師が、外国軍やアフガン軍に対する自爆攻撃をさらに行ない、結束を固めるように促したと、タリバン司令官が述べた。

タリバン司令官のハヤトゥッラー・ハーンによると、オマール師はタリバン幹部や地域司令官と接触して、最近の攻撃の「成功」を祝したという。「タリバンムジャヒディンは結束し、占領軍に対するゲリラ攻撃や自爆攻撃を今後も行なえば、異教徒たちはすぐに逃げ出すだろう」と、オマール師の言葉を引用した。「オマール師は、我々の国家を解放するように命令した。我々は、占領軍とアフガン人の操り人形たちに対する攻撃を強化する」。

NATO軍責任者が木曜日、タリバンが今後自爆や仕掛け爆弾などを用いて攻撃を強化してくることが予測されると述べている。しかしこれは、敵が力に欠いているためで、必死になっている証拠だと語った(後略)。

hoonTaliban's elusive leader urges more suicide raids
Saeed Ali Achakzai、SPIN BOLDAK

■タリバン、アフガニスタン全土を攻撃と脅迫[070421 AFP]

土曜日にタリバン抵抗勢力が、これまで比較的安定していた北部でも、アフガン軍と外国軍を攻撃すると脅迫した。

「ガズワトゥル・バドル」という、1400年前に預言者ムハンマドが参加した戦いの名前を借用した新たな作戦は、アフガニスタン南部と北部で実施されると、タリバン報道官が語った。

(中略)これまでアフガニスタン南部は、比較的安定していた。「我々はザズワトゥル・バトゥル作戦を、北部と南部で開始する」と、タリバン報道官のユースフ・アフマディが述べた。

アフマディによると、北部に「多数の新たな隊」を派遣するという。ザジワトゥル・バドゥルは、現在のサウジアラビアで7世紀にムハンマドが勝利した戦いである。(後略)

hoonTaliban threatens countrywide attacks in Afghanistan
KANDAHAR,

■アフガニスタンの血の新年[070421 BBC]

タリバンは今年、アフガン政府や外国軍を標的に、自爆攻撃を行なうと脅迫している。タリバンの春の攻撃がやっと始まったようだが、少なくともアフガニスタン南部では、これまでと同じような攻撃ではない。アフガニスタン南部では英軍と米軍が、最前線にいる。

アフガニスタンが新年であるナウローズを祝ったあと、抵抗勢力たちは攻撃を開始した。先週だけでも自爆犯たちが25人を殺害している。そのほとんどが、これまで比較的平穏だった北部のクンドゥーズや、タリバンの根拠地である南部のカンダハル、東部のコーストで実施され、警察官や警備員が標的となっている。

カブールも攻撃された。ナウローズ以来、首都では3件の自爆攻撃があり、10人が死亡。死亡したのは全員、巻き添えとなった一般市民だ(中略)。

《さらなる攻撃が予測》

カブール警察の責任者であるアリー・シャー・パクティワル将軍によると、今年は平和な年ではなさそうだ。今後さらに攻撃が続くことが予測される。

(中略)自爆犯のほとんどが、パキスタン出身の若者だという。マドラッサで洗脳される。「もっと金があれば、食い止めることができるのに」と語る。

パクティワル将軍は、NATO軍はあまり助けにならないという。彼らの使命はカブールを守ることだ。そして重武装した彼らの出で立ちは、まるで他の惑星から来たように見える。

実際、自爆犯たちが大きな被害を出せないでいるのは、犯人自身の未熟さからだという。

《若い自爆犯はパニックに陥る》

ここ2ヵ月間に実施された自爆事件を見ると、ほとんどの犯人が自爆しただけで、被害を拡大させることができない。若者のほとんどが、標的に近づく前にパニックに陥るようだ。

