【2007年7月2日〜7月8日】


■パキスタン、「タリバン協力者」を逮捕[070708 BBC]

オマール師の重要な部下数人が、パキスタンで逮捕されたいう。

アフガニスタンの諜報関係者が語ったところによると、オマール氏の4人の部下が、パキスタンのクエッタで治安部隊に逮捕された。

情報源によると、2人の男ジャハンギール師とモヒード師は、オマール師の手紙や通信の責任者だったという。

残りの2人はウルズガン州司令官のナジール師と、タブールの元タリバン司令官だったタヒール師である。

関係者によると、4人はオマール師と近い関係にあったという。

hoonPakistan arrests 'Taleban aides'
Charles Haviland

■「外国人戦闘員」ラール・マスジッド内に[070708 BBC]

パキスタンの宗教問題相が、外国人過激派がラール・マスジッド内に混じっていると述べた。

イジャーズ・ウル・ハクが、「パキスタン内外で指名手配になっているテロリストたち」が、モスクを包囲している軍と戦っていると述べた。

日曜日に軍司令官が、過激派学生に射殺された。

(中略)記者会見でウル・ハク氏は、外国人過激派を含む250人ほどが戦闘を指揮していると述べた。そのうち2〜5人が、「重要な事件」と関連して指名手配になっているという。

『BBC』のサイード・ショーアイブ・ハッサンによると、モスク内で実際に指揮を執っているのは、過激派組織のジェイシェ・ムハンマドのメンバーだという。

(中略)日曜日に死亡した司令官は、一般市民が逃げ出せるように、モスクの塀に穴をあける作戦を指揮していた。

記者によると、現場では銃撃音や重火器の音が、断続的に聞こえてくるという(後略)。

garr'Foreign fighters' in Red Mosque

■パキスタンのモスク、連隊長が殺害されて緊迫[070708 AFP]

激しい衝突で軍の指揮官が射殺されたあと、パキスタン政府は日曜日、モスクにさらに接近した。

軍によると、ハルーム・イスラーム連隊長が、モスク周囲の塀を爆破する作戦を実施していた際に、死亡したという(中略)。

関係者によると、6日に及ぶこの篭城騒ぎを終結させるために、政府には大きな圧力がかかっているという。「不幸な殉教があったあと、政府はもう一度作戦を考え直さなければならないかもしれない。抵抗勢力は、高度な訓練を受けた戦闘員であることがわかった」と、副情報相のタリーク・アジームが語った。

(中略)ガジは地元のテレビに、日曜日の戦闘でモスク内の335人が死亡したという。しかし政府はこの主張を、「ばかげている」と否定した。

治安関係者が、アメリカのジャーナリストのダニエル・パール誘拐殺人事件に関わったハラカトゥル・ジハーディ・イスラームの過激派が、「激しく抵抗している」と述べた。(中略)「諜報情報から、この組織の司令官2人がいるようだ」と、述べた。武装した抵抗勢力の責任者は、アブ・ズベイルと呼ばれているという。あだ名のようだ、と付け加えた。

(中略)「戦闘員たちが女性や子供たちを殺害し、それを政府のせいにしてくる恐れがある。もう逃げられないことを知っている」と、政府関係者が述べた(後略)。

hoonPakistan mosque raid looms after militants kill
Mazhar Abbas、ISLAMABAD

■アメリカ、'05年にパキスタンでアルカイダ責任者襲撃を中止[070708 New York Times]

2005年の初め、アルカイダの最高幹部を捕まえるためにパキスタンの部族地帯で作戦を実施しようとしたが、最後の瞬間になってこの極秘作戦はあまりにも危険であり、パキスタンとの関係がこじれる可能性があるとブッシュ政権関係者が考えて中断したと、諜報情報や軍関係者が述べた。

諜報関係者によると、標的はザワヒリを含むアルカイダ責任者の集りだったという。

しかしCIAのポーター・ゴス元長官が、11時間に及んで説得をしたにもかかわらず、最後の瞬間になって、当時の国防省長官ラムズフェルドがこれを中止したという。作戦が中止になったとき、パラシュートを装着した海軍シール部隊員たちが、すでにアフガニスタンでC-130輸送機に乗り込んでいたと、元諜報組織幹部が述べた。

ラムズフェルド氏は、海軍関係者数人とCIA工作員を含む数百人の兵士たちを含む大部隊にふくれあがったこの作戦は、アメリカ人が命を失う危険性が高すぎると判断したと、現・元関係者は語る。また、これまで部族地帯で米軍が活動することを許可していないパキスタンとの関係に、亀裂が生じる可能性を案じたという。

「捕らえて連れ帰る」作戦を中止する決断を下したことで、諜報関係者や軍の極秘特殊作戦ユニットのメンバーたちに欲求不満を残した。彼らは、アメリカはアルカイダを捕らえる絶好の機会を逸したと、訴える。

この2年間でそのいらだちは、ますます大きくなった。アルカイダはグローバル攻撃をする能力にますます長け、パキスタンの部族地帯には新たな訓練所を作り、テロネットワークの拠点となっている。

最近ホワイトハウスは、ムシャラフのタリバンやアルカイダに対する扱い方に、いらいらしている。この記事を書くために、現・元軍や諜報関係者から話を聞いた。

ペンタゴン、CIA、ホワイトハウスの報道官は、コメントすることを拒否している。ブッシュ大統領がこの作戦に関して知らされていたかどうかは、わからない。

関係者は、ザワヒリが北ワジリスタンで実施された会合に実際に出席したかどうかはわからないと述べた。しかしアメリカはこの会合が開かれるという情報を傍受し、ザワヒリが参加する可能性が高いという自信を諜報関係者は持っていたという。

数カ月後、2005年の5月に、CIAは無人偵察機からミサイルを発射して、この会合以来CIAが追跡していたアルカイダ幹部のアル・イエメニを殺害した。

CIA工作員がパキスタンの部族地帯で対テロ活動をしていることは、周知の事実だ。作戦が中止になった事実は、ブッシュ政権がパキスタン国内で軍事作戦を行なうかどうか、アメリカ国内で意見が分かれていることを明らかにした(中略)。

この作戦に精通しているペンタゴン関係者によると、パキスタンの部族地帯のように政府の支配権が及ばないような地域でも、主権国で軍事作戦を実施した場合、作戦を計画する者は政治的、道徳的危険性を考慮する必要があるという。欠点はあったとしても、パキスタンは9.11以来、アメリカにとって欠かせない同盟国である。

ペンタゴン関係者によると、このような作戦の実施を認める決議をすることには、緊張が伴うという。小さな軍事作戦は、極秘に行なわれる。しかし、そうすれば、殺害されたり捕らえられたりする危険性が伴う。

ラムズフェルドか2005年の作戦を中止した理由のひとつには、この作戦に参加する兵士の数が、数百人にもふくれあがったからだという。アーミー・レンジャーや海軍シール、CIA工作員を巻き込んでいたために、ムシャラフの許可なくして実施できないと見た。パキスタンの大統領が、このような規模の作戦を認めることはないと思われた。

他の専門家によると、アメリカの対テロ作戦は、ムシャラフの不安定な政府を配慮して身動きができなくなっていると見ている。

「ムシャラフとの政治的な関係が壊れてしまうことを恐れるがために、9.11から5年半もたった今でも、我々はいまだにビンラディンとザワヒリを地上で追跡している」と、ジョージタウン大学のテロ専門家、ブルース・ホフマンが語った。

このような政治的な配慮のため、軍の特殊作戦部隊のメンバーはいらだっている。「我々特殊作戦部隊の人間はいらいらしている」と、隊に近い元ブッシュ政権関係者が語る。最近はアルカイダ幹部の居場所に関する諜報情報を得ることができないが、もっと下のレベルの人間に関しては、有益な情報を得た時もあったと語る。「毎日のように標的を見ていながら動けないために、欲求不満になっている」という。

2005年の初めにアルカイダの会合について情報を得てから、軍は小さな海軍シールのユニットを作り、彼らをパキスタンにパラシュートで投下してすばやい作戦を実施する計画を立てたと、元関係者が述べた。

