【2007年7月16日〜7月22日】


■ドイツ人の遺体、発見される[070722 AP]

アフガニスタン南部で、誘拐されたドイツ人援助活動家の遺体が発見されたと、警察長官が日曜日に発表した。また韓国人23人の解放のために、韓国から政府代表団が到着した。

ドイツ人の遺体が、ワルダック州で発見された。タリバン報道官が土曜日に、ドイツがアフガニスタンから撤退しなかったためにドイツ人を射殺したと発表した。しかしアフガニスタンとドイツ政府は、ドイツ人1人は心臓発作で死亡し、残りの1人はまだ生存していると見ている。

8人からなる韓国政府関係者が、タリバンと交渉するためにアフガニスタンに到着した。タリバン報道官のカリ・ユースフ・アフマディは、23人の韓国人と引き換えに、23人のアフガン人の囚人の釈放を要求している。

hoonBody of German recovered in Afghanistan
AMIR SHAH、KABUL

■ミランシャーで戦闘員13人殺害[070722 News]

土曜日の夜にミランシャーで、治安部隊が戦闘員と衝突して戦闘員13人が死亡したと、『Geo News』が報道した。

軍報道官のワヒード・アルシャッドがテレビに語ったところによると、最初の衝突で戦闘員4人が死亡したという。後に2台の車輛に乗った抵抗勢力が、治安部隊の検問所を攻撃した。治安部隊が応戦して、戦闘員9人が殺害されたという。この他に7人が逮捕された。

北ワジリスタン各地とバヌーで戦闘員たちが、部族民警察の検問所6ヵ所を撤去した。さらにモーラビ・アブドゥル・ハリーク・ハッカーニが、ラール・マスジッドで殺害された学生たちの報復をするという声明を発表した(後略)。

hoon13 militants killed in Miranshah
ISLAMABAD

■タリバン、ドイツ人捕虜2人殺害と主張[070721 AP]

タリバン報道官が土曜日、ドイツ政府がアフガニスタンからの撤退を表明しなかったために、ドイツ人捕虜2人を射殺したと発表した。

カリ・ユースフ・アフマディによると、ドイツ人は射殺されたという。水曜日にワルダック州でダム建設プロジェクトに従事していたアフガン人同僚5人とともに、誘拐された。

「ドイツとアフガン政府が、我々の条件を飲まなかった。ドイツ軍を撤退させなかった」と、アフマディが語った。アフマディは、2人が殺害された証拠を提供しなかったが、今後遺体に関する情報を発表すると述べた(後略)。

garrTaliban claims to kill 2 German hostages
NOOR KHAN、KANDAHAR

■韓国、予定通りアフガニスタンから軍を撤退させると表明[070721 AFP]

韓国のロー・ム・ヒョン(盧武鉉)大統領が、ソウルは2007年末までに軍を撤退させるために、誘拐した韓国人たちを解放するよう、抵抗勢力に要求した。

(中略)タリバンは、ソウルが軍をすぐに撤退させなければ、人質18人を殺害すると脅迫している。人質たちの安否はわからない。

ローは、誘拐された韓国人たちは、アフガニスタンで援助活動をしていたと強調し、「無実の一般市民を捕虜にしてはならない」と述べた。またアフガニスタンに駐屯している韓国軍は、軍のエンジニアか医療活動をしており、戦闘に加わっていないと強調した。

これに先立ち土曜日の朝、外務大臣のソン・ミン・スンが、韓国軍は計画通り、今年末までには撤退する予定だと発表している。兵士たちは1夜のうちに準備をして帰ることは不可能だと述べた。

(中略)20〜30代の韓国人たちは7月13日に「宣教」病院や孤児院で「ボランティア活動」をするためにイスラームの国アフガニスタンに出かけ、月曜日に帰国予定だったと、彼らが所属する教会が発表した。

(中略)誘拐された韓国人たちは、ソウル郊外にあキリスト教組織て、ブンダンのSaem-Mul Protestant Community Churchに属するという。

hoonSouth Korea troops to pull out of Afghanistan on schedule
Park Chan-Kyong、SEOUL

■タリバン、韓国人とドイツ人を誘拐したと主張[070720 AFP]

キリスト教徒の韓国人18人とドイツ人2人を誘拐したと、タリバンが発表した。ベルリンがアフガニスタンから兵を撤退させなければ、解放しないという。

「タリバンが韓国人を誘拐した。韓国人18人、男性3人と女性15人を誘拐した」と、タリバン報道官のユースフ・アフマッドが語った。「タリバンと一緒にいて無事だ。現在取り調べをしている。タリバン会議で、彼らの最終的な運命を決める」。

