【2007年5月21日〜5月27日】


■アフガニスタンの捕虜3人、釈放される[070527 BBC]

4月にフランス人の同僚たちと拉致された、アフガニスタン人3人が解放されたと、タリバンが発表した。

タリバン報道官のカリ・ユースフが、男たちはニムローズで長老たちに引き渡されたと述べた。「我々は政府に金の要求も取り引きも行なわずに、援助活動家たちを解放した」という(中略)。

hoonThree Afghanistan hostages freed

■「裏切り者」の捜索でタリバンに亀裂[070527 Observer]

アフガニスタンとパキスタンで戦うタリバン内にに離脱や裏切りが増え、抵抗運動内部での裏切り者の摘発が盛んになってきている。この噂のために、アフガニスタンのNATO軍の意気は上がってきている(中略)。最近タリバンの幹部司令官のうちの2人が、腹心の裏切りによって殺害された。情報源によってもたらされた正確な情報により、アフガニスタン軍やNATO軍、さらにパキスタン軍による空爆などの作戦で、中級司令官も死亡している。詳細は公表されていない。しかし軍の幹部関係者が、「主な成功」について語る。

最近の成功は、同盟軍やアフガン軍、パキスタン軍が用いる、洗練された作戦のおかげだという。「タリバンの計画に潜入するために、ここ数年大きな努力を行ない、抵抗勢力内で敵対するように仕向けてきた。これが最近の諜報活動に良い成果をもたらしている」。

先週パキスタン軍が訓練所を攻撃して、中央アジアの戦闘員3人を殺害した。またアフガニスタン西部ではNATO軍が、集会に参加して帰路についた数十人の中級タリバンを、一掃した。

「そこいら中にスパイがいるような雰囲気がある」と、あるタリバンが北ワジリスタンから電話で語った。「人々は非常に神経質になっている」。北ワジリスタンのスパイだといわれたサイドゥール・レーマンが10日前に、拷問の末に射殺された。

タリバンの情報源によると、ダドゥッラー師を裏切ったと思われる2人の男を捕まえたという。「米軍にダドゥッラー師を殺害させたスパイを捕まえた」と、タリバン報道官のシャハブッディン・アタルが述べた。

アタルによると、ダドゥッラー師がヘルマンド州のバラムチャー地区にある容疑者の家に立ち寄ったときに、同盟軍に攻撃されたという。スパイは残虐に処刑される。去年12月に殺害された、タリバン幹部司令官のオスマーニ師を売ったとされる容疑者は、12歳の少年により、カメラの前でナイフで斬首された。しかし、不当にスパイとされる者も多いという(中略)。タリバンの情報源によると、ダドゥッラーの遺体は空爆後に戦闘員が持ち去ったが、さらに裏切りがあり、遺体がメディアにさらされたという(中略)。

イタリア人ジャーナリストと引き換えに釈放された5人の幹部司令官のうちの3人が、ダドゥッラーとともに死亡した。幹部指令官の死亡によって、タリバンの春の攻撃は揚げ足を取られている(中略)。

パキスタン人ジャーナリストのラヒームッラー・ユースフザイによると、「もっとも信頼のおける人間に対しても疑いがかかり、タリバン内に緊張感が漂っている」と語った(後略)。

hoonHunt for 'traitors' splits Taliban
Jason Burke、Karachi

■アフガニスタンで英兵死亡[070526 AP]

土曜日にアフガニスタン南部でタリバン戦闘員との衝突で爆発が起こり、英兵1人が死亡した。一方米軍主導軍とアフガン軍が東部で、タリバン司令官1人とアルカイダ戦闘員2人を拘束した。

英軍が大砲と迫撃砲、小火器を用いてヘルマンド州のガルムサールにあったタリバンの拠点を破壊した。この作戦の際に英兵1人が死亡し、3人が負傷した(中略)。

金曜日にヘルマンド州のゲルシェクでは、2人の地元司令官を含むタリバン戦闘員7人が、同盟運とアフガン軍による作戦で死亡したと、内務大臣が発表した(中略)。

ナンガハルで拘束されたタリバン司令官は、爆弾を道路脇に仕掛けてアフガン人を殺害あるいは負傷させている、一連の犯行を先頭に立って率いていたという。容疑者のサイード・グラーブは、ナンガハルやパキスタンにいる、他の幹部タリバンやアルカイダ指導者と関係があるという。木曜日に拘束され、同盟軍の施設で拘束されている。「拘束されたサイード・グルは、ナンガハルにおける作戦とともに、他のタリバンやアルカイダに関する情報に導いてくれるだろう」と、同盟軍報道官が述べた。

hoonBritish soldier killed in Afghanistan
By JASON STRAZIUSO, Associated Press Writer