(中略)カブールではあまりにも多数の攻撃があるために、人々は外に出たがらない。犯人たちは恐怖の雰囲気を作り出すことに、成功している。

(中略)「我々には今や大統領もいるし、政府もある。これはいいことだ。生活もこれまでよりは向上した。しかし当時は、少なくとも誰が友人で誰が敵かが明らかだった。前線があった。しかし今や、誰が自分を殺そうとしているのか、見当もつかない」。

hoonAfghanistan's bloody new year

■アフガニスタンでNATO軍兵士2人死亡[070420 Reuters]

アフガニスタン南部で2件の爆発事件があり、NATO軍兵士2人が死亡した。

アムステルダムの国防省によると、死亡したうちの1人はオランダ兵で、ヘルマンド州で地雷を踏んで死亡した。2人目の兵士の国籍は、明らかにされていない(後略)。

hoonTwo NATO soldiers killed in Afghanistan
KABUL

■タリバン、フランス人捕虜と引き換えに、軍の撤退を要求[070420 AFP]

フランス人援助活動家2人を捕虜にしているタリバンが、アフガニスタンからのフランス軍撤退とともに、逮捕された戦闘員たちの釈放を要求した。要求が掲載されたタリバンのウェブサイトによると、「10日以内にアフガニスタンからフランス軍の撤退」を要求し、カブール政府に「捕虜の交換」に速やかにに対応するように呼びかけた。

カブールにはフランス兵1000人が駐屯している。(後略)

hoonTaliban demand troop withdrawal in exchange for French hostages
KABUL

■ジハードビデオで少年が男を斬首[070420 AP]

12歳ぐらいの少年が甲高い声で、目隠しされた男をアメリカのスパイだと糾弾した。その後「神は偉大なり」と叫びながら男の首を切り落とし、勝ち誇った様子でその髪の毛をつかんで掲げて見せた。パキスタンで出回っているこのビデオは、12月にアフガニスタンで空爆されて死亡したタリバン幹部を裏切ったという、パキスタン人戦闘員グーラム・ナビの処刑の様子が映し出されている。

『AP』の特派員が、パキスタン南西部にあるキリ・ファキラン村にいるナビの家族のもとを訪れ、身元を確認した。

『AP』テレビが入手したこのビデオは本物と見られ、若い少年が男を殺害する、前代未聞のジハード・ブロパガンダである。

ビデオのキャブションでダドゥッラー師の存在が指摘されるが、彼自身は登場しない。後ろで流れる音楽では、タリバン最高司令官のオマール師と「シェイク・オサマ」が賞賛されていた。

ナビは告白をしたあと、目隠しされる。「彼はアメリカ人のスパイだ。彼のような行為をする者は、同じ運命に遭う」と、童顔の少年が語る。次にこの21分からなるビデオには、犠牲者が横向きに横たわり、男がナビの髭をつかんで地面に押さえつけると少年が彼の首をかき切る様子が映される。(中略)その後ジハードの歌が流れ、少年がナビの首を切り落とす。パシュトゥー語でナビの身元が明かされ、バローチスタン州のキァキラン村出身であると告げられる。

特派員がナビの家を訪れたところ、父親のクーラム・サキが、息子の死を確認した。(中略)サキによると、息子はタリバンに忠実で、アフガニスタンで共に戦い、幹部を家族の家に匿ったことがあるという。息子の仇を取りたい、と述べた。

「タリバンはムジャヒディンではない。彼らはイスラームのために戦っているのではない。かれらを捕まえることができたら、私の歯で八つ裂きにしてやりたい」と、70歳の父親が述べた。

(中略)ビデオによると、ナビはタリバン幹部の1人だったムッラー・アフタル・ムハンマド・オスマーニが米軍に空爆された事件に対して、責任があるという。

(中略)ナビの父親によると、ナビはタリバンとともに、反タリバンの北部同盟と戦ったという。パキスタンに戻ってからナビをクエッタで宗教学校を運営し、オスマーニとダドゥッラー師を家族の家に匿ったという。

ナビはタリバン戦闘員のために武器を購入して、アフガニスタンで負傷したタリバンの傷の手当にも当たったという。オスマニが死亡した数日後にペシャワルに行き、その後ワナを訪れた。1月の終わりに、自分は無実なのに、オスマニの死に関わったととしてジルガにより死刑を宣告されたと、父親に知らせて来たという。ダドゥッラー師に恩赦を申し出たが、無視されたという。