韓国人たちはアフガニスタン南部を移動していたところ、木曜日に誘拐された。「伝導的」行為をする教会に属し、アフガニスタンで最も戦闘員たちの被害を受けている場所で、援助活動を行なっていた。

hoonTaliban claim abduction of South Koreans, Germans
Waheedullah Massoud、KABUL

■パキスタンの自爆で4人死亡[070720 AP]

北ワジリスタンの検問所で、車を用いた自爆事件で4人が死亡したあと、戦闘員の間で衝突が発生した。

政府が45人の使節団を派遣して親タリバン系戦闘員のリーダーたちと話し合いを開始した数時間後に、ミランシャー郊外で自爆攻撃があり、兵士1人と一般市民3人が死亡した。

(中略)政府関係者が部族民たちと話し合いを行なっている間に、検問所で制止された男が自爆したという。

関係者によると、戦闘ヘリコプターに援護された治安部隊が戦闘員の隠れ家を襲撃して、銃撃戦になったという。戦闘員側に負傷者がいたかどうかは、明らかではない(後略)」。

garrSuicide bombing in Pakistan kills 4
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■自爆犯、パキスタン軍モスクで15人を殺害[070719 AFP]

アフガニスタンとの国境近くのパキスタン北西部にある軍のモスクで、夕方の祈りの最中に自爆攻撃があり、少なくとも15人が死亡、数十人が負傷した。

「自爆攻撃だった」と、地区警察長官のズルフィカール・チーマが語った。「陸軍のモスクで夕方の祈りが行なわれている最中に、自爆犯が自爆した」という(中略)。

軍関係者を中心に19人が負傷したと、コハートの警察関係者が述べた(後略)。

garrSuicide bomber kills 15 in Pakistan army mosque: police
PESHAWAR

■パキスタンの自爆攻撃で、36人死亡[070719 AP]

自爆犯がパキスタン南部で、中国人が乗った車列を攻撃した。また北部では警察学校を攻撃し、36人が死亡、54人が負傷した。

車列がバローチスタン州のハブのバザールを通過していたところ、車が近づいてきて、検察車輛の隣りで爆発した。

ハブ警察長官のグーラム・ムハンマド・タイーブによると、警察官7人を含む29人が死亡したという。30人ほどが負傷した。重傷者もいる。

「強力な爆弾を搭載してたが、車間をとっていたために、アッラーはとても親切だった」と、サリーム・ナワーズパキスタン準国境警察司令官が述べた。

警察官が「命を犠牲にして、中国人の友人たちは全員無事たった」と、ナワーズが述べた。中国人たちはバローチスタン州のドゥデールの鉛抽出プラントで働いていたが、安全のために、一時的にカラチに移動するところだった。関係者によると、リモートコントロール爆弾だったという。しかし、10人の中国人をミニバスに載せて警護していタイーブとナワーズは、自爆攻撃だったと述べた。

(中略)木曜日に部族地帯各地から30人ほどの長老が北ワジリスタンを訪れ、戦闘員たちに和製協定を破棄しないよう、説得した。

水曜日には戦闘員たちがミランシャーの近くで軍の車列を攻撃して、兵士17人を殺害した。この地域では治安部隊と戦闘員の間で衝突があり、戦闘員8人が死亡している(後略)。

hoonPakistan suicide bombings kill 36
ZARAR KHAN、KARACHI,

■パキスタンの車爆弾で7人死亡[070719 Reuters]

木曜日早朝、パキスタンの北西部の町ハングにある警察の訓練所で、車に乗った自爆犯が自爆した。

(中略)ハングの攻撃では、犯人が早朝、若い志願者たちが訓練を受けていた警察センターに入り込もうとした。「犯人は門を突破しようとした。警備員たちが制止しようとしたところ、自爆した」と、ファハレ・アラムが述べた。「警察官6人と通行人1人が死亡した」。警察関係者によると、この他13人が負傷したという。

ハングはこれまで宗教抗争が多発していた地域だが、パキスタンの部族地帯とも近い(後略)。

garrSeven killed in Pakistan car bomb attack
KOHAT

■アフガニスタンでドイツ人2人行方不明[070718 AFP]