■道路脇の爆弾でパキスタン兵2人死亡[070526 AP]

パキスタンの北西部で土曜日、軍の車列のそばで爆発があり、少なくとも兵士2人が死亡、7人が負傷した。

爆発は、デーラ・イスマイル・ハーンから44マイルのタンクで起きた。

地区警察責任者のムハンマド・イドリスは、軍は南ワジリスタンに向かっていたと語った。

前日には、北ワジリスタンにあった戦闘員の隠れ家に対する攻撃に抗議して、9月にパキスタン政府と地元戦闘員の間で交わされた和平協定を監視する平和委員会が解散したばかりである(後略)。

hoonRoadside bomb kills 2 Pakistani soldiers
ISHTIAQ MAHSUD、DERA ISMAIL KHAN

■アフガニスタンでカナダ兵死亡[070525 AFP]

アフガニスタン南部で、タリバン政党員による夜間の攻撃でNATO軍兵が1人死亡2人が負傷したとNATO軍が発表し、カナダ軍とポルトガル軍が、兵士に死傷者が出たと述べた。

1つの事件では、爆弾の爆発によって国際平和維持軍ISAF軍兵士1人が死亡、もう1人が負傷した。これとは別にISAF軍が銃とロケット推進手榴弾で攻撃され、兵士1人が負傷した。

ISAFは死傷者の国籍を明らかにしなかったが、カナダのテレビ局が、カンダハルのカナダ軍が兵士1人を失ったと発表した。またリスボンのポルトガル軍によると、カンダハルを徒歩でパトロールしていた兵士1人が負傷したと述べた(後略)。

hoonCanadian soldier killed in Afghanistan
KABUL

■イスラマバードの原理主義者、警察官を解放[070524 AP]

木曜日に、イスラーム原理主義者たちが警察官2人を解放した(中略)。

ラール・モスクを運営する兄弟の1人アブドゥル・ラシッド・ガジが、先週拉致した警察官は、彼らの家族から懇願されたために「イスラームの兄弟と人道主義から」解放したと述べた。「恐れることは何もない」という(後略)。

hoonIslamabad radicals free police officers
SADAQAT JAN、ISLAMABAD

■アルカイダのテープ、囚人交換を示唆[070524 AP]

アフガニスタンのアルカイダ司令官が、金曜日の早朝に発表されたテープで、イギリスやアメリカと囚人の交換をする準備があると述べた。テープの信憑性は確認されていないが、イスラーム原理主義が用いるウェブサイトに掲載された。アルカイダのメディア部門、アス・サハーブによって制作されたという。

アフガニスタンにある米軍基地の前で起きた、23人が死亡した自爆事件の背後にいたと言われるリビア人アルカイダのアブ・リイス・アル・リビと思われる髭を生やした男の写真も、一緒に掲載された。ホラーサンあるいはアフガニスタンのアルカイダは、「あらゆる組織に拘束されているムスリムの囚人のために、捕虜の交換を行なうつもりだ」という。メッセージはパレスチナ出身のヨルダン人「偉大なるアブ・クタダ」を含む、アルカイダを救出するための祈りで終わっている。

イギリス政府によると、3月12日にガザで誘拐された『BBC』の特派員アラン・ジョンストンとアブ・カタダと交換することを交渉したという。誘拐犯は、アブ・カタダの釈放を要求していたという。

アル・リビは4月の末に、シーア派がイラクで米軍とともに戦っていることを非難し、イスラーム戦闘員はアフガニスタンで外国軍を打倒すると語った。

これとは別に、木曜日にアルジャジーラテレビで放映されたビデオで、アフガニスタンのアルカイダ責任者だという男が、アフガニスタンのイスラーム過激派の数が増えていると述べた。男はムスタファ・アブ・アル・ヤジードと名乗った(後略)。

hoonQaida tape proposes prisoner exchanges
OMAR SINAN、CAIRO

■タリバンの新たな顔[070523 Asia Times]

パキスタンが再び、タリバンで実験を行なっている。その第一の目的は、タリバンをアルカイダから切り離し、パキスタンの影響下に置くことだ。

ウズベク人戦闘員が、最初の標的となった。その次はアラブ人戦闘員になるだろう。南ワジリスタンの部族群がモーラビ・ナジールに率いられて、この「運動」の最前線にいる。原理主義だけでなく、新たな政治的な目的によって活動している。これが新タリバン現象だ。