しかし計画が進むうちに、軍の指令系統が交代して、特殊作戦部隊の安全を確保するために、隊の大きさがふくれあがった。「結局パキスタン侵攻に変わってしまった」と、計画に関係していた元諜報組織幹部が語る。しかしこの作戦は、危険を犯しても行なうだけの価値があったという。「ともかく標的を捕らえたくて、いらいらしていた」という。

インタビューした元関係者数人によると、9.11以後、パキスタン国内に米軍の部隊を送り込むことが計画されたのは、この時だけではないという。これらの作戦が実際に実施されたかどうかは、明らかではない。

2005年の出来事に精通している軍と諜報関係者によると、現場で活動している司令官と、グローバルテロリストを追跡することに慣れていない軍首脳部との間の亀裂が顕在化したという。首脳部は、テロリストたちに対して特殊作戦部隊を使用することに、慎重になりすぎているという。

クリントン時代にも、一般市民を巻き込んだり正確な諜報情報ではないかもしれないという理由から、アルカイダ追跡に尻込みし、米軍がビンラディンを逮捕あるいは殺害することは危険すぎると考えてこれを中止した、という批判があがっている(中略)。

それ以来CIAは無人偵察機を用いて、部族地帯をミサイルで攻撃している(中略)。

関係者によると、2005年の中頃は、パキスタンの部族地帯にいたアルカイダ責任者に関する良い情報が収集できたという。しかし翌年、ホワイトハウスはビンラディンとザワヒリの捜索にいらつき始めた。

2006年の初め、ブッシュ大統領はCIA工作員の数を数十人に「増量」してパキスタンに送り込むことを命じた。諜報活動を増やすことで、良い情報が得られることを期待しての命令だった。しかし2人に関する良い情報は、何もない。彼らからの最新のメッセージは、今週入った。ザワヒリが新たなテープで、イラク人や世界のムスリムに、イラクのイスラーム抵抗運動にもっと協力するように呼びかけた。

最近出版された元CIA長官ジョージ・テネットの備忘録で、クリントン時代のビンラディンの居場所に関する諜報情報は、通常「50〜60%」の信憑性しかなかったという。これではアメリカが軍事行動をとるには、不十分だった。

「ビンラディンを殺したい気持ちはあるが、超大国による力を用いるためには、情報と規律と時間が必要だ」とテネットは語る。「十分な情報があったことはほとんどなく、それを確かめ、行動するための時間もなかった」。

ohU.S. Aborted Raid on Qaeda Chiefs in Pakistan in’05
MARK MAZZETTI、WASHINGTON

■スワートに軍配置、作戦開始か?[070708 News]

スワートで抵抗勢力が政府関係機関を攻撃して緊張が高まっているなか、政府はついにテヘリーク・ニファージ・シャリアティ・ムハンマド(TNSM)の活動家に対して作戦を実施することにしたようだ。

これと関連して、パキスタン陸軍は完全な1師団をこの地域に移動したと、情報源が土曜日に語った。

情報源によると、アミール・モーラナ・ファズルッラーが指揮するTNSMの活動に対処するために、軍関係者がパンジャーブのオカラからマラカンドに到着したという。政府は、2002年にTNSMをテロ組織に認定している。

モーラナ・ファズルッラーが治安軍に対して自爆攻撃を行なうと脅迫したあと、軍はスワートの中心であるミンゴーラとその郊外各地に配置された。

情報源によると、武器や多数の車輛が軍とともにスワートに移動ししており、抵抗勢力に対して作戦が実施されそうだという。また医師や医療関係者、救急車を含む軍の病院が、ハーリアンからスワートに移動しつつあるという。

軍報道官のワヒード・アルシャッド少将は、パキスタン陸軍がマラカンドに配置されたことを認めたが、これは文民行政官の依頼を受けたためだと語った。しかしマラカンドに1師団がまるごと派遣されたことは確認せず、軍が作戦を実施することも否定した。行政官の依頼で、秩序を守るために陸軍が派遣されたという。

スワートの行政官のサイード・ムハンマド・ジャヴィッドは、スワートの秩序を保つために、軍の協力を仰いだという(中略)。モーラナ・ファズルッラーとは地元の長老たちを通じて連絡を取り、モーラナはこの地域で問題は起こさないと約束しているという(後略)。

smellOperation likely as army division moves to Swat
Mushtaq Yusufzai、PESHAWAR

■パキスタンの篭城騒ぎの背後に、さらに大きな問題[070708 New York Times]

ラール・マスジッドの騒ぎは、ムシャラフが国内で直面している、さらに大きな問題の一局面にすぎない。直接的な課題としては、いかに今回の篭城騒ぎを、犠牲者の数を抑えて終わらせるかである。

(中略)戦闘員たちのほうから発砲して、兵士を殺害したことが明らかになりつつあり、政府は有利のようだ。近隣地域では、ムッラーや学生たちに対する共感はない(中略)。ブルカを着て逃走しようとしたモスク責任者のモーラナ・アブドゥル・アジズは、テレビに出されて辱められ、このために政府に対する支持も高まった。政府の行動を批判する一般民衆や宗教政党もない。

しかし問題は、まだ始まったばかりだ。今週北西辺境州ではいくつかの爆弾騒ぎや自爆攻撃があり、大統領が乗った飛行機も狙われた(中略)。政府がなぜラール・マスジッドに対して、なかなか行動しなかったことに対しても、疑問の声があがっている。

政府関係者たちは内々で、今度はテヘリーケ・ナファジ・シャリアティ・ムハンマド、またはイスラーム法施行運動の活動リーダーである原理主義宗教指導者のファズルッラーを、取り締まるのではないかと見ている。彼は、タリバンや自爆を支持していることで有名だ。

しかし個人を取り締まっても、問題は解決しない。

『News』の調査によると、イスラマバードでは、宗教組織に属する88のマドラッサが、1万6000人の学生を教育しているという。さらに反欧米、ジハード原理主義系のデオバンド派のマドラッサに属する学生は、今年になって2倍になった(中略)。2006年にデオバンド系のマドラッサ出身の5039人の学生が卒業試験を受け、そのうちの3000人がラール・マスジッドに併設された2つのマドラッサから来たという。

現在この2つのマドラッサには、1万7000人の学生がいる。「学生の数がこれほどまで増えている理由を、政府は把握していない」と『News』は語る。

(中略)ジアウル・ハクが権力に着いた1980年代以来、イスラマバードにマドラッサが増え続けている。その時代のマドラッサは、ソ連と戦うムジャヒディンの供給源だった。ジアウル・ハクが統治していた11年間に、7つのマドラッサができた。ベナジール・ブット統治と1988〜1999のナワーズ・シャリーフの時代の11年間、さらに15のマドラッサができた。ムシャラフの8年間には、14ができた。

『Dawn』紙によると、ラール・マスジッドの騒動から次のような教訓が得られる。「ラール・マスジッドの兄弟のような人間は、国内に多数いる」。「金も武器も、彼らの言う通り動く、洗脳された支持者がいる」。

支持者たちは信仰に対して無垢で誠実であっても、彼らのリーダーたちは強硬に動く。「政府が追跡するべきなのは、彼らの背後にいる頭脳だ」。「ラール・マスジッドのドラマは、深い悪から生じる病だ」と『Dawn』は書く。「国家は、政府がテロリズムに対して行動し、それが力にならなくなるまで行動することを期待している」(後略)。

garrBehind a Siege in Pakistan, Rumblings of Wider Dissent
CARLOTTA GALL、ISLAMABAD

■ムシャラフ、モスクの抵抗勢力に投降するか死ぬかどちらかだと通告[070707 AFP]

土曜日にパキスタンのムシャラフ大統領が、モスクに立てこもっている過激派たちにち、投降するか殺されるかどちらか選ぶように通告した。今回の衝突の報復として、ムシャラフが乗った飛行機を撃ち落とそうとしたという主張があがった。