「『あなたは息子のもとを訪れ、友人だった。なぜあなたは彼を処刑するのか』と聞くと、彼は『元気か』言っただけで電話を切られた」と、サキが述べた。「彼らはイスラームの敵だ。残虐な男たちだ」。(後略)

hoonJihadist video shows boy beheading man
ABDUL SATTAR、KILI FAQIRAN

■親パキスタン部族民、「ビンラディンを匿う」[070420 AFP]

部族地帯から外国人戦闘員を追い出した親政府派の部族民リーダーが、ビンラディンが自分のもとに来たら、彼を「匿う」と述べた。

ムッラー・ムハンマド・ナジールがワナで開催された記者会見で、これまでアルカイダの責任者に会ったことはないが、地元の慣例に従って彼を匿うと述べた。

「ビンラディンは、この地域に来たことがない。しかし、もしここに来て保護を求めたなら、部族の慣例に従って彼を匿うつもりだ」と、元タリバン司令官が述べた。「我々の伝統や慣例によれば、困った者を助けるのは当然だ」と、重武装したナジールが述べた。

(中略)ワジール族出身のナジールによると、パキスタン人たちはNATO軍や米軍との「ジハード」には関与していないという。「ここからアフガニスタンに戦いに行く者はいない。アフガニスタンにもワジール族がおり、彼らが自分たちの国で戦っている」という。しかし「米軍が自分たちの土地に入ってくれば、彼らと戦う」と付け加えた。(後略)

hoonPro-Pakistan tribal leader 'would shelter Bin Laden'
S.H. Khan、WAN

■アフガニスタンでタリバン27人殺害[070419 AP]

米軍主導同盟軍とアフガン軍がタリバンと衝突して空爆が実施され、タリバン24人が死亡、同盟軍兵士2人が負傷した。

水曜日にヘルマンド州のサンギンでパトロール隊が襲撃され、その後7時間にわたる戦闘となった。

40人のタリバンとの戦いで空爆が行なわれ、戦闘員24人が死亡し、同盟軍兵士2人が負傷したという。

ヘラートのシンダンド地区では、警察官の制服に似せた服を着た戦闘員が発砲してきた。パトロール隊が応戦して、戦闘員3人を殺害し、3人を負傷させた。

火曜日以来ヘラート州では、警察官の偽制服100着以上と偽身分証明書12通が押収された。(後略)

hoon27 Taliban killed in Afghanistan
KABUL

■イラン製武器、アフガニスタンで使用[070417 AFP]

同盟軍か、イラン製の迫撃砲や爆発物がアフガニスタンのタリバンに渡ることを妨害したと、米軍幹部が述べた。

統合参謀本部のピーター・ベイス将軍によると、これらの武器は過去数ヵ月間カンダハルで発見されたが、イラン政府関係者が関与しているかどうかはわからないという。

「イランのどの機関が行なっているかはわからない。しかし我々は、アフガニスタンのタリバンに向けて送られたイラン製武器を押収した」と、記者会見で述べた。「イラクでは誰が関与しているかはわかっているが、アフガニスタンに関してははっきりしない。わかっている事実は、イラン製であること、アフガニスタンのタリバンに送られたこと、同盟軍によって押収されたこと。これだけだ」。

押収された武器は迫撃砲と、C-4タイプの爆発物だという。イランから直接送られたのか、別のルートを通ってきたかはわからない。

(中略)イランのシーア派政権は、タリバンと戦っていた北部同盟のアフマッド・シャー・マスードを援助していた。アフガニスタンにいた米軍に協力していた時期もあった。

2月中旬に、アフガニスタンの元最高司令官のカール・エイケンベリー中将は、イランの治安機関はタリバンと接触していると主張していたが、タリバンがイランから武器を入手している証拠はないと述べていた。

