【2007年7月23日〜7月29日】
●(前略)アメリカは部族地帯、特にワジリスタンの状況を心配している。アルカイダが再びアメリカを攻撃する可能性があると、考えているからだ。
●アメリカはムシャラフに協力しているものの、パキスタン国内にいるアルカイダを攻撃する可能性があることを、ほのめかした。このようなことをしたらパキスタンは不安定になり、さらなる戦闘員たちが生まれてしまう危険性が大いにある。
●(中略)アメリカがパキスタンを空爆する可能性があると主張していることは、パキスタンに圧力をかけるためと見る者が多い。しかし、パキスタン政府はこれに強く反応し、国家の主権を守るべきたと主張した。
●(中略)パキスタンの治安関係者は、部族地帯のアルカイダの責任者としてハリッド・ハブを挙げ、彼が部族地帯における戦闘活動をとりまとめているという。もう1人が、2月にディック・チェニーがアフガニスタンを訪問した際に米軍基地の外で発生した自爆事件の首謀者と言われる、アブ・ライス・アル・リビである。
●アル・リビは、北ワジリスタンとアフガニスタンの間を行き来しており、有名なタリバン責任者、ジャラウッディン・ハッカーニと関係がある。この事実は、アルカイダがタリバンと協力していることを意味し、数千人の地元協力者が味方につく。
●(中略)パキスタンの部族地帯は、ザワヒリとビンラディンに率いられた組織の拠点となり、ここから世界にむけてテロが指揮されている(中略)。
●しかし、アフガニスタンからパキスタンを空爆すれば、ムシャラフを窮地に追いやることになる(中略)。さらに部族地帯の危険な地形やアメリカに対する敵意を考えると、米軍が勝利する保証はない。「たとえアメリカがザワヒリやビンラディンを排除することができたとしても、政府や啓蒙されたパキスタン社会の中で、涙を流す者は誰もいないなだろう」と、ラホール大学の経済科学者ラスール・バクシュ・ライスが語る。「しかしアフガニスタンでしているように誤爆を繰り返せば、一般人の犠牲者が増え、アメリカに対するパキスタン人の怒りがさらに大きくなる」。「パキスタン全土が不安定になり、戦闘員がさらにアフガニスタンに流れ、米軍と戦うことになるだろう」。
●(中略)部族地帯の住民によると、数千人のタリバン戦闘員がこの地域におり、今後パキスタン軍が大きな作戦を行なった場合、南と北ワジリスタンが協力して戦うという。南北ワジリスタンの協力は、初めてのことだ。
●パキスタンの部族地帯の安全責任者のマフムード・シャーは、外国人戦闘員約2000人−−ウズベク人、チェチェン人、タジーク人が、資金を提供して計画するアラブ人たちとともに、北ワジリスタンに隠れているという。戦闘員たちは、ミールアリ南部とダッタ・ヘール西部の4つの村と、南ワジリスタンを拠点とする。
●(中略)「タリバンたちは、腐敗した部族民長老よりも、地元の人間に人気がある」と、ミールアリでマドラッサを運営するムフティ・メフムード・ハッサンが語る。「彼らは強奪や犯罪行為を排除した」。
●パキスタン政府は、和平協定はまだ救えると期待している。「もし政府が本当の宗教指導者と話し合い、部族民の名誉や生活、財産を保証すれば、軍事作戦に反対する者はいないだろう。しかし政府が流血を望み、部族民たちの命を危険にさらせば、人々から最悪の反応あるだろう」。
Militants flourish new al-Qaida haven●イスラマバードやラワルピンディのマドラッサやモスクには、自爆志願者約600人が潜んでいると、情報源が語った。
●「ジャミア・ハフサとジャミア・ファリーディアの学生600人が、ラール・マスジッドの作戦後も自宅に帰っていない。彼らはいわゆる『行方不明生徒』で、2つの町のマドラッサやモスクに隠れている。彼らは歩く爆弾で、いつでも、どこでも自爆するつもりでいる」と、自爆事件を直接捜査している関係者が述べた。
●「ラール・マスジッドの元祈祷責任者のモーラナ・アブドゥル・アジズの取り調べから、2つのマドラッサの500〜600人の学生が、自爆の訓練を受け、洗脳されていると述べた。学生たちはモスクに軍が突入する前に、すでにマドラッサを出ていた」という。女学生の中にも、自爆者たちに協力する訓練を受けた者がいるという。
●諜報情報によると、約60人の工作員が、治安関係者に対する攻撃を指揮しているという。「取り調べから、これらの工作員たちはFATAから指揮している」。「軍事作戦も大量殺人も、この問題を解決できない。そのようなことをしたら逆に、国内で大量の血が流れることになるだろう」と、モーラナ・アジズが取り調べ官に語ったという。
600‘suicide bombers’lurking in twin cities●(前略)先週、パキスタンの兵士が北ワジリスタンのミランシャーに通じるすべての道路を封鎖し、周囲の丘を占拠した。
●金曜日の朝、戦闘員が政府の建物を爆破したあと、軍はミランシャーに入った。約6万人の住民が閉じ込められた恐れがあるが、数百家族は近くのバヌーに避難したようだ。
●私は先週、約8万人の軍隊がワジリスタンに派遣され、ミールアリ郊外のハイウェイを移動していくのを見た。このあたりの道路に設置されたすべての検問所は、放置されている。そのうちの3つは、戦闘員の攻撃で崩れていた。道路を走る隊の車はない。ヘリコプターで、国境近くまで運ばれるからだ。時折一般市民の車が通り、女性や子供、持ち運べるものすべてを持って避難していた。
●「現金を持つ者は、みな逃げている。夜寝ることができない。戦闘員たちは夜活動するからだ。いつも動き回っている。軍を攻撃すれば、攻撃し返される。無実な一般市民が、犠牲になる」と、ある村人が述べた。
●(中略)ミラリ出身のビジネスマンであるヌール・アブドゥッラーが語った。「みんな怖がっている。戦争が近い。人々は避難している。しかし、軍は戦闘員たちと戦うことはできないだろう。みんな熟練した戦闘員だからだ」。「人々は戦闘員の味方だ。数千人いる。あちこち移動している。山や洞窟に住んでいる。険しい地形だ」。
●「状況は複雑だ。商売に大きな影響が出ている。みんなが苦しんでいる。地元政府関係者は消えてしまった。外に出ることを恐れているのだ。タリバンは、彼らを見逃しはしない」。
●以前この地域は、部族の民兵が管轄していた。しかしタリバンに脅迫されたあと、逃げてしまった。ハイウェイにある民兵の検問所は、現在は道路の両脇に掘られた塹壕の中から数十人の兵士たちに監視され、自爆攻撃を防ごうとしている。
●(中略)神経質そうな兵士2人が、出入りする車を検問しているのを見た。しかし、戦闘員たちを制止しようとはしていなかった。
●ミラリの検問所から1マイルほど離れたところで4人のウズベク人たちが、駐車した白いトヨタのサルーンの中で、強力な無線電話で話をしていた。ウズベク人は、アルカイダの代名詞でもある。私の運転手が彼らに近づくと、1人は顔を隠した。さらに道の先に、2人のウズベク人が無線で話していた。
●難民たちがバヌーに到着すると、町の宗教指導者であるカリ・ムハンマド・アブドゥッラーが語った(中略)。「ワジリスタンで戦争をすれば、国内で市民戦争が始まる」。「ワジリスタンは第2のバグダッドになるところだったのを、我々宗教者が救ったのだ。軍が国民に対して作戦を行なえば、バグダッドになってしまう」。
●パキスタン陸軍の情報源によると、「戦争をやらざるを得ない。他に選択肢はない」という。
●危険は明らかだ。タリバン軍は南ワジリスタンの丘の上に陣取り、軍の補給物資を遮断して政府軍の支配を妨げるために、自身の検問所を作っている。
●金曜日にはミランシャー周辺で衝突が頻繁になり、タリバンが新たに設置した軍の検問所をロケット弾で攻撃した。また事務所や女子校から、コンピュータ30台が略奪された。
●緊迫した状況にもかかわらず、ワジリスタンの最も利益のあがる商売−−密輸−−が横行している。道路を走るトラックが家畜を積み、アフガニスタンに向かって行く。恐らく密輸だろう。地元の部族民は家畜を載せて国境を越えるトラックに、1台につき75ボンドの通行税をかけている。