水曜日にドイツの外務省が、ドイツ国籍の者2人がアフガニスタンで行方不明になっていると発表した。

外務省報道官のマルティン・ヤガーによると、カブールのドイツ大使館に、2人が朝から行方不明になっているという報告が入ったといい、現在行方を捜査中だという。地元政府によると、ドイツ人2人がアフガン人5人と一緒に誘拐され、一行は国連職員である可能性が高いという(後略)。

hoonTwo Germans missing in Afghanistan
BERLIN

■パキスタン、戦闘員たちに「直面」しているとムシャラフ[070718 AFP]

ムシャラフ大統領が、パキスタンは戦闘員たちと「直接対面」しており、ここ数週間続いている一連の自爆攻撃の首謀者を攻撃することを誓った。

「我々は過激派と直接対面している。穏健派と過激派の戦いだ」と、ムシャラフが述べたという。「我々は自爆犯たちが送り出されるその源を、攻撃しなければならない。事件の背後に誰がいるかは、わかっている。彼らを援助している者たちを攻撃しなければならない」と、ムシャラフが述べた(後略)。

hoonPakistan in 'direct confrontation' with militants: Musharraf
ISLAMABAD

■ブッシュの側近、パキスタンにおけるアルカイダとの戦いを失敗と見る[070718 New York Times]

ブッシュ大統領の対テロアドバイザーが、パキスタンにおけるアルカイダのビンラディンと戦う作戦が失敗したことを、火曜日に認めた。またホワイトハウスは新たな諜報報告書を発表し、パキスタン国内でこれまで以上に攻撃的な方策を考えざるをえないという。

諜報報告書によると、アメリカはアルカイダと戦うための数々の前線を失いつつあり、テロリスト組織はこの2年間で明らかに強力になったという。

諜報関係者とホワイトハウスの側近たちは、アルカイダの力は、ムシャラフが昨年和平協定を結んだパキスタンの部族地帯で育っている、と言い切る。「パキスタンではうまくいっていない」と、ホワイトハウスの国家安全委員会を率いるフランセーズ・フラゴス・タウンシェッドが述べた。

ブッシュ政権はこれまでムシャラフの和平協定を非難してきたが、和平協定が無効になった可能性が高いために、ムシャラフはやっと新たな方策を取らざるを得なくなったはずだと、火曜日に安堵を表明した。

しかし、ムシャラフが部族地帯で力を発揮できることに、あまり期待していない。「これまでも彼は軍を派遣しているが、すぐに撤退する」と、ある関係者が述べた。「部族地帯の脅威は切実だ。なんとかしなければならない。彼が対処できれば、アーメンだ。しかしできなければ、その能力を作り出し、借りてこなければいけない」。

この極秘諜報報告書は、イラクにおける新たなアメリカの政策を国会で論議している最中に公表された。イラクがテロとの戦争の「中心的な前線」であるというブッシュ政権の主張を強化するものであると、ホワイトハウスが述べた。

(中略)パキスタンにおけるアルカイダの脅威に対処するために、アメリカ政府関係者たちはここ数週間話し合いを進めており、新たな戦略を考えているという。アルカイダを針で刺すように攻撃するだけではだめだというが、その方法については、ムシャラフを侮辱しないためにも極秘だという。

タウンセンドは、パキスタンにおけるアルカイダの脅威に対処するための戦略について語ることを、拒否した。しかし、ビンラディンやザワヒリを6年間も生かし続けたことによって、彼らが強化されたことに対していらだちを表わした。

(中略)国会議員たちの間では、パキスタンの扱いを考えるときにホワイトハウスはムシャラフの安定を優先させすぎたために、アメリカの対テロ作戦が失敗したという声があがっている(後略)。

smellBush Aides See Failure in Fight With Al Qaeda in Pakistan
MARK MAZZETTI and DAVID E. SANGER、WASHINGTON

■パキスタン兵16人、攻撃されて死亡[070718 AP]

水曜日にパキスタンの北西部で、戦闘員が治安部隊を攻撃する事件が2ヵ所で発生し、兵士16人が死亡、21人が負傷した。

(中略)火曜日にはイスラマバードでは自爆攻撃があり、15人が死亡している。

(中略)ムシャラフ大統領は火曜日の爆発を「テロ行為」と呼び、犯人の背後関係を調べているという。治安関係者によると、犯人の頭部が発見された。

イフティハール・ムハンマド・チョードリー裁判官の支持者たちが、政府のさしがねで事件が起きたと非難した。いっぽうムシャラフと同盟を組もうとしている野党の政党が、自分たちの支持者を狙ったものだったと主張した。事件があったとき、チョードリーは現場から数マイルしか離れていなかった。