まず、背景とモーラビ・ナジールの動機や彼の周辺について、知らなければならない。モーラビ・ナジールは、ムッラー・ナジールとも呼ばれ、32歳である。パキスタンとアフガニスタンの二重国籍を持ち、妻と息子、娘がいる。

現在南ワジリスタンに住んでいるが、自分の土地があるパクティアやカンダハルをたびたび訪れる。彼の家族は、国境の両側に住んでいる。

南ワジリスタンで支配的なアフマディ族の枝族、カカヘール族に属す。まずヘクマチアルのヒズビ・イスラミと関係を持った。彼の戦闘経験やゲリラ訓練は、素人のものではない。後にアフガニスタンでタリバンに参加して、モーラナ・ファズール・レーマンのイスラーム神学者教会の党員になった。

タリバン崩壊後は、南ワジリスタンに戻った。この時期、アルカイダの資金が国境地帯に流入し始め、ナジールはネック・ムハンマドやムハンマド・シャリーフとヌール・イスラーム、モーラビ・ヌール・アバスなどとともに、この恩恵を被った。

(中略)パキスタンが、タリバンやアルカイダと部族地帯で対戦し始めた2003年、ナジールはすでに有名で最も重要な指名手配者だった。2004年に戦闘員と交わした協定によって投降すると、すぐに無罪となり、釈放された。その後数年間、地下に潜った。おそらく、彼を操っていたISIの指図だったのだろう。

2006年に再び表舞台に出ると、彼はダドゥッラー師が率いる、パキスタン人タリバンに支持された。またハッカーニ師の息子、シラージュ・ハッカーニを含むタリバン議会にも承認された。

ナジールはタリバンの新たな責任者となり、南ワジリスタンに厳しいイスラーム法を施行した。政府軍は、彼を妨害しなかった。パキスタン軍と敵対しないよう、仲間に指示した。かれは[1]この地域にいる約12の独立したタリバン、[2]カシミールの戦闘員や過激派のメンバーなどのパンジャーブ人、[3]部族民メンバー、に支持されている。

数ヵ月間この地域をコントロールした後、タヒール・ユルダシェフが率いるウズベク人戦闘員の「移民」たちに立ち向かい、流血沙汰となった。ウズベク人約200人が死亡した。この地域にいるウズベク人の5分の1である。パキスタン軍は、ナジールの軍に対して医療援助を行ない、ウズベク人が放棄した基地の確保にも協力した。

この地域のパキスタン軍を指揮するグル・ムハンマド少佐は、この展開を賞賛して、「ワナは、外国人戦闘員に関しては、ワジリスタンのモデルとなる」と述べ、ナジールはタリバンの長としてだけではなく、カカヘール族のメンバーとしてウズベク人戦闘員と戦った、と強調した。

今月ナジールは、記者団に同じような発言をしている。「外国人戦闘員がいなくなったあと、いかに環境が変わったかを、あなた自身の目で見てほしい。ワナから外国人戦闘員がいなくなったことを、世界は見るがいい」。この2つの発言は、ナジールとパキスタン陸軍の関係を明らかにする。パキスタンにとっての理想的なシナリオを描いたのではなく、より悪ではない方を選んだというだけのことだ。

ウズベク人戦闘員に対する作戦の背後にある、ナジールの動機を見る必要がある。アラブ人戦闘員のほかにこ、の地域にはウイグル人やチェチェン人もいる。ナジールの言葉によると、ウズベク人戦闘員を排斥したのは、「自身のシャリア法を課して殺人や強奪を行なったため」という。

ウズベク人たちは地元の問題に介入し、犯罪だけでなく、親政府派長老たちを残虐に処刑したことで非難された。

さらに、経済的な理由も大きい。ウズベク人たちは1980年代にこの地域に入ってきた。ウズベク人の家族は土地を購入したり、または贈り物として与えられたりして、次第に地元に溶け込んでいった。

勤勉で、しだいに土地を農地に開墾していったた。これが、侵入者と地元の人間との間の土台となった。ある者は、ウズベク人たちと一緒に商売仲間となり、保護者となった。他の者たちは、彼らを恨んだ。いっぽう、ナジールは常にビジネスチャンスを狙い、ウズベク人戦闘員に勝利すると、パキスタン政府にこの地域で開発活動を実施するように促し、特に携帯電話会社がこの地域でサービスを開始するよう、要求した。

