【2007年4月30日〜5月6日】
●アフガン軍兵士の制服を着た男が日曜日、カブール郊外にある刑務所の外で米軍兵士2人を射殺した。犯人はアフガン軍に射殺されたと、同盟軍報道官のシェルドン・スミスが述べた。
●当初犯人はアフガン軍兵士と報道されたが、現在捜査中だとスミスが述べた。「刑務所を出ようとしていた米軍関係者が運転する車に、発砲した。この結果兵士2人が死亡し、2人が負傷した」という。刑務所の外にいたアフガン軍兵士たちが駆けつけ、犯人を射殺した。
●事件はカブール郊外のブレチャルキ刑務所の外で起きた（後略）。
Man in Afghan army uniform shoots dead two US soldiers
●土曜日に、銃を持った約200人のイスラーム過激派戦闘員たちが、カーステレオやカメラ付き携帯を壊して、部族民たちに髭を生やすように強要した。
●戦闘員たちがバジョール部族地帯のカールの近くの道路に陣取り、通行する車を止めては捜索を行なったと、目撃者が述べた。「カーステレオやカメラがついた携帯電話を壊した」と、車を調べられた運転手が述べた。髭を剃った部族民たちには、髭を生やすように強要したという。
●バジョール政府関係者はこのような事件があったことを認めたが、戦闘員に対処する計画があるかどうかは語らなかった。
●（中略）金曜日には隣のチャルサッダのミュージック・ショップ5店が爆破されている（後略）。
Militants stop cars, smash cameras in NW Pakistan
●土曜日にアフガニスタンで4件の自爆があり、警察官2人が死亡した。また1週間前の大きな戦闘で、タリバン司令官10人以上が殺害されたと、軍関係者が述べた。
●死亡した司令官のうちの1人は、先月イタリア人捕虜と交換にアフガン刑務所から釈放された、タリバン5人のうちの1人だったという。
●「戦闘で死亡した他の2人のタリバン幹部司令官は、過去3年間、アフガニスタン政府関係者の間では有名な敵だった」と、米軍主導同盟軍が発表した。
●アフガン国防省関係者2人が、4月27日にヘラートで行なわれた戦いに関する米軍の声明に同意した。「死亡者の中には、タリバン幹部司令官多数がいた」という。
●（中略）ヘラートのシンダンドで殺害されたタリバン幹部司令官やそれに準じる戦闘員たちは、最初の戦いのあとの補強部隊としてこの地域に入って来たと思われている。
●土曜日に4件の自爆事件があったが、ほとんどが失敗に終わった。ヘルマンド州で起きた自爆事件では警察官2人が死亡したが、他の3件は犯人だけが死亡して、失敗に終わった。（後略）
Two policemen killed in wave of Afghan blasts
●カンダハルで一般市民が少なくとも13人死亡した事件を調査していたアフガン部族議会が、米軍による空爆が原因だったと発表した。
●関係者によると、火曜日の夜にマルーフ地区で一般市民多数が死亡した結果、アフガニスタン各地の一般市民の犠牲者は70人近くになったと述べた。米軍報道官は、マルーフで空爆があったことを否定した。
●「その地域、その時間に爆弾が投下された事実はない」と、報道官が述べた。
●これに先立ち、地区の議員であるジャナン・グラザイが『BBC』に、パキスタンとの国境近くで一般市民が死んでいるのを見たと述べた。さらにグラザイは『AFP』に、「アフガン一般市民がこれ以上殺害されることは、許されない」と述べた。
●殺害された者たちは、同盟軍がスピンボルダックの近くでタリバンに攻撃されたとき、3台の車に乗って同じ道路を走っていた。同盟軍がこの地域に戦闘機を呼び寄せたが、タリバンは逃走したという。
●（中略）さらに今週はアフガニスタン西部でも米軍とタリバンの戦いに巻き込まれ、一般市民50人以上が死亡したと言われている。
Afghan council accuses US forces
●15年前にアフガニスタンの首相だった国会議員が、アフガニスタンで殺害された。
●水曜日の夜、アブドゥル・サブール・ファリッドが、カブールの自宅の前で射殺されたと関係者が述べた。ファリッドは上院議員で、1992年に数ヵ月の間、アフガニスタンの首相だった。今のところ、逮捕者はいない。
●カブールでは木曜日に、アフガン軍のバスが爆発して運転者が死亡し、兵士22人が負傷した。