ムシャラフがラール・マスジッドに立てこもっている過激派に、人間の盾となっている女性や子供たちを直ちに解放するよう申し渡した。「モスク内にいる人間に出て来て投降するよう申し渡す。もし投降しなければ、殺される」と、陸軍の制服を着たムシャラフが、今回の衝突に関して初めて公衆の面前で明言した。「モスクの中には女性と子供がいるために、犠牲者が出ないように慎重になってきた」。

パキスタン軍は銃弾を撃ち込まれてぼろぼろになったモスクに突入することは避けているが、日中再び激しい衝突があった。

治安部隊が夜間敷地を取り囲む塀を爆破し、立てこもっている原理主義者たちとの間で銃撃戦もあったと、治安関係者が日曜日に述べた。「治安軍が塀をダイナマイトで爆破し、外に出たがっている人間が出て来れるようにした」という。外に出ようとして塀をよじ上がると、原理主義の学生に撃たれる危険性がある」。また塀を取り壊すことで、中の様子がよく見えるようになったという。

モスクに立てこもっているアブドゥル・ラシッド・ガジは、パキスタン軍が女学生30人と男子学生40人を殺害したと主張した。女性は、敷地内に埋葬されたという。政府は、兵士1人と一般市民数民数人を含めた19人が死亡したと発表している。

ガジによると、自分や仲間たちは十分な備えや武器、爆発物を持っており、「神が望むなら、あと25〜30日は持ちこたえられる」という。さらにガジは、金曜日にムシャラフが乗った飛行機を撃ったと主張する男から、電話を受けたとも語った。「昨日知らない男から電話がかかってきた」。大統領に対する攻撃が一般に公表される前に、「祝福」を受けたという。「彼は、『ムシャラフが乗った飛行機を少し前に撃った』と語り、ムシャラフは生き延びたと言った」。

(中略)イスラーム政党の関係者たちがガジと交渉するためにモスク内に入ろうとしたが、軍によって阻止された。「ムシャラフの軍隊は女性や子供たちの血を流すことを望んでいるために、我々を阻止した」と、使節団責任者で原理主義系の国会議員のモーラナ・シャー・アブドゥル・アジズが述べた(後略)。

hoonMusharraf tells mosque rebels to surrender or die
Rana Jawad and Danny Kemp、ISLAMABAD

■アフガン一般市民の死者、本当か嘘か?[070707 AP]

土曜日にアフガンの長老たちが、アフガニスタン西部の爆撃で一般市民108人が死亡したと主張、また北東部の空爆では、死亡した親族を埋葬していた人々を含む、25人が死亡したという。

いっぽう米軍とNATO軍責任者は、このような情報はないと主張し、米軍関係者は、タリバン戦闘員たちが村人に、一般市民が死亡したと報告することを強要していると述べた。

土曜日に犠牲者が出たことを報告した政府関係者さえも、これらの主張を確認することができないでいる。現場は僻地の危険地帯で、ジャーナリストは入ることができない。

「情報を収集するには、問題ある環境だ」と、アフガニスタンの国連報道官のエイドリアン・エドワーズが語った。一般市民の犠牲者が出たかどうかは大きな問題で、これは政府の報告の信憑性に頼らざるを得ないという。「もし死者の数がすぐに発表されれば要注意だというのが、私の感触だ」とエドワーズが語る。「しかし、情報が2〜3週間後に来たとしても、大した役には立たない」。

(中略)バグラム空軍基地のロブ・パラック中尉によると、タリバン戦闘員たちは一般市民の居住地で戦うよう、命令されているという。NATO軍や米軍により一般市民に犠牲者が出れば、パロパガンダ的には勝利するからだ。「南部ではタリバンが村人に、一般市民に犠牲者が出たと報告しなければ罰せられると言っている」とパラックが語る。

(中略)戦闘員の報道官であるカリ・ユーセフ・アフマッドは、戦闘で一般市民の家を利用する「必要」はないと主張する。戦闘員たちが一般市民に犠牲者を報告することを強要していないとも語った。

国連とAPの調査で、今年になって米軍とNATO軍は、タリバンが一般市民を殺害した数よりも、多くの一般市民を殺害しているという結果が出た。7月1日の国連の調査では、今年になって国際軍やアフガン軍は一般市民314人を殺害しており、抵抗勢力は279人を殺害した。同様にAPの調査でも、米軍とNATO軍が213人を殺害し、タリバンは180人を殺害したという結果が出た(後略)。

smellAfghan civilian deaths, true or false?
JASON STRAZIUSO、KABUL

■銃撃や爆発、土曜日の夜も続く[070707 News]

土曜日の夜、ラール・マスジッドとジャミア・ハフサの周辺では銃撃と爆発音が続いた。いっぽう警察は深夜、ジャミア・ファリディアを制圧した。

ラール・マスジッドに与えられた投降期限を過ぎると、治安部隊とマスジッドの間で銃撃や爆撃があった。6時間の中断のあと、再び爆発音があった。銃撃が中断したのは雨のためで、雨が止むと、再び銃撃が開始した。

日の出とともに、銃撃は中断し、その後、雨と強い風が吹いている。

さまざまな宗教団体が、ラール・マスジッドの問題を話し合うために集った。宗教学者たちがモスクを訪れてガジに会おうとしたが、安全性の面から、拒否された。

hoonFiring, blasts continue Saturday night
ISLAMABAD

■ガジが襲撃を計画、とアジズ[070707 News]

逮捕されたモーラナ・アブドゥル・アジズが、自分はラール・マスジッドの代表であり、アブドゥル・ラシッド・ガジが実際の運営者で、政府に圧力を与えるためにさまざまな計画を行なっていたと述べたという。

「弟のガジと妻のウンメ・ハッサンが、売春を行なっていたマッサージ・センターの襲撃を計画した。娘のタヤバ・ドゥア別名ハムナ・アブドゥッラーとアスマ・ドゥアが、一部の襲撃に加わった」とアジズが述べた。「タヤバとアスマが、中国のマッサージ・センターを襲撃を指揮した」という(後略)。

hoonGhazi planned raids to pressurise govt: Maulana Aziz
ISLAMABAD

■ディールの自爆攻撃で兵士4人死亡[070707 Daily Times]

金曜日にディールで、軍の車列を狙った即席爆弾により、パキスタン陸軍兵士4人が死亡した。イスラーム神学者協会とテヘリーク・ニファジ・シャリア・ムハンマドの根拠地である。

「即席爆弾で兵士4人が死亡した」と、軍報道官のワヒード・アルシャッド少将が述べた。

(中略)スワートの宗教指導者のファズルッラーが、不法FMラジオ局を通じて「ジハード」を呼びかけた後の出来事である。

また木曜日には、カイバル行政区の軍基地にロケット弾が撃ち込まれた。大きな被害はなかった。また水曜日には、北ワジリスタン近くのバヌーで自爆攻撃があり、兵士6人が死亡している。また同じ水曜日には、ミンゴーラの地区警察長官を狙った遠隔操作による即席爆弾で、警察官1人と一般市民4人が死亡した。

情報源によると、軍がディールとマラカンドに移動するように命令されたという(中略)。

警察によると、ディールの攻撃は、自転車に乗った自爆犯によるもので、治安関係者4人が殺害されたという。

garrDir suicide attack kills four troops
CHAKDARA

■北西辺辺境州で10人殺害される。うち兵士4人[070707 News]

金曜日にミランシャー、スワート、チャックダラで政府関係者たちが襲撃され、治安関係者4人を含む10人が死亡し、7人が負傷した。

最初の出来事は、マラカンド行政区のチャックダラで起きた。陸軍車輛が自転車に搭載された遠隔操作爆弾で攻撃された。爆発により、5人の兵士が乗った車輛が爆発した。兵士4人が死亡、運転者が負傷した。爆発には即席爆弾が使用されていたという。

これとは別にアッパー・ディールのダローラでは、シャンドゥール峠の警備に向かっていた国境警察隊の車列を狙って、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発した。車列は被害を受けたが、兵士たちは無事だった。15〜20台の車列だった。