Musharraf risks civil war as he invades the Al-Qaeda badlands●金曜日の夜に北ワジリスタンで、検問所がロケット弾で攻撃されて兵士1人が負傷した。治安部隊は、ミランシャーの町の周囲に新たな検問所を設置し始めた。
●ミランシャーの準軍隊基地に駐屯している治安部隊が応戦し、土曜日の夕方ダータヘール地区で、戦闘員を迫撃砲で攻撃した。負傷者はいない模様である。
●関係者によると、金曜日の夜、戦闘員がガズラマイ地区の検問所にロケット弾20発を撃ち込み、この攻撃で兵士1人が負傷した。情報源によると治安部隊がすぐに応戦して、迫撃砲で戦闘員の隠れ家を攻撃したという。
●住民によると、治安部隊はさらにミランシャーの町に近づき、町の郊外に検問所を設置し始めた。5時〜7時の間、検問所近くに人間が近づくことを禁止している。また、検問所に派遣された兵士の数も増えている。さらに治安部隊は、土曜日にエイシャ検問所で、バヌー〜ミランシャー間の道路を封鎖した。この地域では緊張が高まっているために、バザールでは一部の店が閉まっている。目撃者によると、治安部隊の動きが始まる前に、戦闘員たちがバザールから撤退したという。また、軍は町の周囲に塹壕を掘り始めた。
Soldier injured●土曜日にマイデンの近くのレグディ・ハワール地域で、警察官3人が射殺された。関係者によると、死亡したのはラール・キラ警察署の警察官だという(中略)。警察官2人は即死し、1人はティメルガラ病院で息を引き取った。
●またバヌー警察が金曜日の夜、車の中からロケット弾6発と迫撃砲28発、爆発物10キロとガス・シリンダー、起爆装置やヒューズを押収して、テロ行為を防いだという。
●関係者によると、車は北西辺境州の大臣、アキラーム・ハーン・デュラニの故郷であるソーラニ地域の電話交換局の近くに停めてあったという。警察は不武器や爆発物に関する情報を入手したために、バヌー〜コハート道路を封鎖していた(後略)。
Three policemen killedTIMERGARA●(前略)ムシャラフは、ついに彼に協力することに同意したベナジール・ブットーとの「取り引きを終え」、アラブ首長国連邦とサウジアラビアから帰国する。
●ある情報源が、両者は既に取り引きを終え、アブダビの会見は長い困難な道の末にいきついた「一種の儀礼」だったと語った。
●ムシャラフとベナジールの会見は、あたかも話し合いが今始まったかのごとくメディアにリークされたが、すでに取り引きは「協力者」たちのおかげで完了しており、今回両者は儀礼的に会ったにすぎないという。情報源は、話し合いが「決裂」したという報告は、まったくの「でたらめ」だと主張した。
●ムシャラフに近い関係者によると、ムシャラフは今年の末までに陸軍長官の地位を退き、国民に「新年の贈り物」をするのだという。
●ベナジールは、制服の問題を重視していない。PPPは、陸軍長官の地位のままムシャラフが、再選されることを支持するという。選挙のあと、彼は制服を脱ぐ。そしてムシャラフは、現国会により大統領に再選される。
●「そのお礼としてベナジールは、首相の座を3期勤めることを禁じる現憲法を改正して、3期目の首相となる」と、ある情報源が語った。
●陸軍幹部から退くのは、ムシャラフだけではない。少なくとも2人の陸軍幹部が彼とともに退き、新たな陸軍長官が手綱を取ることになる。
●「彼女は、ムシャラフの制服を譲歩される」と、PPPの幹部が語った。「このようにして、彼女は自分の政党に有利に取り引きを用いる」。
●さらにベナジールは、自分の意のままに動く首相を得ることになり、中立な選挙委員会の管理のもとで行なう公正な選挙が執行される。
●マーク・ライオール・グラント元駐パキスタン大使が、新しい英国の外務省特使としてパキスタンを訪れた。グラントはここ数年間、この取り引きのために背面下で動いてきたが、彼は今アブダビにいる。
●グラントがパキスタン滞在中に、英国大使館主催の極秘投票があった。この投票の結果、パキスタンの責任者として最も人気があるのが、ムシャラフとベナジールであることが明らかになった。
●投票をもとに、グラントはベナジールとナワーズ・シャリーフと話し合ったが、ナワーズ・シャリーフは最初からムシャラフとは取り引きをしないと宣言した。したがってベナジールとの話し合いが続き、今年の2月、最終的にこれが終わった。最大の困難は、ベナジールがムシャラフに、この取り引きに対して誠意があるという具体的、肯定的な証拠を見せてほしいと要求したことである。
●ムシャラフとベナジールとの間に信頼関係を築くために活躍したのが、ラホールを拠点としているビジネスマンのイクバル・Z・アフマッドである。有名な映画監督WZアフマッドの息子であるイクバル・アフマッドは、ブットーが権力の座にあったときに、巨額な富を得た。
●1999年10月以後、彼は他の政治家やビジネスマンとともに、National Accountability Bureau(NAB)に逮捕された。しかし、アフマッドの親友の親友だったムシャラフの介入で、幸運にも2週間のうちに釈放された。
●ムシャラフがベナジールの要求に応じるためにまずしたことは、ワシーム・アフザルの更迭と、NABが関係するブットーの起訴状を取り下げることだった。この時点でベナジールは、制服を着用したままのムシャラフを受け入れることに同意した。
●ベナジールと取り引きを終えた2週間後、ムシャラフは最高裁長官を更迭した。ベナジールはこの件に関しては、積極的に反対しないことで、ムシャラフに恩を売った。
●狡猾な政治家であるベナジールは、大衆の雰囲気を敏感に察し、ムシャラフにさるなる要求をした。制服を脱ぐこと、自分の好みに合った首相を置くこと、中立的な選挙管理委員を置くことなどである。そして最高裁判官の更迭を撤回する最高裁判所の決議で、流れが変わった。ベナジールはムシャラフに、制服を脱ぐ正確な日にちを設定するよう、要求した。
●窮地に追い込まれているムシャラフは、同意せざるを得なかった。したがって、パキスタンに帰国することを望んでいなかった人間に会うために、アブダビに戻った。
●ムシャラフが今回の訪問でできなかったことは、ナワーズ・シャリーフのパキスタン帰国を、アラブ首長国連邦とサウジに責任者たちに妨害するよう、説得できなかったことだ(中略)。シャリーフはパキスタンに帰国することを決意している(中略)。
●シャッバース・シャリーフが数年前にパキスタンに帰国することを決意したとき、彼はサウジ王に手紙を書き帰国の旨を伝えた。シャッバースは、リヤドから「否」の答えを得なかったために、パキスタンに帰国した。
●シャリーフは来週最高裁判所に、憲法陳述を提出する予定であるが、これらはすべて自分たちの帰国を計算の上で行なうものである。
●さらにムシャラフと取り引きしたのは、ベナジールだけではない。モーラナ・ファズール・レーマンもまた、体制側と取り引きしている。
●「モーラナを含めて、両方の責任者が穏健派と言われている」と、ムシャラフの側近が主張する。誰が彼らを穏健派だと言ったのかは語らなかったが、この取り引きのお膳立てをしたイギリスが、この政治的ライバルの同盟を認めていることは明らかだ。
●さらにムシャラフの側近は、選挙に先立ち、穏健派と過激派の間の境界線が引かれたと主張した。彼が言わんとすることは、ムシャラフを受け入れて選挙で勝つ政党は穏健派で、これはPML-Q、PPPとJUIだということである。他は過激派である。
●しかしパンジャーブ州のPPPは、ムシャラフと取り引きすることに反対しており、ベナジールと同調しない可能性がある。
Deal done, sealed●アフガニスタン南部で、3日間で3人目の英兵がロケット弾攻撃で死亡したと、国防省が土曜日に発表した。
●兵士は金曜日、ヘルマンド州で作戦を実施しているNATO軍に協力中に死亡した。2001年以来、アフガニスタンでは英兵67人が死亡している。