●警察によると、50代半ばのファリッド氏が銃を持った男に襲撃され、射殺された。目撃者によると、彼が家からモスクに向かっていたところ、銃が3発発射されたという。「彼が死んだなんて信じられない。ならず者たちがトヨタから発砲してきた」と、息子が述べた。
●ファリッドはカピサ州の代表で、以前はムジャヒディン司令官だった（後略）。
Ex-Afghan prime minister killed
●アフガンと国連の調査で、女性や子供多数を含む一般市民50人がアフガニスタン西部の戦いで死亡したことがわかったと、水曜日に関係者が述べた。
●米軍主導軍は、タリバン136人が戦いで死亡したと述べている。
●国連の調査によると、シンダンド地区の戦いで、一般市民49人が犠牲になったことがわかったと、報道官のエイドリアン・エドワーズが述べた。「シンダンドの3日にわたる作戦で、今のところ一般市民51人が死亡したと思われ、そのうちの18人は女性で子供も数人いる」という。
●サイード・フサイン・オンワリ知事によって結成された調査チームの報告によると、一般市民42人が死亡し、55人が負傷したという。
Probes find about 50 Afghan civilians killed in battles
●少なくとも一般市民30人がヘラートで発生した最近の戦いで殺害されたと、警察や政府関係者が述べた。女性や子供たちも、犠牲になった。
●NATO軍が、日曜日から金曜日の間にシンダンド地区でタリバン戦闘員135人を殺害したと、発表した。月曜日にNATO軍は、シンダンドで陸と空から攻撃したが、一般市民が巻き添えになったという報告はないと発表していた。
●アフガン政府関係者や地元の人間が語ったところによると、この攻撃で一般市民30人以上が死亡したという。ヘラート警察長官のムハンマド・シャフィーク・ファズリが語ったところによると、「女性や子供を含めた、少なくとも30人ほどの一般市民がシンダンドの戦闘で死亡した」という。この地域からの「さまざまな情報源による」と語った。
●シンダンド知事のヘダダード・エラファニも一般市民の犠牲者が出たと述べたが、「その数はわからない」という（後略）。
'Civilians dead' in Nato assault
●（前略）金曜日にペンタゴンが、アブドゥル・アル・イラーキ（ハディ）が去年逮捕され、CIAに引き渡されたと発表した。（中略）ペンタゴンはいつハディが逮捕されたか明らかにしていないが、彼はイラクにいたと言われている。『Asia Times』の情報源によると、パキスタンの諜報組織が、パキスタン政府に近いタリバンの情報源からハディの動きに関する情報を得たために、彼の居場所が明らかになったという。ハディはハードコアなタキフィーリー（過激な原理主義者）だったために、パキスタンの敵と見られたのだ。
●ハディがいつワジリスタンを後にしたかははっきりしないが、ジャラウディン・ハッカーニやダドゥッラー師、タリバン責任者であるオマール師などの強力なタリバンたちが、パキスタン政府を「ムスリム軍を持つムスリム国家」として、支持を表明した時期だったようだ。
●去年ダドゥッラー師は、オマール師からの手紙を持ってワジリスタンを訪問し、パキスタン人タリバンとアルカイダが、パキスタン軍と戦うことをやめさせるために、重要な役割を果たした。その数ヵ月後、ダドゥッラー師とパキスタン政府は、アフガニスタンのタリバンに協力する取り引きを交わした。
●タリバンの責任者たちがパキスタン政府に対して柔軟な姿勢を見せ始めたことで、パキスタンにいるアルカイダは活動することが難しくなった。彼らはタリバンの指令のもとで、歩兵になることはできない（中略）。
●パキスタンがアメリカとの『テロとの戦争』に協力し始めたことで、アルカイダはムシャラフに復讐を始めた。ワジリスタンに秘密組織であるジュンドゥッラー（イランのジュンドゥッラーとは別）を組織して、攻撃を行なった。そのためにジュンドゥッラーやハディのようなタクフィールたちは、パキスタン政府の敵となった。
●2003年の終わりになるまでに、パキスタン軍は南ワジリスタンのアルカイダに一応打撃を与えたが、同時にパキスタン軍に対する憎しみが育った。この機を利用してアルカイダは、タクフィーリーや反体制イデオロギーを地元の部族民たちに広め、パキスタン人タリバンが生まれた。彼らは、北ワジリスタンイスラーム国家と南ワジリスタンイスラーム国家を形成する。