北ワジリスタンのミランシャーでは、地元部族民たちがラズマック・ロードのナレイ・ワラの近くで誘拐犯たちと衝突して、6人が死亡して4人が負傷した。

南北ワジリスタンで活動している地元犯罪団が、ラズマック兵学校の副校長を誘拐した。地元の部族民たちが犯人たちを追跡して、タッピで対戦したという。この銃撃戦で、犯人4人と追跡してきた部族民2人が死亡した。

スワートのマッタでは、警視官が乗った車が即席爆弾で攻撃され、負傷した。その後犯人たちと銃撃戦となった。

さらに別の場所では、警察と地元の過激派が衝突して、6人が負傷した。

hoonFour soldiers among 10 killed in NWFP attacks
Javed Aziz Khan、PESHAWAR

■パキスタンのモスクの余波拡大[070706 Asia Times]

金曜日にパキスタン政府関係者は、ムシャラフ大統領が乗った飛行機がワラルピンディの軍の飛行場から飛び立ったところを攻撃されたことを否定した。しかしこれは事実を隠していると、疑われている。しかし隠しきれない事実が、ラール・マスジッドの問題だ。

火曜日以来、30人以上が死亡し、数十人が負傷している。数千人の学生が、モスクとマドラッサから逃げ出した。

まだ数百人が、アブドゥル・ラシッド・ガジと一緒に立てこもっているが、ガジは金曜日に、逮捕されるくらいなら「殉教」を選ぶと述べた(中略)。

ラール・マスジッドは、アフガニスタンとの国境近くの部族地帯にいる原理主義者たちと関係があり、今回のモスクの問題が、この地域に飛び火する可能性がある。すでにチャックダーラ地区では、治安軍の関係者4人が殺害されている。

このような理由のために、パキスタン政府首脳陣たちは、ラール・マスジッドに対する向こう見ずな作戦を行なうことを躊躇している。

この危機において急浮上したのが、モーラナ・シャー・アブドゥル・アジズである。彼はラール・マスジッドと軍の仲介役を果たす責任者である。以前仲介役を行なっていたのが、ビンラディンのかつての友人だった、中隊長のハリッド・ハワジャだったが、彼は謎めいた状況のなかで逮捕されている。

国会野党の一員であるアジズは、アフガニスタンの闘争に共感しているために、「ムジャヒディンの声」とも言われている。彼自身、アフガニスタンで戦った経験がある。彼は北西辺境州のカラック地区の英雄であり、部族地帯のムジャヒディンの間でも人気がある。

しかし、パキスタン国内における彼の愛国心や法を遵守している姿は、軍の間でも有名である。彼は木曜日の夜、『Asia Times』のインタビューに答えた。


AT…ラール・マスジッドの作戦は、強行に続いている。犠牲者は数十人にものぼるともいわれている。あなたはどのように見ているのですか。

シャー・アブドゥル・アジズ…私は常に同じメッセージを発信している。我々はパキスタン人であることを認識しなければならない。パキスタン人はパキスタン人として扱われなければならない。何か間違ったことをしたとしてもだ。外国人が法を侵せば、それは別問題だ。もし、ムシャラフ将軍が法を犯す者と立ち向かいたいのなら、我々の国境を侵し、無実な市民を殺害しているNATO軍に対して軍を用いるべきだ。私はラール・マスジッドとは意見が全く異なる。彼らは自分たちで法を施行しようとしている。しかし、今回彼らが攻撃されているのは、この点に関してではない。この地域に対するアメリカの政策に、準じるもとだ。イギリスの首相が祝福の声明を発表した。我々が我々の兄弟の遺体を数えているときにだ。ブッシュからも、同じような賞賛の声が届いている。

AT…モーラナ・アブドゥル・アジズは逮捕されました。彼が逮捕された様子は、ジハードを説いている人間とは思えてないと考える者たちが多いようですが。

アジズ…これはすべて政府のプロパガンダだ。アジズが逮捕されてパキスタンテレビに連れて来られた夜、私はトークショーを終えたばかりで、宗教相のエジャズル・ハクと司会者と一緒だった。モーラナ・アジズが、治安関係者と一緒に来るのが見えた。彼は私を抱きしめて挨拶したが、エジャズが握手をしようとすると、手に触れただけだった。彼は、裏切られたと私に言った。これまで懇意にしていた諜報組織幹部に、呼ばれたのだという。この幹部はモスクに来ることができなかったために、アジズにブルカを被ってアッパラ警察署まで来るように言ったという(これまで政府に指名手配されたときに、弟のガジとともに、何度も同じようにしてきたことを認めた。)しかしアジズがモスクを出るや否や、逮捕された。

AT…この事件が、国内にどう飛び火すると思いますか。

アジズ…大きな反応があるはずだ。ムジャヒディンと愛するパキスタン陸軍の衝突を、なんとか回避させようと努力している。アブドゥル・ラシッド・ガジと何度も連絡を取り合い、政府と対話をするように説得している。もし両方とも歩み寄らなければ、大きな嵐がくる。今日、スワートとディールで、治安部隊とTNSMが衝突したという報告を受けている。政府には、部族地帯で大きな問題が発生するのは時間の問題だと、繰り返し言い続けている。ムジャヒディンと軍は、衝突する。しかし誰も聞く耳を持たない。

AT…これは国際的な問題なのか、それとも国内の問題なのか。

アジズ…我々は、我々がしていることをよく考えるべきだ。我々は他の国のために、自国民を殺害している。ムシャラフはカルザイをおちょくるが、彼はムシャラフよりはましだ。少なくともNATO軍の爆撃に対して、見せかけでも涙を流す。ムシャラフは、NATO軍の侵害を非難さえしない。NATO軍の越境の事実を認め、今後は許さないという。テロがあるのなら、自国軍が対処するべきで、外国人ではない。

smellPakistan's mosque fire spreads
Syed Saleem Shahzada、KARACHI


■パキスタンの最高指導者の離陸に銃撃[070706 AP]

金曜日にパキスタンの大統領が空軍基地から離陸しようとした際に銃撃音があり、警察は対空銃が近くの屋根にあるのを発見した。軍がラール・マスジッド内に篭城している過激派を包囲している間に起きた、暗殺未遂事件である。

イスラーム原理主義者たちは、ムシャラフがワシントン政府に協力していることに対して圧力をかけているが、今週の衝突は、パキスタンが直面している危機をますます顕在化している。ムシャラフが最高裁判官を更迭したことでも、政治的な圧力も高まっている。

ラール・マスジッドを巡る衝突で、さらに緊張が増している。警察によると、パキスタン北西部で自爆犯が自転車に乗り、軍の車列に突撃して、兵士4人が死亡したという。

ムシャラフがラワルピンディのチャカラ空軍基地から飛び立ったときに、真下から銃撃音が聞こえたと目撃者が関係者が述べた。政府は暗殺未遂があったことを否定しているが、治安関係者によると、銃撃はムシャラフを狙ったものだったという。

(中略)銃撃音が聞こえた数分後に、警察と兵士がラワルピンディにある、ある家屋を包囲した。屋根には、対空銃2丁と軽機関銃が発見されたという。

家屋を見下ろす建物から撮られた写真を見ると、2階建ての建物の屋根の上に大きな銃が空に向けられて置かれ、衛星アンテナの隣には機関銃が置いてあった(後略)。

ohShots fired as Pakistan leader takes off
STEPHEN GRAHAM、ISLAMABAD

■アフガニスタンで戦闘員100人殺害される[070706 AP]

金曜日にアフガニスタン各地で激しい戦闘があり、3つの大きな戦いで100人以上の戦闘員が殺害されたという。

クナール州知事が、空爆により一般市民多数が死亡したと村人が主張している、と述べた。事実は確認されていないという。

(中略)クナール州知事のシャリザイ・デダールが、最初の空爆で10人の一般市民が死亡し、続く2回目の空爆で、死者を埋葬していた市民30人が死亡したと村人が報告している、と発言した。いっぽう米軍主導同盟君とNATO軍報道官は金曜日に、地上司令官たちが一般市民の犠牲者を出さないように避難させたと強調した。デダールは、現在村人の報告を確認している最中だが、そのような事実はなかったとは言えないと述べた。また戦闘員60人も、戦いで死亡したと述べた。