●(中略)「兵士は、ヘルマンド州のゲルシュク谷のタリバン軍を追い払う最中に死亡した」という。(中略)木曜日にもヘルマンドのゲルシュクで英兵が死亡。水曜日にはサンギンでパトロール中の英兵が、死亡した。
Third British soldier in three days killed in Afghanistan●ムシャラフ大統領と野党責任者ベナジール・ブットーが、イスラマバードとロンドンからそれぞれ金曜日にアラブ首長国連邦に飛び、非公開の会談を行なったとある情報源が語り、パキスタンの政策に新たな方向性が出てきたという。会談の内容は、明かせないと述べた。
●この会談について知っている別の情報源が、ムシャラフが制服を脱ぐタイミングと、ブットー女史が総選挙前にパキスタンに帰国したいという思惑が衝突したという。しかし両情報源とも、会談は失敗に終わったとは言わなかった。
●1人は、穏健で自由な力となり得る、政府の新たな方向性を実現するための、重要な一歩だとも述べた。ムシャラフが制服を脱いで、文民の長になる可能性もあるという。
●しかし両情報源とも、最終的な合意が交わされるまで、このような会談や接触は極秘にされ、会談があったことは公表されないだろうと述べた。
●政府幹部もPPP報道官も、会談については沈黙を守っていた。最初はアブ・ダビの会談があったことは聞いていないと述べ、その後は重要な会談ではなかったとしたが、その後は会談があった事実はないと全否定した。オブザーバーたちによると、これは最終段階で意見がすれ違い両者の間が決裂したか、あるいはそれぞれの代表が最初に会った際に、意見の違いがあったことを意味するという。
●「大統領とベナジール・ブットーの間で、そのような会談は計画されていなかった」と、最近ムシャラフによって任命された報道官のラシッド・クレイシーが記者団に語った。「そのような会談があったとも聞いていない」。アラブ首長国連邦のパキスタン大使も、ほとんど同一のコメントをした。いっぽう内閣のシェイク・ラシッド・アフマッドは、慎重に言葉を選び、報告を否定も肯定もしなかった。
●しかし両サイドともしばらく前からコンタクトを取っていたと述べ、パキスタンに新しい政治的連帯を実現しようとしているとも述べた。パキスタンにおけるブットー女史の報道官で元上院議員のファルハトゥッラー・ババールは、このような会談があったこと、特にアブ・ダビ訪問に関して全く知らなかったようで、驚きを隠さなかった(中略)。
●これまで政治戦略上、不思議な政治家同士の組み合わせはあったが、今回のこの組み合わせは、最も奇妙なものである。「腐敗」したベナジール・ブットーを憎んでいる軍事支配者が、純粋な民主主義の設立を使命にしている元首相と、直接話し合ったのである。
●このような接触は、宗教過激主義と穏健主義と間に大きな亀裂が生じている、現在のパキスタンの混乱した状況を解決するためと見られる。アメリカやイギリスもこのような会談を支持しているようで、軍事支配者とブットー女史を接近させるために、大きく貢献していると思われる。
●しかし今回の極秘会談は、大統領が最も信頼している部下のタリーク・アジーズと、ブットー女史の非政治的アドバイザーである元FIA関係者、ラーマン・マリックの尽力で実現したようだ。過去数ヵ月の間、2人は両者の相違を取り除くために、多大な努力をしてきた。残る最大の相違は、ムシャラフが制服を抜くタイミングと、ブットー女史が次の総選挙前に帰国すると主張している点である(後略)。
Musharraf, Benazir discuss future●タリバン報道官が金曜日に、犯人たちが示した最終期限が切れた数時間後、韓国の捕虜22人のうち何人かの健康状態が良くないと述べた。捕虜たちは泣いており、今後のことを心配しているという。
●アフガニスタン東部ではNATO軍山岳地帯で戦闘員と衝突し、NATO軍兵士2人が死亡、13人が負傷した。この地域では米兵が戦っている。
●タリバン報道官のカリ・ユーセフ・アフマディによると、タリバンは、現在逮捕されている仲間の釈放を求めている。要求が受け入れられなければ、捕虜は殺されるという(中略)。韓国人数人の「健康状態は悪い」とアフマディが述べ、「気候が悪いのか、我々の食べ物が合わないのかわからない。女性たちは泣いている。男女とも、今後のことを心配している」という。
●(中略)地元の部族の長老や宗教指導者たちが電話で犯人たちと交渉を続けているが、身代金の額やタリバンの釈放など、彼らの要求がまちまちであるために、はかどっていない。「タリバンの間で意見が食い違っている」と、カルバー警察長官のハワジャ・ムハンマド・スィディーキが述べた。「ある者は『自分の親戚と交換しよう』というし、他の者は『女性を解放しよう』という。また、ある者は身代金を要求する」。
●アフマディはこれらの発言を否定した。「タリバンは身代金を要求していない。彼らがタリバンを釈放すれば、我々も捕虜を解放する」。タリバンが釈放を求めている囚人の数や名前は、明らかではない。
●東部では、ヌーリスタン州知事のタミーム・ヌーリスターニが、戦闘員たちが「同盟軍」と衝突して戦闘となり、空爆が実施された述べた。戦闘員25人が、パキスタンと接するカムデッシュ地区で死亡したという報告を受けているという。
●NATOによると、ヌーリスタンの戦いでアフガン人とNATO軍兵士2人が死亡し、さらにNATO軍兵士13人とアフガン兵と一般市民がそれぞれ1人負傷したという。NATO軍も米軍も、死亡したのがアメリカ人であったとは発表していないが、ヌーリスタンで活動しているのは、米軍だけである。
●いっぼう韓国大統領代理がカルザイ大統領と話し合うためにアフガニスタンを訪れた。「いい結果が出ることを期待しているが、今日解放されるかどうかはわからない。今日解放されるとは思えない」と、ガズニ州知事のシリン・マンガールが述べた。
●ヘルマンド州では、国際軍とアフガン軍がタリバン戦闘員と衝突し、空爆で戦闘員50人と一般市民28人が死亡したと、ゲルシュク地区責任者のアブドゥル・マナーフ・ハーンが述べた。ハーンは国際軍をNATO軍と述べたが、NATO軍は、このような事実についての情報はないと答えた(後略)。
Taliban spokesman says some hostages ill●金曜日にイスラマバードのレストランで自爆攻撃があり、少なくとも13人が死亡。いっぽう暴動以来初めて開放されたラーマ・マスジッドでは、数百人が警察官に石を投げて衝突した。
●内務省報道官のジャビッド・イクバル・チーマによると、政府は、アッパラ・マーケットで、自爆攻撃の可能性があるという諜報情報を得ていたという。アッパラでは、金曜日の午後5時15分頃に自爆攻撃が発生したが、安全確保に手落ちがあったかどうか、現在捜査中だという。チーマは、騒動のために攻撃を許すような状況を作ったと、モスクを非難した。「彼らがあのような状況を作り出さなければ、起こり得なかった」と述べ、モスクは無期限に閉鎖されたという。
●政府はラール・マスジッドを再開することで、イスラマバードが再び日常に戻ることを期待していた(中略)。しかし政府が別のモスクから金曜日の祈祷リーダーを連れて来たことに激怒した群衆が、モスク内を数時間占拠した。
●(中略)その後、抗議者たちが町に出て警察に石を投げつけたために、催涙弾が撃たれた。その直後にモスクから4分の1マイル離れたマーケットで、巨大な爆発音があった(中略)。
●イスラマバード政府のハリッド・ベルベーズによると、警察官7人を含めた13人が死亡し、71人が負傷したという。ほとんどが通行人である。チーマは、犯人のものと思われる頭部を回収したと述べた(後略)。
Bombing, mosque riot rock Islamabad●金曜日に、政府がラール・マスジッドを開放したとたん、数百人のイスラーム主義者たちがモスクを占拠し、塀を本来の色だった赤に塗り替えた。また金曜日の祈りをあげるために政府が任命した宗教者が、追い出された。
●親タリバン系の元学生たちが武器を持たずに集り、ミナレットにジハードの旗を立て、警察の車に石を投げつけた。