ワジール族からなる、3000人もの戦闘員を率いるナジールにとっては、重要なことだ。伝説的な戦闘員ネック・ムハンマドの家族や仲間たちは、いまだにウズベク戦闘員やアルカイダの味方である。

バイトゥッラー・マフスードが率いるマフスード族(この地域で最も人数が多い)も、ナジールと敵対している。南ワジリスタンのアルカイダ系タリバン司令官で、ナジールと敵対するハッジ・オマルは、BBCのインタビューに答えて、ナジールの対ウズベク運動を厳しく批判し、「戦闘に関わってはならない。でなければ、我々は2004年11月に政府と交わした和平協定を破棄する」と述べた。

ナジールは最近ビンラディン寄りの発言をしているが、これも彼の作戦だ。欧米メディアの報告に反して、この主張はビンラディン擁護派の人間の共感を勝ち取るためのものにすぎない。アルカイダに対する盲目的支持を示しているのではない。同じ理由で、ナジールはウズベク人たちを攻撃する前に、彼らのリーダーのタヒール・ユルダシェフを、アメリカ、ロシア、イスラエルの諜報機関の工作員だと述べた。このようなスローガンは、この地域では魔法の力を持つ。

成功するために、ナジールはまださまざまな問題を解決しなければならない。上述したように、南ワジリスタンのマフスード族とウズベク人の一部が、北ワジリスタンに移った。この地域に、ナジールは影響力を持たない。

次にナジールの軍にいるパンジャーブ人は、現在の目的が終わったら、宗教抗争を開始するかもしれない。さらにナジールがこの地域を完全に支配するようになったら、彼がどう変わるかわからない。、

ナジールは、単なる一時的な現象かもしれない。しかしパキスタンが失った土地を奪回するための、大きな作戦の序章ともなりうる。

smellA new face for the Taliban
Hassan Abbas

■パキスタンで誘拐された9人の政府関係者、解放される[070523 AP]

先週戦闘員に拉致された、部族地帯の開発プロジェクトを視察にきた政府関係者9人が、水曜日に解放された。

北ワジリスタンで拉致された女性6人を含む9人は、ペシャワルに向かっているという。「我々は今日解放された。誰に拉致されたかは言えない。バヌーに着き、これからペシャワルに向かう」と、ザヒール・ウッラーが述べた。

当初政府は、8人が拉致されたと発表していた(中略)。どこで解放されたのか、また解放の動機などはいまだにはっきりしない(中略)。

hoon9 kidnapped Pakistani officials freed
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■フィンランド兵他3人、爆弾で死亡[070523 AP]

水曜日にアフガニスタン北部で爆発があり、フィンランド兵1人とアフガン一般市民1人が死亡した。またカブールでは自爆攻撃があり、警察官を含む2人が死亡した。

ノルウェー主導部隊の基地から100ヤード離れたマイマナで爆発があり、フィンランド兵1人が死亡、ノルウェー関係者4人が負傷した。兵士たちは、プロジェクト開始のために病院に向かう最中だったという。これまでアフガニスタン北部は、比較的安定していた(中略)。

またカブールではバイクに乗った男が道路建設を警備していたハイウェー警察官の隣りで自爆し、警察官1人と一般市民1人を殺害した。外国人が乗ったSUVが標的だったようだという。SUVは走り去った(中略)。

いっぽうタリバン報道官のシュハブディン・アスールが『AP』のレポーターに、電話でオーディオテープを聞かせた。アスールによると、テープの声は、死亡したダドゥッラー師の弟のダドゥッラー・マンスールだという。マンスールはダドゥッラー師を引き継いだと、アスールが述べた。

このテープでマンスールは、タリバン戦闘員たちが兄の死に報復する用意ができたと述べ、「占領軍が去るまでジハードを行なう」と語った。

さらにアフガニスタン西部では、タリバン戦闘員たちが男を斬首して、遺体をヘラート集のシンダンド・バザールに放置したと、国境警察官のムハンマド・ナイームが述べた。外国軍に協力する者はみな彼と同じ運命に遭う、と書かれたメモが残されていた。

火曜日にコーストでは、アフガン兵を乗せたトラック2台が爆発し、兵士4人が死亡、トラックが大破した(後略)。

hoonFinnish soldier, 3 others killed by bomb
AMIR SHAH、KABUL

■ダドゥッラー師の死、「勝利のための兆候」とザワヒリ[070523 News]