(中略)いっぽうNATO軍は、戦闘員多数が死亡したが、今回は一般市民が死亡したとは思えないと発表した。

(中略)南部では夜間、戦闘員が警察の車輛2台を銃やロケット推進手榴弾で攻撃した。米軍主導軍とアフガン軍が砲撃と空爆で応戦したという。ウルズガン州の、ほとんど人が居住していない地域だったと同盟軍が説明した。

(中略)これまであまり戦闘がなかったファラ州では、抵抗勢力がアフガン治安部隊のパトロール隊を攻撃して、兵士5人が負傷した。アフガン軍と同盟軍が銃と空爆を用いて、戦闘員30人ほどを殺害したという(後略)。

hoon100 militants killed in Afghanistan
JASON STRAZIUSO、KABUL

■パキスタン、原理主義モスクの関連マドラッサを制圧[070706 AFP]

パキスタンの警察が土曜日早朝、ラール・マスジッドの宗教指導者が運営するマドラッサを制圧した。

「警察がジャミア・ファリディアに突入し、数十人の学生を逮捕して別の場所に連れ去った」と治安関係者が述べた。

この女性のためのマドラッサは、ラーマ・マスジッドから3キロ離れたE7にある。

警察によるとジャミア・ファルディアは、ラール・マスジッドとそれに併設された女性マドラッサの「パワー・ハウス」で、今回の事件に関わっている学生も数人いるという。

hoonPakistan seizes control of seminary linked to radical mosque
ISLAMABAD

■モスク篭城、軍がモスクの塀を爆破[070706 Times]

昨晩、イスラマバードのモクスで篭城している過激派たちが、恩赦と引き換えに武器を捨てることに同意した。

(中略)モスクには水、ガス、電気の供給は止められている。

過激派たちがついに降伏する決意をしつつあることを示唆する出来事として、抵抗勢力たちの責任者が、恩赦が与えられるならば降伏すると述べた。アブドゥル・ラシッド・ガジは、これ以上犠牲を出したくないという。しかし政府は、無条件降伏を主張している。

ガジは、ブルカを被って逃走しようとして水曜日に逮捕された宗教指導者の弟である。パキスタン・テレビに出演した兄のモーラナ・アブドゥル・アジズは、モスクにいる仲間たちに、降伏するように呼びかけた。

アジズはヴェールを取り、笑みを浮かべてインタビューに答えた。彼は仲間にモスクから出るように呼びかけたが、女性教師たちが、女学生をモスク内に留まるように説得しているという。

(中略)彼とともにモスクから逃走しようとした娘も、アジズとともに警察に拘束された。しかしアジズの降伏の呼びかけを、マドラッサに付随する女学校の校長であも彼の妻は拒否した。テレビのインタビューに答え、自分は降伏するつもりはないと語った。

30代後半のウンメ・ハッサンは、夫よりも過激な原理主義者で、数百人の若い女性たちを動員してシャリア法施行のために活動している。ブルカをかぶり、棒を携えた女性たちはハフザ軍と呼ばれ、独自の道徳法を強要して家宅捜索を実施し、売春などにかかわっている女性たちをひきずり出す。ブルカを被らない女性を見ては忠告する様子が、良く見られた。

マドラッサにいる3000人の女学生は、カシミールの戦争で死亡した過激派たちの子供や親戚である。ウンメ・ハッサンは、女性たち多数を自爆志願者として訓練したと、自慢している。

約100人の学生たちが昨日、リーダーたちの目を盗んで逃げ出した。しかしまだ多数が武装した男たちの捕虜となってモスク内にいると、アフタブ・ハーン・シェルパオ内相が述べた。ガジは建物の地下室に、約25人の女性たちを人質にして立てこもっているという。

別の過激派リーダーが語ったところによると、自学生27人が政府の爆撃で死亡し、マドラッサ内には火の手が上がっているという。「大きな混乱が起きている。煙があちこちに充満して、遺体が散乱している」と、アブドゥル・カユームが語った(後略)。

hoonStand-off at siege mosque after the army blasts through perimeter walls
Zahid Hussain、Islamabad

■武器を捨てた者全員に恩赦[070606 Daily Times]

木曜日にムシャラフ大統領は、ラール・マスジッドにいまだに立てこもっている過激派約100人が武器を捨てれば、全員に恩赦を与える計画を承認したと、情報源が語った。この決議は、ムシャラフがラワルピンディの大統領本部で主催した会議で決められたという。

情報源によると、宗教指導者のモーラナ・アブドゥル・ラシッド・ガジを含む過激派約100人に対して、降伏すれば2月以来のすべての起訴状を取り下げることにしたという(中略)。起訴状を取り下げるという案は、ガジは過激派の捕虜にされているとする、治安関係者や諜報関係者により提案された。モスク内に立てこもっている過激派たちは、テロ行為で指名手配になっているという。

またこの話し合いで、政治的宗教的指導者たちからなる使節団をモスクに送り込み、このような申し出を提案するという(中略)。

hoonAmnesty offer for all who lay down armsBy Naveed Siddiqui
ISLAMABAD

■パキスタン、モスクの降伏の申し出を拒否[070706 AFP]

金曜日早朝、モスクに立てこもっている宗教指導者による条件付きの降伏の申し出を政府は拒否し、その後モスクでは激しい銃撃音と爆発音があった。

朝の祈りをつげるアザーンは、この日モスクのラウドスピーカーからは聞こえなかった。

モスク関係者によると、金曜日の早朝の銃撃戦で犠牲者が出たという。また建物は、治安部隊による迫撃砲で攻撃された。「我々の側に犠牲者が出たが、何人だかは言えない」と関係者が述べた。

木曜日の午後、再び学生と軍隊の間で激しい衝突があり、学生たちが発砲して手榴弾を投げつけた。

政府は、アブドゥル・ラシッド・ガジは支持者1000人とともにモスクを出て、武器を捨てなければならないと述べた。すでに19人が死亡している。

兄がブルカを被って逃走しようとしたところを逮捕されたあと、ガジは、病気の母と一緒にいることができるなら降伏してもいいと述べた。「学生たちの命を救うために、このような申し出をする」と、木曜日遅くに語った。

しかし情報相代理のタリーム・アジームはこれを却下し、ガジは20人の女性や多数の子供たちとモスクの地下室に隠れていると述べ、裁きを受けることになると述べた。

(中略)その後巨大な爆発があり、モスクの周囲の壁のほとんどが破壊された。関係者によると、治安軍が塀を爆発物で破壊しようとしたために、ロケット弾で攻撃されたという。

金曜日早朝、8時間のこう着状態が続いたあと、武装した兵士たちがモスクに近づくと、再び激しい銃撃戦と爆発が起きた。「治安軍が爆発物を使って、周囲の壁を壊そうとしている」という。

アフタブ・シェルパオ内相は、建物の中には約60人の「ハードコア」が立てこもっているという。「AK-47ライフルや手榴弾、火炎瓶を持っている。モスクから出たがっている女性や子供たちを盾にしている」。

しかし、ムシャラフ大統領は治安部隊に、これ以上女性や子供の犠牲者を出さないために、モスクを襲撃してはならないと命令した。「そのために我々は建物に押し入ることができないでいる」と、政府関係者が述べた。

ガジもアブドゥル・アジズも、意思に反して立てこもっている者はいないと述べた。

これに先立ちアジズは、テレビ会見に応じている。ブルカをかぶり、灰色の髭がその下からのぞいていた。司会者がベールを取るように勧めるとそれに従い、大きな笑みを見せた。彼によると、モスク内には男女1000人が立てこもっているという。「外に出てみたら、完全に包囲されていることがわかり、諦めなければならないと思った」と語った。

その後裁判所に拘束され、テロ攻撃や誘拐で告訴された(後略)。

hoonPakistan govt rejects mosque surrender offer
Masroor Gilani、ISLAMABAD

■アフガニスタンでNATO軍2人死亡[070706 AFP]