●バケツを抱えた5〜6人が、政府によって桃色に塗られた外の塀を、赤く塗り替えた。また数十人が屋根に登り、イスラーム主義の旗や垂れ幕を掲げた。
●「学生たちがモスクを占拠したことは本当だ。祈祷を妨害している」と、治安関係者が述べた。
●厳しく警備されていたにもかかわらず、学生たちが祈祷リーダーのイマーム、ムハンマド・アシュファクがモスクの説教席に着くことを妨害し、マイクを用いて、政府の襲撃に対して激しく抗議した。「何もかも平和的だと言われていた。今後ここで勤めを行ないたくない。決してやらない」と、警察にエスコートされて出て行ったアシュファクが述べた。
●学生たちはモスクの宗教責任者、アブドゥル・アジズの解放を求めた(中略)。また「ムシャラフは犬だ。ムシャラフ政府に死を」と唱え、襲撃で死亡したモスクの抵抗勢力責任者のアブドゥル・ラシッド・ガジの血は、「イスラーム革命を引き起こす」と付け加えた。さらに、集ったカメラマンや報道陣に石を投げつけた。
●「非常に不幸な出来事だ」と、内務省報道官のジャビッド・チーマが述べた。「このモスクを再開するために、日夜働いて来た。しかし元学生たちを中心に、再び悪さをしたい連中がいるようだ」という。「状況を監視して、秩序を回復させる。治安部隊が、中に入った」。
●銃弾で穴だらけだったモスクは修復され、扇風機や電気なども新たに設置され、昨日宗教相のイジャーズ・ウル・ハクによって再開された。緊張した状態がいまだに続いている状況で、政府はモスクの再開をあわてすぎたのではないかという疑問の声があがることは、避けられないだろう。
Islamists retake Pakistan mosque, paint walls red(7月27日掲載)
●ムシャラフの勝利は、わずかの間だった。隊がラール・マスジッドを制圧する前、すでに報復が開始していた(中略)。ラール・マスジッドの襲撃以後1週間の間に、150人が殺害された。
●これらの暴力沙汰の背後には、誰がいるのだろうか? もちろん、ザワヒリだ(中略)。ザワヒリは精力的に行動して、組織をまとめようとしている。しかし彼が活動的になり、ムシャラフを失墜させることに熱中しすぎていると見る者たちが出てきており、アルカイダ内にイデオロギーの相違があることを、あるジハード主義者2人がほのめかした。
●ザワヒリが指揮した先週の一連の攻撃により、アルカイダとタリバンが結託して、パキスタンの国境に沿って拠点を築いていることは明らかになった(中略)。
●アルカイダ内の反ザワヒリ派は、彼の行動により、自分たちの隠れ家が危険にさらされていると見ている。この2人とは、信頼性のある情報をこれまでも提供してくれた、オマル・ファルーキとヘマット・ハーンである。ファルーキはベテランタリバン戦士で、アフガニスタンのガズニ州にいる抵抗勢力との間のリエゾン・オフィサー(連絡将校)である。またヘマット・ハーンはアルカイダと関係があり、タリバンだ。この2人によると、ザワヒリの個人的なジハード観が、アルカイダの、いわゆるリビア派を怒らせたという。リビア派は、2005年にバグラム空軍基地にある収容所から脱獄したカリスマ的な人気を持つ、アブ・ヤハヤ・アル・リビによって率いられる。リビア人イスラーム主義者たちは、ビンラディン同様、ムシャラフがいなくなることを望んでいる。しかし彼らは、ザワヒリがパキスタンの責任者を刺激し、ジハード主義者たちの準備が整う前に、新たな前線を開いしてまうのではないかと心配している。
●パキスタンの諜報組織は、2003年12月の2件のムシャラフ暗殺未遂は、ザワヒリの仕業だったと見ている。それ以後ザワヒリは、ムシャラフを排除するためにしゃかりきになっている(中略)。
●エジプト人のザワヒリは、エジプト派の責任者で、1990年代にジャマータル・ジハードをアルカイダと統合した。リビア派よりも大きく、年長の者も多い。ファルーキとハーンによると、この2つの組織の間に「大きな隔たり」ができてしまったという。リビア人たちはザワヒリの自我や独善に嫌気がさしてきた。「リビア人たちは、彼は過激主義すぎると言っている」と、ファルーキは語り、ビンラディンの代わりに登場しすぎることも快く思っていない。「リビア人たちは、シェイク(ビンラディン)は後継者を指名してはおらず、アメリカ政府や国際社会だけが、ザワヒリをビンラディンの腹心と呼んでいる」という。
●対テロ政策に関わるあるアメリカ人関係者も、アルカイダのエジプト派のリビア派の間に亀裂があること、さらにサウジや中央アジアの要員との間にも亀裂があることを認める。「彼らはナショナリストの傾向がある」という。Naval Postgraduate Schoolの諜報専門家のジョン・アルキラはこれを「アルカイダの戦略的魂の戦い」と呼び、「パキスタンの現政府を転覆させることに焦点を当てるかどうか、その戦略が論議されている。転覆できれば、核を入手できる」。
●ビンラディン自身は、この内部亀裂を解決するために介入していないと、ジハード組織の情報源が語る。ビンラディンは安全のために、部下たちとほとんど会わない。「関与したくないようだ」とハーンが語る。「彼は戦略を立てたり啓蒙活動をしたり、自分の安全を守るために忙しすぎる」。代わりにビンラディンは、この2派閥間の問題を、異なる役割を与え、まとめ役を2人ずつ置くことで解決しようとしている。
●この内部対立のために、ザワヒリとアルカイダの仲間たちは、アフガン人タリバンやパキスタン人部族リーダーたちとともに、ワジリスタンに複合的な指令系統、コントロール、訓練所やリクルートセンターを作ったと、アメリカやパキスタンの関係者が語る。アメリカの関係者によると、ムシャラフが北ワジリスタンと和平協定を結んだために、アルカイダは簡単にこの地域に拠点を築くことができたという(中略)。アルカイダが資金、訓練、イデオロギーの啓蒙を担当し、アフガン人タリバンとパキスタンの部族民リーダーたちが、マンパワーを提供する。戦闘員や自爆犯たちだ。荒れ果てた険しい地形に、数百からなる泥レンガの建物の中に、訓練所や指令・通信の本部が作られた。
●先週、過激主義に走った部族民関係者が、和平協定が無効になったことを示唆した。コースト州知事のアルサラ・ジャマールが語ったところによると、アルカイダとアフガン人・パキスタン人戦闘員は、パキスタン軍や米軍の攻撃を恐れて、幹部クラスの戦闘員や司令官の一部を、ワジリスタンからアフガニスタンの安全な場所に移したという。
●アメリカの対テロ工作員たちは、パキスタンの主権を侵害してムシャラフを怒らせることを心配し、ワジリスタンに入ることを躊躇している。ムシャラフは現在、世俗政党とイスラーム主義者両方から、大きな圧力がかけられている(中略)。
●CIAの幹部高官で国務省の元対テロコーディネーターのハンク・クランプトンは、ムシャラフは1人で過激主義と対処できないために、アメリカはワジリスタンに入ることを躊躇してはならないと語る。パキスタンの責任者は、去年10万兵を部族地帯に送った。しかし「抵抗勢力に対戦する技術を持たなかった」という。ムシャラフがこの状況に対処しなければ、パキスタンのタリバン運動は、ますます広がってしまう。「今やタリバン化は部族地域から出て、パキスタン本土に広がって来ている」とクランプタンは語る。
●アメリカやパキスタン関係者は、ザワヒリがムシャラフを殺害することに熱中しすぎて、墓穴を掘ることを望んでいる。クランブトンは、アルカイダに狙われた経験があり、反タリバン系地元部族民と協力する必要性があると語る。「もしここで(アメリカで)攻撃されたとしたら、それはあの場所で計画されたことは明らかだ。そうしたらどうするだろう?」。ザワヒリが行動を起こす前に、食い止めることが望まれる。
Al Qaeda Family Feud●木曜日にアフガニスタン南部で、タリバン軍との戦いで英兵1人が死亡したと国防省が発表した。
●兵士はヘルマンド州のアッパー・ゲレシュク谷で、作戦を行なっていたという。「ナレ・サラージュ水路を渡るために橋を確保し、タリバンを押しやるために西に向かっていた」。「朝の6時頃タリバン戦闘員たちに襲撃され、兵士が撃たれ、その場で死亡した」(後略)。