アルカイダのナンバー2のザワヒリが、殺害されたタリバン司令官ダドゥッラー師の死を讃え、アフガニスタンにおける米軍主導軍との戦いに対する「勝利の兆候」と、火曜日にインターネットに掲載されたビデオで述べた。

(中略)「現在のジハードにおける英雄の中の英雄が死亡したことを、ここで発表する。戦士のなかの戦士、ダドゥッラー師である」と、ザワヒリが述べた。「十字軍とその仲間、アフガン諜報機関と軍が、ヘルマンドにいた彼を包囲した。そして彼と彼の弟、そして兄弟たちが殉教した」。ザワヒリはオマール師に、ダドゥッラーの死は「勝利に対する良い兆候」と、念を押した。

hoonDadullah's death 'good omen for victory': Zawahiri
DUBAI

■軍が戦闘員4人を殺害、平和委員会、行為を非難[070523 News]

パキスタン軍が火曜日に北ワジリスタンで、アルカイダ系戦闘員の軍事訓練所だったと軍報道官が説明する、村の建物を攻撃した。

ミランシャーから25キロ離れたザルガルヘール村で、地上軍とコブラ戦闘ヘリコプターを用いた作戦が実施され、4人が死亡して2人が負傷した。遺体はミランシャーに運ばれ、身元確認のために町役場に保管された。遺体を持ち帰った家族や友人たちは、全員が地元部族民だったと主張した。

これに先立ち国際的な通信社がパキスタン軍関係者の話として、攻撃で死亡した4人はウズベク人、正確にはウズベキスタン人だったと報道した(中略)。10人からなる和平委員会が、すぐに軍の作戦を非難した。この10人は、火曜日の朝、戦闘員たちの投降を呼びかけるために、軍のヘリコプターでザルガルヘールに飛んだ、部族の長老やウレマたちである。

委員会を代表してマリーク・ナスールッラー・ハーンと元国会議員のマティーン・シャーは、ザルガルヘール村の長老や宗教指導者たちが家宅捜索を実施して、政府が指名手配にしている容疑者を引き渡すと約束したにもかかわらず、軍は先走って攻撃を行なったと非難した。陸軍関係者が約束を守らなかったと非難しながら、これから無実な村人に対する軍事行動に抗議すると述べた。

しかし軍報道官のワヒード・アルシャッドは、戦闘員が投降を拒否して、軍に発砲したと述べた。キャンプの運営者たちにキャンプを閉鎖させるために、部族の長老たちを派遣したという。戦闘員の攻撃に治安部隊が応戦して、戦闘員4人を殺害したと述べた。

4人の遺体は、ミランシャーにヘリコプターで運ばれた。遺体を見た人々によると、15〜20歳の若者だったという。身元確認を行なった部族民たちによると、3人はザルガルヘールに近いパルヤット村の出身者で、4人目はダッタヘール村出身者だという。3人がカイバル行政区の出身者で、4人目はバジョール行政区の出身者だという説もある。どちらも確認されていない。

ザルガルヘール村の住民によると、軍が早朝6時頃に攻撃を行なったが、丘の麓の建物に対する地上と戦闘ヘリコプターによる攻撃は、9時半頃に開始されたという(中略)

火曜日の軍事行動に対して戦闘員たちは怒りを表明して、今後の活動を再考するという。ある情報源によると、政府は和平協定を無効にして、北ワジリスタンで新たな作戦を実施しようとしていると述べた。

マリック・ナトルッラー・ハーンは、ザルガルヘールには訓練所はないと強調し、ウズベク人や外国人は村に存在せず、死亡したのは部族民の若者だったと主張した。「我々は陸軍関係者に直接会い、村の長老たちが容疑者を軍に引き渡すと約束したのに、彼らは攻撃した。問題を平和的に解決しようとしていた我々の努力を台無しにした」。

ワジリスタンの責任者として知られている、もっとも有力な長老のマリーク・ナスールッラーは、前日にミランシャーの行政官に呼ばれ、一晩ゲストハウスで過ごした。MMAと近い元国会議員のマティーン・シャーによると、最近ミランシャーで拉致された、女性6人を含む政府関係者9人の行方に関して質問されると思ったという。しかし、ザルガルヘールにヘリコプターで連れて行かれる数分前になって初めて、村に隠れている容疑者たちを投降させろと言われたという。