アフガニスタン東部でNATO主導軍兵士2人が死亡したと、同盟軍が金曜日に発表した。

木曜日に起きたこの出来事で、NATO軍兵士とアフガン兵士数名、一般人も負傷したというが、詳しいことはわからない。

(中略)さらに木曜日にはアフガニスタン南東部で車の爆発があり、3人目の兵士が、死亡している(後略)。

hoonTwo NATO soldiers killed in Afghanistan
KABUL

■モスクとパキスタン、追い込まれる[070706 Asia Times]

(前略)ラール・マスジッドの「運動」は、南北ワジリスタンにいるタリバンたちと関係しているイスラーム過激派に、乗っ取られ始めている。ここ2ヵ月間、ガジとアジズ兄弟は権力を失い、学生たちの操り人形になりつつある。

2週間前にガジは当記者に、自分たちは物事を制御できなくなり、自分が政府と妥協しようとすれば、自分たち兄弟は学生に殺されてしまうと述べた。

アジズがモスクから逃げ出そうとしたのも、これを証明する。逮捕の数分後に、アジズは近くのISI本部に連れて行かれた。そこから弟に電話をかけ、武器を捨てるよう、呼びかけた。同様にムスリム学者の使節団がモスクを訪れ、平和的解決策を模索しようとした。しかし過激派たちはガジに、自分たちは投降しないという声明を出すよう、強制した。

《さらなる標的》

ラール・マスジッドは、パキスタンにあるタリバンの重要な拠点である。次が、イスラーム法を施行することを掲げている、テヘリーキ・ニファーズ・シャリアティ・ムハンマド(TNSM)である。TNSMはスワートを拠点とする。ミンゴーラとマラカンドとも近い。TNSMは、すでにカラコルムハイウェーを含む、幹線道路を占拠している。

ラール・マスジッドの取り締まりのあと、TNSMのムッラー・ファズウッラーは部下たちに、パキスタン政府関係の建物を攻撃するよう、命令した。スワートでは2件の事件があり、警察署が攻撃され、地区警察長官がロケット弾攻撃で死亡した。

北西辺境州のアボタバードでは、宗教過激派たちが警察署に石を投げつけたが、警察が発砲したために逃走した。

南北ワジリスタンの過激派たちは、イスラマバードとの和平協定はもはや存在しないと、地元の行政官に述べた。その直後、北ワジリスタンの軍車列に対する自爆攻撃があり、6人が死亡。さらに木曜早朝、ペシャワルで警察官の車が襲撃されて、警察官4人が死亡した。

(中略)ワジリスタンと北西辺境州、バローチスタン南部だけでも、20万人のパキスタン人ジハード志願者がいると思われる。彼らの使命は、アフガニスタンにいる外国軍と戦うことだった。ラール・マスジッドの攻撃で、今後は国内に標的ができる可能性がある。

smellNet closes on mosque - and Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACHI

■モスク責任者、篭城をやめるよう呼びかける[070705 AP]

ハイヒールを履いてブルカを被って逃走を試みて逮捕された原理主義の聖職者が、木曜日にモスク内に立てこもっている1000人の信徒に、逃げるか投降するように呼びかけた。

モーラナ・アブドゥル・アジズの話で、これ以上流血沙汰を起こさないで問題解決に向かう希望が出てきたが、彼の弟はいまだに支持者たちとともにモスク内に立てこもっており、投降する理由はないと語っている。

ラール・マスジッドからは突発的に銃撃音が聞こえてくるが、大きな衝突は今のところ報告されていない(中略)。

過激派8人を含む16人が、今回の衝突でこれまで死亡している(中略)。

アジズの弟のアブドゥル・ラシッド・ガジはいまだにモスク内に立てこもっており、約30人の向こう見ずの支持者たちが彼とともにいるという。諜報関係者によると、100人ぐらいが中にいる可能性があるという。

関係者のジャヴィッド・イクバル・チーマによると、ガジは女性や子供を人間の盾にしているというが、ガジはこれを電話で否定した。「なぜ投降する必要があるのか? 我々は犯罪人ではない。外に出たくない者たちを、どうやって無理矢理外に出したらいいというのだ」。

情報省のタリーク・アジムによると、モスクから逃走した約1100人の話では、ガジは20人ほどの女性の「捕虜」と一緒に地下に隠れ、「大量の自動兵器」があるという。ガジとは、今後これ以上話し合いはないという。「すでに多くの時間を費やしている。無条件の投降しかない」。ただ、一般民の犠牲者を出さないために、建物内に押し入らないでいるという。「女性や子供がいる限り、強行突入はしない」。

(中略)逮捕後にアジズはパキスタンのテレビに出演して、自分のモスクは「ジハード組織に対して愛と友情の関係」の関係があるが、実際の関係はないと述べた。「過激派はいない。学生だけだ。もし外から誰かが来たとしても情報はない」と、これまで政府がモスクを攻撃したら自爆を行なうと誓っていたにもかかわらず、述べた。

(中略)アジズによると、女性700人と男性250人がいまだにモスク内に立てこもっているという。「友人」たちからもらった、狙撃ライフル47丁で武装しているという。「もし密かに逃げることができるなら、逃げるべきだ」とアジズが述べた。「外に出たところ、完全に包囲されていることがわかった。それほど中に立てこもっていることはできないだろう」(中略)。

アジズとガジはこれまで20件の警察沙汰で名前が上がっているか、これまで告訴されたことはない(後略)。

hoonMosque leader foresees end of siege
MUNIR AHMAD、ISLAMABAD

■アフガニスタンでドイツ人解放[070705 AFP]

通訳とともにアフガニスタン南西部で拉致されたドイツ人が木曜日に解放されたと、内務省が発表した。「警察の協力で解放された。健康状態は良い」と内務省報道官のザマルシ・バシャーリが述べた。「彼が誰に拉致されたかは言えないが、誘拐事件だった」という。

これに先立ちファラ州知事のグーラム・モハイディン・バルーチが木曜日、犯人たちはドイツ人の解放と引き換えに、身代金を要求したと述べた。犯人はタリバンだとも語ったが、タリバンはこれを否定している。犯人たちはパクワ地区の長老たちに、4万ドルと引き換えに解放すると言ったと、知事が述べた。「タリバンや敵の要求は受け入れない。彼の解放のために努力している」と、知事が語った。

タリバン報道官のユースフ・アフマディが、「これは我々のやったことではない。身代金のために誘拐する、犯罪団の仕業かもしれない」と、語った。

hoonGerman freed in Afghanistan: interior ministry
KABUL

■別のNATO兵、アフガニスタンで死亡[070705 AFP]

アフガニスタン南東部で車が爆破され、NATO軍兵士1人が死亡、2人が負傷した。カンダハルで車が即席爆弾の被害を受け、カナダ兵6人とアフガン人通訳が死亡したばかりである。

木曜日の攻撃は、パクティア州でアフガン軍と合同作戦を実施していたISAF軍を狙ったものだったと、ISAF報道官のドナルド・コルピ少尉が述べた。「道路脇に仕掛けられた爆弾で、ISAFの兵士1人が死亡し、2人が負傷した」という(中略)。今年になってアフガニスタンで死亡した外国人兵士は、106人にのぼる(後略)。

hoonAnother NATO soldier killed in Afghanistan
KHOST

■スワートの爆発で5人死亡[070705 Daily Times]

警察官と一般市民4人が水曜日、イスラマバードのモスク責任者の関係者たちに襲撃され、死亡した。一般市民が、いつもは平穏なスワートで、警察の車を狙った爆発で死亡した。この爆発で、地区警察長官とその運転手も負傷したという。爆発は、手榴弾によって起きたのか、即席爆弾によるものだったのかは、まだ明らかではない。

これに先立ちロケット弾が警察署に撃ち込まれ、警察官1人が死亡、2人が負傷した。

爆発は、地元の過激派FMラジオ局が、モスクに対する攻撃の報復としてジハードを呼びかけた後に起きた。

garrFive killed in Swat blast
PESHAWAR

■パキスタンのモスクで「警告」爆発[070705 Reuters]