British soldier killed in Afghanistan: defence ministry●アフガン軍と米軍主導軍が、ヘルマンド州で12時間にわたる戦いを展開し、タリバン50人以上を殺害した。また抵抗勢力10人と警察官1人が、別の戦いで死亡した。
●ヘルマンド州で水曜日の夜遅くに発生した戦いで、同盟軍は戦闘機を呼んで抵抗勢力の隠れ家を空爆した。「戦闘員50人以上が死亡した。負傷者も多数いる。タリバンが立てこもっていた建物16軒と敵のバイク3台、敵のトラック5台を破壊した」という。
●(中略)戦いは、水曜日にタリバンが米軍主導軍とアフガン軍のパトロール隊を襲撃したことから勃発した。「抵抗勢力たちは、16ヵ所の建物から重機関銃やロケット推進手榴弾、小兵器を用いて攻撃してきた」という。
●隊は空からの援護を呼び寄せ、抵抗勢力たちが立てこもっていた建物に、同盟軍機が爆弾を2発投下した。爆発が相次いだために、大量の武器があったようだ。
●戦闘の間、隣のムサ・カーラに続く水路(涸れ沢=ワディ)を利用して、戦闘員たちが補給されてきたという。諜報情報から、ムサ・カーラにはタリバンが多数おり、「通常のヒット・エンド・ラン攻撃ではなく、死ぬまで陣地を死守する」作戦を行なっているようだという。
●隣のカンダハルでは、タリバンが警察検問所を襲撃して激しい戦闘となったという。「戦場にタリバン10人の遺体が残されていた。アフガン人警察官1人も殉教し、8人が負傷した」と、マルーフ地区警察長官のサイード・アカ・サキーブが述べた(後略)。
Afghan, US forces kill 60 Taliban in fierce clashes●タリバン司令官のアブドゥッラー・マフスードはパキスタン兵に射殺され、自殺したのではないと、彼が死亡した家の持ち主の1人が述べた。
●シェイク・アラム・マンドヘールによると、マフスードは腹部を撃たれたという。
●パキスタン警察は、バローチスタン州で包囲されたマフスードは、逮捕を免れるために自爆したと発表していた(中略)。
●シェイク・アラームが『BBC』ウルドゥー語放送に語ったところによると、マフスードは月曜日の夜、ゾーブに到着したという。彼によると、自分も従兄弟のシェイク・アユーブ・マンドヘールも当時、家にはいなかった。少年が彼らのために来賓用の部屋に招き入れ、夕食を出したあとは、別の部屋でコンピューターを使っていたという。
●「頻繁に客人がやってくる。政府や諜報組織の人間をもてなすことも多い。これはパシュトゥーンの伝統だ」と、シェイク・アラームが語った。
●火曜日の早朝5時半頃、再び誰かがドアを叩いた。シェイク・アラムによると、別の少年が扉を開けると、家を包囲した治安部隊に逮捕されたという。少年のあとに玄関に出た彼の父親も、逮捕された。
●シェイク・アラームによると、アブドゥッラー・マフスードはその後治安部隊との激しい銃撃戦で死亡したという。「もし自爆したのなら、彼の遺体はばらばらになっていたはずだ。しかし彼は腹部に、銃弾を1発しか受けていなかった」。
●シェイク・アラームは、マフスードが自宅に泊まったのは初めてのことだったという。
●内務省報道官が火曜日に述べたところによると、マフスードは3日前から尾行され、家が襲撃されると逮捕を免れるために自爆したという。マフスードは重要人物で、親タリバン系戦闘員の間でも、恐れられていた。
●マフスードの本名はヌール・アラームで、パシュトゥーン人である(後略)。
Taleban commander was 'shot dead'●巨額な金額をちらつかせて部族地帯の暴力沙汰を解決しようとしていたパキスタン政府の努力は、無駄だった。
●イスラマバードは戦いたくてうずうずしている戦闘員と、それに応じようとしているアフガニスタンにいる米軍と同盟軍の間で、板挟みになっている。両者の戦いを防ぐ手だてはパキスタンにはなくなった。
●「部族地帯に和平協定はなくなり、パキスタン軍がここに留まることができなくなった。そのためにNATOがパキスタンに入ってくるなら、来ればいい。パキスタン軍と戦うより、NATO軍と戦ったほうがましだ。両者が一緒に我々は戦うというのなら、それでもいい」と、ラスール・ダワールが述べた。
●ダワールは、部族地帯の過激派リーダーの1人、モーラビ・サディーク・ヌールの腹心である(中略)。もう1人の有名な司令官が、モーラビ・アブドゥル・ハリークだ。
●ダワールの言葉を裏付けるかのように、水曜日に戦闘員たちがバヌーにロケット弾数発を撃ち込んだ。10人が死亡し、40人以上が負傷した。
●(中略)別の若いアルカイダリーダーには、グル・バハドゥールとバイトゥッラー・マフスードがいる。彼らは南北ワジリスタンで抵抗運動を展開し、パキスタン軍を排除しようとしている。彼らはバヌー、タンク、デーラ・イスマイル・ハーン、スワート、バジョールなどの町におけるタリバン運動にも協力している。最終目的は、ムシャラフを権力の座から追い出すことだ。
●『Asia Times』は、パキスタン軍がワジリスタンで大掛かりな作戦を計画していることをつかんだ。NATO軍が協力する可能性もある。
●しかしこの地域の地形を考えると、外国軍がバジョールから入ってくる可能性が高い。
●南北ワジリスタンに関しては、ビンボイント攻撃される可能性のほうが高い。アメリカは、アフガニスタンの基地にいながら、攻撃してくるほうが安全だ(中略)。
●ムシャラフ政権はラール・マスジッドの騒動以来、危機に瀕している(中略)。ラワルビンディのある情報源によると、ムシャラフはワシントンに交渉して、なんとか時間の猶予を与えられたという。
●情報源によると、ワシントンはイスラマバードに、今まで以上にタリバンとアルカイダに対して軍事作戦を実施するよう主張している。NATO軍も協力するという。ムシャラフはブッシュ大統領に、情勢がもう少し沈静化するまで待ってほしいと頼んだが、これは却下されたらしい。
●ムシャラフは、外国軍が部族地帯に入った場合、過激派の報復があり、彼が権力の座から失態する可能性があるることを心配するが、ブッシュは聞く耳を持たない。
●しかし、リビア人のアブ・ライス・アル・リビが北ワジリスタンでタリバンの軍事作戦を指揮している現在、ワシントンの頑固とした姿勢はもっともだ。アフガニスタンで外国人多数が誘拐されていることが、その1つの例といえる。
●外国軍は一般市民を守るために、一般市民の中にこれまで以上に深く入ることになり、そうすれば改良爆弾やロケット攻撃、自爆などにさらされる可能性が高くなる。
●部族地帯を支配するアルカイダからすると、パキスタン国内で外国軍と対戦することは歓迎したい。国境地帯における彼らのもくろみに、好都合だからだ。
●このような対戦が現実化すれば、パキスタンのジハードコミュニティーは一致団結して立ち上がる。南ワジリスタンでパキスタン軍が作戦を実施したときに、ジハード軍団は1ヵ月に数千人にもふくれあがった。彼らの意気はアフガニスタンにも飛び火し、ムシャラフ政権をも攻撃してくる。
●ワシントンはパキスタン国内で行動することを望んでいるが、パキスタンがジハード者たちの庭になることは望んでいない。だから対策を練っている。万が一ムシャラフが失墜すれば、リベラルな民主主義政党を応援する。これまでもすみやかに政権が変わることで、大きな被害を食い止めることができたことが何度かある。軍に態勢を立て直す時間を、与えることにもなる。
Bring 'em on: Militants in Pakistan await US●アブドゥッラー・マフスードの逮捕劇により、アメリカはパキスタンに、諜報組織と戦闘員コミューニティーとの関係を利用して、さらに部族地帯にいるアルカイダの居場所を探るよう、圧力をかけるだろうと、アメリカの『Srratfor』がウェブサイトで述べた。