「イラン人たちがタリバンに武器を供給しているかどうかはわからないが、イラン人たちがタリバンや他の組織と接触しようとしているという報告はある」と、火曜日に国防省関係者が語った(後略)。

hoonIranian-made weapons intercepted in Afghanistan: US general
Jim Mannion、WASHINGTON

■ワナのジルガ、5ヶ条の条約を発表[070416 News]

ワジリスタンのジルガが日曜日、5ヶ条からなる条約を発表した。(中略)

条約によると、外国人戦闘員を匿うことは法に反することで、これに違反した者の家は取り壊され、100万ルピーの罰金が課されるとともに、地域から追放されるという。

強盗や恐喝、身代金目当ての誘拐など、法に反することを行なった者も、処罰される。

行政が地域の平和と法律を司り、交通や道路の安全も確保しなければならない。またこの地域の司法に対しても、責任を持つ。

また以前何らかの理由でこの地域から離れていた政府関係者たちはすみやかに戻り、安全が確保されたために仕事を再開する。

ムッラー・ナジールの指揮のもとで、和平委員会を結成する。

アフマドザイ・ワジール族たちの有力者たちは皆この5ヶ条に賛成し、今後この地域が平和になることを望んでいるという。

いっぽう外国人戦闘員たちは、北ワジリスタンでも同じような作戦が開始されることを恐れて地域から立ち退き始めたと、戦闘員報道官が述べた。

「外国人家族75組が、それぞれの国に帰った」と、ゴハール・アユーブと名乗る報道官が述べた。地元タリバン報道官のアブドゥッラー・ファルハードとタリーク・ジャミルに代わってアユーブが、「南ワジリスタンでウズベク人に対してラシュカルが結成されたあと、北ワジリスタンにいた外国人たちも立ち去ることを決めた。女性や子供たちを戦いに巻き込みたくないと、外国人たちは言っている」という。

彼によると、アラブ人家族5組を含む、チェチェン、トルキスタン、タジークの家族50組が、南ワジリスタンで作戦が実施されたあと、母国に帰ったという。ほとんどの家族が、アフガニスタンとイランを経由して、母国に戻った。アラブ人たちは、イラクに向かったようだという(後略)

hoonWana Jirga announces 5-point accord
WANA

■パキスタンの部族民、平和を約束[070416 BBC]

(前略)以前、南ワジリスタンで交わされた条約のもとで、軍は軍隊の規模を削減しながらもこの地域に留まり、部族民たちは外国人戦闘員たちを匿わないか、戦闘行為に関わらないことを約束した。

しかし日曜日に開催されたアフマドザイ・ワジール族のジルガは、これまでの条約を覆し、ウズベク戦闘員とその協力者を匿わないことを決めた。さらにウズベク人たちを匿う者たちや、政府の開発計画を妨害する者たちに対して、厳罰を処することにした。

政府は部族民たちの約束に反応していないが、先週、陸軍がウズベク人たちに対立している地元パシュトゥーン族に協力していることを、初めて認めた。

(中略)『BBC』のイリアス・ハーンによると、ウズベク人と部族民との間の戦いは、非常に複雑だという。アフマドザイ・ワジールの中の強力な枝族のメンバーが、外国人戦闘員とともに戦っているからだ。

このために、文民政府がこの地域に戻ってくることを、難しくしているという。

以前のシステム−−政府の権力は、地元の部族警察や国境警察隊Frontier Corps(FC) を通じて、行政官によって執行されていた−−は、軍が派遣された後に撤退したために地域が無政府状態になり、効力を失った。

《陸軍の役目》

日曜日のジルガは、地元のタリバン司令官であるムッラー・ナジールが率いた軍事作戦の後に、開催された。

木曜日にムシャラフ大統領は、陸軍が外国人たちをを一掃するために協力したことを初めて認めた。ムシャラフによると、外国人戦闘員300人が殺害されたというが、地元の情報源によると、100人以下だったという。

『BBC』の特派員は、軍は欧米からの圧力のためにウズベク人たちと戦ったことを強調している可能性がある、と述べている。

hoonTribe in Pakistan security plea

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.