パキスタンの治安部隊が木曜日、イスラマバードの原理主義系のモスクの近くで一連の「警告爆弾」を発砲して、モスク内に立てこもっている数百人の過激派学生たちに投降の圧力をかけた。

数分おきに8回の爆発があったと、目撃者が述べた。銃弾も撃たれたが、両方とも20分後には止んだという。「警告だった。まだモスク内に突入していない」と、ある治安関係者が述べた。

日の出に先立つ1時間ほど前に爆発があり、その後治安部隊がラウドスピーカーを用いて、ラール・マスジッド内に立てこもっている学生たちに投降を呼びかけた。「モスク内の人間は全員投降しなければならない。反抗すれば、犠牲者が出る」と呼びかけていたと、モスク近隣の住民が述べた。

火曜日から続いているモスクと治安部隊の衝突で、16人が死亡している。

治安関係者によると、モスクの敷地を囲む塀が爆発で崩れたという。催涙弾も撃たれた。

(中略)大きな動きとしては、水曜日にモスクの責任者がブルカを被って逃走しようとしたところを、逮捕された。宗教指導者のアブドゥル・アジズが水曜日に、女性たちと一緒にブルカを被って逃げ出そうとした所を、逮捕された。アジズは弟のアブドゥル・ラシッド・ガジとともに、モスクを運営している。ガジはまだ多数の過激派たちと一緒に、モスクに立てこもっている。

これまでモスクに立てこもっていた1200人の学生たちは、政府の申し出を受け入れ、5000ルピーと恩赦を受けた。

政府関係者によると、宗教指導者たちがガジと交渉して、投降するように説得しているという。

批評家たちによると、政府は今回のモスクの騒動を利用して、ムシャラフの最高裁判官更迭問題から、人々の関心を反らそうとしているという。しかしいずれにしても、多数の犠牲者が出れば、今年予定されている選挙に、大きな影響が出る。

モスク内に学生がまだ何人留まっているかは、明らかではない。ほとんどが十代から30代だという。政府は数百人から多くて5000人がいると見ている(後略)。

hoon"Warning" blasts at Pakistan mosque
Kamran Haider、ISLAMABAD

■アフガニスタンでカナダ兵6人死亡、ドイツ人拉致される[070704 AFP]

アフガニスタン南部でNATO軍の車輛が爆破され、カナダ兵6人と通訳1人が死亡した。いっぽうドイツ人1人が、アフガンの僻地で誘拐された。

アフガン国軍との合同作戦から数十台の車列が引き返す途中に爆発が起きたと、カナダ軍のティム・グラント少将が述べた。「今朝11時頃にカンダハルの南西部で、カナダ兵と地元のアフガン人通訳が、即席爆弾の爆発で死亡した」。車列は、村で戦闘員の捜索を行なったあとだった。

いっぼうドイツ政府が、ドイツ国籍の一般市民の消息が、1週間以上不明になっていると発表した。彼のアフガン人通訳によると、ニムローズで拉致されたという。4月にフランス人2人がタリバンに誘拐された場所に近いが、今回タリバンによる声明発表はない。ドイツ国防省によると、「会社の職員」だったと述べ、ジャーナリストや援助活動家ではないという。

(中略)「ドイツ国民が先週の木曜日以来アフガニスタンで行方不明だ」と、国防省報道官のマーティン・ジャガーが述べた。

ニムローズ州知事によると、ドイツ人がニムローズと接するファラ州のデララム地区で拉致されたという(中略)。ファラ州知事のグーラム・モハディン・バルーチによると、この男性は警察にジャーナリストと名乗り、1週間ほど前に、アフガン人の運転手とともにデララムを通過してヘラートに向かっていたという。「警察が職質問を行なうと、彼は自分はジャーナリストだと述べた」という。「通過させたが、その後行方不明になった」(後略)。

hoonSix Canadian soldiers killed, German abducted in Afghanistan
KANDAHAR

■パキスタンの自爆攻撃で11人死亡[070704 AFP]

アフガニスタンと接する部族地帯で、車に乗った自爆犯がパキスタン軍の車列に突っ込み、兵士6人を含む11人が死亡したと、治安関係者が述べた。

事件は、イスラマバードの過激派モスクの宗教指導者が、自爆攻撃による報復を約束した直後に起きた。イスラマバードの衝突では、イスラーム過激派の学生8人を含む16人が死亡している。

ミールアリの検問所近くで、自爆犯が爆発物を搭載した車を軍の車列に激突させた。「自爆犯はばらばらに吹き飛ばされ、車は大破した」と、ある関係者が述べた。標的となった軍の車列も、大破したという。兵士5人と通行人4人が即死し、その後一般市民1人と兵士が病院で死亡した(後略)。

garrEleven killed in Pakistan suicide attack
MIRANSHAH

■自爆攻撃者7人逮捕、爆発物押収[070704 News]

治安部隊は北部地域のガザル地区で取り締まりを行ない、自爆攻撃者7人を逮捕した。犯人たちは、シャンドゥールで開催されるポロ競技と関係している重要人物を標的にしていたという。

(中略)警察は、ガザル出身の7人を逮捕して、自爆ジャケットを始め、武器や爆発物を押収した。

hoonSeven suicide attackers arrested, explosives recovered
GILGIT

■モスクの衝突で12人死亡、戒厳令発令[070704 AFP]

パキスタンは水曜日にイスラマバードのモスク周辺に戒厳令を出して、武器を持った者には発砲すると警告した。今回の親タリバン系学生と治安部隊の衝突で、12人が死亡した。

(中略)犠牲者の中には兵士、ジャーナリスト、少なくとも学生4人と通行人がいる。聖職者たちは報復のために自爆攻撃を行なうことを約束し、パキスタンをイスラーム国家にすると述べた。

(中略)治安組織関係者によると、モスクの中に立てこもっている1500人の中には、アフガン人タリバン司令官もいるという。ここ数日の間に、すでに数千人が建物から出て行ったとも語った。

(中略)モスクの学生たちは、近くの政府関係の建物に放火した。夜になるとモスクのラウドスピーカーは、自爆攻撃を行なうよう呼びかけた。「殉教者の血を決して無駄にしない。我々は自爆攻撃の準備ができている」と、あるムッラーが呼びかけた。「我々の聖戦は続き、シャリア法が国内に敷かれるだろう」。

(中略)ムシャラフは、モスクを取り締まることができないでいることに対して、圧力を受けていた。先週はムシャラフは、モスクにはアルカイダ系過激派の自爆犯たちがいると述べていた。しかし中にいる数千人の学生、特に女学生たちの安全を考慮し、取り締まりを行なわないできた(後略)。

hoonCurfew after Pakistan mosque clashes kill 12
Masroor Gilani and Sami Zubeiri、ISLAMABAD

■パキスタン、モスクの過激派に警告[070703 BBC]

パキスタンは、イスラマバードのモスクにおける衝突で10人が死亡したあと、モスクの周りにバリケードを張った学生たちに、武器を放棄するように命令した。

ラール・マスジット周辺には戒厳令が出され、電気の供給が止められた。内務省はモスクの責任者たちに、「イスラームのイメージを傷つけている」と非難した。

(中略)内務省のザファール・イクバル・ワライチによると、警察と準軍隊がモスクを包囲し、武器を持ってモスクから出てくる者には発砲すると述べた。モスク関係者で武器を捨てた者は、恩赦するという。

(中略)ラール・マスジットの衝突は、火曜日中続いた。死者の中には、兵士1人と学生2人、ジャーナリストがおり、140人が負傷したという。記者によると、MMAの関係者の仲介で停戦となった。

hoonPakistan warns mosque militants

■パキスタンのモスクで衝突[070703 BBC]

パキスタン兵1人と原理主義の学生2人が、イスラマバードの抵抗勢力系のモスクの外で起きた衝突で死亡したと、関係者と医師が述べた。

(中略)学生と警察の両方がいまだに発砲しており、治安部隊がモスクの周りを包囲した。

(中略)近くの病院の医師によると、病院に運ばれた学生2人が、銃弾を受けて死亡したという(後略)。

hoonClashes erupt at Pakistan mosque

■原理主義モスクで銃撃戦、兵士死亡[070703 AFP]