●(中略)「パキスタンの諜報組織が、マフスードの居場所についての情報を持っていた関係者と接触していたのは、確かだ。窮地に立ったとき、両サイドと接触していたこの関係者に協力を仰いだところ、これに応じた」という。
●ラール・マスジッドの作戦のあと、マフスードはパキスタン政府に対して宣戦を布告していた。最近の治安部隊に対する自爆攻撃も操っていたと、ウェブサイトは主張する。
●分析によると、マフスードがいた場所から、2つのことが言えるという。まずバローチスタンの北西部のパシュトゥーン回廊にいたこと。また彼が殺された家の持ち主は、イスラーム神学者協会の地区責任者であるシェイク・ムハンマド・アユーブだったことである。
●「マフスードがアユーブの家で発見されたことは、パキスタンという国家がイスラーム過激派たちと関係しているという闇を表わす、古典的な例だ」という。「このような関係が、ジハード主義者たちをのさばらせる。同時に、パキスタン国家がジハード者たちを一掃できないことの理由でもある」。
Mehsud's death will prompt US to demand more●南ワジリスタンで水曜日、タリバン司令官の故アブドゥッラー・マフスードの葬儀に数千人の武装した男たちが参加し、敬意を表わすために空砲が一斉に空に向かった撃たれた。
●マフスードは木曜日に逮捕を避けるために自爆したと言われるが、彼の仲間たちは事実を疑っている。マススードが包囲されていた家の持ち主であるイスラーム神学者協会のシェイク・アユーブ・マンドヘールの弟シェイク・ムハンマド・アラムが報道陣に、マフスードは自爆する前に治安部隊に射殺されたと述べたために、さらに疑問が深まった。
●マフスードの遺体はゾーブから棺に入って運ばれてきた(中略)。
●マフスードの葬儀に参加した政府関係者によると、1万人〜1万2000人が弔問に訪れたという。約600台の車が集まった(後略)。
Thousands attend Mahsud's funeral●抵抗勢力が誘拐された韓国人のうちの1人を殺害し、生存している22人と引き換えに囚人の釈放を求めた。
●取り引きの最終期限は現地時間の木曜日午前1時であるが、現在のところ捕虜の安否はわかっていない。いっぽうタリバン責任者が、さらに外国人を誘拐することを要求した。
●韓国政府か、捕虜1人が死亡したことを確認した。「アフガニスタンで誘拐された韓国国民のうちの1人の殺害が確認された」と、チョー・ヒー・ユンが木曜日に記者会見で発表した(中略)。
●仲間8人の解放が約束されないために捕虜1人を殺害した、とタリバンが述べた数時間後、警察が多数の銃弾を受けた韓国人の遺体を発見した。「政府が真剣に話し合いに応じないために、韓国人1人を殺害した」と、ユースフ・アフマディが電話で語った。
●ガズニ州警察が、銃弾を多数受けた遺体が道路から数マイル離れた僻地に遺棄されていたと述べた。「遺体を回収した。銃弾を10ヵ所受けていた」と、警察司令官のアリシャー・アフマディが述べた。
●さらにイスラーム主義の新軍事司令官がテレビインタビューに登場して、抵抗勢力たちにできる限り多数の外国人を誘拐するよう、促した。
●さらにイギリスの『Channel 4 News』に登場したマンスール・ダドゥッラーは、タリバンは子どもを使って捕虜を斬首することを計画していると述べた。
●兄の故ダドゥッラー師を引き継いだマンスール・ダドゥッラーは、逮捕されたタリバンと引き換えに外国人を誘拐するよう、仲間に促した。マンスール自身が今年、イタリア人ジャーナリストと引き換えに釈放されている。「誘拐は非常に有効な手段だ。仲間のムジャヒディンたちに、外国人を発見したら誰でもいいから誘拐することを命令する。そして取り引きする」と、マンスールがテレビキャスターに述べた。
●水曜日に、韓国人の解放を説得している政府交渉団責任者のワヒードゥッラー・ムジャーダディが、タリバンと政府支配の地域との間にある緩衝地帯でタリバンに発砲されたと述べ、緊張が高まった。「なんとか逃げ帰った。タリバンは私を誘拐、または殺害しようとした」という。
●アフガン州知事とタリバンは、韓国の通信社が政府関係者の話として、韓国人8人が水曜日に解放されたという報道を否定した。「まだ話し合いは続いており、解放は行なわれていない」と、ガズニ州知事のミラージュディン・パッタンが述べた。
●(中略)さらに水曜日にはオランダ人ジャーナリストとアフガン人の同僚がクナールでタリバンに誘拐されたために、一時緊迫した。オランダ人は数時間後に解放された。当初このレボーターはドイツ人と報道されていた(後略)。
Taliban kill SKorean hostage in Afghanistan●アフガン警察が水曜日、銃で撃たれた韓国人の遺体を発見した。またタリバンが他の8人を解放し、米軍基地に連れて行かれた。
●(中略)韓国人男性が、ガズニ州のカルバー地区のムシャキで、頭、胸、腹に10ヵ所の銃弾を受けて死亡しているのが発見された。ある政府関係者によると、男性は病気で歩けなかったために射殺されたと、タリバンが言っていたという。
●欧米関係者2人が、捕虜のうち何人かが解放されたと述べた。女性6人と男性2人が、ガズニの米軍基地に連れて行かれたという。これに先立ち交渉に入っているあるアフガン関係者によると、8人の捕虜の解放のために巨額な身代金が支払われると述べた(後略)。
Korean hostage killed by Taliban●水曜日、イギリスとフランスから派兵されているNATO軍兵士2人とタリバン戦闘員20人が、アフガニスタン各地で死亡した。
●ヘルマンド州の爆発で英兵1人が殺害され、2人が負傷したと、英国防省が発表した。「兵士が通常のパトロールを終えて基地に帰ろうとしていたところ、車が爆破された」という声明が発表された(中略)。
●またワルダック州にあるアフガン軍の駐屯地にロケット弾が発射され、仏軍インストラクターが死亡したと、仏国防省が発表した。
●いっぼうカンダハルでは同盟軍がチナール村を空爆し、タリバン戦闘員20人を殺害したという(後略)。
Two NATO soldiers, 20 rebels killed in Afghanistan●アフガニスタン東部で誘拐されたドイツ人ジャーナリストとアフガン人通訳が解放されたと、関係者が述べた。
●部族民長老たちの仲介で解放され、身代金は支払われていないと、クナール州知事が述べた。ドイツ人は、NATO軍の空爆で一般市民が殺害された村を取材していたという。
●「平和を愛する地元の長老たちの協力により、無条件で解放された」と、シャリザイ・ダイダル州知事が述べた。クナールの治安関係者によると、ジャーナリストはドイツの雑誌社のために働いていた(後略)。
German man freed in Afghanistan●ドイツ人ジャーナリストと2人のアフガン人の仲間がアフガニスタンで誘拐された可能性があると、州報道官が述べた。「ドイツ人とアフガン人の運転手、通訳がワタブール地区で誘拐されたと報告されている」と、クナール州知事報道官が水曜日に述べた。
●本当だとすれば、1週間のうちに誘拐された3人目のドイツ人となる。ドイツ人2人が水曜日に誘拐され、そのうちの1人が殺害された。
●報道官によると、ジャーナリストは水曜日の早朝、滞在していた家から誘拐されたらしい。アフガン人諜報関係者によると、ドイツ人は地元の人間の家にいたところ、真夜中近くに「抵抗勢力」によって誘拐されたという。
●タリバン報道官のザイブッラー・ムジャヒッドは、誘拐についての情報はないと述べた。ドイツ大使館も、コメントを出していない(後略)。
German journalist feared kidnapped in Afghanistan: official●木曜日に戦闘員が北ワジリスタンのダータヘールのカンバル検問所を襲撃して、治安関係者4人が殺害されたと、テレビ局が報道した。