(中略)水曜日に北ワジリスタンの中心地であるミランシャーから25マイル西に離れた場所で、抵抗勢力たちが遠隔操作爆弾を爆発させたあとて車列を襲撃したと、軍報道官のワヒード・アルシャッドが述べた。兵士16人が死亡し、14人が負傷したという。

これに先立ちミランシャーの近くで別の車列も爆発し、兵士1人と一般市民6人が負傷した。

さらに水曜日、ミランシコーでロケット弾5発が撃ち込まれ、親政府系部族民長老の自宅玄関が爆発した。どちらの事件でも、負傷者はいない模様である。

(中略)火曜日にワシントンで暴露された諜報情報によると、北ワジリスタンで和平協定が締結されたことで、アルカイダがテロ訓練所を新たに設営する機会を与えてしまったという。アルカイダはパキスタンとイラクで力を蓄え、アメリカを攻撃しようとしているのだという(後略)。

garr16 Pakistani soldiers killed in attack
BASHIRULLAH KHAN、MIRAN SHAH

■アルカイダ、「アメリカに対する攻撃を強化」[070718 BBC]

アルカイダはアメリカに対する攻撃を行なうために工作員を増やしており、アメリカ国民は彼らに攻撃される危険性が高まって来たと、アメリカの諜報組織が報告した。

アナリストたちは、戦闘員たちはイラクのアルカイダ戦闘員と接触して技を磨き、アメリカを攻撃しようとしているという。アルカイダのリーダーたちはパキスタンの部族地帯に「拠点」を築き、再結成していると付け加えた。ただし現時点においては、アメリカにおけるテロの脅威はないという。

National Intelligence Estimateの報告書は、先週リークされた極秘報告書に続くものである。極秘報告書によると、アルカイダは9.11以後、その能力は最大になっているという(後略)。

hoonAl-Qaeda 'stepping up US efforts'

■自爆犯、パキスタンの裁判官のための集会で15人殺害[070717 AFP]

火曜日に、パキスタンで更迭された裁判官の出席が予定されていた集会場で自爆攻撃があり、15人が殺害された。

2方向から圧力がかけられているムシャラフは、今回の攻撃でさらに圧力がかけられたことになる。最高裁判所裁判官のイフティハール・ムハンマド・チョードリーの更迭と、ラール・マスジッドに突入した一連の暴力沙汰である。

強力な爆弾により、チョードリーの支持者が集った集会場に、人間の残骸が飛び散った。彼は後に現場に到着して、犠牲者のために祈った。

(中略)チョードリーが演説を行なう予定だったステージの100メートル周辺には、靴や椅子、バイクなどが散乱していた。

(中略)しかし標的は、ベナジール・ブット元首相のPPP活動家だった可能性もあるという。現場はPPPの勢力的な活動家の事務所の隣りだった(後略)。

garrSuicide attacker kills 15 at Pakistan judge rally
Frank Zeller、ISLAMABAD

■アメリカ、戦闘員に対して軍事作戦を行なうよう依頼[070717 AFP]

アメリカはムシャラフ大統領に、部族地帯に隠れている戦闘員に対して軍事作戦を行なうよう、火曜日に促した。

「何らかの軍事作戦が必要だということを認識し、それを実施する必要性も考えられる」と、米国務次官補のリチャード・バウチャーが述べた。またアメリカはパキスタン軍、特に「国境警察隊」をアップグレードするための準備ができているとも述べた(後略)。

hoonUS asks Pakistan to launch military offensive against militants
WASHINGTON

■緊張の最中、パキスタンの自爆犯が4人を殺害[070717 AFP]

火曜日に自爆犯がパキスタンの部族地帯の検問所で、兵士3人と一般市民1人を殺害した。

(中略)自爆者が、ミール・アリの軍と準軍隊の検問所を攻撃した。「治安部隊がトラックに制止を命令したところ、男が車から降りて検問所に歩いて行き、自爆した」と、軍報道官のワヒード・アルシャッドが述べた。この他に兵士2人が負傷したという。