ザルガルヘールは、元国会議員のモーラナ・サイード・アミール・ハーンがいる村である。彼と宗教者や長老は、軍が家宅捜索を行なうことを許可し、容疑者を連行しても良いと述べた。しかし、お茶を飲んでいる間に軍は先走って村を攻撃し、戦闘ヘリコプターが標的を空爆したと述べた(後略)。

smellArmy kills four militants Peace committee condemns action
Rahimullah Yusufzai & Mohammad Yasin
PESHAWAR/MIRANSHAH

■パキスタンの不思議な「行方不明」[070522 Asia Times]

ダニエル・パール記者誘拐殺人犯の容疑者の1人、サウード・メーモンが、金曜日にカラチで埋葬された。

(中略)生地商人だったメーモンは、パールの事件に関して正式に起訴されてはいない。パールが殺害されたあとに国外に脱出して、2003年3月に南アフリカで、FBIに逮捕されたと思われている。その後グアンタナモ収容所に2年以上拘束され、その後パキスタンのISIに引き渡された。

彼の家族はパキスタンの最高裁判所に、「不法な拘束」として告訴したが、ISIは彼を拘束したことを認めていない。単なる「行方不明」として扱われた。

最近彼は、極度に衰弱した状態で、実家の前に放置されていた。家族によると、記憶を失い、話すことすらできなかったという。

(中略)これまでも行方不明者が諜報機関に拉致され、告訴もされずに長期間行方がわからなくなったあと、自宅の前に放置されるケースがよくあった。

その結果、最高裁判所裁判官のイフティカール・チョードリーが諜報機関責任者たちを集めて、説明を求めた。現役将軍なども、質問された。その後チョードリーは権限の乱用で、大統領に更迭された。これにより、全国的な抗議運動が広がった(中略)。

しかしムシャラフは、チョードリーの更迭は行方不明者たちとは関係がない、と述べた。「行方不明」になっている者はおらず、諜報機関は、人々を拘束しないという。逆に、行方不明な者たちはテロリストたちで、アフガニスタンに行って死んだのだと説明した。

パキスタンの人権団体によると、行方不明者の中にはイスラーム原理主義者やジハード志願者、バローチ独立運動に関わる者たちが含まれている。そしてこの問題に対して、できることは何もなく、裁判所も非協力的だという(中略)。

メーモンが死亡した日、ラール・マスジットのモーラナ・アブドゥル・アジーズが、もし政府が不当に人々を拘束し続けたら、モスクも治安関係者たちに対して同じことをすると主張した。

アジーズとモーラビ・アブドゥル・ラシード・ガズニの兄弟が、イスラマバードのラール・マスジットを率いる。彼らは強力な親タリバン主義者で、たびたび政府と対立している。彼が警告を発した直後、ラール・マスジットは警察官4人を拉致した。

《ラール・マスジットの戦い》

警察官の拉致は、政府に対する挑戦だ。モスクは解放を拒否して、代わりに拘束されている仲間のリストを挙げ、彼らの釈放を求めた(中略)。

この報告は、原理主義化の波を示唆する。2001年にアフガニスタンに若者1万人を送り込んだテヘリーキ・ニザミ・シャリアティ・ムハンマディが、再び北西辺境州で結成され、イスラーム化のために武装した。1990年代の到来だ。ジハード連合が、カラチなど国内各地で再結成された。

南北ワジリスタンの部族地帯の状況と、同じになってきた(中略)。ラール・マスジットは、「パキスタン人ジハード志願者のメッカ」となった。ワジリスタンの祈祷リーダーたちが、パキスタンのイスラーム化のために努力し、ラール・マスジットを守るために決起することを誓った。

警察官の拘束のあと、ラワルピンディで会合がもたれたが、結論は出なかった。しかし日曜日に、警察官数百人がモスクの周りに配置された。準軍隊が、イスラマバードの幹線道路で検問を行なった。大掛かりな作戦が実施されるのではないかという噂が、飛び交った。

アジーズがメガホンを取ってジハードを呼びかけ、棒を持って武装した学生たちがモスクの周りに立った。アジーズは政府に、もし強行突入を行なったら、国内の政府関係の建物を自爆攻撃すると警告した。ラワルピンディの会談に出席した政府関係者は、アジーズは、言葉を行動に出すことができると指摘した。