●したがって、オマール師の特使として南ワジリスタンを訪れたダドゥッーラ師は、パキスタン政府と、当時タクフィールのイデオロギーに染まり、部族地帯や都市部のパキスタン軍に対して頻繁に自爆攻撃を行なっていた、パキスタン人タリバンとの間の溝を埋めることに、大いに役立った。
●ダドゥッラー師により、パキスタン人タリバンとパキスタン政府は対話を開始して、停戦を結んだ。ハッジ・オマルやハッジ・ナジールのようなタリバン司令官が、イスラマバードと話し合った。じきに南北ワジリスタンと政府の間に和平協定が結ばれた。ただし、パキスタン政府に対立する戦闘員たちは、鳴りを潜めるという条件だった。
●政府の意図は明らかだった。反体制要員たちが、タフキールのイデオロギーのもとで活動されては困る。ただ、タリバンの再結成やアフガニスタンで攻撃を行なうことに関しては、どうでもよかった。
●ハッジ・オマル、バイトゥッラー・マフスード、サディーク・ヌールのようなアルカイダと近いタリバンリーダーたちは地下に潜り、ハッジ・ナジールが南ワジリスタンの最強のタリバン司令官となった。ナジールは、これまであまり知られていない。南ワジリスタンにいるタクフィールやウズベク人たちを虐殺する命令を出したのは、彼である。
●このような動きのなかでアルカイダたちは、ワジリスタンやアフガニスタンでは、もはや自分たちのイデオロギーは通じないことに気がつき始めた。したがって彼らがこの地域に留まる唯一の道は、タリバン司令官と、共に戦うことだった。
●ハディのような男にとって、これは耐えられないことだった。そして彼と共に数十人のアラブ人たちが、ワジリスタンやアフガニスタンから移動を始めた。パキスタンはハディの動きを知ると、すぐにアメリカに情報を流した。したがってアルカイダの作戦の1章に、大きな終止符が打たれたのだ。
How Pakistan settled an al-Qaeda score
●捜査官たちによると、シェルパオ内相を狙った自爆犯として、年長の容疑者から若い容疑者に焦点が集まっているとという。
●（中略）「年長の男は30歳くらいで、茶色いの髭をはやしているが、彼が第一の容疑者ではない。我々はもう1人の若い男に注目している」と、北西辺境州刑事のファヤーズ・ハーン・トールが述べた。若い男は、18〜20歳くらいだという。
●チャールサッダの警察官が刑事に、男が「手を交差させてから腹の中に入れ、祈りを唱えるふりをしながらボタンを押して自爆した」と述べたという（後略）。
Charsadda attack: Focus on younger bombing suspect
●土曜日の自爆事件に使用された爆発物はロシア製だったと、警察関係者が述べた。
●デュラニ情報相によると、犯人は爆発物約10キロを用いたという。また今回の事件の捜査を率いる北西辺境州のファヤーズ・トール警部によると、攻撃に用いられた爆発物は「MUV 2」と呼ばれ、ロシア製だという（後略）。
Russian explosives used at Charsadda
●NATO軍とアフガン軍が、ヘラートでタリバン戦闘員数十人を殺害したと、同盟軍が発表した。
●発表によると、日曜日の14時間に及んだ戦いで、87人を殺害したという。2日前には49人が死亡し、そのうちの1人は米軍兵士だった（中略）。
●いっぼうヘルマンド州では、英軍主導軍がタリバンに対して大きな作戦を開始した。アフガン軍や米軍を含むNATO軍3000兵が、サンギン谷のシルコン作戦に参加している。
●同盟軍の声明によると、警察や同盟軍兵士を含んだ米軍特殊部隊が、ヘラートのシンダンド地区のゼルコー谷をパトロールしていた際に、タリバンに攻撃されたという。ヘラートはイランとの国境にあり、これまで比較的平穏な地域である。
●軍は空から援護され、「いくつかの敵の位置に多数の爆弾を落とした」という。「全部で7ヵ所にいた敵が全滅し、14時間にわたる戦いで87人のタリバンが死亡した」（中略）。
●ヘルマンドでの作戦は、タリバン戦闘員たちを麻薬製造地域から追い払うために実施されるという（後略）
Troops kill 'scores of Taleban'