これと関連して、ミランシャーの別の2つの検問所がダイナマイトで爆破された。負傷者はいない模様である。

バジョールでは、アフガン国籍の男の首が掻き切られ、アメリカのスパイだと名指ししたメモとともに、放置されていた。

さらにスワートでは、警察官の車が遠隔操作爆弾で攻撃され、警察官3人が負傷した。

(中略)政府は月曜日に戦闘員たちとの関係を修復するために代表者を派遣したが、話し合いは失敗に終わった。「まだ希望は持っている。和平協定を存続させるための努力を行なっている」と、関係者が述べた(後略)。

garrPakistan suicide bomber kills four as tensions rise
MIRANSHAH

■外国人死亡者といわれた2人はパキスタン人[070717 News]

外国人だとされていた遺体のうち、さらに2人の遺体がパキスタン人のものであることが判明して、ラール・マスジッドに外国人がいたという主張が偽りであったことがわかった。

死亡者の両親が写真を通して、遺体が自分たちの息子であることを確認した。政府がウズベク人だと主張していた人間のうちの1人はカフタ出身のムハンマド・ウメルで、もう1人は南ワジリスタンの出身の15歳のザインウッラーだという。

hoonTwo more dead素oreigners identified as Pakistanis
Ahmad Noorani、ISLAMABAD

■パキスタンの国境地帯における、激しい戦い[070716 Asia Times]

(前略)活動を禁じられているシャリア法施行運動(TNSM)は、スワートに大きな影響力を持ち、モーラナ・ファズルッラーが人々を統率している。

ラール・マスジッドとその関連マドラッサの学生多数が、北西辺境州の出身者と思われ、治安軍に報復を行なおうとしている。軍はこの地域に数千人を派遣した。

同様に、北ワジリスタンのパキスタン人タリバンも、日曜日に和平協定を破棄した(中略)。

スワート南部のバジョール行政区のマムーンでも、状況は同じだ。しかし地元の戦闘員たちの関心は、アフガニスタン側の外国軍にある。

(中略)ビンラディンやザワヒリ、ヘクマチアルなどがこの地域に自由に出入りしていると、欧米諜報組織は信じている(中略)。そのために、米軍はバジョールと接する国境のガヒ峠の山頂に、米軍基地を建設中である。

戦闘員たちは、パキスタン国内で自分たちに対する作戦が実施されることを予測している。そのために戦闘員たちは新しい基地を攻撃して、基地の完成を遅らせようとしている。

「これはムジャヒディンにとっては生死にかかわる問題だ(中略)」と、イスマイルが述べた。イスマイルの息子は数週間前に基地を襲撃していたところを、米軍に殺害された。イスマイルはTNSMのリーダーで、バジョールのジハードの中心人物である。「息子は命を捧げた。基地の完成を絶対に妨害してやる。最後の最後まで、戦う」。

(中略)バジョールは南北ワジリスタンと比べて、FATAの中では比較的に進歩的な地域である。識字率も他の地域と比べると高い。この地域で活動するグループは、ハラカトゥル・ムジャヒディン、モーラナ・ファキール・ムハンマドが率いるTanzeem Ishat-i-Toheed Wal Sunnaや、そのほかアラブ系の組織である(中略)。組織のほとんどがアフガニスタンに焦点を当てているが、パキスタン軍と対立する組織もある。

イスラマルはTNSMの一員だが、スワートのモーラナ・ファズルッラーと違い、パキスタン政府との対立を望んでいない。彼はアフガニスタンで戦うことだけを望んでいる。(中略)「パキスタン軍と戦っても、最終的な解決にならない。アフガニスタンで欧米と戦うという戦闘の目的から、反れてしまう」とイスマイルは語る。

(中略)「私はクナール州のすべてのアフガン政府の人間を知っている。この基地が完成すれば、彼らが我々に介入してくることは明らかだ。パキスタン政府にとっては、大きな圧力となる。だからその圧力を取り除けば、パキスタンは我々に介入するはずはない。パキスタンが我々にすることはすべて、強制されていることだ」。

「当初私はクナールの地元の人間と連絡を取り、基地の建設に協力しないように頼んだ。しかし効果がないことがわかったので、若者たちに攻撃して、建設を遅らせるように依頼した」。

(中略)「ムジャヒディン運動は今、クライマックスを迎えている。NATO軍はじきにクナールを失い、彼らの野望もしぼんでしまうだろう」と、イスマイルは自信ありげに予言した。

hoonA fight to the death on Pakistan's border
Syed Saleem Shahzad、BAJAUR

■パキスタンの部族地帯への援助を憂慮する声[070716 New York Times]