●また北ワジリスタンで爆弾攻撃があり、国境警察隊員7人が負傷し、ミランシャーの部族民警察の検問所が破壊されたと、別のテレビ局が報道した。戦闘員がミランシャーから40キロ離れたドシで、遠隔操作爆弾で国境警察の車列を攻撃した。兵士5人が負傷し、車が破壊された。またダンギーン検問所も攻撃されて、国境警察隊員2人が負傷した(後略)。
4 FC men killed, in N Waziristan attacks●パキスタン北西部でロケット弾4発が発射され、少なくとも8人が死亡、30人が負傷した。
●ロケット弾4発がバヌーに発射され、家屋やモスク、店舗などに命中したと警察関係者が述べた(中略)。
●ロケット弾4発が町に撃ち込まれ、「一般市民の居住区に命中した。女性を含む8人が死亡した」と、関係者が述べた。しかし地元のジャーナリストは、死者の数はもっと多く、14人が死亡したと述べた
●さらに北部のカールでは、戦闘員が、月曜日に誘拐したパキスタン兵士2人を殺害した。
●またバローチスタン州では、元タリバン司令官のナイマットゥッラー・ヌールザイを何者かがチャマンで射殺した、と警察が発表した。詳細はわからない(後略)。
Rocket attack on Pakistani city●タリバン幹部戦闘員でグアンタナモの元囚人だったアブドゥッラー・マフスードが、火曜日にゾーブ地区で実施された治安部隊の作戦で逮捕されることを拒否して、自爆した。
●ゾーブ地区の政府関係者によると、地元のイスラーム神学者協会(JUI-F)の家を襲撃した際に、他の戦闘員数人も死亡したという。またマフスードの弟と、家の主の弟と息子が逮捕された。
●死亡した者たちは、アフガニスタンのタリバンと関係があったという。アブドゥッラー・マフスードは他の戦闘員たちと一緒に、キル・シェハーンにあるJUI-Fの事務局長シェイク・アユーブ・マンドヘールの家で朝食を食べていたところ、治安部隊に襲撃された。シェイクは襲撃当時、家にはいなかった。
●情報によると、治安部隊が家を包囲して、戦闘員たちを逮捕しようとした。しかし自動兵器で銃撃されたために、治安部隊が応戦した。銃撃戦は数時間続いた。
●治安部隊に勝てないことを悟った、地雷で片足を失った32歳の戦闘員司令官は、逮捕を免れるために自爆した。
●マフスードは腹部と鼻、右目を負傷し、即死だった。目撃者によると、爆発は非常に強烈だったために、マフスードの仲間も巻き込まれて死亡したという。
●マフスードの遺体は火曜日の午後ゾーブ空港に運ばれたが、天候が悪く、ゾーブ地区の病院の霊安室に戻された。
●警察によると、現場から3人が逮捕された。逮捕されたのはアブドゥッラーの弟のアブドゥル・レーマン・マフスードと、シェイク・アユーブの弟のシェイク・ハッサン・マンドヘール、アユーブの息子のシャヘールヤール・マンドヘールである。
●内務省報道官のジャビッド・イクバル・チーマによると、アブドゥッラー・マフスードは2〜3日間監視され、アブドゥル・レーマン・マフスードという名前の男とともに、シェイク・ムハンマド・アユーブの家にいると報告されていたという。
●パキスタンの諜報関係者によると、マフスードはヘルマンド州から帰るところを追跡されたという。ここ数年、彼はアフガニスタンで戦っていたと思われる。
Abdullah Mahsud blows himself up●月曜日、アフガニスタン東部で道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、米兵4人が死亡した。またこれとは別にNATO軍兵士2人が死亡し、アヘン栽培で有名な地域では、戦闘員50人以上が死亡した。
●(中略)パクティア州でパトロールをしていた米兵が爆弾で攻撃されたと、ムハンマド・エクラム・アフペルワックが州知事が述べた。
●またノルウェーが、兵士1人がロガール州で殺害されたと発表し、NATO軍が、別の兵士が南部で殺害されたと述べた。この兵士の国籍は発表されていない。
●ヘルマンド州では、2日に及んだ戦いで米軍主導軍とアフガン軍がタリバン戦闘員多数を「排除し」て50人以上を殺害したと、同盟軍が述べた。サンギン地区のこの戦いで、戦闘員が同盟軍の航空機を撃墜しようとし、さらに車を兵士たちに激突させようとした。同盟軍機が爆弾4発を投下し、アフガン軍は48人以上のタリバンを殺害したと述べた(後略)。
6 soldiers killed in Afghanistan●2004年にパキスタンで中国人技師を誘拐したことで指名手配になっていたグアンタナモの元囚人が火曜日、治安部隊から逮捕されるのを避けるために手榴弾で自爆した。
●片足のタリバン戦闘員アブドゥッラー・マフスードが、対テロ関係者が彼の隠れ家を襲撃した際に自殺したと、内務省報道官のジャビッド・チーマが述べた。
●(中略)「治安軍がアブドゥッラー・マフスードの隠れ家を襲撃すると、手榴弾で自爆した。仲間3人は逮捕された」という。「生きて逮捕されたくなかったようだ」と、チーマが付け加えた。
●32歳のマフスードは、パキスタン軍が部族地帯で軍事作戦を実施した2004年に、南ワジリスタンを拠点とするパキスタン人タリバンのリーダーになった。アルカイダと関係があった疑いがかけられている。
●(中略)マフスードはグアンタナモに25ヵ月間拘束され、2004年3月に釈放された。その後中国人を誘拐したあと、逃走していた。関係者によると、最近はアフガニスタンに越境して、米軍主導軍やNATO軍と戦っていたという。
●「ある場所にいるという諜報情報が入り、治安部隊が襲撃した。ワジリスタンからゾッブに侵入していたようだ」と、チーマが語った。ゾッブは南ワジリスタンと隣接するバローチスタン州にある。
●月曜日の夜遅く、治安部隊が戦闘員リーダーの家を包囲し、数時間に渡って激しい銃撃戦を行なった。「夜明け前、軍が家に突入すると、男が逮捕を免れるために自爆した。後にマフスードであることがわかったと、ゾッブ警察長官のアタ・ムハンマドが述べた。
●マフスードが逃走している間、彼の兄のバイトゥッラーが部族地帯のタリバン最高司令官となった。バイトゥッラーは、今年になってパキスタンで発生している自爆事件と、関係しているといわれる。
●「大きな成果だ。アブドゥッラー・マフスードはさまざまな攻撃と関係していた」と、宗教相のイジャーズゥル・ハクが語った。
●パキスタンでは、一連の武力衝突が続いている。パジョールでは戦闘員が兵士2人を拉致して首を掻き切り、遺体を放棄した。「ムシャラフとブッシュを支持する者は、同じ運命に遭う」というメモが残されている。
●ここ2日の間で、戦闘員35人と兵士2人が部族地帯で死亡している。
●バイトゥッラー・マフスードは、ラール・マスジッドの報復をするようにイスラーム主義者を促し、アルカイダのザワヒリは、ムシャラフに対して聖戦を行なうよう呼びかけた。
●諜報関係者によると、ラール・マスジッドが包囲されている間、アブドゥル・ラシッド・ガジとバイトゥッラー・マフスードが電話で連絡を取り合っているのを盗聴したという。
●バイトゥッラーはガジに、「もしガジが死ぬことがあっても、彼の血は決して無駄にならない」と述べたという。
【び】Former Guantanamo inmate blows himself up in Pakistan●米軍は、パキスタンのアルカイダに対する攻撃のために、航空支援と「支援射撃」を申し出たが、これまで拒否されてきたと、月曜日に国防省関係者が述べた。
●軍参謀会議調官のピーター・ベース将軍が、金曜日にドイツのシュワインフルトで、米軍が諜報情報を提供する申し出をしたということを暴露した。
●(中略)関係者によると、ベースの発言は新しいことではなく、「進行中の話し合い」だと述べ、これまでパキスタンはこれを受け入れていないという(後略)。
Standing US offer of air support, 'supporting fires' to Pakistan: officials●アフガニスタンと接する国境地帯で、パキスタン軍が戦闘員35人を殺害したと、軍が発表した。軍報道官のワヒード・アルシャッド少将によると、北ワジリスタンの部族地帯で起きた衝突は、いまだに続いているという。兵士2人が死亡し、7人が負傷しているそうだ(中略)。