内務省の危機管理局責任者のジャビッド・チーマ元准将がテレビに主演して、作戦は実施されないと明言した。月曜日早朝、軍はラール・マスジットから引き上げ、マスジットが提出していた拘束者の解放リストの中の数人が釈放されたあと、マスジットは警察官2人を解放した。残りの警官2人は、いまだに拘束されている。

その後モスクに付属するマドラッサの学生2人が拘束されると、再び警官3人が拉致されてピンボンゲームが続いたが、しかしそれぞれ解放された。

《新たな炎》

(中略)再びパキスタンは岐路に絶っている。親米路線から撤退するべきか、それともこのまま続けるべきか?

smellMystery 'missings' haunt Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■パキスタンアルカイダのキャンプを空爆、4人死亡[070522 AFP]

ヘリコプター戦闘機に援護されたパキスタン軍が、火曜日にアフガニスタンと国境を接する部族地帯にあるアルカイダの訓練所を襲撃して、少なくとも4人の外国人戦闘員を殺害したと、関係者が述べた。

戦闘員たちが、ヘリコプターで入った和平特使団と会うことを拒否して発砲したために、兵士たちが北ワジリスタンのザルガルヘール村にある訓練所を襲撃したと、軍報道官のワヒード・アルシャッド中将が述べた。

(中略)アルシャッドが語ったところによると「戦闘員たちがザルガルヘールでテロ訓練所を運営しているという、確かな情報があったために」、治安部隊が地域を包囲したという。

「親政府派の部族民からなる和平委員会が、話し合いのためにヘリコプターで入った。しかし戦闘員たちが発砲してきた」とアルシャッドが語った。「我々は応戦し、戦いはまだ続いている」。

爆発物を含む訓練物資が押収されたというが、死者の数はまだ確認されていない。治安関係者によると、外国人戦闘員4人が死亡したという。

「ウズベク人の訓練所だった。死亡したのは外国人だ」と、ある関係者が述べた。「地上軍とコブラ戦闘機が作戦を実施している」。

ムシャラフは先週末にテレビインタビューに応じ、ビンラディンのアルカイダ組織は、ウズベク人やアラブ人を含む「外国人」という形で、いまだにパキスタンの部族地帯に存在していると語った(後略)。

hoonPakistan strikes Al-Qaeda camp, four dead

■タリバンの攻撃でアフガン警察14人死亡[070521 AFP]

新たなタリバンの攻撃があり、アフガン警察官14人が死亡したと、月曜日に警察が発表した。また米軍主導軍は数時間にも及ぶ激しい戦闘で、戦闘員たちが立てこもっていた建物を空爆して、戦闘員25人が死亡した(中略)。

日曜日にタリバンに殺害された警察官11人の遺体が、ヘルマンドで回収されたと、警察長官が述べた。ゲルシマュクに逃げ帰った唯一の警察官が、警察官たちが死亡したことを明らかにした。これに対してタリバンが、犯行声明を出した。

さらに月曜日にはナンガルハルで、地区の対犯罪責任者を含めた警察官3人が、リモートコントロール爆弾で殺害された。「この他に警察官7人が負傷した。タリバンの仕業だ」と、州警察報道官のアブドゥル・ガフールが述べた。

いっぽう米軍主導軍が日曜日にヘルマンドのサンギンで、戦闘員たちと14時間にわたって戦った。「敵が数人殺害された」と、同盟軍が発表した。アフガン国防省によると、「25人の敵が死亡したことが確認された」という(後略)。サンギンでタリバンに攻撃されたあと、約50人ほどのタリバンたちが、ヘルマンド川に沿って徒歩と船で合流してきた。戦闘機が呼ばれ、7軒の建物が空爆されたという(後略)。

hoonTaliban attacks kill 14 Afghan police、KABUL

■アフガニスタン南部で25人殺害される[070521 AP]

抵抗勢力が、南部をバトロールしていた同盟主導同盟軍とアフガン軍を襲撃した結果、戦闘となり、空爆により戦闘員25人が殺害されたと、関係者が月曜日に述べた。

同盟軍によると、日曜日に合同軍がヘルマンドのサンギン地区で襲撃された。周囲の地域から、タリバン約50人がヘルマンド川に沿って徒歩と船で援護にかけつけたという。同盟軍が7つの建物を空爆して、3ヵ所で武器庫が爆発した。14時間にわたる戦いで、戦闘員数人が死亡したという。