パキスタンの治安部隊がイスラマバードの中心にある親タリバン系のモスクの学生と銃撃戦を行ない、兵士1人が死亡、女学生数十人が負傷したと関係者が述べた。

(中略)カラシニコフを抱え、ガスマスクを被った学生たちが砂袋や土嚢の後ろで構えながら、「ジハード、ジハード」と叫んだ。警察は催涙弾を撃った。銃撃音が聞こえると、モスクのラウドスピーカーが「自爆者」たちに準備をするよう、呼びかけた。

「兵士1人が死亡した」と、準軍隊のマーシャッラー少佐が述べた。警察官2人も負傷したという。

ブルカを被った女性8人が、地元の病院に運ばれた。そのうち4人は意識不明だという。テレビ局関係者1人も負傷したと、目撃者が語った。

(中略)モスクを運営する兄弟の1人のアブドゥル・ラシッド・ガジが、治安部隊が発砲したために、学生たちが報復したという。モスクを攻撃しないという約束を、政府は破ったと訴えた。「政府は道路に遺体が散らばるのを望んでいる。なぜこのようなことをする?」と、地元のテレビ局に語った。「中国人の事件のあと、我々は何もしていない」。「我々は対話が重要で、対話を通して問題を解決しようとしていた。政府は解決を望んでいないようだ」。

ohGunbattle at radical Pakistan mosque, soldier killed
Masroor Gilani、ISLAMABAD

■パキスタン兵、「モスクで死亡」[070703 BBC]

イスラマバードの抵抗勢力系のモスクの外で、原理主義者の学生とパキスタンの治安部隊が銃撃戦を行ない、兵士1人が死亡した。

モスク側と治安部隊側が互いに銃を発砲し、警察は学生たちを追い払うために、催涙弾を発砲した。

(中略)政府と学生との間の対立で、初めて死亡者がでた。「我々の兵士がモスクから発砲されて死亡した」と、ラール・マスジットの外で準軍隊幹部のマシャ・アッラーが記者団に語った。

この他に、警察官1人が負傷した。学生によると、数十人が催涙弾の被害を受け、そのうちの2人は重傷だという。1人は銃弾を受けたという。銃撃戦のあとに、単発的に銃撃音が続いている。学生数十人がこの地域の周りをバトロールしており、武装した者もいる。

記者によると、状況は緊張しており、モスクの中から銃を発砲する音がするという。モスクには2つのマドラッサ、男子と女子のマドラッサが併設されている。

女学生たちが多数がマドラッサから出て来たために、準軍隊が催涙弾を発砲したことが衝突のきっかけとなった。これに先立ち、警察官たちが多数、モスクの周りに派遣されていた。

関係者によると、一連の動きは、モスクの学生たちが自分たちで法を取り仕切ろうとするのを防ぐためのものだいう(後略)。

ohPakistan soldier 'dies at mosque'

■アメリカ、パキスタン国内でタリバンを捜索予定[070703 Asia Times]

9月以来、NATOはイスラマバードに、パキスタン国内に入ってタリバンやアルカイダを捜索する権利を主張していた。情報源によると、NATOとアメリカはついに念願を果たし、タリバンがどこにいようと、追跡することになる。

ムシャラフはここ数日のうちに、過激派の取り締まりに対する重要な声明を発表することになっている。

情報源によると、同盟軍は南北ワジリスタンにある、4つの過激派の拠点を特定している。武器庫や資金や人力を調達する拠点なども、含まれている。

パキスタン国内に対する作戦はアメリカが単独で行ない、おそらく空爆が用いられる。またパキスタン軍も単独、あるいは協力して作戦を実施するかもしれない。いずれにしてもアメリカが主導権をとり、パキスタンには攻撃する場所を指示する。ムシャラフはこれに関して、すでに陸軍司令官たちに事情を話しているはずだ。

NATOやパキスタンも、このような活動を否定している(中略)。同様に陸軍報道官のワヒード・シルシャッド少将も、NATO軍はパキスタン領内に入ることはできないと主張している(中略)。

しかし情報源によると、パキスタン国内での活動を許すことに関して、同意が交わされた(中略)。

先月、CIAの無人偵察機が北ワジリスタンを攻撃している(中略)。

しかし、少なくとも数週間後に予定されている新たな作戦は、さらに規模が大きなものになりそうだ。

《名前だけの国境》

ワシントンとイスラマバードの間の話し合いで、パキスタンだけでは国境を管理できないとういことが、認識された。パキスタンは20キロごとに検問所を設置しているが、越境を止めることができない。アフガン側ではNATOとアフガン国軍が検問所を設置しているが、その数はパキスタンほど多くない。

タリバンのほとんどがワジリスタンを中心に越境するが、この他にもチャマンや、バジョールのゾッブやノシュキ、モーマンドなどからも入ってくる。

パキスタンの北西辺境州の居住区であるタンクやラキ・マルワット、バヌー、デーラ・イスマイル・ハーンは、パキスタン人タリバンに占拠されている。さらにペシャワルやマルダンも、影響下に入りつつある。

いっぽう親タリバン系過激派のテヘリーキ・ナフィージ・シャリアッティ・ムハンマド(TNSM)が急速に成長しており、バジョール、マラカンド、スワート、ミンゴーラに拡大している。TNSMは2001年に、1万人をアフガニスタンに派遣した。パキスタン人タリバンのように、TNSMは違法FMラジオ局を用いてプロパガンダを流している。

《すべての道はモスクに》

アフガン国境の親タリバン、親アルカイダ地域は、すべてイスラマバードのラール・マスジッドと関係している。モーラナ・アブドゥル・アジズとガジ・アブドゥル・ラシード兄弟が運営するこのモスクは、親タリバンを主張し、男女のための巨大なモスクを持つ。

北西辺境州、特にTNSMが指揮する地域に拡大しているタリバンとアルカイダのシンパたちは、このアジズを新責任者にしているとパキスタン政府は見ている。アジズは毎晩TNSMのメンバーに、電話で説教を送る。

ラール・マスジッドには、政府が指名手配している人物が多数いる。しかしイスラマバードは、兄弟の権力と影響力、ジハード世界における彼らの位置づけを考慮して、これまで手入れを行なったことはない。

NATOと米軍がパキスタンを攻撃した場合、彼らが抵抗運動を始めることは間違いない。モスクでは70人が、自爆攻撃を行なう準備をしているとも言われている。しかしモスクを攻撃した場合、イスラマバードからアフガニスタンとの国境地域、さらにその先にまで、大きな影響力を及ぼすことになり、パキスタンは大混乱に陥る。

現在の「テロとの戦争」において、アメリカはこれを望んでいない。少なくとも、パキスタンからタリバンとアルカイダを追い払うために、もうひと努力する必要がある。過去5年間でワシントンはパキスタンに、10億ドルをテロ対策のために支払った。今アメリカは、この金額の見返りを要求している。

ムシャラフは最高裁判所長官を更迭したことで、野党の攻撃を受けている。彼に対立する宗教的・政治的陣営は、大きな反対運動を展開している。しかしジョン・ネグロポンティ国務省長官代理やリチャード・バウチャー国務省副長官が最近パキスタンを訪れ、自分たちがムシャラフを支持していることを表明した。

(中略)その理由は2つある。イランを攻撃することになった場合、アメリカはパキスタンの協力が必要だ。また、アメリカはパキスタンにおけるタリバンとアルカイダのリバイバルを気にしている。

(中略)ムシャラフは、グアンタナモ収容所にいる囚人たちを引き取ることに、同意している。今度は、米兵をパキスタン国内に受け入れようとしている。ムシャラフとパキスタンにとっては、大きな賭けだ。アフガニスタンにおける「テロとの戦争」にも、影響を与えるだろう。

garrUS to hunt the Taliban inside Pakistan
Syed Saleem Shahzad、KARACH

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.