●軍によると、ミールアリにある2つの検問所が戦闘員に攻撃されたために、戦闘が発生した。その後、軍が戦闘ヘリコプターと大砲を用いて戦闘員を攻撃したという(後略)。
'Militants die' in Pakistan clash●アメリカ主導の「テロとの戦争」は、大きな転換期を迎えようとしている(中略)。
●この地域では、これまで地下に追いやられていたタクフィーリのイデオロギーが突然復活し、反米運動の原動力となっている。タクフィーリはイスラーム原理主義思想を持ち、自分たちと同じ価値観を持たないイスラーム教徒をも攻撃する。今やタクフィーリが新たな力となり、アルカイダの協力を得て、国内を牛耳ろうとしている(中略)。
●これまでパキスタンは、アメリカがパキスタン国内でビンラディンを追跡することを、積極的に認めていなかった。カスリ大統領も、外国人がパキスタン国内を攻撃しないよう、政府は政治的手段で防御すると述べている。
●しかしパキスタンの戦略部門は、このような外国の計画があることを知っており、NATOの最高指令官はパキスタン国内にあるアルカイダやタリバンの基地に関して詳しい情報を入手し、それをパキスタンに伝えている。
●パキスタン人タリバンも、自分たちがこれから攻撃されようとしていることを覚悟している。NATO軍は国境沿いで勢力的に活動しており、アメリカの無人偵察機やスパイ機が、パキスタン国内に侵入してくる。アメリカはバジョールとクナールの近くに、新しい基地を建設中だ。
●(中略)北ワジリスタンで病床にいるエジプト人タクフィーリ提唱者シェイク・エッサの信奉者である、モーラビ・サディーク・ヌールとモーラビ・アブドゥル・ハリークの2人が、ラール・マスジッドの復讐のためにパキスタン軍に宣戦を布告して、人々を率いている。
●ムシャラフはなんとか状況を鎮めようとしている。戦闘員たちを買収したり、軍の撤退を約束したりしているとも言われている。しかし、治安軍に対する戦いは依然として続いている。
●親パキスタンタリバン組織の側にも、問題が出てきた。今年になって南ワジリスタンのウズベク人たちを殺害したタリバン司令官ハッジ・ナジールは、これまで名前の知られていないある原理主義者と交代した。ナジールは、パキスタン軍と政府の間を取り持とうとしたときに、攻撃されてさいいる。
●チョードリー最高裁判官の問題以後、ムシャラフは窮地に追いやられてきた(後略)。
Pakistan in the grip of a big squeeze●アフガニスタンの最後の王、ムハンマド・ザヒール・シャーが、月曜日、92歳で逝去した。
●1973年にクーデターで追放されたザヒール・シャー国王は、在位した40年間、以後続いた混乱のなかで平和と統一のシンボルだった(中略)。タリバン崩壊後には、亡命生活を終えて帰国するだけでなく、再び王の座につくことが望まれた。しかしイタリアから帰国したあとは、反タリバンを掲げた、今は大統領となった同じ部族民である若いカルザイの傍らにいることを選んだ(後略)。
Last king of Afghanistan dies at 92●部族地帯で和平のための話し合いが暗礁に乗り上げている最中、親タリバン系戦闘員がパキスタン兵に、戦いをやめなければさらに自爆攻撃を行なうと警告した。
●イスラーム原理主義者たちが、「イスラマバードにイスラームが行き渡るまで」と題されたビラが、北ワジリスタンのミランシャーに配られ、兵士たちに爆発を用いて「死の贈り物」をすると脅迫した。
●(中略)月曜日にはラムザック町の検問所がロケット弾で攻撃され、兵士2人が負傷した。また同僚が救援に駆けつけた所、遠隔操作爆弾が爆発して、さらに5人が負傷した(後略)。
Militants vow 'gift of death' for Pakistani troops●戦闘員たちが軍のパトロールに対して自爆攻撃を試みたあと、2日にわたって戦闘が続き、アフガン軍と米軍主導同盟軍がタリバン50人を殺害した。戦いはまだ続いているという。
●イスラーム抵抗勢力たちがヘルマンド州のパトロール隊を攻撃したあと、合同軍が戦闘機を呼んだ。タリバンゲリラたちは米機を撃ち落とそうとしたが失敗したと、同盟軍が発表した。戦闘の激しさが伺える。
●これに先立ち同盟軍が、日曜日の衝突で抵抗勢力20人以上が死亡したと発表している。「戦闘は夜明けにまで持ち越され、48人以上の戦闘員がアフガン国軍に殺害された」という。
●戦闘は日曜日、タリバン戦闘員が爆発物を搭載した車をシャーバン村近くにいた軍に突進させ、同時に近くの建物2ヵ所から銃撃してきたことで始まった。「戦闘員の車はアフガン国軍に破壊された。戦闘員2人が殺害された」という。同盟軍は敵の陣地に4つの爆弾を投下して破壊し、その後仲間に合流しようとしていた別のタリバン戦闘員も殺害した」という。「また戦闘員たちは地対空ミサイルで同盟軍の戦闘機を狙ったが、失敗した」と付け加えた(後略)。
Fifty Taliban killed in fierce Afghan battle●アフガニスタンのタリバン抵抗勢力が、韓国人23人の解放に関する話し合いは「うまく言っていない」と述べ、日没までには彼らを殺害すると脅迫した。
●イスラーム過激派たちが、逮捕されているタリバン23人の釈放と韓国人の撤退などの人質を解放するための条件を出し、話し合いの期限を月曜日の14:30 GMTにまで伸ばしていた。
●「話し合いは続いているが、うまくいっていない」と、タリバン報道官のユースフ・アフマディが述べた。「このような状況が続けば、捕虜は殺害されると思う」。
●(中略)タリバンは日曜日に、韓国人たちより1日前に誘拐されたドイツ人2人のうちの1人の、銃で蜂の巣のように撃たれた遺体を遺棄した。アフマディは、ドイツ人は2人とも殺害されたと主張しているが、アフガニスタンとドイツ政府は、2人目はまだ生存していると述べている。
●(中略)国防省によると、アフガン国軍が、タリバンが韓国人たちを監禁しているガズニ州の現場を包囲しているという。「命令が出れば、軍事作戦を実施する」と国防省報道官は述べているが、タリバンは、軍が動いたら捕虜たちを殺害すると警告している(後略)。
Taliban say talks falter on South Korean hostages●ブッシュ大統領の対テロアドバイザーの1人が、アルカイダの重要人物がパキスタン国内にいることがわかったら、アメリカは軍事力を用いることを検討すると述べ、これに対してパキスタンの外務大臣は「無責任」な考えと怒りを表し、デリケートな地域をアメリカが攻撃すれば一般市民の犠牲者が出て、パキスタン人たちの感情を逆なですると述べた。
●国家安全アドバイザーのフランセス・ファルゴスア・タウンセンドが、パキスタンを含む「世界のどこであろうと、攻撃するべき標的」が確認できれば、「その標的を追跡する」と述べた。「例外はない」と『CNN』に語った。
●しかしパキスタンの外務大臣のフルシッド・ムハンマド・カスリは、パキスタンを攻撃するというアメリカに警告を発した。パキスタン軍には国内の治安を取り締まってアルカイダを一掃する能力があり、一般市民の犠牲者を出すこともないという。
●アメリカの上院議員たちはタウンセンド女史の発言をおおむね支持したが、すでに窮地に立っているムシャラフ大統領を切り捨てることに対しては注意を促し、悪い結果に終わる場合もあると述べた。
●カスリ外務大臣が『CNN』に登場したあと再びタウンセンド女史が登場した。「彼らの怒りは理解できる。数百人の犠牲者が出ている」という。しかし「一番大事なことは、アメリカ国民を守ることだ」と述べ、「国家の力すべてを使って、国民を守る」という。
●すでにアメリカの特殊部隊チームや無人偵察機が部族地帯で活動していることをほのめかしながら、「一般に公表しなくても、やっていることはある」と語った(後略)。
Pakistan Rejects Talk of U.S. Action