アフガン国防大臣が、サンギンにおける衝突と空爆でタリバン25人が死亡したと述べた。グループのリーダーだったムッラー・ユーノスも死亡したという。

(中略)ナンガハール州ではダラ・レ・ヌール地区で警察の車輛が爆発して、警察官2人が死亡、7人が負傷した。

また日曜日に英兵が1人がサンギン基地における事故で死亡したと、英国防省が発表した(後略)。

hoon25 killed in southern Afghanistan
RAHIM FAIEZ、KABUL

■パキスタンのマドラッサの学生、逮捕される[070521 BBC]

イスラマバードのモスクで拘束されている2人の警察官と引き換えに、マドラッサの学生約40人が逮捕された。関係者によると、学生たちは金曜日に警察官を拉致した学生たちに加勢するために、赤のモスクに向かっていたという。

(中略)「政府には、マドラッサやモスクに対して作戦を行なう計画はない」と、内務省報道官のジャビッド・イクバル・チーマが語った。「野放しにはしない。しかし彼らは敵ではなく、同国人だ。話し合いで解決できると思う」。チーマは、逮捕された学生は後に解放すると述べたが、それ以上のことは語らなかった。

強硬姿勢を見せているモスクの責任者のモーラナ・アブドゥル・アジズは、もし政府がモスクに突入したら、ジハードを行なうと脅迫した。「戦う準備はできている。死ぬ準備もできている。しかし引き下がらない」と述べた(後略)。

hoonPakistan seminary students held

■ウズベク人、新たな隠れ家を見つけ、ワジリスタンに緊張[070521 News]

マフムード族が先月ワナから追い払われたウズベク人たちを匿っているために、南ワジリスタンのアフマディ・ワジール族たちは憤慨している。

一時はアフガン戦争の盟友であったが、ワジール族の司令官ムッラー・ナジールとマフスード族戦闘員のアミールであるバイトゥッラー・マフスード司令官は、最近仲が良くない。

2週間前に両者は会談したが、マフスード族たちがマフスード族の居住地からウズベク人たちを追い払うことを拒否したために、話し合いは決裂した。マフスード族は、モーラビ・ジャラウッディン・ハッカーニの息子であるシラージュッディンの要求に答えて、ウズベク人たちを匿っている。ナジールが、外国人たちを追い払うようにバイトゥッラーに言ったところ、「カリファにウズベク人たちを匿ってほしいと言われた」と、バイトゥッラーが語った。

(中略)司令官の故ダドゥッラー師も、ワジール族とウズベク人との関係緩和のために一役買ったが、ムッラー・ナジールは、外国人たちがワジール族の拠点に留まることを良しとしていない。

報告によると、ウズベク人たちは、カニゴラム、ラダ、シンケイ、デーラ・フンヘーラ、ナノ、サロガーなどのマフスード族の居住地各地に拠点を築いている。行政関係者も、ワナを去ったウズベク人たちが、マフスード族の居住地に出没していると語る。

ある情報源によると、国境からは離れたマフスード族の地域に、約160家族が匿われている。またウズベク人家族60世帯が北ワジリスタンのミラリ地区に入り、同国人や以前からダワール族と住んでいるアラブ人に合流したらしい。

(中略)ワナとタンクの間の60キロ以上の道路が、マフスード族の居住区の中を通過する。いっぽうバイトゥッラー・マフスードは、アフガニスタンの対タリバン軍に対抗するために戦闘員を送り込むためには、ワジール族の協力が必要だと述べている。北ワジリスタンのワジール族の居住区からも、外国人たちが一掃された。北ワジリスタンのウタマンザイ・ワジール族も、ワジール族と協力することを約束している。ワジール族は、南北ワジリスタンに居住している。

hoonTension grips Waziristan as Uzbeks find new sanctuary
Behroz Khan、PESHAWAR

■戦闘員、スワートに隠れる[070521 News]

ラール・マスジッドとワジリスタン、マラカンドは過激派の三角地帯となっているようで、スワートの警察は、タンジーム・ナファジ・シャリア運動(TNSM)が、ワジリスタンやパンジャーブ出身の過激派を匿っていると見ている。

地元の人間によると、ワジリスタン出身の戦闘員が、多数スワートにいるという。この地域はテロ活動の温床になりつつあり、イスラマバードのラール・マスジッドのような出来事にかかわっているという。

報告によると、マルダンではCDやビデオ店が爆破されたり、女学校や床屋が嫌がらせを受けている。銀行関係者が洋服を着用することに関しても、警告している(後略)。

hoonMilitants find sanctuary in Swat
Ikram Hoti、ISLAMABAD

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.