米国はパキスタンの部族地帯に、今後5年間かけて7億5000万ドルの援助金を提供し、アルカイダとタリバン戦闘員たちがいる無法地帯で人々の「心を勝ち取る」作戦を行なうことにしている。

しかしこの計画が始まらないうちから、パキスタン政府によってもコントロールできない攻撃的な地域に金を分配することを、関係者たちは憂慮し始めている。

地元関係者の間では、援助金が誰に与えられるかが大きな問題となっており、アメリカ人関係者たちは、数百万の金が、誤った人間の手に渡るのではないかと心配している。この地域にいる地元政府関係者や部族民長老は、アメリカやパキスタン政府が一掃しようとしているグループそのものと、共存してきた。

United States Agency for International Developmentが実験的プロジェクトとして用いる現地の病院を訪れると、現実が良くわかる。平屋建てのこの病院は、最近ずっと空だ。

地元の人間は、この病院に入院する手だてがない。110あるベッドのなかの3つだけが使用されていた。手術用ベッドは、数カ月間使用されていない。給料があまりにも悪く安全性も低いので、医師たちは辞職してしまったと、医師代表のユースフ・シャーが語る。

当記者を病院に案内してくれた地元の政治家のボスは、アメリカの援助金は、すべて「我々に与えてほしい」と述べた。しかし安全面のために、アメリカが予定している最初の1億5000万を支給できずにいる。

「部族地帯に1億5000万ドルを支給すれば、すぐに何人かの人間が金持ちになり、この地域のために公正に金が使用されることはない。」と、ワシントンのCenter for Strategic and International Studiesのクレイグ・コーヘンが語る。しかしワシントンはこの地域、FATAに、テロに対処する1つの方法として開発援助金を支給しようとしているということが、『ニューヨーク・タイムズ』が入手したAgency for International Developmentの草稿からわかる。

草稿によると、部族地帯の「統治の欠如」のために資金が有効に使用される保証はなく、「この地域の開発の遅れや不安定さ」のために、資金支給のための障害を解決できないと警告している。

この計画は、6月に国務省のリチャード・ボーチャーがパキスタンを訪問したときに注目された(後略)。

hoonAid to Pakistan in Tribal Areas Raises Concerns
ANE PERLEZ、GHALANAI

■パキスタン、戦闘員の和平協定を復活させることに尽力[070716 AP]

月曜日、政府が部族民の長老たちを部族地帯の戦闘員のもとに送り込み、自爆や爆弾事件の最中に破棄された和平協定をなんとか救済しようと尽力している。

先週末にイスラーム戦闘員たちが、10ヵ月前に締結された和平協定を無効にし、兵士や警察志願者などを狙った一連の自爆攻撃を行なって、73人を殺害した。

和平協定のおかげでこの地域では武力行為が減少したが、アメリカのような批判家たちは、タリバンやアルカイダが拠点としている地域に過激主義が成長する結果となったと批判している。

北西辺境州政府のアクラム・ハーン・デュラニは、和平協定が失敗したら「危険な結果」になると、警告した。

政府に支持された部族民長老たちが月曜日に北ワジリスタンのミランシャーで戦闘員リーダーたちと会ったと、諜報関係者が述べた。戦闘員たちは政府との合意を守るよう説得され、政府は以前の軍事作戦で被害を被った者すべてを補償すると述べたという。

内務省は、話し合いが進んでいることを認めた。「政府は和平協定をまだ無効にしていない。部族民長老が話し合っている」と、内務省報道官のタスニム・アスラムが述べた。

(中略)政府関係者たちは、イスラマバードのモスクの原理主義聖職者たちが、北ワジリスタンの戦闘員と関係していたことを示唆する。(中略)情報相のタリーク・アジムが語ったところによると、モスクの死者の中には、外国人戦闘員がいたと思われると述べた。「彼らが投降するだろうか? 彼らは熟練した戦闘員で、死ぬまで戦ったはずだ」。逮捕者のなかにも外国人がいるかどうか、現在調査しているという。

(中略)米国は3月に、パキスタンの北西部の過激派たちを取り締まるために、7億5000万ドルを援助すると述べている。5年計画で支払われるこの金額が、政府がほとんどコントロールできない地域にどう使われるかは、明らかではない(後略)。

hoonPakistan tries to salvage militant truce
RIAZ KHAN、PESHAWAR

Sniffed Out By Trail Dog 0-1, 2003 - 2007.